【シャニマス×ダンガンロンパ】シャイニーダンガンロンパv3 空を知らぬヒナたちよ【安価進行】Part.1 (996レス)
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抽出解除 必死チェッカー(簡易版) レス栞 あぼーん
82: コンマ14◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:36:35.96 ID:V32uVhix0(1/32)調 AAS
ちょっと思ったように進行できていないので、
今日は自レスでコンマ判定もやってとりあえずプロローグ終わらせるところまでやります。
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【藤棚】
校舎と寄宿舎の間の空間にはいくつかベンチが並んで、その上には庇のようなものがついている。
よく公園なんかで蔦が張り巡らされて天然の日除になっているそれだ。
おばあさんなんかが腰掛けてパンクズ振り撒いているよなーなんてことを思っていると、そんな和みとは正反対な容姿の女性に話しかけられた。
???「なあ、アンタたちもここに連れてこられた感じか?」
にちか「……! は、はい……!」
どことなく粗暴な口調に、陽光をぎらつかせる金髪。
瞬間脳内に走った言葉は……「ヤンキー」。
ルカ「そうだけど……アンタは?」
そんな私の緊張を感じ取ったのか、斑鳩さんが一歩前に出て、対話を引き受ける。
樹里「アタシは西城樹里。……そんなビビんないでくれ、別に取って食ったりなんかしねーよ」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
超研究生級のサポーター
西城樹里
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
西城さんは指でエクボをなぞるようにしながらはにかんだ。
樹里「まあ髪を染めちゃいるけどよ……何も悪い付き合いなんかはしてないから、安心してくれ」
どうやら私のように警戒をむき出しにするような反応には慣れっこらしく、途端に柔らかな雰囲気を醸し出してくれた。
ぱっと見の印象で反応をとってしまったことを少し恥じる。
83: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:38:06.68 ID:V32uVhix0(2/32)調 AAS
にちか「す、すみませんつい……」
樹里「気にしなくていいよ、慣れっこだからな」
ルカ「アンタ、サポーターって?」
樹里「ああ、スポーツ観戦が趣味みたいなところあるから……そこからか?」
にちか「ふーん……野球とか、サッカーとかですか?」
樹里「ああ、野球は結構好きでチケットもたまに自分で取ったりしてるな」
ルカ「ふーん……」
にちか「西城さん、運動神経良さそうですけど自分ではやらないんですか?」
樹里「あー……前までは、バスケもやってたんだけど……」
にちか「今はやってないんです?」
樹里「まあ……色々な」
ルカ「……人には人の事情が色々あんだろ、詮索はやめとこう」
樹里「ははっ、ルカさん……だっけ? アンタも見た目に似合わず結構優しいんだな」
ルカ「ハッ、お互い様だね」
(おっ、もしかしてこの二人結構相性いいのかも?)
樹里「先行きのわからないこんな状況なんだ。何かあれば手貸すぜ」
【コンマ判定 14】
【モノクマメダル4枚を手に入れました!】
【現在のモノクマメダル枚数…39枚】
【希望のカケラを手に入れました!】
【現在の希望のカケラ…11個】
84: そういえば選択肢が一つ抜けてた…◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:39:38.57 ID:V32uVhix0(3/32)調 AAS
【広場】
校舎を出てまっすぐ進む。
空を覆うアーチ状の格子の根本を見たいと思ってのことなのかもしれないし、ひとまずこの世界とやらの全貌を見定めたかったのかもしれない。
当てのない歩みは、ある一定のところで行き詰まった。
にちか「ここ……広場、ですかね」
ルカ「……なんだか未開拓って感じだな」
斑鳩さんの指摘通り、辺りを見渡すとそこかしこで工事の作業風景が目に止まる。
瓦礫が積み上がっていたり、ドリルを掘り進めるような音が響いたり。いったいここで何が行われていると言うのだろう。
???「……あ、あの」
にちか「はぁ……そんなに新しいモノぽんぽん作って、私たちに何をさせたいんですかねー」
ルカ「マジで意図が読めねえな……何だってんだ」
???「す、すみません……っ」
にちか「何作られてもこっちは長居なんかする気ないんですけどねー」
???「あ、あの……っ!」
にちか「わ、わぁっ?!」
???「す、すみません……驚かせちゃいました……よね……?」
ルカ「え、えっと……アンタは?」
真乃「さ、櫻木真乃……超研究生級のブリーダー……だそうです」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
超研究生級のブリーダー
櫻木真乃
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
