[過去ログ] ●●寝取り・寝取られ総合スレ5●● (769レス)
上下前次1-新
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
504: 2007/08/26(日) 19:01:42 ID:AqUBQLfH(1)調 AAS
>>493
そうそう、俺も読んだが2人の仲が壊れる経過が書かれてないんで
K子が絶対悪みたいに書かれてるのはどうかと思った
505(1): 2007/08/26(日) 20:26:15 ID:5aZJobrH(1)調 AAS
ナルシストっていうか自分に酔ってる人じゃないとこんな文章書けないでしょう。
だから、読みたくないならスルーするのが基本ですよ。悪態はいけません。
まぁ他の職人さんにからんでくるのはちょっと痛いですけど。
506: 2007/08/26(日) 20:57:13 ID:6Lhki7GI(1)調 AAS
お前のレスは悪態じゃねえの?
507: 2007/08/26(日) 21:43:07 ID:i6crG9fv(1)調 AAS
気分悪くなる人いるのは当然と思う
どれもかなり強烈だからね
嫌いなのは読まない方がいいよ
各々コテハンなのだから読む前に識別つくだろう
ここ1、2週間夏祭り状態で
各人ともレベル高いだけに、きっついぜ
508: 2007/08/27(月) 00:12:59 ID:/nZZnw3c(1)調 AAS
作品の批評ならいざ知らず、作者本人の人格に対する批判は抜きにしようぜ。
気分悪いなら言語化せずに>>505も言っている二行目を心掛けよう。
スレの雰囲気を悪くしちゃいけない。
509(1): 2007/08/27(月) 05:42:34 ID:A8ht8d2a(1)調 AAS
憧れの女っていうコミック買ってきたんだけど、なかなか良い寝取られだった
(最後は元鞘なのが残念だったけど)
他に良いNTRコミックってない?
510: 2007/08/27(月) 06:51:02 ID:PIbkumn6(1)調 AAS
>>509
作者は冬の同人で、ヒロインの堕ちる過程を書くらしい。
511: 2007/08/27(月) 06:57:30 ID:3dfx0JK2(1)調 AAS
蛇足のような気がする
512: 2007/08/27(月) 07:17:19 ID:nn/kQ5mH(1)調 AAS
元鞘とわかってる上でのNTRってのもまた別の味がある…のか?
513: 2007/08/27(月) 10:45:35 ID:2gpDqv1+(1)調 AAS
来週結婚予定の彼女が、他の男とお泊り旅行とかしてたよ (((( ;゚∀。)))アヒャヒャヒャヒャアヒャヒャヒャヒャ
2chスレ:news
514: 2007/08/27(月) 11:32:57 ID:swNgA0AZ(1)調 AAS
ここは創作板でつよ
515(4): 2007/08/28(火) 23:40:16 ID:C+jHSfZI(1)調 AAS
ギャー!何このスレ!長い!重い!
ネタの性質上、振りがどうしても長くなるのはしょうがないにせよ、それにしても!
たまには誰かもっとお手軽でエロい感じのやつを頼む!
ドヘタなりになんとか一つ作ってみたので、この線で…誰か…ボ・ス・ケ(ry
「遅いよ真一!」
「そうだよ真希ちゃんの料理冷めちゃうだろ」
「うっせーな親父、部活長引いたんだからしょうがねーだろ!あんたみたいにひまじゃねーんだよ!」
幼馴染の真希の作った料理がテーブルを飾っている。すでにつまみ食いを始めている、行儀の悪い典型的な
中年体型の男が俺の親父、佐賀一平である。
「じゃ、みんなで食べよ!いただきまーす!」
肥えさせるだけなのに、ビールを注いでやっては、親父の繰り出す、まさにオヤジギャグに笑い転げているのが、
俺の同級生の相馬真希。幼稚園から数えて、高校1年の今まで、3分の2は同じクラスのまさにザ・幼馴染。
スレンダーで、整った顔立ちにみんなだまされるが、実は口より先に手が出る武闘派なのだ。
特に、彼女は、俺から言わせりゃヘボヘボ3流翻訳家の親父の大ファンで、俺ら親子の意見が割れるときには
ほぼ100%親父の味方。何かこう、肩身が狭いってヤツ?今も、小皿に料理をとってやっては、親父の中年体型の
維持に貢献してる。まあ、お袋が死んでもう4年くらいたつが、彼女がこうやって時々まともな飯を作ってくれるから、
俺ら親子もなんとか生きていけてるってトコもあるから、文句は言えないけど。
そんなある日。部活開始早々、足を捻ってしまい、湿布を張ってもらって、俺はいつもより2時間以上早く家に帰った。
家の前には、真希の自転車があった。最近彼女は、ファンが講じて、親父の仕事上の軽い雑用を勤めながら、
翻訳の初歩の手ほどきを受け始めていた。まあ、親父も少しは人様の役には立つっつー事だ。
鍵を開けて入ると真希の靴がある。居間には誰もいなくて、コーヒーの香りだけが立ち込めていた。
たぶん真希が親父のために入れて、奥の書斎に持っていったんだろう。なぜか、なんとなく軽い嫉妬を感じながら、
奥の書斎を覗きに行こうとすると、その軽く開いた書斎のドアから
「ウッ…アッ…アン…ハァッ」
という、切なげな女性の喘ぎ声が聞こえてきた。ハ?何?何だよ!…ははあ、親父、若い子にAVとかを
「あ、まちがっちゃった」とかいって見せて反応を楽しむ、重度セクハラだな。それはすでに犯罪だぜ…とか
考えながら書斎を覗き込むと、そんな都合のいい妄想はあっさり吹き飛んだ。
親父が、仕事で仮眠するときにベッド代わりに使っているかなりでかいソファーの上で、素っ裸の真希の上に
乗っかって、そのプヨついた尻をガンガン振っていた。
「…ま、真希ちゃんどう…もう全然痛くないでしょ…」
「…あ、うん…この格好だと…アッ…ハッ…そ、そんなに深く入らない…から…」
「…そう?…深いのも…そんなに嫌いじゃ…ないみたい…だけどな…」
というと、親父は彼女の小さなお尻を抱えてヒョイと立ち上がった。真希が悲鳴を上げながら親父の首に
しがみつく。いわゆる駅弁ファック?
彼女の小ぶりの尻に、親父の、たぶん大人の平均と比べてもかなり大き目のチンポがズコズコ突き刺ささ
れる。二人とも汗びっしょりだ。
「イヤ…あ、当たっちゃう…深い…怖いよ…」
「…何で…怖いの…」
「なんか…わたし…なんか…ヘンに…」
「…教えたろ…なんていうんだっけ、そんな時は!」
というと、親父は彼女の細い腰をグッと抱きしめ、本当に根元の根元までそのデカチンを彼女に激しく
ぶち込みはじめた。
「ア…イ…イク…」
「そうそう!ほらほら、これでどう?!」
「イッちゃう…いっちゃ…ア…ヒィッ!」
真希は親父に強くしがみついて、腰をビクビクッと痙攣させる。親父も「ウッ」と硬直して動かなくなる。
しばらくして、まだチンポが刺さりっぱなしの彼女のアソコから、親父の出したらしいアレが、
ぼとり…ぼとり…と垂れてきた。親父…せめてゴムぐらいつけろよ…
今日は親父と真希の結婚式。この2年間、何とか彼女を奪い取ろうとがんばって、何度かうまくいきかけたが、
そのつどあっさりヤツのデカチンに奪い返されてしまった。結局、彼女は、アソコと、口と、いつの間にか
開発されたアナルにひたすら精液を注ぎ込まれ続け、その結果が今日のこの日、という訳だ。いや、
結婚が何だ!ここからが、寝取り、寝散られライフのスタートだ!!俺たちの青春は、まだ始まったばかりなんだ!(マジでおそまつさま)
516: 2007/08/28(火) 23:49:34 ID:QtEYxuNI(1)調 AAS
次の患者さんどうぞ
517: 2007/08/28(火) 23:54:27 ID:lPjF0vG6(1)調 AAS
>>515
なかなか良かったよ。
最近はあれ?ここってエロパロ板だった・・・よね・・・とかって思ってたから
また書いてくれ〜
518: 2007/08/28(火) 23:57:56 ID:dgizXamS(1)調 AAS
え、これパロディなの?
519: 2007/08/29(水) 10:07:02 ID:CXCH+vRl(1)調 AAS
>>515
最初の四行がどうしようもなく香ばしい
520: 2007/08/29(水) 10:51:30 ID:0oUbWhrB(1)調 AAS
>>515
NTRはフリがクドくてなんぼだろーが
521: 2007/08/29(水) 11:24:48 ID:ZV3oyycI(1)調 AAS
嗚呼、なんて運が悪いんだ。僕はいつもこうだ。
突然、隣町の八城高校の不良に因縁を付けられて人気のない商店街の
路地裏に連れ込まれた。
「へへへ、ボクちゃんよぉ。お金、持ってない?」
「ちょっとだけ、貸してくれよ。な?」
3人の人相の悪い奴らに囲まれて、僕はどうしようもなく震えながら
「は…はい、お金ならここに…ありますから…」
財布を取り出して、にやついてる不良に渡そうとした、その時、
「……こらぁ!」
ハァハァ息を弾ませて、路地の入り口に、セーラー服姿の少女が立っていた。
「千尋ちゃん!」僕は涙をにじませて叫ぶ。
「…こぉのチンピラどもぉ。よっくも、私の幼馴染をぉ〜…」
千尋ちゃんがそう言って、こちらへ一歩一歩、ズンズンと歩み寄ってくる。
「なんだぁ、このアマ?バカじゃねえのか」
「でもよぉ、結構、可愛いじゃねえか。へへへ、おもしれぇ〜」
不良Aが、にやついた瞬間。ガツン!!すごい音。
滑るように不良の懐に飛び込んだ千尋ちゃんが、不良Aのあごに
アッパーストレートを見舞っていた。
「ぐふぅ」まともに食らった不良A、たちまち地面にくず折れてKO。
「…な、な、なァ?!」
面食らった不良Bに、体勢を整える時間を与えず、千尋ちゃんは健康的な
太ももを惜しげもなく晒して、そのみぞおちに強烈なキックを叩き込む。
「…げふっ!」不良B、あえなくヨダレ垂らして撃沈。
慌てた不良Cが、「こ、この野郎」と千尋ちゃんに殴りかかる。
千尋ちゃん、軽くスウェイ。
「くっ…く!こ、この野郎!」
ドスッ。グシャ。千尋ちゃんのワンツーがキレイに不良Cの顔面に入る。
白目を剥いてぶっ倒れる不良C。
「やったぁ〜!千尋ちゃん!」
僕は手を叩いて、千尋ちゃんに駆け寄る。
「大丈夫だったか? 優一」
千尋ちゃんは、わずかに息を乱しただけで、僕を気遣ってくれた。
小さい頃から、こうやって千尋ちゃんは、ずうっと僕を守ってきてくれた。
僕にとっては同級生っていうよりも、遥か年上のスーパーガールみたいな存在。
それが千尋ちゃんだ。
でも、千尋ちゃんは、この10日後、この不良どものボスと対決してフルボッコ。
そのままボスと不良ABCにマワされて、写真とビデオ撮られて言いなりに。
何度も犯られるうちにボスに心も陥落して、高らかにセックス奴隷宣言。
今日、僕の所に、不良A,B,Cのチンポを全裸で嬉しそうに舐めている
首輪に繋がれた千尋ちゃんの写真が送られてきました。
(完)
522: 2007/08/29(水) 11:32:55 ID:oa+/8waV(1)調 AAS
……最早マッハ堕ちですらねえ……
523: 2007/08/29(水) 11:42:41 ID:0lGkLMoT(1)調 AAS
>>515の熱意は評価する
524: 2007/08/29(水) 17:28:44 ID:Jf7rsGIf(1)調 AAS
俺はノリの軽さも含めてかなり好き
寝取られと言うよりは、あこがれのあの子が…という落差を楽しむパターンだな
525(1): 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:25:46 ID:vLP5oV3K(1/15)調 AAS
第四話投下
ただし今回はエロ要素完璧に皆無
まぁ、幼女が膝の上に乗ってキャッキャしてるのが好きな人は
その辺のシーンで適当にヌいといてくれ
526: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:26:30 ID:vLP5oV3K(2/15)調 AAS
・怜視点
緑を増して厚着になる木々とは反対に、
街行く者達の服装は、薄く涼しくなっていく。
既に地元の小学校や中学校ではプール開きされており
近くを通ると、子ども達の跳ねるような声と水音が耳に入ってくる。
季節は、初夏。
唯が大学を去ってから、二ヶ月が経とうとしていた。
「飲み会?」
「そ。そろそろ学部試験の時期だろ?
