��千歌「Code:Cへようこそ!」 (174レス)
上下前次1-新
1: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 17:01:51 ID:/ldOzkg6(1/17)調 AAS
キャラ・原作崩壊注意、元ネタあり
更新頻度はかなり遅めです
7: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 17:05:33 ID:/ldOzkg6(7/17)調 AAS
ブーブーブーブーブーブー
ルビィ「へ?」
『司令部よりCode:Cへ通達。レーダーに敵影を補足』
『全隊出撃命令。ポイントxxxにて迎撃準備』
ルビィ「この声……お姉ちゃん?」
千歌「うそー、折角これからルビィちゃんを案内しようと思ってたのに」
曜「それは帰ってからだね。ごめん、少しだけ待ってて?」
ルビィ「あ……えっと」
千歌「そうだ、通信室の場所わかる?」
ルビィ「はい、わかります」
千歌「そこで見てて。そのうちルビィちゃんにも座ってもらうから」
8: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 17:06:15 ID:/ldOzkg6(8/17)調 AAS
―――
―
《System Start》
《Powered Exoskeleton OS Ver.8.15》
千歌「起動確認」
曜「起動確認」
「起動確認」「起動確認」「」「」「」――
千歌「通信良好、総員異常なし。出撃準備」
《パワーパック始動、スクリーン展開》
《アクチュエータ活性、関節機構ロック解除》
《索敵モードオン》
曜「レーダー確認。敵影を補足」
千歌「総員出撃」
「「「了解」」」
9: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 17:06:33 ID:/ldOzkg6(9/17)調 AAS
ザッ…ザー…
『通信室より高海隊長』
千歌「こちら高海。この声は……ルビィちゃん?」
曜「迷わずに通信室行けた?」
ルビィ『お二人とも機銃をお忘れです』
千歌「なんのことかな?」
ルビィ『ですから、高海隊長と渡辺副隊長のOSに20㎜機銃が登録されていません』
ルビィ『基本装備を欠いた状態での出撃は危険です。早急にお戻りください』
曜「あー……私たち、装備してないんだよ」
ルビィ『はい?』
千歌「私と曜ちゃんは機動力を重視してるんだ」
曜「機銃は確かに安定してるけど、重いし近接に向いてないからね」
ルビィ『近接って……近接戦闘は避けるべきとマニュアルにも記載されていますよね』
千歌「マニュアルなんて実戦では役に立たないよ」
曜「経験と技術。戦場で頼りになるのはその二つだけ」
ルビィ『ですが、お二人のOSはっ――』
ブツッ
10: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 17:07:32 ID:/ldOzkg6(10/17)調 AAS
―――
―
ルビィ「すみません……通信、切られちゃいました」
通信兵「敵兵と遭遇したんだよ。こっちは繋がってるし、きっと二人にも悪気はないから安心して」
ルビィ「異例ですよ! OSに装備未登録のまま出撃するなんて!」
通信兵「あの二人はそれでいいんだ」
通信兵「通常はOSに武器を登録することでオートバランサーがその重量を把握し、兵士の動作をアシストしてくれる」
通信兵「でも隊長と副隊長は、元々バランサーを取り付けていないんだよ」
ルビィ「取り付けていない…?」
通信兵「彼女たちの武器はただ一つ。その尋常ならざる重量で敵を薙ぎ倒す『アックス』」
通信兵「バランサーを稼働していると、その重みで足元がおぼつかなくなり、体が吹き飛ばされてしまう……処理能力が足りていないのさ」
通信兵「故に彼女たちはバランサーを取り外し、その尋常ならざる体幹とバランス感覚によって、OSの処理能力では不可能な動きを実現している」
通信兵「本国でも聞いた事がないだろう。本物の天才だよ、彼女たちは」
11: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 17:07:51 ID:/ldOzkg6(11/17)調 AAS
ルビィ「あっ…レーダーの故障でしょうか!? 熱源反応が次々と消滅しています!!」
通信兵「故障じゃないさ。あの二人が倒しているんだよ……まるで台風のように」
ルビィ「そんな馬鹿な……」
通信兵「こっちの仕事なんてないようなものさ」
通信兵「二人と話したのなら、きっと違和感を抱いたんじゃないかな?」
通信兵「どうして誰もが彼女たちを容認しているのか」
通信兵「事務処理をしない、食事の用意もしない、本部へのあいさつすら代役を立てている……そんなの、どれだけ階級が上でも許されることじゃない」
通信兵「その理由はこれなんだ。彼女たちは戦場において、命をかけて全てを引き受けてくれる。その実力がある」
通信兵「だからこそ誰もが憧れる。そして、せめて戦場の外では彼女たちの負担を減らそうと献身する」
通信兵「実力だけじゃない、カリスマ性も備えている。だからこそ彼女たちはトップに立っているんだ」
ルビィ「すごい」
12: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 17:08:49 ID:/ldOzkg6(12/17)調 AAS
―――
―
千歌「全隊四方に散開。砲撃に備えて」
『『了解』』
ズンッ…
千歌「着弾? 外れたにしても、やけに遠いね」
曜「その程度のAIってことだよ」
アスカ『こちら第二小隊、範囲内の敵機殲滅完了』
千歌「了解。ミラたちはもう帰っていいよ」
アスカ『……そちら援護に向かいます』
千歌「真面目だなあ」
曜「私たちだけで十分なのにね」
13: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 17:09:18 ID:/ldOzkg6(13/17)調 AAS
アスカ『本来ならば、第一小隊が二人だけ、なんて有り得ないんですよ』
千歌「まあ、そうだけど」
アスカ『隊長や副隊長はそれぞれ小隊ごとに一人ずつ配置すべきで、実力を備えているのならば尚更……』
ミラ『アスカ~、今更二人の間に入ろうだなんて無謀なことしないの』
アスカ『はぁ? 別にそんなんじゃないから』
曜「まあまあ、私たちを巡って喧嘩するのはやめなって」クスクス
ミラ『軽口叩いてる場合じゃないですよ~』
アスカ『隊長、十時方向に多数のドローン発見』
千歌「レーダー確認。よーちゃん、行くよ」
曜「了解であります!」
14: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 17:10:12 ID:/ldOzkg6(14/17)調 AAS
千歌(今日は思ったより敵が多い。数で圧倒すればいけると判断したのか)
千歌(戦力を数字で考えてるうちは、人間を上回るなんて不可能だよ)
ガキィンッッッ!!
曜「やば! 刃欠けちゃった!!」
千歌「え!? 何してんの!!?」
曜「ヤバいヤバい、囲まれてるし!」
千歌「今そっちに向かうからね!」
曜「――なんちゃって、余裕だよ」ブゥゥンッ
ドゴッ…ガッ……バキイッ
千歌(うっわ、アックスの重量だけで制圧するなんて)
千歌「よーちゃん、力任せにやっちゃダメだよ」
曜「それで勝てるならいいじゃん?」
千歌「そりゃそーだけどね、修理する人のことも考えてあげて?」
曜「はーい」
15: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 17:10:52 ID:/ldOzkg6(15/17)調 AAS
アスカ『ただ今現着しました……隊長、射線に入られると援護できません』
千歌「ごめんね。でも必要ないよ」
アスカ『ですが』
千歌「いざという時のために弾はとっておいて。必要な時に弾が不足する方が危険だからね」
アスカ『……了解』
曜「大体片付けたかな」
千歌「残党も撤退を始めてる。今日は終わりだよ」
曜「んー、今日も暴れたなぁ」ノビー
千歌「 」
曜「どうしたの?」
千歌「いや……"死神"の噂が気になって」
曜「そんなの、いるわけないよ」
曜「はやく帰ろ?」
千歌「……うん」
16: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 18:27:00 ID:ZkqbcycM(1/10)調 AAS
―――
―
千歌「ただいま~……クンクン、なんかいい匂いする」
ルビィ「おかえりなさい、夕飯の準備できてます!」ニコッ
曜「わあ……美味しそうなハンバーグ……!」ジュルッ
タタタッ ダキッ
ルビィ「ふぇ?」
千歌「さすがルビィちゃんだよぉ! 呼んでよかった~!」ギュウウウ
ルビィ「わわっ、苦しいですよ///」
曜「むぅ、私だって料理くらい……」
「「いただきまーす」」
17: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 18:27:34 ID:ZkqbcycM(2/10)調 AAS
ルビィ「あれ、他の方々は?」
千歌「アスカたちのこと? それなら、きっと今頃お仕事中だね!」
ルビィ「えっ、じゃあ私も手伝わなきゃっ!」
曜「こらこら! ルビィちゃんの仕事は私たちとご飯を食べる事だよ!」メッ
ルビィ「え、でも」
千歌「他の皆はね、仕事人間なんだよ。仕事しないと生きていけない病気にかかってるのだ」コソコソ
曜「まあ、間違ってはいないかな」アハハ
千歌「私たちが手伝うって言っても、『いえ、結構です』って断られちゃうんだよぉ……」
曜「私たちは仕事できない病にかかってるからね」
千歌「はぁ……たまには一緒にご飯食べたいよねぇ、結構寂しかったりするんだこれが」
ルビィ「じゃあ、みんなの分のご飯作ったのはお節介だったんですね」シュン…
曜「そんなことないよ、テーブルに置いとけば食べると思う」
千歌「仕事人間はいつもお腹を空かせているのだ」
ルビィ「そっか、よかった……」
18: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 18:28:04 ID:ZkqbcycM(3/10)調 AAS
プ――――
ルビィ「ピギッ!」
千歌「なに~、せっかく美味しいご飯食べてる途中なのにぃ」モグモグ
ルビィ「また出動ですか……?」
曜「ううん、この音は違うよ。でも、何かあったみたいだね」
バタバタバタ ガラッ
アスカ「ハァ…ハァ…」
曜「どうしたの、そんなに慌てて」
アスカ「隊長っ! 侵入者です!!」
千歌「……え?」
曜「私が行ってくるよ」
千歌「よーちゃん、私も行く」
曜「ルビィちゃんを一人にするわけにはいかないでしょ?」
千歌「そ、そっか……気を付けてね」
曜「了解であります!」ケイレイ
19: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 18:28:35 ID:ZkqbcycM(4/10)調 AAS
―――
―
曜「それで、侵入者っていうのは?」
アスカ「あちらです! 現在ミラが対応しています!」
守衛「……」
アスカ「副隊長に状況説明を!」
守衛「あの、気がついたら敷地内に彼女がいて……レーダーは警告音を発することなく、いきなりアラームモードに切り替わったんです」
曜(なるほど、基地内部に突如出現したってわけか)
少女「……」
ミラ「持っている物を全て出しなさい!」
少女「……」
ミラ「聞こえないの!? 従わなければ撃つわよ!!」
曜「――やめろっ!!」
ミラ「副隊長……!」
曜「見てわからないのか!? 彼女は丸腰だ! 銃を下ろせ!!」
ミラ「でもっ」
曜「下がれ! 副隊長命令だぞ!!」
ミラ「……了解」スッ
20: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 18:30:32 ID:ZkqbcycM(5/10)調 AAS
曜「――君、どうしてこんな所にいるの?」
少女「……」
曜「ここ、どこだかわかる?」
少女「……」フルフル
曜「どこの国の子?」
少女「……」
曜(困ったな)
曜「えっと……私は渡辺曜。君の名前は?」
少女「りこ」
曜「りこちゃん?」
少女「名前……梨子」
曜「そっか。よろしくね」ニコッ
少女「……」コクッ
曜「本部に報告して。この子はウチで保護する」
ミラ「ちょっと正気!? スパイの可能性だってあるのよ!!?」
曜「全ての責任は私が取るから。毛布と、食事の準備をお願い」
ミラ「はぁ……りょーかい」
21: 2018/09/20(木) 19:00:02 ID:/AA0lWlE(1/2)調 AAS
元ネタなに?