85: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:41:27.10 ID:V32uVhix0(4/32)調 AAS
工事作業の轟音の中私たちを呼び止めるために張り上げた大声は、よほど不慣れなことだったのだろう。
私たちが振り向いてなおその手は震えていた。
櫻木さんは肩を縮こまらせて、眉も寄せている。今の追い込まれている状況に相当萎縮している様子だ。
にちか「ご、ごめんなさい……私、気づかなくて!」
真乃「い、いえ……私こそ、すみません……っ」
ルカ「大丈夫か、随分と不安がってる様子だけど」
真乃「ありがとうございます……確かに、不安なんですけど、今ちょっと人探しをしてて……」
にちか「人探し……です? どなたかお知り合いでもいたんですか?」
真乃「あ、いや、その……正確には、人じゃなくて、鳥さん……なんですけど」
ルカ「……鳥?」
真乃「私のお友達で、ハトさんのピーちゃんって言うんです。確かあの時も一緒にいたと思うんですけど……」
にちか「ああ、ペットのハトを探してるんですね! いや、すみません、私もちょっと見てないですねー」
真乃「そ、そうですか……」
ルカ「……というか、この敷地内で鳥は見た覚えがないな。あの天井の檻のこともあるし……どうなんだろうな」
にちか「すみません、お力になれなくて……」
真乃「いえ……こんな状況で、惑わせるようなことを言ってしまってこちらこそすみませんでした……」
櫻木さんはすっかり肩を落とした様子。
確かにペットを持っている人からすれば誘拐された状況って不安で仕方ないだろう。
私だってそうだ。お姉ちゃんが今頃どれだけ慌てているか……それはちょっと滑稽かもしれないけど。
【コンマ判定 57】
【モノクマメダル7枚を手に入れました!】
【現在のモノクマメダル枚数…46枚】
【希望のカケラを手に入れました!】
【現在の希望のカケラ…12個】
86: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:42:40.95 ID:V32uVhix0(5/32)調 AAS
【噴水?】
広場の中から唯一通じている道を通ると、屋内に設けられた噴水に行き当たる。
やたら筋肉質な人体に、モノクマーズたちによく似たクマの頭部が突き刺さったような不細工な彫刻から滝のように水が流れている。
……異質な空間だ。
???「こんにちは……」
にちか「あ、こんにちは……」
妙な空気感に満ちた空間で、消え入りそうなほどに淡く儚い雰囲気の女の子は却って目を引いた。
奇妙な存在感に惹きつけられるようにして、私たちは邂逅する。
???「あの、自己紹介……いいですか?」
ルカ「ん、いいよ。そっちから頼める?」
霧子「幽谷霧子です。よろしくお願いします……」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
超研究生級のドクター
幽谷霧子
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
幽谷さんは白衣のような服を身に纏い、手足のあちらこちらに包帯や絆創膏をのぞかせている。
少し痛ましい姿に、言葉に詰まっていると、幽谷さんの方から申し出た。
霧子「ごめんね……怪我をしているわけじゃないの……これは……生きている証……だから……」
にちか「はぁ……」
87: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:44:31.29 ID:V32uVhix0(6/32)調 AAS
ルカ「まあ、ファッションみたいなもんなんだろ。深く突っ込む必要もねーって」
にちか「まあ才能が『ドクター』なんですもんね……そのキャラ付けの一環みたいな感じです?」
霧子「えっと……時々、病院で子供たちのお相手をするお手伝いをしてて……」
霧子「お医者さんになる道に向けて勉強も頑張ってるんだ……」
にちか「え、医学部志望です?! めちゃくちゃ頭いいんじゃないですか!」
ルカ「おー……そうなるのか」
にちか「そうですよ! 斑鳩さんは高卒で養成学校行きだから分かんないかもしれないですけど!」
ルカ「……悪かったな」
霧子「全然、そんな……普通だよ……?」
にちか「いやいや! なんか幽谷さん知性ある感じしますもん! 納得だなー……」
ルカ「それより……霧子、アンタはここを調べてたんだよな。この噴水は何のためにあるんだ?」
霧子「ううん……ごめんね、私も今さっき見たところで……」
霧子「でも、他の部屋と違う雰囲気がしてて……この部屋は、これで終わるんじゃないと思う……かな」
にちか「これで終わりじゃない?」
霧子「うん……もっと別の何かが眠っている……そんな気がして」
幽谷さんが察知しているものの正体はわからないが、確かに言いようのない雰囲気が立ち込めているのは事実だ。
私たちのことを見定めようとしているような彫刻もそうだし、妙に整然と綺麗にまとまった内装もそうだ。
厳かさの裏には何か底知れぬ悪意のようなものを感じずにはいられない。
にちか「……なんか嫌な場所ですね」
ルカ「チッ……他のところ、行くか」
【コンマ判定 95】
【モノクマメダル5枚を手に入れました!】
