[過去ログ] 花園たえ「……」山吹沙綾「……?」 [無断転載禁止]©2ch.net (306レス)
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1(1): (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 15:53:33.43 ID:VvgLIHQQ(1/25)調 AAS
沙綾(なんかめっちゃこっち見てる……)
たえ「……?」
沙綾(店の外からひたすら私に視線を注いで……あ、ちょっと首傾げた)
沙綾「…っと、いらっしゃいませー」
沙綾「三点で480円です」
沙綾(危なっ、仕事中なんだから集中しなきゃ…)
沙綾「ありがとうございましたー。またお願いしまーす」
たえ「……」
沙綾(……ってまだいるし! こっち見てるし!)
沙綾(何か用事があるなら入ってくればいいのに……はっ、まさか、これが俗にいうストーカーってやつ……?)
たえ「……!」
3: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 15:59:21.82 ID:VvgLIHQQ(2/25)調 AAS
沙綾(あ、こっち来る…)
たえ「……」
ウィーン
沙綾(入ってきた……え、なになに、真っ直ぐ私の方へ向かってきて……)
たえ「……!」
沙綾「え、えっと……」
たえ「やっぱり沙綾だ!」
沙綾「え、えぇ……まぁ、はい」
たえ「ふふ、私の目に狂いは無かった」
沙綾(なんか誇ってる……不思議な子だ)
たえ「沙綾はここでバイトしてるの?」
沙綾「あ、うん。ていうかここ私の家だし」
たえ「そうなの? すごい!」
8: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 16:07:19.24 ID:VvgLIHQQ(3/25)調 AAS
たえ「学校も真面目に通って、家の手伝いもして、香澄とは違って沙綾は立派だ」
沙綾「香澄もギター頑張ってるみたいだしさ、それにおたえだってライブハウスでバイトしてるじゃん」
たえ「そうだった。私も立派だ。ふふっ」
沙綾「あはは…」
沙綾(やっぱり変わってる子だなぁ)
たえ「ここは何屋さん? 見たところ、パンがいっぱい並んでるみたいだけど」
沙綾「パン屋だよ。山吹ベーカリー」
たえ「山吹ベーカリー……カリー屋さんだ!」
沙綾「パン屋さんね」
たえ「うん。良い匂いがする……すんすん……」
沙綾「何か買ってく? サービスするよ」
たえ「ホント? じゃあどれも美味しそうだから一つずつ。あ、食べきれるかな…」
沙綾「絶対無理だと思う」
12: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 16:17:42.35 ID:VvgLIHQQ(4/25)調 AAS
沙綾「じゃあ私のオススメを三つほど選んであげよう」
たえ「郷に入っては郷に従え。私は沙綾に絶対服従の身」
沙綾「あはは、そんな重苦しく考えられるとめちゃめちゃ選びづらいんだけど」
沙綾「あ、おたえは嫌いなものとかある?」
たえ「ゲテモノ以外なら」
沙綾「ゲテモノって……うちは普通のパン屋だからそんなのは扱ってないよ」
たえ「ほっ……なら安心」
沙綾「はい、クリームパンとコロッケパンとクロワッサン。どれも焼き立てだよ」
たえ「ありがとう、沙綾。いくら?」
沙綾「うーん、友達割引で250円かな」
たえ「おぉ……友達割引」
沙綾「私とおたえは友達じゃん?」
たえ「うん。はい、250円ピッタリ」
沙綾「まいどありー」
16: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 16:25:44.72 ID:VvgLIHQQ(5/25)調 AAS
たえ「よいしょ、っと……」
ガチャガチャ
沙綾「……?」
たえ「場所はこの辺かな…」
ガチャガチャ
沙綾「あ、あのー……何してるの?」
たえ「サービスしてもらったからそのお礼。といっても私にはギターしかないけど」
たえ「不束者ではありますが。一曲」
ジャカジャーンッ
沙綾「い、いやいやっ、弾かなくていいからっ!」
たえ「迷惑?」
沙綾「め、めい……わ、く……」
たえ「……」
沙綾「あっ、気持ちだけっ! おたえの気持ちはもう充分すぎるほど貰ったからそれでっ」
たえ「私がギターしか弾けないばかりに……」
シュン
たえ「バイオリンやビオラやチェロだったらもしくは」
沙綾「それも全然変わんないからね!?」
18: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 16:37:10.72 ID:VvgLIHQQ(6/25)調 AAS
たえ「じゃあ私はこれで。また買いに来てもいい?」
沙綾「もちろん!」
沙綾父「沙綾ー、店の方が騒がしいみたいだが何か…」
沙綾「あ、父さん」
沙綾父「おお、友達が来てたのか」
沙綾「うん、パン買ってくれて」
たえ「初めまして、花園たえです」
たえ「すみません、さっき私の相棒が勝手に演奏を始めちゃって…」
沙綾父「気にすんな気にすんな。沙綾も昔は」
沙綾「と、父さんっ!」
沙綾父「ああ、悪い悪い。まぁそういうことなら、沙綾。店番はもういいから遊びに行ってこい」
沙綾「…え?」
19: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 16:41:24.00 ID:VvgLIHQQ(7/25)調 AAS
沙綾「……」
たえ「はむっ……もぐもぐ……」
沙綾「……」
たえ「もぐもぐ……美味しい……」
沙綾(……なんか気まずい。まさかおたえと二人で遊ぶことになるなんて)
沙綾(悪い子じゃないけど、いまいちどう接していいのか……)
たえ「気まずいよね」
沙綾(それをさらっと口にしちゃうこの子っ!)
