[過去ログ] 弐〇〇八年・夏 『百物語』 本スレ (338レス)
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23: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:15:56 ID:xWLnFyo+0(1/28)調 AAS
「またか」 1/2
私はトイレが怖い。
恐らくトラウマなんだと思う。
前回の百物語でも書いたが、「トイレの花子さん」らしき人(でいいのか?)と友達になってしまっているから。
でも、いい大人なのでまさか連れションなんか出来る筈も無く、大体は頭の中で下らない事を考える様にしてやり過ごす。
そして「長居したくないトイレ」は雰囲気で分かる。
そこがいくら綺麗だろうと、出来立てピカピカだろうと、慌しく用を足し、ベルトも半分締めた様な状態でトイレを飛び出す事になる。
「長居出来るトイレ」ならそれこそ本とか持ち込んじゃってかなりゆっくりする。
しかし稀に「長居出来るトイレ」だったはずの場所が「長居したくない(というか出来ない)トイレ」に変わる事がある。
一瞬で肌にぞわぞわ感が走り、私はトイレから飛び出す事になる。
前置きが長くなった。オチを言おう。
「トイレの花子さん」遭遇二回目。
しかも会社のトイレ。
会社の女子トイレなんか、ストレスを抱えた若い女性しか入らないから元々「長居したくないトイレ」だった。
でも先日、残業中にトイレに入ったら突然話しかけられた。
ド ● ● ● ¦○¦○¦
ア
●=洗面台 ○=個室
私は右端の個室にいた。
で、突然「お疲れ様です」と言われた。
24: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:17:24 ID:xWLnFyo+0(2/28)調 AAS
「またか」2/2
最初、アメリカンジョークの
個室A「やぁ」
個室B「…?やぁ」
個室A「元気だったかい?」
個室B「えぇ、まぁ…」
個室A「…後でかけ直すよ、隣の個室にいちいち返事する馬鹿がいるんだ!」 な話かと思い、返事をしなかった。
そしたらご丁寧に私と彼女(でいいのか…?)の間の壁を「コンコン」とノックして
「こんなに遅くまで大変ね」と仰られる。
仕方ないので「まぁ仕方ないですよ。仕事ですからね」と答えて、トイレのドアを開けた。
こんなに親しげに話してくるのだから、きっと普段から割りと親しくしている人だと思っていた。
私がトイレのドアを開けた瞬間、彼女は「そうですね」と言った。
しかし左側の個室には誰もいない。
誰かがドアから出ていったという事も無い。
そしてぶわぁ、と体中に広がる鳥肌。
あぁ、またですか。またなんですね。このビル新築したばかりなのに、やっぱり何かいるんですね。
そして私はまだトイレの花子さんのお友達なのか…?
【完】
29: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:30:07 ID:xWLnFyo+0(3/28)調 AAS
ヨシオ様代理投稿 「無題」1/2
深夜0時過ぎ
友人の家で酒盛りする事になって、
チャリ乗って一緒に家へ向かってたんだ
友人の住んでいるところは
どちらかというと田舎の奥まった方
最近開発されて、出来たばかりの空き家や空き地がいっぱいある
友人も最近越してきた。
その住宅街は綺麗で明るいんだが、途中妙な雰囲気のある神社と小さな川があって結構怖い
当然、夜遅いので辺りは超静か。
外出してる人なんていない
その頃は結構はっちゃっけてたんで(w)
友人と近所迷惑にならん程度にギャアギャア喚きながらチャリをこいでた
そんな感じで住宅街を中程進んだところで、人がいるのに気付いた。
直ぐにしゃべるのを止め、チャリをこぎつつ横目でその人たちを監視する。
20代くらいの若い女の人。
70代くらいの細身の爺さん。
それと3、4人の40代くらいの男の人達が薄汚れた白いワゴン車を取り囲んでいた。
一人の男がドアを開けて、女の人がそこに乗ろうとしている。
その後ろに並ぶように爺さんがいた。
みんな、無表情で黙りこくっていて
すごく異常な光景だった
こんな時間にチャリで自分らがすぐ横走ってても誰一人目もむけなかった