22: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 19:11:33 ID:/ldOzkg6(16/17)調 AAS
世界観は電撃文庫の86を元にしています
ストーリーはオリジナルです
23: 2018/09/20(木) 19:36:52 ID:/AA0lWlE(2/2)調 AAS
オールユーニードイズキルかと思った
続き期待
24: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 19:43:43 ID:/ldOzkg6(17/17)調 AAS
All You Need Is Killの設定も若干取り入れています
25: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 23:54:49 ID:ZkqbcycM(6/10)調 AAS
曜「梨子ちゃん、私に着いてきて」
梨子「……」コクッ
曜(……ん?)
曜(今何か、一瞬気配を感じたような)
曜(――いや、気のせいか)
26: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 23:57:38 ID:ZkqbcycM(7/10)調 AAS
―――
―
千歌「おかえり~、どうだっt……その子は?」
梨子「……!」スッ
千歌「あれ……?」
曜(千歌ちゃんのこと警戒してるね……無理もないか)
曜「アハハ……梨子ちゃん、千歌ちゃんは怖い人じゃないよ」
梨子「……」ギュッ
曜「わわっ、服掴まないで~、シワついちゃうよ」
千歌「なんか、よーちゃんだけズルいのだ」
曜「えぇ?」
千歌「私も梨子ちゃんと仲良くなりたいっ!」
梨子「……」ジー
曜「えーっと……私も、なんでこうなってるのかわかんなくてさ」
千歌「いいもん、どうせ私は一人ぼっちだもん」スタスタ
曜「あっ、千歌ちゃん……」
千歌「それに、今は二人きりの方が話しやすいみたいだしね」
曜「……そういえば、ルビィちゃんは?」
千歌「仕事。まだ残ってるって」
曜「そっか」
スタスタ…
27: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 23:58:05 ID:ZkqbcycM(8/10)調 AAS
曜「えーっと……とりあえず、この椅子座って?」
梨子「……」コクッ
ガタッ
曜(ミラが用意してくれた毛布は……これか)
スッ
梨子「っ……」ビクッ
曜「あ、ごめん……びっくりさせちゃったかな? 毛布かけただけだよ」
梨子「……」ギュッ
梨子「あったかい」
曜「もう少ししたら、温かいご飯も用意できるからね」
梨子「……ありがと、曜さん」
曜(ようやく喋ってくれるようになったかぁ)
28: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 23:58:30 ID:ZkqbcycM(9/10)調 AAS
梨子「さっきの人」
曜「千歌ちゃんのこと?」
梨子「曜さんと同じ、匂いがする」
曜「同じ匂い……まあ幼馴染だからね」
梨子「そうなの?」
曜「生まれた時から、ずっとね。二人で寄り添って生きてきたんだ」
曜「今じゃもう、千歌ちゃんがいないと生きていけないくらい」
梨子「……うらやましい」
曜「いやぁ、そんな大したものじゃないって」
29: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/20(木) 23:59:04 ID:ZkqbcycM(10/10)調 AAS
梨子「千歌さんは、優しい?」
曜「そりゃもちろん優しいよ。きっと、私よりもね」
梨子「曜さんよりも?」
曜「その、曜さんっていうのやめない? 曜って、呼び捨てでいいよ」
梨子「千歌さんは、よーちゃんって呼んでる」
曜「まあ、千歌ちゃんは幼馴染みだからね。お互い小さい頃の呼び方が定着してるっていうか」
梨子「――曜ちゃん」
曜「へ?」
梨子「曜ちゃん……」ウツムキ
曜(か、かわいいな)
30: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/21(金) 00:15:28 ID:ZoAZcozU(1/2)調 AAS
コンコン
ミラ「失礼します」
曜「あ、お疲れ様」
梨子「……!」スッ
ミラ「食事、ここに置いておきますね」
曜「ミラ、よかったらゆっくりしていきなよ」
ミラ「いえ、仕事がありますので」
曜「そっか……」
ミラ「失礼しました」
スタスタ…
31: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/21(金) 00:17:59 ID:ZoAZcozU(2/2)調 AAS
曜「これ、ルビィちゃんが作ったハンバーグ……」
曜(ミラ、食べなかったの? ハンバーグ好きって言ってたのに。ダイエット中かな)
梨子「この食べ物、知らない」
曜「一口食べてみなよ」
梨子「……」
梨子「……」パクッ
モグモグ
梨子「おいしい」
曜「えへへ、私もハンバーグ大好きなんだ♪」
梨子「私も、好き」
曜(意味記憶は残ってるけど、エピソード記憶はごっそり抜け落ちてる。多分、典型的な記憶喪失なんだよね)
曜(梨子ちゃんの記憶が戻るまで、ここに住んでもらうのが得策かな)
曜「梨子ちゃん」
梨子「……?」
曜「今日から、ここが君の家だよ」
32: 2018/09/21(金) 01:20:35 ID:CL3n1xO2(1)調 AAS
乙
33: 2018/09/21(金) 02:41:37 ID:XWVbMTow(1)調 AAS
梨子ちゃんスパイなのかそれとも…
34: 2018/09/26(水) 13:31:45 ID:56SS.whg(1)調 AAS
SF物大好きだ
楽しみにしてる
35: 2018/09/27(木) 01:55:46 ID:348mK72U(1)調 AAS
続き読みたいよぉ
36: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/30(日) 23:00:52 ID:JEuP7.H6(1/10)調 AAS
―――
―
千歌「あれから梨子ちゃんの調子はどう?」
曜「相変わらずだよ。一週間経ったけど、記憶は戻らないまま……でも、徐々に明るくなってる気がする」
千歌「えへへ、千歌とも話してくれるようになったしね」
曜「仕事を覚えるのも早いし、なんなら私たちより役に立ってるような……」
千歌「それは言わない約束なのだ」
コンコン…
曜「はーい」
梨子「……」
千歌「あ、梨子ちゃん!」
梨子「終わった」
曜「え、お風呂掃除?」
梨子「お風呂掃除、トイレ掃除、食堂の片づけ」
曜「え……30分しか経ってないけど」
千歌「アハハ、ちょっと早すぎかも?」
曜「ちょっと確認してくるね」
37: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/30(日) 23:01:17 ID:JEuP7.H6(2/10)調 AAS
梨子「射撃場、行ってくる」
千歌「へ?」
曜「あ」
千歌「ねえよーちゃん、もしかして梨子ちゃんに銃の撃ち方教えてるのかな?」ニコニコ
曜「笑顔が怖いよ……その話はまた後でっ!」パタパタ
千歌「もう、よーちゃんってば! 梨子ちゃんにはあんまり物騒なこと教えたくないのに……」
梨子「射撃、楽しいよ?」
千歌「え?」
梨子「的に当たると、気持ちいいし……良い暇潰しになる」
千歌「へー、梨子ちゃんもう的に当たるようになったんだねぇ」
梨子「以外と簡単」
千歌「えー! 難しいよぉ!! 私なんて的にかすりもしないもん」シュン…
梨子「……それは」
「――それは、千歌にセンスがないだけだよ」
38: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/30(日) 23:01:35 ID:JEuP7.H6(3/10)調 AAS
千歌「この声って」
梨子「」ササッ
果南「久しぶり、千歌」
千歌「果南ちゃん!! 久しぶり~!!」タタタッ
ギュー
果南「アハハ、相変わらずだねぇ」ハグハグ
千歌「会いたかったよぉ、果南ちゃん最近全然顔出してくれないから……」
果南「千歌は出撃に備えてここにずっといなきゃだし、私はここの所忙しいし……中々都合が合わなくてね」
千歌「ねね、ゆっくりしていって!」
果南「うん。今日はダイヤにも休めって言われてるからさ、少しくつろいでいこうと思ってる」
39: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/30(日) 23:02:45 ID:JEuP7.H6(4/10)調 AAS
千歌「やったぁ!」
果南「ところで……その子が例の、Code:Cで保護したっていう?」
梨子「……!」
千歌「あ、そうだよ! 名前は梨子ちゃん!」
果南「すっごく可愛いねぇ」
梨子「 」フルフル
果南「うん? その首振りは謙遜なのかな?」
梨子「……」
千歌「梨子ちゃんは、ちょっとだけ人見知りなんだ」
果南「あー」
梨子「ごめん……なさい」
果南「大丈夫、徐々に慣れてくれればいいよ」
梨子「……」コクッ
40: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/30(日) 23:03:26 ID:JEuP7.H6(5/10)調 AAS
