[過去ログ] セーラームーン総合スレッド2 (818レス)
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1(3): セラエロ@ピンキー 2006/01/15(日) 17:47:17 ID:rfVTw4sA(1)調 AAS
実写終了後も、まだまだニーズは絶えないセーラームーンの総合スレ。
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692: ムーン陥落45 2006/07/09(日) 17:24:23 ID:y3QTuxQZ(1/22)調 AAS
全部夢ならいい、とうさぎは思っていた。
朝になれば母親が起こしに来て、勉強は嫌だけど友達に会うために学校に行って、帰りには噴水のところで衛と待ち合わせする。
何でもないそんな日常が、今はひどく遠く、二度と戻ってこないもののように感じる。
涙の滲んだ瞳が、目の前の光景をはっきりと捉えることを拒絶した。
誰よりも愛しい恋人が、他の女の尻を捕まえて、己の欲望を注ぎ込んでいる。うさぎがこれまで見たこともないほどに、恍惚とした表情だった。
地場衛は、いつでもうさぎに気を遣っていた。現世での彼女が中学生であったことが何より大きな理由だろう。
愛されていた、大切にしてくれていた。その感情に偽りはなかったと今でも思える。
けれど、同時にうさぎの存在は、彼にとって重荷でもあったかも知れない。
うさぎより四守護神より、前世に縛られていたのは彼───性的な興奮だけでなく、うさぎという枷が外されたからこそ、現在の彼はこんなに生き生きとした顔をしているのではないか。
「ああっ……う、んんっ、はああああっ!」
腰を突き動かされたエスメロードが、ひときわ高く吠える。
瓢箪のように垂れた、それでいて張りのある乳房から、透明な汗が玉のように散って、床に落ちた。
その輝きにうさぎは、銀水晶の存在を思い出す。エスメロードに奪われたままの、自分の切り札を。
(みんなを、助けなきゃ……)
頭に浮かんだのはその事だった。
エスメロードと交わっている間、衛には少なくとも命の危険はない。だが、四守護神はこうしている間にも、敵に危害を加えられているに違いないのだ。
(銀水晶……どこなの?)
エスメロードは全裸だった。隠すような場所は何処にもない。という事は、別の場所に保管してあるのだろう。
「何を気にかけている」
苛立ったような声と吐息が、耳元に吹きかけられた。
うさぎは思わず身を捩る。デマンドはそれを許さず、うさぎの顔を強引に自分の方へ向けた。
冷たい唇が重ねられた。先ほどまで精液が溜まっていた口の中に、生温かな唾液が侵入してくる。
「う、ぐうっ……」
奥歯を食いしばり、屈辱の涙をボロボロと流す少女に向かって、デマンドは冷ややかに告げる。
「仲間を助けたければ、俺に従えばいい。簡単なことだ」
息継ぎの合間にそんな勝手なことを言いながら、唇から顎にかけて舌を這わせる。
仰向けになったうさぎの上にデマンドの体重がかかり、玉座の背もたれに痛いほど背中を押し付けられる。
たまらず、背後に視線を逃そうとすると、そこには例のおぞましい壷がある。
(いやだ、気持ち悪いっ……まもちゃん……)
デマンドの顔を遠ざけようと手を上げるが、手首ががっちりと掴まれた。
うさぎの手の中に握られたリボンに気付き、デマンドが眉宇をひそめる。
「なんだ、これは」
「だめっ!」
うさぎは慌てて手を引っ込めようとしたが、遅かった。
掌からもぎ取られた美奈子のリボンは、虚しく床に落ちた。デマンドはそれを足で踏みつける。
「で、デマンド……っ!」
沈んでいたうさぎの瞳に、激しい怒りが燃え上がった。彼のその行為は、美奈子そのものを侮辱しているのと同じ事だった。
デマンドは彼女の怒りの意味を正確に理解していない。お気に入りのリボンを踏みにじられて、怒っているとでも思ったのだろう。
震えるお団子頭を撫でながら、あやすように告げるのだった。
「こんな汚いものを、後生大事に取っておく事はない。俺がもっと高級なものを幾らでも与えてやる」
セーラーヴィーナスがいつも頭につけているものだとは、気付かなかったようだ。うさぎ以外の事には全く関心がないのだと、改めて思い知らされる台詞だった。
(こんな男に……ヴィーナスたちが……)
693: ムーン陥落46 2006/07/09(日) 17:25:51 ID:y3QTuxQZ(2/22)調 AAS
「そう、その目がいい」
陶酔したようなデマンドの姿が、二重にぼやけて見えた。
うさぎは思わず目を擦った。擦れば擦るほど、その後で見るデマンドの姿が増えていく。
気付けば、一人であったはずの青年が、四人に数を増していた。
うさぎの目の前にはデマンドがいる。玉座の背後にもデマンドがいる。左右にも一人ずつデマンドがいる。その全てが、うさぎを嘗め回すように見つめている。
これは、幻なのだろうか。しかし肩や背中や腰や胸に触れる手の感触は紛れもなく本物で、体温まで伝わってくるのだ。
「お前を屈服させるには、並大抵の陵辱では埒が明かんと思ったのでな」
正面のデマンドが、肩を上下させながら呟く。平静を装ったつもりでも、荒くなっていく息遣いが抑えきれない様子が感じ取れた。
「やはり邪眼の力は大したものだ。一時間程度しかもたないが、お前の体力を考えれば十分だろう」
デマンドの分身に囲まれ、うさぎの恐怖は一層増した。背後のデマンドが、逃れようとする少女の両肩をしっかりと押さえつけ、左右のデマンドは腕組みしながら嘲笑を浮かべている。
(なに?)