それ終わったら夏季休講期間に入るから、そのぐらいの頃に
一度皆で集まって、居酒屋にでも行こうって話がね。
今男子の間で持ち上がってるんだけど」
吉良君がそんな事を言い出したのは、バイトの最中だった。
例によって暇な時間帯で、店内に客は一人もいない状態だった。
「でも、私も嘉狩さんも村雨さんも、皆未成年だよ?
一応お酒、飲めない事は無いけど……」
「へぇ、意外だな。怜ちゃんって、アルコールいけるクチなんだ。
てっきり全く飲めないタイプかと思ってたんだけど……」
そう言われて私は、答えに詰まった。
ひとしきり考えた後、隠す必要も無いと思って、事実を打ち明けた。
「昔……あいつの影響で、飲んでみた事があって」
私達二人の間で『あいつ』と言えば誰を指すかは、言わずもがなだった。
「……また唯か。やれやれ、案外根が深いね」
私は、かつて唯に連れられて、バーとレストランを兼ね合わせたような
少し大人びた雰囲気の店に行った時、そこで唯がカシスオレンジを
注文していた事を、吉良君に話した。
カクテルを頼む辺りがまたキザっぽいと、吉良君は
より唯に対して不愉快な印象を募らせたようだった。
と同時に、事ある毎に私が唯の事を思い出すのが、悔しかったらしい。
しかし、それも仕方の無い事だった。
あんな事が起こるまでは、私と唯はよく一緒に遊びに行っていた。
二人で簡単な花見に行った事もあったし、映画だって勿論行ったし、
一晩カラオケで潰した後にあいつの運転で海まで行って
日の出を見るなんて言う、青臭い事までやっていた。
あまりにいろんな事をやっていたので、吉良君と何をやるにしても
常に唯の影がつきまとっていたのだ。
527: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:27:23 ID:vLP5oV3K(3/15)調 AAS
それは兎も角として、飲み会の話は数日かけて纏まっていった。
参加メンバーは私と吉良君、それに慎君に海本君に、
女子は嘉狩と村雨さんと、あと数名適当に調達するらしい。
と言うのも、参加メンバーが十人揃えば、割引が適用されるからだそうだ。
せっかくの飲み会なのだから、固定メンバー以外の者も誘おうという考えもあるようだ。
残り四人に関しては、慎君にアテがあるようなので、
そちらに任せておく事になった。
慎君の知り合い、友達だからと言って、他のメンバーとも顔馴染みとは、限らない。
むしろ、その日初めて会う者とすら酒を酌み交わすのが
飲み会の醍醐味との事で、吉良君もやや乗り気のようだった。
私はと言うと、人見知りがかなり激しい方なので、あまり気楽ではなかったけれど。
だから、私でも少しは話した事のあるような人が
残り四人の枠の中に含まれていれば、良いんだけれど……などと考えていた。
そんな後ろ向きな気持ちが、天に通じたのだろうか。
或いは逆に、天罰と言うのかもしれない。
学部試験を終え、夏季休講に入り、初日に所定の居酒屋の前で集合した時
残り四人の参加メンバーの中に、あいつがいた時は、心底驚いた。
528: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:28:11 ID:vLP5oV3K(4/15)調 AAS
待ち合わせは、居酒屋の前だった。
空気がピリつくのがわかる。
吉良君は、有無を言わせずつっかかって行った。
「日色唯、何でお前がここにいるんだ」
唯は、掴まれた胸倉を意にも介さず、手をヒラヒラさせて答えた。
「そんなもんコッチが聞きたいわ。
挟道さんに誘われて来てみたら、まさか怜やお前がいるとはね」
挟道さんと言うのは、吉良君達と同じ学年の、三十路前半の人妻だった。
元々は別の大学の卒業生で、銀行に勤めていたのだけれど
取得したい資格があった関係で、白城大学に通いなおしたらしかった。
彼女は六歳になる自分の娘を連れて来ていた。名前は志保ちゃんというらしい。
それと後一人は、慎君と同じゼミを受講している、
聖月子という、妙に厳かな名前の女の子だった。
話を整理してみると、まず慎君が聖さんを飲み会に誘ったらしい。
と同時に聖さんに、他に参加してくれそうなメンバーがいないか、
当たって欲しいと頼んだようだった。
聖さんは挟道さんを誘い、挟道さんは当時既に退学していた、唯を誘ったという流れだ。
だから、唯がここに来るという事は、吉良君や私はおろか、
慎君さえ今日この瞬間まで知らなかったらしい。
「こいつ、確かこないだ吉良と喧嘩してた奴だよな?」
その慎君は、事情を何も知らないながらも、吉良君が殴りかかる程なのだから
余程この唯という男は悪い奴なのだと、決めてかかっているのだろう。
探るように、或いは睨むように、唯を見据えた。
「まぁまぁ、良いじゃないの。今日は仲直りもかねて、飲みましょう!」
同じく何も事情を知らない挟道さんが、志保ちゃんを抱き上げて言う。
子どもの前で火花を散らすのは止めてと、暗に言っているようだ。
参加人数は、私達のような未成年は勿論、志保ちゃんのような
幼児を含めて、これでどうにかやっと十人きっかりだった。
これに割引サービスを適用するかどうか、飲み屋のバイトの人も
随分迷ったみたいだったけれど、そこで割引をケチるよりも
気持ちよく飲んでもらって、リピーターになってもらった方が
最終的には店の利益になると判断した店長さんが、快く許可してくれた。
未成年は飲み屋には入れない決まりだけれど、
これも暗黙の了解か、或いは十人分もの売り上げを落としたくなかったのか
身分証の提示も求められる事なく、私達は入店出来た。
529: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:28:59 ID:vLP5oV3K(5/15)調 AAS
席につくとまず、吉良君達男性陣は、ビールを一杯ずつ注文した。
どうやら大人の世界には、飲み屋ではまず生中、という
暗黙の了解があるらしく、彼らはメニューも見ずに店員に注文していた。
海本君曰く、カクテルやチューハイは、店によっては無い所もあるけれど
ビールだけはどの店にも必ずあるので、最初はこれを頼むのが定石らしい。
飲みたい酒を、時間をかけて選ぶのは、その後と言う事だ。
大人の女性である挟道さんにとっても、それは常識らしく、
彼女も男性陣に続いて、ビールを注文していた。
けれど、唯だけは違った。
「あ、俺ウィスキーお願いしまっす。ロックで」
事も無げに、定石を無視する。
この年齢の男がウィスキーをロックで注文するというのは、中々無いらしい。
店員の女の人が、一瞬虚をつかれたような顔をするのがわかった。
吉良君にとっては、これもまた、気に食わないらしかった。
レモンティーのレモン果汁を混ぜないだの、
女の子とのデートでカシスオレンジを飲むだの、
飲み屋で最初からウィスキーで飛ばすだの、そういった事が
いちいち格好つけているみたいで、どうにも受け付けられないらしい。
私を寝取られた恨みもあってか、吉良君は露骨に唯に、呆れた視線を送った。
「ウィスキー頼んじゃ悪ぃかよ? 俺、ビールは苦手なんだよー」
吉良君の視線の意味を感じ取ったのか、唯は浮くように軽い口調でそう言った。
どうやら根本的に、この二人の相性は良くないらしい。
それはそうだろう。
吉良君と相性の良い私が、唯とは相性が悪いのだから。
530: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:29:49 ID:vLP5oV3K(6/15)調 AAS
挟道さんの娘の志保ちゃんは、挟道さんの右隣、
そして唯の左隣に座っていた。
唯の注文したウィスキーが、ウーロン茶にでも見えたのだろうか。
氷が入っているという点も、子どもにとっては興味をそそられるようだ。
テーブルの上に手を伸ばし、興味津々といった風にコップを見つめる。
「駄ぁ目。これはお酒なんだよー、志保ちゃん」
そう言ったのは、唯だった。
普段の気取った感じではない、あくまで子どもに接する時の口調だった。
私は、彼のそういう話し方を聞いた事が無かったので、少し驚いた。
こいつ、こんな幼稚園の先生みたいな喋り方も出来たんだ……。
「これ、おさけ? おちゃじゃ、ないの?」
「お茶は、お母さんが志保ちゃんの分も、お店の人に頼んでくれたからねー。
もう少ししたら、持ってきて貰えるよ」
「のど、かわいた」
「うーん、困ったねぇ。でも、子どもはお酒飲めないからねぇ」
「なんで、のめないの?」
「そうだなぁ……何でだと思う?」
子どもの問いかけに対して、問いかけで返すのは、卑怯だと思った。
けれど、問われれば真剣に自分なりの答えを模索するのが、子どもというものだ。
「わからないから聞いたんだよ」などという答え方を、子どもはしない。
志保ちゃんも、一所懸命答えを考えていた。
「うーんとね、えーっとねぇ……こどもがのんだら、カゼひいちゃうのかなぁ?」
面白い答えだ。
恐らくは、父親が酔っ払った時に顔が赤くなっているのを、
子ども心に病気か感冒症と同じ類のものだと、思ってしまっているのだろう。
「うん、そうかも知れないね」
唯は、志保ちゃんの答えを否定しなかった。
不思議と、子どもの扱いに慣れている様子だった。
唯と話す時間が楽しかったのか、お茶がテーブルに届くまでに少し時間があったけれど、
その間志保ちゃんは全く「お茶、お茶」と急かさなくなっていた。
隣で見ていた挟道さんは、少し関心している風だった。
531: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:30:34 ID:vLP5oV3K(7/15)調 AAS
