[過去ログ] 【恨J民】ぬぅぬさん 1体目【Doll Lover】 (1002レス)
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680: 2020/09/14(月) 01:43:08.31 ID:jaLTevYL(313/529)調 AAS
 またこの魔法か、嫌な思い出しかないぜ。オレは顔をしかめ、心で愚痴を零す。
681: 2020/09/14(月) 01:43:29.05 ID:jaLTevYL(314/529)調 AAS
 オレはオートマチック銃を腰のホルスターに挿した。
682: 2020/09/14(月) 01:43:49.25 ID:jaLTevYL(315/529)調 AAS
 オレは胡坐をかいて、太ももに掌を突く。
683: 2020/09/14(月) 01:44:08.97 ID:jaLTevYL(316/529)調 AAS
「また手抜きじゃねえだろうな!」
684: 2020/09/14(月) 01:44:29.14 ID:jaLTevYL(317/529)調 AAS
 ミサを睨んで拳を振り上げる。
685: 2020/09/14(月) 01:44:48.94 ID:jaLTevYL(318/529)調 AAS
 ミサが鬱陶しそうに髪を掻き上げ、ホバーボードを飛ばしてオレのジャンボシャボン玉に近づいてくる。
686: 2020/09/14(月) 01:45:09.67 ID:jaLTevYL(319/529)調 AAS
「即席のウォーターボールよ。文句言わないでよ ! あたしの魔力、そんなにないんだから!」
687: 2020/09/14(月) 01:45:28.70 ID:jaLTevYL(320/529)調 AAS
 ミサがジャンボシャボン玉の中に手を突っ込んで、オレに手を伸ばす。
688: 2020/09/14(月) 01:45:48.52 ID:jaLTevYL(321/529)調 AAS
「いつまで持つかわからないわよ? また落っこちたい?」と、ミサは顔をしかめて冷たく言い放つ。
689: 2020/09/14(月) 01:46:10.04 ID:jaLTevYL(322/529)調 AAS
 自分の手を早く掴めと言わんばかりに、シャボン玉の中に突っ込んだ手の指をひらひらと動かす。
690: 2020/09/14(月) 01:46:29.83 ID:jaLTevYL(323/529)調 AAS
 魔法が使えないオレはミサの態度に苛立ち、頭の後ろで手を組む。
691: 2020/09/14(月) 01:46:48.35 ID:jaLTevYL(324/529)調 AAS
「おせえんだよ。待たせやがって」
692: 2020/09/14(月) 01:47:08.80 ID:jaLTevYL(325/529)調 AAS
 オレは舌打ちしてから、一安心してため息を零し、仕方なく嫌々ミサに手を伸ばす。
693: 2020/09/14(月) 01:47:26.10 ID:jaLTevYL(326/529)調 AAS
 オレがミサの手を掴んだ瞬間、ジャンボシャボン玉が勢いよく弾けた。
694: 2020/09/14(月) 01:47:45.30 ID:jaLTevYL(327/529)調 AAS
 ミサはオレの手を掴んだままため息を零す。
695: 2020/09/14(月) 01:48:04.32 ID:jaLTevYL(328/529)調 AAS
「やっと掴んだわよ。邪薩が入ったけど、まあいいわ……」
696: 2020/09/14(月) 01:48:25.10 ID:jaLTevYL(329/529)調 AAS
 やれやれという感じで、ミサは瞼を閉じで肩を疎めて首を横に振る。
697: 2020/09/14(月) 01:48:41.68 ID:jaLTevYL(330/529)調 AAS
 オレはミサに親指を突き出した。
698: 2020/09/14(月) 01:49:00.50 ID:jaLTevYL(331/529)調 AAS
「オレはミサを信じてたぜ。一時は諦めたけどな」
699: 2020/09/14(月) 01:49:19.05 ID:jaLTevYL(332/529)調 AAS
 歯を見せて、オレはミサに笑いかける。
