[過去ログ] 【四号機】 新世紀エヴァンゲリオン 【消滅!】 (1001レス)
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540: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:14:39 ID:bjTYrGXS(1/16)調 AAS
・第8話「不安」

シンジの眼前に、第3新東京市の廃墟が広がる。
初号機のメインモニターの視点で見下ろす、零号機自爆跡のクレーター湖、その脇の倒壊したビル群。
そして、照りつける太陽の下、そのビル群の隙間を縫って接近してくる3つの巨大な人影。
不意に一体がスピードを上げ、走りながら接近してくる。
そちらに機体の向きを変え、遮蔽物のなくなった瞬間に迎撃すべく、パレットライフルを構える。
「…っ!?」
被攻撃警告音がエントリープラグ内に鳴り響く。
とっさに膝を曲げ、姿勢を低くした初号機の頭上を、高速の大口径砲弾が衝撃波を残して通り過ぎる。
「くっ」
他の一体が遠距離射撃を加えてきたことにシンジは気づく。
敵に直接身を晒さないようにしていたし、この距離ならばまだ攻撃できまいと踏んでいたが、的確な射点から正確な狙撃を加えて来ていた。
「敵」の戦力を侮っていたことにシンジは気づく。
しかし、そんなことを気に病む時間はない。
初号機が体勢を崩している間に最初の一体目が、ほんの数百メートルまでに迫ってきている。
エヴァ専用接近戦用装備「ソニックグレイブ」をかざし、接近戦を挑むつもりらしいその一体は完全に無防備の状態で突っ込んでくる。
それならばと、パレットライフルの連射を叩き込もうと立ち上がった初号機の周りに、続け様に爆発が起こる。
「あっ」
3体目が意外に近いところから1体目の援護射撃をしてきたのだ。
次々と周りのビルが破壊されコンクリートの破片が雨あられと降り注ぐ。
「くそっ」
再び、初号機をしゃがませる。
迂闊にも、すでにこの場所は、危険極まりない十字砲火の交点になっている。
とうにATフィールドは中和されている。
敵の射撃に身をさらしたら、たちまち装甲をえぐられてしまう。
ここでは駄目だ。
もっと有利な場所に後退すべく、シンジは忙しく視線を走らせる。
その焦りが致命傷になった。
シンジが最後に見たのは、初号機の頭上からソニックグレイブを振りかぶって降下してくる赤い、顔のないエヴァンゲリオンだった。


541: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:15:13 ID:bjTYrGXS(2/16)調 AAS
「あらあらシンジ君。完敗じゃない」
「何よアレ、シンジ。バッカじゃないの?もうちょっと周りの状況見なさいっての」
黙々と業務をこなすオペレータ達が詰める薄暗いモニター室。
訓練を終え、学生服姿で入室してきたシンジを、2人の女性がその場から浮いた口調で迎える。
ミーティング用のテーブル席に座って戦闘シミュレータの実況を見ていた、ミサト、アスカだ。
「状況見ろって言われても…。3対1はキツイよ。特に最後のが…」
「最後の一戦は、シンジ君とレイ、アスカの過去の戦闘パターンを、敵側の3機に組み込んで見たんだけど、なかなか手ごわかったようね」
赤木リツコ博士が想像以上の効果に感心したように説明する。
シンジはアスカと、その後に座っているレイの顔を見比べる。
「どうりで…。こっちの動きを完全に読まれていて参りましたよ」
「じゃあ、バカシンジにトドメを刺したのはアタシってわけ?」
「そうなるわね」
「ふうん。やっぱり操縦センスじゃ、シンジなんてアタシの足元にも及ばないってことね」
ふふん、と得意そうに鼻を鳴らすアスカ。
最近はネルフ内で居心地悪そうにしているアスカが珍しく声を弾ませている。
「今のは、そのシンジ君と、レイの戦闘パターンのバックアップあってこそでしょ?」
「むう…」
ミサトのたしなめる様なツッコミが入る。
しょんぼりとしたようなアスカの顔がシンジの胸をちくりとさせる。