「……何だよ?」
出し抜けに、唯が私の方を見て、そう言ってきた。
その時になって初めて、私はこいつを注視していた事に思い至った。
「べ、別に……アンタにそういう一面がある事なんて、知らなかったから。
……ちょっと意外だなって、思っただけ」
だが、私が答えた瞬間には、もうそんな事はどうでも良くなっていたのか、
唯は志保ちゃんのお皿に、ローストビーフやミニトマトをよそってあげていた。
母親というものは、たまには育児から解放されて、
思い切り飲み食いしたいと、常に思っているものらしい。
唯は挟道さんのそんな気持ちを推し量ったのか、
積極的に志保ちゃんの面倒を見てあげているようだった。
これだけ切り取って見ると、微笑ましい風景だ。
さしづめ、幼い女の子と親戚のお兄ちゃん、といった感じだ。
恐らくは今、慎君達は唯に対する第一印象を、少し改めているだろう。
ただ一人、吉良君だけは相変わらず不快そうな顔をしていたけれど。
「こら、志保。お兄ちゃん、重いでしょ?」
「あはは、大丈夫っすよ。気にしないで良いからねー、志保ちゃん」
いつの間にか志保ちゃんは、唯の膝の上に座っていた。
居心地が良いのだろうか、お気に入りの座席を確保したようだった。
まだ会が始まって十分かそこらなのに、もう唯は
幼子の心をがっちり掴んでしまった。
私の隣で、吉良君が「……強姦魔に懐いちゃって、良いのかな」と
呟いたのが聞こえたけれど、私は敢えて聞こえないフリをした。
「唯クンと話すの初めてだけど、何か第一印象とは随分違うのねぇ」
嘉狩はそう言って、唯と志保ちゃんを、交互に眺めた。
「正直さ、初めて唯クンを見たのが、吉良君と喧嘩してた現場だったからさ。
あんまり良い印象無かったんだけど、意外と良いお兄さんって感じじゃん?」
何も知らないくせに……と吉良君が脳内で呟いた声が、私にも届くような気がした。
532: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:31:16 ID:vLP5oV3K(8/15)調 AAS
構わず、嘉狩は唯君に話し続ける。
「さっきの口ぶりだと、怜とは馴染みみたいね?
どういう関係なの? ひょっとして、聞いちゃまずい関係?」
聞いちゃまずいかもと思いながらも、切り込むように聞くのは
彼女のオープンな性格故の、特権だろうと思う。
彼女になら、無用に踏み込まれる事に、誰しも然程不快感を覚えない。
世の中には、先天的にそういうお得な性格、性質の人がいるものだ。
ただそんな人でも、吉良君と私が付き合っている事を鑑みて
あまり私と唯の関係を掘り下げて聞くのは良くないかも、とは思っているらしい。
「どういう関係って、なぁ……?
怜に聞いてみな。少なくとも俺の口からは答えられねぇよ」
子どもを退屈にさせないための配慮からか、唯は志保ちゃんの頭を
優しく撫でてあげながら言った。
大人同士で勝手に会話を始めてしまえば、つまらなくなるのが子どもだと、
熟知しているようだった。
当然、私の口からも答えようが無い。
友達だよ?
そんな答え方、吉良君の手前言えるわけがない。
ちょっと前まで、友達でした?
じゃあ、何故今友達ではなくなったのかと聞かれたら……答えられない。
ちょっと前に、犯されました?
そんな回答、もはや論外だ。
仕方なく、私は答えをはぐらかす事にした。
「アンタって、よく子どもに好かれるわよね」
嘉狩の質問をスルーして、唯に話をふる。
けれどそれは、吉良君にとっては気分の良いものではなかったらしい。
それはそうだ。
レイプ犯に被害者が、自分から話しかけるなど、
正気の沙汰とは思えない……そんなところだろう。
軽く眉間に皺を寄せて、私の方を訝しげに見てくる。
さも旧知の仲であり、親しげであるように話しかけた事も、気に食わないようだ。
しかし唯は、その事に気付いているのかいないのか、普通に会話を繋いだ。
「子どもに好かれるのなんか、簡単さ。
自分が子どもを好きでいるだけで、子どもの方は放っといても自分を好いてくれる。
自分に好意を持ってくれてる人間を、嫌ったり疎んだり出来る程、
子どもの脳みそは廃れた構造しちゃいねぇよ。
そんな器用な真似が出来るのは、大人だけさ」
それは、至言のように思えた。
少しだけ、吉良君の唯を見る目が、変わった。
一人志保ちゃんだけが、話の内容が難しくて、よくわかっていないようだった。
533: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:31:58 ID:vLP5oV3K(9/15)調 AAS
飲み会が解散して、二次会にカラオケに行こうという
話になった時は、本当に大変だった。
会計を済ませ、店の出入り口から出た時だ。
既に時刻は二十時少し前で、子どもがこれ以上長居出来る時間ではない。
挟道さんは志保ちゃんを連れて、家に帰ろうとしたのだが、
志保ちゃんは泣いて唯に縋っていた。
「びぇぇぇぇぇん! おにいぢゃぁぁぁぁぁぁん!」
余程唯の事を気に入ってしまったのか、少女は唯の足に
ぴったりとくっついて、離れようとしなかった。
涙と鼻水が唯のボトムを汚していたけれど、唯はそんな事は気にしなかった。
それよりも、少女が泣いて喚いている事の方を、真剣に心配していた。
「ほら、志保ちゃん。お兄ちゃんが困ってるじゃないの」
挟道さんは、志保ちゃんを無理矢理抱き上げた。
そのまま挨拶もそこそこに、足早に皆の前から去ろうと考えているらしかった。
それを唯は引き止めると、隣にあったゲームセンターの
入り口の横、店の外側においてあるクレーンゲームの筐体に向かった。
「ちょっと待ってて下さい、お母さん」
唯は志保ちゃんの前だからか、挟道さんとは呼ばずに、お母さんと呼んだ。
そう言えば小さい頃、私の父方の叔父が、私の父を『怜ちゃんのお父さん』
と呼んでいたけれど、つまりはあれと同じ理屈だろう。
唯は手早くコインを入れ、一発で景品のヌイグルミをゲットした。
「はい、志保ちゃん。これあげる」
「まぁ。良いのかしら、日色君」
「気にしないで下さい、お母さん。ほんのサービスですから」
どうやら、少女へのプレゼントのために、わざわざとってあげたらしい。
一瞬、志保ちゃんが泣き止んだ。
「……クマさんだー」
「そうだよー。でもクマさん、泣く子は好きになってくれないなぁ」
その瞬間、志保ちゃんが慌てて涙を拭う。
「ないてない! しほ、ないてないよ!」
「そうだね。偉いねぇ、志保ちゃんは」
唯はそう言って屈み込むと、少女と同じ目の高さになって、
持っていたヌイグルミを少女に与えた。
そうして小さな声で、耳元で呟くように、少しだけ言葉を付け足す。
「別に、泣くのは悪い事じゃないんだよ」
「そうなの? でもママもパパも、ないちゃメッ、ていうよ?」
「うーん、とねぇ。泣きたい時は、泣いたら良いと思うんだ。
でも、いつまでも泣き続けてたら、駄目なんだと思うよ」
そうして唯は、立ち上がった。
「もう、泣かないよね?」
「うんっ! だいじょうぶだよ!」
志保ちゃんは母親と手を繋ぐと、元気良く片手を振って、別れを告げた。
「バイバーイ、おにいちゃん!」
「うん。またねー、志保ちゃん」
唯の、驚く程の紳士ぶりに、私達はみな、呆気に取られていた。
志保ちゃんが「バイバイ」の後に呼んだのが唯のみで、
私達の存在を少女にあっさり忘れられていたであろう事にすら、気が回らなかった程に。
534: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:32:47 ID:vLP5oV3K(10/15)調 AAS
「さて、と……俺もそろそろ、帰りますか」
唯は、それまでかけていた色眼鏡を外して、
鞄の中から取り出した無色透明のレンズの眼鏡に、かけかえた。
夜なので、色眼鏡だと見えにくいのだろう。
眼鏡何本持ってるんですか、と小声でツッコんだのは、村雨さんだ。
しかし私は、唯が眼鏡をファッションの一部として捉えており、
服を着替えるような感覚で眼鏡を使い分ける癖があるのを、知っていた。
「もう帰んの? まだいても良いじゃん」
聖さんが、つまらなさそうに口を尖らせて言った。
「明日も朝からバイトなんだよ。立哨警備のな。
大変なんだぜー? 朝五時に起きて朝礼に向かわなきゃいけないんだから」
「へぇ、警備員なんかやってんだぁ。暑苦しい事やってのんねぇ」
「割りが良いんだよ。ただ立ってるだけで、時給千円だからな。
フリーターにはおいしいバイトって事」
「フリーターだったの? てっきり、うちの大学の学生かと思ってた」
「退学したんだよ」
唯を退学においやった張本人である、吉良君……
いや、吉良君と私、と言った方が正しいか。
吉良君と私が目の前にいるので、唯は特に退学の理由を
事細かに話そうとはしなかった。
その手の理由は、どの道やんごとなき代物が多い。
聖さんも、勿論慎君達も、その辺りを推し量ってか、別段深く聞き出そうとはしなかった。
理由を知っているのは今のところ、唯と吉良君と、私だけだった。
535: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:33:30 ID:vLP5oV3K(11/15)調 AAS
・吉良視点
日色唯という男の事が、よくわからなくなった。
いや、厳密に言うと、元からよくはわかっていなかった。
俺はただ、初めて会った時の軽薄そうな印象と、怜ちゃんから伝え聞いていた評価と、
怜ちゃんが唯にレイプされたというエピソードのみで、唯という男を量っていた。
その結果、俺の中では唯は、単なる人間の屑という結論に至っていた。
しかし、実際はどうなのだろう?