700: 2020/09/14(月) 01:49:37.53 ID:jaLTevYL(333/529)調 AAS
 ミサは顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにオレから顔を背けた。
701: 2020/09/14(月) 01:49:56.73 ID:jaLTevYL(334/529)調 AAS
「べ、別にっ。ま、まあ、幼馴染だし? ネロに言われたし? それにしても、危機一髪だったわね」
702: 2020/09/14(月) 01:50:16.26 ID:jaLTevYL(335/529)調 AAS
 ミサはオレから顔を背けたまま、額の汗を手の甲で拭う。
703: 2020/09/14(月) 01:50:36.17 ID:jaLTevYL(336/529)調 AAS
ミサの汗の粒が風に飛ばされて、オレの頬に張り付く。
704: 2020/09/14(月) 01:50:58.14 ID:jaLTevYL(337/529)調 AAS
「オレを殺す気かよ。ったく」
705: 2020/09/14(月) 01:51:19.93 ID:jaLTevYL(338/529)調 AAS
 オレは眉根を寄せてミサを睨み、俯いてため息を零す。
706: 2020/09/14(月) 01:51:38.47 ID:jaLTevYL(339/529)調 AAS
 雲を抜け、雲の間から足元に広がる景色に息を呑んだ。
707: 2020/09/14(月) 01:51:56.83 ID:jaLTevYL(340/529)調 AAS
 ネロの奴、今頃なにしてんだか。
708: 2020/09/14(月) 01:52:16.53 ID:jaLTevYL(341/529)調 AAS
「ねえ、ネロのこと考えてるの? ネロのことなら心配ないわよ? 後で合流しようって言ってたし。それに、ネロのハイテク装備もあることだし。なにも心配することないわよ」
709: 2020/09/14(月) 01:52:36.21 ID:jaLTevYL(342/529)調 AAS
 ミサはオレが考えていることを、さらりとロにした。
710: 2020/09/14(月) 01:52:53.72 ID:jaLTevYL(343/529)調 AAS
 やっぱ、ミサはオレの幼馴染だな。オレはミサの顔を見て微笑む。
711: 2020/09/14(月) 01:53:13.16 ID:jaLTevYL(344/529)調 AAS
「そうか、ならいいんだ。ミサを巻き込んで悪かったな。お前、ネロと一緒に王都ガランに行くつもりだったんだろ?」
712: 2020/09/14(月) 01:53:32.34 ID:jaLTevYL(345/529)調 AAS
 オレはミサのことはお見通しという感じで、ミサに歯を見せて笑った。
713: 2020/09/14(月) 01:53:52.79 ID:jaLTevYL(346/529)調 AAS
 ミサは皮肉たっぷり込めて瞼を閉じて舌を出す。
714: 2020/09/14(月) 01:54:12.57 ID:jaLTevYL(347/529)調 AAS
「そうよ。あんたを放って、王都ガランでネロとデートしようと思ってたのに。デート当日になって、あんたが待ち合わせ場所に来て、禁断の森に行こうとか言い出すし。ほんと信じれない。せっかくお洒落してきたのに。おかげでデートが台無しよ。まさかネロがあたしとのデートをあんたに言ったとはねぇ、迂闊だったわ」
715: 2020/09/14(月) 01:54:31.24 ID:jaLTevYL(348/529)調 AAS
 ミサはネロが信じられないという様に、また瞼を閉じて首を横に振る。
716: 2020/09/14(月) 01:54:48.41 ID:jaLTevYL(349/529)調 AAS
 オレはミサの顔を見て、生唾を飲み込み喉を鳴らす。
717: 2020/09/14(月) 01:55:09.51 ID:jaLTevYL(350/529)調 AAS
 ミサにネロのこと言うべきか、オレは迷った。
718: 2020/09/14(月) 01:55:28.24 ID:jaLTevYL(351/529)調 AAS
「ミサ。ネロはお前のこと……」
719: 2020/09/14(月) 01:55:46.76 ID:jaLTevYL(352/529)調 AAS
