[過去ログ]
配当金・株主優待スレッド 526 [無断転載禁止]©2ch.net (186レス)
上
下
前
次
1-
新
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索
歴削→次スレ
栞削→次スレ
過去ログメニュー
126
: 2016/05/18(水) 22:00:05.59
ID:4uTcWgUe(70/130)
調
AA×
[240|
320
|
480
|
600
|
100%
|
JPG
|
べ
|
レス栞
|
レス消
]
126: [sage] 2016/05/18(水) 22:00:05.59 ID:4uTcWgUe なりましたについて、諸先生方が小生のためにこの盛大せいだいなる送別会をお開き下さったのは、まこ とに感銘かんめいの至りに堪たえぬ次第で――ことにただ今は校長、教頭その他諸君の送別の辞を頂戴ち ょうだいして、大いに難有ありがたく服膺ふくようする訳であります。私はこれから遠方へ参りますが、 なにとぞ従前の通りお見捨てなくご愛顧あいこのほどを願います。とへえつく張って席に戻もどった。う らなり君はどこまで人が好いんだか、ほとんど底が知れない。自分がこんなに馬鹿にされている校長や、 教頭に恭うやうやしくお礼を云っている。それも義理一遍いっぺんの挨拶ならだが、あの様子や、あの言 葉つきや、あの顔つきから云うと、心しんから感謝しているらしい。こんな聖人に真面目にお礼を云われ たら、気の毒になって、赤面しそうなものだが狸も赤シャツも真面目に謹聴きんちょうしているばかりだ 。 挨拶が済んだら、あちらでもチュー、こちらでもチュー、という音がする。おれも真似をして汁しるを 飲んでみたがまずいもんだ。口取くちとりに蒲鉾かまぼこはついてるが、どす黒くて竹輪の出来損できそ こないである。刺身さしみも並んでるが、厚くって鮪まぐろの切り身を生で食うと同じ事だ。それでも隣 となり近所の連中はむしゃむしゃ旨うまそうに食っている。大方江戸前の料理を食った事がないんだろう 。 そのうち燗徳利かんどくりが頻繁ひんぱんに往来し始めたら、四方が急に賑にぎやかになった。野だ公 は恭しく校長の前へ出て盃さかずきを頂いてる。いやな奴だ。うらなり君は順々に献酬けんしゅうをして 、一巡周いちじゅんめぐるつもりとみえる。はなはだご苦労である。うらなり君がおれの前へ来て、一つ 頂戴致しましょうと袴のひだを正して申し込まれたから、おれも窮屈にズボンのままかしこまって、一盃 ぱい差し上げた。せっかく参って、すぐお別れになるのは残念ですね。ご出立しゅったつはいつです、是 非浜までお見送りをしましょうと云ったら、うらなり君はいえご用多おおのところ決してそれには及およ びませんと答えた。うらなり君が何と云ったって、おれは学校を休んで送る気でいる。 それから一時間ほどするうちに席上は大分乱れて来る。まあ一杯ぱい、おや僕が飲めと云うのに……な どと呂律ろれつの巡まわりかねるのも一人二人ひとりふたり出来て来た。少々退屈たいくつしたから便所 へ行って、昔風な庭を星明りにすかして眺ながめていると山嵐が来た。どうださっきの演説はうまかった ろう。と大分得意である。大賛成だが一ヶ所気に入らないと抗議こうぎを申し込んだら、どこが不賛成だ と聞いた。 「美しい顔をして人を陥れるようなハイカラ野郎は延岡に居おらないから……と君は云ったろう」 「うん」 「ハイカラ野郎だけでは不足だよ」 「じゃ何と云うんだ」 「ハイカラ野郎の、ペテン師の、イカサマ師の、猫被ねこっかぶりの、香具師やしの、モモンガーの、岡 っ引きの、わんわん鳴けば犬も同然な奴とでも云うがいい」 「おれには、そう舌は廻らない。君は能弁だ。第一単語を大変たくさん知ってる。それで演舌えんぜつが 出来ないのは不思議だ」 「なにこれは喧嘩けんかのときに使おうと思って、用心のために取っておく言葉さ。演舌となっちゃ、こ うは出ない」 「そうかな、しかしぺらぺら出るぜ。もう一遍やって見たまえ」 「何遍でもやるさいいか。――ハイカラ野郎のペテン師の、イカサマ師の……」と云いかけていると、椽 側えんがわをどたばた云わして、二人ばかり、よろよろしながら馳かけ出して来た。 「両君そりゃひどい、――逃げるなんて、――僕が居るうちは決して逃にがさない、さあのみたまえ。― ―いかさま師?――面白い、いかさま面白い。――さあ飲みたまえ」 とおれと山嵐をぐいぐい引っ張って行く。実はこの両人共便所に来たのだが、酔よってるもんだから、便 所へはいるのを忘れて、おれ等を引っ張るのだろう。酔っ払いは目の中あたる所へ用事を拵えて、前の事 はすぐ忘れてしまうんだろう。 「さあ、諸君、いかさま師を引っ張って来た。さあ飲ましてくれたまえ。いかさま師をうんと云うほど、 酔わしてくれたまえ。君逃げちゃいかん」 と逃げもせぬ、おれを壁際かべぎわへ圧おし付けた。諸方を見廻してみると、膳の上に満足な肴の乗って いるのは一つもない。自分の分を奇麗きれいに食い尽つくして、五六間先へ遠征えんせいに出た奴もいる 。校長はいつ帰ったか姿が見えない。 ところへお座敷はこちら? と芸者が三四人はいって来た。おれも少し驚おどろいたが、壁際へ圧し付 http://potato.5ch.net/test/read.cgi/stock/1456225981/126
