[過去ﾛｸﾞ] 【恨J民】ぬぅぬさん 1体目【Doll Lover】 (1002ﾚｽ)
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827: 2020/09/14(月) 02:29:34.69 ID:jaLTevYL(460/529)調 AAS
このままじゃ、ミサが溺れ死ぬ。なんとかして助けねぇと。
828: 2020/09/14(月) 02:29:52.71 ID:jaLTevYL(461/529)調 AAS
オレはホバーボードの上で、川の水の冷たさに震えていた。
829: 2020/09/14(月) 02:30:10.67 ID:jaLTevYL(462/529)調 AAS
不味いな、体温が奪われてる。
830: 2020/09/14(月) 02:30:28.12 ID:jaLTevYL(463/529)調 AAS
オレがホバーボードから離れたら、オレまで溺れてしまう。
831: 2020/09/14(月) 02:30:46.64 ID:jaLTevYL(464/529)調 AAS
オレはミサから目を離さない。
832: 2020/09/14(月) 02:31:11.20 ID:jaLTevYL(465/529)調 AAS
ミサの数メートル先に、大きな尖がった岩が川から突き出している。
833: 2020/09/14(月) 02:31:26.48 ID:jaLTevYL(466/529)調 AAS
待てよ。ミサがあの岩に引っかかってくれれば、なんとかなりそうだ。
834: 2020/09/14(月) 02:31:43.85 ID:jaLTevYL(467/529)調 AAS
オレは震える手で川の水を手で必死に漕ぎながら、ミサの後ろに位置を調整する。
835: 2020/09/14(月) 02:32:04.01 ID:jaLTevYL(468/529)調 AAS
やがて、ミサは大きな岩に引っかかり、ミサの身体はうつ伏せのまま浮いている。
836: 2020/09/14(月) 02:32:23.79 ID:jaLTevYL(469/529)調 AAS
少ししてオレはミサに追いついた。
837: 2020/09/14(月) 02:32:43.28 ID:jaLTevYL(470/529)調 AAS
岩の周りは幸いにも浅瀬せで、川の流れも遅く、オレの腰くらいまで水の高さがある。
838: 2020/09/14(月) 02:33:03.03 ID:jaLTevYL(471/529)調 AAS
「ミサ、しっかりしろ！」
839: 2020/09/14(月) 02:33:23.28 ID:jaLTevYL(472/529)調 AAS
オレはミサを支えて肩に担ぎ、川底に足を取られよろけながら、オレはミサをホバーボードの上に載せる。
840: 2020/09/14(月) 02:33:42.00 ID:jaLTevYL(473/529)調 AAS
ミサの生死が気になって、オレは横になったミサの胸に耳を当てる。
841: 2020/09/14(月) 02:34:01.53 ID:jaLTevYL(474/529)調 AAS
鼓動どころか何の音も聞こえない。聞こえるのは自分の鼓動と川の流れる音だけ。
842: 2020/09/14(月) 02:34:22.67 ID:jaLTevYL(475/529)調 AAS
オレはミサの胸から耳を離し、もう一度ミサの胸に耳を当てる。
843: 2020/09/14(月) 02:34:42.96 ID:jaLTevYL(476/529)調 AAS
やっぱり、何も聞こえない。オレはミサの胸から耳を離し、絶望に駆られ俯く。
844: 2020/09/14(月) 02:35:03.27 ID:jaLTevYL(477/529)調 AAS
「おい、ミサ。嘘だろ……」
845: 2020/09/14(月) 02:35:23.35 ID:jaLTevYL(478/529)調 AAS
オレは顔を上げて、ミサの身体を必死に両手で揺らす。
846: 2020/09/14(月) 02:35:44.08 ID:jaLTevYL(479/529)調 AAS
ミサは人形の様にぐったりして横になったまま動かない。
847: 2020/09/14(月) 02:36:04.27 ID:jaLTevYL(480/529)調 AAS
ホバーボードからミサの腕が垂れて、ミサの手が川の水に落ちている。
848: 2020/09/14(月) 02:36:23.28 ID:jaLTevYL(481/529)調 AAS
