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始末記
2017/12/31(日) 23:13:12
ID:7.L4Yce.O携(104/149)
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931: 始末記 [sage] 大陸北部 タージャスの森南側外縁 自衛隊キャンプ 大森林に向かった部隊の留守部隊として、陸上自衛隊の隊員六名が自衛隊キャンプに残っていた。 彼等は留守番の最中も陣地構築を行っていた。 問題は陣地が森側からの攻撃を想定されていて造られていることだ。 これから迎え撃たないといけない相手は街道からやって来るのだから意味が無い。 「新香港の部隊が?」 「やりあわずに足留めってどうしろというんだ。」 「無理に決まってんだろ!!」 連絡と命令を受けた隊員達は頭を抱える他無い。 まともに使える車両はNBC災害対策車と高機動車くらいだ。 銃火器も小銃や拳銃くらいしか残っていない。 こんな装備で二百名近い新香港武装警察とやりあえる筈もない。 ましてや地球人同士の交戦は、神戸条約により禁止されている。 地球人による植民都市が増えた結果に結ばれた条約だ。 逆に言えば彼等自身が人間の盾になれるのだが、そんな立場は御免蒙りたかった。 「森の中の佐久間二尉との通信はまだ取れないか・・・」 どのような作用か、電波による通信は本隊が町に入るとの通信を最後に取れなくなっていた。 増援の第5小隊の到着も3日は掛かる見通しだ。 彼等留守部隊六人がとれる選択肢は少ない。 「森の中に隠れよう、車両もテントも全部だ。 痕跡を残すな。」 「命令は足止めでは?」 「ようするにここを通すなという意味だろ? 見つからなければ時間も稼げる。」 反対する者はいなかった。 「森の奥まで行かなければ迷うことはないはずだ。 後は霧が隠してくれる。」 幸いなのは新香港も森の入り口はわかっていないことだ。 関東平野に匹敵する広さの森の周囲探索に時間が掛かるのを望むしかなかった。 「隠せるかな・・・」 今さら造り続けていた塹壕を埋め戻したり、鉄条網の撤去など6人で出来る時間があるのかは疑問だった。 結局のところ、彼等は盛大に霧の中を迷子となった。 そして、新香港武装警察の部隊は自衛隊が構築していた陣地跡まで来ることは無かった。 森の中に隠れた彼等がエルフ達に発見され、保護されて解放されたのは一ヶ月後の話になる。 大陸西部 新香港 主席官邸『ノディオン城』 日本大使相合元徳と駐在武官である渡辺始一等海佐は、大陸北部に部隊を進めた新香港に事態の説明を求めに訪れていた。 ノディオン城は主席官邸と同時に新香港政府の政府庁舎を兼ねている。 「説明も何も事態は明白でしょう。 我々はウラン鉱山の被害と死者を出しているんですよ。 報復か謝罪を要求するのは当然では無いですか。 そして、我々にはエルフとの外交チャンネルを持っていない。 わかりやすい示威的行動或いは実力行使が今回の動員の理由です。 貴国が対応したケンタウルスの時と何ら変わらない。」 武装警察の常峰輝武警少将が応対に出て会談に応じている。 普段は友好的な対話をしてくる常武警少将の高圧的な態度に、二人は顔には出さないが動揺していた。 「ケンタウルスの時は明確な敵対勢力による攻撃でした。」 「今回は違うと?」 そう言われると些か苦しいが、ここで退く訳にもいかなかった。 「詳しいことはまだ何もわかっていない。 現在、我々がエルフとの外交交渉を行っています。 今少し御待ちいただけませんか?」 「失礼ながら、我々は全て日本に任せている現状を憂いている。 貴国には、同盟都市としてこれまでの援助は感謝している。 それゆえに我々は日本の負担を分かち合う準備がある。」 常武警少将の言葉に二人は身構えて聞く羽目になっていた。 「それはどういう意味で?」 「地球人による五番目の国家の建国ですよ、大使。 これからも友好国としてよろしくお願いします。」 現状は日本、アメリカ、北サハリン、高麗の他は国ではなく、独立都市の扱いだ。 所謂、保護国のような扱いだ。 新香港は人口も北サハリンやアメリカよりも多く、石油の採掘や独自の軍事力、衛星都市の建設など他を凌駕している。 武器も銃火器程度なら生産も可能となった。 そろそろ自分達の国を建設してもいい頃だと常武警少将も信じていた。 これこそが新香港に住む民の総意であると。 大陸北部 エルフ大公領 リグザの町迎賓館 早朝、大公公子アールモシュとその叔母で大公領の軍事を司るサルロタの母のギーセラーが町に到着した。 驚いたことに二人は飛竜に乗って現れたのだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/4152/1079384805/931
