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アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ3 (397レス)
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291
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Vanishing One
◆RwRVJyFBpg
2007/10/02(火) 02:05:08
ID:mVzuG3Gn(1/8)
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291: Vanishing One ◆RwRVJyFBpg [sage] 2007/10/02(火) 02:05:08 ID:mVzuG3Gn 空の色が変わっていく。深い黒から藍、そしてやがて青へ。 太陽は地平線に手をかけ、その体を起こし始める。全てのものを、等しく照らし出すために。 あれほど深かった闇は、昇りつつある昼の王によって、少しずつその体を削られていく。 あと数刻もすれば、夜の支配は完全にこの世から姿を消すだろう。 だが、世の中には消えない闇もある。 A-1地区。海沿いに行儀よく立ち並ぶ倉庫のうちの一つ。その中にそれはあった。 ぽっかりと口を開けた鉄扉の奥、闇は隠れるように潜んでいた。 ――ガツッ、ゴォン、カラカラ…… 黒い空間から音が響く。奥で何かが動いている。 音は粗く、無造作で、暴力的な所業を想起させる。何かを投げ、落とし、打ち壊してから漁る。 倉庫の主が行っているのは、どうやらそんな作業のようだった。 唐突に音が止む。 残響だけがコンクリートの海岸を低く流れて、消えた。 あとには、打ち寄せる波が静かに囁く声が響くのみ。 倉庫の中の闇はしばらく沈黙を保っていたが、間もなく、鉄扉の口から新たな音が漏れ出した。 ――コツ、コツ、コツ…… 足音とともに、鉄扉から出てきたのは男だった。 まるで、闇が分かれて人の形を成したかのような男――ヴィシャス。 彼は、傷の男スカーとの戦闘で失われた武器の代わりを求め、倉庫の中を探索していたのだった。 「……チッ」 ヴィシャスは自分の右手に握られているをモノを忌々しげに睨み、舌打ちをする。 白っぽい錆が浮いた鉄パイプ。 それは、小一時間探し回って見つけられた最良の武器だった。 「…………ツッッ!」 彼はしばらくの間、人形のようにただ立っていたが、不意に思い立つと パイプを刀に見立てて居合いの構えを取り、間をおかず抜き打った。 ぶゎんと太い風切り音が鳴る。それが消えないうちに持ち替え、今度は縦の斬撃を刻む。 上から振り下ろす一撃。 もしその剣先に人がいたなら紅い中身を弾けさせるであろうソレは しかし、コンクリートを穿つことなく返され、逆袈裟の斬り上げへと転化する。 縦、横、斜め、大振り、小振り、踏み込みながら、引きながら、ヴィシャスは舞う。 我流の型に載せて紡がれる剣舞には、洗練された美が内在していた。 その美を支えていたのは、剣に宿るギラついた凶暴さ――いわば殺しの功夫だった。 彼の採る一挙手一投足、その全てが『人を殺す』という目的に対して無駄なく収斂し 見る者にある種の機能美を意識させるほどに練り上げられていたのである。 「オオオッ!!」 右上から左下。気合いとともに大きな半円を刻むように鉛管を振り下ろし、ヴィシャスは動きを止めた。 銀糸のような髪が揺れ、そして戻る。 真冬に着るようなコートを纏っているにもかかわらず、顔には汗の粒ひとつ浮かんでいない。 見事な剣舞。もしここに観客がいたならば、手を叩いて彼の業を賞賛しただろう。 ……だが、その表情は演舞とは対照的に、いささか苦々しいものであった。 「……なまくらめ」 彼の不愉快は専ら、手の中の鉛管に向けられていた。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/anichara/1190992762/291
空の色が変わっていく深い黒から藍そしてやがて青へ 太陽は地平線に手をかけその体を起こし始める全てのものを等しく照らし出すために あれほど深かった闇は昇りつつある昼の王によって少しずつその体を削られていく あと数刻もすれば夜の支配は完全にこの世から姿を消すだろう だが世の中には消えない闇もある 地区海沿いに行儀よく立ち並ぶ倉庫のうちの一つその中にそれはあった ぽっかりと口を開けた鉄扉の奥闇は隠れるように潜んでいた ガツッゴォンカラカラ 黒い空間から音が響く奥で何かが動いている 音は粗く無造作で暴力的な所業を想起させる何かを投げ落とし打ち壊してから漁る 倉庫の主が行っているのはどうやらそんな作業のようだった 唐突に音が止む 残響だけがコンクリートの海岸を低く流れて消えた あとには打ち寄せる波が静かにく声が響くのみ 倉庫の中の闇はしばらく沈黙を保っていたが間もなく鉄扉の口から新たな音が漏れ出した コツコツコツ 足音とともに鉄扉から出てきたのは男だった まるで闇が分かれて人の形を成したかのような男ヴィシャス 彼は傷の男スカーとの戦闘で失われた武器の代わりを求め倉庫の中を探索していたのだった チッ ヴィシャスは自分の右手に握られているをモノを忌しげにみ舌打ちをする 白っぽい錆が浮いた鉄パイプ それは小一時間探し回って見つけられた最良の武器だった ツッッ! 彼はしばらくの間人形のようにただ立っていたが不意に思い立つと パイプを刀に見立てて居合いの構えを取り間をおかず抜き打った ぶゎんと太い風切り音が鳴るそれが消えないうちに持ち替え今度は縦の斬撃を刻む 上から振り下ろす一撃 もしその剣先に人がいたなら紅い中身を弾けさせるであろうソレは しかしコンクリートを穿つことなく返され逆袈裟の斬り上げへと転化する 縦横斜め大振り小振り踏み込みながら引きながらヴィシャスは舞う 我流の型に載せて紡がれる剣舞には洗練された美が内在していた その美を支えていたのは剣に宿るギラついた凶暴さいわば殺しの功夫だった 彼の採る一挙手一投足その全てが人を殺すという目的に対して無駄なく収し 見る者にある種の機能美を意識させるほどに練り上げられていたのである オオオッ!! 右上から左下気合いとともに大きな半円を刻むように鉛管を振り下ろしヴィシャスは動きを止めた 銀糸のような髪が揺れそして戻る 真冬に着るようなコートを纏っているにもかかわらず顔には汗の粒ひとつ浮かんでいない 見事な剣舞もしここに観客がいたならば手を叩いて彼の業を賞賛しただろう だがその表情は演舞とは対照的にいささか苦しいものであった なまくらめ 彼の不愉快は専ら手の中の鉛管に向けられていた
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