 言いかけて、オレは言葉を呑んだ。
720: 2020/09/14(月) 01:56:08.43 ID:jaLTevYL(353/529)調 AAS
 ネロは、お前のこと幼馴染だと思ってる。
721: 2020/09/14(月) 01:56:26.06 ID:jaLTevYL(354/529)調 AAS
 オレは拳を握り締め、俯いて瞼を閉じて首を横に振る。
722: 2020/09/14(月) 01:56:43.50 ID:jaLTevYL(355/529)調 AAS
 ミサはデートのこと根に持ってるのか、ミサの盛大なため息が聞こえる。
723: 2020/09/14(月) 01:57:02.78 ID:jaLTevYL(356/529)調 AAS
「ネロがどうした? なによ、気になるじゃない」
724: 2020/09/14(月) 01:57:20.38 ID:jaLTevYL(357/529)調 AAS
 ミサの興味津々な声が降ってくる。
725: 2020/09/14(月) 01:57:38.57 ID:jaLTevYL(358/529)調 AAS
 オレは俯いたまま、ゆっくりと瞼を開ける。
726: 2020/09/14(月) 01:57:56.62 ID:jaLTevYL(359/529)調 AAS
「なんでもねえよ」
727: 2020/09/14(月) 01:58:14.65 ID:jaLTevYL(360/529)調 AAS
 オレは小さく呟き、握り拳に力を入れて拳が震えた。
728: 2020/09/14(月) 01:58:34.03 ID:jaLTevYL(361/529)調 AAS
 そのまま、ミサと顔を合わせるのが嫌でオレは俯いたまま。
729: 2020/09/14(月) 01:58:51.30 ID:jaLTevYL(362/529)調 AAS
 急にミサが洟をすすって泣いた。
730: 2020/09/14(月) 01:59:09.85 ID:jaLTevYL(363/529)調 AAS
「少しはあたしの恋に協力してくれてもいいじゃない。カイトのバカッ」
731: 2020/09/14(月) 01:59:27.07 ID:jaLTevYL(364/529)調 AAS
 ミサが小声でぼそりと呟く。
732: 2020/09/14(月) 01:59:47.28 ID:jaLTevYL(365/529)調 AAS
 オレは聞こえないふりをした。
733: 2020/09/14(月) 02:00:05.69 ID:jaLTevYL(366/529)調 AAS
 その後、気まずい空気が流れ、オレとミサは黙ったままだった。
734: 2020/09/14(月) 02:00:24.53 ID:jaLTevYL(367/529)調 AAS
 その時、ミサのホバーボードのマフラーから空 気が抜けた様な嫌な音を立てた。
735: 2020/09/14(月) 02:00:41.78 ID:jaLTevYL(368/529)調 AAS
「!? な、なんだ!?」
736: 2020/09/14(月) 02:01:00.28 ID:jaLTevYL(369/529)調 AAS
 オレは驚いて顔を上げる。
737: 2020/09/14(月) 02:01:18.53 ID:jaLTevYL(370/529)調 AAS
 ホバーボードのファンの回転が弱くなる音が聞こえる。
738: 2020/09/14(月) 02:01:36.35 ID:jaLTevYL(371/529)調 AAS
「ね、燃料が切れかかってる!? こんな時に! ?」
739: 2020/09/14(月) 02:01:54.61 ID:jaLTevYL(372/529)調 AAS
 ミサがホバーボードの上でバランスを崩すと同時に、ミサは背中のマントを開き滑空する。
740: 2020/09/14(月) 02:02:14.04 ID:jaLTevYL(373/529)調 AAS
 ミサの足からホバーボードが離れ、オレは咄嗟 に片方の手でホバーボードを掴む。
741: 2020/09/14(月) 02:02:33.86 ID:jaLTevYL(374/529)調 AAS
 ホバーボードの重さにオレは顔をしかめる。
