[過去ログ] 代数的整数論 009 (1001レス)
上下前次1-新
抽出解除 レス栞
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
102(5): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2007/12/09(日) 08:59:35 AAS
命題
E を複素数体 C 上の線形空間とする。
Hom(E, C) を E から C への C 上の線形写像全体の集合とする。
Hom(E, R) を E から実数体 R への R 上の線形写像全体の集合とする。
f ∈ Hom(E, C) に対して Re(f) を f の実部とする。
即ち x ∈ E に対して Re(f)(x) = Re(f(x)) である。
Re(f) は明らかに Hom(E, R) の元である。
このとき f に Re(f) を対応させる写像 Re : Hom(E, C) → Hom(E, R) は
全単射である。
証明
f ∈ Hom(E, C) に対して g = Re(f) を f の実部、
h = Im(f) を f の虚部とする。
f = g + ih である。
即ち x ∈ E に対して f(x) = g(x) + ih(x) である。
f(ix) = if(x) であるから
g(ix) + ih(ix) = -h(x) + ig(x) である。
よって h(x) = -g(ix) である。
よって f(x) = g(x) - ig(ix) である。
逆に g ∈ Hom(E, R) に対して f(x) = g(x) - ig(ix) とおけば、
f(ix) = g(ix) + ig(x) = if(x) であるから f ∈ Hom(E, C) である。
この f を Γ(g) と書けば Re と Γ は互いに逆写像である。
証明終
103: Kummer ◆g2BU0D6YN2 2007/12/09(日) 09:03:39 AAS
>>102 を使って >>101 を複素線形空間の定理に拡張出来る。
104(11): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2007/12/09(日) 09:37:09 AAS
定理(Hahn-Banach)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
p を E 上の半ノルム(過去スレ008の458)とする。
V を E の線形部分空間とし、 f を V 上の線形形式で
任意の y ∈ V に対して |f(y)| ≦ p(y) とする。
このとき E 上の線形形式 h で f の拡張であり
任意の x ∈ E に対して |h(x)| ≦ p(x) となるものがある。
証明
K = R のときは >>101 で証明されているから K = C としてよい。
Re(f) を f の実部とする。
任意の y ∈ V に対して |Re(f)(y)| ≦ |f(y)| ≦ p(y) である。
よって、>>101 より E 上の線形形式 g で f の拡張であり
|g(x)| ≦ p(x) となるものがある。
>>102 より h(x) = g(x) - ig(ix) は Hom(E, C) の元であり、
f の拡張である。
任意の x ∈ E に対して |h(x)| ≦ p(x) を示せばよい。
h(x) = 0 ならこの不等式は明らかであるから h(x) ≠ 0 とする。
任意の実数 θ に対して λ = exp(iθ) とおく。
p(λx) = |λ|p(x) = p(x) であることに注意する。
|Re(λh(x))| = |Re(h(λx))| = |Re(g(λx))| ≦ p(λx) = p(x)
h(x) の偏角を θ とすれば h(x) = |h(x)|exp(iθ)である。
λ = exp(-iθ) とすれば λh(x) = |h(x)| である。
よって Re(λh(x)) = |h(x)|
よって上の不等式から |h(x)| ≦ p(x) である。
証明終
166(1): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/01/20(日) 19:39:51 AAS
命題
E を複素数体 C 上の線形空間とする。
H_0 を E の 0 を通る実超平面とする。
即ち H_0 は E を実線形空間とみたとき E の実線形部分空間であり、
E/H_0 の実線形空間としての次元が1となるものである。
H_0 の定義方程式を g(x) = 0 とする。
ここで g は E 上の実線形形式である。
>>102 より Re(f) = g となる複素線形形式 f が一意に存在する。
H = H_0 ∩ iH_0 は E の 0 を通る複素超平面であり、
その定義方程式は f(x) = 0 である。
証明
>>102 より、f(x) = g(x) - ig(ix) とおくと f は複素線形形式であり、
Re(f) = g である。
f(x) = 0 ⇔ g(x) = 0 かつ g(ix) = 0
である。
g(ix) = 0 は ix ∈ H_0 と同値であり、
これは x ∈ iH_0 と同値である。
よって H = H_0 ∩ iH_0 の定義方程式は f(x) = 0 である。
証明終
566(3): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/03/02(日) 18:01:34 AAS
命題
E を 複素数体上の局所凸線形空間とする。
E' を E の双対(>>65)とする。
E と E' は対をなす(>>559)。
A を E の凸な部分集合とする。
E の通常の位相で A が閉であることと E の弱位相 σ(E, E') (>>529) で
閉であることは同値である。
証明
E_0 と E'_0 をそれぞれ E と E' を実数体上の線形空間と
見なしたものとする。
E_0 と E'_0 は実双線形形式 (x, f) → Re(<x, f>) により対をなす。
>>551 より σ(E, E') と σ(E_0, E'_0) は一致する。
>>545 より σ(E_0, E'_0) に関して連続な E_0 の実線形形式 g に
対して f ∈ E' が存在し、任意の x ∈ E に対して g(x) = Re(<x, f>)
となる。従って、g は E_0 の通常の位相でも連続である。
逆に E_0 の通常の位相で連続な E_0 の実線形形式 g に対して
>>102 より 任意の x ∈ E に対して g(x) = Re(<x, f>) となる
E 上の複素線形形式 f が一意に存在する。
>>102 の証明から、任意の x ∈ E に対して f(x) = g(x) - ig(ix)
であるから f は E の通常の位相で連続である。即ち、f ∈ E' である。
よって、g は σ(E_0, E'_0) に関して連続である。
以上から E_0 の通常の位相で閉な E_0 の超平面全体と
σ(E_0, E'_0) に関して閉な E_0 の超平面全体は一致する。
よって、>>164 より本命題の主張が得られる。
証明終
613(2): Kummer ◆g2BU0D6YN2 2008/03/16(日) 14:15:28 AAS
命題
E を複素数体上の局所凸線形空間とする。
E' を E の双対(>>65)とする。
E と E' は対をなす(>>559)。
M を E の部分集合とする。
M の凸包の閉包と M の凸包の弱位相σ(E, E')による閉包は一致する。
証明
E_0 と E'_0 をそれぞれ E と E' を実数体上の線形空間と
見なしたものとする。
E_0 と E'_0 は実双線形形式 (x, f) → Re(<x, f>) により対をなす。
>>551 より σ(E, E') と σ(E_0, E'_0) は一致する。
>>545 より σ(E_0, E'_0) に関して連続な E_0 の実線形形式 g に
対して f ∈ E' が存在し、任意の x ∈ E に対して g(x) = Re(<x, f>)
となる。従って、g は E_0 の通常の位相でも連続である。
逆に E_0 の通常の位相で連続な E_0 の実線形形式 g に対して
>>102 より 任意の x ∈ E に対して g(x) = Re(<x, f>) となる
E 上の複素線形形式 f が一意に存在する。
>>102 の証明から、任意の x ∈ E に対して f(x) = g(x) - ig(ix)
であるから f は E の通常の位相で連続である。即ち、f ∈ E' である。
よって、g は σ(E_0, E'_0) に関して連続である。
以上から E_0 の通常の位相で閉な E_0 の超平面全体と
σ(E_0, E'_0) に関して閉な E_0 の超平面全体は一致する。
よって >>611 の証明と同様にして本命題が得られる。
証明終
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ
ぬこの手 ぬこTOP 0.391s*