[過去ログ] ●●寝取り・寝取られ総合スレ5●● (769レス)
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647: 2007/09/12(水) 10:38:19 ID:Ve2x/mNt(1)調 AAS
>>646
あれわりとツボだったなー。元ページ消えちゃってるみたいだったけど。
648: 2007/09/12(水) 13:33:21 ID:1ZJE7VD5(1)調 AAS
久しぶりに読みたいんだけど、アーカイブにも無いんだよね。
誰か保存してる人がいたら、あげてもらえないだろうか。
649
(1): 2007/09/12(水) 21:19:59 ID:EDB/Pi4r(1)調 AAS
NTRではないけど「好きな娘、または彼女が第三者にレイプされる」とか
「好きな娘に彼氏がいる」とかは勝手にNTRカテゴリに入れてる俺
650: 2007/09/12(水) 22:24:08 ID:jPo2bClY(1)調 AAS
俺もかな。レイプははずすが。

職人さんまだかなー
651: 2007/09/13(木) 03:05:03 ID:oNPMWsyb(1/2)調 AAS
>>649
心が奪われずただレイプされるだけならNTRではないな個人的には。
彼氏がいるというより彼氏ができるってのがNTRだな。
652: 2007/09/13(木) 05:06:37 ID:Vxfd+tIH(1)調 AAS
NTRではないけど、それも好き >第三者にレイプ
653
(1): 2007/09/13(木) 08:06:40 ID:yWngKAqb(1)調 AAS
知らないうちに好きな娘が変わっていった、というシチュがいいな
654: 2007/09/13(木) 15:41:53 ID:oNPMWsyb(2/2)調 AAS
>>653
いやどっちかって言うと少しずつ変わっていく、ってのがクるものがあるな
胃に
655
(1): 2007/09/13(木) 21:06:01 ID:6fBujEjL(1)調 AAS
要するに鬱になりたいんだなおまえらは
656
(1): 2007/09/13(木) 21:52:16 ID:VUENN5Mj(1)調 AAS
>>644
ともちの『だいすき!』って漫画読んだことある? 後悔女の描写に結構ページ割いてるよ
それなりに人を選ぶ絵かもしれないが
657
(1): 2007/09/13(木) 23:01:12 ID:OkvF3EJv(1)調 AAS
>>656
読んだことないな〜。
どんな感じの話なんでしょ?
658: 2007/09/14(金) 01:18:07 ID:EkxQ6/+Y(1)調 AAS
>>655
なりたくないよ
一時的に鬱になるのは仕方ないから我慢するができれば後味はよくしておいてほしいよ
659: 2007/09/14(金) 02:24:29 ID:Zc41F/ud(1)調 AAS
後味いい寝取られなんてヤだよ…
660: 2007/09/14(金) 09:55:39 ID:q36PQPeq(1)調 AAS
っていうか後味いい寝取られって存在するの?
661
(1): 2007/09/14(金) 13:26:04 ID:hSNoBq4G(1)調 AAS
寝とられた女が実は最悪女で、寝取り男と破滅する。
寝とられ男は、新しい恋人が出来る。
662: 2007/09/14(金) 18:45:00 ID:NYDTDKrD(1)調 AAS
>>661
あぁそれモロ俺の人生と同じだわ
663: 2007/09/14(金) 20:37:25 ID:KKUzPkRu(1)調 AAS
新しい恋人ができたらそれもまた寝取られたりして
以下繰り返しの無限ループ
664: 2007/09/14(金) 21:09:34 ID:+psfuln1(1)調 AAS
話の中の世界とはいえ、余りに酷過ぎだろ常考
665: 2007/09/15(土) 00:02:37 ID:O/dLvuc2(1)調 AAS
だがそれがいい。
666: 2007/09/15(土) 02:18:47 ID:o7uC0vEa(1)調 AAS
こんな狭い趣味の中で、更にライト派とヘビー派に分かれてるとは…
667: 2007/09/15(土) 03:51:06 ID:YSwHe+XL(1)調 AAS
ゲームスレだと、いつもそんな争いが続いてるよ。
668: 2007/09/15(土) 04:02:20 ID:RxPhTq89(1)調 AAS
俺はドギツイ寝取られや連続寝取られ、外道に寝取られるといつも思うんだ。
主人公、何諦めてるの?
これからメッタ刺しが普通じゃね?と。
669: 2007/09/15(土) 06:43:25 ID:id4RupwR(1)調 AAS
ストーリー的な問題としてはホラーと同じようなものじゃね。
恐怖は話が終わった後も続いている、ぎゃーーーってな感じの。
あと、寝取られ男の復讐を丹念に書くとジャンルが変わって寝取り・寝取られじゃなくなってしまってそっちのニーズを満たせなくなるからかと
670: 2007/09/15(土) 06:58:24 ID:RuA8E8km(1)調 AAS
それも含めての寝取られじゃないか
671: 2007/09/15(土) 09:10:43 ID:3u0hHxDz(1)調 AAS
NTR的には蛇足だと思う
672: 2007/09/15(土) 11:18:12 ID:QH7YCGRm(1)調 AAS
バッドエンド(元鞘エンド)以外だったらなんでもいいよ
673
(1): 2007/09/15(土) 12:40:42 ID:3Lhg6kLq(1)調 AAS
動画リンク[ニコニコ動画]

動画リンク[YouTube]


>世紀末の詩 第2話「パンドラの箱」

>あらすじ
>盲目の美少女と小汚い中年親父が同棲してる。
>主人公の青年曰く「あの二人は僕の理想のカップルなんです!ラブ・バード」

>小汚い中年は少ない稼ぎをコツコツと貯めて、美少女の目が見えるようにする為の手術代を貯めていた。
>手術は成功して美少女は目が見えるようになった。

>美少女は目が見えるようになった事で、自分が美人であり価値がある事を自覚すると共に、これまでのみすぼらしい暮らしにゲンナリする。
>手術成功後、手術を執刀した若いイケメン医師が美少女にアタックして来る。
>手術成功のお祝いにとディナーに誘われたり。

>・・・そして、美少女は小汚い中年男と暮らしてきた狭いアパートをとっとと出て行き、イケメン医師と付き合い始める。
>高い手術代を払うだけ払って用済みになった小汚い中年男は
>商店街のピエロのバイトをして、雨に打たれるシーンで終わり。

>という、心底素晴らしいストーリーで痛く感動しました(マジで)
>本当の愛を描いたドラマ「世紀末の詩」の中で個人的に一番良い話しでした。
674: 2007/09/15(土) 17:07:03 ID:ra190zgm(1)調 AAS
どうでもいいがなんでこのスレに貼ろうと思ったのか心情が知りたいな。
675
(1): 2007/09/15(土) 17:10:45 ID:VKKk1x+r(1)調 AAS
遅レス
>>657
すごいべただけどね。

元々金持ちで仕事のできるイケメンヤリチン君に片思いしてた彼女に主人公が告白(みな同じ会社)
→ ヤリチンあきらめて主人公とつきあう
→ 順番が回ってきて誘われたので、さっそくそっちに転ぶ
→ 振られた主人公は同窓会で再開した子と付き合い、さらに同棲(こっちが話のメイン)
→ 話のところどころでヤリチンとうまくいってない様子が(ヤリチンと他の女がキスしてるとことか)
→ ヤリチンに振られて、主人公とも顔合わせるのが辛くて退社
  その送別会の後「家まで送って」「お茶でも飲んでって」「二番目でもいいから」コンボ
→ 決定的に拒絶される
  この辺でヤリチンの子供を中絶してたことも判明
  最後には帰郷して退場

絶版なんで簡単に書いてみた
676
(1): 2007/09/15(土) 17:31:40 ID:Gn1o9cs2(1)調 AAS
スカっとする作品だなw
677: 2007/09/15(土) 19:39:32 ID:rX8MmnRi(1)調 AAS
なんか似たような話知ってるなと思ったら
イニシャルDの作者の陸上の話も似たような感じじゃなかったっけ。
678: 2007/09/15(土) 21:31:27 ID:8jqoBeKo(1)調 AAS
>>642
ブルー氏の茜ロストバージンがまんまそんな感じだがいかんせん有料だしな…
途中までは読めるけど
679
(2): 2007/09/16(日) 09:56:58 ID:qijmcoEe(1)調 AAS
いぬかみスレに一応寝取られものを置いてきました
よかったら読んでやって下さいませ
680: 2007/09/17(月) 00:48:56 ID:XIGH7hUW(1)調 AAS
>>679
良かったです。原作あったら前振り要らないからエロいですねー
681: 2007/09/17(月) 01:00:38 ID:4SS3GtPq(1)調 AAS
>>679
超GJでした。興奮シタ!
682
(1): 2007/09/17(月) 02:53:56 ID:ucnYheuj(1)調 AAS
ふと思ったんだ、とある魔術の禁書目録ってある意味究極のNTRじゃね?
自分じゃない自分に寝取られるとかある意味究極だと思うんだ

