[過去ログ] 名古屋大学医学部附属病院 (219レス)
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14: 2021/06/30(水) 15:32:10.25 ID:8E3TdmQ6(1/3)調 AAS
「残基的ルール違反者が公けにレッテルを貼られる時に生じる危機のなかでは逸脱者は被暗示性が高くなり、
申しだされた狂気の役割を唯一の代替策として受け入れるかもしれない ……残基的ルール違反者が精神障害の枠組みのなかで自分の行動を組織化し、
彼の組織化が他の人びと、特に医師たちのような威信のある他者たちによって妥当化される時、彼は「ひっかけられ」て慢性的な逸脱の経歴をたどって行くであろう」(pp.88-89)
外部リンク:archive.is
15: 2021/06/30(水) 15:32:23.75 ID:8E3TdmQ6(2/3)調 AAS
精神鑑定によって、どのようなタイプの対象が出現するのでしょうか?
精神鑑定は、裁判に介入する目的として、また、刑罰の目標としてどのようなタイプの対象を裁判官に提出するのでしょうか。
先ほど紹介したテクスト−他のテクストを紹介することもできます。
私は一九五五年から一九七四年にかけての精神鑑定書をひと揃い手に入れました。
精神鑑定によって出現し、犯罪に貼りつけられ、犯罪の裏地ないし分身となるような、
そうした対象といえば一体どのようなものなのかと言えば、
それは、「心理的未成熟」、「ほとんど構造化されてない人格」、「現実に対する不的確な判断」などといった、
それら一連のテクストの中に絶え間なく見いだすことのできる諸概念です。
実際私は、以下のような表現を見つけました。すなわち、「極度の情緒不安定」、「深刻な感情の混乱」、
あるいは、「補償」、「想像上の創作」、「倒錯的な戯れ」、「ヘロストラトス症」、「アルキビアデス症」、「ドン・ファン症」、「ボヴァリスム」などです。
要するに、精神鑑定は、犯罪の心理学的かつ倫理的な分身な構成を可能にする、ということです。
つまり、精神鑑定は、法典に明記されたものとしての違反行為をそれとして認めず、
その背後に、弟あるいは妹のようにそれに似ている分身を、もはや法律が定める違反行為としてではなく、
生理学的、心理学的、ないしは道徳的ないくつかの規則からの逸脱として、出現させるのです。
ミシェル・フーコー講義集成〈5〉異常者たち (コレージュ・ド・フランス講義1974‐75) 18p.
16: 2021/06/30(水) 15:32:39.07 ID:8E3TdmQ6(3/3)調 AAS
生政治(Bio-politics)
現代社会の支配体系の特徴として、例えば政府等の国家が市民を支配する際に、単に法制度等を個人に課すだけではなく、
市民一人ひとりが心から服従するようになってきたとして、個人への支配の方法がこれまでの「政治」からひとりひとりの「生政治」にまで及ぶようになったと説明する。
これを「生政治学(Bio-politics)」という。これはフーコーの著書『監獄の誕生』の中で言及される主要な概念のひとつで、この例を示すために、「パノプティコン」の例がよく使われる。
近代国民国家の支配の方法として、法制度といったものを「外的」に制定するだけではなく、法制度を「倫理」として各個人の「内的」な意識レベルまでに浸透させるようになってきたと説明する。
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