30: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:31:15 ID:xWLnFyo+0(4/28)調 AAS
ヨシオ様代理投稿 「無題」2/2
なんだか見てはいけないものを見てしまったように思えて、
慌ててチャリの速度を上げようとしたら
普段楽天的な性格の友人が強ばった表情をしながら俺を追い抜いた。
住宅をすり抜けて、
40mくらい離れたところで我慢出来ずに口を開いた
「今の・・何だったのかな」
「新居見に来てたのかも・・・」
「こんな時間に?それに、車停まってたとこ空き地の前だったよ?」
「え・・じゃあ近所の人が親戚の集まりとかで車置いてたのかも」
「だからってあの雰囲気は異常だろ・・」
「・・うん」
季節は二月
そういえばあの人達は薄着だったなと思い出す
「そいや○○(俺の名前)、気付いた?」
「え、なに?」
「あの女の人、妊婦さんだったね・・・」
「・・・・・」
その後飲む気なくなって
友人ん家で明るくなるまでゲームしてた
急に産気づいて、車で病院へ行くところだったんじゃないとかも話し合ったけど、
思い出す限りあれは臨月のお腹ではなかったし、
それに何より、あの雰囲気がそれとは明らかに違っていた。
結局あの人たちが何者だったのかはわからないけど、
それ以来夜中に外出歩くのをやめた
オチがなくてスマソ
完
32: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:37:52 ID:xWLnFyo+0(5/28)調 AAS
吉国様代理投稿 仕事中体験した「50代男性」
95年春建設会社の営業の私はあるダムの建設工事の全体会議に参加する為、夜の内に現場に向かいました。
家から100km以上程離れた山奥のなので夕食後に出発し現場で朝まで寝ようと思っていたからです。
雨の中工事用道路を車で登り現場に着いたのは午前零時頃、少し読書をして寝る前にトイレに行こうと濡れるのを覚悟で車を出ました。
懐中電灯の明かりで周りを見渡すと、20m位離れた現場事務所の奥に草むらが在り
そこへ向かう途中、草むらの向こうの人影に気が付きました。
人影も此方に向かって来ます、工事関係者だと思い声を掛けましたが返事は無し
懐中電灯で顔を照らそうと思い光を上げかけると、「ケケケ」とか「キャキャキャ」って感じで笑いながら走ってきます。
逃げた私が先に車に入り鍵を掛け人影を見ると、男性で年齢は50代位、黒い長靴に作業ズボン、Tシャツは汚れて灰色
その親父は私の車のボンネットに上がると笑いながら暴れまわり、フロントガラスを蹴り始めました。
と、ここで私は気を失い、朝 現場監督に起こされました。ボンネットもガラスも被害は無く
スラックスと下着を替えそのまま会議に出席したのですが。
昼休憩で上記の草むらへ行くと足跡が2組、
前夜の雨で流された靴跡の中で私の靴と長靴の跡がくっきり残ってました。
【完】
34: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:42:10 ID:xWLnFyo+0(6/28)調 AAS
4コ卵◆hcYOhjUtjg様代理投稿 【千コ卵】
父の勤務先に現場の若い人用の寮があったそうなのですが、ある時期、幽霊騒ぎがあったそうです。
夜になると、寮の外で人が歩くような音がするのに、誰か来たのかと思って出て見ても誰もいない、ということでした。
その話を聞いた怖いもの知らずの現場監督が、幽霊なんかいるかい!そんなら俺が確かめてやる、と言って
ある晩一人でその寮に泊まり込んだそうなのです。
夜になって雨が降り始め、何も出ないのでウトウトしだしたところ、突然外でじゃりっ、じゃりっと
土を踏む音が聞こえ始めました。
はっとして起き上がろうとしたところ、お約束のように金縛りに。
やがて音はどんどん近づいてきて、とうとう現場監督が寝ているそばの窓に女性の影が映って…
というところで、監督は気を失ってしまいました。
あの豪放磊落な監督が失神するなんて…ということで、会社としてもお祓いの一つでもするべきでは?という話になり、
社長がどこかから『拝み屋さん』を連れて来ました。
そのお祓いの方法は『千コ卵』と言って、卵千コを祭壇に積み上げて祈る、という何とも奇妙な方法だったそうです。
蛇の祟りか何かだったのでしょうか?
