[過去ログ] 罪を犯した少女の小説 (487レス)
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1: 2010/10/27(水) 19:38:19 ID:vimLBMW3(1)調 AAS
万引き、いじめ、殺人など罪を犯してしまった少女のSSスレです。
塀の中の囚人少女、外での償いの話などオリジナル・版権問わず進めていきましょう。
2
(1): 2010/10/29(金) 04:27:08 ID:TY8yNGXz(1)調 AAS
ぬるぽを犯した少女の小説
3: sage 2010/10/29(金) 21:54:13 ID:NTD5C9Ps(1)調 AAS
>>2
ガッ!!
4
(1): 2010/10/29(金) 22:29:24 ID:o2GyYXFX(1)調 AAS
いじめっ子の少女といじめられっ子の少年がとある出来事をきっかけに
恋心が芽生えてゆくシチュエーションなんて良いね
5: 2010/10/29(金) 22:46:50 ID:wtqXdJDV(1)調 AAS
パンを踏もうか
6: 2010/10/30(土) 00:41:45 ID:aU4Jmyfz(1)調 AAS
パンを踏んで沼に沈んだ後の描写がエロいと思う
7: 2010/10/30(土) 08:52:32 ID:gazRVeYd(1)調 AAS
「パン 踏む」でググッたらゴスロリ少女に踏みつけられる動画がヒットしたんだが
8: 2010/10/30(土) 15:41:38 ID:ztLRGldH(1)調 AAS
殺人犯桂言葉の刑務所生活ですね。
9
(1): 2010/10/30(土) 18:00:00 ID:AMw5wumx(1)調 AAS
不可抗力で罪を犯した少女が罪の意識で自らを追い込む姿って萌えるよね
10: 2010/10/30(土) 22:30:07 ID:PqRYYfN9(1)調 AAS
>>4>>9
不良少女が実刑の代わりに被害者に仕えるのですね。
11: 2010/11/02(火) 23:50:25 ID:P0nYFIVp(1)調 AAS
自転車事故の謝罪かな
12: 2010/11/04(木) 03:04:33 ID:dBWjxOdm(1/2)調 AAS
スレタイ見た瞬間になんかあらすじ思いついた。
だけど、時間あんまないから本文書けるか微妙なんであらすじのまま貼ってみる
13
(3): 2010/11/04(木) 03:06:07 ID:dBWjxOdm(2/2)調 AAS
 中学生時代、クラスメイトたちのいじめに加担していたミヤビは、その行為が非道なこと
だと理解しながらも、その矛先が自分に向かうのを恐れいじめグループから抜けられなかった。
 いじめを辞めることも、いじめられている少女カガミを助けることもできないミヤビは、
後片付けと称していじめが終わった後、虐めグループの仲間たちの目が届かないところで、
カガミに手を差し伸べるようになっていた。
 それから一年、高校に入学したミヤビたち。いじめグループから離れるために遠くの学校
に行くかと思われていたカガミも、ミヤビたちと同じ高校に進学する。
 カガミと違うクラスになったミヤビは、数ヶ月の間中学時代の暗い思い出を忘れるように
高校生活を謳歌していた。
 そんな折、中学時代のいじめグループの一人が自殺する。
 ミヤビはその葬儀ではじめて、その少女が高校に入ってからいじめを受けていたのだと知
り驚愕する。
 しかし、いじめの首謀者がカガミだと聞いて、中学時代の自分たちの悪行を思い返しカガ
ミを止めることができなかった。
 葬儀から二週間後、ミヤビは元いじめグループの一人から連絡を受ける。
 少女は、自分もカガミに脅されていて先ほどまで暴行を受けていたのだと、怯えた声で助
けを求める。
 ミヤビは見捨てることができず、その少女が指定した場所までいくと、薬を打たれて壊れ
たように男たちと交わる少女の姿があった。
 ミヤビは咄嗟に逃げようとするも、男たちに強引に引きずり込まれてしまう。自分もレイ
プされるのだとミヤビが覚悟を決めたその時、カガミがミヤビに手を差し伸べる。
 カガミは男たちにミヤビに指一本触れるなと命じると、男たちは素直にそれに従った。ど
うやらカガミは違法な薬を男たちに横流しすることによって統制を得ているようだった。
 その晩はそのまま開放されたものの、助けを求めてきた少女が一週間後変わり果てた姿で
発見される。
 ミヤビはそこでようやく警察に駆け込もうと決めるのだが、カガミたちに捕まってしまい
軟禁される。
 地下室に閉じ込められたミヤビに、カガミは
「死にたくなかったら、私のいうことにしたがってね」
 そう優しく脅迫した。
 カガミはミヤビを暴行しようともせず、まるで着せ替え人形のように愛でた。どうやらカ
ガミは中学時代の凄惨ないじめの中で、唯一手を差し向けてくれたミヤビを神聖化している
ようだった。
 軟禁生活が一ヶ月も続いたある日、カガミが血だらけの姿で帰ってくる。
 いじめグループの一人が、立て続けにかつての仲間が二人も死んだのはカガミのせいだと
いって、殺されそうになったのを逆に殺してやったのだとカガミは笑いながらいった。
 だが、旧友の死も今のミヤビにはどうということはなかった。
 ミヤビは軟禁されている間ずっと、壊れてしまったカガミの心を救う手段はないものかと、
それが自分にできる唯一の贖罪なのではないかと考え続けていたのだ。
 ミヤビは血に汚れたカガミの身体を丹念に洗ってやり、そのまま身体を重ねた。カガミは
抵抗すらせず、ミヤビに身体を委ねる。
 女同士の性行為の仕方などミヤビは知らなかったが、それでもカガミを悦ばせ、絶頂に至
らせると、その細い首を掴み締め上げた。
 カガミは行為をおこなっている間と同様に、抵抗せず受け入れた。
 ミヤビにはカガミを殺すことでしか、カガミの心を救ってやれる手段を考えられなかった。
 カガミが息を引き取ったのを看取り、ミヤビは自らの身体に刃を突き立てた。
 
 
とかいうヤンデる百合もの
14
(1): 2010/11/04(木) 05:31:16 ID:0+N9U285(1)調 AAS
おぅ大一作目GJ
是非本編書いて欲しいか救い無理?
15: 2010/11/04(木) 17:26:05 ID:2M0pxEN6(1)調 AAS
刑務所で凶悪犯少女が重罰を受けるんだろ
千葉の馬鹿親子や日系ブラジル人などいっぱいいるぞ
16: 2010/11/04(木) 22:24:40 ID:oKD5xCTb(1)調 AAS
後悔に打ち拉がれるカテジナさんを優しく慰めてあげるスレですね
17
(1): 2010/11/04(木) 22:33:49 ID:u2F7Sa8b(1)調 AAS
同級生の罪ちゃん(♀)をふたなりちんこで犯した少女の小説ですね!
18: 2010/11/05(金) 09:20:01 ID:bfeOahQL(1)調 AAS
>>17
偽チンコはいらねぇ!

「ふたなりは邪道!!!百合プレイは異性間セックスの疑似にあらず。
女子が女子を攻める時は――――
棒に頼らず己の技で勝負すべし!」
19: 2010/11/05(金) 23:25:10 ID:KCxZlirf(1)調 AAS
本日の労役は性欲処理だ
20: 2010/11/06(土) 23:35:06 ID:5uCFUB+3(1)調 AAS
罪を犯した少女っていうが広いからな。とりあえずそれっぽいの探した。
@刑務所で償わされる少女か
『とある囚人の一日』小恋凌辱
外部リンク[html]:yellow.ribbon.to
A精神的に自分を追い込めるor反省して償う少女か
例・・shuffleの楓『神にも魔王にもなる前に鬼畜になってた男の日常。』
外部リンク[php]:mai-net.ath.cx
B塀の外で償うものか。ただし、自分はやったことが無い
車輪の国 向日葵の少女
車輪の国、悠久の少年少女
21: 2010/11/09(火) 00:14:12 ID:hrMgmsMg(1)調 AAS
刑務所学校か
22
(1): 2010/11/10(水) 02:47:37 ID:IIqAKdVv(1)調 AAS
>>13氏GJ

百合に興味無かったのに、余りにドツボな設定で萌えてしまった

是非本編書いて欲しい
それが駄目なら自家発電させてください
23
(1): 13 2010/11/10(水) 13:56:59 ID:7Rfbqar5(1)調 AAS
>>14
>>22
直ぐには無理だが年内中でよければいける気がしてきた
24: 2010/11/11(木) 02:25:20 ID:00T5RjD8(1)調 AAS
>>23
本当ですか?