少なくともあの男は、今日だけで三度、俺の中での心象を
がらりと変えてしまうような振る舞いを見せた。
一度目は、志保ちゃんの面倒を見てあげていた時。
二度目は、子どもに好かれる秘訣を怜ちゃんに教授した時。
三度目は、志保ちゃんをピタリと泣き止ませ、アフターフォローまでこなした時。
三度目はまぁ、物で釣ったと言えない事もないが、手際の見事さは確かだ。
これだけ見れば、単なる好青年にしか見えない。
しかし実態は、信用してガードを下げてくれた女の子を、
ここぞとばかりに押し倒し、欲望のままに汚す男なのだ。
そうだ、こんな男など、信用してはならない。
この男は、見下げ果てた外道なのだから。
……そう、思っていた。思おうとしていた。
しかし、常に違和感がつきまとう。
志保ちゃんとの触れ合い方を見てからは、逆にこの男が
女性をレイプしたという事の方が、信じがたくなってきていた。
何か決定的な事を、見落としている気がしてならない。
現時点では、知っている事があまりに少なすぎた。
自分は、もっとあの男の事を、知らなければならないような気がした。
しかし、ではどうすれば?
俺は唯の連絡先など知らない。話し合う事など出来ない。
怜ちゃんに聞けばわかるだろうか?
いや、彼女も唯の連絡先は、電話番号もアドレスも、メモリから消したと言っていた。
……馬鹿馬鹿しい。仮に連絡先が分かったとて、それでどうだと言うのだ?
俺の方から、唯に連絡をとると言うのか?
用件は何だ? どう説明する?
駄目だ、どう考えても、自然な方法であいつと話し合う機会を得る事は、出来ない。
536: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:34:16 ID:vLP5oV3K(12/15)調 AAS
いや、待て。
話し合わねばならないのか?
会話でなければいけないのか?
そんな事は無い。要は、あいつの事をもっと知る事が出来れば良いのだ。
方法は、ある。
人づてに聞くのも良いが、相手が唯なら、別のやり方も出来る。
飲み会の帰り道、俺は隣を歩く怜ちゃんに、唯のブログのURLを聞き出してみた。
「え、あいつのブログの……?
もうお気に入りから削除しちゃったから、URLなんてわからないよ。
でも、何で今更?」
「いや……ただ何となく、気になって」
そう、ただ何となく気になっただけだ。
別に唯と親睦を深めたいとか、溝を埋めたいとか、ましてや
怜ちゃんを襲った事を許してやろうと考えているとか、そんな事ではない。
だから、別にブログを閲覧出来なくても、困る事は何も無い。
どの道恐らくもう二度と会わない相手なのだから、深く知る必要など毛頭無い。
「でも……あのブログ、パソコンからも見れるから。
ひょっとしたら、履歴に残ってるかも……」
その瞬間、素直に「見たい」と思ってしまった自分に、気がついた。
何故俺は、ここまで唯の事を気にかけている?
ただちょっと子どもに優しくしただけで、
たったそれだけの事で、あいつを見直しかけている。
本来俺にとって、あいつは生涯許す事の出来ない、敵の筈なのに。
537: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:35:01 ID:vLP5oV3K(13/15)調 AAS
怜ちゃんの下宿に戻って、ノートパソコンを起動させた。
画面が立ち上がるまで少し時間があるので、その間しばらく待つ。
やがてブラウザが立ち上がり、怜ちゃんは履歴を検索し始める。
スレイプニルというタブブラウザを用いているそうで、
俺にはよくわからないけれど、半年以上前の履歴も残っているそうだ。
これも唯に教えてもらったのだと、彼女は言った。
やがて、お目当てのURLが見つかった。
クリックしてみると、そこはブログというより、電子掲示板の類に見えた。
以前怜ちゃんの携帯電話から見せてもらった時は、
何分携帯端末用のレイアウトだったので、ちょっと気付きにくかった。
「スレッド式の掲示板と、形式は一緒だよ。
ブログというよりは、掲示板に各々がスレッドを立てて日記を書き込んでる……みたいなもの。
ただ、コメントを書き込む事自体は誰でも出来るんだけど、
スレッドを立てるのと、コメントの削除だけは、登録が無いと駄目なの」
スレッドだの何だの、俺にはよくわからない事だった。
とにかく、この掲示板の上で、多数の利用者がハンドルネームで日記を記し、
更に多数の利用者達が、ハンドルネームすら用いずに、コメントを残す事が出来るようだった。
いわゆる捨てハンと呼ばれるものらしく「あ」だの「a」だの、
明らかにその場しか使わないと思われる、適当なハンドルネームが使われている。
律儀にハンドルネームを使っているのは、スレッドを立てた本人達だけだ。
『ZERO』。
それが、唯のハンドルネームであるらしかった。
「最初はさ、このHNに少し興味をひかれて、覗いてみたの。
だって、私の本名が『レイ』なんだもん」
そう言って彼女は、自分の親指と人差し指で輪を作り、0を表した。
どうやら、怜=レイ=0→ZEROという連想らしい。
538: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:35:44 ID:vLP5oV3K(14/15)調 AAS
ZEROと名乗る者の日記は、内容自体は特段変わった事は無かった。
何月何日何曜日、バイトでこんな事があった、その時どう思った。
その程度の事が、独特の軽妙な切り口で記されている。
しかし、それよりも俺の目をひいたのは、他の利用者達からの
諸々のコメントの内容の方だった。
「yumi:
ZEROさんも大変ですねぇ〜。
私も今バイトしてるんですけど、店長が凄い嫌な人で、
私も同僚の人達も、もう辞めようかって言ってるんです。
でも時給は良いし、店長以外の人は良い人ばっかりだから
まだふんぎりがつかないんです。
どうしたら良いんでしょうか?」
一瞬、目が止まってしまった。
他人の日記にコメントを残す事が出来るという事自体、
ネットに慣れていない俺にとっては不思議な事なのに、
ましてや他人の日記上で、相談事を持ちかけている者がいる。
ネットの世界では、これは当たり前の事なのだろうか? 怜ちゃんに尋ねてみる。
「……うーん、どうだろう。
あんまり見かけないけど、でもこいつの日記は、こういうのばかりだよ」
「こういうのばかり……って……」
「何でかよくわからないんだけど、唯の日記って、いろんな人が集まるんだよ。
で、やっぱり理由はわからないんだけど、結構悩み事とか相談事とか、書き込まれるの。
まぁ、あいつも律儀に話聞いてあげたり、答えてあげたりしてるからね……。
いつの間にかこの掲示板では、あいつの日記は半分くらい
人生相談請負みたいな事になっちゃってるわ。結構前から」
確かに見てみると、他にも結構ちらほらと相談事が書き込まれいる。
また恐ろしい事に、ZEROという名の人間……唯は、逐一話を聞いてやり、
アドバイスや助言を惜しみなく送っている。
「ZERO:
どんな職場にだって、嫌な人間は必ず一人はいるもんさ。
割り切ってしまえば、周りは全部味方なわけだから、まだ頑張れると思うぜ。
周りが全部敵って職場環境も、世の中にはあるんだし」
妥当だが、的確でもあるアドバイスだ。
一般論に過ぎないと言えばその通りだが、内容は極めて正しい。
ますます、あの男の事がよくわからなくなった。
何しろ本当に、唯の立てたスレッドでは、こういった内容ばかりが連なっていたのだから。
試しに他の利用者のスレッドも閲覧してみたが、
思い思いの記事が書かれているだけで、他者に相談をもちかけられるどころか
そもそも他の利用者達と交流、会話さえしていないのが、殆どだった。
俺は、もっと遡って過去の記事やコメントも読みたいと思ったが
あまりにも量が膨大であるらしく、断念した。
怜ちゃんによれば、あいつはもう二年以上ここで日記を書いているらしい。
二年分も読んでいられないので、とりあえす携帯電話にURLだけ記録しておいて
暇な時にでも閲覧してみる事にした。
539: 374 ◆ldQo/fT6KU 2007/08/29(水) 18:36:31 ID:vLP5oV3K(15/15)調 AAS
第四話終了
540(2): 2007/08/29(水) 21:35:42 ID:ZOyLDGfw(1/2)調 AAS
>>525
上から、上から、目線が下りて来るー
541(2): 2007/08/29(水) 22:06:29 ID:8708LtrU(1)調 AAS
>>540
荒れるから止めろって。
俺はもうNG登録してるから見てないけど、楽しんでる人は適当にヌいてるんだろうし。
作品の批評とかならしてもいいと思うけど、基本スルーを心がけようぜ。
542(1): 2007/08/29(水) 22:43:54 ID:+HFxXZMW(1)調 AAS
8708LtrUの言い回しが香ばしすぎる件
543: 2007/08/29(水) 23:25:43 ID:NwUkQxMO(1)調 AAS
>>540-542
自演うざいなー。
544: 2007/08/29(水) 23:58:15 ID:ZOyLDGfw(2/2)調 AAS
>>541
ほんとだ、荒れちゃいましたね。ゴメンなさい、気をつけます。
545(2): 2007/08/30(木) 00:43:39 ID:NAZ5dJwB(1)調 AAS
さてサンデーにNTRがあった件について
546: 2007/08/30(木) 00:45:35 ID:1Lywcmgo(1)調 AAS
>>545
スレ違い。
それとも、君がDIVEネタで投稿してくれるというのか?