乏しい知識を総動員させても、分裂したのだという考えに至らない。判ったからと言って、逃れる手段までも思い浮かぶわけではないのだが。
デマンドは、玉座の上でM字に割り開かれたうさぎの足の間を、無理に覗き込むような体勢になった。
「い、いやあっ!見ないでっ」
うさぎの顔に血が上った。いくら暗い室内とは言え、こんな男に、一番大切なところを見られるなど耐えられなかった。
デマンドはうさぎの秘唇を指で弄び、豆の部分をピンと弾いた。
「ひぐぅ!」
刺激を加えられたうさぎはのけぞる。デマンドの肩越しに、タキシード仮面の姿が見える。
もう、彼はこちらを見ていないし気にかけてもいないのに、やはりその存在が気になってしまう。
傲慢と言われようと、この思いは変わらない。彼に嫌われても、うさぎの気持ちは少しも変わらなかった。
「ふん、それなりに崩れているな。あの男に相当使い込まれたのか」
嫉妬めいたデマンドの言葉など、気にかける余裕はなかった。
「う、ううぅ……」
「すぐに忘れさせてやる」
すべらかな白い肌の上を、デマンドの指が這った。
機械的な動きであるにもかかわらず、目指す方向は的確で、これが現実なのだと伝えてくる。
背後のデマンドが腕を伸ばし、後ろからうさぎの乳房を掴んだ。
「ひっ」
青ざめるうさぎには構わず、両手を使って強引に揉みしだく。
左側のデマンドが荒々しい一物を取り出した。悲鳴を上げる寸前のうさぎの口をこじ開け、それを喉の奥までねじ込んだ。
「モゴおおっ!」
さらに右側のデマンドが男根を取り出し、反対側から口に差し込んだ。
うさぎの可憐な口には二本の男根が詰め込まれ、ドクドクと脈打つ精液の存在がはっきりと感じ取れた。
(や、やだ……やだーーーーーーっ!)
「ひぐぅもごぉおおおおおお、ぐむうううっ、おおおおおおっ」
左右のデマンドは、ゆっくりとシーソーを漕ぐように、腰を上下させる。その度に、口の中の男根が口壁を擦っていく。
閉じることの出来ない口の端から、先走り汁の混じった涎が溢れ出て、顎を伝って鎖骨に流れた。
涙と精液と唾液が入り混じって、何が何だかわからなくなっていた。
目の前の青年は、うさぎが好きだと言った。好きならば何故、こんな目に遭わせるのか。
ルベウスにしてもそうだ。マーズを庇ったように見えた彼は、恐らく彼女に邪な思いを抱いていた。
わからない、大人の考えることは、中学生の少女には理解できない。身体を奪えば、心までも屈服するとでも思っているのか。
(でも、マーキュリーは……亜美ちゃんは、負けなかった!)
