[過去ログ] 『2ch全板人気トーナメント』投票スレッド-422 (948レス)
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(1): ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:23 ID:o2uF5DzW(1/17)調 AAS
♪*∴。..゚゚:.。..。:゚・*♪謡 う 三 戦 板♪ *・゚゚:.。:*・゚゚・*♪

 おひさしぶりです。
 ずいぶんと暑いですね。
 今回は夏にふさわしい、さらに三戦板に深い関りを持つ詩を紹介しましょう。
 タイトルはその名も
『赤壁賦』
 宋代の詩人蘇軾が、七月に長江の赤壁に船を浮かべ、
船上でかつての戦場を想いながら歌った情景を描いた詩です。
 美しい韻律と、勇壮さと無常観が綯い交ぜになった世界を、
どうか味わってください。
 蘇軾より、
『赤壁賦』
120: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:23 ID:o2uF5DzW(2/17)調 AAS
『赤壁賦』  蘇軾

 壬戌之秋 七月既望 蘇子與客泛舟 遊於赤壁之下
 清風徐來 水波不興 
 擧酒屬客 誦明月之詩 歌窈窕之章
 少焉 月出於東山之上 徘徊於斗牛之間
 白露横江 水光接天
 縱一葦之所如 凌萬頃之茫然
 浩浩乎如馮虚御風 而不知其所止
 飄飄乎如遺世獨立 忠サ而登仙
 於是飮酒樂甚 扣舷而歌之 
 歌曰 桂棹兮蘭ショウ[將+木] 撃空明兮泝流光
 渺渺兮予懷 望美人兮天一方
 客有吹洞簫者 倚歌而和之
 其聲嗚嗚然 如怨如慕、如泣如訴
 餘音嫋嫋 不絶如縷、舞幽壑之潜蛟
 泣孤舟之リ[説明不可]婦
121: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(3/17)調 AAS
(訓み下し)
 壬戌(じんじゅつ)の秋、七月既望(きぼう)、蘇子客と舟を泛(うか)べ、赤壁の下に遊ぶ。
 清風おもむろに來たり、水波興らず。酒を擧げて客に屬(しょく)し、
明月の詩を誦(しょう)し、窈窕(ようちょう)の章を歌う。少焉(しばらく)して、
月東山の上に出で、斗牛(とぎゅう)の間に徘徊(はいかい)す。
 白露(はくろ)江に横たわり、水光(すいこう)天に接す。
 一葦(いちい)の如(ゆ)く所を縱(ほしいまま)にし、
 萬頃(ばんけい)の茫然(ぼうぜん)たるを凌(しの)ぐ。
 浩浩乎(こうこうこ)として虚(きょ)に馮(よ)り風を御(ぎょ)して、
其の止(とど)まる所を知らざるが如く、飄飄乎(ひょうひょうこ)として
世を遺(わす)れて獨り立ち、忠サ(うか)して登仙()するが如し。
 是に於()て酒を飮み樂しむこと甚(はなは)だし。
122: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(4/17)調 AAS
 歌に曰く、「桂の棹(さお)に蘭のかい[將木]、空明に撃(う)ちて流光(りゅうこう)を泝(さかのぼ)る。
 渺渺(びょうびょう)たり予が懷(おも)い、美人を天の一方に望む。」と。
 客に洞簫(どうしょう)を吹く者有り、歌に倚(よ)りてこれを和す。
 其の聲嗚嗚然(おおぜん)として、怨(うら)むが如く慕うが如く、泣くが如く訴えるが如し。
 餘音(よいん)嫋嫋(じょうじょう)として、絶えざること縷(る)の如く、
幽壑(ゆうがく)の潜蛟(せんこう)を舞わしめ、孤舟(こしゅう)の離婦を泣かしむ。
124: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(5/17)調 AAS
(意訳)
 壬戌(みずのえいぬ)の年(元豊五年、1082年)の秋、私はは友と舟を江に浮かべ、赤壁の下(もと)に遊んだ。
 すがすがしい風が吹き、水面には波も起こらない。
 酒を取り上げて友にすすめ、明月の詩をくちずさみ、窈窕(ようちょう)の一節を歌う。
 しばらくすると、月が東の山の端に現れ、斗牛(とぎゅう)の星座の間にゆらゆらとした。
 白露は水上に広がり、空と水と、ひとつになって光る。
 葦のひと葉のように行く先を定めず、ひろびろとはてしない流れに舟をまかせる。
 はるかに大空に上り風に乗って、行方も知らぬように、ひらひらと俗世を離れて自由の身になり、
 羽根が生えて仙人の世界に上って行くようだ。
 こうして、酒も楽しみも、はなはだ深くなる。
125: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(6/17)調 AAS
 船端を叩いて拍子をとり、即興で歌を歌う。「桂の棹に蘭の櫂、月の薄明かりに棹をさし、
 きらめく光の中をさかのぼる。私の想いははるかに広がり、天の一方の美人を望み見る。」
