SSスレ (980レス)
1-

641: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/10(日) 15:58 ID:kHqoVL5Q(34/111)調 AAS
投下終了です。
青島「あんだけ期待させるような書き方しくさって・・・。」
加藤「ほんとに・・・。軽空母に乗れると思ってすこし期待してたのに・・・。」
青島「あんた陸自じゃなかったっけ・・・。」
加藤「良いのよそんな細かいことは。」
青島「細かくも無いと思う。」
投下終了しました。
 (;´Д`)  スミマセンスミマセン
 (  八)
   〉 〉

 (´Д`;)、  コノトオリデス
   ノノZ乙
642: 名無し三等兵@F世界 2004/10/10(日) 18:30 ID:tT.JKFdY(1)調 AAS
今まで一番早い投下ですが。
しかし・・・け、軽空母出さないんですかーーーー!!!!
ショックです。帰って寝るぽ・・・・・・・_| ̄|○
643: 名無し三等兵@F世界 2004/10/10(日) 19:15 ID:GTic17cA(2/2)調 AAS
なんじゃこりゃー!(太陽に吠えろ風に)
赤羽が以外にも敗北したのは新鮮な感じで良かったがここまで期待させておいてそりゃないでしょー!
せめて裏で密かに強硬派議員や在日米軍と結託して建造しててくれ・・頼む
644: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/10(日) 19:33 ID:kHqoVL5Q(35/111)調 AAS
IDが表示されるんじゃ書きにくくなるな・・・。

アルヴァール「いや、空母は出すつもりだが、時は「今」じゃないということだな。」
赤羽「お前に何が分かるっ!」
645: 名無し三等兵@F世界 2004/10/10(日) 20:13 ID:Ha0ckGKo(1)調 AAS
アルクアイパートは意外にあっさりと終わりましたな。
もっと長くなるのかと思ってましたが。
なお空母は時間がかかりますから早く造ってしまうべきです。
許可をもらってからと時間をかけてるとズルズルズルと登場の先延ばしになってしまいますよ。
あらかじめ完成させといて登場時期を見極めさせるべきじゃないですかね。

F猿さん、他に小説ですが別の場所に移す事も考えてはどうでしょうか。
あるいは管理人さんにID非表示に戻してもらうようにメールを送ってみましょう。
私もこれからメールを送ってみる予定なので。
646: 2004/10/10(日) 20:23 ID:1oM80kCU(1/2)調 AAS
F猿さん乙です。
日本は空白地狙いできましたか。
しかし、西の方にあるというし補給が追いつかなくなり陸の孤島になりそうな気も。
647: 名無し三等兵@F世界 2004/10/10(日) 22:12 ID:FLSsRkXQ(1)調 AAS
その海路を守るために軽空母が必要になったりして
648: 2004/10/10(日) 22:33 ID:Gqg9QasQ(1)調 AAS
設定しだいじゃキTか23ッツなら問題なく出せる。
ちなみにこれは中身つきの揚陸艦や原潜にも言えることだったりする。
何か問題は?
649: S・F (7jLusqrY) 2004/10/11(月) 00:10 ID:MSZ8PKC.(20/23)調 AAS
幻の軽空母計画乙です(笑 まー出られないもんは仕方がないですね。あとあと
出すキーワードになるのは、「突貫工事」「真田さん」でしょうか?

そういえば>>565氏が「20で少女は無理では・・・」と書いていましたが、
精神面の事だと自分は解釈しました。14で結婚すら珍しくない中世風世界で
(F猿氏の世界観だと分かりませんが)20なのにアルクアイへのあの態度。

恐らく乳母日傘、蝶よ花よで生きてきて男性経験もないのでしょう。だから
20歳の少女という表現は、そういう意味では通るかと。

さて、アルクアイの思う壺に日本は動いている訳ですが、どこかで転換点は
有るのでしょうか?
650: 名無し三等兵@F世界 2004/10/11(月) 02:06 ID:.IJJ0kGY(1)調 AAS
世間知らず箱入り娘ということか・・・彼女はわかってんのカナ?
自分のためにアルヴァールが策謀を行いまた異世界の人間を奴隷にして苦しめているという事を。
651: 2004/10/11(月) 05:52 ID:1oM80kCU(2/2)調 AAS
奴隷がF世界で一般的なら特に気にもしないと思うが。
アジェントじゃ異世界人なんて物同然でしょ。
言い方が悪いが、一年毎に新しい奴隷を供給できるんだから。

アルヴァールが居なけりゃ王家は成り立たないし、日本を召還するまでは王家にとっちゃ正に神だよなぁ。
652: 名無し三等兵@F世界 2004/10/11(月) 07:06 ID:u.TsPqcs(1)調 AAS
アシェナ聖教の中枢があるアジェント王国だが他の国と比べても一番悪役っぽい印象だね。
エルフ達はこれに疑惑を抱く事はないのだろうかね?
それとも心の中では侮蔑している人間達の事なんて関係ないと思ってるのか?
でも話の最初で市場でエルフが普通に人と交流してるんだよね。
なお大森林ってエルフ達の領土・・・別の言い方をすれば自治区みたいになってるのと疑問。
653: 名無し三等兵@F世界 2004/10/11(月) 10:46 ID:K1U79z9M(4/8)調 AAS
奴隷制度が行われている頃の、南北戦争前のアメリカみたいなものだな・・・
違う点といえば王国にはリンカーンのような人間がいないということだ
654: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/11(月) 14:49 ID:kHqoVL5Q(36/111)調 AAS
さてさて、投下開始いたします。
655: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/11(月) 14:49 ID:kHqoVL5Q(37/111)調 AAS
「ゼナ。」
しばらく黙りこくった後、アルクアイはゼナの方を見ることもせず言った。
「はっ。」
「あれはな、私がまともな人間である唯一の証拠なんだ。」
「え・・・?」
それ以上言葉を口にせず、アルクアイは歩き出した。
ゼナはアルクアイの言った言葉の意味が分からず、ただ立ち尽くすだけであった。