後になってその話を母から聞き、
『卵はその後どうしたの?捨てたの?そんな卵、呪いがかかってそうでいくら何でも食べられないよねー(笑)』
と訊ねたところ、
『もう何度も弁当に入れてるわよ。』
と言われてしまいました。
それから暫くの間、夜中に外の物音が気になって眠れなかった
のは言うまでもありません。
-終わり-
38: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:45:13 ID:xWLnFyo+0(7/28)調 AAS
ヨシオ様代理投稿 「無題」1/2
あれは確か去年の夏の百物語だったかな
右手に携帯と数珠、
左手には御守り(安産祈願のw)握って
超ビクビクしながら、電気とTV付けて部屋超明るくして一人でROMってたんだよw
朝方になってようやく百話終わって、
何も起きなくて良かったなぁー、さぁてもう外も明るいし寝ますかーって
電気とTV消して床に着いて数分、ようやく眠りかけた時、
「スイマセン」って、か細い男の声がして
次の瞬間、布団の中からTシャツをさっと捲られた
すぐに飛び起きて電気つけたけど、
怖がってよいのやら笑ってよいのやらで
眠気が覚めて、結局その日ようやく寝れたのがAM10時だった
で、友達から電話来て、
結局14時くらいに起きたんだよ
39: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:46:50 ID:xWLnFyo+0(8/28)調 AAS
ヨシオ様代理投稿 「無題」2/2
あれは確か去年の夏の百物語だったかな
右手に携帯と数珠、
左手には御守り(安産祈願のw)握って
超ビクビクしながら、電気とTV付けて部屋超明るくして一人でROMってたんだよw
朝方になってようやく百話終わって、
何も起きなくて良かったなぁー、さぁてもう外も明るいし寝ますかーって
電気とTV消して床に着いて数分、ようやく眠りかけた時、
「スイマセン」って、か細い男の声がして
次の瞬間、布団の中からTシャツをさっと捲られた
すぐに飛び起きて電気つけたけど、
怖がってよいのやら笑ってよいのやらで
眠気が覚めて、結局その日ようやく寝れたのがAM10時だった
で、友達から電話来て、
結局14時くらいに起きたんだよ
眠いから、「あー、はいはい、うんわかったー」って適当に返事して
電話終わったら目覚めちゃって、リモコンに手伸ばしてTVつけたのよ
付けたとこがCMでさ、
チャンネル変えて画面が変わる瞬間 「 し ね 」 って、幼い子供の楽しそうな声が聞こえてマジでビビったわ・・
流石に怖かったから友達に電話しまくって恐怖を和らげたけど、
その後バイトで気分悪くなって倒れちゃったから(寝不足のせいかもしれんけど)
やっぱり何か来たのかもしれんね・・・
折角の夏休みだったけど、
それから休み中ずっと数珠付けて生活してましたww
完
41: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:48:55 ID:xWLnFyo+0(9/28)調 AAS
吉国様代理投稿 「交通事故」
戦後、警察署に奉職していた祖父の体験
昭和30年代 新潟の県北にも車が見え始めていた頃。
夜間、自損による交通事故が発生しました。
祖父と部下が現場に到着しすると救助を求める声がします。
急ぎガラスの割れた助手席を覗くと上半身だけの男が救助を求めていました。
救急車が到着する前に男は息絶えたのですが、下半身は車から30mも離れたところに倒れていたそうです。
【完】
43: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:52:31 ID:xWLnFyo+0(10/28)調 AAS
4コ卵◆hcYOhjUtjg様 その2【隅っこが怖い】 1/3
ちょうど今頃の季節、父が九州・博多へ出張に行った時のことです。
急な出張で事前にホテルの予約が出来なかったらしいのですが、運悪く近くで大きなイベントがあって、
なかなか空いたホテルが見つからなかったそうです。
そこで地元に住む友人を頼って、ようやく宿泊先を紹介して貰いました。
紹介された宿はホテルではなく、古い旅館でした。
ずいぶん古いな…と感じたそうですが、通された部屋はとても広く『ひょっとして一番良い部屋かも?ラッキー!』
などと暢気に喜んでいたそうです。
夜も更け、そろそろ寝るか…ということになり、TVとエアコンを消して布団に潜り込みました。
本当はエアコンは消したくなかったそうなのですが、タイマーの設定方法が分からず、
一晩中つけっぱなしにするわけにもなぁ、と思って消してしまったのでした。
ところが布団に入って間もなく、どういうわけか、部屋のある一カ所…足を向けている方側の隅っこが気になって
眠れなくなってしまったそうです。
44: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:53:32 ID:xWLnFyo+0(11/28)調 AAS
4コ卵◆hcYOhjUtjg様 その2【隅っこが怖い】2/3
部屋の隅から漂ってくる異様な気配。
その場所が気になるけれども、怖くて見ることが出来ない。
布団を頭からかぶって何とか眠ろうとしましたが、季節は8月、汗びっしょりになって、とても眠るどころではありません。
涼を取るための手段を考えましたが、エアコンはリモコンが壁に作り付けになっているタイプで、
スイッチを入れるためには布団から出なければなりません。
更に布団に戻る際に、『気になる隅っこ』の方を向かなければならないので、怖くて無理。
窓にはなぜか簾が括りつけられて、開かないような状態になっていたそうです。
迷ったあげく、結局猛ダッシュでエアコンのスイッチを入れ、目を閉じて
また猛ダッシュで布団に潜り込んだらしいのですが、わずかな瞬間に例の『隅っこ』に何かの影がいるのが見えてしまったそうなのです。
父は外が明るくなるのを待って慌てて部屋を飛び出し、宿を紹介してくれた友人が迎えに来てくれるまでロビーで時間を潰し
たそうです。
友人はその旅館の馴染み客らしく、父が前夜のことを話すと、旅館の人に父が泊まった部屋について聞いてくれました。
旅館の人がしぶしぶ話してくれた話はこうでした。
45: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:54:17 ID:xWLnFyo+0(12/28)調 AAS
4コ卵◆hcYOhjUtjg様 その2【隅っこが怖い】3/3
父の宿泊した前日、隣の部屋に宿泊していたグループがいました。
夜通し麻雀をしていたそうなのですが、その中の一人が突然気分が悪いと言って倒れ込んでしまったそうです。
後で分かったことによると、その人は心臓が悪かったらしいのですが、グループはその人を隣の部屋…
つまり父の泊まった部屋に寝かせ、そのまま麻雀を続けてしまいました。
結局その人は誰にも気づかれぬまま、亡くなってしまったそうです。
そしてその人が寝かされていた場所こそ、父が気になって仕方がなかった例の『隅っこ』だったのです。
いくら部屋がいっぱいだったからと言って、人が亡くなったばかりの部屋に泊めるなんて!