友人の中に洞簫(どうしょう・竹製の縦笛)を吹く者がおり、歌に合わせて洞簫を奏でる。
 その音色は低く響いて、怨むようで、慕うようで、泣くようで訴えるようだ。
 余韻は長く尾を引き、糸のように長く途切れず、深い谷に潜む蛟を舞い踊らせ、
一葉の舟に眠る未亡人を泣かせてしまうほどだ。
126: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(7/17)調 AAS
 蘇子愀然 正襟危坐 而問客曰 何爲其然也
 客曰 月明星稀 烏鵲南飛 此非曹孟コ之詩乎
 西望夏口 東望武昌 山川相繆 鬱乎蒼蒼 
 此非孟コ之困周郎者乎 方其破荊州下江陵
 順流而東也、軸艫千里 旌旗蔽空
 レイ[酉+麗]酒臨江 横槊賦詩 固一世之雄也 
 而今安在哉。況吾與子漁 樵於江渚之上
 侶魚鰕而友麋鹿 駕一葉之扁舟 擧匏樽以相屬
 寄蜉蝣於天地 眇滄海一粟 哀吾生之須臾
 羨長江之無窮 挟飛仙以遨遊 抱明月而長終。
 知不可乎驟得 託遺響於悲風
128: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(8/17)調 AAS
(訓み下し)
 蘇子愀然(しゅうぜん)として、襟(えり)を正し危坐(きざ)し、
 客に問うて曰く、「何爲(なんす)れぞそれ然(しか)るや」と。
 客曰く、「月明かに星稀(まれ)に、烏鵲(うじゃく)南に飛ぶとは、此れ曹孟コ(そうもうとく)の詩に非ずや。
 西のかた夏口(かこう)を望み、東のかた武昌(ぶしょう)を望めば、山川(さんせん)相(あい)繆(まと)い、
 鬱乎(うっこ)として蒼蒼(そうそう)たり。
 此れ孟コの周郎に困(くる)しめられし者に非ずや。
 その荊州(けいしゅう)を破り、江陵(こうりょう)を下(くだ)し、
 流れに順(したが)いて東(ひがし)するに方(あた)りてや、軸艫(じくろ)千里、
 旌旗(せいき)空を蔽(おお)う。
129: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(9/17)調 AAS
 酒を[酉麗](した)みて江に臨み、槊(ほこ)を横たえて詩を賦(ふ)す。
 固(まこと)に一世(いっせい)の雄なり。
 而(しか)るに今安(いず)くに在りや。
 況(いわ)んや吾(われ)と子と、江渚(こうしょ)の上(ほとり)に漁樵(ぎょしょう)し、
魚鰕(ぎょか)を侶(とも)とし麋鹿(びろく)を友とし、
一葉(いちよう)の扁舟(へんしゅう)に駕(が)し、
匏樽(ほうそん)を擧(あ)げて以って相(あい)屬(しょく)し、
蜉蝣(ふゆう)を天地に寄す、眇(びょう)たる滄海(そうかい)の一粟(いちぞく)なるをや。
 吾が生の須臾(しゅゆ)なるを哀(かな)しみ、長江の無窮(むきゅう)なるを羨(うらや)む。
 飛仙(ひせん)を挟(さしはさ)みて以て遨遊(ごうゆう)し、
明月を抱(いだ)きて長(とこしえ)に終えんこと、驟(にわか)には得べからざるを知り、
遺響(いきょう)を悲風に託せり」と。
130: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(10/17)調 AAS
(意訳)
 蘇子は表情を変え、襟を正して座りなおし、友にたずねる。
「どうしてこのように悲しい音色を奏でるのか」と。
 友は言う。
「”月明かに星稀に、烏鵲南に飛ぶ”とは、曹操孟徳の詩ではないか。
 西に夏口を望み、東に武昌を望めば、山と川とが互いに一体となって、
 こんもりと茂っている。これは、曹操が周瑜に苦しめられた、
 赤壁の古戦場ではないか。曹操が、荊州を破り、江陵を下し、
 長江の流れにしたがって東に攻め下る様は、船は千里も連なり、
 旗じるしは空を覆い隠すようだった。
131: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(11/17)調 AAS
 酒を江にささげ、槊を横たえて詩を作る姿は、
 まさしく一代の英雄であった。しかし、今はどこに居るというのか。
 ましてや私やあなたは、江のほとりで漁やきこりをして、魚や鹿を友とし、
 一葉の小舟に乗って、ひょうたんの酒を酌み交わし、
 カゲロウのようなわずかな命を天地の間に保っている、
 はてしない大海原に落ちた一粒の粟のような身ではないか。
 この命のはかないことを悲しみ、長江の果てしなく尽きない様をうらやましく思う。 
 しかし、空を飛べる仙人と連れ立って遊び、
 明月を抱いて永遠の命を得ることはそう簡単にはできることではなく、
 ただ、この心の響きを悲しい風に託したまでである。」
133: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(12/17)調 AAS
 蘇子曰 客亦知夫水與月乎
 逝者如斯而未嘗往也
 盈虚者如彼而卒莫消長也
 蓋將自其變者而觀之 則天地曾不能以一瞬
