[過去ログ] 弐〇〇八年・夏 『百物語』 本スレ (338レス)
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290: 妖刀 ◆WslPJpzlnU 2008/08/23(土) 05:02:01 ID:LpkJzKar0(1/3)調 AAS
【斬る】 1/2
俺の友人に見える奴が居る、祓い等もできる奴だ。
そいつに教わって物に気を溜める方法を教わった。
どうも俺が作り易いのは殺気であるらしく、
そいつを数千円で買った小太刀の模擬刀に込める作業(傍から見たら目を閉じて刀持ってる危険人物)をよくしていた。
そんなある日、俺の自室に変な気配があった。
まぁ俺は見える奴じゃないので別段気に留めて居なかったが、
その日を境に眠ってるときに変な圧迫感があったりして、
その内金縛りに変わって不眠の日々が続きました。
291: 妖刀 ◆WslPJpzlnU 2008/08/23(土) 05:02:56 ID:LpkJzKar0(2/3)調 AAS
2/2
取り敢えず自分じゃ良く解らんのでその友人に相談してみた。
友人曰く「実際にその場で見ないと解らないから、3〜4日後くらいに見に行く」とのこと。
で、そいつが来る前日の晩に異変が進行した、というか詰めに入ったんだろう。
いつもは動けないだけか+気配(目は開くけど相手は見えない)何だがその日は首絞めてきやがった。
流石にこれには俺も焦った。だが体は動かないからどうしようもない。
それでも必死に動こうとしたら右手が僅かに動いて上記の刀に当たった。
もうその後はとにかく必死で刀を掴もうとして何とか掴めたので、鞘ごと見えないそいつを殴りつけた。
そいつの気配が少し離れると同時に体に自由が戻ったが如何せん興奮状態だった為だろうか、
咳き込みながらも鞘から抜いてその気配のする所を一薙ぎしてやった。
何かを斬った手応えを感じた。
その後、友人が来るまで刀を握ったまま夜通し座ってた。
翌日友人が来て昨夜のことを話したら何か一人で納得してやがった。
どうも俺の部屋、しかも昨日俺が気配を感じた所に真っ二つに切断された女の生霊が死んで(状態的には死が適切だと言われた)たらしい。
それで一連のことは元凶が無くなった為始末がついたらしかった。
もう相手は生霊を飛ばしてなくて、残りカスが暴れてただけだったんだと。
そして死体は放っておけば自然に消えるとも言われた。
因みに、友人曰く刀は半分憑喪神状態になってて、高位の護身刀らしい。
今も傍らに居てもらっています。
[完]
311: 妖刀 ◆WslPJpzlnU 2008/08/23(土) 06:15:03 ID:LpkJzKar0(3/3)調 AAS
【ヒトダマ】
これは俺の爺さんが国民学校生だった頃に体験した話。
爺さんが子供の頃、俺が住んでいる所は藪と田んぼの田舎だったらしい。
そんで、爺さんが行ってた学校と自宅の間には墓があって、
爺さんその横を通って行き帰りしてたらしい。
そんなある日の夕暮れ、何時もの様に下校して墓の横を通った時、
墓石の上で何かがフワフワしていたらしいんだ。
「なんぞ?」と思ってじっと目を凝らして見るとどうやら何かが燃えている。
爺さん曰く「あれは間違いなく火の玉だった!」と。
で、ガキだった爺さんビビっちまって凝視したまま固まってた。
そしたらいきなり『ビュッッッーーーーーーーーーーーッッ』っと
空高く一直線にそれはもう刹那の速さで上昇していったそうだ。
それと同時に爺さん緊張が解けたのか全速力でヤブ道抜けて家まで帰ったらしい。
この話を話した後、
「いやぁ、アレには驚いた。
多分、”ジン(字は解らない、だがリンではない)”が燃えてたんだろうな。
今じゃ火葬ん時に一緒に燃えるが、昔は土葬やったからなぁ〜。」
ってのたまっておられましたよ。
[完]
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