楽しみに待ってます
無理はなさらないでくださいね
25: 2010/11/17(水) 18:39:01 ID:7qQATjXw(1)調 AAS
だして ここからだして
26: 2010/11/18(木) 01:08:40 ID:SFDLxkXU(1)調 AAS
アルゼンチンの映画で政変に乗じて逃げた上にのうのうと公務員になってた殺人犯を、
被害者の遺族が自分で捕まえて農園の馬小屋に監禁して、罪を償わせるのがあったな。
27: 2010/11/20(土) 19:00:57 ID:C2ptnJJ5(1)調 AAS
お前の罪をナズェミテルンディス!
28: 2010/11/20(土) 21:23:09 ID:yTwelOdV(1)調 AAS
援交で少年院入りした娘が、刑務官と援交とか
29: 2010/11/24(水) 02:54:48 ID:6Ep6LIan(1)調 AAS
虐め娘が奉仕奴隷に
30: 2010/12/02(木) 13:08:17 ID:oSmiEZuI(1)調 AAS
虐め娘への復讐?
31: 13 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/02(木) 13:52:23 ID:5m49dUIN(1/9)調 AAS
ということで、もう一ヶ月も経過してるのがあれですが。
とりあえず3ぶんの1まで来たので、投下します。

あらすじ>>13
・注意点
暴力的な描写あり、百合あり、飲尿あり、本番なし
 
全8レスです。ていうことで投下します投下します
32: 琥珀1st-DEAD SET 1/8 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/02(木) 13:53:59 ID:5m49dUIN(2/9)調 AAS
 思い返してみれば、始まりはとてもとても単純なことだった。
 その少女が――カガミが海外旅行に行った際にクラスメイト全員におみやげを渡さなかっ
たことが原因だったように思う。
 カガミはクラスの中でも親しい人間や、同じ委員会に属するものにしかおみやげを用意せ
ず、ある少女へのおみやげを用意していなかった。
 それは別に咎められることではないと、今でも/あの頃も――私は思っている。
 だって、私がもし旅行にでかけるとしたら。おみやげを用意するのはいつも遊ぶものたち
のみ、カガミよりも更に狭い範囲の人間にしか渡さないだろう。
 けれど。
 どうにも具合が悪いことに、カガミがおみやげを用意したものと用意しなかったものとが
友人であり、おみやげを用意されなかった少女はそれが癪に障ったのだろう、カガミのおみ
やげを見ながらこう言ったのだ――
 