547: 2007/08/30(木) 05:11:04 ID:bVBMDV0l(1)調 AAS
勇君が悪いんだよ・・
私たちもう高校生になったのにキスだってほとんどしてない。
勇君は知らないよね、キスにも色々あること、舌と舌を絡めること。
勇君は童貞っていうんだよね、私は違うんだよ、あそこも口も胸も、お尻の穴だって
開発されちゃったんだ、勇君の身近な人に。
おかしいよね、勇君以外とこんなことしたくないのに勇君に知られたくないから
またこんなことしないといけない、痛みなんかとっくになくなっちゃった。
でもね、気持ち良くはなかったよ、相手が下手とかじゃない、友達とかの話を聞く限りじゃ
多分上手い人だと思う、でも私は勇君が好きだから、してる時の勇君を想ってるから
感じたりしないんだよ、だけど勇君を考えて自分で慰めると凄く気持ち良いんだよ。
でもね、私も三年もこんなことしていたらおかしくなってきちゃった。
私も頑張ったんだよ、勇君にいきなりキスしたことあったよね、
勇君の部屋だったし勇君になら何をされてもよかったのに、結局何もなかったね、
だって勇君は手を繋ぐだけで顔を真っ赤にしちゃう人だもんね。
嬉しかったよ、卒業式言ってくれた言葉、だけど私には答えは一つしか用意されてなかった。
「ごめんなさい」
大切に想うのと何もしないのは違うんだよ。
大好きだよ、勇君。
548: 2007/08/30(木) 07:15:44 ID:zl5XgLbI(1/2)調 AAS
>>545
最近投下が多いからといってそこまで厳密にすることないだろう。
俺も実に寝取られくせぇと最初から思ってたよあれは
549: 2007/08/30(木) 07:53:02 ID:2IodbuIC(1)調 AAS
原作NTRなんだからしょうがない
550: 2007/08/30(木) 20:34:20 ID:zl5XgLbI(2/2)調 AAS
俺ああいう自分がまぎれもなく兄裏切ってるくせにいかにもお前が悪いんだ的な言い方するヤツって大嫌いだわ。
彼女は彼女でさびしいからって構ってくれる男のところにホイホイなびくし。
正直、痛い目みてくれなきゃ気がすまん
まぁここで何を言ってるんだという感じだが
551: 2007/08/30(木) 21:39:38 ID:zg9/7f/N(1)調 AAS
これ以上はこっちで話したほうが良くない?
彼女または片想いの娘が犯られてしまう作品26
2chスレ:erocomic
まぁ別の話題でスレが寝取られるのも悪くはないかw
原作知ってるけど弟と彼女はこれから先、空気扱いされるだけだよ。
552: 2007/08/30(木) 23:17:23 ID:Tq50cZDn(1)調 AAS
個人的にあーいうのはエロ板で扱うべき「寝取られ」とは思わない
ヨヨとかそっちの系統
虹板でもずっと同一視されてきてるけど、一般作品の寝取られとエロ作品の寝取られって全然性質違うと思うんだよなぁ。
一般作品のよーな展開+エロもあるよ、みたいなのなら兎も角
553: 2007/08/31(金) 01:32:50 ID:d96wo3WK(1)調 AAS
まぁなんだ。
一ついえるのはもし俺なら相手の罪悪感を煽りのなんだのして絶対別れさせるね
小者だなぁ俺ORZ
554: 2007/09/02(日) 07:48:42 ID:LIjd5EhU(1)調 AAS
ヨヨも十分寝取られと言えると思うのは俺だけだろうか
いやアレはいいトラウマゲーだった
555: 2007/09/02(日) 10:22:53 ID:9sN7eefe(1)調 AAS
サラマンダーよりはやーい!
上書き保存と名前を付けて保存ですか
556: 2007/09/02(日) 16:53:21 ID:diIyGBBV(1/2)調 AAS
ヨヨが主人公は自分に惚れてる扱いをするのがすっげー腹たったっけ
こっちはなんの意思表示もしてねーだろ!
557(2): 2007/09/02(日) 17:16:09 ID:+bTfRE/g(1/3)調 AAS
ヨヨの話しだすと途端に乗る人たちがいるね。
正直すーぱーふぁみこんとかって触った事ないけど
ここの板にはまさかそこの世代の人がいるのか、それともエミュでやってる人なのか
どっちなんだろ・・・
558: 2007/09/02(日) 17:22:08 ID:nu11/nii(1/4)調 AAS
スーファミ触ったことない人がこのスレいるのも違和感あるがな
559: 2007/09/02(日) 17:29:53 ID:diIyGBBV(2/2)調 AAS
PS時代到来が大体10年くらい前だろ?
大体ゲームって小学生くらいからやりだすから20以上なら普通に触ったことあると
思うけどなぁ。
バハムートラグーンってスーファミ末期の作品だし。
560: 2007/09/02(日) 17:59:59 ID:7PbABEbx(1)調 AAS
ヨヨは名前が変えられるからな・・・
561: 2007/09/02(日) 18:13:55 ID:nu11/nii(2/4)調 AAS
片思いのあの娘にして、ゲームソフトを破壊した少年時代を思い出して欝
562: 2007/09/02(日) 20:14:45 ID:dLtASO4J(1/2)調 AAS
こんだけ盛り上がるって事は、あれが寝取られの原体験ってヤツが
けっこーいると見た。つか俺だけど
563: 2007/09/02(日) 20:44:27 ID:1t5UyzsE(1)調 AAS
名前変更がなかったらここまでには・・・
564(1): 557 2007/09/02(日) 22:43:48 ID:+bTfRE/g(2/3)調 AAS
なるほど。調べたら今から11年前なんですね。
あらすじ見たら小学生に理解できる内容かとか思ったけど結構みなさん嵌ってたんですね。
300円くらいで売ってたので買ってみようか
565: 2007/09/02(日) 22:55:48 ID:XVHLPqP5(1)調 AAS
うざい自己主張すんな
566: 2007/09/02(日) 23:03:01 ID:nu11/nii(3/4)調 AAS
釣りだと思ってたのに…マジとか酷いな
567(1): 2007/09/02(日) 23:07:12 ID:spdv8T7T(1/2)調 AAS
だいたい20代前半なら小学生のころにSFCが全盛期だったはず
後半でも別にやっててもおかしくない。
逆に平成生まれでも兄弟の影響とかでやってた奴はいくらでもいた。
つまり18〜28くらいならSFCを未知の物体のように言うのはおかしい
というわけで、557の言い分は完全にイミフ
568: 2007/09/02(日) 23:14:53 ID:RX69xaxo(1)調 AAS
>>567を援護射撃。
21だけどスーファミ超やってた。ちなみにPSがでたのは小5ぐらいのときかな。
しかしバハラグはここで知った後プレイしました。
569: 557 2007/09/02(日) 23:26:33 ID:+bTfRE/g(3/3)調 AAS
ごめんごめん。スレ違いなのにあんまりヨヨ、ヨヨって騒ぐ馬鹿が多いから釣ってみたw
もう書き込まないけどほどほどになw
570(1): 2007/09/02(日) 23:30:30 ID:Ebs9HvNU(1)調 AAS
後釣り宣言レスは、いつ見ても心地良い。
571: 2007/09/02(日) 23:32:12 ID:nu11/nii(4/4)調 AAS
夏の風物詩だな
572: 2007/09/02(日) 23:36:00 ID:wHMSXqAi(1)調 AAS
心地いいwwが
現実で相手にされないからってこんなとこで相手してもらおうとすんなww
573: 2007/09/02(日) 23:41:42 ID:dLtASO4J(2/2)調 AAS
ヨヨネタってほんと高確率で荒れるなー
574: 2007/09/02(日) 23:55:14 ID:spdv8T7T(2/2)調 AAS
>>570
こいつは多分はなっから釣ってたつもりだったんだと思うが
釣りの内容が論理的に間違ってるあたり駄目駄目、って意味で俺は突っ込んだ。
別に宣言しなくても分かってもらえる範囲だから、黙ってればまだ良かったのにな。
575: 2007/09/03(月) 00:08:16 ID:F1aJ6W2n(1)調 AAS
言わないと負けた気がして我慢ならなかったんだろw
576: 2007/09/03(月) 02:33:09 ID:H7F84o9t(1)調 AAS
夏ですね
577: 2007/09/03(月) 03:50:59 ID:aRIL4jUX(1)調 AAS
後釣り宣言しなきゃ釣りと認識してもらえないような低俗な釣り
578: 2007/09/03(月) 04:51:40 ID:YUpLAHi3(1)調 AAS
ばはむーちょドラグーン
579: 2007/09/03(月) 10:44:51 ID:CkoxpEPN(1)調 AAS
後釣りにすら釣られるこの爆釣ぶり…
お前らスルーできませんか?
580: 2007/09/03(月) 12:05:18 ID:/EH725Et(1)調 AAS
そのレスをつける時点で、スルーうんぬんを語る資格はないと思う
581: 2007/09/03(月) 15:56:07 ID:jGQfP6/B(1)調 AAS
お前らスレの伸びを見て、『イヤッホーゥ新作キター!』とかwktkして
スレ覗いた俺の期待を返せ、返せよぅ! 。・゚・(ノД`)・゚・。
582: 2007/09/03(月) 16:13:08 ID:I/B1JGQY(1)調 AAS
最近連載が滞ってるね
まぁ先週までが凄かったんだが
NTテタの人とかアムロ・レイの人とか、今どーしてんだろ
583: この夏の向こうまで ◆7UgIeewWy6 2007/09/03(月) 18:21:32 ID:Sxlxkmrt(1/4)調 AAS
6.
声がしたような気がして、目が覚めた。
甲高いお袋の声が、階下から聞こえていた。
「まぁまぁ、夏ちゃん。いらっしゃい。今回は良かったね、おめでとう」
…夏樹?
枕もとの時計を見る。朝の7時15分?。
俺は慌ててベッドから跳ねるように、起き上がった。
「あら、お土産?ありがとう。えーと、まだ忠志は寝てるだろうなぁ…」
能天気なお袋の声が、届いてくる。
夏樹も夏樹だ。俺が朝寝坊タイプって知ってるくせに、何でこんな朝早く。
俺はTシャツと短パン姿のままで、ドタドタと階段を駆け下りた。
「あ、忠志。良かったわね、夏ちゃん来てくれてるわよ、お土産持って」
降りてきた俺に、お袋が意味ありげに笑いながら言う。
俺は玄関に立っている夏樹を見つめた。半月ぶりに。
夏樹は変わってなかった。当たり前だ。薄い青のTシャツ、赤のトランクス。
ただ、インターハイに行く前より、肌はもう少し小麦色に焼けていた。
夏樹は俺に向けて軽く手を振った。
「…おはよ、忠志」
「おう、お帰り」
「夏ちゃん。忠志ったらね、やっとふて腐れてたのが治ったみたいよ」
お袋が笑いながら、そんなことを言う。
「いいよ、お袋は。あっち行っててよ」
「はいはい。じゃあ、またね夏ちゃん、お父さんとお母さんによろしくね」
「はい、おばさん」
夏樹の土産を手にしたお袋は、そのまま、リビングの方へ歩いていった。
「ったく、仕方ねー親だよな」
俺はそう言って、振り向く。あはは、と夏樹が笑った。
半月ぶりに会うけれど、よかった。いつもの夏樹だ。そんなの、当たり前だけれど。
「…よかったな。全国4位。おめでとう」
「うん。ありがと。…頑張ったよぉ」
「メール、したんだけどさ」
「あ、うん」
そこで、なぜか、わずかの間があって。
「…読んだよ、メール。嬉しかった。ありがと。返事しなくてゴメンね」
「いや、悪かったのは俺だから。…怒ってたんだろ。当たり前だよな」
「……」
その問いに、夏樹は答えなくて。
「俺、これから頑張るからさ」
俺が矢継ぎ早に言うと、夏樹は顔を上げて、俺をじっと見た。
「まだ大学もあるし。夏樹が叱ってくれたからさ。やっぱ、頑張ろうって」
「…そっか、うん」
夏樹が微笑んだ。
「心配かけてゴメンな、夏樹」
「ううん。いいんだ。忠志は…そうでなくちゃね」
「夏樹」
「…ん?」
「今日、昼から一緒に映画でも、行かないか?お祝いにさ、何かオゴるよ」
仲直りの記念に。俺は思い切って誘った。
夏樹が、ちょっと視線を床に落とした。急にその表情が翳った…そんな気がした。
それから夏樹は、一度、こくん…と喉を鳴らして。
「…ごめん、今日は、ダメ」
584: この夏の向こうまで ◆7UgIeewWy6 2007/09/03(月) 18:22:22 ID:Sxlxkmrt(2/4)調 AAS
7.