ならば自分にも耐えられるはずだと、思ったうさぎの心を読んだかのように、その声は降って来た。
「マーキュリーは、こんな風に数人がかりで犯されたそうだな」
694: ムーン陥落47 2006/07/09(日) 17:35:14 ID:y3QTuxQZ(3/22)調 AAS
デマンドの声に、うさぎはのろのろと視線を上げる。その先には、哀れむような瞳があった。
「それを聞いてお前は何を思った?同情と、優越感を感じていたのではないか?」
「ほ、んら、ほこ……」
うさぎは必死で首を振った。口の中で男根がギチギチと音を立て、うさぎの顎を押し上げようとする。
信じていた人間の男たちに陵辱されたマーキュリー。それに対してうさぎは『何も変わっていないのだから心配しなくていい』と確かに言った。
「仲間に偉そうな口を利いておいて、いざ自分がその立場になったら、考えを変える気か?変わらないと言うのなら、この程度は耐えて見せろ」
「んぐうううっ、ぬううっ!」
デマンドは、マーキュリーの時の状況を再現しようとしているようだった。
青くなって暴れだすうさぎの顎を上向かせ、舐めろと命じた。その言葉を、まるで判決のようにうさぎは感じていた。
これは罰だ。四守護神の指示に背いて、勝手な行動を取り、恋愛に溺れて彼女たちを傷つけたプリンセス・セレニティへの……。
舐めれば解放される。その一心で、うさぎは舌を動かした。
奇妙な凹凸が舌を刺激し、生臭い匂いが鼻をついた。刺激を与えられた先端が、得体の知れない生き物のように、口内で膨張していく。
(あみ、ちゃん……)
再会した時、出会ったばかりの頃のような冷たい視線を向けた彼女。脆い心を守るために、そうせざるを得なかったのだと今なら判る。
彼女も恐らく、苦痛から逃れるために、この忌まわしい物体を口内と膣内に受け止めたのだ。
(こんなこと、したの?あの頭のいい亜美ちゃんが。澄ましてて、とっつきにくくて、クールな亜美ちゃんが)
新たに流れる涙には、マーキュリーの分も加わっていた。彼女がどんな思いでこれを咥えたのか、今はわかる。
「やはりエスメロードのようにはいかんか。手伝ってやる」
感謝しろとでも言わんばかりに、左右のデマンドはうさぎのお団子頭を掴んだ。
右に、左に、頭を傾ける。少女の口の両端から、鬼の牙のように突き出した男根が、唾液でチャプチャプと音を立てた。
頬に穴が開くのではなくかと思われる勢いで、デマンドたちは腰を打ちつける。
「むごおおおっ、ひいごおおお!」
喉の奥まで容赦なく突かれ、うさぎは目を剥いた。
愛らしい表情は失われ、財布のがま口のように広がった唇からは、透明な液体が流れている。
酸素を求めるために、必要以上に広がった鼻は、無様としか言いようがなかった。この姿を見て、誰が美少女戦士と思うだろう。
あの時のマーキュリーと似たような表情になっていることに、自分では気付いていなかった。
「もごおおおお、やべで、ぼうやべで……っ!」
涙ながらに訴えても、聞き入れてくれるような男ではない。
「遠慮するな、喉の奥まで汚してやる。二度と聖なる言葉など紡げぬように」
「むごおおおおおおおおおおお」
言葉どおり、扁桃腺にまで男根が届いたのが判った。口内に垂れ下がった小さなペニスを、本物のペニスで突かれる。
見たくもないのに、頬のすぐ横に股間が押し付けられている。デマンドの、髪と同じ色の陰毛が視界の端に映ってしまう。
目を閉じると、そのぶん触感が高まるような気がして、それも出来なかった。
(どうして!?どうして、あたしがこんな目に……)
マーキュリーも思ったに違いない事を、うさぎもまた思った。
答えなどない。ただ一つだけ言える事は、この男が決してうさぎを手放さないであろう事だけだ。
ならば迷うことなどない。自分の命と引き換えに地球の皆を助けてくれるように頼めばいい。
それなのに、未だに四守護神が助けに来てくれることを期待している自分がいる。
(あたしって……いやな子……)
この期に及んでも、仲間の助けがなければ動けないのか。
口に詰め込まれた男根が勢いですっぽ抜け、無防備に口を開けていたうさぎの顔面で、精液が派手に炸裂した。
695: ムーン陥落46 2006/07/09(日) 17:36:38 ID:y3QTuxQZ(4/22)調 AAS
ビシャッ!
「あ、ひあああああーーーーっ!」
開け放たれた口の中に、容赦なく精液が飛び込んだ。
ビュルルルルッ、ビュルルル!