ざくっ、ザクッ。
俺は当ても無く歩いていた、まだファンナの居場所については報告が無い。
あの仮面の男もなかなか根性のある男だったようだ、
どちらにせよ、まずは城内に戻ることが先決だった。
まさか人一人を抱えた人間が番兵の見張っている門から出るわけがあるまい。
ザクッ。
自分の前方から同じように足音がするのを感じ、アルクアイは足を止めた。
それと同時にアルクアイは強烈なマナの干渉波を感じ横に飛びのいた。
と、同時に火球が今まで彼の居た場所を貫くようにして、飛んでいった。
火球は壁に当たることも無く、どこまでも飛んでいった。
「よく、かわしたな。」
アルクアイは声のするほうを見据えた。
そこに居たのは、ファンナを抱えたアルヴァールであった。
656: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/11(月) 14:50 ID:kHqoVL5Q(38/111)調 AAS
「何故だ?」
ファンナを受け取り、木の根元に寝かせながらアルクアイは言った。
「それはこの娘を助けたことか、今の攻撃か、どちらの行動に対してだ?」
「両方だ。」
ファンナの身体に積もり始めた雪を払い、そしてアルヴァールを見る。
「この城の中ではあらゆる罪を見逃すわけにいかん。そして今、王家のためにお前を殺す。」
アルヴァールの足元の雪が弾け、舞い上がる。
「!」
アルクアイは慌てて数歩下がった。
が、もうすでに彼の頭には勝算が存在しなかった。
腕に自身はある。だがゼナとロアがこの場に居たとしても
一人で十万の兵に値すると言われる目の前、男が本気で自分を殺そうとしている以上、
生き延びられる望みは薄かった。
「ファンナの件、とりあえず・・・礼を言っておこうか。」
「死に行くものに礼をされる筋合いは無い。が、この娘の命は保障しよう。」
フ・・・。
お互いの口許が微笑で歪んだ。
「止めだ。」
アルヴァールは構えを解き、言った。
「な・・・何?」
アルクアイは拍子抜けし、アルヴァールを見た。この男は一体何を考えているのか。
アルヴァールは自分のマントを翻した、そこには竜と剣をかたどった王家の紋章が鮮やかに染め抜かれていた。
「私は王家のためならば姑息な手も使おう、だが、王家の名にかけて外道に落ちる気はない。
それに、今お前を殺せばこの娘は自分がさらわれたせいだと思うだろうからな・・・。」
「随分と甘いことを言う。」
アルクアイが憎まれ口を叩くとアルヴァールは笑った。
「とりあえず、今日の会議の件、礼を言っておく。が、いつまでも自分の思い通りになると思うな、小僧。」
踵を返し、歩いていくアルヴァールの背中を見て、アルクアイはただ立ち竦んだままであった。
キン・・・キン
共振通信が繋がる。今更になって仮面は情報を吐いたようだった。
657: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/11(月) 14:51 ID:kHqoVL5Q(39/111)調 AAS
それから約三ヶ月。
日本は周辺の奴隷島の解放をほぼ終えていた。
アジェントはこれらの島々にほとんど兵を置いておらず、
はっきりいってしまって、この作業はあっけなかった。
支援物資と武器を携え、緊張してやってきた自衛隊員を、島民達は呆然とした眼で見つめていた。
もはや新たな外敵に抵抗する気力すら無かったのである。
「これは・・・ひどい・・・。」
そこで隊員たちが見たものは、略奪されつくし、破壊されつくした村々であった。
「アメリカ大陸発見後のネイティブアメリカンの村の様な物だ、
話には聞いていたが、実際に見るとひどい物だな。」
しかし、最初は警戒していた島民たちも、自衛隊員たちの持ってきた支援物資の山を見ると、
すぐさま警戒を解いた。
それどころか、すぐに歓待の宴を開き、日本の自分達への処遇を聞くと
嬉し涙を流しながら恭順を示したのである。
余程アジェントの略奪はひどい物だったのだろう、これらの反応は何処の島でもそう変わりは無かった。
そして自衛隊は早速これらの島々のいくつかに基地の建設を開始したのである。
更にこれにはもう一つメリットがあった。
これらの島々の凄惨な状況やその写真が、世論を積極派に大きく動かしたことである。
そしてこれらの状況を救った政府に対する支持率も上がりつつあった。
658: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/11(月) 14:52 ID:kHqoVL5Q(40/111)調 AAS
もう一方、ラーヴィナとの貿易も順調に始まっていた。
日本側の主な輸出物は鉄、セメント、そして酒であった。
向こうの品物に比べてはるかに質の高い鉄は軍事利用が危惧されたが
輸出物の不足のためにやむなく輸出され、
セメントは硬く、利用も応用が利く建築物質として好まれた。
しかし一番意外かつ、重宝なのは酒であった。
酒があらゆる儀式で使われ、国民も皆酒好きのこの国において、
蒸留酒で強い日本の酒は貴族垂涎の代物で、非常な高値で取引されたのであった。
それに対し、ラーヴィナからは様々な資源、食料が輸出され、
日本の産業もようやく息を吹き返し始めていた。
そしてこの貿易で最も利益を得ていたのはラーヴィナであった。
彼らは日本の品物を輸入し、アジェント全土に売り、
アジェント全土から輸入した品物を日本へと輸出する中継貿易を行っていたのである。
そしてこれによる差額でラーヴィナは莫大な利益を得ていた。
そしてこの貿易はある重大な状況を引き起こし始めていた。
この貿易で、アルクアイは市場よりも高い値段で輸出のための食糧を買い集めた、
そのために諸侯達は争って税を厳しくした上、食糧を買い集めたのである。
貨幣は食べることができない。これは農民達に深刻な食糧不足を引き起こし始めていた。
そうして貿易で得た利益によって税を軽くしていたラーヴィナ以外では、
アジェント国民達の不満が徐々に高まり始めていたのであった。
659: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/11(月) 14:52 ID:kHqoVL5Q(41/111)調 AAS
一方、バルトにはアジェントからの使者が何度も使わされていた。
まだ若いエグベルト8世は重要な判断をすることになったのだ。
「アークス、バグマン、どう思う?」
「はい、私達ダークエルフ、ドワーフの種族としては反対です。
ですが、バルト帝国大臣としては、これは願っても無い申し入れだと思います。」
バルト帝国とオズインとの戦争は膠着状態に陥っていた、
しかしそれは消耗戦になっているというわけではない、
これからの戦争においての兵力の不足を危惧したバルトが兵をひいたからであった。
そしてバルトは一種の妥協策を考えていた。
それはオズインとの講和であった。
別にバルトはオズインの土地が欲しいわけではない、
アジェント南の空白地とオズイン西のバルト領を結ぶ通り道と言うだけなのだ、
そして今考えられているのはオズインの西部割譲であった。
バルト帝国は占領地を直接統治することはしない、
割譲されたオズイン西部もオズインに今まで通り、統治を任せる予定であった。
「この同盟が結ばれればオズインは危機に陥ります、
となれば今論議中の講和にもすぐに乗ってくるでしょう。」
「ええ・・・なによりもう戦争をしなくて済むかもしれない。」
エグベルト8世は呟いた
アークスはその様子に彼女が僅か16の少女であることを思い出し、同情した。
そしてまた若くして逝ったエグベルト7世をつくづく惜しく思うのであった。
660: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/11(月) 14:53 ID:kHqoVL5Q(42/111)調 AAS
日本と小国との秘密裏の交渉も順調に進んでいた。
最初は所詮召還された奴隷島と日本を見ていた小国群も、
日本の持つ自衛隊の艦を見るとその考えを改め、この客を迎え入れた。
小国群にとってもアジェントが信用できなくなっている今、
このまま我慢して従うか、それとも団結してアジェントに立ち向かうかを決めかねている時であり、
この自らを盟主にしないかという強力な軍事力を持つ国の登場は棚から牡丹餅であった。
しかし得体の知れぬ国家をいきなり盟主と仰ぐわけにもいかない、
そのため今は小国群地域への自衛隊基地と飛行場の建設にとどまり、
(といってもこれも日本の観点からすると許可されたのが意外だったのだが)
今は友好を深めると同時に小国がアジェントからの保護を願う、と言う状況であった。
そして多くの自衛隊機地建設と同時に、自衛隊組織の再編も行われた。
そして海自では異界方面隊という方面隊が新設され、
赤羽が若さ故のタフさとその優れた手腕を買われ司令に任命され、軽空母の建設を開始した。
そして青島もまた、この異界方面隊に編入されたのであった。
「ここが・・・異世界・・・。」
青島はそして、初めて異世界の土を踏んだ。
風は故郷と変わらず優しく自分に吹きつけていた。

二章 糸冬
661: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/11(月) 14:54 ID:kHqoVL5Q(43/111)調 AAS
投下終了しました。
二章にお付き合いいただき有難うございました。

これからはやっと三章息抜き編なのでしばらく青島主人公の気の抜けた話が続くかと。
ではご意見、ご感想お待ちしております。
662: 名無し三等兵@F世界 2004/10/11(月) 17:13 ID:2aCdNJ8k(5/6)調 AAS
え!?駐留軍みたいなのはないのですか?
だって島にある鉱山の採掘場にはせめて警備隊ぐらいはないと安全に採掘できないんじゃ…
なんだか拍子抜けしてしまいましたよ。
外伝のほうで島への上陸の話を書くのでしょうか?
とにかく投下乙カレー様です ハイ。
663: 名無し三等兵@F世界 2004/10/11(月) 23:05 ID:ImCIXXt.(1)調 AAS
読みましたがバルトの政治的事情がうまくまとめられてますね。
貿易の影響で食糧不足ですか、王家の方がこれに何も言ってこないのはちょっとおかしな気が。
次の戦争が起こる時はアジェントから仕掛けてきそうです。
664: 名無し三等兵@F世界 2004/10/11(月) 23:23 ID:zMNA8ktE(1)調 AAS
種族の私情にこだわらず、国益のため政治的に冷静沈着な対応をとるダークエルフにドワーフ
これに比べてアシェナ信者やエルフは逆にモロに感情的な反応になりそう
665: 名無し三等兵@F世界 2004/10/12(火) 00:13 ID:oZDPQJUY(1)調 AAS
第二章も終わりご苦労様です。
戦闘ものじゃなく政治の話を主点にしてましたね。
三章が息抜き編だから四章で本格的に開戦となりますか
666: 2004/10/12(火) 15:36 ID:0U77BVi2(13/17)調 AAS
何か薩摩の密貿易みたいですね〜
王家に訴えられないように工夫してるんだろうな〜

三章も期待!!
667: 2004/10/12(火) 15:37 ID:0U77BVi2(14/17)調 AAS
セフィティナにも期待!!
668: 2004/10/12(火) 15:41 ID:0U77BVi2(15/17)調 AAS
セフィティナ萌え〜でおね
669: 2004/10/12(火) 15:41 ID:0U77BVi2(16/17)調 AAS
www
670: 名無し三等兵@F世界 2004/10/12(火) 17:28 ID:2aCdNJ8k(6/6)調 AAS
はいはいそれぐらいにしておいて漏れとしては戦闘の描写がわずかにさえないのが不満だった。
息抜き変が終わった後に期待しよう。
671: 2004/10/12(火) 17:53 ID:fXA4FeQ2(1)調 AAS
異界方面隊の詳しい編成がみたい
672: F世界逝き [F世界逝き] F世界逝き AAS
F世界逝き
673: 名無し三等兵@F世界 2004/10/12(火) 22:34 ID:q9eQ3R6k(1)調 AAS
上の672はバグですか?
674: 名無し三等兵@F世界 2004/10/13(水) 14:45 ID:m8ZMV2Dg(1)調 AA×

675: 名無し三等兵@F世界 2004/10/14(木) 08:20 ID:g4e/B2gE(1)調 AAS
書き込みが止まった・・・
676: 名無し三等兵@F世界 2004/10/14(木) 21:28 ID:neKkOqdo(1/2)調 AAS
しばらく気長に待とう
F猿殿にも休みが必要だし
677: 名無し三等兵@F世界 2004/10/14(木) 21:55 ID:K1U79z9M(5/8)調 AAS
早く続編が読みたい、ぼのぼの期なんてすっとばしていいから。
678: 名無し三等兵@F世界 2004/10/15(金) 01:26 ID:neKkOqdo(2/2)調 AAS
だからしばらく待てというに
679: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/16(土) 16:53 ID:kHqoVL5Q(44/111)調 AAS
F猿@多忙中

投下なくてスンマセン・・・。
次の投下は来週の金曜あたりに、2.5章、上陸編を書く予定です。
680: 名無し三等兵@F世界 2004/10/16(土) 19:37 ID:3jMWmVLI(1)調 AAS
心配せずに目の前の問題を片付けてからゆっくりと執筆してくだされ。
セフェティナが高露出度の衣装着てくれるといいですな。
681: F世界逝き [F世界逝き] F世界逝き AAS
F世界逝き
682: F世界逝き [F世界逝き] F世界逝き AAS
F世界逝き
683: 2004/10/22(金) 11:32 ID:0U77BVi2(17/17)調 AAS
いよいよ今日更新ですか?
684: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/22(金) 21:18 ID:kHqoVL5Q(45/111)調 AAS
お久しぶりです。
しばらく間が空いたせいか時間かかりまくり、違和感ありまくりになっちまいましたが、
とりあえず2.5章行きます!
685: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/22(金) 21:19 ID:kHqoVL5Q(46/111)調 AAS
「…アジェントにアシェナの神の栄光がありますように。」

セフェティナの一日は祈りから始まる。
魔術士官となってからは毎日のように礼拝堂でこの祈りを行ってきた。
アシェナの神は、いつでも自分達を見守っていてくれている、彼女はそう思っていた。
本当に…?
帰るべきか、帰らざるべきか。
セフェティナは迷っていた。
政府はもうすでに周辺奴隷島への侵攻を決めていた。
そしてそれはアジェントと日本の対立を意味する。つまり日本が母国と対立するのだ。
帰るかどうか決めねばならないリミットは刻一刻と迫っていた。
「私はどうすればいいのですか…?アシェナ様………青島さん…。」