とその友人が文句を言ってくれたおかげで宿代はタダになったとか。
ちなみにその旅館、大昔は『遊郭』だったそうです。
-終わり-
47: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:57:12 ID:xWLnFyo+0(13/28)調 AAS
吉国様代理投稿 「日本刀」1/2
子供の頃この話を聞き私は耳をふさぎ泣いていたそうです。
去年帰省した際もう一度ちゃんと話を聞きたかったのと、私の子供にも聞かせたかったので祖父に願い再度、話してもらいました。
祖父が旧制新潟高等学校への受験を控え、兄弟のいない仏壇部屋で、受験勉強をしていた時の話です。
ある日の夜半、受験勉強をしていると後ろの方がザワザワするのですが振り返ってみると何も無い。
受験勉強をすると又ザワザワする、振り返えると何も無い、何度も繰り返すうち
「勉強の疲れによる精神作用」と判断した祖父は、気にしないことに決め勉強を続けました。
しかし次の日も次の日も同じことが続きます。果ては、休養日と決め早寝遅起した日の夜にも・・
さすがに気味が悪いが他に勉強が出来る部屋が無く、仕方なしに仏壇部屋での受験勉強を続けることにしました。
でもその日は、仏壇部屋の押入れにしまってある、日本刀を勉強台の脇に置いておくことにしました。
この刀は、祖父の叔父が、日露戦争に従軍した際持って行き五体満足で除隊出来たと言う刀で
曽祖父が大事にしていた刀でした。
48: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 21:58:38 ID:xWLnFyo+0(14/28)調 AAS
吉国様代理投稿 「日本刀」2/2
その刀を脇に置き勉強を開始しました。12時を過ぎた辺りから毎晩続くザワザワ・・・
鞘ごと掴みサッと振り返るとそこには、5人の武士が鎧を身に着け車座に座り、
車座の真ん中で鎧を着た一人の武士が舞を舞っているようでした。
6人とも何処かに怪我をしていて舞を見つつ泣いていたそうです。
舞が終わり順番に何かを言った後、自害して行き、6人とも自害した後いつもの仏壇部屋に戻っていたそうです。
体が自由になった祖父は、曽祖父を起こしに行き一部始終を語りました。
曽祖父はまず「そういうことも有る」と言い「刀とはそういうものだ」とも言ったそうです。
後日、曽祖父本家と分家総出で新潟市のある寺に行き供養を済ませ、刀も寺に置いてきたそうです。
刀の由来は、高祖の父(祖父の曽祖父)が西南戦争に警視庁抜刀隊の隊員として従軍した際持ち帰った刀で有る事から
明治以前の事は分からず、刀については、曽祖父と祖父の叔父が残念がっていたそうです。
【完】
50: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 22:03:23 ID:xWLnFyo+0(15/28)調 AAS
4コ卵◆hcYOhjUtjg様代理投稿 【真ん中の子供】1/3
以前、ちょっとだけ自転車通勤をしたことがありました。
自分が乗るようになると、それまで気にも止めていなかった他の自転車乗りの人達の姿が、急に目につくようになりました。
それで気がついたのですが、幼稚園くらいの子供を伴走させているお母さんを時々みかけるのです。
そのくらいの歳なら面白がって自転車と競走する子もいるかもしれませんが、
真夏の炎天下に汗まみれで死にそうな顔をしながらヨロヨロ自転車について走る子を見かけるたびに、
『あれって虐待じゃないのかなぁ…?』と思わずにはいられませんでした。
そんなある日、通勤の途中で見かけた自転車の親子連れ。
前籠に1才くらいの幼児、後ろの荷台には5才くらいの女の子、そして自転車について走る3才くらいの女の子。
3人の子供は姉妹なのでしょうか?上の二人は幼稚園の体操着のようなおそろいの服を着ていました。
見た瞬間あれっ?と思いました。
一番上のお姉ちゃんが走るならまだ分かりますが、走っているのは真ん中の子です。
荷台に座ったお姉ちゃんは、ニコニコしながら妹?と手を繋ぎ、
妹の方は繋いだ手を頼りに引き摺られるようにして走っているのです。
51: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 22:04:50 ID:xWLnFyo+0(16/28)調 AAS
4コ卵◆hcYOhjUtjg様代理投稿 【真ん中の子供】2/3
心配になって暫くその家族の自転車のすぐ後ろを付いて走ったのですが、公園脇の遊歩道を200メートルほど走ったところで
繋いだ手が離れてしまいました。
お姉ちゃんの方は、楽しそうに『あ~、離れちゃうよ~~』と笑って手を差し伸べますが、
どんどん自転車と女の子の距離は離れ、やがて女の子は走るのを諦めて立ち止まってしまいました。