【現在のモノクマメダル枚数…51枚】
【希望のカケラを手に入れました!】
【現在の希望のカケラ…13個】
88: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:45:58.33 ID:V32uVhix0(7/32)調 AAS
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【裏庭】
校舎の裏をぐるりと回ると、鉄製の扉で閉じられた大きなボックス。
そこから校舎に向かって血管のようにパイプが伸びて接続している。校舎の空調設備の類なのであろうことはそこで予測がついた。
???「これだけ大きな設備……ランニングコストだけでも洒落にならないと思うけど……」
ボックスの中は案の定太いパイプがそこかしこに張り巡らされて、中央のボイラーが堂々と傲慢な表情をしていた。
その前で顎先に指を当てて、考え込む様子の女性。私よりも年の程は少し上のように見える。
ルカ「なあ、アンタ。今ちょっといいか?」
???「……あら、あなたたち……ごめんなさい、深く考え込んでいて気づかなかったみたい」
夏葉「有栖川夏葉よ。超研究生級の文武両道……だそうよ」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
超研究生級の文武両道
有栖川夏葉
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いよいよ才能に具体性が伴わなくなってきたけど、本人の放つ威厳がそれを補って余りある。
私たち二人を見定めるその視線には本人の自信と気迫が携り、凛とした佇まいには思わず見惚れてしまうような気品が滲んでいる。
ルカ「アンタ、随分と冷静なんだな。私たちと同じで誘拐されてここに来たんだろう?」
夏葉「ええ。冷静そうに見えるのなら、それはそう取り繕っているだけよ。私だってこんな状況、今にも逃げ出したいもの」
夏葉「でも、そんなことをしても何も変わらないじゃない? 今は自分のできる範囲で対策を練る……それが今は状況の分析というだけ」
ルカ「こいつは……頼りになりそうな女だ」
にちか「で、ですね……すごいちゃんとした方……!」
夏葉「ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいわ。ただ、私も条件は全て同じ……ここでは何も特別なものは持っていないわ」
夏葉「お互い協力してこの状況の打開を目指しましょうね」
にちか「はい! よろしくお願いします!」
89: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:47:11.05 ID:V32uVhix0(8/32)調 AAS
ルカ「……ところでなんだが、アンタ随分と鍛えてんだな」
夏葉「あら、分かってしまうかしら」
ルカ「まあな、私はここに来る前からアイドルの研究生やってて……人の筋肉のつき具合なんかは割とぱっと見でわかる」
ルカ「アンタのはそれなりの時間かけて熟成された肉体美だろ」
夏葉「ええ……ええ! そうなの、そうなのよ、ルカ!」
ルカ「う、うおおおお?!」
夏葉「学業の傍ら、己の肉体を磨き上げることを抜かすことを信条としているの! 評価してもらえて嬉しいわ、ルカ!」
ルカ「ちょ、ちょっと……一回手離せ!」
夏葉「あら? そういうあなたもよく鍛え上げられているわね……一見細身に見えるけれど無駄のない肉付きで、入念なトレーニングの跡が見て取れるわ」
ルカ「そりゃアイドルの研究生やってるからだよ! ……ってか離せ!」
夏葉「ルカ、このあと時間があったら一緒にトレーニングはどうかしら。同じ筋肉道を歩むものとして、高めあいたいの」
(……斑鳩さん、ご愁傷様です)
どうやら有栖川さんには妙なツボがあるらしく、そこから暫く斑鳩さんにつきまとってトレーニングをせがんでいた。
さっきまでの品格ある姿とのギャップもまた、彼女の魅力なんだろうけど、トレーニングとは無縁の私からすれば圧倒されるばかりだった……
【コンマ判定 33】
【モノクマメダル3枚を手に入れました!】
【現在のモノクマメダル枚数…54枚】
【希望のカケラを手に入れました!】
【現在の希望のカケラ…14個】
90: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:48:56.53 ID:V32uVhix0(9/32)調 AAS
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【プール前】
校舎に横付けになっているドーム上の建物。
通常なら体育館なのだろうけど、どうやらこの学校は事情が違うらしい。
にちか「屋内プール……ですか」
ルカ「どうやら長いこと使われてないみたいだけどな」
斑鳩さんの指摘通り、建物の中に入ろうとも、植物が入り口周辺を塞ぐほどに生い茂っているのでとてもじゃないが進めない。
それにガラス扉の向こう側も電気が灯っていないし、人の出入りがあったような気配もない。まるで廃墟のような様相だ。
???「初めましての人やね、自己紹介ばしてもよか〜?」
にちか「わっ、こ、こんにちは……!」
(す、すごい訛り……!)