ガラッ
曜「いやーすごいね~、文句なしの百点満点だったよ」
果南「やっほ」
曜「あ、」
千歌「よーちゃん! 久しぶりに果南ちゃんが来てくれたんだよ!」
曜「……」
千歌「よーちゃん?」
曜「うん、久しぶりだね! 果南ちゃん」ニコッ
果南「おひさ~、元気にしてたかなん?」
曜「モチのロン」
果南「あらら、本部隊を離れて寂しいかなーって思ってたのに」
曜「ここには千歌ちゃんがいるからね」
果南「曜は相変わらずだねぇ、昔から変わってない」
曜「変わったよ」
果南「どこが?」
曜「 」
曜「少なくとも、果南ちゃんよりは強くなったよ」
果南「へー、言うじゃん」
41: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/30(日) 23:03:59 ID:JEuP7.H6(6/10)調 AAS
千歌「よーちゃんが強いのは当然だよ!」
果南「そうだね、千歌。曜は千歌のためならきっとどこまでも強くなるよ」
千歌「えっへん! 千歌のよーちゃんはサイキョ―なのだ!」
曜「もー、千歌ちゃんってば」クスクス
梨子「……射撃」
曜「あ、そうだった」
千歌「んー、千歌とよーちゃんの両方がここを空けるのはマズいかな?」
果南「本部隊だけで対応しきれない状況が、いつ襲ってくるかは分からないからねぇ」
千歌「そっか。じゃあ千歌はお留守番かな」
曜「ごめんね、千歌ちゃん。終わったらすぐに戻るから」
千歌「はーい」
曜「もう少ししたらきっとルビィちゃんが来てくれるよ」
千歌「お、そっか! よかった~、一人ぼっちは寂しいもんね」
果南「私も射撃場にいこうかな」
梨子「 」ピクッ
果南「おっと、私は曜に用事があるだけだから。そんなに警戒しなくていいよ」
曜「私に?」
果南「ちょっと、頼みがあるんだよね」
曜「ふーん……珍しいじゃん」
42: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/30(日) 23:04:25 ID:JEuP7.H6(7/10)調 AAS
―――
―
パァン…
果南「へぇ」
曜「持たせて一週間経ってないからね」
果南「冗談でしょ? ヘッドショット十連発だよ?」
曜「私は才能だと思ってる」
果南「……とんだ逸材がやってきたね」
曜「ところで、お願いって?」
果南「――本部隊で"死神"の犠牲者が出た」
43: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/30(日) 23:04:48 ID:JEuP7.H6(8/10)調 AAS
曜「死神、か」
果南「信じてませんって顔だね」
曜「そりゃそうだよ」
果南「でも、そうとしか考えられないんだよ」
曜「経緯は?」
果南「レーダーに反応がなかった」
曜「反応が……」
果南「他の誰一人気付くことなく、小隊の一名が消息を絶った」
果南「必死に捜索をしても見つからず、基地に帰ると」
曜「帰らぬ人となった仲間がそこにいた」
果南「……そう。G国が死神を仲間にしたって話は、噂じゃなかったんだよ」
曜「あり得ない。ステルス機能を搭載したPEを使っても、誰一人気付かないなんて」
果南「指揮を執っていたのは私。自惚れかもしれないけど、相手はその辺のドローンやPE兵とは次元が違うってことだよ」
44: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/30(日) 23:05:17 ID:JEuP7.H6(9/10)調 AAS
曜「で、それをどうしろって?」
果南「ダイヤは、本部隊だけでは対処しきれないと判断した。精鋭中の精鋭であるCode:Cに頼むしかないってことだよ」
曜「……」
果南「お願いできる?」
曜「千歌ちゃんには言わないで」
果南「まさか……無謀だよ、千歌でさえ勝てるかどうか。まして曜一人だなんて」
曜「千歌ちゃんが負けるなんて考えられない。私だって、誰かに負けるだなんて思ってない」
果南「でも」
曜「死神はたった一人のPE兵でしょ? だったら、私一人で十分なんだよ」
45: ◆nDhcp.GYyc 2018/09/30(日) 23:05:29 ID:JEuP7.H6(10/10)調 AAS
果南「はぁ……わかった、千歌には言わない。その代わり、絶対に一人で出撃しちゃダメだよ? 行く時はウチらと同時出撃だからね」
曜「りょーかいしました、本部隊大隊長殿」
パァン…
コツコツ
梨子「終わった」
曜「お疲れ様。じゃ、戻ろっか」ニコッ
46: 2018/10/07(日) 02:17:14 ID:2VsX6inA(1)調 AAS
短くてもいいから毎日見たいわ
47: 2018/10/07(日) 02:21:29 ID:fV/B8AGE(1)調 AAS
乙
48: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/07(日) 21:47:24 ID:yVnSEUCE(1/7)調 AAS
――――――
――――
――
私と千歌ちゃんが生まれ育った場所は、海辺の小さな村
大人たちは漁業を営み、周辺の商業地域と取引をして、村に貢献していた
私たち子どもは、大人たちの手伝いをしながら、時折子ども同士で遊んだりして、平穏に暮らしていた
小さい頃から千歌ちゃんは、大概のことは一番だった
かけっこ、ボール遊び、木登り、その他諸々
中でも、喧嘩は圧倒的だった
誰と喧嘩しても、千歌ちゃんは傷一つ負わなかった
異常なまでの身体能力……いや、天性のバランス感覚とでも言うべきなのか
突出したその才能を、誰もが尊敬した
そして、嫉妬した
49: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/07(日) 21:48:14 ID:yVnSEUCE(2/7)調 AAS
ある日のこと
千歌ちゃんと私は、いつものように海辺でくつろいでいた
A子「千歌! 助けて!」
千歌「どうしたの?」
A子「B子たちが、隣町から来た子たちにいじめられてるの!!」
曜「隣町……」
私たちの村は、平和だけれど、決して裕福ではなかった
だから、隣町から遊びにきた子どもが高価な服を身に着けているのをみて、羨ましいと思った
もちろん、大人たちが交渉している傍らで、村の子どもと町の子どもが集まって遊んだりもする
そんな最中の出来事だった
おそらく、村の子と町の子で喧嘩になったのだろう
それくらいのことは、これまでに何度もあった
いつものことだ……そう思っていた
50: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/07(日) 21:49:07 ID:yVnSEUCE(3/7)調 AAS
私は目を疑った
B子だけじゃない
村の子が5人も、血を流して倒れていた
町の子たちは4人
しかも、そのうち2人は鉄の棒を手にしていた
千歌「なっ……」
曜「なんて……ことを……」
千歌「どうして……」
千歌「どうして、こんなことをしたの?」
その時の言葉は、今でも忘れない
「――暇だったから」
51: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/07(日) 21:49:33 ID:yVnSEUCE(4/7)調 AAS
千歌ちゃんは、鉄の棒をものともせず、町の子全員を跪かせた
私が手を貸す必要はなかった
千歌「二度と、この村に足を踏み入れないで」
千歌ちゃんは、決して間違ったことはしていない
当然の報いだと、誰もが思った
誰もが、千歌ちゃんに感謝した
それなのに
悲劇は、起こった
高海一家が、皆殺しにされたんだ
千歌ちゃん一人を除いて
52: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/07(日) 21:49:53 ID:yVnSEUCE(5/7)調 AAS
その日千歌ちゃんは私の家に泊まりに来ていて、無事だった
たまたま千歌ちゃんがいない時に狙われたのか、意図的なのか
一体誰がやったのか、それとも一家心中なのか
今となってはわからない
でも、あの日の出来事を知っている人たちは
「復讐されたに違いない」
そう思った
もし本当に復讐だとしたら、この先村に何があるかわからない
千歌ちゃんをこのまま村に置いておいたら、村が危ない
なにせ小さな村だから、ひっくり返っても町には敵わない
だから、村の大人たちは
千歌ちゃんを村から追い出した
53: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/07(日) 21:50:19 ID:yVnSEUCE(6/7)調 AAS
私が千歌ちゃんを見つけたのは、村から何十キロも離れた所にある、人気のない砂浜だった
千歌「 」
曜「千歌、ちゃん」
千歌「みんな いなくなっちゃった」
曜「うん」
千歌「私のせいで」
曜「 違うよ」
千歌「私が、やり返したばっかりに」
曜「千歌ちゃんは悪くない」
54: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/07(日) 21:50:48 ID:yVnSEUCE(7/7)調 AAS
千歌「私 わ たし 」