汗びっしょりで肩で息をしているその子を残して、自転車は止まることなく、先へ進んで行きます。
その子に声をかけようか、暫く迷ったのですが、朝で人通りも多かったし、
お姉ちゃんも妹がついて来てないことが分かっているし、きっと母親もすぐ気づいて自転車を止めるだろう…と
言い聞かせてその場を離れてしまいました。
何より母親らしき人が一度もその子を振り返ることもせず、自転車のスピードを緩めることもなかったのが恐ろしかったので
す。
後になって声をかけなかったことを後悔したのですが、その話を姉にしたところ、
同じような経験があると言ってこんな話をしてくれました。
姉が自分の夫や子供達と一緒に家族旅行に行った時のこと。
4人でバイキング式の朝食をホテルのレストランで楽しんでいると、後から小さな男の子3人を連れたお父さんが
向かいのテーブルにやって来ました。
子供達はみんなお揃いの地味な柄のアロハシャツを着ていて、一目で兄弟ということが分かったそうです。
何故かお母さんらしき人は一緒ではありませんでした。
52: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 22:05:35 ID:xWLnFyo+0(17/28)調 AAS
4コ卵◆hcYOhjUtjg様代理投稿 【真ん中の子供】3/3
子供達をテーブルに待たせると、お父さんは子供用の椅子を二つ持って来ました。
当然下の二人の子のために持って来たのだと思ったら、座ったのは一番上の子と一番下の子。
あれっ?と思い、姉は気になってチラチラそちらを見ていたらしいのですが、
その後も父親は、料理を上と下の子だけに取ってやり、真ん中の子には食事も取らせず全く無視しているのです。
真ん中の子は誰にも声をかけて貰えず、椅子に座ることもなく、ただ寂しそうにテーブルの周りをウロウロしています。
姉は、虐待??いやいや、先にお母さんとご飯を食べていたのかも…と、なんとか良い方に考えようとしたそうです。
席が近かったこともあり、その場では姉は黙っていたそうなのですが、レストランを出た後で夫に
『さっきのあれって虐待かしら?』
と話を振ったところ、夫はキョトン…。
『えっ、気がつかなかった?隣のテーブルで、子供3人連れたお父さんが…』
『子供3人?子供は2人しかいなかったよ?』
姉以外の家族には、子供は2人しか見えなかったそうなのです。
姉が絶対もう一人居たと言い張っても、
『あんなに近い場所で長い時間居合わせたんだから、見間違うはずがない』
と全員に口を揃えて言い返されたとか。
姉に『あんたが見た自転車の女の子も、案外他の人には見えてなかったんじゃない?』
と言われ、確かに3才くらいの女の子が結構スピードの出ていた自転車に数百メートルも
伴走するというのもおかしいような気がして来ました。
でも、霊だった、と思いたいだけかもしれません。
もしあの子達が生身の子供だとしたら…
そっちの方が恐ろしいと思いませんか?
-終わり-
54: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 22:07:53 ID:xWLnFyo+0(18/28)調 AAS
吉国様代理投稿 「日露戦争」
祖父の叔父が日露戦争に行った時の話。
当時は、部隊間・前線と司令部の連絡は、有線で行われていて、砲撃によりしばしば寸断され、
伝令を使い司令部から前線部隊へ、命令伝達や前線の状況を司令部に報告したりしていたそうです。
彼(祖父の叔父)も新発田連隊付の伝令将校として司令部と前線を何度も行き来したそうです。
夜間も戦闘が継続したそうですが、伝令として両軍の死体を避けながら走っていると、
体が半分吹き飛ばされた者・頭に下顎しか乗っていない者・前進焼け爛れた者など
確実に死亡していると思われる兵が閃光に照らされる暗闇の中を徘徊しているのを何度も見たそうです。
一度、徘徊する頭の半分無い兵をよく見ると、彼の従卒(身の回りの世話をする兵)だった某だと気付き
凝視していると、某の方も彼に気付き「大尉殿、大尉殿」と残った片目から涙を流しながら
彼に近付いて来て手を掴むと彼を導きました。
そこには某の死体が有り、某は背中に弾の抜けた後しかない死体があったそうです。
戦後、金屋村という所の某の家に行き、遺髪を渡し彼の見た某の立派な死に方を伝えたそうです。
【完】
60: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 22:14:53 ID:xWLnFyo+0(19/28)調 AAS
吉国様代理投稿 「馬の警官」
祖母から聞いた話。
祖父が日本の警察から出向で朝鮮総督府高等警察課(単身赴任)にいた頃、祖母と叔父叔母たちは、
祖父の職掌上 「全羅道 茂朱」と言う田舎の外れに居を構え、現地人に裁縫や料理を教え、
孤児を引き取ったりと忙しく過していたそうです。