 
「むかつくんだよ」
  
 
 既に意識が朦朧としてしまっているのであろうカガミに向かって、その少女は更に制裁を
加えた。
 猿ぐつわをかまされ/腕を縛られ/着衣を脱がされ/体のいたる所にイタズラ書きをほど
こされたカガミの華奢な肉体に何発もの蹴りが浴びせられる。
 私はその醜悪な光景を遠巻きに眺めていた。
 暴行を受けているのは久遠路鏡(くおんじかがみ)。
 家が金持ちらしく、鞄の中を漁るといつもいつも中学生の私たちではとても手に入らない
ような高級な化粧品をもっている。
 高級で、質のいい化粧品を使っている、容姿の整ったカガミ。クラスメイトの男子たちの
半数ほどは『彼女に恋していた』のだそうだ。
 だからか私たちは彼女で遊ぶ際には、まずその化粧を剥ぎ落とすところから始めている。
 掃除後の汚水を溜めたバケツに顔を突っ込ませたりとか、男子トイレの洋式便器を顔で洗
わせたりとか、まあ色々だ。
 そうして汚くなったカガミをみて私たちは――いや、その1人/杉山瑛子(すぎやま瑛子)
はとても嬉しそうに笑う。
 今も、
「授業中、テメーが手ェあげなかったせいで、アタシがあてられたじゃねーか。くそがっ」
 罵声を吐きながらカガミの腹部へ何発も蹴りを加えている。
 最初見たときに新雪のように綺麗だったカガミの肌を、青あざだらけに変えたのは瑛子だった。
 このイジメに首謀者がいるかと言われれば、それは瑛子ということになるのだろう。
 最初にカガミをイジメようといったのは、確か瑛子だった。
 だが、だからといって、この罪が瑛子1人のものだとはいわない。私たちも瑛子に賛同し
た上で、このイジメに加わっているのだから。
 夕暮れの教室。
 授業が終わり部活動に勤しむ声がグラウンドから聞こえる中、カガミに対して陰湿なイジ
メを行っているのは私含め4人。
 まずは杉山瑛子。
 生来の天然パーマを嫌って髪にストレートパーマをかけており、髪の手入れに余念がない
少女。
 なんの手入れもせずとも美しく艶やかな黒髪を持つカガミを憎んでいる。
 次に津田紺(つだ こん)。
 母子家庭に生まれた紺は昔からおこづかいが少ないことを嘆いていたが、最近ではそんな
こともなくなっていた、彼女が身体を売っていることを私は知っている。
33: 琥珀1st-DEAD SET 2/8 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/02(木) 13:54:38 ID:5m49dUIN(3/9)調 AAS
 なにもせずとも不自由なく暮らせるカガミを妬んでいる。
 それに大沼椎(おおぬま しい)。
 椎は努力家で勉強なんかでできないことがあると、それを努力で補いできるようになるま
でやる真面目な子だ。
 だからこそ、特に努力しているふうでもないカガミが、試験で常に自分より上にいること
に納得がいっていない。
 そして、私――宇野雅(うの みやび)。
 これといって特徴のない、でも、直ぐに人の目を気にしたり、集団の輪から離れることを
恐れてしまう気の弱いヤツ。
 私にとってカガミは、どんなことをする時でも、それが例え単独であっても物怖じしてい
なかったカガミは羨望の対象だった。
 どうしてあの子は失敗することを恐れず、なんでも自分で決めてしまえるんだろう、と。
 私たち4人はそれぞれが様々にカガミに対しなんらかの思いを抱いていた。
 だが、教室の廊下に力なく横たわりうめき声をあげることしかできないカガミをみている
と、そんな思いはどこかにいってしまう。
 今のカガミには以前のような高貴さも気高さもなにもない、ただいたぶられるだけの存在
でしかない。
 そんなカガミを見ていると、私は少し憐れみを覚えるのだが、瑛子は違うようだった。
「あー、むかつく」
 口ではそう言いながらも瑛子の顔は愉悦で紅潮していた。
 カガミをイジメ始めて約3ヵ月ほど、どうやらこのクラスメイトには嗜虐的な性的嗜好が
あるようだと知った。
 瑛子は上履きでぐりぐりとカガミの腹部を踏みつけながら、まるで邪教の司祭が儀式を行
う時のように一方的に言い始めた。
「おしっこしたくなったけど、トイレいくのたるいからアンタトイレの代わりになって」
 カガミの口から猿ぐつわを外すと、口を閉ざそうとしたカガミの顎を掴んで頭を揺さぶった。
「トイレの癖になに勝手に蓋閉めようとしてんのよ、むかつく。今からアタシのおしっこ飲
めるのよ? トイレだったら喜びなさいよ」
 いうや瑛子は自らのスカートの中に手をいれパンツをずりおろすと、脱いだパンツを机の
上にほうり投げ、カガミの顔の上に跨った。
 瑛子は腰をおとし和式便器でする時のような体勢をとると、スカートをたぐりあげその下
半身を露わにした。
 そうして口を開いたままのカガミの鼻を摘むと、瑛子の尿が勢いよく飛び出しカガミの口
の中を侵していく音が教室中に響いた。
 この行為はもう何回目だろうか?
 瑛子がカガミを虐めるとき、瑛子は決まって自らの尿を瑛子に飲ませる。
 どうしてそんなことをするのかと聞いたら、瑛子はこう答えた。
『だってさ、自分のおしっこを飲まれてるって考えたらゾクゾクしない? 昔飲尿ダイエッ
トしてたことあってね、その時にペットボトルに自分のおしっこ入れて冷蔵庫にいれてたら、
お父さんが間違えて飲んだことがあってさ。その時にさ『ああ、こういうのいいなあ』って
思ったんだ』
 それ以来私は瑛子が持ってきた飲み物に口をつけることはしなくなった。
 瑛子の尿はカガミの口の中だけには収まらず、溢れて床を濡らしていく。瑛子の上履きも
尿で汚れたようだったが、瑛子は気にならないようだった。
 快感を覚えているのか瑛子の顔は更に紅潮し、少し震えているようだった、口からは「あ
っ……んっ……」と甘い吐息を漏らしながら瑛子はカガミに尿を飲ませ続ける。
 私は見ていられなくなり顔を背けると、そこには瑛子の下着を弄ぶ椎がいた。
 椎は私の視線に気がつくと、照れたように笑い、声を出さずに口を動かした。
『ぬれてる』
 その口の動きに、椎の手にある薄い水色のパンツをみると、若干嫌悪感がわいた。
34: 琥珀1st-DEAD SET 3/8 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/02(木) 13:55:12 ID:5m49dUIN(4/9)調 AAS
 だがそんなことは表情には出さず。
 私は呆れたような笑いをこぼしただけにとどめた。
「……んっ、ふぅ」
 瑛子は放尿を終えると、満足げな笑みを浮かべながら立ち上がった。
「全部飲んでない辺りむかつくけど、まあいいわ」
 振り返って私たちのほうを見ると。
「アンタらもたまにはコイツにおしっこ飲ませてやったら、コイツおしっこ飲むと喜ぶのよ、
ほら」
 そう言いながらつま先でカガミの股を開くと、カガミの薄く陰毛を茂らせている陰部に手
を触れ、なにかを指に塗りつけると、私たちに見せた。
 瑛子の指先は確かにカガミの愛液で濡れているようだった。
 だが、カガミがこんな行為で濡れてしまうかは別として、他人の汚い部分を気にせず触れ
る瑛子という女の感性が信じられなかった。
 ふと思った。
 瑛子はトイレに行くとき必ずカガミを連れて行くが、まさかカガミに自らの糞を食わせて
いるんじゃないだろうか?
 そう考えると吐き気を催しそうになったが、なんとか堪えた。
 瑛子は楽しそうにカガミの尿道口を指先で弄っている。
 椎は『どうしようもないね』というように肩を竦めた。
 そこへ紺が瑛子へいった。
「そろそろ塾の時間だから、行かないと」
 言われて瑛子ははっとしたように時計を見た――5時45分。
「あ、ほんとだ。いこいこ」
 瑛子はいうや最後に一発カガミの陰部に蹴りを入れ、自らの鞄を掴むと教室を後にした。
 紺もそれに続いてでていってしまう。
 残された椎は私のほうをみて。
「いつも悪いね」
 そういって教室からでていった。
 私は彼女たちの後には続かず、尿溜まりができた教室内をみて小さくため息をついた。
「さて、始めるか」
 ある時より私はイジメの後の後始末を任せられるようになった。
 それは証拠隠滅したいという私の希望もあるのだが、カガミにおみやげをもらった側であ
る私が彼女たちのことを裏切らないようにとさせられている行為なのだと私は考えている。
 私は尿で汚れたカガミに触りたくもなかったが、カガミの腕に巻かれた靴下を解いてやる
と声をかけた。
「立ち上がれる?」
 その言葉にカガミは微かに頷き、閉じていた目を開くと、床に手をついて立ち上がった。
「シャワーあびよっか」
「……」
 カガミは小さく頷いた。
 この教室の直ぐ傍に宿直用のシャワー室があり、なぜか紺はそこの鍵をもっていて、私た
ちは自由にそこのシャワーを使うことができた。
 私はカガミの衣服や持ち物をかき集めると、それを抱え歩き始めた。
「ん?」
 すると、スカートがなにかにひっぱられるような感覚がして、振り返るとカガミが私のス
カートの裾を掴んでいた。
 一瞬いらっときたが、だが直ぐにそれは呆れに変わり、私はカガミのしたいようにさせた。
 スカートの裾を掴まれたまま私たちはシャワー室へ向かった。
 家の風呂場より手狭なシャワー室は小柄な私たちでも二人もはいると狭くてしょうがない。
 カガミを先に入れると、私も服を脱ぎそれへ続いた。
35: 琥珀1st-DEAD SET 4/8 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/02(木) 13:55:45 ID:5m49dUIN(5/9)調 AAS
 華奢なカガミの身体は女性的な特徴はまだ殆どなく、胸も申し訳程度に膨らんでいる程度
しかない。
 私が身体をみていることに気がつくと、カガミは顔を真っ赤にして身体を隠し、その場に
うずくまってしまった。
 散々見られているのに、なんで今更恥ずかしがるんだろうこの馬鹿は。
「洗ってやるからさ、立って」
 そういって腕を引くと、カガミは直ぐに立ち上がった。
「じゃあ、とりあえず口から洗うね。口開けて、口」
 私がいうとおとなしくカガミは口を大きく開いた、瑛子の尿の臭いが漂ってきそうだった。
 シャワーホースを掴むと蛇口を捻り、ぬるま湯をだし、それを思い切りカガミの口の中に
放水した。
 するとカガミはびっくりしたのかむせ返り、再びしゃがんでしまった。
「……うぇ……ひどいよ」
 今にも泣きそうな声でいうカガミに苛立ちを感じた。
 今度はその髪を掴んで強引に立ち上がらせると、
「そりゃひどいに決まってるでしょ、あんたは私たちにイジメられてるんだから」
 まるで自分に言い聞かせているようだと思った。
 だがそれでカガミは黙り、再び口を開いた。
 そこへ今度は冷水を放った。
 先ほどよりも大きく反応したカガミだったが、今度は避けずにされるがままに放水を受け
続ける。
 途中何度も何度もカガミは咳き込み、嗚咽を漏らしたが、私がやめるまで耐え続けた。
「よし」
 私はもういいだろうとシャワーホースを元の場所に戻すと、カガミの顎を掴んで引き寄せ、
もう尿の味がしないか自分の口で確かめた。
 カガミはおどいたように私の瞳を覗きこみ、かと思うとうっとりしたように目を閉ざした。
 舌をカガミの口腔の中に滑り込ませ、念入りにカガミの口の中を調べていく。
 水洗いしただけでは、尿の味も臭いも消えていないような気がした。実際、カガミの口は
尿のような臭いがして、気持ち悪かった。
 するとカガミは私の舌に自らの舌を絡ませ始め、気づけば私の乳房を掴んでいた。
 カガミはカガミの小さな手では収まりきらない乳房をもみ続ける、そうされている内に乳
首が勃起したらしく、その堅くなった部分を指先で弄びはじめた。
 気持ちが悪かった。
 なんのつもりなんだろうこいつ。
 そう思いながら私は唇を離すと、カガミの乳首を摘み、ねじ切ってやるつもりで思い切り
捻った。
「ひぐぅっ!?」
 すると、カガミは妙な悲鳴をあげた。
 その声も気持ち悪かった。
「身体洗うから、胸から手を離して」
 そういうとカガミは手を離し、直立不動の姿勢をとった。
 冷水をカガミの身体に浴びせながら、ふと思った。
 一体何をやっているんだろう。
 イジメているはずの相手に対して、こんな行為はまるで彼女たちへの背信行為じゃないん
だろうか?
 実際、カガミは私とのこの行為をイジメの一環とは捉えていないようで、喜んでいるよう
な表情を垣間見せる。
 今もどこかうっとりした様子で冷水を浴びている。
 しゃがんでカガミの陰部をあらおうとして触れたその瞬間、カガミが
「あ……でる」
36: 琥珀1st-DEAD SET 5/8 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/02(木) 13:56:19 ID:5m49dUIN(6/9)調 AAS
 小さく呟いた。
 私がその言葉の意味を理解したのは、カガミの尿が私の顔に浴びせられた後だった。
 しかし私は突然のことに呆然としてしまって、避けることすら満足にできず、カガミの尿
を顔に浴び続けた。
 カガミは放尿を終えると、どこか喜悦を孕んだ表情で私にむかっていった。
「あ、ええと、ごめんね」
 私はカガミのその言葉に、気づくとカガミの膣にシャワーホースのノズルを突っ込むと、
最大まで蛇口を捻っていた。
「あ、あがっ」
「ふざけてんじゃねーよ!」
 私はカガミの下腹部を殴りつけた。
 するとカガミはその場に倒れてしまったが、構わずその顔を踏みつけ。
「お前が私の何か理解してんのか、お前はただのオモチャなんだよ。なに調子にのってんだ!
 あー、くそ、腹立つ。なに人様に尿飲ませようとしてんだ、この変態!」
「ご……ごめんぇ……」
「喋るな! きもいんだよ、うざいんだよ、お前。理解しろよ、いい加減に理解しろよ」
 私はその後10分以上もカガミに暴行を加え続けた。
 よくカガミは死ななかったと思う、それほど手酷く暴行を加えたというのに、その行為が
終わったあとカガミは私に向かってこういった。
「ミヤビちゃん、身体洗ってくれてありがとね。それと、わたしきもくてごめんね」
 ――こいつはどこまで馬鹿なんだ。
 私はそう思った。
 
