ガロードとティファの後日談8

[過去ﾛｸﾞ] ガロードとティファの後日談8 (1001ﾚｽ)
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505: ５ 2010/10/12(火) 13:11:16 ID:??? AA×

505: ５ [sage] 2010/10/12(火) 13:11:16 ID:???

犬を飼っている家、それから子供の集まりそうな公園など、二人は一つ一つ探していく。
一日そうして探したが、似顔絵の少年を知っている人も、仔犬に心当たりがある人も見つからなかった。
「見つからないね…」
そろそろ夕暮れになろうかという頃、川沿いの公園にやってきた二人は、設えられたベンチに腰掛けため息をついた。
休憩のためにやったミルクを飲み終わった仔犬が草むらをコロコロと走り回っている。
「ああ」
ガロードは仔犬のお気に入りの玩具を投げて遊んでやっていた。
仔犬は嬉しげに広場を駆け回り、玩具を咥え走ってくる。
「なあ、もし…」
「え？」
「このまま見つからなかったらさ、俺達があいつの家族に…」
「ガロード…」
「もちろん、探すのは続けるけどさ、それでももし、見つからなかったら…その時は」
愛しげに仔犬を見つめるガロードの眼差しに、ティファは胸が熱くなる。
自分が言おうとしていたことをガロードが言ってくれた。
（ガロードも、同じ気持ちなんだ…）
「うん…」
ティファは頷き、駆け寄ってきた仔犬を抱き上げた。

「ポチ！」
突然声が響き、抱き上げた仔犬がするりと手を抜け走り出す。
「あっ！」
「！」
一目散に駆けていく仔犬の先には小さな男の子が立っていた。
昨日のガロードと同じようにベロベロと顔を舐められている男の子は、泣き笑いながら仔犬の名を呼んでいる。
慌てて近寄っていくと男の子は似顔絵とそっくりだった。
「あなたがこの子の…？」
仔犬の懐きようを見れば、問うまでもなかった。
「ポチ、ポチ…！よかった！」
やや呆然と少年と仔犬を見守っていると、男の子の母親が駆け寄ってきた。
「まあ、本当に…ではあなた方が」
母親はガロードとティファに頭を下げる。
「すみません、犬の飼い主を探してる人がいるって聞いてもしかしたらと思って…私たちこの街に引っ越してきたばかりなんです。
　荷解きの途中で仔犬が逃げてしまって…」
「そうだったんですか…」
「保護してくださってありがとうございます。改めて御礼をさせてください」
「「いいえ、そんな…！」」
二人は同時に首を横に振る。
「でも…」
「お気になさらないでください、それよりこの子の家族が見つかって本当によかったです…」
ガロードはしゃがみこみ、男の子と「ポチ」の頭を撫でた。
「よかったな、もう迷子にならないよう気をつけてやんなよ」
「うん、ありがとう、お兄ちゃん」
ティファは玩具を差し出し、男の子に手渡す。
「よかったね…これ、この子が気に入ってたから…」
そっと仔犬の頭を撫でる。仔犬は目を細め、ティファの手をぺロリと舐めた。

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