NTRと感じるかどうかは人それぞれかもしれないけどね
683: 2007/09/17(月) 03:21:00 ID:uLZG9kPx(1)調 AAS
いぬかみよく知らない俺にとっては寝取られとしてのダメージはほとんどなかった。
ひょっとするとこれがライトNTR好きにとって最高のパターン?
とにかくGJだった。
684: 2007/09/17(月) 04:04:46 ID:YwFC9ulf(1)調 AAS
小説未読の俺は、主人公に感情移入していなかった分、逆に寝取り男視点で楽しめた。
685
(1): 2007/09/17(月) 13:27:55 ID:56K6uK2G(1)調 AAS
これか
2chスレ:eroparo

小説を読んでからの方がいいかな?
いぬかみは前々から読もうと思っていたので、どうせならそれからにするか
686: 2007/09/17(月) 23:13:52 ID:MTOJqeKS(1)調 AAS
>629
アニメは一話だけ見て見るの止めたが、関係なく楽しめた。乙
687: 2007/09/18(火) 19:26:32 ID:yBgNFXZS(1)調 AAS
>>682
禁書はフラグ放置マスターがいるから明らかにハーレムスレ向き
688: 2007/09/18(火) 21:09:36 ID:BMxfFrKg(1)調 AAS
>>673
ドラマかぁ

kinkiのTBSのドラマで寝取り寝取られがあったような
689: 2007/09/18(火) 21:52:05 ID:175FQLos(1)調 AAS
今ってかきやー氏のミハル寝取られ無修正ビデオでブラボー!ってどこか
見れるサイトある?
690: 2007/09/18(火) 23:49:13 ID:1kHMhLn3(1)調 AAS
ググレ、探せ、根気よく探せばある。教えてはやらん
691: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:03:21 ID:KHEUIsvH(1/13)調 AAS
最近仕事が忙しくて全然続きが書けんかった。
一番最近でも投下したのは三週間以上前なんで、
簡単におさらいだけしてから、第五話投下させてもらいまっせ。

主要登場人物
・安室 怜……大学一年生。唯に犯されてトラウマを背負うものの、その後吉良と結ばれる。
・吉良 大和……怜と同じ大学の二年生。怜とはバイト先でも先輩後輩の関係。
・日色 唯……上記二人と同じ大学に通う二年生だったが、怜を犯し、その咎を吉良に責められて自主退学する。
692
(1): 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:04:25 ID:KHEUIsvH(2/13)調 AAS
日色唯に関する証言

・大学在籍時の友人の言
「あぁ、確かにあいつとは、友達だけど。
 今も時々メールしてるし、こないだもビリヤードしに行ったし。
 ……印象? いや、印象って言われてもなぁ。
 まぁお世辞にも、真面目な奴とは言えないと思うぜ。
 授業なんかしょっちゅう抜け出して、
 売店にジュース買いに行くやら、煙草吸いに行くやら。
 教室にいる時でも、大抵漫画読んでるか、寝てるか、だったもんなぁ」
693: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:05:32 ID:KHEUIsvH(3/13)調 AAS
・別の友人の言
「まぁチャラチャラしてる奴だったね。
 いつもヘラヘラしてて幸せそうで、悩みなんか無さそうでさ。
 あー言う奴だと人生得なんじゃねぇのかな。
 授業もあんまり真面目に受けてなかったし、あいつあんなんで
 将来ちゃんと仕事とか出来んのかなぁ?
 ……あ、でも、そう言えば。
 あいつ、確かに授業態度は悪かったけど……
 授業そのものに出席しない事は、一度も無かったなぁ。
 いやほら、大学の授業ってさ、大体皆サボれる授業はサボるじゃん?
 俺もよく頭っから出席しないで遊びに行ったりしてたんだけど、
 あいつ、出席だけはどの授業も、必ずしてたなぁ」
694: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:06:16 ID:KHEUIsvH(4/13)調 AAS
・高校時代からの友人の言
「俺はあいつとは、高校の頃からの付き合いだけど。
 いやぁ、あいつにはよく世話んなったよ。
 何がってね、あいつのノートだよ、ノート。
 俺が風邪で休んだ時とか、授業サボった時とかさ、あいつに
 ノート借りたんだけど、もう内容が凄いの何のって。
 いつこんなに書いたんだよってぐらい、びっしり注釈書き込まれてんの。
 お陰で俺には難しくて、さっぱり内容がわからなかったけどね。
 いつも寝てるか漫画読んでるか、だったのに、一体
 いつノートあんなに書いてたんだろうな?」
695: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:07:10 ID:KHEUIsvH(5/13)調 AAS
・労働法講師の言
「日色唯君? えぇ、その名前ならよく覚えてますわ。
 確か去年の後期の、私の労働法の試験で、満点をとった子ですね。
 穴埋め式なんかじゃ勿論無い、論述式の問題だったし、
 まだ一年生だから、80点もとる子がいたら、奇跡だと思ってたんだけど。
 彼の答案だけは、文句のつけようも無く完璧だったわ。
 そう言えば、確か刑法総論の試験でも、好成績をとったって
 噂を聞いたような……」
696: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:07:55 ID:KHEUIsvH(6/13)調 AAS
・刑法総論講師の言
「えーと、確かここに……あぁ、あったあった。
 これは去年の僕の講義の、学部試験の合格者リストなんだけどね。
 日色って名前は『優』評価の欄に載ってるね。
 凄いね、この子。去年の僕の試験は、全受験者数200余名中、
 半数が不合格、『優』評価をとった者に至ってはわずか9名だったんだけど。
 彼、その9名の中に入ってるよ。
 きっと普段から真面目で、よく勉強してる子なんだろうねぇ。
 ……え? 教室をよく抜け出してた、色眼鏡の男子?
 確かにそんな子いたけど……え、あれが日色唯?
 はは、そんな馬鹿な」
697: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:08:52 ID:KHEUIsvH(7/13)調 AAS
・警備会社の隊長の言
「唯はよく働いてくれてるよ。
 まだここに来て一ヶ月ちょっとだけど、もう指示ポスト任せられるからな。
 指示ポストってなぁ、自分も交通誘導しながら全体を見渡して、
 他の警備員に、瞬間瞬間で指示を出す役割のポストなんだけど。
 これ普通は社員とか、バイトでもベテランのオッサンがやるもんなんだけど。
 あいつは頭の回転早いし、テキパキ動くし、本当頼りになるよ」
698
(1): 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:09:38 ID:KHEUIsvH(8/13)調 AAS
俺は、それとなく唯の関係者を当たって、
周囲からのあの男への評価、風評を嗅ぎ回ってみた。
そうして、知れば知る程、あの男の事がよくわからなくなっていった。
誰しも多面的で、見る者によって評価は変わるものだが、
それにしても唯の場合は変わり過ぎる。評価が一貫しない。
あの男の正体が、ますますわからなくなってきた。
多重人格だと言われたら、信じてしまいたくなる程だ。

