[過去ログ] シャーロック・ホームズ 【14】マイル先には大刑務所 (1001レス)
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105: 2014/06/08(日) 14:14:57.00 ID:MKv/h6j+(1)調 AAS
ホームズ短編のミステリとしての完成度の高さは、多くの作家や研究者が指摘しているところだ。
高橋克彦は、短編ミステリはホームズのよって完成し、そしてホームズによって完結したと言っている。
ホームズ以降、短編ミステリの主人公としてホームズを超える名探偵は現れていない。
ホームズのもとに持ち込まれる事件は基本的に事件として完結したものであり、
ホームズの眼の前には解決のためのデータはすべて揃っているから、自然と物語の展開はテンポよく軽快になる。
探偵の捜査と事件が同時進行で進むようなある種のまどろっこしさはないし、
データが揃わないと探偵が連続殺人をくい止められないというような弊害も生じない。
おまけにホームズは変人であり自由人であるから、証拠をつかむためには押し込み強盗だって厭わない。
このような展開で面白くならないはずはないと、高橋克彦は言っている。

もうひとつ言うと、ホームズが魔術のような読心術の種明かしをして、ワトスンにばかばかしいと言われるのを嘆くシーンがあるが、
ホームズが解き明かす事件の真相は、魅力的な事件に比して意外に平凡なものである場合が多い。
ホームズが「日常生活ほど不可解なものはない」と言っているように、彼の扱う事件の多くは、
決して奇をてらったものではなく、我々の日常生活と地続きである。
ホームズの推理は、「頭が大きい人は知性的だ」みたいな御愛嬌ものもあるが、そのほとんどが、
「吠えなかった犬」等のように現代の我々にとっても生活実感として納得できるものばかりだ。
普段の日常生活の中にこそ、邪悪が潜み、推理を必要とする事柄があり、胸のすくような冒険があるということを、
シャーロック・ホームズは教えてくれるのである。
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