沙綾「そ、そんなことは、全然…」
たえ「そう? ならよかった。沙綾も食べる? パン」
沙綾「いや、私はいいかな…」
たえ「じゃあ全部食べちゃうね。もぐもぐ……」
沙綾「……」
たえ「……」
21: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 16:48:09.78 ID:VvgLIHQQ(8/25)調 AAS
沙綾「か、香澄でも誘おっか! りみや有咲にも声掛けてさっ」
たえ「香澄たちならライブ観に行ってるよ。SPACEじゃないちょっと遠い場所にあるとこだって」
たえ「私も誘われたんだけど、バイトのシフト入ってるものだと思ってて断ったの。でもさっきSPACE行ったら非番だった」
沙綾「あー、それでふらふらしてたんだ? そういや私も誘われてたっけなー…」
たえ「うん」
沙綾「……」
たえ「……」
沙綾「……」
たえ「どうしよう」
23: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 16:55:41.69 ID:VvgLIHQQ(9/25)調 AAS
沙綾「じゃ、じゃあ……えー……お茶でも、する?」
たえ「する」
沙綾「よし、ならあそこのカフェに入ろう」
たえ「おー」
「いらっしゃいませー」
沙綾「うわ、メニューいっぱいある……何にしようか迷うなー。おたえはもう決まった?」
たえ「うん。一番名前が長いやつ」
沙綾「…え? ちなみに、なんで?」
たえ「ふふ、カッコいいから」
沙綾「そ、そう……私は普通の紅茶にしようかなー」
たえ「じゃあここは私が。さっきパンをサービスしてもらったし」
沙綾「ならお言葉に甘えて。席確保しとくね」
たえ「うん。よろしく」
26: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 17:04:52.52 ID:VvgLIHQQ(10/25)調 AAS
たえ「お待たせ、沙綾」
沙綾「ありがと、おたえ」
たえ「……」
沙綾「……どした?」
たえ「友達とカフェってすごくオシャレ」
沙綾「あはは。まぁこのカフェ、雰囲気良さげだしね」
たえ「こんな店知ってる沙綾ってすごい……すごさのハーモニクスやー」
沙綾「おたえは普段こういう所に来たりしないの?」
たえ「うん。似たところでいうと、ウサギと一緒にニンジンかじってるくらいかなぁ」
沙綾「……あんま似てないね、それ」
たえ「そう?」
沙綾「あ、そういえばさ、おたえ」
たえ「ずずぅー……この飲み物美味しい……! うん? なに?」
沙綾「おたえって結局、香澄たちと一緒にバンドやることにしたの?」
28: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 17:12:44.65 ID:VvgLIHQQ(11/25)調 AAS
たえ「さぁ?」
沙綾「あれ? だってこの前、香澄がおたえをドキドキさせるーって張り切って、で一緒にライブしてたじゃん」
沙綾「ドキドキしなかったの?」
たえ「うーん……難しい問題だ。ぶっちゃけ半ドキドキくらい……ドキだね」
沙綾「ドキ?」
たえ「ドキ」
沙綾「そっかぁ、ドキ止まりだったかー。香澄、残念」
たえ「それに私の腕じゃ、まだまだバンド組めるレベルに達してない気がして…」
沙綾「おたえでそれを言っちゃったら、香澄なんかどうなんのーって話じゃん」
たえ「うん。香澄はヘタクソ」
沙綾「ハッキリ言うね…」
たえ「私もまだまだヘタクソ。精進する必要があるから」
沙綾「おたえは上手いと思うけどねー」
たえ「ホント?」
沙綾「うん」
たえ「沙綾が昔やってたバンドのギターより?」
沙綾「うん……って、え……?」
31: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 17:23:14.15 ID:VvgLIHQQ(12/25)調 AAS
たえ「うん?」
沙綾「し、知ってたの……?」
たえ「昔SPACEのオーディション受けに来てた時に沙綾のドラム聴いた。でも解散しちゃったんだよね、残念」
沙綾「……」
たえ「もうやらないの? 沙綾は」
沙綾「……うん」
たえ「そっか。ずずぅー……」
沙綾「……」
たえ「……なんかごめん」
沙綾「いや、いいよそんな、全然っ……でも香澄たちには内緒にしてもらえると助かるかなぁ」