「お待たせ、吉良君」
ベッドの上で座って待っていた俺の元に、シャワーを浴びたばかりの怜ちゃんが
バスタオルで体を隠しながら出てきた。
どうせすぐ脱ぐのに、何で隠したがるんだろうか。女はよくわからない。
俺達二人は今、とある巨大テーマパークに宿泊に来ていた。
二泊三日、三万円で楽しめる格安の学生向けツアーがあったのだ。
夏の思い出にと、バイトも休みを貰った。
午前中から夕方までたっぷりとアトラクションを楽しんだが、
それでもまだ園内の全体を楽しめてはいなかった。
大体の見立てでは、二日目の午後にほぼ全てのアトラクションを終えて
三日目の午前中にもう一度気に入ったアトラクションだけ回り、
その日の午後に帰路に着く筈だった。
今夜はまだ初日の夜だから、時間は十分ある。
ナイトパレードを満喫した後は食事をとり、その後は部屋で
大人の夜を楽しむというわけだ。
昼間の園内では、自分達と同じようなカップル二人連れを何組も見かけた。
彼らもまた、今この園内宿泊施設の中でセックスに興じているのだろう。
さっきたまたま見かけた隣室の宿泊客が、
小さい子どもを連れた若い夫婦だったのが、殊更に滑稽に思える。
彼らとてまだ二十代後半ぐらいの年なのだから、
子どもさえいなければベッドの上でヤリまくり、遺伝子を無駄撃ちしたかったろう。
可哀想だが、その分俺達は、彼らの分まで行為に没頭してあげよう。
「おいで、怜ちゃん」
「うん……」
肩から湯気を立ち上らせ、髪はしとどに湿らせたままで、
彼女は腰かける俺の隣に歩いてきた。
699
(1): 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:10:23 ID:KHEUIsvH(9/13)調 AAS
情熱的で背徳的な夜を過ごすのに、準備は万端整えてある。
以前ラブホテルで面白半分で購入したバイブと、
アダルトビデオ店で二人で買った、女性用の媚薬。
少々値が張ったが、お楽しみのためなら安いものだ。
計算上では、今夜は怜ちゃんは安全日だ。
いくらでも中に出して構わないという喜びと期待ばかりが先走って、
もし誤って妊娠してしまったら……などと言った不安や懸念など、お構いなしだった。
まずは試しに、薬の効果を試してみる事にする。
怜ちゃんの用意していた着替えのパンティを取り出し、
その股間部分に媚薬を少し染み込ませた。
「はい。穿いてごらん」
「こんなので、本当に効果あるのかな……」
恐る恐る、怜ちゃんはその下着を穿いてみた。
まだ愛液は分泌されていないが、媚薬が染みているせいで、
もう濡れているように見えてしまう。
その濡れた部分を押し込むように、俺は指先で軽く下着の上から愛撫してやった。
「ひゃわぅっ!」
突然体を跳ねさせて、怜ちゃんが面白い声を出してくれた。
「どう? 気持ち良い?」
「は……ん……もっ……と……コス……って……」
俺は、媚薬を陰唇に擦り込むように、より強く指を押し込んだ。
「んはぅっ!」
首から上だけ仰け反らせて、彼女はもっと良い声を出してくれた。
もう何度も数え切れない程俺と交わってきて、
性感も程よく発達してくれている怜ちゃんだが、
さすがに愛撫を始めて五秒で、海老のように仰け反ってくれたのは
今夜が初めてだった。
薬の効能というのは個人差があるらしいが、
彼女に対しては見事な効力を発揮してしまったらしい。
700: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:11:41 ID:KHEUIsvH(10/13)調 AAS
俺はふと思いついて、パンティから指を離してみた。
怜ちゃんは一瞬虚をつかれたような表情になった後で、
すぐに泣き出しそうな顔になった。
「お願いぃ……もっと触ってぇ……」
だが、俺は聞き入れてあげるつもりは無かった。
彼女の折れそうな程に細い両腕を、片手でまとめあげる。
両腕の自由を失った彼女は、刺激を求めてやまない股間を、恨めしげに震わせた。
「駄ぁ目。しばらく我慢だよ、我慢」
「そ、そんなぁ……」
彼女はもはや涙を一筋流してしまう程に、簡単に苦悶に陥った。
抑えきれない本能からか、自ら両足を擦り合わせ、
どうにかして陰部に刺激を与えようとする。
俺の前でそんな真似をするのが恥ずかしくないのだろうか、
或いは恥ずかしいなどという外聞を、気にする余裕さえ無いのだろうか。
ひたすら足をモジモジさせ、とうとう太腿の上を
媚薬とは明らかに違う液体が滴るまでになった。
「吉良くぅん……お願ぃ……」
「しょうがないなぁ。手は使わせてあげるよ」
俺はそう言って、彼女の両腕を自由にしてやった。
本当ならその程度で悦べる筈も無いのだが、今の彼女にとっては
自分の指でさえも、快感を得るための道具に成り下がっているらしく、
一瞬ほっとしたような表情をした後すぐに、嬉しそうに自慰を始めた。
「あぁっ、あっ、あ気持ちっ、んっ、気持ち良いぃ」
ベッドの上でご開帳し、パンティの中に素手を突っ込んで、
片手はツンと尖った乳首にあてがいながら、
彼女は懸命に膣の内壁を刺激し続けた。
もはや下着の上からの摩擦では、我慢出来なかったのだろう。
「本当にその程度で良いの? もっと欲しいものがあるんじゃない?」
俺がそう尋ねると、怜ちゃんは今にもイキそうな目を向けてきた。
「お願い、だからぁ……あたひの、オマンコに……
 吉良君のおちんちんっ、入れて下さいぃ!」
よく言えました。
最初の頃は俺に抱かれる事にさえ抵抗を感じていたらしい彼女を、
ここまで性に従順な娘に仕立て上げる事が出来て、俺は嬉しかった。
これで少なくとも、唯に犯されたあの日のトラウマは、
完全に根絶出来ていると思いたかった。
701: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:12:36 ID:KHEUIsvH(11/13)調 AAS
「あっ、あっあっ、あぁっ、あっ、あっあぁっ、っあぁ」
シーツの上に愛液をボタボタと零しながら、怜ちゃんの秘部は
俺の肉棒をすんなりと受け入れていった。
生で挿入された亀頭を、ゴリゴリした内壁が圧迫してくる。
先端が奥に突き進んでいくにしたがって、
中の愛液も、押し出されるように結合部から染み出してくる。
子宮口まで到達した感触を確かめた後、俺はピストン運動を開始した。
「あぁん! あぁん! あぁん! あぁん!」
馬鹿になったみたいに単調な喘ぎ声で喚きながら、
怜ちゃんは犬のような四つんばいの格好で俺のモノを受け止め続けた。
「はっ……あはっ……どう? 怜ちゃん……
 奥まで……はっ……届いてるの……わかる……?」
「ん気持ち良ぃっ! オマンコ気持ち良いよぉっ!」
隣の部屋に聞こえんばかりの声で、彼女は野性そのままの言葉を口にした。
既にシーツの上は、お漏らしをしたかのように盛大に濡れている。
ベッドメイキングする係の人間は、こんなシーツを毎日取り替えているのかと思うと
背徳的な気分になるやら、滑稽やら、申し訳ない気もするやら、何とも言いがたい。
怜ちゃんは愛液ばかりか、舌を突き出して涎すらも存分に撒き散らしている。
俺のを欲しがる様と言い、性奴隷のような痴態ぶりだ。
「あっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっ!」
ピストンのスピードが速まるにつれて、もはや怜ちゃんは
人語にあたわないような、本能剥き出しの音を喉から搾り出し始めた。
もはや気持ち良いだとか、感じるだとか、そんな言葉さえ言えないらしい。
俺は思い切り彼女の奥に先端を突きつけると、
その更に奥の洞窟の中に、遠慮なく自分の精子を爆発させてやった。
「あぁーっ、あぁ、あー! ……あぁぁー……」
中出しされた怜ちゃんは、最後まで「あ」しか言わずに、イった。
俺が肉棒を引き抜くと、まだまだ微かに打ち震える膣から、
ゴプリと音を立てて、白濁が逆流してきた。
702: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:13:21 ID:KHEUIsvH(12/13)調 AAS
薬の効果は、しばらく持続し続けた。
テーマパークに二泊三日という、特別なイベントだった事もあってか
俺達はいつもよりも激しく、いつもよりも多く、交わり続けた。
最終的には、怜ちゃんは四度目の絶頂と同時に、
失神に近いスピードで眠りについた。
夜も遅かった事もあって、俺もすぐさま睡魔に襲われた。
その晩は二人とも、精液と愛液にまみれた陰部を拭う事さえせずに
裸のままで翌朝まで眠りこけていた。
俺達二人は、若く青い幸せを、存分に感じていた。

まさか、その幸せが、数日後に簡単に覆る事になるとは、予想だにしないまま……。
703: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/19(水) 00:14:34 ID:KHEUIsvH(13/13)調 AAS
第五話終了
704: 2007/09/19(水) 01:17:14 ID:wrM4fUvR(1)調 AAS
つまらん
705: 2007/09/19(水) 01:24:09 ID:rrR5dFJg(1)調 AAS
寝取り男超人だねえ。
706: 2007/09/19(水) 02:35:02 ID:/+UwOGUX(1)調 AAS
話は変わるけど保管庫って更新早いよね〜
本当中の人ありがとうございます。