そんなある日、村出身の警官が馬で村に入ってきました。
彼の話によると
・馬賊がもうそこまで来ている
・茂朱警察署員も向かってきているが間に合わない
・馬賊の構成人数は、これこれでこうである
・署員が到着するまで死守されたし
との事、村の男は火打ち式猟銃を、馬の警官・祖母や叔父達は祖父のライフルを持ち警官の指示の元、
村の外塀・内塀を盾に馬賊に応戦しました。
村人が1人亡くなり叔父も左足に銃創を受けましたが、馬賊は、村を諦め散っていったそうです。
やっと到着した茂朱署員が言うには、
「何の連絡もなしに防備できたのは何故か?」
「貴村民は、いつも銃を携帯しているのか?」との事。
村の代表が馬の警官の話をすると、
「道中、彼の死体を発見しトラックに積んである」
と言われ、村人がトラックの中を覗くと“馬の警官”の死体が頭と胴体別々に置いてあったそうです。
戦後祖父が作らせた、彼の位牌が今でも叔父の家の仏壇においてあります。
【完】
65: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 22:20:41 ID:xWLnFyo+0(20/28)調 AAS
吉国様代理投稿「磐越道車道」
磐越自動車道のトンネル工事が沿線のいたるところで行われていた頃。
現場にバックを忘れた現場監督が、建設途中のトンネルに戻ってきました。
その現場は事故が多く「型枠」がはずれ骨折する者、パイプですねを打つ人などがいました。
工期も遅れ、監督もなんとなく作業員全体の雰囲気がおかしいと思っていたそうです。
その発電機の止まり明かりの無いトンネルの中は暗闇で、ヘルメットのライトを頼りに
300mほど先の資材保管庫(プレハブ)へ向かいました。
半分を過ぎた辺りから「ワーー」と歓声とも耳鳴りとも聞こえる音が聞こえ始め、怖いながらも進んで行くと、
とつぜん「バババ」大量の爆竹を鳴らしたような音がしました。
びっくりした彼は、持てる力の限り車に向かい走り、車に駆け込むと現場を後にしたそうです。
後日、ふとしたことから原因が分かりました。トンネル入り口の山の掘削場に苔むした岩を作業員が見つけ、
裏返してみるとそこには戊辰の役での戦死者32名の名前が彫ってありました。
掘削中に気付かず碑のあった山ごと削ってしまい、滑り落ちたまま放置されていた様です。
急遽、慰霊祭が行われ滞り無く落成を迎えることがました。
この話は慰霊祭に参加した際、私が監督から聞いた話で戊辰の役と無関係では無い私は、
悲しい気持ちになったのを覚えています。
監督は磐越道開通後、妻子を残し行方が分からなくなり十数年たった今「死亡認定」されています。
【完】
69: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 22:24:05 ID:xWLnFyo+0(21/28)調 AAS
「追いかけっこ」
仕事帰りにふらりとドライブに出掛けた。
4月の事。ふと満開の桜を見たくなり、隣の市のS神社(桜の名所)まで向かった。
時刻は21:00をとうに過ぎ、誰もいない。道路沿いの街頭がぽつん、ぽつんとあるのみ。
最近買い換えた携帯電話で桜の写真を撮ろうと試みる。
辺りが暗いせいか、今時オートフォーカスがついていないせいか上手く撮影出来ない。
黒すぎる黒に、ほんの一つ二つ薄桃色の丸が写っただけだった。
その帰りに、墓地の前を通った。
小さい頃母から良く聞かされた、人魂が出る墓地の前。
仮に人魂が出たってこちらは車。アクセル前回で逃げ切ればいいと恐怖心を押さえ込み車を飛ばす。
墓地の前を抜けて、一安心して何気なくバックミラーを見た。
いる。
薄桃色の球体がついて来ている。
私はパニックになり、そこから自宅まで一度もバックミラーを見ずに逃げた。
それ以来。
夕方、または夜暗くなってから車に乗る時、私は音楽を大音量でかけている。
それに合わせて結構な大声で歌う。明らかに変な人だが、怖いよりマシだと思っている。
だって、あの日に見た薄桃色の球体がついて来ている。車に乗る度ついて来ている。
最近では自宅近辺に近付けば近付く程恐ろしさが募る。
エンジンを切ってから荷物を抱え、キーを取り、ドアを開け玄関まで猛ダッシュだ。
多分、もう少しで追いつかれると思う。
だってあの時撮った写真の丸が増えている
【完】
71: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 22:25:54 ID:xWLnFyo+0(22/28)調 AAS
笑う猫様代理投稿 「秋田大飢饉」1/2
天保4年の晩秋、夜も更けた頃、この南村に異形の者が迷い込んできた。
ふらふらとさまよい歩くその躰は人であるが、頭部はまさしく牛のそれであった。
数人の村人がつかまえようとしたその時、松明を手にした隣村のものが十数人現れ、鬼気迫る形相にて