「顔がないエヴァって不気味ですね」
気を取りなおして、シミュレータ上で初めて見た、新型のエヴァの素直な印象を赤木博士に伝えるシンジ。
「そうね。5号機以降はこれまでの実戦データをフィードバックしていて、損傷しやすい大きな光学系センサは装備していないの。でも、ぱっと見では分らないけど、小型のカメラが分散配置されているわ」
だが、その新しいエヴァを敵とした訓練が企画されること自体が一番不気味だ、とシンジは思う。
なぜ、ここに来て、対使徒戦以上にそのような訓練が繰り返されるのか。
「…ただし、この五号機以降の…各国間で完全に規格統一されるエヴァシリーズについては、急に大幅な仕様変更の話が持ち上がったの」
シンジのその不審を気づかずにか、ワザと無視したのか、赤木博士の解説は続く。
「ロールアウト間際だった機体すら改装しているという話だわ。おかげで、レイのための機体も未だに届かないわけ。」
テーブルの隅に座っていたレイに皆の視線が集まるが、彼女は何の反応も示さない。
「だから、本当のエヴァシリーズは、恐らく今のデータとは別物になっているはずよ。残念ながらいまだ詳細は開示されていないから、私にも分らないけれど」
「ふうん、E計画担当主任にすら秘密とはね。きな臭い話ね」
眉を寄せるミサトの姿にシンジは、先ほど感じた漠然とした不安が自分一人のものではないと感じる。
「ふーん。エヴァはいっぱいあるほうが安心できるじゃない。ま、アタシが操縦できるようになったら、数合わせの雑魚は邪魔だけど」
アスカの能天気な口調が、テーブルの微妙な雰囲気を霧散させる。


542: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:16:38 ID:bjTYrGXS(3/16)調 AAS
「では、今日の訓練はここまでとします。解散」
ミサトが3人のチルドレンに告げる。
「レイ、今日はアナタももういいわ、自宅に戻りなさい」
「はい」
赤木博士に指示されたレイが鞄を手に、振り返ることなく部屋を出ていく。
それを目で追っていたシンジに脇からミサトの声がかかる。
「シンちゃん、アスカ。アタシの車に乗ってく?徹夜明けだから、もう帰って寝るだけなんだけど」
シンジは少し間を開けて、返事を返す。
「…うーん。ちょっと用事があるんで遠慮しておきます」
「あ、そう。アスカは?」
「あ…、ア、アタシもヤボ用あるんでパス。パスよ」
「あっそ。じゃあワタシはさっさと帰るわぁ」
ふあーっと、あくびで大きく空いた口を慌てて抑えたミサトが部屋を出ていく。

「じゃあ、僕はこっちに行くから、アスカ、また家で」
「う…うん」
ジオフロントから地上の第3新東京市の市街地に出たところでシンジが別れを告げる。
振り返ることなく、まっすぐに人気のほとんど無い街を歩いていく。
その姿をアスカが立ったまま見送る。
眉をひそめたアスカがぽつりと言葉を漏らす。
「怪しいわね…」
熱い太陽の下、延々と歩き続ける少年。
アスカはその姿を追い続ける。
(…ちょっと、ずいぶん足が速いじゃない)
もちろん、百メートル以上は距離を置いている。
第3新東京市は基本的に碁盤目状の道路が引かれているため、見通しはかなりいい。
(これじゃ、見失っちゃう…)
(ちょっと、置いてかないでよ?)
(待って!)
いつも、少年の前を歩いていたつもりの自分がどんどん離されていく。
そんな感覚に包まれながらアスカはあることに気づく。
543: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:17:03 ID:bjTYrGXS(4/16)調 AAS
(…なんでこんな辺鄙なところに…?)
(…え?この方角って確か…)
(優等生のアパートがあるところじゃないの?)
(…まさか)
(まさか、あの娘に会いにいくの?)
「そ、そんなの…」
(どおして?)
(アンタは、アタシを…)
(どおして?)
(あの娘より…アタシのほうが…良かったんでしょ?)
「シンジィ…」
(どおして?)
(違うの?)
(どおして?)