「おはよ、セフェティナちゃん。」
ぼうっと廊下を歩いているセフェティナに声をかけたのは佐藤であった。
基地に来た当初はお客様扱いであったセフェティナも時が経つにつれて隊員の面々と打ち解け始めていた、
今はそれが逆に彼女を苦しめる結果となっているのだが。
「あ、佐藤さん…。どうしたんですか?」
「あ、いや、なんか元気なかったからさ。」
「そんなことないですよ、あっ、もう朝御飯の時間ですよね、楽しみだなーっ!」
そう言ってセフェティナはニッ、と笑顔を作り、佐藤に背を向け歩いていった。
「女の子の涙の痕を見て黙っていられる程、俺は無神経な男でもないんだよな…。」
佐藤はもう小さくなった彼女の後姿を見ながらボソリと呟いた。
686: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/22(金) 21:20 ID:kHqoVL5Q(47/111)調 AAS
「青い空。輝く海。」
青島は周りを見渡した、彼の言葉通り、澄み渡った空は転移前より美しく感じられ、
青い海も妙な化け物が出てくること以外はその汚染から解放されたようだった。
といっても日本が丸ごと召還されたのだから空気はそんなには変わらないはずなのだが、
とにかく青島はそう感じたのだ。
「これで仕事が無かったらな…。」
セフェティナに町でも案内してやろうと思っていたのに、と彼は心の中で続けた。
しかし、周辺諸島への侵攻が決まった以上、その準備で彼らは目のまわるような忙しさの中に居た。
特に青島の場合、特別幹部候補になっているため余計であった。
あの赤いバッジを加藤結衣三尉に渡されて、それがどういう意味であるかを知ってからというもの、
ほぼ毎日のように研修会が開かれていたのだった。
当然その面子の中に結衣も居たのだが青島は一度以外彼女とほとんど会話することが出来なかった。
しかもとどめにはこの侵攻における青島の配属先は、
「なんか俺の行くところ激戦区ばっかだなあ…。」
三介島―――日本が仮につけた名だが―――への侵攻軍であったのだ。
687: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/22(金) 21:20 ID:kHqoVL5Q(48/111)調 AAS
三介島、青島がその名を知ったのは研修中、加藤との一度きりの会話の中でであった。
「青島二尉、今度の任務について話があるの。」
「ん、なんだ?」
研修が終わり、他の特幹候補が宿舎に戻ろうと言う時、青島は加藤に呼び止められた。
彼女の向かいの椅子に座ると彼女は一枚の地図を出した。
世界地図。もちろんこの世界の物だ。
「それで、まず質問。」
加藤は机越しにズイッと青島に顔を近づけた。
「召還された島、全部名前言える?」
「ん、ああ。一燐島、二弦島、三介島、四黒島、五系島、六案島だろ?」
幾ら応急とはいえ随分と簡単な名前をつける、日本の間ではなかなか笑いの種となっていた。
「…。」
「どうした?」
「いや、正解。全部あっさりと答えるとは思ってなかったから。」
加藤は軽く笑うと三介島を指差した。
「それで今回の話はここについて。」
青島は加藤の顔を見た、一度目にあったときのあの棘々した態度はだいぶ和らいでいるようだった。
といっても何故か敵意、というよりライバル心はまだ青島に向けられているようだったが。
「ちょっと、聞いてる?」
「ああ、それで?」
慌てて青島が先を促すと加藤は続けた。
「この三介島はね…。」
688: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/22(金) 21:22 ID:kHqoVL5Q(49/111)調 AAS
「この三介島は他の島と違ってラーヴィナ候が代理管理していない。
そしてここを管理しているのは誰かと言うと、王家最大の忠臣で戦上手と言われる鉄騎士カリヴァン候。
その上ここにはかなり大規模な鉱山がある。」
「ラーヴィナ候の代理管理していた島なら兵をひいてくれるが、
三介島はそうはいかない、その上大規模な戦いになる可能性があるということか。」
「そ。けどもう一つこれには意味があるわ。」
そこで言葉を切って加藤は青島を見た。
明らかに目は「分かる?」と聞いている。
さすがにここで答えを聞くのもなんである、青島は地図を見て、その意味に気が付いた。
「カリヴァン候の領地は小国群とラーヴィナに挟まれているのか・・・。」
「そう、小国群を私達の支配下に入れたとして、アジェントとの戦争でこの領地は重大な意味を持つ。」
「だからここでこちらの力を見せ付けておく必要があるわけだ。
場合によっては戦わずして降伏させることも出来るかもしれない。いわゆる前哨戦だな。」
「そういうこと。なかなかやるじゃない。」
加藤は笑いながら頷いた、青島もそれに釣られて笑みを浮かべた。
「けどつまりこの話を俺にするということは…。」
「そう、私達二人はこの三介島への派遣部隊の一員になったわ。
特にあなたの隊は対魔法戦闘を経験した貴重な小隊なんだから、赤羽海将の期待を裏切らないように。」
「はは…了解。」
青島はどっと身に疲れと、それ以外の何かがのしかかるのを感じた。
689: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/22(金) 21:23 ID:kHqoVL5Q(50/111)調 AAS
その日の仕事が終わり、夕食を食べに青島は食堂に向かった。
「よう、隊長。」
「ああ、村田さん、怪我の具合はもう良いみたいですね。」
「ああ、天野と違ってかすり傷だからな、奴は現場復帰にはもう少し時間がかかるようだが。」

「隣良いか?」
「いいっすよ。」
青島が村田の向かい、沢村の隣に座ろうとした時、村田は思い出したように言った。
「ああ、そういえば佐藤がお前のことを探していたぞ、今食堂に居るだろうから、探しにってやったらどうだ?」

食事を済ませ、青島が辺りを見回すと佐藤は簡単に見つかった。
同期、つまり新米の面々と一緒に居る、つまり一番うるさいテーブルにいたのだから当たり前だが。
「佐藤。」
「あ、隊長!」
佐藤が言うと彼の同期の面々が一斉に青島を見た、
正確には彼の襟元の赤いバッジと彼の顔で半分づつ視線が集まった。
「あ、この人が例のティナちゃんの…ウラヤマシイ。」
「本当に赤いバッジ…。」
「ねえ、ティナちゃんとは何処まで行ったんですか?」
彼らの中ではセフェティナはティナと略されているようだった。
中学生のような最後の質問をした男に軽い蹴りを加え、青島は佐藤の方を向いた。
「俺を探してたようだが…、何か用か?」
「いや、用なのは俺じゃなくってティナちゃんなんですけど…。」
「セフェティナが?」
690: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/22(金) 21:23 ID:kHqoVL5Q(51/111)調 AAS
「涙の痕…?」
青島は佐藤に聞き返した。
「はい。心当たりありませんか?」
十分にある。青島は今のセフェティナの状況を思って目を瞑った。
「探してくる。」
そして青島は佐藤の言葉には返事をせずに身を翻し、食堂から出て行った。
「…。」
ある種取り残されたような感覚に陥り、佐藤たちの間に沈黙が流れた。
「全くお熱いこって…。」
状況を良く分かってない佐藤の同期の一人が言い、また馬鹿話は再開されたのであった。

一方青島はセフェティナを探し回っていた。
探し回るといっても彼女の行動範囲は狭い、自分の部屋に、他数箇所、しかし見つからない。
「どこに行ったんだ…?」
どこにもいないとなれば、最悪の事態も考えられる。
少なくとも自分はいきなり見知らぬ外国に暮らすことになった上、
その国と日本が戦争をすることになったら相当苦しむだろう。
しかし、涙を流すまで苦しんでいるのを気付いてやれなった。
そんな素振りを彼女は少しも見せなかったのだ。

探し疲れ、青島が自分の部屋に戻ると、そこには人の気配があった。
青島は扉を開けた。そこに居るのは今までさんざん捜し求めていた少女だった。
「やっと、見つけた…。」
この言葉を言ったのは青島ではなかった。
そして次の瞬間には青島はセフェティナに抱きしめられていた。
691: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/22(金) 21:25 ID:kHqoVL5Q(52/111)調 AAS
投下終了!
2.5章は結構一気に終わらせるつもりですのでお付き合い下さい。

(萌えとかコテハンとか色々内紛が起こってるけど、無関係顔で良いんだろうか…。)
692: 名無し三等兵@F世界 2004/10/22(金) 22:00 ID:U0k.YMxw(1)調 AAS
久し振りの話、お疲れ様〜
とりあえず話に出すと約束したものは登場させたほうが良いかと
693
(1): 名無し三等兵@F世界 2004/10/23(土) 00:13 ID:pFO2S2BI(1)調 AAS
やっと来ますた♪
前みたいに連日投下に戻るかな?
青島とセフェティナの関係も気になる、ジャンジャン投下してださいな♪
694
(1): 名無し三等兵@F世界 2004/10/23(土) 01:06 ID:lfXn85LI(1)調 AAS
再開おめでとー。
同時にいいニュースも見つけたよ。
外部リンク[htm]:www.yomiuri.co.jp
この記事が言うにはF-35も導入の選択肢の内に入ってるって。
695: 名無し三等兵@F世界 2004/10/23(土) 09:09 ID:IxopmTvg(1)調 AAS
キターーー!
これからの遅れを取り戻す感じで頑張ってください。
696: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/24(日) 23:20 ID:kHqoVL5Q(53/111)調 AAS
さて、勘を取り戻すためにも頑張らなければ。
さあ行こう。いざ投下。
697: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/24(日) 23:22 ID:kHqoVL5Q(54/111)調 AAS
柔らかい、そして暖かい。
俺が最初に感じたことはそれだった。飛びかける理性を懸命に引き戻し、彼女を引き離す。
彼女の肩を掴んで顔を見るとその顔は涙でグシャグシャになっていた。
「どうしたんだ、何かあったのか?」
それにしてもおかしい、彼女は確かに感情家だが、こんなことをいきなりするような女性ではない。
「セフェ―――。」
「青島…さん、私…ニホンとアジェントが戦うことになるなんて思ってもいなかった。」
「…。」
彼女にしてみれば、そうだったのかもしれない。
しかし、それは世間知らずの少女の余りにも浅い先見だったと言わざるを得なかった。
背中をポンポンと叩いてやって俺はしばらく落ち着くのを待った。
698: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/24(日) 23:23 ID:kHqoVL5Q(55/111)調 AAS
「今…アルヴァール様から通信があったの…。」
「…?」
しばらくして落ち着いたセフェティナがポツリと言った。
アルヴァール、何度か聞いたことのある名。確か魔術大臣を勤める男だったか。
「私の魔力じゃ本国にまで通信なんてとても届かないから向こうが意志を伝えるだけの一方的なものだったんだけど、けど、彼が言ってた、『アジェント王家はニホンを敵とみなす』って。」
そう、そうなることはわかっていた、アジェント王家がこちらに敵意を示しているからこそ、
こちらニホンも彼らと戦うことになるのだから。
「それで…、バルト帝国、アジェントがバルト帝国と手を結ぶって言うの…。なんで…?」
「…?」
「なんで…、彼らこそアシェナの敵じゃないの…?私の信じていた神様の敵じゃ…?」
セフェティナのエメラルドグリーンの瞳にまた涙が溢れた。
俺には彼女を慰めることが出来なかった、
日本人が世界における宗教戦争を理解することが難しいように、
一つの宗教を信じる物にとって、それに反する物がどれだけ憎いかなど俺には分かりえないのだ。
699: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/24(日) 23:24 ID:kHqoVL5Q(56/111)調 AAS
そして俺は背筋に冷たい物が走るのを感じた。バルト帝国、大陸西方に勢力基盤を持つ一大軍事国家、
これが大陸最大の国家であるアジェントと手を結び、自分達日本と戦おうと言うのだ。
「セフェティナ…それは本当なのか、何かの冗談じゃなくて?」
「…うん。青島さん、どうにかして戦うのを避ける事は出来ないの?
アルヴァール様なんかと戦ったら…、青島さん…だけじゃない、
佐藤さんも、村田さんも、沢村さんも、加藤さんも皆死んじゃう…。」
「…セフェ―――。」
何かに耐え切れなくなって俺は手をセフェティナの背中へと回した。
「あ…。」