恋鐘「うちは月岡恋鐘、超研究生級の料理研究家ばい!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
超研究生級の料理研究家
月岡恋鐘
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
突然に話しかけてきた月岡恋鐘と名乗る女性は、大人と子供のちょうど中間のような女性だった。
体つきや顔つきは私よりも幾分か成熟している様子だけど、声のトーンや、その話し方や立ち居振る舞いはあどけなさや幼さのようなものを感じさせる。
それに、きっと方言混じりの喋り方も加わって垢抜けていない印象を抱かせているのだろうと思った。
91: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:49:49.81 ID:V32uVhix0(10/32)調 AAS
恋鐘「さっきからずっと歩いて人を探し回っとったんやけど、やっと出会えたば〜い! こいはどこ〜〜〜?!」
にちか「それが……私たちもサッパリで」
ルカ「うちらもアンタと一緒だよ。あのクマ連中から聞いた話以上の情報は持ってない」
恋鐘「うう……なんが起こっとるかサッパリばい……」
にちか「あの、月岡さんってこっち……東京の女じゃないですよね?」
恋鐘「うん! うちは長崎! 長崎で実家の小料理屋ば手伝うとるんよ!」
ルカ「長崎……随分と遠いんだな」
にちか「他の人は割と東日本に固まっている感はありますけど……なんで急に長崎なんでしょう」
恋鐘「そがんこと言われてもうちが一番知りたかよ! 急にアイドルになれって言われても困るばい!」
恋鐘「まあ、アイドルやること自体は悪い話ではなかけど……」
(あ、そこは割と受け入れてるんだ……)
【コンマ判定 53】
【モノクマメダル3枚を手に入れました!】
【現在のモノクマメダル枚数…57枚】
【希望のカケラを手に入れました!】
【現在の希望のカケラ…15個】
92: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:51:09.71 ID:V32uVhix0(11/32)調 AAS
【キーンコーンカーンコーン……】
一通り敷地内の探索をし終えた頃、タイミングを狙い澄ましたかのように鳴り響くチャイム。
まるで平然と日常を綴るかのように、それは突然に始まった。
モノタロウ『お待たせ! 入学式の準備が整ったよ!』
モノキッド『最高にクールでブラッドでマッドネスな入学式がキサマラを待ってるぜッ!』
モノスケ『ここからが才囚学園の本域や! 覚悟しときや!』
モノファニー『押さず、走らず、喋らず。おはしで体育館までやってきてちょうだいね』
モノダム『……』
モノタロウ『待ってるよ〜!』
プツン
93: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:52:28.95 ID:V32uVhix0(12/32)調 AAS
ルカ「……何かが始まる、みてーだな」
にちか「い、斑鳩さん……どうしましょう」
ルカ「どうするもこうするも……行くしかないだろ。今の私たちはあいつらの手の中。争ったところでろくな展開は待っちゃいないだろうしな」
にちか「……そう、ですよね」
ルカ「……」
ルカ「あー! そう不安そうな顔すんなって! 大丈夫、私がついてる!」
にちか「斑鳩さん……」
ルカ「私の方がちょっと年上で……同じ部屋に拉致られてた縁もある。ここにいる間ぐらいは私のことも頼ってくれていいから」
ルカ「んな不安そうな面してんじゃねー、ほら。行くぞ」
斑鳩さんは照れくさそうに顔を背けて、私に右手を差し出した。
流石にこれをとって一緒に歩くほど私も幼くはないが、それでも流石は彼女の持つカリスマ性だ。
その背中は今は何よりも頼り強く、心強い存在として映っている。
きっと斑鳩さんがいなければ、私は今にも不安に潰されていただろうから。
その感謝の意を込めて、パンと私の手を重ね合わせた。
にちか「はい、行きましょう……ルカさん!」
ルカ「……ハッ」
94: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:54:36.00 ID:V32uVhix0(13/32)調 AAS
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【体育館】
校舎の奥まったところにある体育館には、自己紹介を済ませて顔見知りになった面々がすでにあちこちに集まっていた。
ある程度のコミュニティはできつつあるらしい、数人単位で固まっているところが随所に見られる。
私とルカさんは二人で部屋の壁にもたれかかり、時間の経過を待った。
そして暫くしてから、一人の少女が声を上げた。
あさひ「……来る」
めぐる「どうしたの、あさひ?」
あさひ「何か……近づいてきてるっすよ。遠くから……ここに!」
初めは彼女だけが聞き取っていたそれは次第に他の人間にも感知され始める。
微細な音は振動となって実感に結びつき、そしてやがて自分たちの近くに影という予兆の存在を認める。
今ここに、頭上より、何かが降り注ぐ!
ドシーン!
