[過去ログ] 産経抄ファンクラブ第230集©2ch.net (947レス)
上下前次1-新
抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) レス栞 あぼーん
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
913(2): 2017/06/11(日) 05:38:04.40 ID:MWL1uaU20(1)調 AAS
産経ニュース閉じる
2017.6.11 05:03
【産経抄】6月11日
水上勉の『飢餓海峡』は推理小説だが、風景描写にも筆致の妙味がある。「ヒバ、杉、黒松などのいり混じった林は、上の方へゆくほどに黒々と…」「樹肌にからみついた蔦(つた)や藤の葉だけが、茶褐色に色づきはじめていた」と筆が行き届いている。
▼青森・下北半島の点描である。丹念な現地踏査の産物とばかり思っていた。違うらしい。「五万分の一の地図で書きました」と、ある対談で種を明かしていた。下北には行ったが、山奥までは行っていない。杉や松などの立ち木は、みんな地図に書かれている-と。
▼等高線を見るだけで、山の形状や眺望が目に浮かぶ。そんな地図読みの手だれも多いと聞く。文才も豊かな水上は、右脳と左脳を存分に使いこなしたに違いない。等高線を習った子供時分、地図とわが指を見比べた記憶しかない小欄には、ピンと来ない能力である。
▼地図の未来はどうなるだろう。日本版GPS(衛星利用測位システム)の本格運用が近い。先日は、測位用衛星の2号機が打ち上げられた。6年後には7基体制となり、位置情報の誤差はわずか6センチになるという。車の自動運転など暮らしやすさにつながればいい。
▼いまや電脳空間で地図を開けば、その土地の道も建物も写真で見られる時代になった。「知らない町」へのあこがれに胸を躍らせることも少ない昨今だが、〈新しき地圖(ちず)ひろげ讀(よ)むたかぶれるこころ少くなりたる日々に〉(扇畑利枝)の感覚はやはり忘れたくない。
▼万緑の季節である。分厚い時刻表や使い古した地図を抱えて、夢想の旅に出かけるアナログ世代も多いことだろう。図面に引かれた等高線に、鳥のさえずりや小川のせせらぎを聞くことのなかった小欄も、ここは「紙の地図」に一票を投じておく。
c2017 The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL All rights reserved.
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ
ぬこの手 ぬこTOP 0.100s*