セフェティナもまた、それを拒む様子は見せなかった。
700: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/24(日) 23:27 ID:kHqoVL5Q(57/111)調 AAS
「たいちょー!」
ビクッ!
青島の腕がセフェティナを抱きしめようとしたその時、
突然入り口から佐藤の能天気な声が響き、二人は慌てて離れた。
そして佐藤が見たものはいわずもがな、
明らかに泣いていたばかりのセフェティナとそれから30cmも離れていない青島であった。
「ティナちゃん見つかりまし――――あ…し、失礼しましたー。」
「ま、待ってくれ、誤解だ佐藤ーっ!」
悲痛な青島の言葉も届かず、佐藤はそそくさと立ち去ってしまった。
「こ、こりゃ明日は大変だな…。」
「アハハ…。」
セフェティナの笑いを見るとそうぼやきながら青島はすっくと立ち上がった、そしてセフェティナを見る。
「大丈夫、セフェティナ。俺は死なない。佐藤たちも死なせるつもりは無い。」
「……はい!」
この結論が何の解決にもなっていないことは二人には分かっていたが、
今二人で笑っていられるだけでも青島にとっては十分であった。
701: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/24(日) 23:27 ID:kHqoVL5Q(58/111)調 AAS
次の日、散々な冷やかしを受けた青島とは別に、大変なことになっている場所があった。
どこか、それは政府上層部であった。
当然である、敵国がアジェント一国だけではないことが分かったのだから。
「えー、皆さんようやく方針が決まったと思っていた所大変申し訳ないが…、
昨日、協力者のところにアジェントからの通信があり、ごらんの事実が明らかになりました。」
ほぼ昨日から眠っていないのだろう、目を真っ赤に腫らした袴が言った。
他の閣議参加者も大体同様である。
「……通信、とは?まさか通信をする程の技術が向こうにあるわけでもないだろうに。」
「あー…、それについては赤羽君。」
「はい。」
恐らく参加者の中でも最も疲労困憊なのがこの赤羽であった。
連日の侵攻準備の総指揮をとりつつ、協力者(セフェティナ)からの情報を閣議に報告するのも彼の役目だったのだから。
しかし彼はそんな疲労を全く表には出さなかった。
「皆様お手元の資料をご覧下さい。通信魔法の説明と相手からの通信の全文です。
これらからアジェント、そして西方のバルト、この大陸における二大強国が手を組んだ物と考えられます。
おそらくは…いや、間違いなく我が日本と対抗するために。」
「待て。待ってくれ、アジェントとバルトは絶対に手を結ばないのではないのか、
それにアジェントは我々を舐めきっているのではないのか?」
「それに対しては返答しかねます。」
元々危機的な状況が更に悪化したのだ。
重苦しい沈黙が会議室に流れた。
702: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/24(日) 23:28 ID:kHqoVL5Q(59/111)調 AAS
そんな中、出席者の一人が声を上げた
「そうだ、その協力者を通じて友好を申し入れられないのか?」
「かの国がこれ程我々に対する敵対姿勢を見せている以上それは不可能かと。
それに通信は一方通行な物しか不可能と言う報告です。」
「はっ!それが本当かどうかも怪しい物だ。その協力者と言うのは向こうのスパイなのではないかね!」
「口が過ぎませんか、彼女の協力で我々がどれ程助けられたか忘れたのですか?」
袴に言われ、男はばつが悪そうに椅子に座りなおした。
「だが…、スパイと言う可能性があるのも事実だ。」
その男の援護をするわけではなかろうが酒井が言った。
「そもそも彼女はどちらの国の味方なんだね、それをはっきりしてもらわねば困る。」
「はい。それは確かめるつもりです。
近日中に行われる予定の三介島開放作戦。これに彼女の協力を求めます。」
赤羽が事務的な口調で答える。そもそもその仕事はセフェティナを管理下におく赤羽の仕事である。
つまり酒井の言った言葉は赤羽への当てこすりなのだ。
「待て、待ってくれ、本当にこのままの方針でいくのか?」
「そうしかないだろうな…バルトは大陸内陸部に存在する国家だ。即座に我々と衝突する訳ではない。
それよりも先日赤羽君の提案してくれた軽空母開発計画。これを実行するべきだと思うのだが。」
袴の言葉に赤羽は慌てて彼の顔を見た。
彼は赤羽の視線に気付くと黙って頷き、参加者の面々を見た。
この状況においては彼らもまた、反対する気はないようだった。
「確かに…こうなってしまった今いち早い戦力の拡充が必要…。
多少の資金はかかりますが軽空母の導入は必要でしょう…。」
普段は赤羽の言葉をことごとく否定する酒井も袴の言葉に同意した。彼は言葉を続けた。
「ただし、投資にはちゃんと投資分の成果を期待する。」
「それは約束しよう。」
赤羽は自信に満ちた笑みを見せた。
703: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/24(日) 23:30 ID:kHqoVL5Q(60/111)調 AAS
投下終了です。
戦争編はそろそろかな…。
ついでに700ゲトー。

ご意見ご感想お待ちしております。
704: S・F (7jLusqrY) 2004/10/25(月) 02:53 ID:MSZ8PKC.(21/23)調 AAS
軽空母計画再始動キター!そしてキリ番アンド佐藤えらい!
恋愛劇はクライマックスの直前直後が一番。つまり今はまだ動く時ではない。
と言うわけで、ナイスストッパー佐藤。

フィリッピンが本来あるべき辺りに、日本とも「世界」とも全く異質な文明の
島が並んでいる・・・いいなあ。でもその辺の地図はどうなってるんでしょ?

国と戦争の板挟み、初期の頃曖昧に付いていったのが、こんな結果を生むとは。
セフェティナはまあ前線には出ないだろうけど、魔法戦担当なんだろうか?
705: 名無し三等兵@F世界 2004/10/25(月) 03:05 ID:EXfmuxps(1)調 AAS
話の流れを読んでいないが人魚なんて出てこないかな?
706: 名無し三等兵@F世界 2004/10/25(月) 07:14 ID:K1U79z9M(6/8)調 AAS
彼女の役割は対魔法アドバイザーなんでないの?
707: 名無し三等兵@F世界 2004/10/25(月) 09:39 ID:K1U79z9M(7/8)調 AAS
長い休みから復活していつもの投稿ペースに戻ってきましたね。
何はともあれおめでとーございます。
708: 卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 2004/10/25(月) 18:56 ID:q1rA4c46(1/5)調 AAS
自衛隊とはあまり関係無いので、少々場所をお借りします。

こんな現象、あったら嫌だ

「雨、か。珍しいな」
 テントを叩く軽い音を聞きつけ、三浦は装備の手入れをする手を止めた
開け放したテントの入口から、たっぷりと水気を含んだ風が吹き込んできた。
津波の傷跡がまだ生々しい森の、それでも徐々に回復してきた緑が雨粒を受け止め、集めて地面に落とす。
 まだほんの2ヶ月ほどしか経っていないと言うのに、森林の回復力はめざましい。
日本の植生では考えられないほどの速度で、生長を続けている。
植物のサンプルを持って帰った学者達が、その耐久力に目を見張ったほどだ。
 ・・・・さすがに、『強酸にも殆ど侵されない強靭な物質に覆われている』とか、
『若葉の表皮細胞に大量の強アルカリを含む』というのは何かの間違いだろうが。

 野営地となった広場には、しとしとと銀の軌跡を描いて、空から水滴が落ちてくる。
世界が変わっても、そう言った自然現象は変わらないらしい。
・・・・向こうに比べれば、大幅に頻度が落ちている。
こちらの世界に呼び込まれてから、数回しか雨天を経験していない。
709: 卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 2004/10/25(月) 18:58 ID:q1rA4c46(2/5)調 AAS
「客人、何か手伝える事は無いか?」
 ぬっ、と藁の塊のような物が三浦の目の前に突き出された。
思わず仰け反ってしまったが、よくよく見ればこの世界の原住民の一人だ。
好奇心が強いのか、毎日の様に野営地を訪れる。
『何か手伝える事は無いか』と訊き回って断られ、尻尾を垂らして帰っていく姿を良く見かける。
・・・・その外見と行動とがあいまって、まるで犬のようだと隊員達に噂されているようだ。
 立派な毛皮を持つせいか、あまり衣服という物を身に着けない彼らでも、雨に濡れるのは嬉しくないらしい。
今日は、蓑のような作りの雨具を身に着けていた。頭には、しっかりと笠に良く似た物を被っている。
 一見藁を大雑把に束ねただけに見えるが・・・・、実際もその通りだったりする。
元々の植物が油分を多く含む為、防水性は中々に高い。
もっとも、含まれる油分のせいで大変燃えやすいのだが。
それに、がさがさと騒がしい事この上ない。