それにしても◆7UgIeewWy6さんの続きが読みたいわ〜
707: 2007/09/19(水) 02:47:17 ID:LRS3vEe+(1)調 AAS
374の人のはなんかキャラの名前からいってホモ系の内容?かと思うので読んでないが、何気に投稿数多いよね。
お疲れ様です
708
(2): 2007/09/19(水) 05:12:31 ID:Cs0ysDYu(1)調 AAS
まさかと思うんだけど、寝取られシーンって唯のゴーカンだけじゃないよね?
このあと期待していいんだよね?
709
(1): 2007/09/19(水) 18:49:08 ID:NrECzXYY(1)調 AAS
藪の中改編乙
710: 2007/09/19(水) 19:58:22 ID:AL+spFd/(1)調 AAS
藪の中て何?
711: 2007/09/19(水) 20:15:51 ID:LzFAvT0L(1)調 AAS
確かにこの夏の向こうまでの続きは読みたいと思う。
ただ、この先、胸が痛くなるような展開が待っているかと思うと怖くなるのも事実・・・w
712: 2007/09/19(水) 22:11:23 ID:gWbd11U5(1)調 AAS
ちまたで話題になっているスクールデイズの男と女入れ替えてのバッドエンドはここの住人的にはストーリーとしてOKにはいるのか?
713
(1): 2007/09/19(水) 23:03:34 ID:RY3zj7wT(1)調 AAS
虹って事で少しはなんかあるかも試練が
さあどんとこい nice boat.
714: 2007/09/20(木) 00:48:49 ID:/ANQgYDb(1)調 AAS
藪の中って妻が盗人に殺させたと見るのがこのスレのジャスティスだよね。
715: 2007/09/20(木) 01:06:15 ID:DVK0UNiH(1)調 AAS
>>708
俺はもうそれでいいよ…
寝取り返したと思ったら…ってのはダメージがでかい
716
(1): 2007/09/22(土) 13:19:07 ID:JRN5LtYq(1)調 AAS
寝取りが読みたい
セックスのテクニックで身体を開かせて、演技と駆け引きで心を引き付ける
女は恋人に罪悪感を抱きながらも、寝取り男から離れられなくなる
そんな王道の寝取りSSが読みたい。

なんかいいのないですか?
717: 2007/09/22(土) 15:35:23 ID:rEM2+HEO(1)調 AAS
>>716
俺もそういうの読みたいなぁ…
718: 2007/09/22(土) 18:16:47 ID:3bsDAydC(1)調 AAS
ブログで見たな
ずーっと彼氏一筋だった女が浮気して、体が離れられなくなった悩みを書いてた
今、一緒に居たいのは彼氏ではなく浮気相手なんですっていう馬鹿女にけしからんと思いながら
色々想像してチンコ立ててたなw
もうそこ閉鎖になったので紹介できないのが残念だ
でも探したら似たようなのありそう
719
(2): 2007/09/22(土) 21:09:22 ID:LbAlQNaB(1)調 AAS
>不倫がバレました。慰謝料貰えますか?
外部リンク:moemoe.homeip.net

掠めるくらいには近い?
720: 2007/09/22(土) 21:34:47 ID:dTC+OfZD(1)調 AAS
>>719
違うような気もするが、反吐が出るほどのクソ女だな。
721: 2007/09/22(土) 22:24:55 ID:Mofa/Wnt(1)調 AAS
その辺はもう嫉妬・三角関係・修羅場スレじゃない?まあ、双子の兄弟みたいなスレですが、
寝取られ側が反撃した時点でそっちに行ってしまうような気ガス
722: 2007/09/22(土) 23:47:21 ID:mBTFGLKw(1)調 AAS
>>719
熟読した
すげえなオイ
トランの嫁と一緒じゃん
723: 2007/09/23(日) 02:08:23 ID:xFJhy+Le(1)調 AAS
そういえば不幸な神はよくなかったけど姉恋模様はどうなんだろうか?
724: 2007/09/23(日) 02:53:36 ID:lbb8v5xK(1/2)調 AAS
くだらない話だが某フラッシュサイトの作品を見てるせいで374の話でキラが寝取られ男というのに激しい違和感を覚える
なんでだよキラは寝取り側だろ?って。
725: 2007/09/23(日) 03:07:11 ID:r5AdFFNK(1)調 AAS
婚約者キラー乙w
726: 2007/09/23(日) 03:33:32 ID:lgk37qZQ(1)調 AAS
姉恋模様<<まあまあ
正直、妻陥落それおじの方が寝取られ的には上。
完成度は姉恋模様が上って感じ。
727
(1): 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/23(日) 08:41:34 ID:/1IFzhLS(1/9)調 AAS
『藪の中』ってのが何か知らなくて、
調べてみたらモロ被りだったんで、ビビってる最中だったりする

>>708
ご想像にお任せします

それじゃ続き投下
728: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/23(日) 08:42:15 ID:/1IFzhLS(2/9)調 AAS
登場人物おさらい
・安室怜……唯に犯された女の子。
・吉良大和……怜の彼氏。
・日色唯……怜を犯した男。
・挟道志保……唯の事が好きな、小さい女の子。

・その他大勢……あんまり覚える必要無し。単なるモブども。
729: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/23(日) 08:44:05 ID:/1IFzhLS(3/9)調 AAS
・吉良視点

もう二度と会う事は無いと思っていた。
しかし、断る事も出来なかった。
俺と怜ちゃんは、今一度唯と再会する事になってしまった。
いや、なってしまった……なんて言い方も無いか。
今思えば、俺達は再会するべきだった。
再会したかったわけでも、再会して良かったと思えるわけでも
決してないのだけれど、会わないまま、何も知らないままで
一生を終えていたとしたら、それは許されない事だっただろう。

「うんそう、それでね。
 もう一度あの時の飲み会のメンバーで集まれないかなぁ、と思って」
受話器の向こう側からそう提案してきたのは、挟道さんだった。
彼女の娘の志保ちゃんが、余程唯の事を好きになったらしく、
またあのお兄ちゃんと遊びたい、とねだってきたのだそうだ。
それだけなら、もう一度唯と志保ちゃんと、
保護者として挟道さんが同伴して、三人で一緒に会えば良い話だ。
しかし、仮にも挟道さんは人妻だ。
娘が一緒とは言え、若い男と会うのは、旦那に悪いらしい。
最低限、男女織り交ぜて、もっと人数が欲しいとの事だった。
そんなわけで、俺達は今一度、集合する事になった。
俺の中での唯への認識が変わりかけてきているとは言え、
まだあの男と、進んで一緒に遊びに行きたいとは思えない。
それでも、旦那さんへの気遣いからメンツを
揃えたがっている挟道さんの事を考えると、無理に断る事は出来なかった。