「アイツ…。あの女のトコになんか行ったら…」
(くぅっ…うう)
もし、そうしたら。
「ぶっ殺してやる…!!」
もし、道行く人があれば、青い瞳が憤怒に燃え上がるのを見ただろう。
「って…あっ!?」
アスカは自分の声の大きさと言葉の汚さに驚いて、立ち止まる。
「あれ…?」
次第に興奮が収まってくる。
「なんで、アタシこんなに腹立ててるわけ?」
ふと、握りしめていた拳を開くと、食い込んだ爪の後が痛む。
「…バカシンジと優等生がよろしくしようがしまいが、アタシには関係ないじゃない」
「アタシがシンジにつきあってやっているのは、任務…。そう、ただの任務よ」
(だから…)
(別にどうだっていいじゃない)
急に目の前に公園が広がる。
「あっ…」
シンジがぽつんと下りの階段に座っている。
慌てて声を抑え、アスカは、身を隠してシンジを伺う。
気づかれた様子はない。
(何やってんのよ?コイツは…)
一休みして、歩き出すのかと思いきや、ずっと座ったまま物思いに耽っているようだ。


544: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:17:43 ID:bjTYrGXS(5/16)調 AAS
アスカと別れて、シンジはほとんど無人の市街地を歩いていた。
延々と歩くうちに思考は過去へ飛ぶ。
3人で戦っていたころは今思えば、気楽だった。
絶望的な状況も何回も有ったが、アスカ、レイが一緒に戦っているということがどれだけ心強かったか。
様々な思い出が蘇る。
「…綾波。やっぱり君は死んじゃったのかな…」
アスカが元の元気を取り戻そうとしている今、再び自分の心に重く圧し掛かってくるのはそのことだ。
自分の知っているあの「綾波」はもういない。
自分を庇って、炎の中に消えた。
戻ってきたのは、見た目は同じだが、まるで自分を話では知っているが、初対面であるかのようなよそよそしい態度を取る少女。
詳細など知る由もないが、ネルフの持つ人知を超えた技術でも、人の心までは再生できないのだろう。
しかし、もう一度、彼女に寄り添ってみれば、再びあの笑顔に出会えるのかも知れない。
不思議と懐かしさを覚える、あの笑顔に。
そのかすかな希望を確かめたくて、こうして彼女のアパートへ向かっている。
だが、先を急ぐシンジの脳裏にもう一人の少女の面影が浮かぶ。
太陽のような笑顔の影に、寂しさを隠した少女の。
シンジの歩みがテンポを落とす。
二人の少女を追うことはしてはいけないとシンジはおぼろげに感じる。
このまま進めば、今の、アスカとの微妙な関係を壊すことになるかもしれない。
もちろんアスカとは、恋愛関係にあるわけではない。
しかし、「任務」とはいえ、身を捧げ、自分を支えてくれている少女の気持ちを踏みにじることになるのではないだろうか。
「…やっぱり止めよう」
行かないというのも選択肢の一つだ。
何もしないから何も変わらない、わけではない。
何もしないことで引き起こされる結果というものはきっとある。
「…ごめんよ、綾波」
あの綾波レイは、もはや絶望的に遠い場所にいる。
だが、惣流アスカは、自分のすぐとなりで苦しんでいる。
「アスカを助けてあげたいんだ…」
レイのアパートまであとわずかの場所の公園の階段で、シンジは歩みを止める。
「…だから、ごめん」
545: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:18:07 ID:bjTYrGXS(6/16)調 AAS
石の階段に腰を下ろして、目の前の風景を眺める。
久しぶりに見た、昼間の街。
低い位置にある公園の木々が風にそよぎ、頭上の太陽に照らされている。
その向こうには団地の建物が並ぶ。
青い空に、入道雲がくっきりと白いコントラストを与えている。
じりじりと太陽が頭を焦がすが、それも心地良い。
わずかな風を感じながら、シンジは頬づえをつく。
もし、アスカが元の能力を取り戻したとして、それからどうなるというのだろう。
アスカと一緒にいたいというのは、自分の勝手な想いだ。
アスカは、エヴァに再び乗るために、「任務」を受け入れて、日本に残った。
アスカが回復し、エヴァに乗れるようになったら、2人の関係も終わるだろう。
