[過去ログ] 産経抄ファンクラブ第230集©2ch.net (947レス)
前次1-
抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) レス栞 あぼーん

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
131
(2): 2017/05/21(日) 06:01:13.59 ID:jP7rLZgk0(1)調 AAS
2017.5.21 05:03
【産経抄】5月21日

 ある娘が不思議な夢を見た。高い山に登り「月日を左右のたもとにおさめ、たち花の三つなりけるえだをかざす…」。軍記物『曽我物語』の一節にある。太陽と月をたもとに入れ、橘(たちばな)の実が3つなった枝を頭上にかざす。さて、何の前触れなのか。

▼「悪い夢だわ」と話を聞かされた姉は眉根を寄せて、その夢を買い取った。妹思いの美談にはしかし、裏がある。はるか昔、橘の実は「非時香菓(こときじくのかくののみ)」と呼ばれて重宝された。「時に左右されず香り輝く実」だ、と。
吉夢と知りつつ芝居を打つ。食えない人ではないか。

▼後に、源頼朝の正室となった北条政子である。開業5周年の東京スカイツリーで、「橘色」のライトアップが新たに始まり、話題の的になっている。「縁起のよい色」との記事に接しゆかりの物語を思い出した。気ぜわしい日々にあって一服できるニュースだろう。

▼黄金色の実や清楚(せいそ)な白の花弁は古来、歌に詠まれてきた。『古今集』に〈さつき待つ花橘の香をかげばむかしの人の袖の香ぞする〉とある。色も香りも愛されてきた5月の花である。
聞き慣れぬ「橘色」との出合いがわが国の歩みに思いを馳(は)せる機会になればいい。

▼野も山も街の並木も日々、色を濃くしてゆく。この頃は、色や香りを時候のあいさつに託すことも多い。青葉を抜ける風を「緑風」と、若葉の香りを運ぶ風を「薫風」と呼ぶ。「風青し」と書けばさわやかな風の吹く心地がする。五感で確かめたいこの季節である。

▼折しも巷間(こうかん)では「ドリーム」と名のついた宝くじを売っている。政子が手に入れた夢のおこぼれにあずかれないものか。よこしまな思いを胸で温めながら、縁起物の電飾に彩られたスカイツリーを夜空に拝んでみる。「夢がない」と言うなかれ。

c2017 The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL All rights reserved.
前次1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ

ぬこの手 ぬこTOP 0.192s*