子どもが目一杯遊べる時間帯となると、昼間に限定される。
日曜日の繁華街、その駅前で、俺達は久しぶりに顔を合わせた。
「……久しぶり、唯」
「ん、まぁな。こんな事聞くのはアレだけど
 怜とは仲良くやってっか、吉良」
「……本当、お前が尋ねるような事じゃないよ。
 まぁまぁ仲良くやってるよ。たまに喧嘩もするけどね」
「そうか」
ぎこちないが、これでも俺にとっては精一杯の『普通の挨拶』だった。
まだ待ち合わせの時間までは少しあった。
俺と唯の他には、まだ誰も到着していなかった。
これでも俺は時間には煩い方なので、遅れないように
かなり早めに到着したつもりだったのだが、何と唯の方が先に来ていた。
十五分早く到着した俺より早いとなると、二十分近く早く来たのではないか?
そう思って尋ねてみると、予想以上の答えが帰ってきた。
「三十分くらい前からいるぜ。
 電車の運行遅延で到着が遅れると嫌だから、大体いつも
 三十分前後早く到着出来るように、心がけてんだよ。
 時間が余ったら本屋で立ち読みでもしてりゃ良いだけの事だしな」
「……仕事じゃあるまいし、そこまで自分に厳しくするか?」
「別に自分に厳しくしてるって意識は、無いけどなぁ。
 逆の意味で時間にルーズなだけだよ、多分。
 三十分単位、一時間単位でしかモノを考えられないから、
 きっちり予定の五分前に到着とか、出来ないんだよ」
俺は呆れ返った。
やはりこの男は、よくわからない。
第一、かつては一方的に殴りかかった事さえある俺に対して、
何ら警戒心や敵愾心を向ける素振りさえない。
あれだけ殴られたのなら、一発殴り返される程度の事は、こちらも覚悟していたのに。
以前の飲み会の時は子ども……志保ちゃんがいたから、
遠慮しているのだと思っていたのだけれど。
730: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/23(日) 08:45:46 ID:/1IFzhLS(4/9)調 AAS
一体この男は何なのだろう。
普段から気になって仕方の無い事ではあったが、ここにきて
改めて気になりだした俺は、唯からは見えない角度で携帯電話を操作し
唯がZEROという名で記している、例の日記を閲覧してみた。
あまり頻繁に読んでいるわけではないので、
やはり俺の知らない記事、俺の知らない相談事がまた書き込まれていた。
「千春:
 ここに来たら、相談に乗ってもらえるって聞きました。
 こないだクラスの男子の告られたんですけど、一週間立つのに
 まだ返事返してないんです。その子の事、かっこいいなぁとは思うけど
 これって、好きだって事なのかなぁ?
 オーケーの返事して良いのかなぁ? どう思います?」
相変わらず、この手の相談ばかりか。
まぁ志保ちゃんに気に入られている事と言い、唯は
元々年下に頼られたり、好かれたりする性質の男なのだろう。
このコメントを書き込んだ子も、微妙に誤字が混じっているところや
文章が達者でない点を見ると、恐らく中学生程度の年齢だろう。
「ZERO:
 自分の本音がわからないのなら、答えを出すのは、
 まだ相手に待ってもらった方が賢明だと思うけどな。
 焦って出した答えなんか、相手の男子だって聞きたくないだろうし。
 一週間で答えが出せなくても仕方ないさ。
 さすがに半年経っても返答無しとかだと、ちょっとまずいけどなw」
731: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/23(日) 08:46:52 ID:/1IFzhLS(5/9)調 AAS
「……お前さっきから何してんの? メール?」
突然ZERO本人が……唯が、窺うような目で俺を見てきた。
俺は慌ててウェブ画面を閉じ、携帯電話をポケットに仕舞いこんだ。
「知り合いとメールしてただけ。大した用事じゃないよ」
そう答える俺の表情が不自然で、言葉が滑らかでなかった点は、唯も気付いたようだ。
しかし、別段それ以上何かを疑ってくるような事はしなかった。
そうこうしている内に、残りのメンバーも少しずつ揃ってきた。
「お早う吉良君。……唯も。久しぶり」
「ん」
「お早う、怜ちゃん」
やはりまだ唯と怜ちゃんの間には、壁か溝のようなものが横たわっている印象だ。
もっとも、過去が過去なのだから、それは仕方の無い事なのだろうが。
「お早う、皆」
「おにいちゃん、おはよー!」
程なくして、今日のメインである挟道母子が到着した。
志保ちゃんは唯を見るなり駆け出し、その膝に抱きついた。
抱っこして欲しそうに唯を見上げ、唯も笑って少女を抱き上げる。
「もう、志保ったら。ごめんね日色君」
「大丈夫っすよ、お母さん。今日はいっぱい遊ぼうな、志保ちゃん」
「うん!」
そして最後に、ほぼ同時のタイミングで慎達他のメンバーも集合した。
小さい子どもが一番喜ぶのは遊園地だろうから、
当初は遊園地に行こうと思っていたのだけれど、志保ちゃん自身は
遊園地よりも歌を歌う方が好きらしく、この日はカラオケに行く事になった。
慎や海本は、この年になって遊園地に行くのは辛いものがあると思っていたので
少女がカラオケに行きたいと言ってくれた時は、内心ほっとしていたようだった。

歌う歌も、個人ごとの好みが、かなりはっきりと現れていた。
俺は邦楽の中で比較的新し目で定番のものを、慎は格好つけて洋楽を。
嘉狩さんはorb、海本は徳永英明やDEEN、村雨さんと怜ちゃんはあまり歌わなかった。
挟道さんは、俺達よりは十歳くらい世代が違うから、
自然と懐かしいタイプの選曲になっていた。
そして俺は、ここでも唯の事が気になった。
この男はカラオケでは、一体何を歌うんだろうか?
「唯って、前はどんなの歌ってたの?」
ちょうど慎が声を張り上げてメタル系のを歌っている最中、
周囲に聞こえないように怜ちゃんに尋ねてみた。
「えっと……いろいろ、かな。
 音楽の事はよくわかんないけど、さっき慎君が歌ってたような
 ロック……? メタル……? 何かそんな感じのとか。
 あと一時期、ラップっぽいのに凝ってた頃もあったし……」
まぁ、大方イメージ通りだ。
ここで演歌だとか、フォークソングだとか言われたら、
俺の中での唯へのイメージは、更にわけのわからないものになっていただろう。
そんな事を考えている内に、画面には『森のくまさん』が表示された。
一瞬気が抜けかけたが、よくよく考えれば今日は、
ちょうどこういう歌しか知らないような年齢の子が、一人いるのだった。
「次は志保ちゃんの番か」
何気なく俺はそう呟いたが、どうも違っていたらしい。
「あぁ、それ選曲したの俺」
そう言ったのは、少女を膝の上に乗せた、唯だった。
驚きの表情を隠せない俺を尻目に、リモコン操作で音量を下げる。
それが、耳を聾する程のボリュームから子どもを守るための気遣いだと、
俺が気付くのに数秒かかってしまった。
そう言えば俺も慎も、他の者達も、子どもの事を考えずに
カラオケ特有の大音量のままで歌っていた。
幼児に対する配慮の無さに、俺は少し恥じ入った。
唯は、膝の上の志保ちゃんにマイクを向けてやり、声を揃えて一緒に民謡を歌い始めた。
つくづく、子どもへのサービスが行き届いた男だ。
732
(1): 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/23(日) 08:47:36 ID:/1IFzhLS(6/9)調 AAS
・怜視点

「怜。次お前の番だぜ」
そう言って唯は、私にマイクを手渡してきた。
けれど私は歌うのがあまり得意ではなかったので、嘉狩にマイクを回した。
そうしてすぐに、あぁ、だから私は駄目なんだと、思いなおした。
唯だったらこんな時、自分が歌わない代わりに、志保ちゃんにマイクを回しただろうに。
順番はある程度意識こそすれ、基本的には子どもを楽しませる事を優先するだろう。
それが証拠に、結局この日唯は、殆ど自分の歌いたい歌を歌わなかった。
幼稚園や小学校低学年で習うような、民謡。
或いは昔のアニメソングなど、画面にキャラクターが出てくるもの。
そういった曲ばかりを選んで、極力志保ちゃんを退屈させなかった。
それに引き換え私達は……唯以外の者は、いろいろと志保ちゃんに話しかけたりして
自分なりに少女を楽しませようとはしていたものの、
さすがに民謡を一緒に歌ってあげる程のサービスは、誰もしなかった。
わずかに慎君が、ブリーフ&トランクスだったか何か、
そんな冗談のような名前のアーティストの、冗談のような歌を歌って
志保ちゃんを笑わせようとしたぐらいだったが、
子どもにはそんな歌よりも、単純に御伽噺のような民謡の方が、わかりやすかったらしい。
結局唯以外の者の気遣いは殆ど不発に終わり、改めて
唯の『良いお兄さん』的な部分を、私も吉良君も、強く思い知らされた。
嘉狩は子どもの気を引こうとして、アイスを注文してあげていた。
確かにそれで志保ちゃんは喜んでくれていたが、それでも唯の優しさに比べると
どうしても、遅れをとるまいと張り合っている程度にしか、見えなかった。