涙が滲んで、オレは手の甲で涙を拭う。
849: 2020/09/14(月) 02:36:43.53 ID:jaLTevYL(482/529)調 AAS
「くそっ！ なんでこんなことになっちまったんだよ！」
850: 2020/09/14(月) 02:37:02.78 ID:jaLTevYL(483/529)調 AAS
オレはやるせなくなり俯く、ミサの足元のホバーボード上を拳で思いっきり叩く。
851: 2020/09/14(月) 02:37:21.45 ID:jaLTevYL(484/529)調 AAS
ミサを死なせねぇ。オレは諦めない。
852: 2020/09/14(月) 02:37:39.58 ID:jaLTevYL(485/529)調 AAS
そうだ。人工呼吸だ。総合学校の授業で習ったな。
853: 2020/09/14(月) 02:37:58.02 ID:jaLTevYL(486/529)調 AAS
オレは顔を上げ、うろ覚えでミサの身体を仰向けにし、ミサの唇に自分の唇を重ねようとする。
854: 2020/09/14(月) 02:38:17.53 ID:jaLTevYL(487/529)調 AAS
ミサの白い顔を見て、オレは顔が火照る。なんでオレがミサとキスしなきゃならねぇんだ。
855: 2020/09/14(月) 02:38:35.24 ID:jaLTevYL(488/529)調 AAS
オレはミサの紫色の唇を見て躊躇い、生唾を飲み込み喉を鳴らす。
856: 2020/09/14(月) 02:38:55.31 ID:jaLTevYL(489/529)調 AAS
オレは瞼を閉じて首を横に振る。ミサ、目が覚めたらオレをぶん殴ってくれ。
857: 2020/09/14(月) 02:39:13.83 ID:jaLTevYL(490/529)調 AAS
オレは意を決し、瞼を閉じたまま、ミサとキスして人工呼吸する。
858: 2020/09/14(月) 02:39:33.64 ID:jaLTevYL(491/529)調 AAS
三秒くらいミサと濃厚なキスして、オレは恥ずかしくなり慌ててミサの唇から自分の唇を離して咳き込む。
859: 2020/09/14(月) 02:39:52.67 ID:jaLTevYL(492/529)調 AAS
これでいいのか？ オレは口許を手の甲で拭う。次は心臓マッサージだな。
860: 2020/09/14(月) 02:40:10.06 ID:jaLTevYL(493/529)調 AAS
オレはミサを心臓マッサージしようとするが、ホバーボードが不安定で揺れる。
861: 2020/09/14(月) 02:40:30.13 ID:jaLTevYL(494/529)調 AAS
ミサを心臓マッサージしようとすると、今度はホバーボードが沈んでうまくいかない
862: 2020/09/14(月) 02:40:50.18 ID:jaLTevYL(495/529)調 AAS
ここじゃダメだ。早く陸に上がらないと。なんとかならねぇのか。
863: 2020/09/14(月) 02:41:09.51 ID:jaLTevYL(496/529)調 AAS
オレはミサから顔を上げて、川岸を睨む。
864: 2020/09/14(月) 02:41:29.59 ID:jaLTevYL(497/529)調 AAS
なんとなく、オレはミサの濡れた服に目がいってしまう。
865: 2020/09/14(月) 02:41:47.00 ID:jaLTevYL(498/529)調 AAS
ミサのフレアスカートから覗く生足を見て、オレは思わず生唾を飲み込み喉を鳴らす。
866: 2020/09/14(月) 02:42:07.21 ID:jaLTevYL(499/529)調 AAS
興奮して鼻血が出そうになり、慌てて鼻を押さえてミサから視線を逸らし、気まずくなって人差指で頬を掻く。
867: 2020/09/14(月) 02:42:26.09 ID:jaLTevYL(500/529)調 AAS
人差指で頬を掻きながら、横目で瞬きして、視線を戻しつつミサを見てしまう。
868: 2020/09/14(月) 02:42:45.64 ID:jaLTevYL(501/529)調 AAS
その時、ミサの腰のホルスターに銀色のリボルバー型フックショットが挿してあるのが目に止まった。
869: 2020/09/14(月) 02:43:05.57 ID:jaLTevYL(502/529)調 AAS