千歌「チカ、間違ってたのかなぁ」ポロポロ
曜「千歌ちゃん……!」
思わず、抱き締めた
そうする以外になかった
このまま消えて行ってしまいそうな彼女を、繋ぎとめるために
曜「私はいなくならないよ」
曜「私だけは……ずっとずっと、千歌ちゃんの家族だよ」
千歌「よーちゃん……」
千歌「う うぅ 」
千歌「うああああああああああ――――」
私たち2人は、その足で、A国軍隊に志願した
強くなるために
大切なものを守るための力を手に入れるために
もう二度と、何も失わないために
55: 2018/10/08(月) 02:41:31 ID:KzH60S/6(1)調 AAS
フラグが・・・
56: 2018/10/08(月) 04:26:58 ID:8G/oPqr2(1)調 AAS
わーい更新来てる
57: 2018/10/12(金) 23:14:56 ID:6z5f8/Ek(1)調 AAS
楽しみ
58: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/15(月) 08:55:13 ID:FjgBhUjw(1)調 AAS
先週更新できず申し訳ない
次の日曜の夜更新予定
59: 2018/10/15(月) 21:47:30 ID:O4GHy586(1)調 AAS
期待
60: 2018/10/16(火) 01:30:18 ID:8BfW3IKU(1)調 AAS
マジで楽しみにしてるから頑張って
61: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/21(日) 21:13:29 ID:U.Z7YxFM(1/4)調 AAS
――――――
――――
――
曜(いつ来ても静かだな、ここは)
ガチャッ
曜「ヨーソロー! 到着であります!」
花丸「何の用ずら、こんな小汚い所に」
曜「私にとっては、宝物に囲まれた素敵な部屋だよ」
花丸「兵士にとっては、兵器だらけのぶっそうな部屋が素敵なんだね。また知識が増えたずら」
曜「嫌だなあ、これでも女の子なんだよ?」
花丸「一軍隊に匹敵する戦闘力をもった生物が女の子なわけないずら」
曜「なっ……よーちゃん、少し傷ついたであります……」
花丸「あははっ、冗談だよ。それで、要件は?」
曜「私のPEに、ステルス機能を搭載することってできる?」
62: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/21(日) 21:14:07 ID:U.Z7YxFM(2/4)調 AAS
花丸「死神の気分でも味わいたくなった?」
曜「なんだ、知ってるんだね」
花丸「知らない方が珍しいよ。ま、興味はあるずら」
曜「じゃあ」
花丸「あくまで個人的にね。正直言って、全く現実的じゃないよ」
曜「どうしても?」
花丸「技術的には可能。でも、予算が足りない」
曜「どれくらい?」
花丸「開発費も含めて、A国の予算の半分は欲しいね」
曜「うわぁ」
花丸「それだけじゃない。仮にステルス機能を搭載できたとしても、それを装備して戦場に出るのは自殺行為なんだよ」
曜「……私を舐めてる?」
花丸「まさか。戦闘力だとか、そういう問題じゃないんだよ」
63: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/21(日) 21:14:38 ID:U.Z7YxFM(3/4)調 AAS
花丸「ステルスって、敵のレーダーだけじゃなく、味方のレーダーにも映らないってこと」
花丸「A国の兵士は、敵と味方をレーダーを使って見分けてるでしょ。それができなくなるってことは……」
曜「もし私が味方と合流しようとしても、突然現れた敵味方不明のPEとしか認識されない……ってこと?」
花丸「そう。しかも、ステルスを十分に効かせるには、装備を最小限にしなければならない。攻撃力だけじゃなく、防御力も半減してしまう」
花丸「PE兵はその機動力を生かして戦場を支配する。ざっくりいえば、メチャクチャ目立つんだよ」
花丸「でも、ステルス機能を搭載すれば目立つことはできない。紙装甲なせいで被弾したら即死だからね」
花丸「PE兵の戦闘スタイルとはまるで正反対。A国で運用するメリットはゼロといっても過言ではないずら」
64: ◆nDhcp.GYyc 2018/10/21(日) 21:15:05 ID:U.Z7YxFM(4/4)調 AAS
曜「なら、死神はどうやって……そもそも実在しているかどうかすら怪しくなってくるじゃん」
花丸「情報が少なすぎて、マルからは何とも言えないけど」
花丸「誰一人その存在に気付くことはできず、故に、それを殺すことはできない」
花丸「それが戦場に舞い降りた瞬間に勝敗は決する」
花丸「別名不死鳥……実在するのだとしたら、まさに"死神"だよ」
65: 2018/10/23(火) 02:44:34 ID:It1aNpRY(1)調 AAS
乙
エクゾディアかな
66: 2018/11/03(土) 10:23:31 ID:gTckEP6o(1)調 AAS
続きはまだでしょうか
67: 2018/11/22(木) 02:00:08 ID:eBNyIofY(1)調 AAS
待ってるー
68: ◆nDhcp.GYyc 2018/11/25(日) 20:07:00 ID:Z1sEGGkc(1/8)調 AAS
分かりづらいと感じたので設定を多少変更します
加えて設定について少々説明します
司令部→ダイヤ所属
第一小隊→果南所属
Code:C→千歌、曜、ルビィ所属(梨子を保護)
オリキャラのアスカとミラも所属
第一小隊、第二小隊など、通常の部隊からは独立しています
司令部の命令を受けて出動するのは勿論ですが、ある程度独断で行動することは許可されています
※Code:Cを第一小隊と第二小隊に分けていましたが、分かりにくいと感じたので、以降は一つの部隊として扱います
開発部→花丸所属(花丸は特別に単独で研究室を与えられています)
当然、各部隊には多くの隊員たちが所属しています
PEはパワードスーツのことです
かなり開発費がかかるため、A国の保有数はそれほど多くありません(Code:Cは隊員全員分を保有しています)
PE兵はパワードスーツを着装した兵士のことです
A国とG国は戦争中です
G国は大量にドローンを製造し、定期的にA国領土に侵攻しています
69: ◆nDhcp.GYyc 2018/11/25(日) 20:08:56 ID:Z1sEGGkc(2/8)調 AAS
ブーブーブーブーブーブー
花丸「ずら?」
曜「出動、か」
『司令部より通達。レーダーに敵影を補足』
『全隊出撃命令。ポイントxxxにて迎撃準備』
曜「またね、花丸ちゃん。今日はありがと!」
花丸「あっ」
パタパタパタ
花丸「行っちゃった」
花丸「――死神、か」
花丸「懐かしい響きずら」
70: ◆nDhcp.GYyc 2018/11/25(日) 20:10:10 ID:Z1sEGGkc(3/8)調 AAS
―――
―
千歌「よーちゃん!行くよっ!!」
曜「ヨーソロー!了解であります!!」
ルビィ『通信室より、高海隊長』
千歌「はいはい!千歌だよ~、どうかした?」
ルビィ『渡辺副隊長を、本部第一小隊に合流させるように、との通達がきています』
曜「あ、忘れてた」
千歌「なにそれ?なんで?」
曜「っていうか、それって果南ちゃんが出撃してる時の話じゃないの?今日は果南ちゃん休みでしょ」
千歌「果南ちゃんのお願い?」
曜「まあ、そういうこと」
71: ◆nDhcp.GYyc 2018/11/25(日) 20:11:29 ID:Z1sEGGkc(4/8)調 AAS
ルビィ『果南さん、警報が鳴った瞬間に待機室を飛び出してしまって……』
果南『曜~、とりあえずこっちはもう出撃してるから、あとで合流よろしく』
曜「うっそ、私より早いし……」
千歌「Code:Cと本部基地ってそんなに離れてないからね」アハハ
曜「はぁ……」
千歌「果南ちゃんのお願いなら仕方ないや。よーちゃん、行ってあげて?」
曜「いや、そんなすぐ行かなくても」
千歌「こっちは大丈夫だよ、私1人で……ね?」
曜「そう……だね。うん、わかった!」
曜「行ってくるであります!」ケイレイ
72: ◆nDhcp.GYyc 2018/11/25(日) 20:12:06 ID:Z1sEGGkc(5/8)調 AAS
―――
―
果南「あ、やっときた。遅いぞ~」
曜「いやいや、そもそもなんで出撃してるのさ」
果南「だってさ~、ずっと待機してるの退屈なんだもん」
曜「はぁ……ダイヤさんが可哀想じゃん、せっかく気遣ってもらったのに」
果南「ダイヤが心配性なだけで、私は一生戦場にいたって構わないの」
『松浦大隊長、敵兵が接近中です』
果南「気づいてまーす」
曜「あれ、いつの間に……」
果南「アラーム鳴るまでレーダー見ないタイプ?それじゃあ遅すぎるね」
曜「むっ……余計なお世話なんだけど」
果南「ほら、来たよ」
73: ◆nDhcp.GYyc 2018/11/25(日) 20:12:42 ID:Z1sEGGkc(6/8)調 AAS
曜(浮遊型が200、地上型は……500、いや600……あー、めんどくさい)
曜「突っ込んだ方が早いっ!」ドッ
果南「ワオ。一歩目でもうあんな所に」
曜「――っ」
曜(100…101…104…まだまだ!)
曜(206…210…よし、ノッてきた!!)
曜(もっと、もっと早く!!!)
