[過去ログ] ディクスン・カー(カーター・ディクスン)Part14 (1001レス)
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134(2): 2013/03/05(火) 06:49:55.58 ID:oODdSWtc(1/2)調 AAS
>>133
「白い僧院の殺人」に関して。
カー・ファンの某氏(仮にK氏としておく。2ちゃんのカー・スレを覗いて
くれてた人だと思う)が、ご自身のブログで、じつに興味深い指摘をされてる。
以下、その要約。
日本のある捕物帳に、まるで「白い僧院」のトリックを盗用したような作品が
ある。ところが調べてみると、発表年代はその捕物帳のほうが遥かに早い。
そしてその捕物帳は、作者(I.M)が少なからず海外作品を翻案していることで知られている。
となると・・・
「白い僧院」とその捕物帳には、さらに先行する、共通の元ネタ作品があるのではないか?
(要約終り)
135: 134 2013/03/05(火) 07:02:01.13 ID:oODdSWtc(2/2)調 AAS
(続き)
もともとカーは換骨奪胎の名手だから、かりにそれが事実だとしても
なんら不思議はないけれど(そして「前例」があることが「白い僧院」
の価値を下げるわけでないことは言うまでもないけれど)、果たして
そういう作品は存在するんだろうか?
とりあえずK氏のあげてたI.Mの捕物帳は、収録本を持ってるから、
読んだらネタバラシにならない範囲で(シチュエーションとかの)比較
の感想を書き込みたいと思う。
136: 2013/03/05(火) 07:59:23.07 ID:FqIoDjry(1)調 AAS
なるほど興味深い
確かに「白い僧院」のメイントリックは、足跡が謎を呼ぶことを別にすれば
核になる部分はホームズ時代から多用されているものだし、それを現場の
不可思議(足跡やら凶器やら密室やら)と絡めようとするバリエーションは
1920年代あたりには世界で同時多発していておかしくないんだろうな
たぶんバリエーションの分岐の軸となるような、そこそこ知名度のあった
作品がきっとあるはずで楽しみだ
(↑自分で調べる気がないのか!)
137(1): 2013/03/05(火) 16:52:06.43 ID:rEAJdUP+(1)調 AAS
>>129
エラリイ・クイーンが「地上最大のゲーム」を紹介した時に、私見ではカー作品が、
入っていないのが最大の問題、とコメントしたんだよ。
>>134
元ネタは「翼ある剣」というのが定説ではなかったか?
138: 134 2013/03/05(火) 17:41:35.03 ID:3FbinCqC(1/5)調 AAS
>>137
乱歩のコメントだね。
チェスタトンの「翼」は、確かに発想のヒントにはなってると思う。
ただ、あの「手段」ではとても長編化はできないわけで、より具体的に
トリック面で、「白い僧院」と某捕物帳に影響をあたえた何かがありそうな
気がするんだ。
んなわけで、とりあえず目を通してみた、その捕物帳のことを書いてみる。
139(2): 134 2013/03/05(火) 17:56:16.54 ID:3FbinCqC(2/5)調 AAS
(続き)
作者I.M(F.H名義)が『苦楽』1926年8月号に発表した短篇。
“現場”は雨上がりの味噌蔵。
急報を受けて駆けつける、親分の目に飛び込んでくるのは
「八州屋を取り巻いて赤い粘土が畑のようにぼくぼくに畝って、それが
雨を吸ってほどよく粘っていた。(・・・)平になった土の表面には、
まるで彫ったように深い(・・・)足駄の歯跡が、通りから裏口の方へ
点々として」続いているさま。
140(1): 2013/03/05(火) 18:11:27.06 ID:HUbGgb+w(1)調 AAS
>>139
その日本人作家が誰か、やっとわかった
当該作品が収録されてる本で、入手しやすいものがあれば教えてください
141: 134 2013/03/05(火) 18:17:38.06 ID:3FbinCqC(3/5)調 AAS
(続き)
第一発見者の“新しい足跡”が不可能状況のキイになる「白い僧院」
に対して、こちらは被害者のものとおぼしい“時間のたった足跡”が
謎づくりのポイントという違いはある。
しかし、解決を読むと、そのトリックの発想は著しく似ている。
くわえてこの短篇、
「親分」彦兵衛が帰って来た。「ぴったり合いやす。あれあ八州屋の足形
に違えねえ」/「深かあねえか」/「へえ、そう言えあちと――」/「彦、仏
を動かしてみな」/孫右衛門は優形の小男、死んで自力はないものの、彦兵衛
の手一つでずずっと引き擦り得るくらい。
といった具合に、謎解きで回収される伏線がきちんと張られていることは特筆
に値すると思う。(作者にははなはだ失礼ながら、これはやはり、“原作”が
あったんだろうな・・・という感じ)。
カーとの違いを一点、このあと書いて終りにする。
142(1): 134 2013/03/05(火) 18:32:52.92 ID:3FbinCqC(4/5)調 AAS
(続き)
>>134でご紹介したK氏も、ブログでコメントされているように、この
捕物帳作品の犯罪が、犯人の計画通りに遂行されたものであるに対し、
「白い僧院」の場合、事件が犯人の思惑とは異なる様相を呈したという
差がある。
つまり、単純なトリック小説がいかにもカーらしく一捻り(応用)されて
いるわけで、そんなことからも、“基本”となった何かしらストレートな
先行例がありそうだ、と思う次第。
連投スマソ。
143: 134 2013/03/05(火) 18:38:42.51 ID:3FbinCqC(5/5)調 AAS
>>140
多分、古本になっちゃうだろうけど・・・
論創社の、あの作者(F.Hのほうね)の「――探偵小説選」か、春陽
文庫の志村有弘編「捕物時代小説選集4」で読めるので、捜してみて。
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