凄まじい轟音と舞い上がる埃。
防衛本能から閉じた瞳をゆっくりと、細い水平線が開いていく中で、それを見る。
95: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:55:31.62 ID:V32uVhix0(14/32)調 AAS
【おはっくま〜〜〜〜〜!!!!!】
人の首を掴めばトマトのようにへしゃげてしまうだろうし、
ハンマーを振り下ろせば根本から折れてしまうだろうし、
どんな鉄製品も踏み潰せばただの鉄屑に還ってしまうだろう。
そんな見立てが即座に走るほどに、絶対的な暴力。
暴力を体現した悪魔とでも言うべき5体が私たちの前に降臨したのである。
『ねえねえビックリした? ビックリした?』
『ヘルイェー! この姿を見るのは、今のキサマラは初めてだもんな!』
『ワイら最強最悪の破壊兵器エグイサルや! どうや、思い知ったか!』
恋鐘「ふぇぇぇぇ?! な、なんねこれ?!」
夏葉「みんな、離れて! 距離をとりなさい! 何をしてくるかわからないわ!」
あさひ「すごいっすー! あんな機械、見たことないっすー!」
灯織「言った側から……! 芹沢さん、自分勝手な行動は控えて!」
エグイサルと呼ばれる重機は一歩一歩ジリジリとこちらに近づいてくる。
武器も持たない生身の私たちは自然と身を寄せ合う形に。
それでも対抗策は何一つない。
……万事休すだ。
96: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:56:44.64 ID:V32uVhix0(15/32)調 AAS
『ぐへへへ……どいつからぶっ殺してやろうか……まずはその細い胴体を握りつぶして内臓をデロデロ吐き出させてやる……』
『ちょっと、アタシグロいのダメなのよ……もっと平和的に行きましょう?』
ルカ「て、テメェらの目的はなんなんだ……! なんのつもりだよ……!」
透「あー、死にたくないなー」
恋鐘「もういかんばい! お先真っ暗ば〜〜〜い!」
紛糾することしかできずにいた私たち。
一寸先に見える結末に怯え、絶叫する他なかった狂乱の渦中で。
海を割るように、その一言が鳴り響いた。
『民よ、争いはおやめなさい』
『こ、この声は……!』
『お、お父やん?!」
ほんのわずかな言葉なのに、耳に入った瞬間に全身を虫が這い回ったような不快感。
胃の底に溜まった澱みがせり上げてくるような言い知れぬ黒々とした感情が湧き上がってくる。
今まで私たちが直面してきた『最悪』、今まさに陥っている『最悪』、そんなものを鼻で笑い飛ばしてしまうような、
もっと強大で劣悪で、醜悪な『最悪』がすぐそこにまで迫っているという実感だった。
97: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:58:06.31 ID:V32uVhix0(16/32)調 AAS
『争いは何も生みません……何かを生み出すことができるのは、生命と生命の尊き交わりのみなのですから……』
『く、来るわよ! キサマラも衝撃に備えなさい!』
樹里「お、おいおい! 何が起きるってんだ?!」
霧子「すごく……胸がざわざわします……」
全員が促されるままに体育館の奥、エグイサルの向こう側へと視線をやった。
この学校の校章とおぼしき垂れ幕が見下ろす先には校長が登壇するであろう台があった。
ただ一つ、理解不能なことがあるとすれば、その台はガタガタと音を立てて【蠢いている】こと。
真乃「来ます……っ!」
バビューン!!!
花火玉のように、黒い影をした何かが射出された。
ずんぐりむっくりした影は妙に緩やかに落下して、私たちに向けて首を傾げた。
98: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 20:59:13.49 ID:V32uVhix0(17/32)調 AAS
「グッモーーーーーーーーニン! 超お久しぶりじゃん、オマエラ元気〜〜〜〜〜?!」
99: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:00:50.21 ID:V32uVhix0(18/32)調 AAS
これまで私たちの前に何度と姿を表したモノクマーズ、それらの個体を一回り大きくしたような白黒ツートンカラーのぬいぐるみだった。
愛依「な、なにあれ……なんか増えたんだけど……」
円香「……最悪」
モノクマ「ボクの名前はモノクマ、この才囚学園の【学園長】なのだー!」
モノクマと名乗るぬいぐるみは傲慢なまでにふんぞり変えると、そのままとてとてとこちらに向かってくる。
エグイサルに登場していたモノクマーズも、彼に続く形で機体から降り、一つの隊列のようになった。
モノクマ「自己紹介が遅くなって申し訳ない……でも、その間にみんなはもう自己紹介は済んだんだよね?」
モノタロウ「うん! オイラたちもバッチリ顔見知りだよ!」
モノクマ「えらいね〜、相互理解はコミュニケーションの第一歩ですぞ!」
円香「異議あり。こっちは全然そっちのことを理解してない」
モノファニー「あれ? お名前はちゃんと伝えたわよね?」
凛世「逆に……お名前以外のことは全く存ぜず……」
灯織「どうして私たちを拉致監禁しているのか、その理由もはぐらかされたままです」
甜花「甜花たちを、ここから出して〜……!」
モノキッド「おいおい! キサマラの耳が遠いのを棚に上げてミーたちを悪く言うつもりか?!」
モノスケ「才囚学園は一人前のアイドルを育成するための学校や。それ以上でもそれ以下でもないで」
ルカ「そこなんだよ。元から研究生やってる私はともかく……にちかとか、他の連中はなんでここに呼ばれてる」
100: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:02:06.23 ID:V32uVhix0(19/32)調 AAS
モノクマ「オマエラには未来があるからだよ」
101: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:04:44.62 ID:V32uVhix0(20/32)調 AAS
甘奈「み、未来……? たしかに、甘奈たちはまだまだ未来はあると思うけど……それはみんなおんなじじゃないの……?」
モノクマ「いいや違うね。オマエラの持つ未来と、その他有象無象の持つ未来。その意味と価値には雲泥の差があるんだ」
モノクマ「だからこそこの学園で育まれる未来は美しく、尊く、儚い」
樹里「要領を得ねーよ、もっと分かりやすく言ってくれ」
モノファニー「キサマらは選ばれたのよ! スカウトされたって言ってもいいわね!」
(す、スカウト……?! 私が?!)