 
***
 
 
「……さいあく」
 目が覚めると私は思わずそう呟いてしまっていた。
 普段夢を見ることなんて殆どない私が夢をみて、しかもそれがあの頃のこととなると最悪
だとしか言いようがなかった。
「もう忘れたと思ってたのに……」
 中学校を卒業して私は地元の私立高校に入学し、既に7ヶ月もの月日が経過していた。
 あの頃一緒につるんでいた瑛子や紺とはクラスが別になり、いつの間にか疎遠になってし
まったものの。椎とはクラスが同じだったため今でも友人としての関係は続いている。
 本心としては彼女たちとは完全に縁を切り、新しい気分で高校生活を送りたかった。
 だがその為に、地元から離れた場所にある進学校を受験したのだが落ちてしまい、彼女た
ちとの関係を切ることができなかった。
 だが、それでも。
 私と椎の間であの頃のことが会話に昇ることはないし、別のクラスになった2人のことを
話題にすることはなくなっていった。
 勿論、あの当時イジメられていたカガミのことなど、話したことすら――いや、一度だけ
ある。
 カガミが瑛子や紺と同じクラスになったこと。
 そのことについて話したことがある。
 もしも瑛子たちが再び私たちにイジメに加担するように言ってきたら……というような内
容だった。
 私も椎ももうあの当時のようなことはしたくなかった。
 そう、私にとって、まだ1年と経っていないが。あの頃の記憶は忘れ去りたい過去、そう
ただの過去になっていた。
37: 琥珀1st-DEAD SET 6/8 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/02(木) 13:56:48 ID:5m49dUIN(7/9)調 AAS
 高校にはいったら部活動に所属しようと考えていたのだけれど、気づけばどこにも所属し
ないまま7ヶ月が経過した。
 今更どこかの部活に所属するのも面倒だった。
 それにやりたくなるような部活なんてなかったし。
 だから毎日のように放課後新しいクラスメイトたちと遊びまわる日々を過ごしていた、そ
ういう意味では充実していたのだろう。
 私は夢をみるまであの頃のことを忘れていたのだから。
 だが一度思い出してみると、頭のすみにひっかかり、気づけば一日中そのことを考えてし
まっていた。
 かつて自分のした行為。
 それに今、カガミはどうしているのだろうか?
 瑛子や椎が同じクラスにいるせいで、今もあの2人から酷い仕打ちを受けているのではな
いだろうか。
 そういったことを悶々と考えていると放課後になっていた。
 私は部活動へと向かう椎を渡り廊下で捕まえた。
「ちょっと聞きたいことあるんだけど」
「ん? どうしたの?」
 5月に陸上部に入部した椎は、邪魔だからといって髪をばっさりと切ってしまった。中学
の頃おとなしそうな優等生っぽい感じだった椎が、今は美少年といっても通じるようなボー
イッシュな姿になってしまっている。
 まだ入学して半年程度しか経っていないのに、人は変わるものだとつくづく思う。
「あのさ、カガミのこと憶えてる?」
「……え」
 薄く笑顔を浮かべていた椎の表情が凍りつく。
 私は自分が地雷を踏んでしまっていることを理解しながらも、話を続けた。
「ほら、あいつさ瑛子たちと一緒のクラスじゃん。どうしてるかなーって」
「知らない」
 私の言葉を遮って椎はいった。
「ねえ、ミヤビ。約束したよね? もうあの頃のことは忘れようってさ」
「そうだけど」
 椎の静かだが激しい拒絶反応に戸惑ってしまった。
 私がなんというべきか迷っていると。
「もう私はあんなことには関わりたくない、だから瑛子たちとは関わらないようにしてる。
ミヤビだってもう関わりたくないんでしょ、それとも――」
 椎は言葉を区切ると、口元に笑みを浮かべていった。
「そんなに女同士でするのがよかったの?」
「え」
 椎は嗜虐的な笑みを浮かべたまま私の胸を制服の上から掴んだ。
「し、椎? ちょっ、なにして」
 周囲を見ると廊下には私と椎以外の誰もいなかった。
 椎に強い力で身体を押され、壁に背中を叩きつけられた。
「ミヤビ、私ね、ミヤビのことは好きだよ」
 逃げることすらできないまま、椎は私に顔を近づけ囁くようにそういった。
「だからさ、そんなに女同士でやりたいんだったら、私としない?」
 椎の言葉が理解できなかった。
 なにより今の状況が理解できなかった。
 私はただカガミたちのことを聞いただけなのに……。
「……え、ちょっと、そこは――あっ」
 椎の手が私のスカートを捲り上げ、パンツの中に入ってきた。
 手は迷うことなく私の陰部に触れると、撫でるように指を動かし始めた。
38: 琥珀1st-DEAD SET 7/8 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/02(木) 13:57:36 ID:5m49dUIN(8/9)調 AAS
「ほら、ねえ? ミヤビ? 別にあの子じゃなくてもいいでしょ。ミヤビ、他の子としたこ
とないからあんなガリガリなのが気になるんだよ」
「う……やめよ、ね、椎……やぁっ」
 椎の手が私の手首を掴んだ。
 その時になって椎のことを手で押しのければよかったことを気がついたが、椎の力は強く
抵抗することはできなかった。
 椎は私の手を自らの制服の中に潜り込ませて、下着の上から乳房を掴ませた。
「あ……」
 下着は小さく、指先には椎の肌の感触。
 椎は驚く私に笑って見せた。
「ほら、女の子の身体ってね、こんなにやわらかいんだよ?」
「それは――んぅっ!?」
 突然、身体全体を電流が走ったかのような錯覚に陥った。
 どうやら椎が私のクリトリスを摘んだらしい。
「ミヤビ、かわいいね」
 椎が私の唇に、自らの唇を重ねた。
 甘い、いちごみたいな匂いがした。
 尿の臭いしかしないようなキスしかしたことなかった私には、それは凄く衝撃的だった。
 椎は直ぐに唇を離すと、イタズラを企む子供のような声でいった。
「瑛子はアブノーマルすぎるし、紺はお金で男に身体売るようなやつだし、やっぱりミヤビ
が――ううん、私が会ってきた中でミヤビが一番かわいいよ」
 そういうと椎は再び私にキスをした。
 ……椎の唇やわらかいな。
 そう思って目を開いた瞬間、椎の姿別人のものにみえた。
 私が椎以外でキスした唯一の相手、――カガミ。
「いやっ!」
 私は椎の身体を突き飛ばすと。
「私、こんなこと……私は……」
 椎は尻餅をついて、少し悔しそうな表情でこちらをみていた。
「ごめん、ミヤビ」
 いつもの優しい声で椎はそういうと。
「でも、本当に私は彼女たちのことをもうなにも知らないし、興味がないんだ。あの時のこ
とはもう記憶のすみに封印して思い出したくすらない」
「それは私も、私だってそうだよ」
 あんな凄惨な記憶、消せるものなら消してしまいたい。
 だけど、あの記憶は確かにあったこと、消せない事実であることに変わりない。
「それでも気になるっていうなら」
 椎は立ち上がりながらいった。
「カガミたちのクラスに直接行ったらいいんじゃない、私に聞くとかじゃなく、ミヤビ自身
が直接」
「――ッ!」
 それは確かにそうだ。
 私と同じように過去との接触を拒んできた椎に聞くよりも、今の瑛子たちに直接会ったほ
うが現状を確認するほうが確実だ。
 でも私にはそれはできなかった。
 その考え自体は浮かんでいたものの、それをしたら自らの過去の行いと正面から向き合わ
なければならない。
「それは……」
 今もカガミが虐められていたらどうしよう。
 カガミが私にあの時のようなことを望んできたらどうしよう。
39: 2010/12/02(木) 14:01:31 ID:A6+TkkF5(1)調 AAS
さるさけ
40: 琥珀1st-DEAD SET 8/8 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/02(木) 14:02:11 ID:5m49dUIN(9/9)調 AAS
 考えているうちに、口の中にカガミとの間接キスで味わった瑛子の尿の味が蘇ってきた。
「…………ぃ、いや」
 もうあんなことはしたくなかった。
 他人に対して暴力を振るうこと/縛りあげ拘束すること/瑛子の変態趣味に付き合わされ
ること/紺の紹介でカガミの体を男たちに売ること/汚物に塗れさせること/そんなものの
とあんな行為をすること――なにもかもが嫌だった。
「でしょ、だからさ、もう忘れようよ」
 椎の優しい言葉に私は頷いていた。
 
 
***
 
 
――この時、瑛子に会いにいっていたら。
 この後の結末は違ったものになっていたのかもしれない――
 
 
***
 
 
 翌朝、私は連絡網で今日は臨時休校になったことを聞かされた。
 理由は誰も知らないようだったが、なにやら学校でなにかがあったらしく、今日は家から
出ず、誰かに話を聞かれてもなにも答えないようにといわれた。
 なんだろうと思いながら朝食を食べていると、テレビニュースが見覚えのある風景を映し
た。
 どこでみたんだっけなあと考えていると、はっきりとそこがどこか分かる場所が映し出さ
れた。
「あれ? うちの高校じゃん」
 一体何のニュースだろうと思ったその瞬間、携帯電話が鳴った。
 携帯を開くとディスプレイには『紺』と表示されていた。
 慌てて通話ボタンを押し、携帯を耳にあてると、携帯の向こうから切羽つまった紺の声が
飛び込んできた。
『ミヤビ、殺された、殺されちゃったよ、どうしようどうしたらどうすればいいの』
「ちょっと落ち着いてよ紺、一体何があったの?」
『瑛子が、瑛子がカガミに殺されたんだ!』
「――――え?」
 
 
 テレビからアナウンサーが淡々とニュースを読み上げる声が聞こえてきた。
『……校舎から飛び降り自殺を図ったのは、同校の生徒である杉山瑛子さんとみられ――』
 
つづく
41: 琥珀2nd-光、探せなくても 0/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:11:28 ID:+ohHA4wL(1/12)調 AAS
↑の続きです。全12レス、2/3の部分までです
 