「牛追いの祭りじゃ、他言は無用」
と口々に叫びながら、その異形の者を捕らえ、闇に消えていった。
翌日には村中でその話がひそひそと広がったが、誰も隣村まで確認しにいく者はいなかった。
また、その日食うものもない飢饉の有様では、実際にそれどころではなかた。
翌年には、秋田藩より徳政令が出され、年貢の軽減が行われた。
その折に隣村まで行った者の話によると、すでにその村に人や家畜の気配はなかったとのことだった。
それ以後、近づく者もおらず、今は久しく、その村を知るものはいない。
72: 代理投稿 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 22:27:05 ID:xWLnFyo+0(23/28)調 AAS
笑う猫様代理投稿 「秋田大飢饉」2/2
重苦しい雰囲気の中で宿の主人は話し終え、そそくさと後片づけのために席を立った。
役人はその場での解釈は避け、役所に戻り、調査台帳をまとめ終えた頃、懇意にしていた職場の先輩に意見を求めた。
先輩は天保年間の村民台帳を調べながら考えを述べた。
大飢饉の時には、餓死した者を家族が食した例は聞いたことがある。
しかし、その大木のあった村では、遺骸だけではなく、弱った者から食らったのであろう。
そして生き人を食らう罪悪感を少しでも減らすため、牛追いの祭りと称し、牛の頭皮をかぶせた者を狩ったのではなかろうか。
おまえの見た人骨の数を考えるとほぼその村全員に相当する。
牛骨も家畜の数と一致する。
飢饉の悲惨さは筆舌に尽くしがたい。
村民はもちろん親兄弟も、凄まじき修羅と化し、その様はもはや人の営みとは呼べぬものであったろう。
このことは誰にも語らず、その村の記録は破棄し、廃村として届けよ。
この言葉を深く胸に受け止めた役人は、それ以後、誰にもこの話は語らず、心の奥底にしまい込んだ。
「 完 」
86: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 22:47:16 ID:xWLnFyo+0(24/28)調 AAS
「夜道」
割と最近の話だ。
普段、最寄駅から家までは車で通勤しているのだが、その日はたまたまバスで来ていた。
帰りもバスの予定だったが、思ったより帰宅が遅くなり、終バスは行ってしまっていた。
徒歩20分程度の距離だし、たまには歩くのもいいかと思い、街頭の殆ど無い暗い夜道を歩いていた。
ちなみに、住んでいる所が結構な田舎の為周りは田んぼだ。
蛙の声しか聞こえない夜道をひたすら歩いていくと、ふと違和感を感じた。
何の音なのか…はっきりしないが、何か音が近付いて来る。
敢えて表現するなら「こつ、こつ」という音だった。
女性が履くヒールの音とも違う。
その「こつ、こつ」は次第に「かち、かち」に変わった。そして「かきん、かきん」に。
金属質な音に不安を覚えて辺りを見回すが何も無い。もちろん、誰もいない。
ちょっと足を速めると、その音が私の後ろ5m位をずっと、ついてくる。
急に恐ろしくなって思いっきり走り出すと、その音も、ついてくる。
「かきん、かきん、かち、かち、かち、かち、こつこつこつこつこつこつこつこつ」
駄目だ逃げられない。思い切って振り向いた。
あちこちが壊れた自転車がそこにあった。そして私の真横をすぅっと通り過ぎて行った。
それを目で追うと、丁度T字路だった為左に曲がって、そのまま田んぼの畦道をずぅっと、走っていった。
明かりが無いので、すぐに見えなくなった。音だけが遠ざかっていった。
チェーンが外れかかっていた。誰も乗っていなかった。ペダルも回っていなかった。
何故、誰も乗っていない自転車が動いていたのか。謎のままだ。
追いかけられてばかりである。
【完】
103: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 23:07:30 ID:xWLnFyo+0(25/28)調 AAS
「夜道」
割と最近の話だ。
普段、最寄駅から家までは車で通勤しているのだが、その日はたまたまバスで来ていた。
帰りもバスの予定だったが、思ったより帰宅が遅くなり、終バスは行ってしまっていた。
徒歩20分程度の距離だし、たまには歩くのもいいかと思い、街頭の殆ど無い暗い夜道を歩いていた。
ちなみに、住んでいる所が結構な田舎の為周りは田んぼだ。
蛙の声しか聞こえない夜道をひたすら歩いていくと、ふと違和感を感じた。
何の音なのか…はっきりしないが、何か音が近付いて来る。
敢えて表現するなら「こつ、こつ」という音だった。
女性が履くヒールの音とも違う。
その「こつ、こつ」は次第に「かち、かち」に変わった。そして「かきん、かきん」に。
金属質な音に不安を覚えて辺りを見回すが何も無い。もちろん、誰もいない。
ちょっと足を速めると、その音が私の後ろ5m位をずっと、ついてくる。