「特には、無いな」
 三浦のにべも無い返答に、原住民はあっさりと踵を返した。
断られるのはもう既に慣れっこになっているようだ。
野営地に出入りしている間に覚えたのか、日本語でのコミュニケーションにも怪しい所は無い。
 ふと、原住民が足を止めた。額の、複眼のような器官が雨雲を通した弱い日光を反射する。
「(言語形態が異なる為、表記不可)ん、伝える」
 ・・・・この世界の原住民は、なにやらデンパを受信できるらしい。
「もう既に知っているかもしれないが。これからの季節、たまに『痛い雨』が降る。
出来る限り、森の中、大きな木の下に居た方が良い」
 一気にまくし立てると、原住民は再び歩き出した。
森の中に入ると、あっという間にその姿は見えなくなる。
「痛い雨? 一体何の事だ?」
 三浦の疑問が解消されたのは、早くもその翌々日の事である。
710: 卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 2004/10/25(月) 19:01 ID:q1rA4c46(3/5)調 AAS
 原住民の勧めどおりに野営地を移したのは、翌日の午前中。
野営地としていた広場のすぐ脇、森の中の下生えを刈り取って、無理矢理場所を作っての事。
まるで日本人が神でもある様に崇拝して来る原住民が、わざわざ忠告してきたのだ。
何か、もっともな理由があるのだろう。・・・・理由の説明は、まったく無かったが。
 当然ながら、森の中には車両まで置くような場所の余裕が無い。
木を切り倒してしまえば駐車スペースも出来るだろうが、それでは森の中に入る意味が無くなってしまう。
今まで通り、昨日までの野営地に止めておく事になった。
 そして、夜半。再びの降雨があったらしい。当直の者達が、交代の時にそう伝えてきた。
もっとも、森の中の野営地から出る事も無く、密生した木の葉に当たる雨音を聞いただけのようだが。
朝には、からりと晴れ上がっていた。
「森の中なら、雨具は必要無いかも知れないな」
 そんな声を聞きながら、車を止めてあったはずの広場に向かう。
この森には、大きな生き物も居らず危険は少ない、はずであった。

 広場にあったのは、車両の残骸、としか呼べないものだった。
まるで、何年間も放置されていたかのように、ぼろぼろにサビを浮かせている。
 広場のあちこちには、異臭を放つ緑色の水溜りが出来ていた。
手入れの悪い水槽のように気味の悪い暗い緑に濁った水が、赤茶けた粘土質の土の上に溜まっている。
車両の方から流れてきたらしいサビ混じりの水と混ざり、名状しにくい色になっている物も多い。
「何だ、こりゃ?」
 水に触れないよう注意しながら、得体の知れない水溜りを覗き込む。
つん、と鼻を突いた臭いは、何処と無く酢に似ていた。
合成酢をうっかり口に含んでしまった時よりも強い刺激が、舐めた訳でも無いのに口と鼻を直撃する。
「検査キット持って来ました!」
 ガサガサと音を立てて、水質検査キットを開封する。
その水が、飲料水に適しているかどうかを調べる為の物だ。
・・・・どう見ても、体に良く無さそうなこれに使うのは気が引けるが、
他に水質検査に使える物が無いのだから仕方が無い。
711: 卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 2004/10/25(月) 19:02 ID:q1rA4c46(4/5)調 AAS
 検査結果は、『強酸』。流石に、キットを用いた簡易検査ではその種類までは判らないが。
 奇妙な事に、うっかり触れれば火傷してしまうような酸の中に、
藻のような苔のような黴のような、青緑の綿状の物が浮いている。
やはり植物の類らしく、サンプルを採取している間にも、急速にその体積を増やしていた。
 水を吸って膨れている訳ではない。
棒状の物で引っ掛け、出来るだけ水気を切ってから入れたはずのスクリュー瓶の中でも、
いまだに生長を続けているのだから。

「今日はまた、随分と降ったなぁ」
 場違いに暢気な声がした。がさがさと、原住民の雨具が擦れる音と共に。
 わらわらと、森の中から沸くように現れた原住民の集団が、
手にした長い木の枝を箸のように使って黴の様な物を採取する。
「これは、一体?」
 今の事態に対してなのか、この正体不明の『黴の様な物』に対してなのか。
自衛官達の中から質問が飛んだ。
「えーっと。『薬のコケ』で、意味あってるかな?」
 彼らにとっての、薬草の一種であるらしい。
季節風に乗って飛んだ胞子が、雨雲の中で水分を得て増殖し、
地上に落ちてくるのだと説明した。
「何日か川で晒して、酒につけておくんだ。そのまま触ると、痛いけど」
 ・・・・どうやら、酸性雨の原因はこれのようだ。
712: 卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 2004/10/25(月) 19:06 ID:q1rA4c46(5/5)調 AAS
 と、言う訳で。
『F世界に酸性雨が降るとしたら、その原因は何か?』を考えてみました。
降るんだったら、それに適応した植物があっても面白いかな、と。

 森の中で酸性雨による被害が出なかったのは、樹冠部分のアルカリ性の葉っぱのおかげ、と。
713: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/26(火) 01:06 ID:kHqoVL5Q(61/111)調 AAS
どうも卓ゲ氏、いらっしゃいませ。
それにしても車も溶ける雨…ガクガクブルブル

さて、投下でもしましょうかね…。
714: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/26(火) 01:07 ID:kHqoVL5Q(62/111)調 AAS
「やれやれ、とんでもねえ作戦だなこりゃ…。」
これから作戦に赴く集団を見て(と言っても彼もその一員なのだが)沢村は言った。
しかしそれも無理も無い。
赤羽佐世保地方隊司令が陸自、空自も含め直接指揮を執るこの作戦は、
これから編成される異界方面隊司令が彼で適正であるかどうか見るテストでもあった。
気合いが入るのも当然である。
陸自は一個師団をほぼまるごとつぎ込み、そしてイージス艦を含むそれに見合うだけの艦隊が用意されていた。
そして空自においても制空権確保のためのF-15J部隊が用意されていた。

つまり、名目上は「解放」であるこれも、実質は「侵攻」なのである。特にこの三介島上陸作戦は。

そして青島たちの小隊は魔法戦を経験した物として、
セフェティナの護衛をしながら陸自と行動を共にする特別部隊とされていた。
「沢村さん、どうですか調子は?」
「ああ、佐藤か、いやいや、二回目ともなるとさすがに慣れてくるもんかな。
周りの奴を見てみろよ。」
言われて佐藤が周りを見渡す、すると周りの隊員のほとんどが緊張にガチガチになっていた。
「といっても俺達はティナちゃんの護衛ですから、そんなしんどい仕事にはなりませんよ。」
「まあ、な。」
沢村は曖昧な返事をした。
715: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/26(火) 01:07 ID:kHqoVL5Q(63/111)調 AAS
一方、この作戦の司令官達、及び特別幹部候補である青島、加藤は赤羽に作戦の説明を受けていた。
だが、最低でも左官レベルの司令官達の視線は冷たかった。
「(ひえ〜、睨んでる睨んでる。)」
「…。」
その視線に少し圧される青島に対して加藤は全く気にする素振りは見せなかった。
しかし赤羽が壁に張ってある地図を用いて説明を始めると、その視線も立ち消えた。
「これは三介島の地図だ、人工衛星があれば完璧な物が撮れるのだが、無いものねだりをしてもしょうがない。とにかく我々はこの台湾の半分ほどの島への上陸作戦を行う。」
赤羽は島の中心部を指した、そこには真っ赤な三角印とバツ印が寄り添うようにあった。
「この三角がこの島を重要なものと成し得ている鉱山だ。そしてこのバツ印が敵拠点。
元々鉱山管理として作られた物のためにこれら二つの距離は非常に近い。
この二つが我々の制圧目標となる。
しかしこの拠点、魔法という強力な遠距離攻撃手段が存在しているせいか、非常に防御力が高い。
そのため、鉱山はともかくとしてこの拠点で攻城戦を行うことは絶対に避けたい。」
赤羽は手元のプリントも見ずに続けた。

