エレクトロニカと付き合い始めた (172レス)
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100: 2008/07/24(木) 13:04:08 ID:AonP7r23(1)調 AAS
エレク君は、私が何かに没頭していると、いつも横からちょっかいを出してくる。
昨日も私が本を読んでいる時、後ろから頭を抱えて髪にキスをしてきた。
「ニカちん、昨日風呂入った?頭、臭うよ。」
そんな彼が子供のようでもあり、犬のようでもあり可愛く感じられたが
読書に集中したかった私は、適当に生返事をしてあしらった。
彼が犬なら、私は猫だな。彼と子供を作るかどうかは分からないけど
少なくとも、私は彼の母親になることはできない。
もっとも、子供が出来ると女性は生まれ変わるらしい。
母性本能の薄い私も、子供が生まれれば無償の愛を注げるようになるのだろうか。
子供が生まれてからの女性は、一般的に安定を求める。
彼を見ていると、案外、結婚し子供ができるまでは男の方がより安定を求めるのではないか、と思える。
男と女でいる時は、男が女に期待し、父母になった後は、女が男に期待する。
男と女は難しいな、などと考えていると、全く本に集中していないことに気付いて思わず苦笑いした。
「なんだよー、ニカち〜ん。何笑ってンの?」
何でもないよ、と言ってまた適当にあしらうと、エレク君はふて腐れた顔をしてキッチンに向かった。
ゴマ油のいい香りと何かを炒める音が聞こえる。
いつも通りの生活音を聞きながら、私は幸せを感じていた。
「ほらほら、テーブルの上を片付けて!」
と言いながら、エレク君が山盛りの青椒肉絲を持ってきた。
考え事をしていると覚られるのが嫌だったので、本から目を反らさずに立ち上がると
椅子に足を引っ掻けてしまって派手に転んだ。
「何やってンの(笑 大丈夫?」
本を置いて、膝を擦りながらキッチンに向かった。
ネギが乗った冷奴と、茄子の味噌汁が出来ていた。
「有り合わせだからチグハグだけど勘弁して。」
と言うエレク君に、笑いながら首を降って返事をして、テーブルを整える。
食事が終わった後、案の定エレク君が本の内容について訪ねてきた。
なんとなくさっき考えていたことは話さない方がいいような気がしたので
昼間に読んだ箇所を引用して適当に解説した。
彼は何だかよく分からないような顔をしていたけれど、とりあえずの答えが知れて満足そうだった。
私の一挙手一投足を気にかけてくれるエレク君の優しさが愛しくもあり、それに甘えている自分が嫌でもある。
でも今のところは、この心地好い関係を楽しみたい。
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