曜(倒して、倒して、早く千歌ちゃんの元へ――)
74: ◆nDhcp.GYyc 2018/11/25(日) 20:13:12 ID:Z1sEGGkc(7/8)調 AAS
曜「……あれ?」
曜「 」キョロキョロ
曜「もう……殲滅してる?」
果南「やっ」
曜「 」
曜「まさか」
果南「曜、やっぱ全然成長してないね~」
果南「敵倒すの遅すぎ」
75: ◆nDhcp.GYyc 2018/11/25(日) 20:21:14 ID:Z1sEGGkc(8/8)調 AAS
説明加えます
司令部をトップに、第一小隊、第二小隊、開発部等、これらを包括して本部と呼びます
Code:Cはその支部に当たり、本部の第一小隊や第二小隊が待機し、出動している本部基地とは別の基地から出動しています
とはいえ、Code:Cの基地は本部基地と隣接しており、本部からそれほど離れていません
76: 2018/11/29(木) 02:13:42 ID:TQ1hhiYc(1)調 AAS
乙
分かりやすい
77: 2018/12/01(土) 10:27:58 ID:PyHtkR82(1)調 AAS
やはりこの三人は強い
78: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/26(水) 10:22:23 ID:m.oEfDsE(1/4)調 AAS
―――
―
曜「……」
果南「曜…曜ってば……ったく、全然口聞いてくれなくなっちゃったよ」
曜(敵わない)
曜(目の前の壁は、あまりにも高くて厚い)
果南「なんで不機嫌なのか知らないけどさー、千歌の前でそれを見せちゃダメだよ?」
果南「大切な人なんでしょ」
曜「……わかってるよ」
ブーブーブーブーブーブー
曜「――え?」
果南「あちゃー、休む暇もないね」
ルビィ『通信室より、渡辺副隊長』
曜「どうしたの、ルビィちゃん」
ルビィ『注意してくださ――ガッ……キィィン――通信にいじょ――』
曜「ごめんルビィちゃん!よく聞こえない!」
ルビィ『ガガッ……ブツン』
79: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/26(水) 10:22:49 ID:m.oEfDsE(2/4)調 AAS
曜「……なに、今の」
果南「さあ?とにかく、再出動命令が出てるのは間違いないよ」
果南「あーあー、第一小隊、応答せよ」
果南「……もしもし?聞こえてますかー」
果南「もしかして……無線が通じてない?」
曜「こんなこと、今まで一度だってなかったのに」
曜「一体、何が起きて――」
『誰一人その存在に気付くことはできず、故に、それを殺すことはできない』
『それが戦場に舞い降りた瞬間に勝敗は決する』
『別名不死鳥……実在するのだとしたら、まさに"死神"だよ』
80: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/26(水) 10:23:30 ID:m.oEfDsE(3/4)調 AAS
曜「……まさか」
果南「そのまさかかなん?」
曜「ごめん、今そのテンションについてけない」
果南「つれないな~」
曜(おかしい……いつまで経ってもレーダーに反応がないなんて)
曜(誤報?いや、ルビィちゃんの慌てぶりからすると、何かあったのは間違いない)
果南「まあ、大丈夫じゃない?私と曜がいればさ」
曜「え?」
果南「たとえここに死神が来たって、負けるわけないよ」
曜「そう……だね」
曜「……"ここ"に来るとは、限らない……?」
曜「――もしかして、敵の狙いはっ……!?」
81: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/26(水) 10:24:00 ID:m.oEfDsE(4/4)調 AAS
果南「曜?」
曜「果南ちゃん!!急いで第一小隊のみんなを探しに行って!!!」
曜「私はっ……千歌ちゃんのところに……!!!」
果南「――ダメだよ」
曜「……は?」
果南「行くなら2人で。で、行くのは第一小隊のところ」
曜「何言って……!!!」
果南「千歌が負ける相手なら、私たちが行っても意味が無い。どうせ負けるからね」
果南「相手が強いにしろ、弱いにしろ、どっち道他の第一小隊隊員と合流するべきだよ」
曜「……だったら、果南ちゃん一人で行けばいい」
果南「曜」
曜「私にとって、千歌ちゃん以外の人は……どうでもいいんだよ」
ダッ――
果南「曜っ……」
82: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/26(水) 16:48:18 ID:vjyuYjFM(1/2)調 AAS
―――
―
曜「ハアッ…ハアッ……」
曜「どこにいるのっ……千歌ちゃん……!!」
曜(どれくらい走ったんだろう)
曜(レーダーが効かないこの状況じゃ、自分がどこにいるのかさえわからない)
曜(もし、千歌ちゃんも同じ状況だったら……)
曜「今行くからね……千歌ちゃん……」
曜(この辺、元々繁華街だったのかな?古い建物が乱立してて、ちょっと気味悪い)
曜「千歌ちゃん、変なところに迷い込んでなきゃいいけど……」
スンッ
曜「え?」
曜(――なに……今の、首筋をなぞられるような感覚)
曜(……殺気?)
83: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/26(水) 16:48:44 ID:vjyuYjFM(2/2)調 AAS
曜「誰かいるの?」
曜「隠れてないで出てきなよ、相手してあげるから」
曜「……卑怯だなあ、そうやってコソコソ人を殺してきたんだ」
ヒュンッ
曜「――っ!」ダッ
曜(今のは……ナイフか)
曜(随分変わった戦い方だね)
ヒュンッ
曜(別の方向からっ……!?)
ガキィンッ
曜(危なかった……何とか弾けたけど、次は多分無理)
曜(手持ちのアックスじゃ対応しきれないか)
曜(使いたくないけど……今は短刀とハンドガンしかない)
曜「いつまで隠れてるつもり?」
曜(移動し続けてるのか……位置を悟らせないために)
曜(こっちも黙ってるわけにはいかないよね)
84: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 01:55:10 ID:IumhZgEY(1/11)調 AAS
曜「こないなら、こっちから行くよ!」
ダダダッ
曜(こっちも建物の影に隠れてしまえば、分が悪いこの状況を打開できる)
ゾワッ…
曜「――っ」ピタッ
曜「これ……鉄線?」
曜(建物の隙間に、鉄線が張り巡らされてる)
曜(もし、気付かずに突っ込んでたら……)
ヒュンッ
曜「あぶなっ……!」ダダッ
曜(建物の隙間全部に張ってるの?だとしたら、隠れることなんてできない)
曜(鉄線に気を取られてる隙を突かれてしまったら……次こそ避けられない)
曜(残されてるのは、この一本の街路を走ることだけ)
曜(あまりにも分が悪すぎる…!!)
85: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 02:03:17 ID:IumhZgEY(2/11)調 AAS
曜(これが、"死神"なの……?)
曜(計算され尽くした戦略と、この用意周到さ)
曜(死神の強さは、単純な才能だけでは測れないのかもしれない)
曜「くっ……どうすればいいの…!?」
曜(いや、どうにかするんだ。私は、A国一のアタッカーなんだから)
曜(こんなところで負けるようじゃ、果南ちゃんには一生かかっても追いつけない)
曜(千歌ちゃんを守ることなんてできやしないんだ)
曜「……」ピタッ
曜(感じろ……奴の殺気を)
曜(殺気を完全に隠すことはできない。現に、見えなくたって何度も避けられたんだから)
曜(奴の居場所さえわかれば、状況を変えられる…!)
86: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 09:20:34 ID:IumhZgEY(3/11)調 AAS
曜(目を閉じろ)
曜(ナイフを投げる瞬間の、奴の殺気を感じるんだ)
曜(――――――)
曜(――――)
曜(――)
スンッ
曜(きた)
曜「ハアアアアッッッ!!!」
ガキィィィンッ
曜(今だっ!いけっ!!!)ダダッ
曜(なに…?道のど真ん中に歩いてきた……)
曜(私の攻撃を正面から受け止めるつもり?)
曜(ふざけないでよ)
曜(短刀でも、この距離ならやれる)
曜「これで……終わりだよ!!!」
87: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 09:21:38 ID:IumhZgEY(4/11)調 AAS
ゾワッ
曜「――えっ?」ガクンッ
ザザッ
曜(嘘…私が転ぶなんて……)
曜(足が…勝手に……)
曜(いや、違う。あと一歩踏み込んでいたら、死んでいた)
曜「鉄線……いつの間に張ったの、これ」
曜(街路のど真ん中に1本……さっきまでは無かったはず)
曜(こうなることを見越して、即席で張ったのだとしたら)
曜「死神……か。確かに、その通りだよ」
「……クスッ」
「私がここまでして、未だに生きているのは、貴方が初めてよ」
曜(この声……なんか、聞き覚えが……)
曜(暗くて、顔はハッキリしないけど……)
「さようなら」
88: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 09:33:17 ID:IumhZgEY(5/11)調 AAS
「……やっぱり、やめたわ」
曜「――え?」
「ここで貴方を殺しても、つまらないもの」
「もうすぐ、このくだらないゲームは終わる。私が終わらせるの」
「でも、簡単に終わっちゃつまらないから」
「貴方が私を楽しませてね」
カツッ…カツッ…
曜(楽しませて……だって?)
曜(ゲームって、この戦争のこと?)
曜「ふざけないでよっっっ!!!!」
89: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 09:33:33 ID:IumhZgEY(6/11)調 AAS
曜(ハンドガンを持った私に背を向けるなんて、何を考えてるのか知らないけど)
チャキッ
曜(このチャンスは逃さない)
パアンッ
曜「――っ」
曜「消え……た?」
曜「…………」
曜「はぁ……」
曜「実戦で、ここまで完敗したのは……初めてかも」
曜「当たり前か……普通、実戦で負けたら……死ぬしかないんだから」
90: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 10:03:31 ID:IumhZgEY(7/11)調 AAS
ピッ…プププププ…
ウゥゥゥゥーー
曜(あ……レーダー、復旧したんだ)
ブー…ブー…
曜(ドローンが、集まってきてるのか)
曜(やばいな…武器……は、短刀とハンドガンだけ?これじゃ流石にドローンには対抗できない)
曜(そうだ…死神と戦闘中、アックスはどこかに捨ててきたんだっけ)
曜(まずい……今のままだと戦えない)
曜「逃げないと…!」
ドドドドドド
曜「やばっ……え、うそ……」
曜(前後どっちからも来てる)
曜(鉄線を切って、建物の隙間に入るしかない)
曜「短刀で切れるの…?いや、やるしか……!」
ドドドドドドーー
曜「くそっ……このままじゃマズい……!!!」
91: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 10:17:17 ID:IumhZgEY(8/11)調 AAS
パアンッ…パアンッ…パアンッ…
曜(銃声…?)