「そして偵察によると敵の兵力はおよそ2000。これは予想よりずっと少ない数字だ。」
部屋の面々の間に安堵のため息が漏れた。
「ただし、これは敵の訓練された兵士、常備軍の数だ。ちなみにその内200は竜騎士部隊。敵は現地人を徴用して兵士として使ってくる可能性が非常に高い。
それもたぶん男なら誰でもという勢いで、だろうな。
そしてこの場合、相手兵力はおよそ4万。まあ単純計算でこちらの2倍以上だ。」
ビキッ。部屋の空気が一気に凍りついた。
冷静な顔をしているのは三人。赤羽と加藤、そして意外にも青島であった。
716: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/26(火) 01:08 ID:kHqoVL5Q(64/111)調 AAS
「ちょっと待ってください。」
士官の一人がたまらず発言した。
「海将は我々に死ねとおっしゃるのですか?数で圧倒的差をつけられているのに侵攻などと…。
兵法の条理にも反しています。」
この言葉を皮切りにかなりの批判意見が噴出した。
しかしそれを赤羽は黙って聞いていた。
そしてひとしきり批判が出終わると彼は青島のほうを向いた。
「お前はこの作戦が無茶だとは思っていないようだな。」
「えっ…?あ、はい。」
再び冷たい視線が皆から突き刺さる。
赤羽が青島を構うことからのジェラシーだろうか、その視線の中には加藤も含まれていた。
「…何故かを少し言ってみてもらえないか。」
「あ、…はい。まずはネックとなっている4万と言う数字、しかしこれはほとんど戦闘訓練も受けていない素人たちです。当然魔法の脅威も存在しません。
そして更にそれを指揮するには2000人では到底足りません。
まず間違いなく指揮系統は混乱すると思われます。
そしてさらにもう一つこの4万人は皆、アジェントの常備軍に対して憎しみを持っています。
士気も0に等しいでしょうし、さらに場合によっては戦闘すら起こりえないと思われます。」
717: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/26(火) 01:09 ID:kHqoVL5Q(65/111)調 AAS
青島が言葉を切ると赤羽は満足そうに笑った。
「その通りだ。はっきり言ってしまえばこの現地徴用の敵は相手にはならない。
むしろ注意すべきはこの現地人達を傷付けないようにすることだ。我々は解放軍なのだからな。
現地人たちは敵ではない、むしろ味方だ。」
赤羽はそう言うと再び自分でしゃべり始めた。
「そこで、だ。
前提として、上陸地点付近の敵竜騎士部隊を殲滅、制空権を確保する。
そして我々はまず、敵船部隊、これは相手にもならないだろうが、を殲滅後、海上に艦船を展開する。
その後、敵が海辺に展開するかどうかで戦闘パターンが決まる。
海辺に兵を展開する場合は厄介なことになる。本来ならば砲撃で焼き払いたいところだが、
そうもいかん。この場合、敵現地兵を説得、失敗の場合は威嚇砲撃を行う。
それでもだめならば仕方があるまい、兵法の基本どおり、焼き払う。
そうして突破後はもうなんら厄介なところは無いだろう。
むしろこうなってくれたほうが我々側の犠牲は少なくて済む。」
赤羽は薄く笑った。
その表情は笑みであるにもかかわらず、多くの士官達を畏怖させた。
718: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/26(火) 01:11 ID:kHqoVL5Q(66/111)調 AAS
「もう一つは敵が篭城、もしくは拠点周辺に兵を展開する場合だ。
この場合は艦船の援護射撃がほとんど得られない可能性が高い。
この場合は鉱山を攻める。鉱山は敵が絶対に守らねばならない施設だ。
そうである以上ここを攻めれば敵は守らざるを得ない。拠点より遥かに守りにくいこの鉱山をだ。
つまりは亀の甲羅からお出まし願うわけだ。」
「赤羽海将。」
赤羽の言葉を遮るように士官の一人が言葉を発した。
「なんだ?」
「鉱山を攻めるとしたら、現地人の犠牲は免れないのでは?」
「いや、そこで現地抵抗勢力と手を結ぶ。彼らを先方とすれば現地人との衝突は避けられるだろう。
現地レジスタンスたちの言葉も聞かないようであれば、それは解放される意思のないただの敵だ。
ちなみに…現地レジスタンス達とはもう連絡を取ってある。」
そして最後に赤羽はニヤリと笑って言った。
「そしてもし鉱山を攻撃されても拠点から出てこない臆病者ならば、
我々はこの島への「援助」を続けながらゆっくりと兵糧攻めをさせてもらうとしよう。以上だ。
これらの作戦は最後のケース以外は敵常備軍を以下に早く殲滅できるかにかかっている。諸君の健闘に期待する。」
「はっ!」
参加者達が一斉に十度の敬礼をする。
これが、戦後日本の始めての侵攻。「三介島解放作戦」のはじまりであった。
719: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/26(火) 01:12 ID:kHqoVL5Q(67/111)調 AAS
どうも投下終了っす。
いや、戦術面にはかなり穴があると思います、
お見苦しいでしょうが、お許し下さい。
意見も待ってます。
それではご意見、ご感想、よろしくお願いします。
720: 名無し三等兵@F世界 2004/10/26(火) 02:49 ID:8sJRFPj2(1)調 AAS
いよいよ本格的な戦闘でつか・・・期待しとります。
721: 名無し三等兵@F世界 2004/10/26(火) 17:57 ID:/JxOKHjA(2/2)調 AAS
上陸といったらおおすみのホバーの出番ですね!!
722: 名無し三等兵@F世界 2004/10/26(火) 23:48 ID:reUgUsAo(1)調 AAS
竜騎士の奴らを倒すのにミサイルは牛刀で鳥をさばくようなもの。
護衛艦の搭載砲とファンクラスで充分かな?
イージス艦は100もの対象をロックオンできるというし。
723: 2004/10/27(水) 03:09 ID:QW0PcCKs(1)調 AAS
OTOメララ大活躍ですな
個艦防御で各艦対応できるだろ
724: 名無し三等兵@F世界 2004/10/28(木) 08:42 ID:K1U79z9M(8/8)調 AAS
ヘリによるエアカバーも必要じゃないかと付け加えてみる。
725: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/29(金) 18:13 ID:kHqoVL5Q(68/111)調 AAS
ああ、演出を求めるか整合性を追及するか…。
残念ながら私には両立する腕が無い…。

投下は少し遅れます。
726: 2004/10/29(金) 22:29 ID:uvNIFZYQ(1)調 AAS
上陸前にクラスターを撒くのを忘れずに。
727: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/31(日) 17:48 ID:kHqoVL5Q(69/111)調 AAS
投下?
投下。
728: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/31(日) 17:48 ID:kHqoVL5Q(70/111)調 AAS
「それは、本当ですか?」
「ああ、ほぼ間違いない。」
三介島鉱山山麓、カリヴァン候運営の拠点。
そこの長を務める男、アーガスはうなずいた。
純白の鎧を身に着けるカリヴァン騎士の多いなか、彼は何故か好んで灰色などの暗い色の鎧を付けていた。
曰く、「奴隷の管理などと言う仕事において清廉を保つことは不可能。」
その一見白が基調のカリヴァン候への反抗にも見える鎧また、彼なりの忠誠心の現れであった。

アーガスは有能な男であった。そして更に「妥協」と言う言葉を知っている男であった。
それ故に彼は清廉潔白を旨とするカリヴァン騎士団からこんな僻地へととばされたのだが、
しかし、彼はいじけることなくその能力を発揮していた。
「レジスタンスグループの一人を捕らえた。どうも彼らは新たに召還された島と手を組んだらしい。」
「新しく召還?そんな魔法技術も無い島国…たいしたことは…。」
「本国がそんなたいしたことの無い島のために帝国と手を組むと思うか?」
「い、いえ、失礼しました。」
まだ若い騎士が慌てて頭を下げた。
「いや…、ともかく、それほど強大な勢力だと言うことだ。それが今まで召還されてきた奴隷島へ向かってくる…。」
「勝算は…ありますかな?」
彼の傍に控えていた魔道士が言った。
729: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/31(日) 17:48 ID:kHqoVL5Q(71/111)調 AAS
彼の名はロン。
彼もまた騎士団からつまはじきにされ、冷や飯を食わされている男であった。
「いや…ないな。」
アーガスの言葉に若い騎士がハッと顔を上げる。その様子も気にせず魔道士は微笑んだ。
「ま、そうでしょう。…そういえばその捕らえたレジスタンスというのは何処にいますか?」
「ああ、客室にいる。…人間と言うのは醜いな。軽い拷問の後地位を保証すると言ったらすぐに飛びついた。
いや、そういう方法をとった我々のほうが余程醜いか…。それに…我々には保障する地位も無い。」
自嘲的に笑うアーガスに対しロンはニヤリと笑った。
「だから我々はこの島にいるのでしょう。」
「ハハ、それもそうか。」
アーガスもまたロンに答えにやりと笑った。
「で、どうなさるのです?今ならこの島を放棄して逃げることも出来ますが。」
「いや、迎撃する。勝てないのならば後の候達が少しでも有利に戦えるようにするべきだからな。
すこしでも戦力を削り、情報を得ておく必要があるだろう?」
「ご立派。」
「ついてきてくれるか?」
「愚問を。」
「すまないな。」
「いえいえ。」
二人は軽く笑った。
ひざまずく若い騎士は自分の未来を考えただ呆然としていた。
730: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/31(日) 17:49 ID:kHqoVL5Q(72/111)調 AAS
日本。佐世保基地。
セフェティナは数日前に返って来た魔法用の篭手をはめなおしていた。
研究用に政府側に一時的に渡していたものだったが、
アルヴァールからの通信が入る前にセフェティナに帰ってきたのは幸運であった。
ちなみにこの篭手を研究して分かったことは魔導の石アルジェクトがある程度ケイ素を含む、それだけであったらしい。
セフェティナは緊張していた。人生二度目の戦場。
しかも混乱していて何がなんだか分からなかった前回に対し、
今回はきちんと準備もなされたものだけに、プレッシャーも大きい。
ガチガチに固まっている彼女を見かね、佐藤は声をかけた。
「あ、ティナちゃん。どうしたの強張った顔しちゃって、それじゃ現場に着く前に疲れちゃうよ。」
「…。」
「てぃなちゃん?」
「あっ、青島さん!?…あ、佐藤さんですか。どうしたんですか?」
「うーん。ちょっとショックかも。」
「す、すみません…。」
「いやいや。あんまり緊張しすぎは良くないよ?ティナちゃんの安全を守るために俺達がいるんだから。」
佐藤はそう言ってニカリと笑った。
「は、はい。ありがとうございます。」
セフェティナがつられて笑うと佐藤は再び満足そうに笑った。
731: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/31(日) 17:49 ID:kHqoVL5Q(73/111)調 AAS
一方青島は村田達と一緒に居た。
青島の小隊にとってこの作戦は天野がいない初めての任務であった。
小隊の実質的な中心であった天野の穴を埋められるのはベテランの村田だけだったのである。
「おう、どうした色男。」
村田は青島が視界に入ると同時にニヤリと笑った。
「…村田さん、その呼び方は止めてください…。」
「ははは、もうこの基地中の噂になっているぞ?」
「勘弁してくださいよ…それで話があるんですが…。」
「ああ、大丈夫だ聞かなくても分かる、まかせておけ。」
青島が話をしにきた時点で彼はすでにそれを了解しているようであった。
青島はそんな彼を頼もしく思った。
「この噂をもっと広めてくれって言うんだろ?」
しかしそれは彼の気のせいのようであった。
732: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/31(日) 17:50 ID:kHqoVL5Q(74/111)調 AAS
一方
「青島二尉。」
青島が話を終え一人で歩いていると声をかけてくる人物が居た。
青島が振り向くとそこにいたのは見慣れた顔であった。
「…結衣三尉?」
「……。」
しかし加藤は青島が話しかけても一向に喋ろうとせず、俯いていた。
「…どうしたんだ?」
「あ、あの噂っ、……いや…なんでもないわ…。」
「え?え?」
「なんでもないって言ってるでしょ!」
加藤はそう言うと顔を真っ赤にして青島に背を向け早足で歩いていってしまった。
「???」
青島は何故怒鳴られたのかも分からずただ頭に?マークを浮かべていた。
733: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/31(日) 17:50 ID:kHqoVL5Q(75/111)調 AAS
その次の日、佐世保基地は作戦に参加する隊員で一杯となった。
そしてその前に赤羽は作戦司令として立った。
「…この作戦は、非道極まる奴隷支配を受ける人々を解放するための作戦である。」