 自其不變者而觀之 則物與我皆無盡也
 而又何羨乎 
 且夫天地之間 物各有主
 荀非吾之所有 雖一毫而莫取
 惟江上之清風與山間之明月 耳得之而爲聲 目遇之而成色
 取之無禁、用之不歇 
 是造物者之無盡藏也
 而吾與子之共適 
 客喜而笑 洗箋更酌
 肴核既盡 杯盤狼籍
 相與枕藉乎舟中 不知東方之既白
134: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(13/17)調 AAS
(訓み下し)
 蘇子(そし)曰(いわ)く、
「客も亦(また)た夫(か)の水と月とを知るか。
 逝(ゆ)く者は斯(かく)の如(ごと)くして、
 而(しか)も未(いま)だ嘗(かつ)て往かざるなり。
 盈虚(えいきょ)するものは彼(か)の如くして、
 而も卒(つい)に消長(しょうちょう)する莫(な)きなり。
 蓋(けだ)し將(は)たその變ずる者よりしてこれを觀(み)れば、
 則(すなわ)ち天地も曾(すなわ)ち以て一瞬(いっしゅん)なること能(あた)わず。
 その變ぜざるものよりしてこれを觀(み)れば、
 則ち物(もの)と我(われ)と、皆(みな)盡(つ)くるなきなり。
 而(しか)るをまた何をか羨(うらや)まんや。
 且(か)つ夫(そ)れ天地の間、物各(おのおの)主(しゅ)有り。
135: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(14/17)調 AAS
荀(いやし)くも吾(われ)の有(ゆう)する所に非ざれば、
一毫(いちごう)と雖(いえど)も取ること莫(な)し。
惟(た)だ江上の清風と、山間の明月とは、
耳(みみ)これを得て聲(せい)を爲(な)し、
目(め)これに遇(あ)いて色(いろ)を成す。
これを取るも禁ずる無く、これを用(もち)うるも歇(つ)きず。
是(こ)れ造物者(ぞうぶつしゃ)の無盡藏(むじんぞう)なり。
而(しか)して吾(われ)と子(し)との共(とも)に適(てき)するところなり。」と。
客喜(よろこ)びて笑い、箋(さかずき)を洗いて更(こもごも)酌(く)む。
肴核(こうかく)既に盡き、杯盤(はいばん)狼籍(ろうぜき)たり。
相(あい)與(とも)に舟中に枕藉(ちんしゃ)して、
東方の既に白(しら)むを知らず。
136: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(15/17)調 AAS
(意訳)
 私は答えた。
「あなたもまた、かの水と月のことを知っているでしょう。
 流れ去ってゆくものはこの水のようであるが、
 しかし去ってそれきり帰ってこないということはないのだ。
 満ち欠けするものはあの月のようであるが、
 しかし消えたり成長したりすることはないのだ。
 しかし、すべてが変化し続けるものとしてこれを見れば、
 この天と地さえも、わずかな時間でも変わらずにはいられない。
 そして、変化しないものとしてこれを見れば、物であっても私自身であっても、
 すべて尽きることのないものなのである。
 そうであるから、どうしてうらやむことがあろうか。
 しかしまた、この天地の間にある物すべてには、
 それぞれに所有者がいる。
137: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:24 ID:o2uF5DzW(16/17)調 AAS
 かりそめにも自分の持ち物であれば、
 たった一筋の毛であっても取ることはできない。
 ただ、この江を渡る清風と、山の端の明月だけは、
 私の耳に達すれば音楽となり、目に映れば美しい絵となってくれる。
 これを得ようとしても禁じる者はいないし、得たとしても尽きることはない。
 これこそ、天地の間のすべてを造りたもうた造物主の無尽蔵というもの、
 私とあなたとが、ともに心楽しんでいるものである。」
 友人は喜んで笑い、盃をすすいでまた酒を酌み交わす。
 酒の肴もなくなってしまい、盃や皿もあたりに散らかったまま。
 舟の上で互いに枕しあいながら眠ってしまい、東の空の白むのにも気付かなかった。
147: ミC地雷魚゚∀゚) 02/07/11 16:27 ID:o2uF5DzW(17/17)調 AAS
♪*∴。..゚゚:.。..。:゚・*♪謡 う 三 戦 板♪ *・゚゚:.。:*・゚゚・*♪

 ご静聴ありがとうございました。
 長々と申し訳ありませんでしたが、季節が七月、
長江に船を浮かべて酒宴をするのはさぞかし涼しかろうとの思いを止めきれず、
せめて詩中にて味わいたいと思い投下させていただきました。
 また、是非とも三戦板としては紹介したかった詩でもあり、
長きも厭わず投下いたしました。
 どうも、ありがとうございました。
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