742: 2020/09/14(月) 02:02:52.09 ID:jaLTevYL(375/529)調 AAS
「今度は燃料が足りねえのか。災難続きだな。にしても、このホバーボード重いぞ」
743: 2020/09/14(月) 02:03:09.82 ID:jaLTevYL(376/529)調 AAS
 オレはホバーボードを憎たらしく見つめる。機械の塊が生意気だな。
744: 2020/09/14(月) 02:03:29.80 ID:jaLTevYL(377/529)調 AAS
 このホバーボード、何かの役に立つかも知れないからな。
745: 2020/09/14(月) 02:03:49.24 ID:jaLTevYL(378/529)調 AAS
 ミサは両手でしっかりとオレの手を掴んでいる。
746: 2020/09/14(月) 02:04:06.89 ID:jaLTevYL(379/529)調 AAS
 マントを広げたミサは風に任せて、オレたちはゆっくりと優雅に飛んでゆく。
747: 2020/09/14(月) 02:04:24.17 ID:jaLTevYL(380/529)調 AAS
 ミサがため息を零すのが聞こえ、オレはミサを見上げた。
748: 2020/09/14(月) 02:04:42.49 ID:jaLTevYL(381/529)調 AAS
 お前、ため息が多いな。そんなにネロとデートが出来なかったことが悔しいのかよ。
749: 2020/09/14(月) 02:05:02.24 ID:jaLTevYL(382/529)調 AAS
 なんかミサに悪いことしたな。今度、ミサの恋に協力してやるか。
750: 2020/09/14(月) 02:05:21.70 ID:jaLTevYL(383/529)調 AAS
 ミサは風で髪をなびかせて、眼下に広がる景色にうっとりして堪能していた。
751: 2020/09/14(月) 02:05:40.71 ID:jaLTevYL(384/529)調 AAS
「あーあ。思った以上に景色が綺麗で、この子の 燃料食っちゃったなあ。反省……ごめんね、ネロ」
752: 2020/09/14(月) 02:05:59.21 ID:jaLTevYL(385/529)調 AAS
 ミサはがっくりと肩を落とし、意気消沈して俯く。
753: 2020/09/14(月) 02:06:19.40 ID:jaLTevYL(386/529)調 AAS
 おいおい。お前、ホバーボードの名前がネロとか病んでるな。聞いてて寒気がする。
754: 2020/09/14(月) 02:06:38.24 ID:jaLTevYL(387/529)調 AAS
 オレはホバーボードでミサを殴ってやろうかと思ったがやめた。
755: 2020/09/14(月) 02:06:58.66 ID:jaLTevYL(388/529)調 AAS
「お前が寄り道してるせいで、オレとネロは大変だったんだからな。ちったぁ反省しやがれ」
756: 2020/09/14(月) 02:07:18.27 ID:jaLTevYL(389/529)調 AAS
 ホバーボードを掴むオレの手が怒りと重さで震えている。
757: 2020/09/14(月) 02:07:37.39 ID:jaLTevYL(390/529)調 AAS
 その時、急にミサの息が荒くなる。
758: 2020/09/14(月) 02:07:55.42 ID:jaLTevYL(391/529)調 AAS
「はあ、はあ....」
みるみるミサの顔色が悪くなり、ミサの額に汗が滲む。
759: 2020/09/14(月) 02:08:13.74 ID:jaLTevYL(392/529)調 AAS
 嫌な予感がして、オレの鼓動が高まる。
760: 2020/09/14(月) 02:08:33.11 ID:jaLTevYL(393/529)調 AAS
「お、おい。ミサ、どうしたんだよ?」
761: 2020/09/14(月) 02:08:50.22 ID:jaLTevYL(394/529)調 AAS
 オレはミサが心配で、ミサの顔を覗き込む。
762: 2020/09/14(月) 02:09:09.08 ID:jaLTevYL(395/529)調 AAS
 ミサの額は玉のように汗を掻いている。
763: 2020/09/14(月) 02:09:27.84 ID:jaLTevYL(396/529)調 AAS