急に恐ろしくなって思いっきり走り出すと、その音も、ついてくる。
「かきん、かきん、かち、かち、かち、かち、こつこつこつこつこつこつこつこつ」
駄目だ逃げられない。思い切って振り向いた。
あちこちが壊れた自転車がそこにあった。そして私の真横をすぅっと通り過ぎて行った。
それを目で追うと、丁度T字路だった為左に曲がって、そのまま田んぼの畦道をずぅっと、走っていった。
明かりが無いので、すぐに見えなくなった。音だけが遠ざかっていった。
チェーンが外れかかっていた。誰も乗っていなかった。ペダルも回っていなかった。
何故、誰も乗っていない自転車が動いていたのか。謎のままだ。
追いかけられてばかりである。
【完】
127: 代理投稿 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 23:57:03 ID:xWLnFyo+0(26/28)調 AAS
白比丘尼様代理投稿 「訪問者」1/3
母子家族で母と二人きりで暮らしていた17歳の雨の夜の話です。
夜中の3時ぐらいに「ピーー」と玄関のチャイムが鳴りました。
母と話していた私は「こんな遅くに誰だろね」なんて言いつつ、インターフォンをとると女性の声で、
「あの…あの…突然すみません…。今晩、あの…泊めて頂けませんか」と言われました。
いきなりの事に「え?」と聞き返すと
「…あの…私近所のマンションに住んでまして、あの…私会社をクビになって…
あの…もう住む所がなくて…だから泊めて頂きたいと…」
母が私に代わってインターフォンで話はじめてくれたので、玄関の窓越しに訪問者を見てみると女性が一人立っています。
顔はもうどうみても50代なのに金髪の長髪。
白い帽子をかぶっていて、明るい緑のブラウスに赤地に白の水玉のふわっとしたスカート。
右手にはたくさんの物が入った紙袋を持っていました。
その様子をみた私は母に
「玄関に来てる人、絶対変!怖いからもうやめよう!相手にしないで『駄目です』っていって断ろう!」
とまくし立てました。
そしたら母は「ははははは」と笑って
「この雨の中、傘もなく歩いてきたんだって。傘だけでも貸してあげよう」
と言うじゃありませんか。
私はもうその人の外見をみてるので泣きたくなって、こういう事にだけは度胸がある母をうらみました。
128: 影虎 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 23:58:00 ID:xWLnFyo+0(27/28)調 AAS
白比丘尼様代理投稿 「訪問者」2/3
私はリビングで玄関の様子を伺っていたんですがしばらくすると
「家には入れられません!帰ってください!」
と母の怒鳴り声が聞こえました。
玄関ではガチャガチャガチャガチャ!!とチェーンの付いた扉を無理やり開けようとする音と、
閉めようとする母が出す音が大きく響き渡り、17歳の私を泣かせるだけの迫力がありました。
やっとバタン!と玄関が閉まる音がして、母がふぅふぅ言いながら部屋に帰ってきました。
「あの人、やっぱり○○(私の事)の言うとおりだね。頭おかしいみたい。怖かったでしょう、ごめんね。」
と母が言うので、
「なんかされたの?大丈夫??」
と聞き返しました。
すると母はまた笑って
「いやいや、全然大丈夫。今日はもう寝なさい」と。
しかし、この話をしている最中にまた玄関のチャイムが「K_00K_00K_00K_000」と物
凄い勢いで鳴り始め、今度は玄関のドアがドンドンドンドン!!と叩かれました。
玄関の音は30分ぐらいで止みましたが、それ以来しばらくは夜中のお客さんは怖くて怖くて仕方ありませんでした。
129: 代理投稿 ◆OTL/VNUGLY 2008/08/22(金) 23:59:11 ID:xWLnFyo+0(28/28)調 AAS
白比丘尼様代理投稿 「訪問者」3/3
その夜の出来事から5年後、私は一人暮らしを始める事になりました。
明日から新しい部屋で暮らす事になった晩に母と話をしていて
「そういえば、あんな事があったね。私怖くて怖くてめっちゃ泣いた記憶がある(笑」
と話したら、母が
「うーん、あれだけで怖がってるようじゃ大丈夫かしらね、一人暮らし。」
というので、「あれだけで?」と聞いたら母が言うには。
私ね、あの時あなたが物凄い怖がってたから、言わなかったけど、まずあの人ね、雨が降ってる中歩い
てきたっていったのに、全然雨にぬれてなかったのよ。
で、左手にバットを持ってたの。しかも、あの人、男の人だったよ。
私が腰を抜かしたのは言うまでもありません。
「なんで警察呼ばないの〜!!!」と言ったら
「なんだか逆恨みされそうじゃない、家はもう知られてるし」と。
みなさんも夜中の来客にはお気をつけください。
_完_
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