うさぎの瞼や低い鼻や丸い頬に、白い液体がまんべんなく降りかかった。
先ほど塗りつけられた精液も乾ききらぬうちに、更に新しい液体が上から塗りこまれる。
左右のデマンドは満ち足りた微笑みを浮かべていたが、正面でうさぎの表情を捉えているデマンドは、やや不満げな顔だった。
「上の空だな。やはり四守護神が気になるか」
図星であったため、うさぎは何も言えない。それどころか、まるでデマンドに媚びるように、必死で頷くのだった。
ほんの少しでもいい、ヴィーナスたちの無事な姿を見れば、どれだけ勇気付けられることか。
「あ、あわへて……みんらに、え、えほっ!」
ようやく自由になった口から必死に酸素を吸い込もうとして、喉に絡んだ精液に噎せる。
玉座の上でぐったりとしているうさぎの胸を、デマンドはやんわりと撫でた。
「ならば見せてやろう、仲間たちの姿を。だが、後悔しても知らんぞ」
その言葉の意味を、うさぎはすぐに思い知らされることになる。
───痛い、痛い!やめて!もうぶたないで!
繰り返される暴力に、少女の心と身体は悲鳴を上げていた。
同じ女だから、相手は手加減の仕方がよくわかっていた。顔や心臓を狙わなかったのは、ペッツにまだ理性が残っていた証拠だった。
愛の女神は、生まれてこの方、誰からもここまで激しい憎悪をぶつけられた試しはない。
好きな人もいた。友達もいた。家族も美奈子を愛してくれていた。
「ブス」「お転婆」とからかってくるクラスの男子も、明らかに美奈子には優しかったし、突然現れた白い雄猫も例外ではなかった。
セーラーVとして世間の称賛を浴び、誰かを勇気付けることへの喜びが湧いてきた。それで、本格的にアイドルを目指すようになった。
他人から憎まれるのは、よほどの悪人なのだ。漠然とそう思っていた自分は、何と幸せで愚かだったのだろう。
───ごめんなさい、あなたたちの痛みはわかったわ。もう殴らないで!!
気丈に耐えていた少女が限界を迎えると、女は刃物で黄金の髪を切り落とした。
これは暴力ではない、教育なのだと言いながら。
その時のペッツの血走った瞳、それ以前の、赤子を見るカラベラスの悲しそうな顔。頬に温かい感触。
「あ…?」
温かい感触?
愛野美奈子は、実際にそれが頬に触れているのを感じた。
うっすらと目を開けると、濡れたタオルの白い色が目に飛び込んできた。
そのタオルには人の手がついており、手の先には腕が、腕の先には男性の肩がある。
「気がついたか」
ほっとしたような声が降ってきた。
誰だろう、初めて聞く声だ。美奈子は頭を動かすことが出来ない。目が動くのも、男性の肩あたりが限界だった。
身体中が、鉛のように重い。自分の身体ではないようだ。
(そっか……あたし……)
ペッツに暴行を受け、意識を失ったのだ。という事はここは、ブラック・ムーンの本拠地だろうか。
目玉を動かす。喉の奥が圧迫されているように息苦しい。室内には埃一つ落ちていないのに、明らかに空気が淀んでいるのがわかった。
部屋の隅に邪黒水晶の塊があるのを確認し、美奈子は軽く息をつく。痛い思いをした甲斐あって、潜入には成功したらしい。
696: ムーン陥落49 2006/07/09(日) 17:37:52 ID:y3QTuxQZ(5/22)調 AAS
頬の傷口が拭われ、温かいタオルが離れた。
「心配しなくていい」
視界に、優しげな面差しの青年が現れる。夜空のような藍色の髪が印象的だった。
「もう、君に手出しはしないようにさせたから」
彼はタオルを漱いで絞り、汚れた汁を桶に落としているところだった。その端正な横顔は、どこか地場衛に似ていた。
桶の中の水が赤く染まっていくのを見て、美奈子は顔を背けた。月に一度は必ず自分の血を見ているが、なぜか今は直視できない。
命を生み出すための血と、命を流し出す血とは別物なのだ。ペッツが力加減を間違えていれば、美奈子は間違いなく死んでいた。
(でも、生きてるんだ……良かった……)
胸の鼓動は、正常なリズムを刻んでいた。あの姉妹の事を思うと未だ心が痛むが、報いはもう十分に受けたと思う。
それにしても、この青年は誰なのか。敵にしては物腰が柔らかい。美奈子の正体がセーラーヴィーナスであることを、知らないわけではあるまいに。
青年は搾ったタオルを再び美奈子の頬に当てた。布越しに、不思議な力が流れ込んでくるのがわかる。ヒーリングの力だ。
「兄さんや四姉妹を、許して欲しい。こんな形で侵略を進めるべきではなかった」
「え…ぐ、が」
驚きの声が喉に引っかかり、美奈子は咳き込んだ。
「大丈夫か」
青年が歩み寄り、背中を摩ってくれる。
近くで顔を見た。前髪で隠されていたからすぐにはわからなかったが、額には間違いなく逆三日月の印があった。
非道極まりない種族だと思い込んでいたブラック・ムーンにも、それなりに慈悲の心はある。カラベラスの件で身に染みた。
だが美奈子が衝撃を受けたのは、青年の謝罪に対してではない。
(侵略を……進めるべきではなかった?)