 オレを掴むミサの両手が震えている。
764: 2020/09/14(月) 02:09:46.39 ID:jaLTevYL(397/529)調 AAS
 ミサはオレの顔を見て微笑んだ。
765: 2020/09/14(月) 02:10:05.39 ID:jaLTevYL(398/529)調 AAS
「ごめん、カイト。あたし、魔力を消費しちゃったみたい、 後は、お願い、ね....」
766: 2020/09/14(月) 02:10:23.56 ID:jaLTevYL(399/529)調 AAS
 ミサは気絶して身体から力が抜け、ミサが落ちてゆく。
767: 2020/09/14(月) 02:10:42.71 ID:jaLTevYL(400/529)調 AAS
 ミサはオレを掴んだまま落下する。
768: 2020/09/14(月) 02:11:00.20 ID:jaLTevYL(401/529)調 AAS
 オレはミサの体重に引っ張られる。
769: 2020/09/14(月) 02:11:18.08 ID:jaLTevYL(402/529)調 AAS
「ぐっ」
オレはミサの手をしっかりと片手で掴む。
770: 2020/09/14(月) 02:11:36.94 ID:jaLTevYL(403/529)調 AAS
 ホバーボードを掴んでいる手を、ホバーボードを持ち上げて脇に挟み、ミサの手を両手で掴む。
771: 2020/09/14(月) 02:11:54.79 ID:jaLTevYL(404/529)調 AAS
「ミサっ!?」
オレは歯を食いしばって力を入れた。
772: 2020/09/14(月) 02:12:13.47 ID:jaLTevYL(405/529)調 AAS
 ぜってえ離さねえ。無理しやがって。
773: 2020/09/14(月) 02:12:32.06 ID:jaLTevYL(406/529)調 AAS
 ミサのパワーグローブのおかげで、ミサの体重をそんなに感じない。
774: 2020/09/14(月) 02:12:51.24 ID:jaLTevYL(407/529)調 AAS
 風の抵抗を受けながら、大地が近づいてくる。
775: 2020/09/14(月) 02:13:10.68 ID:jaLTevYL(408/529)調 AAS
 幸いにも、下に大きな川が流れているのが小さく見える。
776: 2020/09/14(月) 02:13:29.46 ID:jaLTevYL(409/529)調 AAS
 うまくいけば助かるかもな。川に落ちたとしても、川の深さがわからねえ。
777: 2020/09/14(月) 02:13:47.57 ID:jaLTevYL(410/529)調 AAS
 川に飛び込んだ衝撃で、怪我どころじゃねぇな。
778: 2020/09/14(月) 02:14:05.62 ID:jaLTevYL(411/529)調 AAS
 下手すりゃ溺れて、オレとミサはお陀仏だ。
779: 2020/09/14(月) 02:14:23.58 ID:jaLTevYL(412/529)調 AAS
 どうする。考えろ。
780: 2020/09/14(月) 02:14:42.83 ID:jaLTevYL(413/529)調 AAS
オレは瞼を閉じて首を横に振る。
781: 2020/09/14(月) 02:15:00.22 ID:jaLTevYL(414/529)調 AAS
 やっぱ、頼みはこいつだな。
782: 2020/09/14(月) 02:15:20.36 ID:jaLTevYL(415/529)調 AAS
 オレは脇に挟んだホバーボードに目を落とし、ミサを掴む手に力を入れる。
783: 2020/09/14(月) 02:15:37.54 ID:jaLTevYL(416/529)調 AAS
 ウォーターボールの魔力がまだ効いているのか、オレの身体は浮いていた。
784: 2020/09/14(月) 02:15:56.11 ID:jaLTevYL(417/529)調 AAS
 ミサのパワーグローブから、ミサの魔力が伝わってくるのかもな。
785: 2020/09/14(月) 02:16:13.93 ID:jaLTevYL(418/529)調 AAS
 もしかして、オレがミサの魔力を吸い取ってるのか?
