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【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ10 (764レス)
【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ10 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1400427549/
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141: 139 [sage] 2014/05/20(火) 23:27:53.31 ID:FIAR9bk5 2 子の刻。夜の重たい静けさを裂く、賑やかな談笑の声があった。間引きに付けられた蛍光灯が廊下を薄暗く照らす中、唯一食堂だけ は真昼と思えるほどの目映さを放つ。 限定海域攻略完了の祝いとして開かれたこの酒宴は、その姦しさの峠も越え、ぽつぽつと自室へ帰る者の姿も現れだした頃合である。 こと駆逐艦の大半はその姿を消していたのだが、唯一浜風だけは提督の隣に座り続けており、その雰囲気たるや沈欝の極みであった。 彼女は視線を虚空に固定しながら冷えたグラスに唇を当て、中のモスコミュールを舐めるように飲んでいた。他方、提督は思い出し たように声を掛けるが、どれも無視をされるか一言相槌を打たれるばかり。酔いも回りだした頃には何やら無性に苛立ちが募り、日本 酒を手酌してはその感情を無理やり腹底へ下している。 壁掛けの時計を眇め見つつ、提督はとうとう痺れを切らすと、 「僕はもう寝るけど……」 と言った。引き止めて欲しかった訳でもなく、ただ報告しておこうというような心緒である。最後に口を開いてから既に一刻は過ぎ ており、ざらついた喉が不快な音を発した風だった。 「そうですか」 果たして浜風の反応も平坦の極み、清閑な湖の水面が如く起伏の一端もありはしない。提督は憮然と立ち上がると、早足にその場を 後にした。 彼の背中を眺め、浜風の心内には猛然と湧き出すわだかまりがあった。悲観の憤怒と諦観の絶望とが、体に巡るアルコールの熱に火 をつけたようだった。上ずった気が何が何やら分からない内に涙となって溢れ、堪え切れなかった幾らかの嗚咽がしゃっくりのように 零れ出す。噛み締めた下唇は真っ白に、濡れる眼は真っ赤になった。 競り上がろうとする嗚咽を何とか飲み込んでいると、力の込もる拳や肩が独りでに震えだす。それが厭に無様に思われて、恥辱の涙 をも混ざりだした。浜風はグラスの残りを一気に呷り、うずくまる様に下を向いた。 どれほどか時が過ぎ、涙は留まる事を知らないが呼吸は落ち着いてきた頃合、隣に腰掛ける艦娘がいた。右手には冷酒の徳利とお猪 口が二口、左手には荒く千切られたキャベツ盛り。唯でさえ露出の多い服を更に乱しながら、武蔵は朗らかな笑顔で席についた。 「浜風よ。貴様、まだこういうのは知ら無いだろう。まぁ飲め」 差し出したおちょこに並々と透明の雫を注ぎ入れ、彼女は開口一番にそう言った。体中の元気がごっそりと消え去っていた浜風にと って、その絡み方は何とも煩わしいものであったのだが、わざわざ遠慮すると言うのもそれはそれで面倒くさく思われ、逡巡の後に結 局は渋々、その小さな器に口をつけた。 焼かれたのかと思えるほどの膨大な熱が、一気に胃の底へと駆け下りた。切羽詰った浮遊感が呼吸を乱し、しかし不快な感触ではな い。目の覚める強烈な苦味が舌の上で踊り続け、それは刺青のようにずっと刻まれたままであるようだった。 形容するならば、多幸感である。忘却の彼方へ打ち捨てられていた胸の温かみが、じんわりと体に広がってゆく。たちどころに良く なる機嫌をどこか不気味にも感じながら、しかし気持ちのいいことに変わりは無い。悲観や苛立ちは流され出て行き、唯一残った負の 感情は、してやられたという悔しさだけである。得意げな顔つきの武蔵を恨めしく見ながら、彼女は杯を置いた。 「もっとください」 そうして、待ってましたと言わんばかりに、徳利は傾けられたのだった。 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1400427549/141
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