マンションを出ていくと言いだすかも知れない。
(僕はやっぱり一人だ…)
湧きおこる寒気のような感覚がシンジの全身を包む。
世界から切り離されたような、目の前の風景が色あせて見える感覚。
(でも、そんなのいままでだって一緒じゃないか)
(どうして、今になってこんなことを思うんだ)
(何も変わらないじゃないか)
(でも、僕は…)
行き場のない想いは、思考をループさせ続ける。
螺旋を描きながら奈落へ落ちていくような感覚にシンジが身を震わせた瞬間。
頬に不意に痛みが走る。
「あっ…つっ!」
その痛みの原因の方向へ顔を向ける。
「わっ…。ア…アスカ?」
太陽を背に、その長い髪を金色にきらめかせた少女が自分のほうへかがみ込んで来ていた。
シンジはようやく、自分の頬が感じたのが痛みでなく、冷たさであることに気がつく。
それは、彼女がつき出した、良く冷え水滴を滴らせたジュースの缶だった。
「あはは。ビックリした?」
「そりゃ、ビックリするよ!」
慌てたあまり、階段から転げ落ちそうになったシンジを見て、満面の笑みを浮かべるアスカ。
「ほら、これはアンタの分よ」
アスカがジュースを手渡してくるのを受け取る。
アスカは、カシュッ、ともう一つのジュースの蓋を開け、くいくいとジュースを飲みほしていく。
冷えた缶を手の平に感じながら、そのいたずらっぽい笑顔に、怒りではなく、ほっとしている自分をシンジは不思議に思った。


546: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:18:33 ID:bjTYrGXS(7/16)調 AAS
シンジとアスカが並んで歩く。
通ったことのない街の道。
やや裏通りのその場所は、店がほとんどなく、塀だらけだ。
「ここ、なんか変なホテルばっかりだね」
シンジがきょろきょろと周り塀の入り口に掲げられた建物の看板を見まわす。
<2時間3千円>
宿泊するにはずいぶんと短すぎる時間だ。
「…アンタ、バカ?」
無言で歩いていたアスカがイラついたように振り向いて言う。
「え?」
「…ラブホよ。ラブホテル!」
「あ…」
ようやくシンジも目の前のホテル群がなんの目的の施設なのかを認識する。
カッと頬が熱くなるのを感じる。
こころなしか、アスカの顔も赤い気がする。
「まったく。どんだけお子様なんだか」
「初めて見るんだからしょうがないじゃないか」
男女が愛を交わす街。
周りを見る目が変わったのを意識しつつシンジは歩く。
「ふふん。そういう問題かしら?」
シンジの前を後ろ向きに歩きながらニヤニヤ笑うアスカがシンジを見る。
少々むっとしながらも、ある可能性を思いつき、シンジはアスカに尋ねる。
「ア、アスカはこういうところ…、来たことあるの?」
「…アタシがどこ行こうがアンタに関係ないでしょ?」
アスカが、打って変わって不機嫌そうに応えて、前を向く。
「そうだけど…」
シンジは、胸の奥に不快感を感じる。
(答えてくれないってことは何かあるのかな…)
自分の知らないところで、誰かとこんな場所に出入りするアスカ。
そんな想像が浮かぶ。
理由のわからない、焦燥感が湧く。
先を行く、髪をひらめかせて歩くアスカの後姿に、急に欲望が高まるのを感じる。
「…アスカ」
「ん?何よ?」
立ち止まったシンジにアスカが振り返る。
「ここで…、休んで行こうよ…?」
「はあ?」
「家に帰っても、ミサトさんが寝てるしさ…」
「ミサト…?あ…」
シンジの言葉を理解したアスカが目を逸らす。
「ここでしておきたいな…」
「まったく、しょうがないわね…」


547: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:19:53 ID:bjTYrGXS(8/16)調 AAS
ホテルの一室。
ベットに仰向けになったシンジの目前にアスカの形のいいお尻がつき出されている。
両手でその白い尻肉を左右に広げ、露わになったサーモンピンクの秘所に舌を這わせる。
シャワーを浴びたばかりのアスカのそこはボディソープの香りが漂っている。
「あ…、ああん」
シンジの上に逆向きに跨ったアスカがビクビクと体を震わせる。