786: 2020/09/14(月) 02:16:33.59 ID:jaLTevYL(419/529)調 AAS
 オレは瞼を閉じて首を横に振った。めんどくせぇ。
787: 2020/09/14(月) 02:16:52.45 ID:jaLTevYL(420/529)調 AAS
 くそっ。オレはホバーボードの重さに耐えられず、顔をしかめ、脇と手と額にも嫌な汗を掻いている。
788: 2020/09/14(月) 02:17:14.01 ID:jaLTevYL(421/529)調 AAS
 そろそろ限界かもな。ミサも重くなってきやがった。
789: 2020/09/14(月) 02:17:33.25 ID:jaLTevYL(422/529)調 AAS
 ミサを掴む手が震え始め、脇を動かした隙に脇からホバーボードがするりと滑り落ちた。
790: 2020/09/14(月) 02:17:53.73 ID:jaLTevYL(423/529)調 AAS
 重力の勢いで、風を切り裂きながら落ちてゆくホバーボード。
791: 2020/09/14(月) 02:18:11.20 ID:jaLTevYL(424/529)調 AAS
「くそっ!」
792: 2020/09/14(月) 02:18:30.88 ID:jaLTevYL(425/529)調 AAS
 回転しながら落ちてゆくホバーボードに、オレはミサの手から片手を離して、ホバーボードに手を伸ばす。
793: 2020/09/14(月) 02:18:51.26 ID:jaLTevYL(426/529)調 AAS
 オレは悔しくて歯を食いしばる。ミサ、すまねぇ。お前のホバーボードを手放しちまった。
794: 2020/09/14(月) 02:19:08.36 ID:jaLTevYL(427/529)調 AAS
 オレはやるせなくなり、ホバーボードに伸ばし手を垂れて俯く。
795: 2020/09/14(月) 02:19:27.59 ID:jaLTevYL(428/529)調 AAS
 諦めるのか? そんな簡単に。ミサの大事なホバーボードなのに。
796: 2020/09/14(月) 02:19:45.49 ID:jaLTevYL(429/529)調 AAS
 ミサが好きなネロって名前のホバーボードだろ? ミサのお気に入りなんだろ?
797: 2020/09/14(月) 02:20:04.06 ID:jaLTevYL(430/529)調 AAS
 垂れた手を握り締め。瞼を閉じて首を横に振る。いや、まだ終わってねぇ。
798: 2020/09/14(月) 02:20:23.19 ID:jaLTevYL(431/529)調 AAS
 ホバーボードに燃料が少し残ってるはずだ。その可能性に賭ける。
799: 2020/09/14(月) 02:20:42.22 ID:jaLTevYL(432/529)調 AAS
 どうにかして遠隔操作すれば、ホバーボードを動かせるかもしれねぇ。
800: 2020/09/14(月) 02:20:59.84 ID:jaLTevYL(433/529)調 AAS
 小さくなってゆくホバーボードに、オレは手を伸ばす。頼む、動いてくれ。
801: 2020/09/14(月) 02:21:19.18 ID:jaLTevYL(434/529)調 AAS
 その間にも眼下に大きな川が近づいてくる。川の流れる轟音が聞こえる。
802: 2020/09/14(月) 02:21:37.18 ID:jaLTevYL(435/529)調 AAS
 ぐずぐずしてられねぇ。このポンコツが! さっさと動きやがれ!
803: 2020/09/14(月) 02:21:54.89 ID:jaLTevYL(436/529)調 AAS
 今にも川に落ちそうなホバーボードを、オレは黙って睨み据える。
804: 2020/09/14(月) 02:22:13.96 ID:jaLTevYL(437/529)調 AAS
 その時、オレの首飾りのクリスタルが眩く青白い光を放つ。
805: 2020/09/14(月) 02:22:31.69 ID:jaLTevYL(438/529)調 AAS
 オレは思わず青白い光が眩しくて、顔の前を手で遮る。何が起こった?
806: 2020/09/14(月) 02:22:50.17 ID:jaLTevYL(439/529)調 AAS
 眼下のホバーボードが川の水面に近づいた瞬間、ホバーボードが川の水面に浮く。
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