思えば唯は、前からそんな人だったかもしれない。
連れ立って歩道を歩く時、必ず車道側を歩いていた。
一本の傘で二人で雨を凌ぐを時、私を濡らさないように傘を持ち、
代わりにいつも自分の肩を濡らしていた。
二人で食事をする時、食べるのが遅い私に合わせるように
わざとゆっくり箸を進めてくれていたのだと、今なら気付ける。
何でもない、ごく普通の気遣いと言われれば、その通りだけど。
あいつの、小さな気遣いの一つ一つが、今となっては懐かしかった。
あぁ、そんな時代も、私達の間にはあったんだなぁと、妙に感慨深くなる。
……そうして、何でこんな事になってしまったのだろうかと、思い悩むのだ。
あの夜の事は、今思い出しても吐き気がする。
私の上に覆いかぶさってくる唯の目が、声が、息が、匂いが。
ことごとく私の記憶の中を駆け巡り、這い回り、私の呼吸を狭くする。
やはり私の中には、今でも拭い去れない嫌悪感が、蜘蛛の糸のように粘着していた。
もうすっかり傷跡も癒えた筈の、手の甲の切り傷が痛んだ気がした。
いつだったか、自分で刃物で傷つけたやつだ。
あっけらかんと笑うあいつの声が、私は好きになれなかった。
掴み所の無い笑顔と声が、何だか不気味に思えて。
733: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/23(日) 08:48:35 ID:/1IFzhLS(7/9)調 AAS
そんな風に、考え事に没頭している時だった。
カラオケを出て、全員で一緒に夕食をとろうとなった。
いつの間にか私の歩調は皆より遅れていて、
気がついたら横断歩道の信号は点滅していた。
「おい、遅ぇぞ怜」
「怜ちゃん、早く」
先に反対側の歩道に辿り着いていた唯と吉良君が、振り返って私を呼ぶ。
トボトボと歩いていた私は、焦って小走りになった。
けれど、私が横断歩道を渡りきる前に、信号の色が変わった。
停止線で止まっていた車の運転手が、携帯電話のメール操作に夢中になっていて
前方を見ていなかったのは、不幸だった。
きっと隣の車が発進しだしたのを見て、その運転手は
反射的にブレーキを解除し、アクセルを踏みなおしたのだろう。
顔を上げて私を見た瞬間に、何事か大きな声で叫んだ運転手の驚愕の表情が、
眠りに落ちる前に私が見た、最後の光景となった。
734: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/23(日) 08:50:07 ID:/1IFzhLS(8/9)調 AAS
第六話(だったっけ?)終了

あ、言い忘れてたけど
当分エロ無いんで、人によってはNGしといた方が良いかも
735: 2007/09/23(日) 16:34:33 ID:lbb8v5xK(2/2)調 AAS
まさか…純愛寝取られ…?
736
(1): 2007/09/23(日) 20:54:49 ID:CMvLNz9b(1)調 AAS
毎回思うんだが何で偉そうなんだろう・・・w
737
(1): 2007/09/23(日) 20:59:37 ID:czNLiZcI(1)調 AAS
>>736
お前だって俺だって偉そうじゃん。
丁寧語使ってないからそう見えるだけだろ。
職人は全て丁寧語を使わなきゃならない決まりなんて無い。
738: 2007/09/23(日) 21:04:50 ID:NaS4PGMO(1)調 AAS
敬語を使ってないだけで偉そうに感じる奴と会話交わすのって難しいよね
739
(2): 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/23(日) 21:58:56 ID:/1IFzhLS(9/9)調 AAS
すんません、正直俺も投下時は
敬語の方がやりやすいから、敬語にします。

>>374で下らない私見を書き込んだ時点では
まだ書き手でも何でもない状態だったので、
敬語を使うのが不自然と思い、そのために常体で書き込んだのですが
その後>>375からいきなり敬語にするのも変なので
慣れないのを我慢しつつ、ずっと常体で通していました。
こっちの方が慣れてるので、今後はもう喜んで敬語使わせていただきます。

で、早速なんですが。
>>732の下から八行目「あの夜の事は」の部分なんですが
これ、間違ってました。全然夜じゃありません。思っくそ真昼間でした。
どうか脳内で訂正しといて下さい。

視点が二転三転してわかりにくいかと思いますが
もうちょっとで終わりますんで、辛抱して流し読みして頂ければ幸いです。
740: 2007/09/23(日) 23:41:20 ID:SQczZA+R(1)調 AAS
乙!
気にせず、やりやすいやり方でがんがってくれー!
741: 2007/09/23(日) 23:45:49 ID:GxW+sLUa(1)調 AAS
>>739
おらはなんとも思わん方なのでお気の召すままに行動してくらはい

とは言いつつも気分的には( ゚∀゚)o彡゜ワッフルワッフル!
742: 2007/09/24(月) 13:01:24 ID:xlGOfAzm(1)調 AAS
>>739
無視しといたほうがいいよ
たまにやっかむ文盲がいるから
743: 2007/09/24(月) 18:06:27 ID:BXjoQ+j5(1)調 AAS
なんでこんなに荒らし耐性無い奴多いんだ?
次374が投下する時荒らしてくれって言ってるようなもんだぞ?
本人ならともかく周りが騒いでどうすんの…これだと荒らしの奴と同罪だな
744: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/25(火) 13:47:13 ID:UT5oFzhY(1/11)調 AAS
続編投下します。
そろそろクライマックスです。
もうしばらくお付き合い下さい。

※注意
 作者は、医療の事も医療現場の事も、一切知りません。
 「いや、これはオカシイだろ」という描写や場面があっても
 学の無い者の戯言と思って、流して下さい。
745: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/25(火) 13:48:22 ID:UT5oFzhY(2/11)調 AAS
・吉良視点

何が起こったのか、俺には瞬時には理解出来なかった。
飛び散る赤い飛沫。聞きなれない轟音。
骨が破裂するような、鉄が歪むような、形容しがたい音が、
一瞬だけ周囲に鳴り響いた。
その音を擬音であらわすなら、丁度「ゴシャッ」というのが近いだろうか?
続いて「ドサッ」と、ゴミが地面に落ちるような
呆気ない音を立てて、怜ちゃんは倒れ伏した。
それきり彼女は、目も口も動かさず、一声も発さなくなった。
「……あ?」
気の抜けたような声を漏らした俺の横で、唯が携帯電話を操作していた。
唯の判断は的確で、実に迅速だった。
「もしもしっ!? 人身事故です、すぐ来て下さいっ!
 場所は矢島駅前の交差点の横断歩道です!
 知り合いが乗用車と衝突して……」
衝突した運転手はハンドルを握ったまま困惑の表情を見せ、
志保ちゃんは泣き喚き、慎や嘉狩は錯乱していた。
周囲の通行人達は、驚き戦慄く者もいる一方で、興味津々といった風に
携帯電話のカメラ機能で撮影しようとする者までいた。
夥しい量の血を流し、ピクリとも動かない怜ちゃんを、
パニック映画を見て楽しむ高校生のような表情で、嬉々として撮影する。
「やめろっ! やめろっ!」
俺は、ただそれだけしか、言えなかった。
やめろ、やめろと、何度も叫びながら、怜ちゃんの傍で立ち尽くした。
冷静な判断力を欠き、動く事さえままならなかった。
俺は怜ちゃんのすぐ隣に屈みこんだが、それは単に腰が抜けただけだった。
手を伸ばして彼女を抱きしめようとする俺を、唯が制止する。
「動かすな!」
その表情と声に気圧されて、俺は伸ばしかけた手を引き下げた。
唯が呼んだ救急車が駆けつけたのは、その数分後だった。
しかし俺には、それは何時間とも思える程の、長い時間に感じられた。
一秒ごとに怜ちゃんの魂が消えかけていくのが、
その肌の色から実感出来たからだ。
ただでさえ白かった肌は、更に白く、青くなっていった。
746: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/25(火) 13:49:14 ID:UT5oFzhY(3/11)調 AAS
最初は救急車が早く到着して欲しいと、そればかりを考えていたけれど
いざ救急車が到着したらしたで、今度は早く病院に着いて欲しいと
そればかりを考えるようになった。
俺が焦っても仕方ないのに、心が急く。
救急隊員の人が「どなたか一緒に来て下さい」と言った時
俺は何もかもを無視して、真っ先に救急車に乗り込んだ。
後になって思い返してみれば、嘉狩か誰かを押しのけていたような記憶もある。
その程度の記憶さえも不明瞭になる程、俺は焦っていた。
急ぎ発進した救急車の中で、ふと気がつくと、隣に唯がいた。
あまりに慌てていて気付かなかったけど、この男も一緒に同乗したのだろう。
「落ち着け、吉良」
いつしか涙を滝のように流して「怜ちゃん、怜ちゃん」と喚く俺を、
唯は諭すように涼しい声で制した。
不思議と、その声一つで俺の心は静まりかけてきた。
やがて、怜ちゃんと俺と唯を乗せた救急車は、最寄の病院に到着した。