既に双方に複数の犠牲者が出ている状況で、これまでの思想を根本的に覆すような事を、敵の青年が言い出すとは。
無論、セーラーヴィーナスとて、無用な戦いは好まない。話し合いで決着がつくのならそれに越した事はない。
それには、彼らが地球侵略という悪しき思想に取り憑かれた要因を知る必要がある。
「ど、どうし、て……ぐっ、けほっ、ゴホ」
身体を二つ折りにして苦い咳を放ったその時、何か妙な感覚を覚えた。
腰まであるはずの長い髪が、まるで存在しないかのように軽く感じられる。いや、後ろ髪だけではない、額にかかるはずの前髪も、妙に軽い。
久しぶりに味わう感覚に、嫌な予感が背筋を伝う。恐る恐る頭に触れると、つるりとした感触があった。
掌にぴったりと張り付く肌の感触が、彼女に現実を思い知らせた。寝台の上で呆然としている美奈子を見て、青年は沈痛な表情で俯いた。
鏡を見なくとも、その表情だけでわかる。美奈子は、毛を刈られたのだ。
うさぎによく羨ましがられた見事なブロンドが、ばっさり切り落とされている。
気付いた瞬間、絶叫が喉から迸った。
「いやーーーーーーーー!!」
肩からかけられていた毛布を、美奈子は頭からすっぽり被る。
丸坊主の姿を、見知らぬ青年の前に晒している。それはある意味、裸を見られるよりも恥ずかしいことだった。
(いやいやいやいやいや、どうして!)
髪を切られたのは覚えている。が、まさか丸坊主にまでされているとは思わなかった。
身体の痛みも忘れて、ひたすら恥じらいに震える美奈子に、青年の控えめな声がかかった。
「君の美貌は損なわれてはいない。出来うる限りの治療は尽くしたつもりだ」
それは確かに有難かったが、つまり美奈子の身体の隅々までこの青年に見られたという事だ。
(お、お嫁に行けない……)
見られて恥ずかしい身体だとは思っていないが、相手は敵である。治療の他に、何をされていてもおかしくはなかった。
疑いの目を青年に向ける。すると何を誤解したのか、青年は見当違いの事を言い出した。
「仲間に会いたいなら、すぐにでも会わせよう。髪がある程度伸びるまで待ちたいのなら、しばらくここにいるといい」
697(1): ムーン陥落50 2006/07/09(日) 17:40:01 ID:y3QTuxQZ(6/22)調 AAS
「……ず」
唇を噛み、美奈子は紅潮した顔を上げた。捕虜同然の立場である美奈子の乙女心を気遣い、わざわざ選択肢を与えてくれる青年の真意が、いまいち読めない。
これがあやかしの四姉妹ならば、全裸のまま美奈子を鏡張りの部屋に放り込んで、やーい坊主頭、と囃し立てるくらいのことはしそうだ。
「随分と、好意的じゃないの。あたしが可愛いからって、変な気を起こしたんじゃないでしょうね?」
どう言い繕っても、彼らがマーキュリーたちを陵辱したことは事実なのだ。そう簡単に騙されはしない。
美奈子の精一杯の強がりを、青年は軽く流した。
「兄さんが望んでいるのは、セーラームーンただ一人。これ以上、君たちに危害を加えることはさせない」
「兄さんって……あ、あなたは…?」
怯えた目を向ける美奈子に、青年は淡々と答えた。
「蒼のサフィール。プリンス・デマンドの実弟だ」
この星は誰のものでもない。
そう言い切った女こそが、最終的に星の実権を握った。
幻の銀水晶の力で、人類の悲願であった不老長寿の夢を叶え、老いる事のない美しい姿で人を支配した。
異議を唱える者は容赦なく押さえつけ、光の存在しない遠い星へ追いやった。
ブラック・ムーンの一族はそんなネオ・クイーン・セレニティのやり方に反発し、クリスタル・パレスに襲撃をかけた。
だが若き王子プリンス・デマンドは、美しいクイーンの姿を初めて目の当たりにし、恋に落ちる。それは彼の実弟であるサフィールにとっても他の一族にとっても、大きな誤算であった。