銃口の下に掌サイズの球形があり、球形の中にワイヤーが収まっている。
870: 2020/09/14(月) 02:43:26.30 ID:jaLTevYL(503/529)調 AAS
引き金を引くと、三角に尖ったワイヤーの先端が銃口から飛び出す仕組みだ。
871: 2020/09/14(月) 02:43:44.54 ID:jaLTevYL(504/529)調 AAS
フックショットか。こいつで川岸に生えてる樹に刺せば、なんとかなりそうだな。
872: 2020/09/14(月) 02:44:02.66 ID:jaLTevYL(505/529)調 AAS
オレは閃いたとばかりに、掌の上で拳を叩いた。
873: 2020/09/14(月) 02:44:20.34 ID:jaLTevYL(506/529)調 AAS
オレはミサの変なところに目がいかないように瞼を閉じ、瞼を開けないように瞼に力を入れ、ミサの身体を手探りで触ってゆく。
874: 2020/09/14(月) 02:44:38.13 ID:jaLTevYL(507/529)調 AAS
その時、なにか柔らかい物に触れて、オレは思わず瞼を開けた。
875: 2020/09/14(月) 02:44:55.89 ID:jaLTevYL(508/529)調 AAS
なんだ？ そう思いながら、オレの左手がミサの胸を掴んでいた。
876: 2020/09/14(月) 02:45:13.84 ID:jaLTevYL(509/529)調 AAS
や、やべ。ミサの胸を掴んじまった。しかも小さい。
877: 2020/09/14(月) 02:45:31.86 ID:jaLTevYL(510/529)調 AAS
「ひっ」
オレは情けない悲鳴を上げて、ミサの胸から慌てて手を離す。
878: 2020/09/14(月) 02:45:51.25 ID:jaLTevYL(511/529)調 AAS
ばっちいとばかりに、オレは左手首を必死に振っている。
879: 2020/09/14(月) 02:46:10.30 ID:jaLTevYL(512/529)調 AAS
左手首を押さえて変に唸った。
880: 2020/09/14(月) 02:46:31.44 ID:jaLTevYL(513/529)調 AAS
よ、よし、気を取り直していくぞ。オレは胸を撫で下ろして深呼吸する。
881: 2020/09/14(月) 02:46:50.22 ID:jaLTevYL(514/529)調 AAS
今度は顔を片手で覆い、指の間から片目を開け、ミサの腰のホルスターに挿しているリボルバー型フックショットに手を伸ばす。
882: 2020/09/14(月) 02:47:11.18 ID:jaLTevYL(515/529)調 AAS
ミサが起きやしないかと変に気になりながらも、オレはなんとかリボルバー型フックショットを抜き取った。
883: 2020/09/14(月) 02:47:30.04 ID:jaLTevYL(516/529)調 AAS
調子に乗ったオレはリボルバー型フックショットの引き金に人差指を通してリボルバー型フックショットを回し、鼻頭を人差指で得意げに擦る。
884: 2020/09/14(月) 02:47:49.45 ID:jaLTevYL(517/529)調 AAS
なにやってんだろ、オレは。こうしている間にも、ミサがあぶねぇってのに。
885: 2020/09/14(月) 02:48:10.63 ID:jaLTevYL(518/529)調 AAS
急に虚しくなってどっと疲れが出て、オレはがっくりと肩を落とす。
886: 2020/09/14(月) 02:48:31.24 ID:jaLTevYL(519/529)調 AAS
オレは顔を上げて額を手の甲で拭い、深く息を吐いて落ち着かせた。こりゃ寿命が縮んだな。
887: 2020/09/14(月) 02:48:51.41 ID:jaLTevYL(520/529)調 AAS
何故か嫌な汗を掻いているような気がしたが、川の水と変な汗が混じっているのかわからなかった。
888: 2020/09/14(月) 02:49:10.18 ID:jaLTevYL(521/529)調 AAS
オレは腰に手を当てて、銀色のフックショットをまじまじと見つめた。
889: 2020/09/14(月) 02:49:29.36 ID:jaLTevYL(522/529)調 AAS
頼むぜ。オレは片目を瞑り、銀色のフックショットを片手で構え、川岸に生えている樹の太い幹に狙いを定める。