たえ「言わないよ。香澄が知ったら絶対誘ってくるよね」
沙綾「まぁ、誘われることは嬉しいんだけど……入らないのにそんな無駄な時間を使わせるのも悪いなぁって」
たえ「ふーん」
32: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 17:42:55.72 ID:VvgLIHQQ(13/25)調 AAS
たえ「店の手伝いが忙しいから? それとも音楽が嫌いになっちゃった?」
沙綾「嫌いになったわけじゃないよ、今でもバンドの演奏聴くのは好きだしね」
沙綾「まぁ店も忙しいっちゃ忙しいけど。今はそれほどでも。昔はね、父さんが体調崩して動けなくなった時にずっと店番してたから」
たえ「そうだったんだ。さっき見た時は元気そうでよかった」
沙綾「うん、今ではなんともないみたいだけど。ほら、うちって弟や妹がまだ小さいから、私がしっかりしてなきゃいけないし」
たえ「へぇ……ずずずぅー……」
沙綾「でもまたいつ同じことになるか……ドラムはバンドの要でしょ? 肝心な時にみんなに迷惑掛けるわけにもいかないしね」
たえ「なるほど」
沙綾「…うん」
たえ「よかった」
沙綾「ん?」
たえ「音楽が嫌いになったんじゃなくて。ノーミュージックノーライフ。音楽は素晴らしい」
沙綾「あはは、そうだね」
33: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 17:49:36.58 ID:VvgLIHQQ(14/25)調 AAS
たえ「また沙綾のドラムが聴きたい」
沙綾「え?」
たえ「沙綾のドラムが一番ドキドキした」
沙綾「そんなことないでしょ。ライブハウスで働いてるならもっと上手いドラムなんかいっぱい」
たえ「ううん、技術的にはそうだけど。女子であんなに力強い音を叩ける人はそういないから」
沙綾「そ、そう……おたえみたいに沢山のバンドを聴いてる人にそう言ってもらえると、お世辞でも嬉しい、かな……あはは」
たえ「沙綾!」
沙綾「は、はい…」
たえ「また私をドキドキさせて」
沙綾「え……?」
たえ「私と一緒に文化祭に出よう」
沙綾「え、ちょ……おたえ?」
たえ「沙綾と一緒に演奏してドキドキしたい」
沙綾「でも、私は…」
36: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 18:01:04.21 ID:VvgLIHQQ(15/25)調 AAS
たえ「打倒香澄! がんばろー! おー!」
沙綾「敵なの!?」
たえ「私がギターで沙綾がドラム」
沙綾「……」
たえ「以上」
沙綾「以上、って……ボーカルは?」
たえ「必要?」
沙綾「たぶん……てかおたえってボーカル、歌うのは好きじゃないの?」
たえ「うーん、私はギターが弾ければそれで満足だから」
沙綾「私もドラムが叩ければ……ってまだやるとか言ってないし!」
たえ「やっぱり私のギターの腕じゃ沙綾と一緒には…」
沙綾「腕とかそういう問題じゃなくて……さっきの話、聞いてた?」
たえ「うん」
沙綾「やっぱり私にとってはバンドよりも家族の方が優先だし……だから、もしも文化祭のライブ当日にまた父さんが倒れたら私はおたえのところにすぐに行けないかもしれない」
沙綾「もしそうなったら、おたえは私が来るまで待っててくれる……?」
たえ「待たないよ」
沙綾「……」
たえ「待たない。だってどんなことがあってもお客さんを待たせることはしちゃダメだから」
38: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 18:11:01.39 ID:VvgLIHQQ(16/25)調 AAS
たえ「もし沙綾が来なかったら、私は一人でもステージに立つ」
沙綾「…うん」
たえ「ずっと一人で弾いてきたし、一人でもやれる。たぶん。やったことないけど」
たえ「……でも、沙綾と一緒に演奏できたらきっとすごくドキドキできると思う」
たえ「私は沙綾と一緒にドキドキしたい」
たえ「沙綾がバックレて私が一人になったら……それはそれで仕方無い、うん」
沙綾「おたえ……」
たえ「もしお父さんが倒れて、沙綾が大変で忙しくなったら、私も力を貸す」
たえ「店の中だと迷惑になっちゃうから……店前でギター弾いてお客さんを呼ぶ」
沙綾「……ふふ、店前でも迷惑になっちゃうよ」
沙綾「でも……ありがと、おたえ」
たえ「文化祭、出よう。沙綾」