モノキッド「そう、キサマラは才能の原石なんだ! この学園を出る頃には立派なダイヤモンドになっていることだろうぜッ!」
夏葉「……話が堂々巡りしていないかしら。あなたたちは結局私たちに何をさせたいの?」
甜花「そ、そう……アイドルになるって具体的には何をすれば……いいの?」
灯織「別にアイドルになることに賛同したつもりもないですが……」
モノクマ「よし、それじゃあこの才囚学園での【アイドル育成プログラム】についてご説明いたします! モノクマーズのみんな、準備はいいかな!」
【はーいくま〜〜〜〜〜!!!!!】
102: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:05:41.49 ID:V32uVhix0(21/32)調 AAS
モノタロウ「@キサマラにはこの才囚学園で共同生活を送ってもらいます。期限は【一生】! 長い時間を友達と一緒に過ごすことでその魅力は一層磨き上げられることでしょう!」
(……は?)
にちか「ちょ、ちょっと待ってよ……! 今何て……?」
モノクマ「ちょっと! うちの子が今発表してるところでしょうが! 邪魔しないでちょうだいよ!」
にちか「いや、だって……」
モノファニー「A学園生活内での活動に特に制限はありません。校内設備を自由に探索しても構いませんが、夜時間中の食堂と体育館は出入り禁止となります。また、現状では立入不可の区域もあります」
モノキッド「B才囚学園の学園長であるモノクマへの暴力はかたく禁じられています。校内設備に損害を与える行為も基本的には禁止です」
モノスケ「C校則に違反する行為を行なった生徒はエグイサルによって粛清されます。規則を守って、清く正しい学園生活を送りましょう」
モノダム「……」
モノタロウ「以上だよ!」
103: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:07:07.05 ID:V32uVhix0(22/32)調 AAS
(……は? な、何言って……)
ルカ「ざけんな! 何が期限は一生だ……そんな道理が通用するかよ!」
夏葉「私たちには元々の生活があるし……親族だっている、そんな長期の共同生活など受け入れられないわ!」
モノクマ「よしよし、オマエラいい子だね〜! 一言も噛まずに全部言えたじゃないか〜!」ペロペロペロペロ
モノタロウ「うわ〜! お父ちゃん恒例の愛のペロペロシャワーだ〜!」
モノファニー「あんなところからこんなところまで舐め回されちゃうわ〜!」
樹里「クソ、んだアイツ……こっちのことまるで聞いてねーぞ!」
モノクマ「ああ……舌ったらずでまだヨチヨチ歩きな我が子たちがこんなにも一生懸命になってボクのために頑張ってくれる……こんなにも幸せなことがあるだろうか……!!」ペロペロペロペロ
モノスケ「あかん! お父やん、そこはあかんで〜!」
モノキッド「禁断のッ! 禁断の扉が開いちまうッ!」
モノダム「……」
モノクマ「そんな恨めしそうな眼をしなくてもいいんだよ! むしろ何もせずとも愛を受けられるモノダムのその幸運さが可愛らしい!」ペロペロペロペロ
樹里「おい、いい加減にしろ! さっさとここから出しやがれ!」
104: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:08:15.83 ID:V32uVhix0(23/32)調 AAS
モノクマ「……もう、なんだよ。せっかく我が子との団欒を楽しんでたところなのに水を差しやがってさ」
甜花「団欒っていうか……舐め回してただけ……だけど」
モノクマ「何? 何が不満なわけ? オマエラみたいな没個性で何も持たない、この先世界の誰にも名前を覚えられることもなく消えていくはずだった存在を掬い上げてもらって、むしろ感謝の言葉はないの?」
(……!)