やった。
これで怜ちゃんは助かる。
間に合ったんだ。
俺は根拠も無く、頭からそう信じ込んだ。
普段は気にもかけなかった病院という存在、病院という建物が、
今日はやけに頼もしく見えた。
ドラマなどではよく、手術室の前で男が「娘は助かるんですか?」
などと医者に詰め寄るシーンがあったりするが、俺は何故かそうならなかった。
盲目的に、ここに来ればもう大丈夫、と思えていた。
だから、駆けつけたナースが医者に告げた言葉が、
地獄の使者が放つ死の宣告のように聞こえた。
「先生! さっき環状線の方で起きた玉突き事故に回したせいで、
 今安室さんに回せる保存血が足りません!」
医者は驚愕し、俺は呼吸さえ停止するかのような絶望に叩き落された。
「何だと!? 血液が足りなければ、手術も出来んではないか!」
患者の身内を不安にさせるような会話を、
事もあろうに目の前で繰り広げられては、こちらはどうしようもない。
怜ちゃんの血液型はAB型だ。
ただでさえ日本人の全人口の1割にも満たない。
まして俺はA型だ。俺は、彼女に対して何の力にもなれなかった。
747
(1): 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/25(火) 13:49:59 ID:UT5oFzhY(4/11)調 AAS
「……俺の血を使ってくれ」
そう申し出たのは、唯だった。
「俺もこいつと同じ、AB型だ。血液にも異常は無い筈だ。
 定期的に献血に行ってるけど、後日の通知では
 検査上の異常が認められた事は無い」
神の差し伸べた救いだろうか。
まさかこんなに都合よく、適合する血液提供者が現れるとは。
いや、或いは唯は、最初から輸血を見越して同乗してきたのかもしれない。
タクシーを利用したのか、慎や嘉狩達も駆けつけてきた。
「しかしね、君。今回の手術に必要な血液は、
 献血に供される400ml程度の量では済まないぞ?
 この病院にもわずかに保存血が残っているとは言え、
 最悪君の方が倒れてしまいかねない……」
「うるせぇっ!!」
その叫び声が唯の者だと気付くのに、俺は一瞬の時間を要した。
俺が聞いた事の無い程の怒声、見た事の無い程の剣幕で、医者を睨みつける。
志保ちゃんはびっくりして、怯えたような目で唯を見上げた。
「患者が二人で済むのと、死人が一人出るのと、どっちがマシだよ!」
その言葉に、医者も頷く。
「ありがとう。力を貸してくれ」
怜ちゃんの手術が始まった。
748: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/25(火) 13:50:49 ID:UT5oFzhY(5/11)調 AAS
数時間後。
手術は無事に成功し、怜ちゃんは助かった。
彼女を撥ねた運転手は、ベッドの上で眠る怜ちゃんに、涙を流して頭を下げ続けた。
明日になって、彼女が目を覚ましてからもう一度、謝りに来ます。
そう言って、運転手はトボトボと歩いて帰った。
人身事故なので、今後は当事者である運転手と怜ちゃんの間で
法的、賠償的な問題が交わされる事になるだろうが、今はそんな事はどうでも良い。
怜ちゃんを見守る役を女子一同に任せて、
俺と慎と海本は、別室で安静にしている唯の元へ向かった。
「唯。入るぞ」
ベッドの上で、唯は無言でこちらを見返してきた。
その表情は、これもまた、俺が見た事の無い程に生気の無い顔だった。
「気分が……悪いのか……?」
「別に。まぁ多少血は抜きすぎたから、吐き気はするけどな」
それを気分が悪いと言うのだろう……とは、俺には突っ込めなかった。
傍には、ナースが一人、待機していた。
「戻しそうになったら、ここに吐いて下さいね」
そう言って、傍の台の上に洗面器を置き、下がる。
俺は慎と海本に目配せして、この個室から出てもらった。
唯と、二人で話をしたかった。
「……」
けれど、いざ二人きりになったら、何を話して良いのか、わからなかった。
「……ありがとう。
 お前が怜ちゃんに血を分けてくれたお陰で、怜ちゃんも助かったよ」
どうにか搾り出すように、俺はそれだけ口にした。
緊張、あるいはプレッシャー。何か息苦しいものが、俺の中にあった。
唯はちらりと俺を一瞥し、また目を伏せた。
「俺があいつに血を分けてやった事、あいつには言わないでくれ」」
唯が呟く。
だが俺には、意味がわからなかった。
「何で? 唯のお陰で彼女は……」
「俺の血が自分の血管の中を流れてる事を知ったら、
 あいつが気持ち悪るがるから……」
俺は言葉を失った。
確かに怜ちゃんは、唯の事を嫌悪していた。
自分を強姦した男の血が、自分の中にも混ざったなどと聞かされて、
彼女がどんな反応を示すのか、俺には想像出来ない。
「俺、あいつの事……
 血まで、汚しちまっ……」
最後まで言い切る事さえ出来ず、そのまま唯は表情を隠すように、
頑なに布団の上に俯き、下唇をかみ締めていた。
749: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/25(火) 13:51:38 ID:UT5oFzhY(6/11)調 AAS
血まで、汚した。
その言葉は、俺の胸に深く突き刺さった。
そうだ、この男は、怜ちゃんを汚したんだ。
嫌がる怜ちゃんを押し倒し、無理矢理犯したんだ。
……だが。
それも全て、彼女に対する愛情の深さ故だとしたら?
「なぁ唯、お前は……」
「……れ」
言いかけた俺の声を遮るように、唯が何事か呟いた。
俺は聞き孵す。
「え?」
「出てってくれ」
聞こえるか聞こえないか、それ程に小さな囁き声。
俺には、今は意を汲んで一人にしてやる以外に、出来る事が無かった。
俺が出て行こうとした時、入れ違いに挟道母子が入ってきた。
志保ちゃんは唯のベッドに駆け寄り、下から彼の顔を覗き込んだ。
きっと唯は、涙を流していたのだろう。
心配そうに見上げる志保ちゃんが、懸命にベッドの上に手を伸ばす。
「おにいちゃん、どこかイタいの?」
「……だいじょっ……ぶ……だかっ、ら……」
頑なに涙を見せようとしないまま、唯は少女の前で気を張った。
少女は唯の手の甲に、自分の小さな掌を当てた。
「イタいの、イタいの、とんでけー」
無邪気で無垢な気遣いが、何故だか心に染みた。
しばらくしてから、唯は涙を止め、気丈な表情を俺達に向けた。
「もう、大丈夫だから。怜の所に行ってやってくれ」
俺と挟道母子は、唯を一人にして、怜ちゃんの元へ戻って行った。
750: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/25(火) 13:52:30 ID:UT5oFzhY(7/11)調 AAS
・怜視点