曜(あ……ドローンが、次々と倒れていく)
パアンッ…パアンッ…
曜(一方のドローンの群体が、半分以上やられた。これなら突破できるかもしれない…でも…)
曜「一体、何が起こってるの…?」
92: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 10:17:27 ID:IumhZgEY(9/11)調 AAS
ルビィ『渡辺副隊長!!』
曜「ルビィちゃん…!」
ルビィ『よかった…ようやく繋がって…!』
曜「この銃声は誰?味方、なんだよね?」
ルビィ『梨子さんです』
曜「――え?」
ルビィ『今、ライフルで狙撃しています』
曜「どこから?」
ルビィ『C基地前からです』
曜「うそ……だって……C基地からここまで3000m以上離れてるはず……」
曜(レーダーを見る限りじゃ有り得ない。でも、ルビィちゃんが嘘をつくわけがないし)
93: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 10:21:12 ID:IumhZgEY(10/11)調 AAS
千歌「――よーちゃん!!!」
曜「この声っ…千歌ちゃん……!?」
千歌「これっ!」ブンッ
曜「わわっ、ちょっ……!」
ガシンッ
曜「アックス……」
千歌「よーちゃんの、でしょ?さっき拾った」
曜「うん……ありがと」
千歌「どういたしまして」フフッ
千歌「じゃ、さっさと片付けて帰るよ」
曜「……うんっ!」
94: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 10:42:43 ID:IumhZgEY(11/11)調 AAS
―――
―
C基地にて
曜「梨子ちゃん」
梨子「……なに」
曜「さっき、梨子ちゃんが助けてくれたんだよね」
梨子「そう、だよ」
曜「ありがとう」
梨子「……うん」
曜「へへっ」ニコニコ
曜「梨子ちゃんが助けてくれなかったら、多分私、無事でいられなかったんだ」
梨子「うん」
曜「えへへ……私の命を、梨子ちゃんが助けてくれたんだよ」
梨子「そう」
曜「にへへ……梨子ちゃん」
梨子「なに」
曜「りーこーちゃーん」
梨子「な、に?」
曜「えへへっ…なんでもない��」
梨子「そう…」
95: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/28(金) 23:02:33 ID:YUF.ms26(1)調 AAS
曜「梨子ちゃん!」ダキッ
梨子「わ」
曜「梨子ちゃん梨子ちゃん梨子ちゃん!」ギュウウウウ
梨子「くるしい、よ」
曜「えへへ♪」イチャイチャ
千歌「……」ムスッ
曜「ん?どうしたの?」
千歌「どうしたもこうしたもないよ」
千歌「曜ちゃん、私のことすっかり忘れてるでしょ」
曜「忘れてないよ!千歌ちゃんが来てくれなかったら、突破できなかったから」
千歌「なのに、この差はなに?」
曜「差?」
千歌「フンッ…よーちゃんなんか知らない!!」
曜「えぇ!?千歌ちゃんっ…どうして怒ってるの……?」
96: 2018/12/29(土) 02:31:10 ID:yt3TF0Ok(1)調 AAS
カッコイイっすね
97: 2018/12/29(土) 22:30:00 ID:4l.96kJA(1)調 AAS
更新来てた!
98: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/30(日) 23:16:16 ID:8DV5tWuo(1/5)調 AAS
ルビィ「お疲れ様でした」
曜「ルビィちゃん! そっちもお疲れ!」
ルビィ「……」
曜「ルビィちゃん?」
ルビィ「――申し訳ありませんでしたっっ!!!」
曜「え、な……なにが?」
ルビィ「ルビィのせいで、曜さんを危険な目にあわせてしまって……」
曜「ああ、そんなこと…」
ルビィ「どう責任をとっていいか……本当に、申し訳ありません……」グスッ
曜「泣かないでよ」アセアセ
99: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/30(日) 23:22:59 ID:8DV5tWuo(2/5)調 AAS
ルビィ「だって……だって……ルビィのせいで、曜さんは死にかけて……」
千歌「もし、原因が通信設備の異常だったとしてだよ? それはルビィちゃんのせいじゃなくて、開発部の責任だよ」
曜「そうだよ! だからルビィちゃんが責任を感じることないんだよ?」
ルビィ「グスッ……ぅゅ……」コクッ
梨子「それに……」
曜「ん?」
梨子「曜ちゃんの話、聞いてると……色々、おかしい」
曜「へ?」
千歌「んー、そうなんだよね~」
曜「なにが?」
千歌「今回曜ちゃんが遭遇した敵が、こんなだだっ広い戦場の中で、ピンポイントにあの街路を待ち伏せの場所に選んだのは……あまりにも不自然なんだよ」
100: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/30(日) 23:33:01 ID:8DV5tWuo(3/5)調 AAS
梨子「」コクッ
ルビィ「た……確かにそうかもです」
梨子「曜ちゃんが、あそこを通るって、予想してたのかも」
曜「ま……まさか~、私なにも考えてなかったよ?」アハハ
梨子「だったら、余計に不自然。偶然にしては、できすぎ」
ルビィ「あの街路は、今は廃墟になっていて……"戦場の墓場"とささやかれるほどに、恐れられているんです」
千歌「まあ、あの街路だけでもやたらと広いし、建物は大きいのばっかだから、太陽を遮ってて暗いし、挙句に狭いし……戦う場所に選ぶには、ちょっと怖いかもね」
曜「そうだったんだ……」ポカーン
101: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/30(日) 23:33:12 ID:8DV5tWuo(4/5)調 AAS
梨子「こら」コツン
曜「あいたっ……なにするのさ」
梨子「そんな場所で、曜ちゃん、死にかけた」
梨子「もう二度と、通っちゃだめ、だよ?」メッ
曜「あ……うん……わかった」
梨子「ほんと?」ジィ…
曜「ほっ、ホントだよ! 梨子ちゃんとの約束、ちゃんと守るから!」
梨子「そう……よかった」
梨子「ちょっと、安心」
曜「っ……///」
102: ◆nDhcp.GYyc 2018/12/30(日) 23:42:55 ID:8DV5tWuo(5/5)調 AAS
千歌「あーあ、よーちゃんは梨子ちゃんに夢中かぁ……まあ仕方ないよね~、めっちゃ可愛いもんね~」
曜「ちっ、違うよぉ!!///」
ルビィ「もしかしたら……あの、可能性の話なんですが」
千歌「なに? なんでも言って」
ルビィ「もしもG国に……通信を妨害する、何らかの手段があるとしたら」
千歌「ジャミングか……でも、私もよーちゃんも通信が通じなかったんだよ?」
曜「そんな広範囲に電波を放射できるものなの?」
ルビィ「それは……わかりません。花丸ちゃんに聞いてみないと」
千歌「ああ、開発部の子だね」
103: 2019/02/26(火) 17:39:16 ID:Kbm3c6Z6(1)調 AAS
待ってるー
104: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 13:51:08 ID:zHNxHYmY(1/12)調 AAS
―――
―
千歌「私、花丸ちゃんって子に会ったことないんだよね」
曜「そうなの? なんでもルビィちゃんの同期らしくて、入隊当時から仲がいいんだって」
千歌「どんな子なんだろう」
曜「とっても可愛らしくて、それでいて私なんかよりずっと頭のいい子だよ」
ガチャッ
千歌「お邪魔しまーす」
曜「花丸ちゃん、いるー?」
千歌「……いない?」
曜「奥にいるのかな」
曜「花丸ちゃーん」
カタカタカタ…
曜(この音……パソコンのキーを叩く音かな)
105: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 13:52:06 ID:zHNxHYmY(2/12)調 AAS
曜「あ、いた」
花丸「……」カタカタ
千歌「お邪魔してまーす……」
花丸「……うん? ずらあっ!!」
曜「わわっ」
花丸「えっと……なんだ、曜ちゃんか。来てたなら言って欲しいずら」
曜「一応、さっきからずっと声かけてたんだけどね」
千歌「わあ! 可愛い~、文学少女って感じ!」
花丸「ず、ずら……」
曜「千歌ちゃん、花丸ちゃん戸惑ってるよ」コソコソ
千歌「おっと、まずは自己紹介だよね。初めまして、私はCode:C所属、一応隊長の高海千歌! あなたが花丸ちゃんだね」
花丸「初めまして、開発部の国木田花丸です」
千歌「うむむ……やっぱり可愛いなあ。花丸ちゃん、うちに来ない?」
曜「千歌ちゃん、目的忘れてるって」
千歌「そうだったそうだった」