【没個性】……そんなことは何よりも自分が一番わかってる。
アイドルなんてテレビの向こう側の存在。煌びやかな芸能界なんて、私とは対極の場所。
自分だって理解しているし、人生とはそういうモノだと受け入れている。
そのはずなのに、こうも他人に面と向かって言われると腹立たしく感じるモノなのか。
モノクマ「オマエラという日常の奴隷に非日常をプレゼントしてやってるんだよ! アーッハッハッハッハ!」
にちか「うるさい……!」
ルカ「にちか……?」
にちか「あんたが人の価値を勝手に決めるな……! この先数十年ってある私たちの未来を勝手に値踏みして、こき下す権利なんてあんたにはないでしょ……!」
モノクマ「……ボク、さっき言ったよね?」
モノクマ「オマエラには未来があるって。確かに今は他の日常の奴隷と変わりないオマエラだけど……この学園で過ごすことでオマエラはその【輝かしい未来】を手にすることができるんだ」
モノクマ「よーし、それじゃあモノクマーズ! 次のステップのイントロダクションにいっちゃおー!」
【はーいくま〜〜〜〜〜!!!!!】
105: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:09:16.41 ID:V32uVhix0(24/32)調 AAS
モノタロウ「あのね! この学園生活の期限は一生なんだけど、途中で卒業をすることができる制度があるんだ!」
モノファニー「それは【学級裁判】! 他の生徒を殺害したクロとそれ以外の生徒のシロで学級裁判を行って、クロがシロを欺き通すことができれば見事卒業になるのよ!」
モノキッド「ヘルイェー! クロが卒業になった際にはそれ以外のシロ全員がおしおきになっちまうぜ!」
モノスケ「逆にクロとバレてしもうたらクロだけがおしおきで残った生徒で学園生活継続や」
モノダム「……」
106: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:10:02.68 ID:V32uVhix0(25/32)調 AAS
にちか「……え?」
言葉の全てが宙をすり抜けた。
そんなの、テレビや小説、作り物の世界でしか聞いたこともないし、自分で口にしたこともない。
辞書での意味ぐらいは知っているけど、逆に言えばそれぐらいにしか実感がない言葉。
本当に、この世界に存在する概念なのかも疑わしいような言葉を、前提として持ち出されたことに頭がまだ追いついていなかった。
107: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:11:12.05 ID:V32uVhix0(26/32)調 AAS
真乃「ちょ、ちょっと待ってください……っ! さ、殺害ってどういう意味ですか……?」
モノキッド「どういう意味もこういう意味もないぜッ! 文字通りキサマが他のキサマラの中の誰かをぶっ殺すって意味だ!」
モノスケ「包丁でブッ刺してもええし、縄で首を絞めたっていい。殺し方は問わへんで」
モノファニー「うぅ……グロい殺し方だけは勘弁ね。私グロいのダメなのよ……」
ルカ「……殺す殺されるもそうだけど、気になることを言ってたよな。学級裁判ってのはなんだ?」
モノタロウ「よくぞ聞いてくれました! この学級裁判が、このコロシアイ強化週間におけるキモだからね!」
モノファニー「あのね、キサマラの間で殺人事件が起きた場合、誰が殺害した犯人なのかを議論して話し合って決めてもらうの」
モノスケ「要は犯人当てっこやな! それに成功すればクロだけがおしおきで、失敗すればそれ以外全員がおしおきや!」
モノキッド「おしおきは平たく言えば処刑のことだ! 絞首に転落、釜茹で、刺殺、火葬になんでもござれだ!」
モノダム「……」
108: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:12:05.68 ID:V32uVhix0(27/32)調 AAS
誘拐されるよりも、少し前。
私の日常の確かな記憶。
バイト終わりに、お姉ちゃんがまだ帰っていないアパートで、食事当番のためにシチューを煮込んでいた。
人参は細かく切らないと火が通らないよなーとか、たまにはいいお肉食べたいなーとか、そんなことを考えながら、なみちゃんの歌を鼻歌で誦じながらお玉を回して。
そういう日常と私が今いるここは同じ地続きなんだろうか。
本当の私はトラックに轢かれて病院のベットの上で昏睡状態とか、そんなことだったりしないだろうか。
そんな現実逃避をしないと、どうにかなってしまいそうな程に、狂っていた。
人の命をどこまでも軽んじて、ゲームとして興じて、嘲笑う。それを行なっているのは自分よりも小さなクマの人形たち。
それなのに、言葉に説得力と強制力を抱かせる要素の数々。エグイサルに広大な施設、そして確かに存在する誘拐された時の記憶。
にちか「……あはっ」
膝は砕け、手のひらでなんとか地面を受け止めた。
頭の中がぐるぐると洗濯機みたいに掻き乱されて、世界はどんどんと傾いて行く。
私の中の常識は今や、何の役にも立たない。
109: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:13:42.46 ID:V32uVhix0(28/32)調 AAS