大陸北部 タージャスの森南側外縁 自衛隊キャンプ 大森林に向かった部隊の留守部隊として陸上自衛隊の隊員六名が自衛隊キャンプに残っていた 彼等は留守番の最中も陣地構築を行っていた 問題は陣地が森側からの攻撃を想定されていて造られていることだ これから迎え撃たないといけない相手は街道からやって来るのだから意味が無い 新香港の部隊が? やりあわずに足留めってどうしろというんだ 無理に決まってんだろ!! 連絡と命令を受けた隊員達は頭を抱える他無い まともに使える車両は災害対策車と高機動車くらいだ 銃火器も小銃や拳銃くらいしか残っていない こんな装備で二百名近い新香港武装警察とやりあえる筈もない ましてや地球人同士の交戦は神戸条約により禁止されている 地球人による植民都市が増えた結果に結ばれた条約だ 逆に言えば彼等自身が人間の盾になれるのだがそんな立場は御免蒙りたかった 森の中の佐久間二尉との通信はまだ取れないか どのような作用か電波による通信は本隊が町に入るとの通信を最後に取れなくなっていた 増援の第5小隊の到着も3日は掛かる見通しだ 彼等留守部隊六人がとれる選択肢は少ない 森の中に隠れよう車両もテントも全部だ 痕跡を残すな 命令は足止めでは? ようするにここを通すなという意味だろ? 見つからなければ時間も稼げる 反対する者はいなかった 森の奥まで行かなければ迷うことはないはずだ 後は霧が隠してくれる 幸いなのは新香港も森の入り口はわかっていないことだ 関東平野に匹敵する広さの森の周囲探索に時間が掛かるのを望むしかなかった 隠せるかな 今さら造り続けていた壕を埋め戻したり鉄条網の撤去など6人で出来る時間があるのかは疑問だった 結局のところ彼等は盛大に霧の中を迷子となった そして新香港武装警察の部隊は自衛隊が構築していた陣地跡まで来ることは無かった 森の中に隠れた彼等がエルフ達に発見され保護されて解放されたのは一ヶ月後の話になる 大陸西部 新香港 主席官邸ノディオン城 日本大使相合元徳と駐在武官である渡辺始一等海佐は大陸北部に部隊を進めた新香港に事態の説明を求めに訪れていた ノディオン城は主席官邸と同時に新香港政府の政府庁舎を兼ねている 説明も何も事態は明白でしょう 我はウラン鉱山の被害と死者を出しているんですよ 報復か謝罪を要求するのは当然では無いですか そして我にはエルフとの外交チャンネルを持っていない わかりやすい示威的行動或いは実力行使が今回の動員の理由です 貴国が対応したケンタウルスの時と何ら変わらない 武装警察の常峰輝武警少将が応対に出て会談に応じている 普段は友好的な対話をしてくる常武警少将の高圧的な態度に二人は顔には出さないが動揺していた ケンタウルスの時は明確な敵対勢力による攻撃でした 今回は違うと? そう言われると些か苦しいがここで退く訳にもいかなかった 詳しいことはまだ何もわかっていない 現在我がエルフとの外交交渉を行っています 今少し御待ちいただけませんか? 失礼ながら我は全て日本に任せている現状を憂いている 貴国には同盟都市としてこれまでの援助は感謝している それゆえに我は日本の負担を分かち合う準備がある 常武警少将の言葉に二人は身構えて聞く羽目になっていた それはどういう意味で? 地球人による五番目の国家の建国ですよ大使 これからも友好国としてよろしくお願いします 現状は日本アメリカ北サハリン高麗の他は国ではなく独立都市の扱いだ 所謂保護国のような扱いだ 新香港は人口も北サハリンやアメリカよりも多く石油の採掘や独自の軍事力衛星都市の建設など他を凌駕している 武器も銃火器程度なら生産も可能となった そろそろ自分達の国を建設してもいい頃だと常武警少将も信じていた これこそが新香港に住む民の総意であると 大陸北部 エルフ大公領 リグザの町迎賓館 早朝大公公子アールモシュとその叔母で大公領の軍事を司るサルロタの母のギーセラーが町に到着した 驚いたことに二人は飛竜に乗って現れたのだ
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