沙綾「……そうだね、やろっか。おたえ」
たえ「うん。香澄たちに負けないように」
沙綾「本物のバンドってものを見せ付けてやろっか」
39: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 18:20:18.13 ID:VvgLIHQQ(17/25)調 AAS
翌日。
香澄「よーし、次は文化祭だねー! それまでにもっともっと練習して上手く弾けるようにならなきゃ!」
香澄「ねー? 有咲ー」
有咲「文化祭に出るとは言ってねーし」
香澄「えー! そんなこと言わないで、有咲ー!」
有咲「あー、もうっ、うぜぇーうぜぇー!」
りみ「こ、この前のクライブもイイ感じだったし……ね? 家に帰ってからも、お姉ちゃんに褒めてもらえたんだぁ」
香澄「ほーら、りみりんもこう言ってることだしー! 有咲ー」
有咲「知らねぇー」
香澄「もー! おたえからも有咲に言ってあげてよー!」
りみ「あ、たえちゃんも文化祭出るんだよね…?」
たえ「うん、出るよ」
香澄「さっすがおたえー! ほら、有咲もおたえを見習って素直にー」
たえ「でも香澄たちと一緒には演奏しないよ?」
香澄、りみ、有咲「「「え……?」」」
40: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 18:28:57.06 ID:VvgLIHQQ(18/25)調 AAS
香澄「え、えぇーっ!! なんでっ、なんでーっ!? おたえーっ!!」
たえ「だって香澄はドキだから」
香澄「どき?」
りみ「土器…?」
有咲「また変なこと言ってる……」
りみ「あれ? でも、文化祭に出るってことは…」
有咲「別のバンドとか?」
香澄「おたえの浮気者ーっ!」
たえ「ふふふ、それではメンバーを紹介しよう」
香澄「おぉ!」
たえ「ギター! 花園たえ!」
有咲「いや、それはわかってるし」
たえ「そしてドラム!」
香澄「ドラム! …ってなんだっけ?」
りみ「香澄ちゃぁんっ……ドラムはドラムだよぉ……」
有咲「後ろの方で棒持っていろんなのバシバシ叩いてる人だろー?」
香澄「なるほど!」
たえ「……」
りみ「あ、続けて。たえちゃん」
たえ「ドラム! 山吹沙綾!」
香澄、りみ、有咲「「「……え?」」」
42: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 18:37:00.14 ID:VvgLIHQQ(19/25)調 AAS
香澄「沙綾!?」
沙綾「ま、まぁそんな感じで……あはは」
りみ「沙綾ちゃんが、ドラム…?」
有咲「マジかよっ…!?」
りみ「沙綾ちゃん、ドラム出来たんだ…?」
沙綾「ちょっとだけど……黙っててごめんねー」
香澄「言ってよー! 沙綾ー!」
沙綾「あはは、ごめんごめん」
有咲「で、他のメンバーはー?」
たえ「いないよ?」
りみ「え?」
たえ「私と沙綾のツーピースバンド」
沙綾「そういうわけだから、香澄たちとはライバルになるのかな」
香澄「えー! それだったら一緒にやろうよーっ!」
たえ「それは無理」
香澄「なんで!?」
たえ「香澄はドキだから」
沙綾「ドキじゃ難しいよねー」
香澄「そっか、私がドキだから」
有咲「お前絶対意味わかってねぇだろ」
44: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 18:55:22.38 ID:VvgLIHQQ(20/25)調 AAS
放課後。
たえ「沙綾」
沙綾「あ、おたえ」
たえ「今日店番?」
沙綾「違うけど」
たえ「私も今日はバイト入ってないから、練習しよう」
沙綾「うん、もちろん。てか曲どうするとか決めてる?」
たえ「まだ何も…」
沙綾「ま、昨日の今日だしね。おたえって作曲できるの?」
たえ「た、たぶん?」
沙綾「んじゃ、よろしくー!」
たえ「うん、わかった。全米を震撼させるくらいの曲を作ってみる」
沙綾「大きく出たな」
たえ「じゃあ曲はそのうちとして、沙綾はちょっとブランクあるでしょ?」
沙綾「だねー。だから勘を取り戻す為にとりあえず叩ければ」
たえ「ドラムは家にある?」
沙綾「あるよ。でも場所がなぁ……」
たえ「私、知ってる」
47: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 19:02:34.02 ID:VvgLIHQQ(21/25)調 AAS