ルカ「……ざけんなッ、ざけんなよ……! 何がコロシアイだ、学級裁判だ……意味わかんねえ……!」
モノスケ「当然やけどキサマラに拒否権はあらへん。それに、キサマラは今日であったばかりの初対面同士。殺し殺されにも対して抵抗ないやろ?」
愛依「そんなわけないじゃん! うちらはみんな……ただの女の子なんだよ!?」
夏葉「人が人を殺めるなんて重罪よ……そんなこと、出来るはずがないわ」
モノクマ「ジューザイ? なにそれ、元気出していけばいいの?」
夏葉「はぁ……?」
モノクマ「あのね、オマエラが理由にしてる法律とか倫理とか、それって他の他人に定義された社会や世界の箱の中でしか通用しない概念なんだよ」
モノクマ「現代社会が成立するよりずっとずっと前……ムラ社会だった頃は略奪に殺害はつきものだったし、戦争ではたくさん殺した人間こそが英雄だったんだよ」
モノクマ「現代では誰しもが牙を抜かれてしまって、ありとあらゆる場面から暴力が退けられるようになってしまった」
モノクマ「でも、それって生物の営みからすれば退化に他ならないんだよね。今こそ人類は原始の時代に立ちかえるべきだとボクは思うね!」
霧子「歴史を理由にするのは……違うと思います……」
霧子「人は、たくさんある道のうち……何度も過ちながらでも……正しい道を選んで……今日まで来たと思うから……」
110: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:14:54.17 ID:V32uVhix0(29/32)調 AAS
モノクマ「それにオマエラの目指す芸能界だってそうだよ! 他の人間を食ってかかる、蹴落としてやろうっていうバイタリティがないと生き残れない世界だからね!」
樹里「ちょっと待て! 問題はそこなんだ!」
モノクマ「はぬ?」
樹里「なんで……どこからアタシたちが【アイドルになる】なんて話が湧いてきたんだ? アタシたちが選ばれたとか何とか言ってたけど、そんなの身に覚えがないんだよ」
凛世「凛世も……アイドルのことはよく存ぜず……」
愛依「そりゃ憧れっちゃ憧れはあるけど……うちは、こんなだしさ……?」
モノスケ「なんやコイツら変なことを言うとるで」
モノファニー「本当ね、おかしな子達だわ」
モノキッド「クククッ、おかしすぎて笑えてくるぜッ!」
恋鐘「な、なんね?! 何を笑っとるとよ!?」
モノクマ「このコロシアイはオマエラじゃなきゃダメなんだよ……そしてオマエラもその理由も、意味もちゃんと知っている……」
モノクマ「それなのに、どうしてそんなことを言うのかな?」
(……は?)
(コロシアイをこのメンバーでやることの理由と、意味……?)
どこまでも心当たりのない問いを一方的にぶつけられて、私たちは全員立ち尽くす他なかった。
奥歯で憎悪と怒りを噛み潰しながら、コロシアイという言葉を振りかざすモノクマたちを睨みつけるしかなくて。
111: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:15:40.12 ID:V32uVhix0(30/32)調 AAS
_____無力にも、この運命に身を委ねるしかないのだった。
112: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:17:00.00 ID:V32uVhix0(31/32)調 AAS
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PROLOGUE
if(!ShinyColors)
END
残り生存者数16人
To be cotinued...
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113: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/31(水) 21:20:19.05 ID:V32uVhix0(32/32)調 AAS
というわけでプロローグまで投稿させていただきました。
早速進行がグダってしまってすみません。
どうかまたお付き合いただければと思います。
明日6/1(木)21:00前後よりまた1章を更新していこうと思います。
よろしくお願いいたします。
以下今回のコロシアイ参加者
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【超研究生級のブリーダー】櫻木真乃
【超研究生級の占い師】風野灯織
【超研究生級のスポタレ】八宮めぐる
【超研究生級の料理研究家】月岡恋鐘
【超研究生級のドクター】幽谷霧子
【超研究生級のギャル】大崎甘奈
【超研究生級のストリーマー】大崎甜花
【超研究生級の文武両道】有栖川夏葉
【超研究生級の大和撫子】杜野凛世
【超研究生級のサポーター】西城樹里
【超研究生級の博士ちゃん】芹沢あさひ
【超研究生級の書道家】和泉愛依
【超研究生級の映画通】浅倉透
【超研究生級のコメンテーター】樋口円香
【超研究生級の音楽通】七草にちか
【超研究生級のカリスマ】斑鳩ルカ
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