[過去ログ] 代数的整数論 009 (1001レス)
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124
(7): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2007/12/23(日) 06:54:25 AAS
定義
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とし、
E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。

E の部分集合 F が E のアフィン部分空間であるとは、F が空集合であるか
V の線形部分空間 W と E の点 p があり、F = p + W と書けることを言う。
ここで、 p + W = { p + x | x ∈ W } である。
128: Kummer ◆g2BU0D6YN2 2007/12/23(日) 08:36:05 AAS
命題
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とし、E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。

E の部分集合 F が E のアフィン部分空間(>>124)であるためには、
次の条件が成り立つことが必要十分である。

F の任意の有限点列 x_1, ... , x_n と K の元の有限列
λ_1, ... , λ_n で Σλ_i = 1 となるものに対して、
x_i の質量 λ_i の重心(>>127)が常に F に属す。

証明
必要性:
F = p + W とする。ここで、 p ∈ E で W は V の線形部分空間である。
x_1, ... , x_n を F の元の有限列、
λ_1, ... , λ_n を K の元の有限列で Σλ_i = 1 とする。
x_i - p ∈ W であるから、
x_i の質量 λ_i の重心 p + Σλ_i(x_i - p) は F に属す。

十分性:
F は空でないと仮定してよい。
a ∈ F をとる。
W = { x - a | x ∈ F } は 0 = a - a を含むから空ではない。

x, y を W の元とし、λ ∈ K, μ ∈ K とする。
a + λ(x - a) + μ(y - a)
= (1 - λ - μ)(a - a) + λ(x - a) + μ(y - a)
これは a, x, y の質量がそれぞれ 1 - λ - μ, λ, μ の重心である。
よって、仮定から a + λ(x - a) + μ(y - a) ∈ F である。
よって、 λ(x - a) + μ(y - a) ∈ W である。
即ち W は V の線形部分空間である。
証明終
130
(12): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2007/12/29(土) 21:21:49 AAS
定義
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とし、
E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。

F を E のアフィン部分空間(>>124)で空でないとする。
定義から V の線形部分空間 W と E の点 p があり、F = p + W と書ける。
W を F の方向ベクトル空間と言う。

W の次元を F の次元と言い、dim F と書く。
W の余次元、つまり dim V/W を F の余次元と言う。

次元 0 のアフィン部分空間は E の点である。
次元 1 のアフィン部分空間を E の直線と言う。
次元 2 のアフィン部分空間を E の平面と言う。
余次元 1 のアフィン部分空間を E の超平面と言う。
131: Kummer ◆g2BU0D6YN2 2007/12/29(土) 22:07:30 AAS
命題
K を可換とは限らない体とする。
V を K 上の左線形空間とし、
E を V に付随するアフィン空間(>>121)とする。
F を E の部分集合とする。

K の標数が 2 でないとき、
F が E のアフィン部分空間(>>124)であるためには
F の任意の2点 x ≠ y を通る直線(>>130)が F に含まれることが
必要十分である。

証明
十分性のみ証明すればよい。

F は空でないと仮定してよい。
p ∈ F を任意にとり p を原点にすることにより、E = V と仮定してよい。

F の元 x ≠ 0 と任意の λ ∈ K に対して λx は 0 と x を
通る直線上にあるから λx ∈ F である。
x = 0 のときは λx = 0 であるからこのときも λx ∈ F である。

F の2点 x ≠ y を通る直線を L とする。
K の標数は 2 でないから
(1/2)(x + y) = x + (1/2)(y - x) は L の点である。
よって、上に述べたことから x + y ∈ F である。

以上から F は V の部分線形空間である。
よって、E のアフィン部分空間である。
証明終
137
(5): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/01/13(日) 15:25:32 AAS
定理(Hahn-Banachの定理の幾何版)
E を実数体 R 上の位相線形空間とする。
A を E の空でない開凸集合とする。
M を E の空でないアフィン部分空間(>>124)で A と交わらないとする。

このとき M ⊂ H となる閉超平面(>>130)で A と交わらないものが
存在する。

証明
A は空でないから a ∈ A が存在する。
0 ∈ A でないなら A を A - a, M を M - a で置き換えることにより
0 ∈ A と仮定してよい。

任意の x ∈ E に対して
p(x) = inf { α > 0 | x ∈ αA } とおく。

>>136 より p は劣線形関数であり
A = { x ∈ E | p(x) < 1 } である。

M は空でなく 0 を含まないから M = a + W と書ける。ここで W は E の
線形部分空間であり、 a は E の元で W に含まれない。
V = Ra + W とおく。
V は E の線形部分空間であり、M はその超平面である。
V は Ra と W の直和であるから V の任意の元 x は x = λa + w と
一意に書ける。ここで λ ∈ R, w ∈ W である。
f(x) = λ により線形形式 f : V → R を定義する。
M = a + W = { x ∈ V | f(x) = 1 } である。
A ∩ M = φ であるから x ∈ M のとき p(x) ≧ 1 である。

(続く)
165
(1): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/01/20(日) 16:37:05 AAS
命題
E を実数体 R 上の局所凸位相線形空間とする。
E の任意の空でない閉アフィン部分空間(>>124) M はそれを含む
閉超平面全体の共通集合である。

証明
x ∈ E - M とする。
M は閉だから x を含む凸な開集合 V で V ∩ M = φ となるものが
存在する。
>>137 より M ⊂ H となる閉超平面 H で V と交わらないものが
存在する。このとき H は x を含まない。
証明終
168
(1): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/01/20(日) 20:49:35 AAS
定理(Hahn-Banachの定理の幾何版)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の位相線形空間とする。
A を E の空でない開凸集合とする。
M を E の空でないアフィン部分空間(>>124)で A と交わらないとする。

このとき M ⊂ H となる閉超平面(>>130)で A と交わらないものが
存在する。

証明
K が実数体の場合は >>137 で証明されている。
よって K は複素数体と仮定する。

0 ∈ M と仮定してよい。

>>137 より M ⊂ H_0 かつ A ∩ H_0 = φ となる実超平面で閉なものが
存在する。

>>166 より H = H_0 ∩ iH_0 は E の 0 を通る複素超平面である。
H_0 が閉だから iH_0 も閉である。
従って H も閉である。

M = iM だから M ⊂ H である。
A ∩ H_0 = φ だから A ∩ H = φ である。
証明終
170: Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/01/26(土) 06:42:33 AAS
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の局所凸位相線形空間とする。
E の任意の空でない閉アフィン部分空間(>>124) M はそれを含む
閉超平面全体の共通集合である。

証明
K が実数体の場合は >>165 で証明されている。
よって K は複素数体と仮定してよい。

x ∈ E - M とする。
M は閉だから x を含む凸な開集合 V で V ∩ M = φ となるものが
存在する。
>>168 より M ⊂ H となる閉超平面 H で V と交わらないものが
存在する。このとき H は x を含まない。
証明終
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