「そ、そっか」
夏樹の意外な返答に、俺は、肩透かしをくらって、次の言葉を見失った。
夏樹は両手を身体の前で組んで、すまなそうに言う。
「ゴメンね、誘ってくれたのに」
「いや、いいよ。何か用事あったんだ?」
「…うん」
夏樹の用事。なんだろう?インターハイから帰ったすぐ翌日に、夏樹が入れている
予定なんて、全く想像できなかった。
「真知子たちとさ、祝勝会の約束しちゃって!」
…とでも、舌をぺろりと出してくれたら…と思ったけれど。
夏樹は、それ以上、何も言わなかった。
仕方なく「じゃあさ、明日なら」と俺が言いかけたとき、
「忠志」
夏樹の口調が、遮るように響いて、俺は少し驚く。
「あのさ、私から誘うよ。また連絡する」
「…」
「なんか、ごめん、昨夜も遅くて…。ちょっと疲れてるみたいなんだ、私」
「…そっか、そりゃそうだよな」
「ゴメン。ちょっと家に戻って、もう一度休むね」
そう言うと、夏樹はもう踵を返して、まるで、この場から早く逃げようとするみたいに玄
関のドアノブを握っていた。
「…夏樹」
俺は、喉に何かが刺さったようなもどかしさを覚えて、その背中に声を掛ける。
夏樹の動きが止まる。顔だけで俺のほうを振り向いた。
「…ゆっくり休めよ。ホントに、疲れてるみたいだぞ、お前」
「……うん」
夏樹がドアノブを廻し、扉を開いた。
途端に、ふわっと玄関から入り込んだ朝の風が、夏樹のTシャツを少し煽った。
(……あ)
それで、初めて気付いた。
夏樹の首の後ろに、銀色のネックレスが、見えていた。
夏樹がアクセサリーをしているのって、これまでに見たことがなかった。
これが、違和感だったのだろうか。ふと、そう思って。
四角い玄関ドアの向こうの空に、真っ白な入道雲が昇り始めていた。
それに反射する夏の光の影で、夏樹の表情は見えにくかった。
「ゴメンね、忠志」
夏樹はもう一度そう言って、ドアの向こう側に足を踏み出した。
ジイジイジイジイ……と蝉の声が、耳に響き出す。
名残りの夏が、一生懸命、この町に掴まって、逝くまいとしていた。
でも、止めることは出来ない。夏は、終わってゆく。
これから何度も何度も、夏は永遠のように訪れるけれど。
けれども、たった一度だけの、この夏は。
585: この夏の向こうまで ◆7UgIeewWy6 2007/09/03(月) 18:24:40 ID:Sxlxkmrt(3/4)調 AAS
8.
夏樹が帰ってきてから、もう3日。
あと5日間で、高校最後の夏休みも終わる。
けれど、宙に浮いた俺たちのデートの約束は、まだ果たされないままだった。
この3日間、夏樹から俺には何の連絡もなかった。
別に、これまでだってそれほど頻繁に連絡を取っていたわけじゃない。
だから、それほど気にすることでもないけれど、今回は、俺の中で変な
「引っ掛かり」が消えていかなかった。
その日の午後、携帯が鳴った。
「おーっす、暇?何してんの?茶でも飲みに行かねえ?」
田中からだった。
気分転換もいいかと思い、田中と駅前で落ち合った。
冷房の効いた喫茶店に入る。
「元気になったじゃん、お前」
田中が言う。コイツなりに、俺のことを心配してくれていたのだろう。
「…いつまでも落ち込んでられないからな」
夏休み以後の水泳部のこと。部長を誰にするかとか、進学のこととか、
話すうちに、時間が過ぎていった。
「……あれ?」
田中が不意に、咥えていたストローをぽろりと口から離した。
ぽかん、という表情で、窓の外、駅の改札口の方を見つめる。
「どした?」
俺が聞くと、田中は相変わらず窓の向こうを見つめたままで、言った。
「…あれ、夏樹ちゃんじゃね?」
「え?」
俺は思わず、振り返った。田中が見つめた同じ方向を見やる。
間違いなくそれは夏樹だった。駅の改札口の人ごみの中に、夏樹はいた。
意外だった。スカートルックは好きじゃない夏樹が、真っ白のワンピースを着ていた。
夏樹のこんな服装を、見た記憶がなかった。
丈が短めのスカート部分から、形のいいすらりとした脚が伸びていた。
ワンピースにあわせた白いサンダル。綺麗な足のくびれ。
そして…ポニーテールにまとめた髪。首筋に、あのネックレスが…光っていた。
「…どこ行くんだろな?」
田中がそう言った。俺に答えを求めるように。でも、俺は、答えられない。
券売機の前に立った夏樹は、バッグから財布を取り出し、切符を買おうとしている。
『…あのさ、私から誘うよ。また連絡する』
夏樹の言葉が頭の中を廻った。
俺が見たことのないワンピース姿で。夏樹が。
どこへ、いや、誰に?…会いに行こうとしているんだろう。
夏樹は自動改札機をくぐると、ホームへ続く階段を上がり、やがて、見えなくなった。
田中の変な視線を感じながら、俺は黙り込んでいた。
暮れる夏が、加速しながら、狂い始めていた。
586(2): この夏の向こうまで ◆7UgIeewWy6 2007/09/03(月) 18:25:24 ID:Sxlxkmrt(4/4)調 AAS
あまり推敲する時間もなく、進展も遅くすみません。
本日はここまでとさせていただきます。
587: 2007/09/03(月) 21:23:22 ID:tYL5WUMO(1)調 AAS
投下が多く続いてたけど、この作品が一番オーソドックスでとても気になる
当然ながら鬱な作品になるんだろうけど、なんらかの希望を見出せればいいなあと思う
588: 2007/09/03(月) 22:02:58 ID:To1QXzoR(1/2)調 AAS
俺もこの雰囲気すげー好き。ネットリ進行こそ寝取られの味。
このままガンガンいきましょう!
あ、そうだ、好きだからこそ1つだけ突っ込み。
前回の終わりで、急に神視点になっちゃった(テレホンH)とこは、やっぱ気になる。
俺も寝取られは絶対一人称じゃなきゃとは思ってるんだけど、そうすると寝取られの
現場を自然に入れるのがすごくムツカシイ…けど、そこは踏ん張りどころだとあたし思うの!
…なんて雑音をムシして書く、それもSSの醍醐味。個人的には超鬱なオチを期待しています!
589(1): 2007/09/03(月) 22:30:36 ID:V7PEisGu(1)調 AAS
彼氏彼女のカップルがいて、彼氏が彼女を寝取られる作品はあるけど、彼女が彼氏を寝取られる作品ってないねぇ
なんで?
590: 2007/09/03(月) 22:33:55 ID:DfKV0JlF(1)調 AAS
>>589
女が男を寝取られる話は他のスレに投下しても
追い出されないからじゃないか?嫉妬スレとか
591: 2007/09/03(月) 22:44:56 ID:v2hUd9g6(1)調 AAS
逆もまた一考なり。そういう作品もあればいいな
592: 2007/09/03(月) 22:46:28 ID:q5b5c6uH(1)調 AAS
>>564
あらすじとか関係なく、当時のスクウェアのブランド力は凄かったんだよ
とりあえず新作が出りゃみんな買ってたんだ。
593: 2007/09/03(月) 22:50:39 ID:To1QXzoR(2/2)調 AAS
女の人って、彼が他の女性とエッチしてる事を考えたとき、嫉妬はするだろうけど、
男のように妙なコーフンを感じるってのは無いんじゃないの?
594(1): 2007/09/04(火) 00:21:59 ID:sw1Dux9f(1/3)調 AAS
女は男を自分の所有物という風には思わないだろうからね
595: 2007/09/04(火) 00:27:24 ID:C5TxBezZ(1)調 AAS
保管庫にそういうSSなかったっけ?
単純にスレ内男女の数の差じゃないの?
596: 2007/09/04(火) 00:28:18 ID:28RNl8Qg(1)調 AAS
>>586
この時点でかなり欝に…
もう大好き!
597: 2007/09/04(火) 00:51:38 ID:G0BmBfi8(1)調 AAS
真っ白のワンピースというところが意外だ
よくある展開だと、Hで堕としたとするなら
色ボケ化して派手な服装になるところなのに ←これはこれで俺の大好物
でも、夏樹のこんな服装を、見た記憶がなかった。なんだよね
余計やばいなw
598: 2007/09/04(火) 03:21:06 ID:0eyHplFr(1)調 AAS
>>586
寝取られなのに良い清涼感がある。そのまま行ってもらいたいね
599: 2007/09/04(火) 04:05:33 ID:yNKlBdNB(1)調 AAS
彼氏の知らないところで彼女が変わっていくというのはじわりじわりとくる
600: 2007/09/04(火) 06:31:30 ID:H/wYPFIN(1)調 AAS
男は女を自分の所有物という風と思っていても、寝取られだから
男の所には帰ってこないんだよな。泣けるな
601: 2007/09/04(火) 08:38:21 ID:sw1Dux9f(2/3)調 AAS
ちなみに元水泳部の俺が水泳の高校の大会はインターハイとかいう言い方はしないとか18歳で52、3秒とか大したことないとか突っ込んでおこう
せめて三島君に水泳で勝てるよう祈っておこう
602: 2007/09/04(火) 08:56:35 ID:sw1Dux9f(3/3)調 AAS
スマン勘違いだった52、3秒はすごいわ
603: 2007/09/04(火) 10:35:17 ID:GF72OxC8(1)調 AAS
ROCO氏作品保管庫のいったんだけど
どれもエロ杉で抜きまくった
この人プロだろ?
