[過去ログ] 【未経験なら】八王子あられ【未経験といえば】ぱーと2 (467レス)
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248: 2019/06/08(土) 17:10:56.90 ID:a5TqFCpg(1)調 AAS
 むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。まいにち、おじいさんは山へしば刈かりに、おばあさんは川へ洗濯せんたくに行きました。
 ある日、おばあさんが、川のそばで、せっせと洗濯せんたくをしていますと、川上かわかみから、大きな桃ももが一つ、
「ドンブラコッコ、スッコッコ。
ドンブラコッコ、スッコッコ。」
 と流ながれて来きました。
「おやおや、これはみごとな桃ももだこと。おじいさんへのおみやげに、どれどれ、うちへ持もって帰かえりましょう。」
 おばあさんは、そう言いいながら、腰こしをかがめて桃ももを取とろうとしましたが、遠とおくって手がとどきません。おばあさんはそこで、
「あっちの水みいずは、かあらいぞ。
こっちの水みいずは、ああまいぞ。
かあらい水みいずは、よけて来こい。
ああまい水みいずに、よって来こい。
 と歌うたいながら、手をたたきました。すると桃ももはまた、
「ドンブラコッコ、スッコッコ。
ドンブラコッコ、スッコッコ。」
 といいながら、おばあさんの前まえへ流ながれて来きました。おばあさんはにこにこしながら、
「早はやくおじいさんと二人ふたりで分わけて食たべましょう。」
 と言いって、桃ももをひろい上あげて、洗濯物せんたくものといっしょにたらいの中に入いれて、えっちら、おっちら、かかえておうちへ帰かえりました。
 夕方ゆうがたになってやっと、おじいさんは山からしばを背負せおって帰かえって来きました。
「おばあさん、今いま帰かえったよ。」
「おや、おじいさん、おかいんなさい。待まっていましたよ。さあ、早はやくお上あがんなさい。いいものを上あげますから。」
「それはありがたいな。何なんだね、そのいいものというのは。」
 こういいながら、おじいさんはわらじをぬいで、上に上あがりました。その間まに、おばあさんは戸棚とだなの中からさっきの桃ももを重おもそうにかかえて来きて、
「ほら、ごらんなさいこの桃ももを。」
 と言いいました。
「ほほう、これはこれは。どこからこんなみごとな桃ももを買かって来きた。」
「いいえ、買かって来きたのではありません。今日きょう川で拾ひろって来きたのですよ。」
「え、なに、川で拾ひろって来きた。それはいよいよめずらしい。」
 こうおじいさんは言いいながら、桃ももを両手りょうてにのせて、ためつ、すがめつ、ながめていますと、だしぬけに、桃ももはぽんと中から二つに割われて、
「おぎゃあ、おぎゃあ。」
 と勇いさましいうぶ声こえを上あげながら、かわいらしい赤あかさんが元気げんきよくとび出だしました。
「おやおや、まあ。」
 おじいさんも、おばあさんも、びっくりして、二人ふたりいっしょに声こえを立たてました。
「まあまあ、わたしたちが、へいぜい、どうかして子供こどもが一人ひとりほしい、ほしいと言いっていたものだから、きっと神かみさまがこの子をさずけて下くださったにちがいない。」
 おじいさんも、おばあさんも、うれしがって、こう言いいました。
 そこであわてておじいさんがお湯ゆをわかすやら、おばあさんがむつきをそろえるやら、大おおさわぎをして、赤あかさんを抱だき上あげて、うぶ湯ゆをつかわせました。するといきなり、
「うん。」
 と言いいながら、赤あかさんは抱だいているおばあさんの手をはねのけました。
「おやおや、何なんという元気げんきのいい子だろう。」
 おじいさんとおばあさんは、こう言いって顔かおを見合みあわせながら、「あッは、あッは。」とおもしろそうに笑わらいました。
 そして桃ももの中から生うまれた子だというので、この子に桃太郎ももたろうという名なをつけました。
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