 
***
 
 
 中学生時代、どこの部活にも属していなかった私はクラスの中で少し浮いていた。
 うちの学校特有のものなのかもしれないが、二年になると同じ部活のもの同士が同じクラ
スになる傾向があった。その方が教師たちの仕事上不便が少なかったのだろう。
 だが部活動に属していないものたちは、人数合わせのために放り込まれるためか、一年の
時に仲がよかった子達とは離れ離れにされがちだった。
 私もそんな1人だった。
 進級して1カ月の間は、必要最低限しかクラスメイトたちとは会話せず、段々と孤独を感
じ始めるようになっていた。
 そんなある日のことだ。
「え、と。宇野……さん?」
 1人で弁当を食べていると、いきなり声をかけられた。
「ん? 私?」
 『宇野』なんていう名字はクラスに1人しかいないのに、思わず確認してしまった。そう
してしまうほどに、私はクラスメイトたちと会話する機会がなかったのだ。
「うん、そう」
「なあに?」
 振り返るとそこには美少女といって過言ではない容姿の少女が立っていた。
 会話したことがなくても、その少女の名前はしっていた。別に彼女に興味があったという
わけではない、ただ単に彼女は他人よりも目立つ存在だったというだけだ。
「久遠路さん、だっけ?」
 知ってるくせに、まるで『アナタにはあんまり興味がないから、はっきりと憶えていない
んです』と言いたげに私は言った。
 するとどうしたことか、彼女は嬉しそうに笑った。
「憶えてくれてたんだ、うれしい!」
 そこらへんのアイドルがする営業スマイルなんかでは敵わないほどきらきらと眩しい笑顔
に、私は思わず戸惑ってしまった。
 だが久遠路カガミは構わず話を続けた。
「ねえ一緒に食べない?」
「え?」
 予想外の提案だった。
 私が知る限り久遠路カガミという少女には仲のよいものたちがいて、いつも一緒に行動し
ているはずだ。
「あ、いいけど。いつも一緒にいる……」
 いつもカガミと一緒にいる人たちの名前が思い出せない。
「一緒にいる子たちと食べなくていいの?」
「椎ちゃんたちのこと?」
「ああ、うん」たぶん。「そう」
 カガミは柳眉を八の字にして「それがね」といった。
「椎ちゃんは生徒会の用事があって、瑛子ちゃんは委員会の用事があって、紺ちゃんはヤボ
用があるんだって」
「へー」
 それはそれは皆様大変お忙しそうで。
「だからさ、一緒に食べよ? ね?」
「うん、まあそれは構わないけど」
 ――それが私が覚えている限り私とカガミのはじめての交流だった。
 カガミはお嬢様然とした容貌からは想像ができないほどお喋りが好きなようで、食べてい
る最中次から次に色んな話題を振ってきた。
 それは冷静に考えれば、カガミがお喋りが好きというよりも彼女なりに私のことを探って
いたんだろう。私の趣味、嗜好そういったものを。
 そういえば私はカガミが好きなもののことを知らない。
 ……あの子は一体、なにが好きだったんだろう?
 
 
42: 琥珀2nd-光、探せなくても 2/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:12:12 ID:+ohHA4wL(2/12)調 AAS
 ――でも、もうそんな話題はできないな。
 私は現実逃避の回想から現実へ意識を戻すと、目の前で繰り広げられている光景に思わず
顔をしかめた。
「あ……あっ……あっ……あっ……」
 一定のリズムで叩きつけられる腰の動きに合わせて、カガミの口から細い声が漏れる。
 放課後の教室、聞こえるのはカガミのあえぎ声、紺が携帯をいじる音、そして1回400
0円でカガミの身体を買ったクラスメイトの男子の荒い息遣い。
 私たちはカガミへのイジメの一環として、カガミの身体をクラスにいるモテなさそうな男
子たちに売ることにした。
 言い出したのは紺だった。
 携帯料金が払えなくて困っているときに思いついたのだという。
 1回4000円というのが高いのか安いのかよく分からないが、その値段設定は私たち4
人――瑛子、紺、椎、私――に1000円ずつ入るようにするためそうした。
 売りを始めた最初のうちは紺がクラスメイトたちに話を持ちかけていたのだが、今では他
のクラスからも客が来ている。どうやら秘密厳守のはずだったのに、いつのまにか公然の噂
になっているのかもしれない。
 ……ということは、私が、私たちがこうしてカガミの肉体を売り物にしているのも、公然
の秘密というわけだ。
 どうりで最近クラスメイトたちから浮いているわけだ。
 私がそんなことを考えながら売春の様子を眺めていると、男子――名前は忘れた――と目
があった。
 男子は荒い息遣いで言った。
「ミヤビ、ミヤビはこういうことしてないのか」
「……は?」
 男子はカガミのことを突きながら、更にいった。
「お前らみんなこういうことしてんだろ」
「誰がそんなこと」
「みんないってるぜ」
「みんなって……」
 カガミの身体を売っていても、私自身は身体を売ったことはなかったし、まだ一度も男と
そういう関係になったことすらなかった。
「な、なあ」男子は顔を真っ赤に紅潮させ。「ミヤビはいくら払ったらヤらせてくれるんだ?」
「――ッ!」
 なにを言い出すんだこの馬鹿は。
 私がいつ売りをしてるなんていったんだ、しかも値段教えたらその金額を払って私の身体
を買う気か、こいつは。
 絶句してしまっていると、横から紺が口を挟んだ。
「あー、ミヤビはやめたほうがいいよ」
「え、なんでだよ。俺ミヤビのこと好きだぜ」
 別な女とセックスしながら、しかも金払ってヤラせてもらいながらいう言葉か。
「好きって」
 紺が苦笑した。
「だったら1回10万払える? しかもそれプラスホテル代とか全部アンタもちだよ」
「ちょっと紺なにいってるの」
 紺は私の身体まで売る気なのかと本気で心配したが、違うようだった。
「1回10万は流石にはらえねーわ」
 男子はあっさり引き下がってしまった。
 まあそれはそうだろう、中学生に10万円ぽんと出せといって出せるようなヤツはほとん
どいないと思う。
43: 琥珀2nd-光、探せなくても 3/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:12:40 ID:+ohHA4wL(3/12)調 AAS
「でも」と男子は話を続けた。
 そうしている間もカガミは涎を垂らしながら、ひぃひぃとあえぎ声を漏らし続けている。
「こうやって俺みたいに久遠路のこと買った連中の中にさ、久遠路のこと前から好きだった
連中いたんだけど、そいつらなら最初だったら1回10万払ったんじゃねーかな」
「中学生が10万も払えるっての?」
「うーん、きついけどまあ、連中にとったらアイドルみたいなもんだったからなあ」
 男子の言葉は意外とすんなり受け入れられた。
 カガミは今でこそこんな感じだが、以前のカガミはクラスのアイドルのような存在で、男
子からも女子からも好かれていた。
「だった、ね」
 紺がにやにやと笑いながら応えた。
「ああ」と男子は頷き。
「でも今じゃ無理だろうなあ。こんな何人も何十人もちんこ突っ込んだあとじゃ、もう便所
みたいなもんだし。汚くて彼女とかにしたくねーや」
「でしょうね」
 そういって同意する紺の笑みに、私は背筋が冷たくなった。
 瑛子にしても、紺にしても、いつもはどこにでもいそうな少女なのに、人をいたぶる時だ
けどうしてこうまで残酷な表情ができるんだろう。
 私は不意にカガミの笑顔を思い出した。
 まるで太陽のようだった眩しい笑顔を。
 でも、もうカガミにはそんな表情はできないのかと思うと、私は胸が締め付けられたかの
ような痛みを覚えた。
 