890: 2020/09/14(月) 02:49:47.16 ID:jaLTevYL(523/529)調 AAS
引き金を引くと、勢いよく銃口からワイヤーが飛び出し、狙い通り樹の太い幹に刺さった。
891: 2020/09/14(月) 02:50:06.79 ID:jaLTevYL(524/529)調 AAS
ワイヤーを思いっきり引っ張ってみる。大丈夫そうだ。一発でうまく幹に刺さってくれた。
892: 2020/09/14(月) 02:50:25.22 ID:jaLTevYL(525/529)調 AAS
オレはミサの脇腹に腕を通して、ホバーボードを掴む。
893: 2020/09/14(月) 02:50:44.64 ID:jaLTevYL(526/529)調 AAS
幹を睨んで、またフックショットの引き金を引き、ワイヤーをゆっくりと巻き取ってゆく。
894: 2020/09/14(月) 02:51:05.14 ID:jaLTevYL(527/529)調 AAS
ゆっくりとワイヤーが銃身に巻き取られてゆく中、川の流れが早くなり、オレは川に流されてゆく。
895: 2020/09/14(月) 02:51:22.35 ID:jaLTevYL(528/529)調 AAS
ワイヤーが伸びきってぎりぎりと嫌な音がする。不味いぞ、上手くワイヤーが刺さってなかったのか？
896: 2020/09/14(月) 02:51:40.02 ID:jaLTevYL(529/529)調 AAS
その時、ワイヤーは川の流れに耐えられなくなり、呆気なくワイヤーの先端が幹から抜ける。
897: 2020/09/14(月) 12:29:03.36 ID:RPDeUs6P(1/104)調 AAS
オレは禁断の森の奥、獣道で三匹の狼の様な魔物に追いかけられていた。
898: 2020/09/14(月) 12:29:25.69 ID:RPDeUs6P(2/104)調 AAS
オレの鼓動は高鳴り、冷や汗を背中に掻き、息を切らして魔物に振り返る。
899: 2020/09/14(月) 12:29:47.42 ID:RPDeUs6P(3/104)調 AAS
魔物は身体中から暗黒のオーラを放ち、紅く鋭い眼光に吸い込まれそうだ。
900: 2020/09/14(月) 12:30:09.58 ID:RPDeUs6P(4/104)調 AAS
魔物は荒い息を上げて低く唸り、涎を垂らしながら、鋭い牙を覗かせ吠えて走ってくる。
901: 2020/09/14(月) 12:30:30.66 ID:RPDeUs6P(5/104)調 AAS
舗装されてないので足元がかなり悪く、雨が降ったのか大小の水溜りが出来ている。
902: 2020/09/14(月) 12:30:53.76 ID:RPDeUs6P(6/104)調 AAS
オレは前を向いてないので、前方不注意で盛大に水溜りを踏んだらしく、派手な水飛沫が飛び散る。
903: 2020/09/14(月) 12:31:15.66 ID:RPDeUs6P(7/104)調 AAS
おかげでスニーカーが濡れ、靴下までも濡れて気持ち悪い。スニーカーが泥だらけだ。
904: 2020/09/14(月) 12:31:36.38 ID:RPDeUs6P(8/104)調 AAS
おまけに水溜りを踏んだせいで、足を持っていかれ危うくこけそうになる。
905: 2020/09/14(月) 12:31:58.18 ID:RPDeUs6P(9/104)調 AAS
その時、真ん中の魔物が急に立ち止り砂煙を上げる。
906: 2020/09/14(月) 12:32:19.52 ID:RPDeUs6P(10/104)調 AAS
魔物は顔を真っ直ぐ上げて遠吠えをした。
907: 2020/09/14(月) 12:32:41.16 ID:RPDeUs6P(11/104)調 AAS
あいつ何しやがった？
908: 2020/09/14(月) 12:33:03.38 ID:RPDeUs6P(12/104)調 AAS
嫌な予感がする。オレの頬に冷や汗が伝い、オレは顔を戻す。
909: 2020/09/14(月) 12:33:24.58 ID:RPDeUs6P(13/104)調 AAS
腕を必死に振って走り、小さな水溜りを飛んで避け、大きな水溜りはスニーカーや靴下が濡れるのを構わず走る。
910: 2020/09/14(月) 12:33:44.18 ID:RPDeUs6P(14/104)調 AAS
こうなりゃ、汚れる心配をしてる場合じゃねぇ。