香澄「まさかおたえと沙綾が敵に回るとはっ…!」
りみ「あの二人、いつの間に仲良くなったんだろう…?」
有咲「つーかその二人に負けないためにも練習した方がいいんじゃねーのー?」
香澄「そうだね、頑張ろっ! 有咲」
有咲「だからやらねぇっつーの!」
りみ「そのキーボード、せっかく買ったのに……」
有咲「こ、これはっ、そのっ、なんつーか……安いうちに買って相場が上がった時に売るという商売の基本というかっ……!」
有咲「だ、だからお前らとバンドやるためじゃっ…」
香澄、りみ「「ふーん」」
有咲「そ、そんな目でこっち見んなぁーっ!!」
おばあちゃん「有咲ー」
有咲「ん? ばーちゃん?」
おばあちゃん「お友達が来てくれてるよ」
有咲「お、お友達……?」
ガチャ……
有咲「…………」
たえ「くっ、ぐぬぬ……お、重い……っ」
沙綾「で、でしょー? ギターやベースと違って、持ち歩くのがめちゃくちゃ大変、で……っ」
有咲「……は?」
49: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 19:09:51.20 ID:VvgLIHQQ(22/25)調 AAS
有咲「……」
たえ「よいしょ、よいしょ…」
沙綾「お、おじゃましまーす」
有咲「…………」
たえ「よし、とうちゃーく!」
沙綾「ふはぁー、疲れたー」
香澄「おたえー! 沙綾ー!」
りみ「運んできたのって、もしかしてドラム……?」
たえ「そうだよ」
香澄「へー、すごいすごい! 見せて見せて!」
りみ「わ、私もっ、見たい…」
沙綾「ふっふっふ……それではご要望にお応えして」
沙綾「じゃーんっ! 星形のドラムこと、ランダムスタードラムバージョン!」
たえ、香澄「「変態だ」」
51: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 19:23:05.86 ID:VvgLIHQQ(23/25)調 AAS
りみ「星形のドラム……初めて見た……」
香澄「すごいすごーいっ! 全部のパーツが星の形してるー! かわいいー!」
沙綾「でしょー? 手に入れるのにすんごい苦労したんだよねー」
たえ「変態だ…」
有咲「…って、なに勝手に場所占領してんだぁーっ!! 許可した覚えないんですけどー!?」
沙綾「で、ですよねー……? おたえ、やっぱ有咲怒ってるじゃん」
たえ「有咲が怒ってるのはいつものこと」
沙綾「あ、そっか……って違う違う」
有咲「こ、こんなガシャガシャした奴をうちで面倒みるなんか有り得ねぇっつーのっ!」
香澄「でもチャラチャラした奴より良くない?」
たえ「ガシャガシャした奴……ガシャ男だ」
りみ「あ、有咲ちゃんはチャラチャラした人の方が好きだったり……?」
有咲「んな話、誰もしてねぇーっ!!」
香澄「まぁまぁ有咲。ほら、星形だよー? かわいいよー?」
有咲「全然可愛くねぇっつーの! 星形とかセンス無さすぎっ!」
沙綾「……」
ガーン
有咲「あっ、いや、今のは、その……」
52: (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 19:35:34.51 ID:VvgLIHQQ(24/25)調 AAS
有咲「……」
沙綾「……」
有咲「う、嘘です……ごめんなさい」
たえ「有咲、ガシャ男をここに置いてあげて」
有咲「ガシャ男って……いや、でも、こんなでかいの」
香澄「有咲のキーボードどかせば?」
有咲「ざけんなぁー! それじゃ私が弾けなくなるじゃ……はっ!」
りみ「よかったぁ。有咲ちゃん実はやる気あるんだぁ」
有咲「い、いやっ、今のは無しっ…! ノーカンだからっ!」
香澄「ほほぉ…」
ニヤニヤ
りみ「へぇ…」
ニヤニヤ
有咲「変な顔でこっち見んなぁー!」
たえ「キーボードはこっちにちょっとずらして……ガシャ男はその空いたスペースに……よいしょ、っと」
たえ「できた!」
沙綾「おー、こうして並べると見映えするねー」
有咲「はぁ……もう勝手にして」
53(1): (茸)@無断転載は禁止 2017/02/19(日) 19:42:23.17 ID:VvgLIHQQ(25/25)調 AAS
立てる板をうっかり間違えてました
ごめんなさい
用事入ったのでまた後ほど
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