 
***
 
 
 祭壇に飾られている遺影は生徒手帳のものらしく、瑛子は面倒くさげな表情をしている。
なにもあんな写真を使わずとも、もっといい写真があるんじゃないかと思った。
 私は焼香を上げながら、曲がりなりにも友達だったはずなのに涙を流せない自分の薄情さ
に呆れていた。
 だが参列している瑛子のクラスメイトたちにしても、沈うつな表情を浮かべているものは
いても、泣いているものはいないように見えた。
 交友関係を広げることを好む瑛子のことだから、こういう時はわんわん泣いてくれる女の
子とかも友達にいてもおかしくないと思ったのだが。
 それに顔ぶれをみていると中学時代のクラスメイトは多々見受けられるというのに、瑛子
の今のクラスメイトはそれほどいないような気がした。
 いや、気のせいだろうが。
 隅のほうの席に母さんと並んで座ると、怪しまれない程度に周囲を見回した。
 参列者のほとんどは高校生で、親同伴で来ているのは私くらいなのかもしれない。私自身
もそうみえたんだろうけど、焼香を上げるときそわそわと落ち着きがなく、いかにも『見様
見真似です』といった感じだった。
 悲しんでる子もいるようだけれど、大半の参列者はそうではないようにみえた。なんとい
うか『なんで自殺したんだろう?』と不思議がっているいるようにみえる。
 それもそうだ。
 だって中学生時代の瑛子といえば、自信に満ち溢れていて性格は図太く自殺なんてするタ
イプではなかった。むしろ――誰かを自殺に追込みかねない側の人間だった。
 高校に入学してから彼女になにがあったんだろう。
 誰もがそう考えているようにみえるのは、おそらく私自身が強くそう考えているからとい
うだけではないはず。
44: 琥珀2nd-光、探せなくても 4/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:13:05 ID:+ohHA4wL(4/12)調 AAS
 斎場にはお経の声に掻き消されて何を言っているかまでは聞こえないが、それでもひそひ
そと言葉を交わす声がそこかしこから聞こえてくる。
 注意深く聞いていると『中学時代』『イジメ』『久遠路』といった言葉がよく耳に入って
くる。
 話をしている人たちの所へいって、根掘り葉掘り相手の知っていること全てを聞き出した
い気分だったけれど、この場であまり目立つ行動は取りたくなかった。
 それに自殺した人間の理由について探ってるヤツがいると聞いたら、みんな不審がるだろ
うし。なにより遺された家族の人たちがいい気がしないだろう。
 だからそういったことを自然と聞ける相手、紺がこの場にいてくれたらよかったのだが。
紺の姿はどこにも見当たらなかった。
 紺はこういう堅苦しい式を嫌うタイプだったとはいえ、曲がりなりにも友達だった相手の
葬式をすっぽかすだろうか?
 しかも昨日の朝、電話で言葉を交わして以来、紺と連絡がとれなかった。
 電話をかけても繋がらず、メールを送ってみても返信は一切ない。
 まさか、とは思うが不安が鎌首をもたげる。
 中学時代、カガミをいじめていた4人のうち1人が自殺した。その2日後にもう1人が連
絡がつかなくなった。
 ただの偶然だっていうのは分かっているが、それでも、ただの偶然というにはあまりにも
タイミングがよすぎるような気がした。
 私の脳裏にはかつての記憶が、焦げ痕のようにこびりついて取れなかった。
 そんなことを考えていた時だった。
「――っと、えと、宇野……さん?」
 声を聞いた瞬間、背筋に凍りつくような冷たさの電流が流れた。
 いつの間にいたのか分からなかった、だが気づけば私の前に久遠路カガミが立っていた。
「か、カガミ……」
 あの頃と変わらない、いや、あの頃――イジメられていた頃絶えず彼女が放っていた怯え
は消え去り、代わりに余裕に満ちた笑みが彼女の顔に浮かんでいた。
「久しぶりね」
「え、ええ、お久しぶり。元気にしてた?」
 カガミの言葉に反射的にそう応えていた。
「ええ、『あの頃』よりも元気よ」
 ――あの頃。
「そう、それは……よかった」
 隣に座っている母さんが私のわき腹をこづいた。
「お友達? 綺麗な子ねー」
 そう素直に感想を口にする母さんに、カガミは口元に手を当て密やかに笑ってみせた。
「中学時代、宇野さんにはよく遊んでもらってました」
「あらそうなの、この子あんまり学校のこと話したがらないから。友達とかちゃんと作れて
るのか不安だったのよ」
「そうなんですか」
 笑みを交わす母さんとカガミの会話に、私は生きた心地がせず。できるのであれば大きな
声をあげて、この場から逃げてしまいたかった。
 カガミはちらりと私のほうをみると、わずかに笑みを深めた。まるで私の内心が見透かさ
れているかのようだ。
「ねえ、宇野さんわたしたち友達よね」
「――ッ」
 私が、私たちがしたことを忘れたとでもいうの?
 それとも、この笑顔や言動の裏には何かが潜んでいるというのだろうか。
 かつてのように暴力を用いてでも、カガミに真相を吐かせたかったが、周囲の目がある中
でそんなことはできない。
45: 琥珀2nd-光、探せなくても 5/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:13:45 ID:+ohHA4wL(5/12)調 AAS
 私は欺瞞に満ちた笑みを浮かべると、
「そうに決まってるじゃない」
 窮めて明るい声でそういった。
「だよね」
 カガミは嬉しそうにうんうんと頷く。
 私は立ち上がるとカガミの腕を掴んだ。
「久遠路さん、向こうでちょっと話しましょう。ここだと邪魔だと思うし」
「うん、いいよ」
 カガミはにこにこと笑いながら掴まれた腕をたくみに動かし、腕を組んだ。
「じゃあ行ってくるね、母さん」
 そういって斎場を後にした。
 振り返ると幾人もの他人の目が突き刺すように私たちに向けられていた。
 