それと同時にアスカの、シンジのペニスを握った手に力が加わる。
「うっ、く…」
シンジが呻く。
「ねえ、シンジ…。アンタ、さっき何してたのよ?」
やわやわとシンジのペニスを握りながらアスカが問う。
「…えっ?」
シンジの頭に一瞬、レイのことをアスカに話すべきか、という考えが浮かぶ。
「いや…、最初に第3新東京市に来たころを思い出してさ…。ちょっと行ったことのある場所を見たかっただけなんだ」
だが、口をついて出たのは、当たり障りのない言葉だった。
「ふうん…」
アスカは、レイの運命を知らない。
赤木博士やミサト、ごく一部のスタッフしか知らない真実を知らされていない。
零号機とともに彼女が消えたことを。
レイとは、仲がいいとまでは言えないまでも、同じパイロット同士でそれなりのつき合いはあったはずだ。
そのレイが既に亡き人であるなどと、今の不安定なアスカに伝える自信はない。
ましてや、クローンの肉体を持ち復活を遂げていることなど。
荒唐無稽過ぎて、自分でも信じられないくらいだ。
「…ぷらぷら散歩してただけ、なの?」
アスカが体の向きを変えて、シンジに馬乗りする形になる。
シンジはその青い澄んだ瞳に射すくめられる。
548: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:21:22 ID:bjTYrGXS(9/16)調 AAS
「そ…、そうだよ」
とっさについた嘘がどこまで彼女を騙せているのか。
瞳の奥のアスカの心は計れない。
「そうなんだ…」
だが、アスカの追及はそこで終わる。
視線を逸らしたアスカからどことなく力が抜けたようにシンジは感じる。
少々の勇気を出してシンジは問う。
「ア、アスカこそ、あんなところで何してたのさ?」
アスカがきょとんする。
だが、それは一瞬のこと。
眉を寄せたアスカの答えは予想通りだった。
「そ、そんなのアンタに関係ないでしょ?」
やっぱりアスカは何も答えてくれない。
「そうだよね…僕には関係ないよね…」
他人の事情に深入りし過ぎるのはトラブルの元だ。
いつも通りの、アスカと喧嘩になりそうな時の引き際のセリフ。
こう言って引きさがれば、丸く収まる。
卑屈になった自分への相手の冷ややかな視線さえ無視すれば。
それで終わり。
今までと同じ対応のはず、だった。
だが、シンジは自分のその言葉とは裏腹に、胸の奥にかすかな不快さを感じる。
(アスカは本当のことを教えてくれない)
(だけど、僕もそうだよな…。)
だが、アスカの反応はさらに予想外だった。
549: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:22:03 ID:bjTYrGXS(10/16)調 AAS
「だあっもうっ!アンタ見てると、イライラすんのよ!」
アスカが、目を見開いて、吐き捨てるように言う。
(あれ?)
アスカの事情に立ち入るまいとしたのに、彼女は苛立っている。
ほとんど怒りに近いほどに。
だが、シンジはその彼女の感情の激しさとは、逆に冷静な自分を意識する。
今までだったら、その激しい感情に自分は委縮するはずだった。
ほんの一月も前の碇シンジなら。
だが、シンジの口をついて出たのは、自分でも予想しなかった言葉だった。
「自分みたいで?」
「…っ!」
意外なことに、アスカが虚を突かれたように黙る。
見開かれた瞳は戸惑ったかのように鋭さを失っていく。
いつか、ユニゾンの特訓から彼女が逃げ出した時のような不安気な表情。
猛然と反撃されるのを予想していたシンジもその反応に戸惑う。
シンジはふと、アスカの苛立ちが、自分が感じた不快さと同じなのではないかと思った。
そんな印象が先ほど発した自分の言葉になったのかもしれない。
(僕も、アスカも本当のことを言わない)
(2人とも一緒だ)
きっとそれをお互いに感じるから、こんな風なやりとりになる。
アスカが目を伏せる。
ほんの目と鼻の先にいる二人が視線を逸らせたまま、沈黙が続く。
(2人きりでこんなことをしていても、言わないんだ)
(でも、いままで、別にそんなことを気にしていなかったのに)
(どうして、こんなにイライラするんだ)
その苛立ちの矛先が、勢いを失い、急に小さく見えるようになった目前の少女へと向かう。