911: 2020/09/14(月) 12:34:17.62 ID:RPDeUs6P(15/104)調 AAS
カーゴパンツの裾がずぶ濡れだが気にしない。
912: 2020/09/14(月) 12:34:38.26 ID:RPDeUs6P(16/104)調 AAS
獣道の脇では、樹の影や枝の上で紅い眼が蛍の光の様に幾つも光が点滅している。
913: 2020/09/14(月) 12:34:59.54 ID:RPDeUs6P(17/104)調 AAS
まさか、さっきの遠吠えで仲間を呼んだんじゃないだろうな。
914: 2020/09/14(月) 12:35:20.02 ID:RPDeUs6P(18/104)調 AAS
オレの悪い予感が的中するかのように、獣道の脇、樹の影からぞろぞろと狼の様な魔物が出てきた。
915: 2020/09/14(月) 12:35:41.09 ID:RPDeUs6P(19/104)調 AAS
枝の上から飛び降りる魔物。
916: 2020/09/14(月) 12:36:01.66 ID:RPDeUs6P(20/104)調 AAS
よく見ると数本の樹に、魔物か動物の爪痕があった。
917: 2020/09/14(月) 12:36:22.62 ID:RPDeUs6P(21/104)調 AAS
どの魔物も涎を垂らし、オレに鋭い牙を向けて威嚇して吠えている。
918: 2020/09/14(月) 12:36:44.61 ID:RPDeUs6P(22/104)調 AAS
腹が空いているのか、苛立ったように足を踏み鳴らし、今にも突進してきそうだ。
919: 2020/09/14(月) 12:37:05.55 ID:RPDeUs6P(23/104)調 AAS
嫌な目だぜ、どいつも同じ様な面してやがる。仲間でオレを狩るつもりか？
920: 2020/09/14(月) 12:37:26.51 ID:RPDeUs6P(24/104)調 AAS
オレはまだ十一なんだぞ。こんなとこで、魔物の餌になりたくねぇ。
921: 2020/09/14(月) 12:37:48.87 ID:RPDeUs6P(25/104)調 AAS
オレは魔物を見回しながら走り、心の中で愚痴を吐く。
922: 2020/09/14(月) 12:38:10.52 ID:RPDeUs6P(26/104)調 AAS
こいつら襲ってこないのか？
923: 2020/09/14(月) 12:38:33.21 ID:RPDeUs6P(27/104)調 AAS
その時、オレは獣道に転がっていた小石につまずき、片足が派手に上がる。
924: 2020/09/14(月) 12:38:54.56 ID:RPDeUs6P(28/104)調 AAS
「どわっ」
オレは間抜けな声を出してしまった。
925: 2020/09/14(月) 12:39:15.57 ID:RPDeUs6P(29/104)調 AAS
オレの身体がぬかるんだ地面に倒れそうになる。
926: 2020/09/14(月) 12:39:36.85 ID:RPDeUs6P(30/104)調 AAS
その時、オレの左隣を走っていた幼馴染のネロが右手を伸ばしてオレの胸を支えてくれる。
927: 2020/09/14(月) 12:39:58.08 ID:RPDeUs6P(31/104)調 AAS
ネロは黒いハットを斜めに被り、整った目鼻立ちで黒縁メガネ。左耳にピアス。
928: 2020/09/14(月) 12:40:19.64 ID:RPDeUs6P(32/104)調 AAS
服は白いシャツに黒いジャケットを羽織り、左手の小指と中指に指輪を嵌め、右手首にブレスレット。下はデニムパンツにスニーカーを履いている。
929: 2020/09/14(月) 12:40:40.45 ID:RPDeUs6P(33/104)調 AAS
ネロはモデル並みの美形で女の子は黙っていない。
930: 2020/09/14(月) 12:41:03.47 ID:RPDeUs6P(34/104)調 AAS
幼馴染のミサでさえ、ネロを独り占めにしている。
931: 2020/09/14(月) 12:41:25.46 ID:RPDeUs6P(35/104)調 AAS
ネロのハットとジャケットは砂埃で汚れ、指輪とブレスレットに小さな泥が付いている。
932: 2020/09/14(月) 12:41:47.76 ID:RPDeUs6P(36/104)調 AAS
「わりぃな」
オレは頭の後ろを掻いた。
933: 2020/09/14(月) 12:42:08.76 ID:RPDeUs6P(37/104)調 AAS