目が覚めると、白い天井がまず目に飛び込んできた。
続いて、私の顔を覗き込む、見知った友人達の顔、顔、顔。
嘉狩の目元は真っ赤で、泣きはらしていたであろう事が、容易に知れた。
ふと、右手が誰かに握られている事に気付く。
ゆっくりと視線を辿ってみると、一番近いところに、吉良君の顔があった。
何で私、こんなところで寝てるんだっけ?
呆然と記憶を辿る中、医者の先生の声が聞こえてきた。
「軽い記憶喪失状態ですね。
 事故時の事を、目が覚めた瞬間すぐには思い出せないんですよ。
 ショック状態の影響でね」
あぁ、えっと……事故。
そうだ、私は車に撥ねられたんだ。
たわむ骨と肉の感触、その激痛が、まだ体に残っている。
ズキズキと細胞が痛み、起き上がる事さえままならなかった。
「まだ起きない方が良いよ。大変だろうけど、しばらくは入院だ」
不安に引きつりそうな表情の上に、無理に笑顔を貼り付けて、
吉良君は私にそう言った。
……無理して笑うところは、あいつとそっくりだな。
私は、私を汚した男の顔を思い浮かべたものの、その名は口にしなかった。
751: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/25(火) 13:53:33 ID:UT5oFzhY(8/11)調 AAS
ふと、気になった。
見渡す周囲のどこにも、あいつがいない。
吉良君、嘉狩、村雨さん、慎君、海本君、志保ちゃん、挟道さん、
それとせいぜい、先生と看護婦。
この個室の中のどこにも、唯の姿が見えない。
撥ねられる直前、横断歩道の向こう側から呼びかける、
吉良君と唯の、並び立つ姿がまだ記憶に残っている。
唯は、どこ?
心の中でそう呟いたつもりだったけど、うっかり声に出してしまっていたらしい。
吉良君が、一瞬目を逸らした後、決意したように私に答えてくれた。
「唯は今、別の病室にいる」
「……何で? あいつも事故に巻き込まれたの?」
「いいや。ちょっと気分が悪くなってね。体を休めてるだけだよ」
すぐに嘘だと分かった。
先生も看護婦も、勿論他の人達も、嘘をついている人間の目をしていた。
もっとも志保ちゃんだけは、何が何だかよくわかっていないのかもしれないけど。
「先生。唯、怪我したんじゃないんですか?」
「いや、そういうわけじゃないが……。
 守秘義務があるのでね、私の口からは詳しい事は教えてあげられません」
釈然としない。納得出来ない。
何故だか知らないけれど、私は、唯が何故病室で休んでいるのか、
その真実を知らなければならないと思った。
知らないままで終わる事は、人道に背くような気さえした。
「お願い、吉良君……唯には私の方から謝っとくから、
 本当の事、教えて?」
しばらく押し黙った後、吉良君は口を開いた。
「……そうだね。唯に口止めされてたんだけど、
 正直俺も、この話は怜ちゃんにはしておくべきだと思うから」
「良いのかね、君。彼は、知られたくないから口止めしたんだろう?」
「構いません、先生。後で唯には、怒られるかもしれないけど……」
少し困ったように笑いながら、吉良君は私の目を見据えた。
その眼差しに、私も心持ち居住まいを正す。
もっとも体は眠っているから、然程動作に変化は無いけれど。
「良いかい、怜ちゃん。心して聞いてくれ。
 唯は……君に、輸血してくれだんだ。それも、
 自分の方が、健康状態を損なってしまいかねない程の量を」
752: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/25(火) 13:54:23 ID:UT5oFzhY(9/11)調 AAS
吉良君は全てを話してくれた。
保存血が不足していた事。あの時その場に、他にAB型がいなかった事。
駆けつけた他のメンバーも含めて、唯以外にはAB型はいなかった。
私の命を救うために、あいつは血を沢山分けてくれたのだと。
先生は、臓器移植のドナーと一緒で、輸血に協力してくれた人間でも
わざわざ名乗りたくないと考える善意の者は大勢いるから、
唯もそういう意味で、口止めをしたんだろうと言った。
けれど、唯がそんなつもりで口止めしたのでない事は、私にもわかった。
その考えを裏付けるように、吉良君が打ち明ける。
「あいつ……最後に言ってたよ。
 怜ちゃんの事、血まで汚しちゃった……って」
その言葉に、嘉狩達も表情を変えた。
「ねぇ、血『まで』って、どういう事?」
「それに、汚したって……」
彼女達の疑問に、吉良君は答えなかった。
「俺も、事の仔細はよく知らないんだ。
 だから、聞かせて欲しい。思い出すのも辛いかもしれないけど。
 吉良との間に、本当は何があったのか……」
いよいよ、この時が来たと思った。
いつかは、話さなければならない事だと、わかっていた。
私のために自らを犠牲にしてくれた唯に対する、これがせめてもの返礼。
私の罪は、秘匿して良い類のものではない。
吉良君にだけではない。私を取り囲み、心配してくれている人達全てに、
伝えなければならない。私が、どれ程罪深い女なのか。
「わかったわ……全部話す」
私は、唯と出会ってから、決別するまでの事を、今でも鮮明に覚えている。
一つ一つ、記憶をなぞりながら、その全てを打ち明けた。
753: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/25(火) 13:55:07 ID:UT5oFzhY(10/11)調 AAS
・唯視点

頭がクラクラする。
呼吸が苦しい。
気管支が狭くなったような気がする。
内臓が全部重い。
立ち上がってフラフラ歩いてみれば、平らな床の上でコケそうになる。
真っ直ぐ歩いてるつもりなのに、柱に肩をぶつけてしまった。
……なぁに、平気さ。いつもの事だろ?
俺は、誰にともなく呟いた。
そう、いつもの事なのだ。
決して、大量に血を失ったからではない。
この体調不良と眩暈と吐き気は、ここ数ヶ月常に俺に付きまとっている。
今更、たかが血を抜かれたぐらいが、何だ?
死ぬわけじゃあるまいし。生き地獄に叩き落されたわけでもあるまいし。

生き地獄、か。
また嫌な事を思い出しちまった。
……いや、違うか。
思い出すなんて、それじゃまるで、普段は忘れてるみたいじゃないか。
そうじゃないだろう。
俺は、一瞬たりとも忘れてはいないだろう。
あの時の怜の涙も、そのために俺が背負う羽目になった荷物も。

忘れた事と言えば、そう。
笑い方ぐらいのものか。
あれからもう、心の底から笑う事は無くなったっけな……。
754
(2): 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/09/25(火) 13:55:55 ID:UT5oFzhY(11/11)調 AAS
第七話終了です。
次回、過去編。
755: 2007/09/25(火) 16:24:34 ID:lTHMx0rM(1)調 AAS
>>754
GJ!
これは…最後にドカンと来る流れなのか…
しかし、本当に今更ながら、なぜ主人公たちはこんな名前なのか…
756
(1): 2007/09/25(火) 18:05:30 ID:+P7qS0O1(1)調 AAS
名前はあえて厨二病ネームにしてると思う。

面白いと思うけどちょっとだらだらしすぎだと思う。
一度は推敲してるんだろうけど…

携帯小説読んでるみたいで、そのくせ余分な部分が多い。
でも、これだけ長く書けるのはある意味才能だと思うので頑張ってください。
757: 2007/09/25(火) 21:50:24 ID:pQ1cCwMS(1)調 AAS
そういやユウタイノヴァの1巻が出てたな。
フフフ、狙って誤爆ですよ。
758: 2007/09/26(水) 00:49:33 ID:LIvq7//H(1)調 AAS
ν速にこんなスレが。
gkbr NTR IYH  1番目と3番目分かる奴はVIPで氏ね
2chスレ:news

この分野の知名度は意外と高いのう。
759: 2007/09/26(水) 01:00:51 ID:Glpw+FGL(1)調 AAS
ほとんどがvip用語の中エロゲ用語が入ってるのは違和感あるねw
760: 2007/09/27(木) 13:00:12 ID:EWP7NBvX(1)調 AAS
IYHなんて使ってるの見たことないんだが
761
(1): 2007/09/27(木) 15:44:17 ID:WcjSzyJs(1/2)調 AAS
それ何?
ヤハウェか何か?
762
(2): 2007/09/27(木) 16:01:39 ID:r+2dQ94o(1)調 AAS
>>761
「イヤッッホォォォオオォオウ!」のことらしい。
ナウなヤングの考えることはわからん……。
763: 2007/09/27(木) 19:48:37 ID:376nRTul(1)調 AAS
IYHってローン組んで買い物することだよね?! だったら、かなり前から使われてるはずだが…
>762
詳しい語源は知らないが、「後先考えずその場のテンションだけで60回払いなどの契約」を
する行いが「イヤッホゥ!」と喜びながら崖下へ飛び降りるさまに似ているからだと思う。
あと「商品を手にした一時だけの幸福感」や「残債という現実からの逃避」なんかも同時に
皮肉りながら表現してる。

例: バイク板→ 2chスレ:bike
764: 2007/09/27(木) 21:57:34 ID:WcjSzyJs(2/2)調 AAS
gkbrって?
765: 2007/09/27(木) 22:06:12 ID:/NgM+E5o(1)調 AAS
gkbrを知らんとは…ガクガクブルブル

で、まあこの位にしときましょうよ
766: 2007/09/27(木) 22:07:29 ID:svZSo14y(1)調 AAS
>>762
どうしてもその掛け声がグリリバの声で脳内再生されるのは俺だけではないはずだ
767: 2007/09/28(金) 00:24:15 ID:E2dv/K/b(1)調 AAS
ROCOさんとかかきやーさんとか◆7UgIeewWy6さんが来たらIYHを使わせてもらおう・・・
768: 2007/09/28(金) 08:12:27 ID:Pm353KmZ(1)調 AAS
イヤッホウ!=ジャンパイアじゃなかったのか
769: 2007/09/28(金) 10:40:58 ID:EkjJJ9uM(1)調 AAS
ジャンパイア云々以前に、
今年は審判の質悪すぎるだろ。
巨人だって納得いかん判定いくつもあったわい。
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