なりましたについて諸先生方が小生のためにこの盛大せいだいなる送別会をお開き下さったのはまこ とに感銘かんめいの至りに堪たえぬ次第でことにただ今は校長教頭その他諸君の送別の辞を頂戴ち ょうだいして大いに難有ありがたく服ふくようする訳であります私はこれから遠方へ参りますが なにとぞ従前の通りお見捨てなくご愛顧あいこのほどを願いますとへえつく張って席に戻もどったう らなり君はどこまで人が好いんだかほとんど底が知れない自分がこんなに馬鹿にされている校長や 教頭に恭うやうやしくお礼を云っているそれも義理一遍いっぺんの挨拶ならだがあの様子やあの言 葉つきやあの顔つきから云うと心しんから感謝しているらしいこんな聖人に真面目にお礼を云われ たら気の毒になって赤面しそうなものだが狸も赤シャツも真面目に謹聴きんちょうしているばかりだ 挨拶が済んだらあちらでもチューこちらでもチューという音がするおれも真似をして汁しるを 飲んでみたがまずいもんだ口取くちとりに蒲鉾かまぼこはついてるがどす黒くて竹輪の出来損できそ こないである刺身さしみも並んでるが厚くって鮪まぐろの切り身を生で食うと同じ事だそれでも隣 となり近所の連中はむしゃむしゃ旨うまそうに食っている大方江戸前の料理を食った事がないんだろう そのうち徳利かんどくりが頻繁ひんぱんに往来し始めたら四方が急に賑にぎやかになった野だ公 は恭しく校長の前へ出て盃さかずきを頂いてるいやな奴だうらなり君は順に献酬けんしゅうをして 一巡周いちじゅんめぐるつもりとみえるはなはだご苦労であるうらなり君がおれの前へ来て一つ 頂戴致しましょうと袴のひだを正して申し込まれたからおれも窮屈にズボンのままかしこまって一盃 ぱい差し上げたせっかく参ってすぐお別れになるのは残念ですねご出立しゅったつはいつです是 非浜までお見送りをしましょうと云ったらうらなり君はいえご用多おおのところ決してそれには及およ びませんと答えたうらなり君が何と云ったっておれは学校を休んで送る気でいる それから一時間ほどするうちに席上は大分乱れて来るまあ一杯ぱいおや僕が飲めと云うのにな どと呂律ろれつの巡まわりかねるのも一人二人ひとりふたり出来て来た少退屈たいくつしたから便所 へ行って昔風な庭を星明りにすかして眺ながめていると山嵐が来たどうださっきの演説はうまかった ろうと大分得意である大賛成だが一ヶ所気に入らないと抗議こうぎを申し込んだらどこが不賛成だ と聞いた 美しい顔をして人を陥れるようなハイカラ野郎は延岡に居おらないからと君は云ったろう うん ハイカラ野郎だけでは不足だよ じゃ何と云うんだ ハイカラ野郎のペテン師のイカサマ師の猫被ねこっかぶりの香具師やしのモモンガーの岡 っ引きのわんわん鳴けば犬も同然な奴とでも云うがいい おれにはそう舌は廻らない君は能弁だ第一単語を大変たくさん知ってるそれで演舌えんぜつが 出来ないのは不思議だ なにこれは喧嘩けんかのときに使おうと思って用心のために取っておく言葉さ演舌となっちゃこ うは出ない そうかなしかしぺらぺら出るぜもう一遍やって見たまえ 何遍でもやるさいいかハイカラ野郎のペテン師のイカサマ師のと云いかけていると 側えんがわをどたばた云わして二人ばかりよろよろしながら馳かけ出して来た 両君そりゃひどい逃げるなんて僕が居るうちは決して逃にがさないさあのみたまえ いかさま師?面白いいかさま面白いさあ飲みたまえ とおれと山嵐をぐいぐい引っ張って行く実はこの両人共便所に来たのだが酔よってるもんだから便 所へはいるのを忘れておれ等を引っ張るのだろう酔っ払いは目の中あたる所へ用事をえて前の事 はすぐ忘れてしまうんだろう さあ諸君いかさま師を引っ張って来たさあ飲ましてくれたまえいかさま師をうんと云うほど 酔わしてくれたまえ君逃げちゃいかん と逃げもせぬおれを壁際かべぎわへ圧おし付けた諸方を見廻してみると膳の上に満足な肴の乗って いるのは一つもない自分の分を奇麗きれいに食い尽つくして五六間先へ遠征えんせいに出た奴もいる 校長はいつ帰ったか姿が見えない ところへお座敷はこちら? と芸者が三四人はいって来たおれも少し驚おどろいたが壁際へ圧し付
上
下
前
次
1-
新
書
関
写
板
覧
索
設
栞
歴
あと 60 レスあります
スレ情報
赤レス抽出
画像レス抽出
歴の未読スレ
ぬこの手
ぬこTOP
0.199s