604: 2007/09/04(火) 12:03:51 ID:NyBVcS85(1)調 AAS
…プロ…うーむ…
605: 2007/09/04(火) 13:42:43 ID:LxEBiJJr(1)調 AAS
捨てHNで投下してる人達の中にこそ、驚異的な才覚を発揮してる人が結構多いと思う
606: 2007/09/04(火) 23:14:08 ID:Dpw+U7vE(1)調 AAS
文章はさほど上手くないと思うけど量が凄いな
607(1): 2007/09/04(火) 23:41:11 ID:EHZCqrw1(1)調 AAS
canvas2のエリス寝取られよかた
608: ベタですが 2007/09/05(水) 00:21:45 ID:q70P3PDJ(1/4)調 AAS
読んでるだけでは我慢できずについ…
「部長!もっとビシッと呑んでくださいよビシッと!」
「おい岸田、お前明日仕事する気ないだろ」
「明日は明日!ほら、コレ飲んでくださいコレ」
苦笑しながら俺の注いだ焼酎を飲み始めたのは、俺の勤めている会社でも、仕事にかけては
1、2の豪腕と噂される、堂島隆一部長その人である。
俺は、先月から憧れの彼のもとで働ける事になったのだが、実際職場を共にしていると、
その仕事の腕だけで無く、器の大きさ、意外とシャレのわかる所、そして、酒では一度も人
に負けた事の無い俺をあっさり轟沈させてしまった健啖ぶりに、すっかりほれ込んでしまった。
彼も俺の事を、いまどき珍しい仕事熱心な男だと気に入ってくれ、週に2・3回は一緒に
飲み歩く仲にまでなった。
今日もプロジェクトのメンバーで酒を大量に飲んだ後、タクシーで送ってくれた部長を、
少しだけとムリヤリ家に引っ張り上げ、二人で呑み直し始めた。部長が俺の家に来たのは初
めてだが、学生時代ラグビーで鍛えたというがっしりとした体をソファに横たえ、ゆったり
とくつろぐ姿はさすがの貫禄であった。
「もうあなた、部長さんにご迷惑でしょう」
と妻の香織が心配顔で俺たちの様子を見守っていたが、部長は鷹揚に笑っているだけだった。
香織は、俺の高校時代からの同級生で、同じ大学に進学してから付き合いを始め、俺が社会
人になってがむしゃらに働き、自分の仕事に手ごたえを感じるようになってやっとプロポーズ
し、1年半前にめでたくゴールインした。
彼女は、あまり自分から前に出る事の無いおとなしい女性だったが、決して暗いという訳で
はなかった。そのほっそりとした手を口にあてて柔らかく笑う姿は、周りの者を癒すような、
不思議な温かみに溢れていた。
実は、部長を家に引っ張りあげたのは、正直自分には過ぎた女性だと思う彼女を見てもらい
たいからでもあった。
俺は、部長と何かを話す、彼女のいつもの温かい笑顔を見ながら、心地良い酔いに身を沈
めていった…
…気がつくと、俺はソファーの上で寝ていた。体にはタオルケットが掛けられていた。時計
を見ると、午前2時を回っていた。
さすがにグルグル回る頭を抱え、水を飲もうと起き上がると、真っ暗なキッチンに、パジャマ
姿の香織が座っていた。
俺は声を掛けようとして、彼女が、俺が今まで一度も見たこと無いほど疲れきった表情をしてい
る事に気がついた。
「香織どうした。体調でも悪いのか」
と俺が聞くと、
「別に…」
と呆けたような表情で答える。
「突然お客さんを連れ込んで大騒ぎしたから、ビックリしちゃったかな。ゴメンな」
と俺が言ったが、彼女は無反応だった。
俺は少しムッとして、
「そりゃ急に連れて来たのは悪かったけど、前に言った事あるだろ、俺が心から会社で唯一心
から尊敬できる人なんだ。その辺は分かってくれるよな」
「…でも…」
「いや、そんなに頻繁にはつれてこないし、これからはあらかじめ電話も入れる。ただ、いや
らしい言い方だけど、俺の将来に直接影響がある人でもあるんだ。な、いいだろ?」
というと、彼女はまた黙ってうつむいてしまうのだった。
609: ベタですが 2007/09/05(水) 00:23:40 ID:q70P3PDJ(2/4)調 AAS
その時感じていた、彼女の様子へのわだかまりも日が経つにつれ薄れ、酒を呑んでテンション
の上がった俺が、性懲りも無く部長を部屋に引っ張り込む日が、週に1、2回程度のペースで
続いた。
もちろん、香織との約束どおり、事前には必ず電話を入れた。彼女はいつも「そう…」とポツリ
と言うだけだった。俺は部長と差し向かいでガンガン飲み、仕事を語り、いつも満ち足りた気分
のまま沈没していった。
そんなある夜の事。俺がふと目が覚ますと、たまたま目に入った時計は午後11時を指していた。
いつも俺は沈没すると夜中2時、3時まで目が覚めないのだが、今日はたまたま何かの拍子で
目覚めたのか。
いや違う。俺の目を覚まさせたのは、奥のベッドルームから響いてくる異様な声だった。腹の
底から搾り出されるような、悲鳴とも、叫びとも、泣き喚いているとも思えるような声。俺は、
聴いた瞬間にそれが誰の声かは悟ってしまったが、俺の頭の中の、ひっそりとした、だが本当
に美しい花のような佇まいと、部屋の置くから響いてくるその声を、どうしても結びつける事が
できなかった。
寝室に一歩一歩近づきながら、おれはなぜか香織のあの笑顔を思い出していた。だが、半分開
いたままの寝室のドアから、その中の光景を見た時、その笑顔は粉々に砕け散った。
俺と香織がいつも愛を囁きあっていたダブルベッドの上に、浅黒く引き締まった体つきの男が
素裸のまま仰向けで寝ている。彼の股間からは見たことの無いほど巨大なペニスが隆々とそびえ
立っていた。その剛直に深々と刺し貫かれ、獣のような声をあげていたのは、紛れも無く妻の香
織であった。
彼女の、いつも慎ましやかに閉じている肉ヒダは、いまや真っ赤に充血しながらその厚みを増し、
男の節くれ立ったペニスの抜差しのたびに、モミクチャされながらその形を変えていた。
その一突きごとに、グボッ、ジュボッという聞くに堪えない淫猥な音ととともに、多量の淫水
が辺り一面に飛び散りながら溢れ出てくる。ネットリと白く濁ったその粘液は、俺とのセックス
で彼女が分泌するサラッとした透明なものとは全く違うものだった。
彼女は自ら腰を激しく振りたて、男の剛直を少しでも奥に飲み込もうと必死のようだった。
スレンダーな体からは想像しにくいボリュームのあるバストが、乳首をピンと立たせながら激
しく揺れている。
俺はもう立っていることができず、その場にガックリと膝をついてしまった。その気配で気付いた
のか、部長が
「おう、岸田、起きたか」
と事も無げに言ったかと思うと、
「もう少しだけ待っててくれ」
と言いながら、大きな手で香織の細い腰をぐっと掴むと、彼女がいくらがんばっても3分の2位しか
収められなかったペニスを、ほぼ根元まで力強く打ち込み始めた。彼女は、喘ぎ声というよりは叫
び声をあげながら、必死で部長の逞しい体にしがみつく。彼女の小さな花びらが、淫水を撒き散ら
しながら、必死で彼の剛直を飲み込もうとしている。
部長がその香織の耳に
「いいよ、いつもどおり呼んでくれ」
と囁くと、彼女は堰を切ったかのように
「し、しゅういちさん、アアッ、すごい、奥、奥に、壊れます、私、しゅういちさん、アヒィーッ」
と彼の名を叫びながら、ガクガク体を痙攣させ始めた。
部長の動きも一段と激しくなり、やがて「ウッ」と呻きながら、まさに根元の根元までペニスを突
き込んでその動きを止める。香織も、か細い悲鳴を上げながら体をのけぞらせ、やがて彼の体の上に
ガックリとそのしなやかな体を横たえた。
しばらくは荒い息のまま動かなかった二人だが、やがて部長が香織に優しくキスをし、その体を
自分の横にそっと寝かせた。彼女の秘部からズルリと抜け出たペニスは、放出後にもかかわらず、
今だにその硬度を保っていた。
その横に、両手で顔を隠すようにして仰向けに横たわっている香織は、しどけなく足を開いたまま、
ヒクついて閉じきらない肉門から、二人の体液が白濁して交じり合ったものを、ときおりゴポリ…
ゴポリ…と流し出していた。
610: ベタですが 2007/09/05(水) 00:24:30 ID:q70P3PDJ(3/4)調 AAS
俺は、床に崩れ落ちたまま。振り絞るようにやっと言葉を発した。
「…お、お前ら…どういう事なんだよいったい」
「見てのとおりだ」
「ふざけるな!」
「いや、からかっているつもりは全く無い。もう香織さんは、身も心も私のものだ」
俺は、目の前が怒りと絶望で真っ暗になるのを感じていた。
彼はスーツからタバコを取り出し、深々と一服してから話し始めた。
「最初に君の家に呼ばれたとき、私は香織さんを見て衝撃を感じた。いい年をして、と言われる
だろうが、まあ一目惚れってやつだ。言っとくが、別にいつもこんなって訳じゃないぞ。彼女が特
別すぎたんだ。
…で、まあ酒の勢いもあったかもしれんが、私はその場で彼女を犯してしまったんだ。
だが、事が終わって私は心底後悔した。青ざめて、とにかく出て行ってくれという彼女に、とに
かく言葉を尽くして自分の気持ちを訴え続けた。話しているうちに思わず気持ちが高ぶってしまい
思わず彼女を抱きしめてしまったが、彼女は震えていたものの、抵抗はしなかった。もう私を止め
られるものは何も無かった…」
彼はタバコをもみ消して続けた。
「岸田、お前は将来かなり仕事が出来る男になるだろう。だが、お前は香織さんを包み込める器ま
では持っていないようだ」
「な…なにを勝手な…」
「私は違う。十全に仕事をし、十全に彼女を愛する事ができる。お前にはすまなかったと思ってい
る。だが、彼女をくれないかと問う事は無い。さっきも言ったが、彼女はもう私のものだからだ」
おれは身震いしながら、彼に寄り添い、ずっと目を伏せたままの彼女に語りかけた。
「なあ…香織…ウソだろ…なにか、ほら、写真を撮られて脅されてるとか…そんな…」
彼女が身を起こして僕を見つめた。いつものあの優しい顔立ち、だが、その目に宿る強い光は俺
が全く知らないものだった。
「あなたが本気でそれをおっしゃってるのなら、もう私から申し上げる事はありません。
私があなたを愛していたのは本当です。あなたが一生懸命がんばっているのを支える事が私の
幸せだと思っていました。でも、ごめんなさい。彼の逞しい腕に包まれて引っ張り上げられた時
から、もうあの時の私はいなくなってしまったの。
…今まで本当にありがとう…ごめんなさい」
もう頭は真っ白だった。他にする事も思いつかず、とりあえず俺はトイレに駆け込み、体の中の
物をすべて吐き出した。
部長のもとで、俺の仕事はまさに絶好調だった。近々昇進があるとの内示もあった。彼は、自分
についてくる限り、俺のキャリアは安泰との事だった。
「俺の将来にカンパーイ」
と、俺はテレビを見ながら、グラスのウイスキーをストレートで飲み干す。
さっきトイレに行ったとき、バスルームのすりガラス越しに、部長が香織を軽々と抱き上げ、
激しく突き上げている様子が見えた。香織は息も絶え絶えに、今彼のペニスがどれほど彼女を
拡げているか、どれほど深く貫いているかを口にしていた。
俺が二人のセックスを目撃したあの日から、部長は2日と置かず家に来ては、数時間香織を
貫いては帰っていった。俺の目に直接つかないようにしてはいるが、リビングで、キッチンで、
ベランダで、あらゆるところで二人はセックスをした。
俺は再びウイスキーをグラスに並々と注ぎ一気に飲み干そうとしたが、途中でむせ返ってしまい、
カッとしてグラスを壁に叩きつけた。
気がつくと俺は泣いていた。堪えきれない嗚咽が口からあふれ出す。だがそれは、テレビから流れ
てくるラブソングや、家の奥から聞こえてくる香織の喘ぎ声同様、誰にとっても特に意味のあるもの
ではない様だった。
おわり
611: ベタですが(一部訂正) 2007/09/05(水) 00:26:38 ID:q70P3PDJ(4/4)調 AAS
部長の名前隆一やん
612: 2007/09/05(水) 06:23:44 ID:LckZCuTD(1)調 AAS
せつないな
つーか、やりきれんだろうな・・
GJ!