106: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 13:52:38 ID:zHNxHYmY(3/12)調 AAS
花丸「精鋭部隊の隊長、副隊長が揃ってこんな所に来るなんて、何かあったずらか?」
曜「実は、昨日の出撃で死神と戦ったんだ」
花丸「――!」
曜「ボロ負けだった。こうして生きてるのが不思議なくらい」
千歌「よーちゃんがボロ負けするってことは、死神は只者じゃない」
花丸「だから、こうしてマルのところに情報収集にきたずらか」
曜「開発部エースの意見を聞きたいって思ってね」
花丸「事情はわかったずら。マルも死神について調べていたところだったし」
千歌「わあ、奇遇だね」
曜「早速話を聞いてもらっていいかな」
花丸「もちろん」
曜「死神との戦闘が始まった時、突然無線が途切れたんだ。レーダーの反応も消えた。どっちも、未だに原因はわかってない」
花丸「両方同時ってことは、故障の線は薄いずらね」
曜「もしかしたら、強力な電磁波でジャミングされていたのかもしれないって、ルビィちゃんが」
花丸「ルビィちゃんが? そっか、今はCode:Cにいるんだったっけ」
曜「そこで、花丸ちゃんの意見が聞きたいって思ったんだ」
花丸「なるほど……仮に死神のステルスがジャミングによるものだとしたら、その対策を講じることでステルスを封じることができる」
107: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 13:53:15 ID:zHNxHYmY(4/12)調 AAS
千歌「じゃあ、対策さえすれば」
花丸「ところが、そんな簡単な話でもないずら。うちの部隊が使う無線機とレーダーは、それぞれ周波数が違う。仮に両方同時に妨害してきたのだとしたら、それは、複数の周波数に対して互いに干渉することなく妨害波を放射したってこと」
曜「周波数? 干渉??」
花丸「しかも、砂漠エリア一帯に放射できるほどのエネルギー。生半可な装置じゃ実現不可能と言っていいよ」
千歌「うーん……チカ馬鹿だからそういうの全然わかんないよぉ」
花丸「要するに、ジャミングの可能性はそれほど高くないってことずら」
曜「そっか……」
花丸「でも、前にも曜ちゃんには言ったけど、ステルス機能を搭載したパワードスーツの可能性はもっともっと低い。結局、一番可能性が高いのはジャミングずら」
千歌「んん? そういうの、ぎゃくせつてき、っていうんだっけ」
曜「んー……合ってるような、合ってないような……」
花丸「何にしろ、戦闘中に無線やレーダーが使い物にならないのは問題だし、その対策は考えておかないとね」
曜「ごめんね、色々任せちゃって」
花丸「いいんだよ。これはこれで楽しいし、マルは戦えない分、みんなの役に立ちたいから」
千歌「花丸ちゃん……」
108: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 13:53:30 ID:zHNxHYmY(5/12)調 AAS
花丸「ところで、思わぬ副産物を見つけたんだけど」
曜「副産物?」
花丸「いや、副産物と言っていいのか……とりあえず、この映像を見て欲しいずら」
千歌「う、うん」
曜「なんだろう……蜘蛛……のおもちゃ?」
千歌「おもちゃにしては、見た目が刺々しいけど」
花丸「どうやらこれは、洗脳装置の旧世代機らしくて……これを対象に取り付けることで、薬物を投与し、対象を思いのままに操ることができるみたい」
曜「洗脳装置……そんなものが……」
花丸「どんな薬物なのかもわからないけれど、実際以前G国が関わった戦争でも使われていた形跡があった」
千歌「もしかして、これを使っていたのが」
花丸「そう、G国……今この国が戦争している国ずら」
曜「これと、死神にどんな関係が?」
花丸「死神の姿を捉えた映像に、この装置が写っていたんだよ」
千歌「ってことは、死神は洗脳されているってこと?」
花丸「わからない。ただ一つ言えるのは……この装置はあくまで旧世代機。新世代機がどんな形状なのかは想像もつかない。もしかしたら、外見からはこれをつけているかどうか判別できないかもしれない」
曜「……結局、戦って勝つしかないってわけか」
109: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 13:53:42 ID:zHNxHYmY(6/12)調 AAS
―――
―
千歌「次はチカが戦うよ」
曜「え?」
千歌「よーちゃんばかり戦ってズルいもん」
曜「いやいや、一対一じゃいくら千歌ちゃんでも」
千歌「大丈夫だよ。私タイマンで負けたことないもん」
曜「それは……そうかもしれないけど」
千歌「それに、よーちゃんをこれ以上危ない目に遭わせたくない」
曜「私だって、千歌ちゃんを危ない目になんて遭わせたくないよ」
千歌「むっ……チカが戦うんだもん!」
曜「私が戦う!」
ようちか「「ムムムムム……!」」
110: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 13:53:59 ID:zHNxHYmY(7/12)調 AAS
果南「こらこら、なに喧嘩してるの?」
千歌「あっ、果南ちゃん!」
曜「別に、喧嘩してなんか……」
果南「二人とも無事でよかったよ。さっきの戦闘、何が起こっても不思議じゃなかったからね」
千歌「聞いてよ果南ちゃん! よーちゃんったら、あんな危ない目に遭っておいてまだ戦うって言ってるんだよ!」
果南「あれま、悪い子だ」
曜「いつまで子ども扱いしてんのさ」
果南「曜は一度休んだ方がいいね」
曜「ちょ、何言って……」
千歌「そのとーりだよ! 曜ちゃんは次の出撃はお休みね!」
曜「いやいや! そんなわけには――」
果南「じゃ、曜は任せて。私がしっかり休ませておくから」
千歌「ホント!? 果南ちゃんなら安心して任せられるね!」
曜「千歌ちゃん!?」
千歌「よーちゃん、しっかり体を休ませるんだよ? 果南ちゃん、あとはよろしく!」パタパタ
果南「ほーい」
曜「ちょちょ、まってってばー!」
111: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 13:54:10 ID:zHNxHYmY(8/12)調 AAS
果南「……行っちゃったね」
曜「なんのつもり?」
果南「ん? 別になんのつもりでもないって」
曜「わざわざ私を呼び止めて、何か話がしたかったんじゃないの?」
果南「そりゃ話はあるよ。大切な大切な後輩が死にかけたんだもん」
曜「死にかけてなんかない。ちょっとしくじっただけ」
果南「それを死にかけたって言うんだよ」
曜「……次は勝つ」
果南「無理だね、今の曜じゃ」
曜「このっ……!」
果南「悔しかったら、私より強くなりな。千歌を守りたいならね」
曜「もう強くなってる」
果南「ふーん、言うじゃん」
曜「証明してあげようか」
果南「いいよー、どうせ今日は暇だし」
曜(余裕ぶって……これだから気にいらないんだ)
果南「ボッコボコにしてあげるよ」
112: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 14:24:42 ID:zHNxHYmY(9/12)調 AAS
多忙のためとはいえ長い間放置してしまい申し訳ありません
何となくまとまってきたので頑張って更新します
113: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 14:43:05 ID:zHNxHYmY(10/12)調 AAS
―――
―
曜「よっ……ふっ……」グイグイ
果南「……」コキッ
果南「準備運動は終わった?」ポキッ
曜「いい感じに温まってきたよ」
果南「怪我はしないようにね~、いざという時に出撃できないとこまるから」
曜「なら、手加減した方がいいかな」
果南「ん? 曜は手加減の必要ないよ」
曜「ふーん」
果南「私はするけどね」
曜「」イラッ
曜「勝ち負けの基準は?」
果南「んー、私が負けることはないけど……どっちかが膝をついたら、かな」
曜「なるほど」
果南「さ、いつでもいいよ。かかってきな」
曜「……じゃ、遠慮なく」
曜「――ハアッ!!」ダッ
曜(胴を狙う……と見せかけて、足元!!)
――バキィィィッ
114: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 14:44:05 ID:zHNxHYmY(11/12)調 AAS
――バキィィィッ
曜「か……はっ」
曜(腹部にカウンター……なんで、どっから飛んできた?)
果南「小細工は通用しないよ」
曜「ぐ……ぅ……」フラフラ
果南「ほら、今度はこっちから行くよ」スタスタ
曜「ケホッ……ハアッ!!!」ダッ
曜(だったら、今度はこっちがカウンターを仕掛ける!)
果南「フッ」
曜(笑った?)
パンッ
曜「なっ――」
果南「ホント単純だよね、昔から」
曜(受け止めたっ……カウンターを!?)