550: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:23:36 ID:bjTYrGXS(11/16)調 AAS
シンジは、アスカを抱きすくめると、体の向きを入れ替える。
「きゃ…、あん」
ベットに押し付けられる形になったアスカが小さな悲鳴を上げる。
先ほどまでの威圧するような表情は欠片もなく、シンジの体の下で、目を伏せ、体を震わせるアスカの姿にシンジの欲望が高まる。
シンジはサイドテーブルの箱の中から、ビニール袋を取り出す。
袋の口を開け、中身を取り出す。
それは、市販品のバイブレーターだった。
アスカがシャワーを浴びている時に見つけたものだ。
ピンク色の樹脂製のそれをアスカの目の前にかざす。
「やっ…、な、なに…?」
アスカが怯えたような表情を浮かべる。
シンジは先ほどの不快感が心の隅に追いやられていくのを感じる。
バイブレータを手にしながら、アスカへの悪戯を実行する。
「アスカ、コレと僕の…と入れるの、どっちがいい?」
「えっ…?バ、バカ…何いってんのよ…」
卑怯な、彼女が逃れられない質問で彼女を責め、憂さを晴らそうとしている。
「契約」を利用した恥ずべき行為。
最低なことをしているという自覚はある。
だが、行為は止まらない。
「どっち?」
淫らな回答を強制され、アスカが視線を逸らせる。
少々の罪悪感と、それに比較にならないほどの高ぶりをシンジは感じる。
「変なオモチャは嫌…。シンジの…がいい」
顔をそむけ、頬をわずかに染めて呟くアスカの姿に、シンジのペニスがトクンと脈打つ。
さらにアスカを辱めることを思いつく。
551: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:24:20 ID:bjTYrGXS(12/16)調 AAS
「もっとちゃんと言ってよ。こういう方にさ…」
アスカの耳元でシンジが囁く。
アスカが目を丸くする。
「…バ、バカぁっ!そんなこと言えるわけないでしょ!?」
アスカが上半身を起こし、顔を真っ赤にさせて抗議する。
「うーん、ちゃんと言ってくれないと、コレを入れちゃうよ?」
シンジがバイブで意地悪く、アスカの内股をなぞっていく。
「あっ、いやあ…」
冷たい器具が肌に触れる感触にアスカがのけ反り、小さな悲鳴を上げる。
「ほら…、早く言わないと…」
バイブの先端がアスカの秘部に迫る。
「ひいっ…、いやあっ。い、言うわよ…」
シンジは動きを止めて、アスカを見つめる。
もし他に人が居れば滑稽なほどの真剣さを笑ったかもしれない。
アスカが小さく息を吸い、口を開く。
「…ア、アタシの…」
アスカの顔が羞恥に赤く染まる。
「…アタシのオ、オマンコに…、シンジの…オチンチン…入れて…」
アスカが身を震わせながら、途切れ途切れに卑猥なその台詞を言い切る。
552: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:24:52 ID:bjTYrGXS(13/16)調 AAS
大きな瞳を潤ませたアスカの姿にシンジの理性が弾け飛ぶ。
「ア、アスカぁっ!」
アスカの両手を掴んで組み敷く。
左手でアスカの両手を掴んだまま、ペニスを右手でアスカのワレメに押し当てる。
先ほどまでの愛撫でそこはすでにヌルヌルとしている。
早く、ひとつになりたい一心で、強引にアスカの足を開かせる。
「あっ…。やっ、乱暴に…っ」
腰を突き出し、ズブッとアスカを貫く。
「あああっ!!」
目を瞑り、ヒクヒクと肌を震わせるアスカに身を重ねる。
「あ…う…」
温かなアスカの胎内にペニスが埋まり、包み込まれる心地よさにシンジはうっとりとする。
滑らかな腹部と柔らかな胸に体重を預けながら、ギシギシとベットを揺らせて律動を開始する。
「くうっ…。くうん。ああん…」
アスカがそのたびに切なげな喘ぎを漏らす。
しばらく、アスカの声と、ピチャピチャという淫らな音だけが続く。
553: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:25:44 ID:bjTYrGXS(14/16)調 AAS