 
 斎場をでて外で話そうかと思ったが、外には報道陣が詰め掛けていてどうも落ち着いて話
せそうになかったので、控え室にあるテーブルに向き合って座った。
 カガミは口を開かず、にこにこと私のほうをみて笑っている。
 その笑顔からは邪悪なものは感じない、あくまでも嬉しそうに楽しそうにカガミは笑って
いる。その笑みは葬儀中の今は不謹慎にすら感じられるほど眩しく、華やかなものだった。
『瑛子が死んでそんなにうれしいの?』
 そうと言い放ってやりたかったが、私の臆病な口はそう発することを許してくれず。私は
ただ黙してカガミの笑顔を睨みつけていることしかできなくなっていた。
 なんと言葉を切り出したらいいのか分からなかった。
 すると、
「高校に入ってからミヤビちゃんと会うの、これがはじめて、だね」
 えへへと笑いながらカガミがそういった。
「そうなるね、でもできればあんたとはもう会いたくなかったけど」
「なんで」
 驚いたようにカガミが聞き返してくる。
 私は制服の襟元に窮屈さを感じて、少し弛めた。
「あんただってそうじゃないの」
「そう?」
「私たちともう会いたくなかった、ってこと」
 カガミは小さく「え」ともらすと。
「そんなことないよミヤビちゃん。わたしはミヤビちゃんに会いたかったよ」
 会いたかった……?
 信じられない、私が、私たちがカガミにしたことを考えるとそんな言葉信じられなかった。
 カガミは笑顔のまま言葉を続ける。
「わたしミヤビちゃんのこと好きだよ。1人でね、えっちなことする時、いつもいつもミヤ
ビちゃんのこと考えてる。それくらい好き。愛してるっていってもいいくらいだよ」
「……なにいってんのよ」
 私は頭を振った。
 唐突にカガミが言い出した言葉に思考が追いついていなかった。
「だからねミヤビちゃんに会いたくて会いたくて、ずーっと会いたいって思ってたんだ」
「……ああ、そう」
 カガミはずいっと身体を乗り出してくると、キスできそうなほどの至近距離で、まるで愛
の言葉を囁くようにいった。
「これからも会えない?」
「え?」
 カガミから柑橘系の香水の匂いがした。
46: 琥珀2nd-光、探せなくても 6/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:14:12 ID:+ohHA4wL(6/12)調 AAS
「昔のことは忘れて、お友達からはじめれないかなって」
 駄目だ、本気で理解できない、なにもかも。
「昔のこと忘れてって、そんなことできるのあんた」
「できるよ」
 こともなげにカガミは答えた。
「でも、私、あんたに酷いこと一杯したでしょ。蹴ったり殴ったり、酷いこといったり」
 カガミはにやりと笑うと、私の言葉を遮っていった。
「えっちなことしたり、ね」
「――ッ!」
 絶句する私を見てカガミが笑みを深める。
 カガミは立ち上がると私の隣の椅子に座り、まるで抱きつくようにもたれかかってきた。
「忘れることはできるけど、でもね、今はまだ忘れてないよ。瑛子にされたこと、紺にされ
たこと、椎にされたこと、それにミヤビちゃんにされたこと。全部全部憶えてるよ」
「な、なら、無理でしょ。友達になるなんて」
「ふふ、そうだね」
 カガミは笑いながら私の手をとった。
 私は抵抗することすらできず、カガミのされるがままになってしまっていた。
 掴まれた手はカガミのスカートの中に導かれ、そしてカガミの陰部にあてがわれたのが」
分かった。
「イジメられてたのなんて、半年くらいの期間でしかなかったけどね。でも、それでも、そ
の間されたことのせいで、ほら」
 カガミは私の指を自らの陰部の中に押し込んだ。
「こんな簡単に入っちゃうようになった」
「や……」
 指先にカガミの温かさを感じる、きゅうきゅうと締め付けてくるその穴の感触。引き抜け、
逃げろと私の本能がいっているが、なぜかできなかった。
 逃げないといけないのはわかっていた。カガミの言動は、行動は、なにもかもがおかしか
った――いや、私たちがおかしくしてしまったんだ。そんなヤツに関わっていたらろくなこ
とがない。
 分かっている。
 分かっているはずなのに、私は抵抗すらできなかった。
 あの頃のように暴力で突き飛ばし、酷い言葉でカガミを傷つけ、この場から立ち去ったほ
うがいい。
 分かっている。
 分かっているのに、何故か私はあの頃のカガミのように、与えられる嗜虐的な行為に身を
任せることしかできなかった。
「ミヤビちゃんの触っていい? いいよね」
 カガミはそういうと、私の返事など聞かずスカートの中に手を入れた。
 カガミの手は最初下着の上から私の陰部を撫でまわし、愛でるように緩やかに、自然な動
きでパンツをずらすと直接触れた。
「ふふ、まだ生えてきてないんだ」
 笑い声。
 私は今にも泣きそうな顔でうつむいていることしかできない。
「あの頃から気になってたんだ、ミヤビちゃん陰毛はえてないよね。剃ってるのかとおもっ
たけど、こんなパイパンにはしないだろうし。ふふふ、子供みたいにつるつるだね」
「やだ、そんなこといわないで……」
 誰か、誰かこの控え室に来てくれないだろうか。そうすればこの頭のおかしい変態女も行
為をやめるはずだ。
 私の期待とは裏腹に誰かが来る気配は一向になかった。
 カガミの指は割れ目をゆっくりと何度もなぞるように擦り続けている。
47: 琥珀2nd-光、探せなくても 7/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:14:40 ID:+ohHA4wL(7/12)調 AAS
「ほら、全然指はいらないでしょ。っていうか、ほんと全然開いてくれないなあ」
 カガミは苦笑すると「ああ、もしかして」と呟いた。
「ミヤビちゃんてまだ処女なの?」
「――ッ!」
 その言葉に顔がどんどんと紅潮していくのがわかった。
 視界の隅に見えるカガミの口端が、愉悦に満ちた笑みをこぼすのがみえて、私は思わず目
を閉じてしまった。
 もう、なにもかも見ていたくなかった。
「そうなんだ」
 カガミの嬉しそうな声が聞こえた。
「だったら優しくしてあげるね。うん、ほら指いれるよ」
 その言葉の直後、私は股間に今まで感じたことのない感覚を憶えた。
 自分の中に何かがはいってきている感覚、背筋を寒気にも似た電流がほとばしった。
「ひ……ぃやぁ……」
「大丈夫だよ、私なんて最初は、ふふ、憶えてる? ミヤビちゃんたちわたしのマンコにさ、
モップの柄入れたよね。あれすっごい痛かったんだよ」
 そんなことしただろうか。
 記憶にない、ただ私たちは確かにカガミの身体をオモチャのように扱っていた。
「ミヤビちゃんも、そうされたい?」
「いやっ!」
 即座に応えた。
 あんな、自分たちがしたことだというのに、カガミが受けた仕打ちを受けなければならな
くなったら、私は気が狂ってしまう。
「だよね、じゃあやさしくしてあげる」
 そういってカガミは私の頬にキスをした。
 カガミの指は私の膣を内側から撫で続けていた。
 このままカガミに犯されてしまうんだろうか、そう思った時だった。
「悪いけど、ミヤビはあんたには関わりたくないそうだよ」
 斎場の方から椎がやってきてそういった。
「椎……」
 カガミは小さい声で相手の名前を呼ぶと、私から離れた。
「邪魔しないでよ、いいところだったのに」
「いいから喋ってないで消えろ」
 椎はいつになく厳しい言葉でそういうと、カガミの近くまできてその胸倉を掴み、強引に
立たせた。
「うざいんだよ。いつまでも私とミヤビの前、うろうろすんな」
 そういうとかつてのようにカガミのお腹に蹴りをいれた。
「ぐっ……けほっ、くっ、変わらないのね。あなたは」
「喋るなっていったろ」
 再度カガミのお腹に蹴りをいれた。
 カガミは椎の手を強引に振りほどくと、
「ミヤビちゃん、また会おうね」
 そういって逃げるように立ち去っていった。
 カガミの姿が見えなくなってはじめて、私は頬に熱いものを感じた。
 最初それがなにか分からなかったが、指で触ってみると、それはどうやら涙のようだった。
「ミヤビ? 大丈夫? あいつになにされたの?」
 椎が私の身体を庇うように抱いてくれた。
 私はそれにすがるように抱きつき、声を押し殺して泣いてしまった。
 私に泣く資格なんてないのかもしれない、私が今までカガミにしてきたことを考えれば、
これは報いだといえるのかもしれない。
 なのに、涙が止まらなかった。
48: 琥珀2nd-光、探せなくても 8/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:15:12 ID:+ohHA4wL(8/12)調 AAS
 怖かった。
 された行為のせいではなく、私がおかしくしてしまった少女のあの変わりようが怖かった。
 イジメられていた時のカガミはいつも怯えていた。
 それ以前のカガミは明るかった。
 今のカガミはそのどちらでもないおかしさが声に、行動に滲んでいた。
 カガミを狂わせてしまったのが自分かと思うと、涙がでた。理由は分からなかった、カガ
ミが可哀想だと思ったのかもしれない、自分たちのかつての行いの恐ろしさに今更恐怖して
しまったのかもしれない。
 ただ、何故か、涙はとまってくれなかった。
 
 
***
 
 
 瑛子の死から1週間が経過していた。
 あの日から、瑛子の葬儀から私は一度も学校に行っていなかった。
 ニュースをみれば瑛子の死について、偉い人がなにか語っていた。どうやら瑛子は高校で
はイジメられる側だったようだ。
 それも私たちがカガミをイジメていた時と違い、クラス全体から酷い目にあわされていた
らしい。
 瑛子のクラスメイトの誰かが、すりガラス越しにテレビ出演して語っていた。
『まあこういったらなんですけど、暇つぶしですよね。からかい半分というか、だって杉山
のヤツなんでかわかんないけど、なにされても抵抗しなかったし。……え? 性的なこと、
ですか? ああ、まあそういうこともしてるヤツもいたんじゃないんですかね。自習のとき
とか裸にされてましたから』
 そこまで聞いて、私はテレビを消した。
 あの気が強い瑛子が抵抗しなかったっていうのは考えられなかった――いや、考えたくな
かった。瑛子が無抵抗になってしまう理由は心当たりがあった。
 瑛子はカガミと同じクラスだった。
 イジメる側とイジメられる側。
 それがどういうことか逆転してしまったんだ。
 そして瑛子はかつて自分がしていた行為を思い出して抵抗できなくなっていたんだ、自分
の罪に気づかされて。
 だけど、イジメに罪はあっても、罰はあるんだろうか?
 イジメている最中に殺してしまったら殺人罪が適用されるだろうし、イジメられていた側
が告発したらなんらかの罰は与えられるのかもしれない。
 だけど、瑛子みたいにそういったことをされていても、黙したまま自殺を選んでしまった
ら、瑛子をイジメていた連中の罪は、罰は、責任はどうなってしまうんだろう。
 消えてしまうんだろうか?
 なくなってしまうんだろうか?
 被害者が死んでしまったら、その罪はどこにいくのだろう。
 でも、私の場合、被害者であるカガミは生きている。
 彼女がかつて私にされたことを告白したら、私はどんな報いを受けるのだろう。
 いや、もしかしたらカガミはもう考えているのかもしれない、私に対して与える報いを。
残酷なまでに/酷薄なまでに/無邪気なまでにカガミのことを弄んだ私への罰を、カガミは
既に考えているのかもしれない。
 もしタイムマシンがあったとしたら、あの暗黒のようだった中学時代に帰りたい。帰って、
そしてカガミへのイジメをやめさせたい。
 私は、本当は、あんなことしたくなかった。そう、瑛子たちからはぶられるのが怖かった
から。こんなこと辞めようといって、そのせいで自分がイジメられる側にまわったらやだっ
たからやっていただけで。そう、私は、あんなこと……。
49: 琥珀2nd-光、探せなくても 9/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:15:40 ID:+ohHA4wL(9/12)調 AAS
「……さいてい」
 自分の思考に呆れてしまった。
 こうなってまで、今更あの頃の自分を弁護しようとするなんて。くだらない、ほんと、最
低だ。
 なんで自分はこうなんだろう。
 もっと自分の意思が強ければ、今とは違った今があったかもしれないのに。
 なんで自分はこうなんだろう。
 終わってしまってから後悔する、手遅れになってから悔やんでしまう。もう瑛子は死んで
しまった、生き返ることなんてありえないのに。
 なんで自分はこうなんだろう。
 今更後悔するくらいなら/やらなければよかったと思うくらいなら/やらなかったと思う
くらいなら。
 繰り返す。繰り返す。くるくると堂々巡りを繰り返す。
 後悔している自分/ああすればよかったという自分/冷静に過去を評価する――でも、今
更だ、手遅れだ、どうしようもない、もう瑛子は死んだんだ。
 瑛子は死んだ。
 もう戻ってこない。
 イジメられていた瑛子は死を選んだ。
「ああ、そうか……」
 あの頃、カガミが死んでいた可能性だってあったんだ。
 私たちにイジメられるのが苦痛で、自殺を選んでいた可能性だってあったんだ。
 それに私たちの行為のせいで死んでいた可能性だってあるんだ。
 ワールドカップがやっていた、熱中していた私たちはサッカーの練習だといって、カガミ
を裸にしてボール代わりにした。
 フリーキックの練習としてカガミの股に何発も蹴りを叩き込んだ。
 蹴るたびに悲鳴をあげるカガミが面白かった、うざかった、だからパンツとか靴下を詰め
込んでガムテープで封をした。
「……ひどい」
 公園の男子トイレに裸のカガミをM字開脚で縛りつけ、その体中に「1回100円」とか
「犯してください」とか「人間便所」とか書いて放置した。
 5時間暮らして見に行ったら、本当に犯されたみたいで男の精液にまみれてて笑ってしま
った。解いてやったら、尻の穴から100円玉を何個も排泄した瞬間爆笑した。
「……」
 これだけじゃない。
 もっといろんなことをした、もっと酷いこともした。
「そりゃおかしくなるよ、だって、だって、そんなことされたらおかしくなるよ。当然だ、
おかしくしたんだ、私たちが……」
 思考の海はただただ広く、後悔という暗黒で埋め尽くされていた。私はその中にどんどん
と埋没していき深度を増していっていた。
 その時だった。
 携帯電話の着信音が鳴った。
 またクラスの誰かが不登校になった私を心配してかけてくれたのだろう、そう思って開い
てみると、そこには――。
「紺」
 瑛子が死んだ日に少し話しただけで、それ以来連絡をとっていなかった紺からの電話だっ
た。
 私は慌てて着信ボタンを押していた。
「紺、どうしたの?」
 すると荒れた息遣いが電話の向こうから聞こえてきた。
『あ、ミヤビ、よかった出てくれて』
50: 琥珀2nd-光、探せなくても 10/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:16:03 ID:+ohHA4wL(10/12)調 AAS
「え、うん」
『それでさ困ってることあるんだけど、助けて欲しいんだ』
「うん、うんうん。なに」
『今ね、ちょっと追われてて』
「追われてる? 誰に」
『よく分かんないけどカガミの仲間っぽい』
「どういうこと?」
 カガミの仲間って、クラスメイトのことだろうか。
『あたしもよく知んないんだけど、アイツ今やばい連中とつるんでるみたいでさ。ほんと、
おかしいよアイツら。地下鉄乗ってたら囲まれてさ、その場で犯されそうになった。周りの
人に助けてもらわなかったらやばかったわ』
「そんな……」
『だからさ、めーわくだろうけど。ちょっと匿って欲しいんだ、こんなことお願いできるの。
あの頃つるんでたアンタくらいしかいないし。お願い』
「それはいいけど、うちまで来れる?」
 紺が私の家にまで来たことは一度もなかった。
 紺はしばらく考えると、
『じゃあ、中学の近くにあった公園あるっしょ、あそこのトイレに隠れてるから。そこまで
来てくれる?』
「うん、分かった。いま直ぐ行くね」
 そういうと紺は安心したのか。
「あんがと」
 ぶっきらぼうに礼を言った。
 電話を切ると私は直ぐに行動に移っていた。
 