果南「ほいっ」
曜「がっ……」グルンッ
バタァァァンッッッ
曜「ぐあっ……!」
果南「膝どころか、腰ついちゃったね。下が畳じゃなかったら骨折してたかも」
果南「はい、曜の負け」
115: ◆nDhcp.GYyc 2019/02/27(水) 16:07:38 ID:zHNxHYmY(12/12)調 AAS
曜「……くそっ!!」
果南「やっぱり曜は変わってないね~」
曜「もう一回!!」
果南「何度やっても同じだよ」
曜「そんなの、やってみなきゃわかんないじゃん!」
果南「とにかく、今日は終わり。これ以上は無意味だから」
曜「果南ちゃんっ!!」
果南「久しぶりに呼んでくれたね、名前」
曜「別に……」
果南「ひとつ、アドバイスをしてあげる」
果南「甘えを捨てな」
曜「甘え? そんなもの、とっくに」
果南「ううん、曜はまだまだ甘ちゃんだよ」
果南「手加減するなって言ったのに、なんで手加減したの?」
曜「そんなの、してない」
果南「私にはわかるよ。きっと心のどこかで、私に怪我をさせたらダメだって思ってる」
曜「思ってない。仮に思ってたとして、そんなの当然じゃん」
果南「それが甘えだって言ってるの」
曜「……!」
果南「次やるときは、殺す気でかかってきな。それくらいじゃないと、曜は私に勝てない」
果南「いつまで経っても、私を超えられない」
116: 2019/02/27(水) 20:19:08 ID:4KYBTRAY(1)調 AAS
信じて待ってた。更新頑張って
117: 2019/02/27(水) 20:46:04 ID:zIxumpjI(1)調 AAS
一気に更新されてたありがたや
118: 2019/02/28(木) 02:10:13 ID:TfDHtIog(1)調 AAS
乙
119: 2019/02/28(木) 17:41:51 ID:GMQKDFTE(1)調 AAS
こういう世界観の話好きだから復活嬉しい
120: 2019/03/01(金) 00:34:05 ID:H2vlVIcA(1/5)調 AAS
―――
―
千歌「ねえねえルビィちゃん」
ルビィ「はい?」
千歌「チカに紅茶の淹れ方を教えてくれないかな」
ルビィ「構いませんよ。でも、どうかしたんですか?」
千歌「いやあ、別にどうってことないんだけど」
ルビィ「美味しい紅茶が飲みたいって思ったら、ルビィに言ってくださればいつでもお出ししますよ」
千歌「それは嬉しいね~、まあでも、自分でも人並みには紅茶を淹れられるようになっとかないとなーって思って……」
ルビィ「そういうことでしたら。では、キッチンに行きましょう」
121: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/01(金) 00:35:07 ID:H2vlVIcA(2/5)調 AAS
―――
―
千歌「ふむふむ、なるほど」
ルビィ「ポットの中をスプーンで軽くひとまぜしたら、濃さが均一になるように回しながら注いでください」
千歌「こ、こう?」
ルビィ「上手です」
千歌「……で、できた」
ルビィ「早速飲んでみてください」
千歌「ズズッ」
千歌「あ、美味しい」
ルビィ「フフッ、頑張ルビィしましたもんね!」
千歌「うん! まあ、ルビィちゃんが淹れたのに比べればまだまだだけど」
ルビィ「そんなことないですよ! 何度も練習すれば、ルビィよりもお上手になってると思います!」
千歌「お、嬉しいこと言ってくれるね~」ナデナデ
ルビィ「えへへ……」
122: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/01(金) 00:35:25 ID:H2vlVIcA(3/5)調 AAS
ルビィ「あ、もうこんな時間。そろそろ洗濯が終わってると思うので、ルビィはこれで」
千歌「あ、千歌も行くよ」
ルビィ「お出かけするんですか?」
千歌「ううん。ただ、今淹れた紅茶をアスカに持って行ってあげようと思ってね」
ルビィ「アスカさん?」
千歌「今回の出撃はちょっと特殊だったでしょ? きっと今頃、報告書に追われてるだろうから」
ルビィ「あ、なるほど……気が回りませんでした」
千歌「ううん、千歌が勝手にやってることだし、ルビィちゃんは気にする事ないよ」
ルビィ「うゆ……次からはルビィがお出しします」
千歌「本当に大丈夫だって」クスクス
123: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/01(金) 00:37:11 ID:H2vlVIcA(4/5)調 AAS
―――
―
コンコン
千歌「アスカ、入るよ~」
ガチャッ
アスカ「あ、お疲れ様です」
千歌「報告書お疲れ様! チカが紅茶を淹れてきたのだ」
アスカ「え? 隊長が?」
千歌「って言っても、ルビィちゃんに手伝ってもらったんだけど」アハハ
アスカ「いえ、ありがとうございます。いただきます」
千歌「お疲れみたいだね」
アスカ「ええ……色々あったので」
千歌「別に、そんなにちゃんと書かなくていいんだよ? もし詳しく聞かれたら、適当に誤魔化せばいいんだし」
アスカ「そういうわけにはいきませんよ」
千歌「ダイジョブダイジョブ、どうせ本部は支部のいう事なんて真に受けないって」
アスカ「はあ……」
千歌「アスカはちょっと真面目過ぎるところがあるからね~、もうちょっと気楽に――」
アスカ「あの、隊長」
千歌「うん?」
アスカ「もし、もしですよ」
アスカ「Code:Cに、裏切り者がいたとしたら」
アスカ「隊長は、どうしますか?」
千歌「……え?」
124: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/01(金) 00:38:03 ID:H2vlVIcA(5/5)調 AAS
千歌「裏切り者って、どういうこと?」
アスカ「……いえ、なんでもないです」
千歌「アスカ?」
アスカ「すみません、本当になんでもないので」
千歌「そっか」
千歌「じゃあ、チカは戻るけど」
アスカ「はい。紅茶、ありがとうございます」
千歌「何かあったら、チカは何でも相談にのるからね」
ガチャッ
125: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/03(日) 00:50:04 ID:14m.Yvkw(1/3)調 AAS
―――
―
ガチャッ
ミラ「ちょっとアスカ、早く厨房の手伝いに来てくれない?」
アスカ「……」
ミラ「まだ報告書終わってないの? 無線とレーダーのこと気にしてるなら、突然反応が消えたとか適当に書けばいいじゃない」
アスカ「……違う、そうじゃない」
ミラ「だったら、早く終わらせてちょうだい。厨房は一人だと何かときついんだから」
アスカ「ミラ、質問がある」
ミラ「なにかしら。早く戻りたいんだけど」
アスカ「前回の出撃で、お前は何をしていた?」
126: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/03(日) 00:50:32 ID:14m.Yvkw(2/3)調 AAS
ミラ「何の話?」
アスカ「部隊の通信が途切れていた間のことだ」
ミラ「……特に何もしてないわ」
アスカ「私が整備係だってこと、忘れたのか?」
アスカ「PEには走行距離を計測するメーターがついてる。整備係は、毎回出撃前後の数値を記録しているんだ」
アスカ「ミラ、お前の平均走行距離は、1回の出撃で300kmだ。私も300km、高海隊長は平均500km、渡辺副隊長は平均550km」
アスカ「今回の出撃に限って、副隊長は1000kmを超えていた。死神と戦闘したからだ」
アスカ「私は200km……無線もレーダーも効かない状況では、動かないのが得策だと判断した」
ミラ「何が言いたいわけ? さっぱり見えてこないわ」
アスカ「ミラ、今回お前の走行距離は、1200kmだった」
アスカ「お前は一体、何と戦っていたんだ?」
127: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/03(日) 00:51:34 ID:14m.Yvkw(3/3)調 AAS
ミラ「……そんなの、ドローンに決まってるじゃない」
アスカ「いいや、それは違う。レーダーの反応が消える直前、お前の周囲にはドローンの反応は無かったはずだ。記録にも残ってる」
ミラ「……」
アスカ「これだけじゃない。これだけだったら、私はお前を疑わない。Code:Cで共に戦った仲間だからな」
アスカ「でも、以前にも同じことがあった。第一小隊の隊員が、死神に殺された日のことだ」
アスカ「あの日も、今回同様に無線とレーダーの効きが悪かった。今回ほどではなかったが」
アスカ「そして……同じ時刻に、Code:Cも出撃して――」
ミラ「残念だわ」
ミラ「貴方を殺さなければいけないだなんて」
128: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/04(月) 20:18:13 ID:Lsdut5z6(1/4)調 AAS
―――
―
千歌「ミラとアスカ来ないなあ、ご飯の時間なのに」
ルビィ「呼んできますよ」
千歌「ううん、いいんだ。いつものことだから」
千歌「よーちゃんは果南ちゃんのところだし。人が少ないと寂しいねえ」
梨子「……」
千歌「先に食べてよっか。せっかくのビーフシチューが冷めたら勿体ないし」
ルビィ「曜さんの分はどうしますか?」
千歌「多分向こうで食べてるだろうから大丈夫」
ルビィ「わかりました、ちょっと残念ですけど」
千歌「よし、じゃあ食べよう! いただきまーす!」
ルビィ「いただきます」
129: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/04(月) 20:18:36 ID:Lsdut5z6(2/4)調 AAS
千歌「モグモグ……んっ、このお肉美味しい!」
ルビィ「上質な赤ワインが届いたので、使ってみました」
千歌「なるほど、だからこんなにお肉が柔らかいんだね~」
ルビィ「……あの、梨子さん。お口に合いませんでしたか?」
梨子「……え?」
ルビィ「いえっ、その……あまり進んでいないみたいなので」
梨子「……違う、よ? ただ……」
千歌「ただ?」
梨子「曜ちゃんが、いない、から……」
千歌「へ?」
ルビィ「ピギッ……///」
130: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/04(月) 20:20:19 ID:Lsdut5z6(3/4)調 AAS
千歌「んん? どういうこと?」
ルビィ「千歌さんっ///」コソコソ
千歌「ふぇ?」
ルビィ「ダメですよ……乙女の心は傷つきやすいんです、そっとしておくのが一番ですよ……!///」コソコソ
千歌「なんで?」
ルビィ「ええっ……!? と、とにかく、これ以上突っ込んだらダメです……!」コソコソ
千歌「う、うん……わかった……」
千歌「えっと……ビーフシチュー美味しいねー(棒)」
ルビィ「そ、そうですかーそれはよかったです(棒)」
梨子「二人とも、変」
千歌「あ、アハハ……」
ルビィ「そんなことないですよぉ」
ちかりこ「「――っ」」
131: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/04(月) 20:20:37 ID:Lsdut5z6(4/4)調 AAS
ルビィ「えと、喉が乾いたので、何か飲むものを――」
千歌「シッ」
ルビィ「へ?」
千歌「何かいる」
梨子「……」
千歌「今、私たちに殺気をぶつけてきた奴が」
ルビィ「え……どういう……」
千歌「この建物の中……いや」
千歌「あの扉の向こうに……!」
132: 2019/03/04(月) 22:25:20 ID:57Ykp7OE(1)調 AAS
更新多くて嬉しい
緊迫してきたな
133: ◆nDhcp.GYyc 2019/03/04(月) 22:52:22 ID:Da9XlyMo(1)調 AAS
オリキャラ不要だったと今更ながら後悔
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