「ううっ…」
濡れた肉との摩擦快感に、瞬く間にシンジのペニスは暴発寸前になる。
絶頂を堪え、いったん律動を止める。
「あ…」
アスカが身を起こしたシンジを不思議そうに見つめる。
彼女の上半身を抱えて起き上がらせ、後ろに手をつかせる。
「う…ん」
アスカはなすがままにその姿勢を取る。
潤んだ瞳はぼんやりとシンジを見つめている。
つやつやした栗色の髪が上半身に絡みつき、乳房を縁どる。
引き締まっているはずの真っ白な腹部は折り曲げられて、柔らかそうな肉をやや盛り上げさせている。
その下に、つつましい柔毛に覆われたワレメがピンクの肉を覗かせている。
その美しい中心部に、無残に男の器官がねじ込まれている。
お互いに下半身だけが繋がった、淫らな体位。
「アスカ、僕のがアスカの中に入ってるのが良く見えるでしょ?」
「あ…。やだ…」
結合部を見せつけられ、アスカが頬を赤らめる。
「ほら、こんなに奥まで入ってたよ」
ゆっくりと腰を引き、ペニスを引き抜いていく。
「あ、ああ…」
微妙な摩擦にアスカが小さく声を上げる。
猛々しく青筋を立てたペニスが、愛液をまといつかせて姿を現す。
「こんなのが入っちゃうんだよ。アスカの中ってすごいね」
「やん…」
嫌々と、首を振るアスカ。
554: 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:26:20 ID:bjTYrGXS(15/16)調 AAS
「また、入れるよ」
再び、ゆっくりと腰を進める。
ちゅぷちゅぷと音を立てて、ペニスが先端がアスカの濡れた肉をかき分けて潜りこんでいく。
「あっ、ああん…」
眉を寄せたアスカが自身が犯されていく様を見つめる。
奥まで挿入しおわると、同じ体位のまま、シンジは本格的に腰を動かし始める。
「あっ、あっ!!」
顔をのけぞらして喘ぐアスカに声をかける。
「アスカ、気持ちいいんでしょ?」
「どこが気持ちいいのか、言ってよ!」
「ああっ」
返事を催促するようにひと際深く突き込まれ、アスカが悲鳴のような声を上げる。
「い、言えない…」
「ほら、早く!」
ズンズンと腰を突き上げ続ける。
シンジ自身ももう限界が近い。
「…オ、オマンコが気持ち…いいっ!」
アスカが切羽詰まったように叫ぶ。
自分の言葉に、さらに刺激されたのか、アスカの膣内がきゅっと締まる。
その快感にシンジは、堪え切れず最後の突き上げを見舞う。
「い、いやあっ!ああっー!」
首を振り振り、体を痙攣させるアスカ。
長い髪が生き物のようにのたうつ。
「アスカっ!出るよっ!」
歯を食いしばり、アスカの中心へ腰を打ち続ける。
「うっ!」
「あああーっ!!」
ドクドクと、絶頂に達したシンジのザーメンを胎内に受け、アスカが身をのけぞらして絶叫する。
「はあ…はあ…」
後ろに倒れこみそうになりながら荒い息をつくアスカ。
それを眺め、ペニスを絞り上げるように蠢くアスカの柔肉に包まれながら、シンジは射精の余韻に浸った。


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(1): 【専属慰安婦(第13回)】LASキッチー 2011/01/15(土) 22:27:05 ID:bjTYrGXS(16/16)調 AAS
だが、蕩けそうな快楽に包まれ、アスカを大きな快感に導いたことにも満足しながらも、シンジの心にわずかな違和感が残る。
目の前の少女と性器だけが繋がった、この光景。
これが自分とアスカの関係だ。
(こんなに気持ちいいのに。どうして…)
(どうして、物足らない気がするんだろ?)
お互いに快楽を与えつつも、他は何も繋がっていない、何も知らない。
それが、この違和感の元なのか。
そうだとしたら?
(僕はどうすればいいんだろう?)

(つづく)

相当間が空いちゃいましたが、久しぶりに投下です。
今回は、EOEの例のシーンと、淫語プレイを盛り込んでみました。
大分、本編から離れた気もしますが(笑)、次回からEOEに向けて収束していく予定です。
次は一カ月後くらいに投下できるかと。
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