[過去ログ] 代数的整数論 009 (1001レス)
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617(6): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/03/16(日) 14:44:10 AAS
定義
E を を実数体または複素数体上の局所凸空間とする。
E の任意の樽(過去スレ008の598)が 0 の近傍であるとき E を樽型空間(barreled space)と言う。
618(2): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/03/16(日) 15:19:14 AAS
命題
E を実数体または複素数体上の局所凸空間で Baire 空間(>>176)とする。
E は樽型空間(>>617)である。
証明
B を E の樽とする。
B は吸収的だから E = ∪{nB | n = 1, 2, ... } である。
>>177 より、ある整数 n > 0 に対して nB は内点を持つ。
よって B も内点 x を持つ。
x = 0 なら B は 0 の近傍である。
よって x ≠ 0 と仮定してよい。
B の内部を int(B) と書く。
y ∈ E に -y を対応させる写像を f とする。
f は E の位相空間としての自己同型であるから
B は平衡的だから f(B) = B である。
f(int(B)) = int(f(B)) = int(B) である。
よって -x ∈ int(B) である。
B は凸だから、過去スレ008の435より B の内部 int(B) も凸である。
よって 0 ∈ int(B) である。
証明終
619(1): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/03/16(日) 15:24:56 AAS
命題
Frechet 空間(>>2)は樽型空間(>>617)である。
証明
Baireの定理(>>178)より、Frechet 空間は Baire 空間である。
よって、>>618 より樽型空間である。
証明終
623(1): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/03/16(日) 19:27:36 AAS
命題
E を実数体または複素数体上の局所凸空間とする。
E が樽型空間(>>617)であるためには E の任意の下半連続(過去スレ008の113)
な半ノルム(過去スレ008の458)が連続であることが必要十分である。
証明
E を樽型空間とし、p を E の任意の下半連続な半ノルムとする。
B = { x ∈ E | p(x) ≦ 1 } は過去スレ008の516より凸集合である。
B が吸収的かつ平衡的であることは明らかである。
p は下半連続だから過去スレ008の114より B は閉集合である。
よって B は樽である。E は樽型空間だから B は 0 の近傍である。
>>570 より p は連続である。
逆に E の任意の下半連続な半ノルムが連続であるとする。
B を E における樽とする。
>>570 より E の下半連続な半ノルム p で
B = { x ∈ E | p(x) ≦ 1 } となるものが一意に存在する。
p は連続であるから >>570 より B は 0 の近傍である。
証明終
634(3): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/03/20(木) 13:14:28 AAS
定理(一般化されたBanach-Steinhausの定理)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の樽型空間(>>617))とし、F を K 上の局所凸空間とする。
L(E, F) を E から F への連続な線形写像全体とする。
L(E, F) の任意の単純有界(>>632)な部分集合 H は同程度連続である。
証明
F の任意の連続な半ノルム p に対して q = sup { pf | f ∈ H } とおく。
即ち、任意の x ∈ E に対して q(x) = sup { p(f(x)) | f ∈ H } である。
>>633 より、任意の x ∈ E に対して q(x) は有限である。
従って q は E の半ノルムである。
p は連続だから f ∈ H のとき pf は連続、従って下半連続
(過去スレ008の113)である。
過去スレ008の116より q も下半連続である。
>>623 より q は連続である。
>>631 より H は同程度連続である。
証明終
640: Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/03/22(土) 10:54:29 AAS
Boubaki は次の命題を Banach-Steinhaus の定理と呼んでいる。
命題(Banach-Steinhaus の定理)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の樽型空間(>>617))とし、F を K 上の分離的局所凸空間とする。
L(E, F) を E から F への連続な線形写像全体とする。
(f_n), n = 1, 2, ... を L(E, F) の元からなる列とし、
f を E から F への写像とする。
各点 x ∈ E で f_n(x) は f(x) に収束するとする。
このとき f ∈ L(E, F) であり、E の任意の全有界集合(過去スレ006の302)
で (f_n) は f に一様収束する。
--------------------------------------------------------
この命題において f ∈ L(E, F) であることは >>634 と >>625 よりわかる。
E の任意の全有界集合上で (f_n) が f に一様収束することを証明するため
全有界集合における一様収束に関して>>351の命題の類似(後述)が必要である。
そのための準備を述べる。
648: Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/03/22(土) 15:04:00 AAS
命題(Banach-Steinhaus の定理)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の樽型空間(>>617))とし、F を K 上の分離的局所凸空間とする。
L(E, F) を E から F への連続な線形写像全体とする。
(f_n), n = 1, 2, ... を L(E, F) の元からなる列とし、
f を E から F への写像とする。
各点 x ∈ E で f_n(x) は f(x) に収束するとする。
このとき f ∈ L(E, F) であり、E の任意の全有界集合(過去スレ006の302)
で (f_n) は f に一様収束する。
証明
各点 x ∈ E で f_n(x) は f(x) に収束するから
F の任意の連続な半ノルム p に対して p(f_n(x)) は p(f(x)) に収束する。
従って { p(f_n(x)) | n = 1, 2, ... } は有界である。
>>633 より H = { f_n | n = 1, 2, ... } は単純有界である。
>>634 より H は同程度連続である。
>>625 より H~ も同程度連続で H~ ⊂ L(E, F) である。
f ∈ H~ だから f ∈ L(E, F) である。
>>630 より H~ は同程度一様連続である。
>>646 より H~ の上で全有界収束の一様構造と
単純収束の一様構造は一致する。
よって E の任意の全有界集合で (f_n) は f に一様収束する。
証明終
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