[過去ログ] お姫様でエロなスレ3 (499レス)
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398: 2006/08/06(日) 23:04:54 ID:AMdyPwRo(1/3)調 AAS
ふたりで
歴史だけは誇れるほどあるものの、祖国《オロシャ》はとても小さな国だ。
外交。
政略。
献上。
貢物。
慰み者。
一番しっくりとくるのは、果たしてどれだろう。
やはり最後のか?
しかし、まぁ、どんな風に表現したところで、 新興の国《ゼノビア》、わたしはこの国に売り飛ばされたのだ。
「くぅッ………んンッ……」
だけどそれについて、べつに父や母を、特に恨んではいない。
処世術としては当然だろう。
それにあんな平和だけど退屈な国に、いつまでもいたいとは思わない。
うん。
平和も退屈も、そりゃ貴重だけれどね。
とにかくそれはそれとして、国の利益とわたしの望みが、期せずも一致したのである。
「…………」
いや、本当はいろいろ、そりゃ期したけど。
誰にでも買われてやるほど安くない。
「リュ、キ、んッ…はッ……リュキ……んンッ…………」
切れ切れの苦しそうな声で、腕の中の少年が、わたしの名前を、許しを求めるように呼んだ。
「うん? どうしたんだい、アレク?」
広く人気のない邸内の石段。
親が我が子にそうするように、小さな身体を足の間に座らせている。
第七王子のアレク。
もう確か十四歳になったはずだ。
去年までは、学問の国でもあるオロシャに、八歳から五年間留学していた。
――ちなみに彼の教師は、このわたし、リュキアンである。
自分で言うのも非常になんではあるけれど、才色兼備で近隣中に、そこそこだが名前は知られていたりする。
幼い身で異国にやって来た彼、アレクの面倒を、手取り足取りみてやったもんさ。
399: 2006/08/06(日) 23:06:18 ID:AMdyPwRo(2/3)調 AAS
「んッ……くんッ…ふぅ………あうッ!!」
アレクは物心もつかない幼い時分に、母親を不慮の事故で亡くしている。
父親は売り出しの国だから忙しい。
他の兄弟は姉や弟や妹含め腹違い。
四つしか違わないけれど、その当時から、妙な落ち着きがあると言われていたわたしに、母なり姉なりの姿を重ねたのかもしれない。
おそらくアレクは、愛に餓えてたんだろう。
最初こそは警戒されたが、それはそれは良く懐いていた。
国に帰ってからすぐに、こうして、わたしを自分の元に呼び寄せるほどに。
「ぅあッ……は……あン……んぅッ!!」
見様見真似だったけれど、別れの日にしてやったサービスが、事の外利いたのかもしれない。
「うぁッ……は……んふぁ…………やはぁッ!!」
今もあの日と変わらない感度の良さで、大きく仰け反って白い喉を晒している。
肩に乗る心地よい重み。
さらさらとした金色の髪が、ぴくんぴくん、とするたびに、わたしの耳朶に優しく触れてくすぐったい。
「…………」
眉根を八の字にしている横顔。
相も変わらずで可愛く、苛めがいのある奴だった。
眺めているだけでぞくぞくしてくる。
「……こらこら。将来はこの国の、王様になろうという男子が、そんな情けない、女子みたいな声を上げていてどうする?」
秘めていた野心。
この世界で唯一人信じる少年に、何気なくさり気なく、言ったつもりだった。
「えっ!?」
けれどさすがにわたしも、緊張していたのかもしれない。
だらしなく身悶えしていたアレクも、ハッとなると、眼を見開いて、至近距離でわたしを見つめる。
「お、王、……さ……ま…………」
「そうだよアレク。きみにはとりあえず、この国の頂点になってもらう」
「な、なってもらう…………って」
「きっとなれるよ、きみなら。……わたしがしてみせる。わたしが…………必ずしてみせる、よ」
声が上ずってるのが、今度は自分でもわかった。
それはそうだろう。
たとえ首が刎ねられても文句は言えない。
「で、でも、ぼく、継承、権、……な、七番目なんだよ? 王様には、……なれな――」
その言葉にちょっと嬉しくなった。
こんなときでも、わたしの願いを叶えようとしてる。
アレクの瞳。
わたしの瞳。
互いが互いの瞳に映る姿に、魂の裏側を覗くように、睨みあうみたいにじっと、長い沈黙と共に奥の奥まで見詰め合う。
400: 2006/08/06(日) 23:07:38 ID:AMdyPwRo(3/3)調 AAS
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
そしてわたしは破るように言った。
「消えてもらえばいいじゃない、きみより上位の六人にさ」
「んンッ!?」
唇に唇を重ねる。
同時に握っていた手を激しく上下に擦った。
突然のことに身体を堅くしたアレクの、閉じ損ねた歯列の間に、舌先を押し割るように潜り込ませる。
愛しい。
狂ったみたいに踊るわたしの舌を、アレクの健気に追い求めるのが何とも愛しかった。
「んっ……んぅッ…ああっ……うあ……んッ……ふぁ…………」
だけど加速された手の動きは、あっという間に、アレクの敏感で脆すぎる身体を、引き返し不能の地点にまで追い詰める。
「あッ、ああッ!?………………んぅッ………くぅッ……んあッ!!」
唇を離すとアレクは、舌ったらずな叫びを上げるながら、煮え滾った蒼い欲望の塊を迸らせた。
びゅッ・びゅぐぅんッ!!
綺麗な軌跡を描きながら、白い尾を引いて、階段にぶちまけられる。
何度も何度も飽きずに、アレクは欲望を吐き出していた。
「あ?……リ、リュキ……アン……あの、……、ご、ごめん…………なさい」
わたしの手が白く汚されてる。
それを見て申し訳なそうに謝るアレクに、わたしは心底愉しくて、にちゃにちゃと、わざと音をさせながら動かして微笑む。
「一緒に来てくれるよね、アレク」
やばい。
言いながらわたしは、首を振られたらと考えただけで、不覚にも泣きそうになってしまった。
「う、うん。ぼ、ぼく、リュキアンと一緒にいく」
こくこくとアレクが何度も頷く。
この日わたしは、何度も何度も泣かせたこの子に、初めてぼろぼろに泣かされた。
十年後―― アレクは燎原の炎帝と呼ばれ、大陸中にその勇名・悪名を轟かす事になる。
終わり
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