一方、三介島でもアーガスによる演説が行われようとしていた。
形式にこだわるアジェントでは異例中の異例である一兵士まで集めた、合計2014人に及ぶ大集会であった。
「まずは、集まってくれた皆に感謝の意を表したい。」
アーガスがそう切り出すと場は静寂に包まれた。
「知っての事とは思うが、この島に東の島の国、ニホン国が攻め込んでくる。
そして我々にはこれに抗するための戦力が無い。
よってこれから行う作戦は、我々の死を前提とした物となっている。」
この言葉に場は動揺が走った。急に騒がしくなった。
しかしアーガスは何も言わずに場が静まるまで待った。
「そこで、だ。」
また再び話し出すアーガスの言葉に兵士達はゴクリと唾を飲んだ。
「30分待つ。私とともに死んでくれる者だけここに残ってもらいたい。
当然出て行くものには船などを用意する。
ただし出て行ったものに関して言及することも詮索することも禁ずる。
ここで出て行ったとしてもアシェナの神の祝福を受けられることは私が保証しよう。」
再び場に動揺が走った。兵士達は皆まじまじとアーガスの顔を見る。
しかし彼はそれ以上何も言わずに部屋から出て行った。

そして30分後彼が部屋に戻った時、そこにいた兵は1420人であった。
「有難う。そしてすまない。」
相手は皆自分よりも遥かに身分の低い相手である、だがアーガスは深々と頭を下げた。
734: F猿 (BfxcIQ32) 2004/10/31(日) 17:51 ID:kHqoVL5Q(76/111)調 AAS
投下終?
投下完了。

ご意見、ご感想お待ちしております。
735: 名無し三等兵@F世界 2004/10/31(日) 22:30 ID:O2ey0WLg(1)調 AAS
最初の戦いから激戦になりそうですな。
736: 2004/10/31(日) 23:02 ID:ueWREwdY(1)調 AAS
>>ちなみにこの篭手を研究して分かったことは魔導の石アルジェクトがある程度ケイ素を含む、それだけであったらしい。
この地上にある程度ケイ素を含まない石などあるのだろうか。たぶん伏線のつもりなんだろうけど意味のない描写な気がする。
737: 2004/11/01(月) 03:01 ID:L6DX1V7c(1/2)調 AAS
> この地上にある程度ケイ素を含まない石などあるのだろうか
黄鉄鉱とか方鉛鉱とかマンガン団塊とか石炭とか石灰岩とか……
などと揚げ足とってしまったがたしかにケイ素を含まない石が多数派でないと不自然な書き方だな。

そう言えばキャプテンフューチャーで、
「カルシュウムを産出しないので現住生物の骨がケイ素化合物で出来てる星」つうのがあったな。
738: (zbg2XOTI) 2004/11/01(月) 19:54 ID:ByKSrRMw(1)調 AAS
>意味のない描写な気がする。
珪素を含むほかは未知の物質でできているって解釈でも良いかと。
また、ある程度珪素を含むってことはこの世界でも珪素を含む組成の石が大多数って事で、
物質の組成はこちらの世界とほぼ同じ、+その世界特有の物質が存在する、と推定することもできるかも。
739: 名無し三等兵@F世界 2004/11/01(月) 20:56 ID:WGHSizEU(1/2)調 AAS
アーガス、敵でありながらなかなかの好漢ですな。
彼のこの後の運命は戦死か?はたまた・・・?
740: 2004/11/01(月) 21:20 ID:L6DX1V7c(2/2)調 AAS
こういう人にはぜひ生き残ってほしいが、トミノ作品だと真っ先に死ぬんだよなぁ>アーガス
741: 名無し三等兵@F世界 2004/11/01(月) 21:54 ID:WGHSizEU(2/2)調 AAS
あの人はこう言いたいのかと『戦争ではいい奴から真っ先に死ぬ』
742: 2004/11/01(月) 22:42 ID:N2nov956(1)調 AAS
珪素と言っても半導体じゃ無いだろうな。
そうだったらイージス艦の強力なレーダー波を照射されたらぶっこわれて
ジファンは魔法を使えなくなっていただろうし。
743: 2004/11/03(水) 00:23 ID:zEAn4rm2(1)調 AAS
半導体といってもなぁ。電子部品が入っている訳じゃ
無いでしょう。単なる半導体なら大丈夫でしょうね。
744: 名無し三等兵@F世界 2004/11/04(木) 06:51 ID:OuDDfgtY(1)調 AAS
本家も香田さんの殺される画像が公開されてからほとんど動きがなくなってしまいました。
ここだけが頼りです、続編の投下を待ってます。
745: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/04(木) 18:46 ID:kHqoVL5Q(77/111)調 AAS
あれを見たものとしては戦争物を書いていいのかどうか…と考えていたもので。
少し恐ろしくなってしまいました。
746: S・F (7jLusqrY) 2004/11/04(木) 19:34 ID:MSZ8PKC.(22/23)調 AAS
戦争物と戦争に関連性は・・・あるとしたら書き手がそう考えた時だけです。
結局批判性の無いものなら無関係ですからね。あてこすりで書かなければ
問題はないと思いますよ。

ようはテーマの問題ですよ。やろうと思えば児童向け作品でも社会批判やら
物事についての意見は述べられるし、逆にいくら虐殺描写をしても全部が
ストレス解消に繋がるような作品もあります。

とまあ、基本的な事を偉そうに述べすぎてもアレなので、続編を期待します。
747: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/04(木) 22:23 ID:kHqoVL5Q(78/111)調 AAS
香田さんのご冥福を祈りつつ、

それでは、投下を開始します。
748: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/04(木) 22:24 ID:kHqoVL5Q(79/111)調 AAS
「こちらアルファ中隊、敵飛行兵器確認できず。」
「こちら哨戒任務中、敵船、敵飛行兵器確認できません、制空権及び制海権はこちらが完全に確保した物と思われます、以上。」
三介島から約60キロ沖、そこには今回の作戦参加艦艇が結集していた。
結集、と言っても島の南と東の二つに艦隊は分かれてはいたが。
島中央部にある敵拠点を中心として一つは比較的平野が広がっている南から本隊が、
そしてこの縦に細長い島の東から最短距離で拠点制圧を狙う部隊であった。
もはやこの位置まで来ればイージス艦であれば島中心部の拠点も把握できる。
「不自然だな…。」
輸送艦「おおすみ」艦長、伊藤は呟いた。
本来ならばこの状況にまで持ってくるまでに制海権奪取、制空権奪取が必要なのだが、
不自然なことに島周辺には一つの船も、一匹の竜すら存在しないのである。
「伊藤君、そろそろ揚陸の用意をさせてくれ。」
「了解しました。」
今、そんなことを考える必要は無い、必要なのはただ与えられた命令を遂行することのみ。
軍人となった時から上官の命令に対しては自分の頭は帽子掛けなのだから。
赤羽からの通信が入り伊藤は頭の中のモヤモヤを振り払った。
749: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/04(木) 22:26 ID:kHqoVL5Q(80/111)調 AAS
イージス艦「ちょうかい」
「こんごう」が尖閣諸島地域へと出払っている今、
赤羽はイージス艦を呉からわざわざ持って来なければならなかった。
そしてこのイージス艦の最新鋭のレーダーは、海にも空にも敵機が存在していないことを示していた。
もちろん赤羽「元」佐世保司令もこの不審さに気付かないわけはなかった。
というよりも彼は伊藤よりも遥かに早くこの事態に気付いていた。
それ故に航空部隊の護衛をつけて哨戒任務を行わせているのだ。
その報告を待っている時、艦橋に入ってくる人間があった。
「赤羽司令長官。」
「加藤か。」
「はい。」
普段艦橋にはありえない陸上自衛隊の制服。赤羽以外の人間は少し眉をひそめた。
しかしそれも気にせず加藤はツカツカと赤羽の傍へ近づいた。
「私に上から任務が下りました。」
「…。」
緊張した面持ちで赤羽を見る加藤に対し、赤羽は何も答えなかった。
「海自と陸自の『連絡役』とのことです。」
「私の監視か?」
「…。」
赤羽の言葉に加藤は黙った。
750: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/04(木) 22:27 ID:kHqoVL5Q(81/111)調 AAS
赤羽は薄く笑った。
「ふむ、向こうも私のような青二才は信用できないと見える。」
「っ、そんなこと―――」
加藤はそれ以上言う事はできなかった、実際若い赤羽への自衛隊内での反発は(特に陸自では)大きい、
しかし加藤は赤羽を青二才などと言うことは例え自虐の言葉でも我慢がならなかった。
「声が大きい。お前が思うかどうかではない、向こうがこちらをどう思っているかどうかの話だ。」
「…。」
加藤は再び口を閉ざした。赤羽はそれを見ると何事もなかったかのように言った。
「それでは任務に全力を尽くすように。」
「…了解しました。」
半ば、突き放すような形で会話を終えた赤羽に対し、加藤は何か言いたそうな眼差しをしたが、結局何も言わずに敬礼を返した。