 
***
 
 
 家から指定された場所までは10分とかからないのだが、寝巻きから着替えたせいで、指
定された場所についたのは電話があってから15分ほど経過していた。
 私は紺が待っているトイレまで行って、なにか嫌な予感がした。
 いや、予感などではなく、聞こえたのだ、声が――。
「……紺?」
 その声はトイレから10メートルも離れていてもはっきりと聞こえた。
 それは男たちががやがやと何かをいう声であり、それらの中に混ざって聞き覚えのある少
女の叫び声が聞こえた。
 それは声というにはあまりにも意味を成していなくて、まるで獣の慟哭のようですらあっ
た。
『逃げろ』と本能が言っていた。
 冷静に考えても逃げるべきだと分かっていた。
 だけれど、私は確かめたかった――紺がどんな目にあわされているか、を。
 私はゆっくりとゆっくりとトイレに近寄っていくと、女子トイレの中に幾人もの男たちが
いるのが見えた。
 男たちは衣服はきていたが、その下半身、陰茎だけは外に出していた。男の性器、その醜
悪さに嫌悪感を感じた。
 男たちは口々に「早くしろよ」「気持ちいい」「よがりすぎだろコイツ」とか言っていた。
 私は中で何が行われているか、もう理解できたというのに、その場から離れず、逃げずに。
それどころか自分から声をかけた。
「なに、してるんですか?」
51: 琥珀2nd-光、探せなくても 11/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:16:40 ID:+ohHA4wL(11/12)調 AAS
 すると、男たちの視線が私に集まった。
「なにって……へへっ」
 男の1人が笑って答えた。
「みせてやりゃいいよ」
 別な誰かがいった。
「そうだ、見せて。まぜてあげようぜ」
 また別な誰かがいった。
「だってよ、ほらはいれ」
 最初の男に手を引かれトイレの中に引き込まれた。
 その中に紺はいて、私の予想したとおりの状態になっていた。
 紺は衣服を着ておらず、あちこちに擦り傷や打撲ができていた。顔も殴られたのか頬が青
黒く変色していた。
 紺は2人の男に挟まれていた。
 前の穴、後ろの穴、両方が塞がれていた。
 紺の足は地面についておらず、挟まれた状態で、何度も何度も突き上げられていた。
 その顔は涙だろうか精液だろうか、よく分からないが酷く濡れていたし。紺の口はだらし
なく開けられていて、嗚咽と一緒に涎がだらだらとたれていた。目は焦点を失っているよう
だった。
 私は、紺を見た瞬間「汚いな」って冷静に思ってしまった。
 友達だというのに、私は、
「へへへ、いい状態だろ。一発でこれだからな」
 振り返ると、男の手に注射器が握られていた。
 改めて紺の腕をみると、注射を射したあとなのだろう傷ができていて、そこから血がこぼ
れていた。
 男たちは私の身体をまさぐり始めた。
 だが私の目は紺に注目したまま、動かなかった。
 挟んでいた2人が果てたのか、両方の穴から白濁した液体が溢れた。
 2人は陰茎を抜くと、紺は床に落下した「ぐぎゃっ」と紺は変な声をだした。
「ニンシンしねーよーにしねーとなー」
 先ほどまで突いていた男はそういうと、ブーツの踵で紺の下腹部を思い切り踏みつけた。
 そのたび紺は蛙のような悲鳴をあげ、陰部から精液が溢れた。
 白目をむき床の上で痙攣する紺の姿に、私は私もこうされるのかと妙に冷静な気分でそう
思った。
 だが――
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(1): 琥珀2nd-光、探せなくても 12/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:17:48 ID:+ohHA4wL(12/12)調 AAS
「ちょっとストップ、その子には手を出したら駄目よ」
 男たちの輪の外から少女の声がした。
 その声には聞き覚えがあった。
「……カガミ」
 すると男たちはいっせいに私から手を引いていった。
 カガミは私に近づいてくると、乱れた着衣を直しながら私にいった。
「よかったミヤビちゃん家にいないから探したんだよ」
「カガミ、これ……紺が……」
 カガミは天使のような笑みで答えた。
「ああ、このビッチのこと? こいつお金もらって体売ってるでしょ、なんでかと思ったら
母親の入院費払うためなんだってね。かわいそー。だから、一気にそれ払えるように、この
人たちに売ってあげたの」
 すると男の1人が笑った。
「売ったつわれても、俺たちもあんたにかわれてるだけなんだがな」
「まあいいじゃない、あなたたちにも、惨めな家庭にもお金はいるんだし」
 そういうと下卑た笑いが起きた。
 何故笑うんだろう、そんなにおかしいことなんだろうか。
 カガミは直し終わったのか満足げに頷くと、私から手を離し、紺のそばに寄った。
「かわいそうなかわいそうな紺、本当にかわいそうよね。お母さんの身体のために、自分の
身体売ってるんだから、健気でかわいそう」
 そういってカガミは紺の下腹部を踏みつけた。
「だからがんばって稼がないとね。がんばって、がんばって、お金稼がないと。ふふふ、あ
んた貧乏なんだから。がんばって体売らないと死んじゃうもんね。ほんと――」
 カガミの顔には狂気にも似た笑顔が浮かんでいた。
「かわいそう」
 カガミは紺の顔を蹴りつけると、満足したように息をはいた。
 そして私のほうを振り返ると、
「さあ、いこっかミヤビちゃん」
「いくって、どこに?」
 カガミは笑って言った。
「わたしとミヤビちゃん、2人だけの場所」
 
 
つづく
 
 
 
***
 
次の投稿で終わりになります
53
(1): 2010/12/06(月) 05:52:52 ID:TmUhnTDi(1)調 AAS
マヂで怖くてチンコ起たない俺がいる…
54
(1): 2010/12/06(月) 20:29:16 ID:Am0Fwxze(1)調 AAS
俺は結構好きだぞw
55
(1): 2010/12/08(水) 21:17:01 ID:T38ShXVm(1)調 AAS
なんちゅうもんを見せてくれたんや…(AA略
鬼畜百合とか俺得すぎるわ
56
(1): 2010/12/11(土) 16:08:33 ID:SRL+5f51(1)調 AAS
チンコは立たないし怖いのに読みふけってしまった
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ぬこの手 ぬこTOP 0.158s*