>>607
俺もROCO氏の中ではそれが一番好き
他のもかなりハァハァするんだが、元ネタ知ってただけによけい興奮した
613: 2007/09/05(水) 06:38:54 ID:ggsWwqei(1)調 AAS
ベタでも素晴らしい!
良作でした!
614(1): 2007/09/05(水) 07:52:04 ID:CehLdCip(1)調 AAS
つうかもう香織を家から追い出すか自分が出て行けよと思うのは俺だけなのか?
615: 2007/09/05(水) 08:45:42 ID:iGAX8d46(1)調 AAS
そんな事するヤツは寝取られ男の資格は無い!
616: 2007/09/05(水) 10:38:23 ID:YX0mTPEX(1)調 AAS
岸田君の行動が有り得なさすぎでしょ
何で動けないの?不思議
617: 2007/09/05(水) 11:18:14 ID:oNRDl/Lz(1)調 AAS
フツウに離婚して双方から慰謝料ゲットウマーだと思うんだがね。
でもまあ小説だし。GJでした。
618(1): 2007/09/05(水) 11:44:57 ID:IL9D9qb0(1)調 AAS
だから、わかってはいるんだけど、出来ないからつらいんじゃないか。
例えば、諦めることは出来るけど、忘れることが出来ないからつらいって言い換えてもいいと思う。
理詰めで『こうするのがいい』ってのは理解出来てる、でも、思い出が邪魔するんだ。
女々しいって言われてもしょうがない、その通りだと思う。
どうせ他の男のほう向いてるよ、そう思ってみても、たまにこっちを見て頼られた瞬間、昔のいい頃の記憶がどうしても蘇ってしまうんだよ。
もう無理だと頭でわかっていても、感情がどうしても納得しない、自分の中ですげえ葛藤が起こるから、苦しくってしょうがなくなるんだよ。
いっそ、心なんてなくなってしまえばいいのに、そう思ってしまうのがバカバカしくも悲しいんだよ。
619: 2007/09/05(水) 12:57:28 ID:6h7gZFRU(1)調 AAS
寝取られ物特有の、あり得ないビッチとあり得ないヘタレの組み合わせですな。
ベタネタにすればするほどこれが鼻についてくるのはもう避けようがない感じです。
620: 2007/09/05(水) 13:49:45 ID:FJLB0T3o(1)調 AAS
>>618
さも自分のことのように語られてもな
621: 2007/09/05(水) 21:03:03 ID:y8d3SaUw(1)調 AAS
岸田が非道だったら、仕事のために香織を売っただろうなあ
のし上がる方法ができたわけだし
622: 2007/09/06(木) 01:34:48 ID:8ezoMAoH(1)調 AAS
まさに王道な作りで良かったと思う
しかし、一方でおれも>>614のように思ったな
寝取られモノで短編を作るのは難しそうだ
萌えエロで、純愛とHをどう両立させるかというところで、
恋愛の純粋さと濃いHの淫靡さの調和が難しく、
ほんわかHなどの微エロで解決する方法を良く見かける
寝取られも純粋さや一途さと、心変わりや堕落の背反がある
でも寝とられの場合は、微寝取られや、微堕ちでは意味が無かったりする
そうなると、ビッチやヘタレに思われないよう
事前のエピソードなどで文字を費やし格上げしておく必要があるのかな
短編で印象に残ってる>>466も、3分の2は女の子の造形に費やしている
(しかも、女の子のネタの中でオーナーも描写している)
しかし、そうなるとちっともHシーンが来ないワナが
うがー
623: 2007/09/06(木) 02:16:00 ID:OGFH1yy2(1/2)調 AAS
エロさを出しつつなんだよこの糞ビッチ!って言われないバランスは教育における厳しさと優しさのバランスぐらい難しい
624(3): 2007/09/06(木) 02:20:36 ID:FqQjSzuH(1)調 AAS
ほんとNTRは難しいのお…でもwktkしちゃう!悔しい!
625(3): 2007/09/06(木) 06:03:33 ID:dqO1uy5y(1/2)調 AAS
というわけで canvas2のエリス寝取られ続きかいてくれー
626: 2007/09/06(木) 06:05:06 ID:dqO1uy5y(2/2)調 AAS
あそこの拡がりきったエリスと夜を共にした時どんな反応なのか気になるんだー
627: 2007/09/06(木) 22:32:53 ID:QfHah7X2(1)調 AAS
別の男を一途に想っているフリーの女を自分のものにする話はスレ違い?
やっぱり相手にパートナーがいないと寝取りとは言えないのかな?
628: 2007/09/06(木) 22:37:16 ID:OGFH1yy2(2/2)調 AAS
厳密には違うんだろうけど似たような気分は味わえるだろうからいいんじゃないかな
629: 2007/09/07(金) 07:40:00 ID:xUjBDl5r(1)調 AAS
他スレに投下したものなんですが、よかったら読んで下さい。
ちょっと前に深夜枠でアニメ化した小野不由美の悪霊シリーズが原作です。
男視点の寝取られ。
2chスレ:eroparo
630: 2007/09/07(金) 10:51:44 ID:FG28WqoD(1/3)調 AAS
こんなの書いてみた。
「ほんとすまなかったです。なんかオレ、ホントすまなかったです」
目の前のソファーで、大きな体を縮めて汗をかきながらしきりに恐縮しているのは、俺の妻である美加の弟、
隆志君だ。
彼は、なんというか、頭の回転が人より遅いところがあって、美加もそれを気にしてか、昔からあんまり彼を
俺に会わせたがらない様子があった。だが、俺は別にそんな偏見は無いつもりだし、話してみれば、彼の素直で
純朴な人柄がよく分かって、俺はむしろ彼が好きなくらいだった。
だが、そんな彼が傷害事件を起こした。酒の席で、職場の同僚にお前はバカだとネチネチ言われ続け、酒のせい
もあってついカッとなって1発だけ殴ったら、運悪く相手がかなりの大怪我を負ってしまったのだ。
彼の頭の事や、酒の席である事、またその経緯を考慮しても罪を完全に逃れる事は出来ず、結局彼は特別な施設
に一定期間収容されることになった。今日はいわばその『出所日』というわけである。
最初は、彼が施設に入ったため一人暮らしになってしまっていた義父が、彼を施設に迎えに行き、そのまま実家に
戻る予定だったのだが、その義父が昨日急に体調を崩して迎えにいけなくなってしまったため、俺が午後半休をとっ
て、とりあえず家に連れたきたというわけである。
俺自身は、彼の事件には大いに同情の余地がある、というか、その場にいたら俺がヤローを殴ってたかも、とさえ
思っていたため全く気にしていないのに、他人にはちょっとおせっかいすぎるぐらい世話を焼きたがる美加が、こと
彼に関しては、そのきれいな眉をひそめて「ホテルにでも泊まらせればいいじゃない」と冷たい事を言うのが大いに
不満だった。
「俺全然気にしてないぜ」
と俺がいくら言っても、彼女は細い腕を組んでその小さな唇を尖らせているだけだった。
夜中ふと目が覚め、麦茶でも飲もうかと、隣で寝ている美加を起こさないようにソッとベッドを抜け出し
キッチンに行くと、彼がダイニングの椅子に座って、やはり麦茶を飲んでいた。
「あ、義兄さんこんばんは」
「おお、隆志君も喉渇いたのか。なんか蒸し暑いもんなあ」
二人で並んで座って麦茶を飲む。彼がポツリと言う。
「アネキ、オレがココにくるの反対したでしょ」
俺は不意をつかれてとっさにうまい嘘をつけず、シドロモドロになっていると、彼は俺を見てニッコリしながら
「義兄さんホントにいい人だ。オレ馬鹿だから、みんな俺と話すのめんどくさがったり、てきとうな事ばっか言って。
オレにマジメに相手してくれるのは父さんとアネキと義兄さんだけだ…」
と言い、ポロポロ涙を流しだした。俺は無言で、彼の背中を撫でた。
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 139 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ
ぬこの手 ぬこTOP 0.209s