「哨戒の結果、敵は島中心部の拠点と上陸地点のほぼ中間の平野に集結していることが分かりました。
上陸予定地点には敵の存在は確認できませんでした。それどころか敵拠点にも存在が確認できません。
兵力はおよそ4万。敵竜騎士も一部がそこに存在、残り大半は森などに隠れているようです。以上。」
そして哨戒機からの連絡が入り、艦橋はにわかに活気付いた。
751: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/04(木) 22:28 ID:kHqoVL5Q(82/111)調 AAS
「上陸際を叩かないのは余り海の戦闘を経験していないからですかな?」
「美学を求めた玉砕体制か?それとも…。」
しかし隊員の一人の呟いた気楽な一言とは逆に赤羽の表情は険しかった。
「上陸地点および敵拠点の爆撃を指示する。同時に東部艦隊は上陸用意、爆撃後拠点制圧に向かえ。」
そして意を決し彼は言った。
艦橋の人間誰もが赤羽を振り返る。
今の彼の言葉は警察予備隊時代から約50年にわたる自衛隊の歴史の中、
初めて、自ら積極的に相手を攻撃することを命令する物であったのだ。
しかし、艦橋の人間に対し、現場、空自の返答は落ち着き払った物だった。
「集合した敵歩兵にも爆撃を仕掛けられますが。」
至極当然のように返された言葉に赤羽は満足そうに口の端に笑みを浮かべた。
「いや、それは禁止する。敵兵の大半は地元民だ、なるべく殺傷は避けるように。
爆撃終了後は森林部に隠れている敵竜騎士をあぶり出して貰うが、その時はおって指示する。」
そう、これはあくまでも解放のための行動であって、戦争ではない。
解放する対象の現地民を傷つけるのならそれは戦争になってしまう――――
赤羽はその歯がゆさに頭の中で一人ぼやいた。
「了解。爆撃、三十分後に開始します。」
そして空自の隊員の明瞭な返答に赤羽は現実へと引き戻れた。
752: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/04(木) 22:28 ID:kHqoVL5Q(83/111)調 AAS
「―――島内協力者オザル氏から無線です。」
「よし。」
――赤羽殿ですか!?――
「はい。そちらの状況を教えてくださいませんか?」
――はい、今、我々は島内の森に潜伏しています。
けれども今日は毎日あるはずのレジスタンス討伐も無い上、敵全軍が島南の平野部に集結しとります。――
そんなことは知っている、これでは無線機を貸した意味が無い。
「敵はこちらの行動を事前に察知していたようですが、心当たりはありませんか?」
――いえ、ありません。――
「そちらのグループ内での裏切りの可能性は?」
――そんな訳ありません!我々はこの島の人間のために命をかけているのです!――
「…それは失礼。それでは我々は約2時間後に上陸を開始します。
上陸地点に展開が終了したら現地徴収兵と接触を取ってください。
約四万の大群ですから、紛れるのは簡単でしょう。」
「当然です、今の拠点は敵にばれておりませんし、敵集合地点にも近いですから。」
「期待しています。」
それに万一説得に失敗したとしても、敵が密集しているのならばこちらの兵器を持ってすれば殲滅することは容易い。
当然、最後の、そして禁断の手段ではあるが。
753: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/04(木) 22:30 ID:kHqoVL5Q(84/111)調 AAS
輸送艦「おおすみ」内。
青島達は南部からの上陸部隊としてそこに居た。
「俺達の任務は、セフェティナさんの護衛だ。
彼女の任務は魔法の感知、つまりかなり前線まで出ることになる。
多少危険ではある、だが、この任務を失敗することは許されない。」
青島は小隊の面々を前にして言った。
その表情にはいつもの大人しい、気弱そうな色は全くなく、
軍人として、指揮官としての厳しい顔がそこにあった。
部隊の面々もまた天野の居ない初めての任務に多少なりとも不安そうな表情を隠せないで居た。
「これに失敗するということはセフェティナさんを、日本の大切な協力者を失うと言うことだ。」
その他人行儀な彼の言葉にセフェティナは一瞬悲しそうな顔を見せる、
そのことに気付いたのか佐藤は青島に対し、不満そうな目を向けた。
そして青島はそれに全く気付いては居なかったが、その厳しい表情を和らげ、言った。
「そしてなにより、セフェティナは俺達の大切な仲間だ。
仲間は絶対に守る、それが俺達自衛隊の鉄則だ。各自の健闘に期待する!」
「おお!」
彼の言葉に面々も緊張が解けたのか、大きな叫び声を出した。
それを嬉しそうに見つめると青島はセフェティナに向かって笑いかけた。
「仲…間。」
セフェティナは呟くと青島の笑みに気付き、目一杯の笑顔を彼に向けた。
佐藤はそれを見て満足そうに笑った。
754: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/04(木) 22:32 ID:kHqoVL5Q(85/111)調 AAS
投下終了しました。
うーん、当初のプロットに無い章のせいか、少し読みにくい文章になっているかも。
要精進。

それではご意見、ご感想、お待ちしております。
755: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/04(木) 22:34 ID:kHqoVL5Q(86/111)調 AAS
追伸:S・Fさん、アドバイス有難うございました。
756: 名無し三等兵@F世界 2004/11/05(金) 02:36 ID:xZKpuiVw(1)調 AAS
ご苦労様でした。
さてさて敵がどんな策を考えてるのかが気になりますな。
757: 名無し三等兵@F世界 2004/11/05(金) 08:56 ID:xoXBFajg(1)調 AAS
敵の目的はゲリラ戦に持ち込むことか?
758: 名無し三等兵@F世界 2004/11/06(土) 00:36 ID:cA9rfCDo(1)調 AAS
F猿さんの心情読みました・・・・辛かったですね。
挫折しないで自分の信じた道を進んでください。
応援していますので。
759: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/06(土) 21:11 ID:kHqoVL5Q(87/111)調 AA×

760: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/06(土) 21:26 ID:kHqoVL5Q(88/111)調 AAS
失敗、自分でこんな簡単な物を作ってみて、初めて普段目にしているAAの奥深さを知る…。

つたない図解を。
――――――――――――
|...........|・・  ◎…赤羽艦「ちょうかい」
|......木木木木.|・・  ○…自衛隊部隊
|...........|・・  ●…敵軍
|......▲....|・・  ■…敵拠点
|.....▲▲....|・←○ ▲…山 東北部にある三つ重なっているのは鉱山
|.木▲.■......|・←○ □…レジスタンス拠点
|.木木....木木木.|・・
|...●●●.木□木.|・・
|.......木木木.|・・
|....平..木木木.|・・
|.木木.野..木木..|・・
|.木木....木木木.|・・
|...........|・・
――――――――――――・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・↑↑↑・・・・・・
・・・・・・○・・・・・・・  
・・・・・○◎○・・・・・・
761: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/06(土) 21:27 ID:kHqoVL5Q(89/111)調 AAS
・・・すいません、自分にはAAは無理だった様です。
762: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/06(土) 21:36 ID:kHqoVL5Q(90/111)調 AA×

763: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/06(土) 21:36 ID:kHqoVL5Q(91/111)調 AAS
orz
764: 2004/11/06(土) 22:29 ID:KrRd5jb.(1)調 AAS
偵察機ではない哨戒機がどうやって地上の人数を調べたのだろう。
森林部に隠れている敵竜騎士はどうやって発見したのだろうか。
写真撮影したとして、台湾の半分に相当する膨大な面積を短時間で分析出来るものだろうか。
日本軍がジャングルに潜んで戦った南方で、米軍は、水汲み場、炊事・炊飯場、そしてトイレと思しき物を
空中写真で探して残存兵力の推定をしたそうだが、自衛隊にそんなノウハウはあるのだろうか。
765: 2004/11/07(日) 00:52 ID:BAvC//hM(1)調 AA×

766: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/09(火) 21:01 ID:kHqoVL5Q(92/111)調 AAS
>764さん
哨戒機じゃなくて偵察機と訂正します・・・。

>765さん
おお!有難うございます!
はい、敵拠点と鉱山がもう少し右にずれますが大体こんな感じです。

それでは遅れましてスミマセン。投下を開始します
767: F猿 (BfxcIQ32) 2004/11/09(火) 21:01 ID:kHqoVL5Q(93/111)調 AAS
「聞いてくれーっ!」
カリヴァン軍陣地、多くの奴隷兵が宿営しているこの地を一人馬に乗って駆ける男がいた。
ほぼ強制的に徴用された奴隷兵の多くはこの戦争に勝てば待遇を良くすると言う言葉のみを信じてこの場所にいた。
彼らにはもはや解放と言う言葉はほとんど消えてなくなっていたのだった。
そんなもはや火の消えた炭のようになった彼らの間を男は走りながら叫んだ。
ある程度の人数がこちらに興味を示したことと、警備の目がこちらに来ていないことを確認する素振りを見せてから男は再び叫びだした。
「聞いてくれっ!俺達はもうすぐ解放されるぞ!自由になれるんだ!」
男はただ叫んだ。
聞いていた人間達の内一部が目を剥いた。その他は何を馬鹿な、という目で男を見ていたが。
「何を言っているんだ、そんなことを言っていたら捕まるぞ。」
兵の一人の忠告など何処吹く風、男はまだ叫び続けた。
「日本という島が俺達と同じように召還されたんだ!
その日本という国がアジェントと同じくらい強いらしくて、俺達を助けてくれるって言うんだ!」
「お前・・・レジスタンスか!それは本当なのか!?」
目を剥いたうち一人が身を乗り出して言う、最初は関心を示さなかった兵達も皆関心を示し始めていた。
「こんな嘘をつくわけ無いだろ!俺達は助かるんだ!」
どうやら嘘ではないらしい、そう判断したその場の兵達は歓声を上げた。
「おーっ!ならこれを他の奴らにも知らせてやらなきゃな!」
「ああ、そうしてくれ・・・。」
男はゼイゼイと息をつきながら答えた。
悲報にしろ朗報にしろ驚異的な報せと言う物はすぐに広まる、
この時も例外ではなくこの報せは兵達に瞬く間に広まった。奴隷兵達は浮付きだした。
カリヴァンの兵達に従うものか、という空気が流れ出したのである。
1-
あと 213 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ

ぬこの手 ぬこTOP 6.596s*