ネロはオレの胸からそっと手を離し、その場から一歩も動かず魔物を窺い辺りを見回している。
934: 2020/09/14(月) 12:42:30.02 ID:RPDeUs6P(38/104)調 AAS
ネロは何やらデジタル腕時計のボタンを弄り、黒縁メガネのレンズに魔物の３D立体映像が表示された。
935: 2020/09/14(月) 12:42:50.78 ID:RPDeUs6P(39/104)調 AAS
３D立体映像表示された魔物は回転して、何やら数秒後に黒いシルエットに変わり赤く点滅している。
936: 2020/09/14(月) 12:43:11.60 ID:RPDeUs6P(40/104)調 AAS
オレは頭の後ろで手を組んで、ネロの様子を黙って見ていた。
937: 2020/09/14(月) 12:43:33.17 ID:RPDeUs6P(41/104)調 AAS
ネロは首を横に振る。
938: 2020/09/14(月) 12:43:55.52 ID:RPDeUs6P(42/104)調 AAS
「ダメだ。こいつらの正体がわからない」
939: 2020/09/14(月) 12:44:16.20 ID:RPDeUs6P(43/104)調 AAS
ネロはオレに振り向いて簡潔に答えた。
940: 2020/09/14(月) 12:44:36.18 ID:RPDeUs6P(44/104)調 AAS
オレは舌打ちして、斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかける。
941: 2020/09/14(月) 12:44:58.34 ID:RPDeUs6P(45/104)調 AAS
戦おうとするオレにネロは手で制する。
942: 2020/09/14(月) 12:45:20.07 ID:RPDeUs6P(46/104)調 AAS
「よせ。下手に動いて奴らを刺激するな。ミサの援護を待とう」
943: 2020/09/14(月) 12:45:40.40 ID:RPDeUs6P(47/104)調 AAS
ネロは掌をオレに向けて、オレに警告する。
944: 2020/09/14(月) 12:46:02.29 ID:RPDeUs6P(48/104)調 AAS
「わかってる。ミサはホバーボードでのんびり観光してるんじゃねぇのか？ ミサを待ってられるかっ」
945: 2020/09/14(月) 12:46:23.75 ID:RPDeUs6P(49/104)調 AAS
オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま。
946: 2020/09/14(月) 12:46:45.07 ID:RPDeUs6P(50/104)調 AAS
魔物に警戒しながら、魔物を刺激しないように体制を低くし、慎重に動きながら辺りを見回す。
947: 2020/09/14(月) 12:47:06.62 ID:RPDeUs6P(51/104)調 AAS
こいつら、オレが小石につまずいた隙にオレたちを囲いやがった。
948: 2020/09/14(月) 12:47:27.07 ID:RPDeUs6P(52/104)調 AAS
オレたちを囲んだ魔物は、すぐに襲おうとはせず遠くでオラたちの様子を窺っている。
949: 2020/09/14(月) 12:47:46.81 ID:RPDeUs6P(53/104)調 AAS
オレは後退るうちにネロの背中とぶつかり、ネロと背中合わせになる。
950: 2020/09/14(月) 12:48:07.74 ID:RPDeUs6P(54/104)調 AAS
オレは深呼吸して落ち着きを取り戻し、姿勢を正してネロに振り向く。
951: 2020/09/14(月) 12:48:32.36 ID:RPDeUs6P(55/104)調 AAS
「こいつらなんなんだ？ アルガスタに魔物がいるなんて聞いたことねぇぞ」
952: 2020/09/14(月) 12:48:55.09 ID:RPDeUs6P(56/104)調 AAS
オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま、ネロに訊く。
953: 2020/09/14(月) 12:49:15.83 ID:RPDeUs6P(57/104)調 AAS
ネロは瞼を閉じて、肩を竦めて首を横に振る。
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