「兄さんは、彼女を手に入れて歴史をやり直すため、ワイズマンという男に助力を求めた」
古いアルバムをめくるように、サフィールは一言一言、ゆっくりと話し始める。
「彼が与えてくれる邪黒水晶のパワーに魅せられた兄さんは、それから手段を選ばないようになった。セーラームーンを手に入れるために、過去に遡った」
美奈子には難しい話は判らない。それでも、相手が見せかけの優しさを武器に、自分を懐柔しようとしている事だけは判った。
「その鍵が、クイーンの娘であるラビットだった」
「…ラビット?」
初めて聞く単語に、美奈子が片眉を上げる。
「君も知っているはずだ。セーラームーンによく似た幼女」
「ちびうさちゃんが!?」
うさぎの家に居候している、謎の子供の姿を思い出す。
ピンク色のお団子頭で、生意気な口調。敵に狙われていると言っていたのは、本当だったのだ。
(じゃあ、待ってよ……クイーンが未来のうさぎちゃんで、その娘って事は、ちびうさちゃんは…)
まわらない頭を必死で動かそうとしている美奈子を、サフィールは待ってはくれなかった。
「ラビットは未来の銀水晶を持って、君たちのいる時代に逃れてきた。これは、兄さんにとってはまたとない好機だった」
人事のような言い方に、美奈子はかちんときた。
デマンドの肉親でありながら、彼を止めようとはしなかったこの青年にも、罪はあるのではないか。
「あなたは、違うの?」
意地の悪い質問をする。これで怒るのなら、その程度の誠意だ。
サフィールは深い溜め息をつくと、淀んだ気の漂う天井を見つめた。
「正直に言うと、クイーンのやり方には未だに納得がいかない」
知性的な横顔に、苦渋が滲む。頭ごなしに否定したのではなく、彼なりに苦しみぬいて出した結論だと察した。
「銀水晶は、まやかしの力だ。人々から自由な思想を奪い、全てを白く塗り替える」
「そんな…!何を根拠に!」
銀水晶を貶める事は、うさぎを侮辱することでもある。
反発する美奈子に、サフィールは哀れみの視線を向けた。
「その感情こそが洗脳の結果なのだと、なぜ判らない?あの娘には人の心を狂わせる何かがある。筋が通らぬことでも、従わなければならない気にさせられる」
心当たりがあったため、美奈子は押し黙った。
「暴力を正当化するつもりはないが、あやかしの四姉妹は君たちに気付かせたかったのだと思う。プリンセス・セレニティの過ちを」
「なにを、言い出すの……」
理路整然と言い返すほどの根拠を、彼女は持っていない。悔しげに唸る他なかった。
「人が四人いれば、四通りの考えがあって当然だ。だが、君たちのプリンセスがそれを認めたことがあったか?」
698: ムーン陥落51 2006/07/09(日) 17:42:45 ID:y3QTuxQZ(7/22)調 AAS
美奈子は息を呑んだ。
みんなで力を合わせて、心を一つに。前世から、嫌というほど聞かされてきた言葉だった。
思想の統一。それが当たり前だと思っていた。
「あ、あたしたちは……うさぎちゃんに、救ってもらってるわ」
反論する美奈子の声は弱弱しい。カラベラスの事件を経て、自分の考えに自信が持てなくなっている。
ブラック・ムーン一族は一枚岩ではない。この青年のように、暴力を好まない者もいる。
だが自分たちはどうだろう。プリンセスの行いに、否やを唱える者は誰ひとりとしていない。洗脳と言われてしまえば、返す言葉もない。
「思い込まされているだけだ。君たちが現世で新たに恋人や友人を作れば、いずれ使命など忘れる。あの娘はそれを避けるため、君たちの心に孤独を仕込んだ」
「仕込んだ?」
美奈子は目を瞬いた。うさぎの無邪気な言動と、サフィールの生々しい言葉が合致しなかった。
「君になら判るはずだ。ヴィーナスとしての価値を捨て、プリンセスの影として生きなければならない孤独……」
「だ、だって、それはあたしの使命だから」
アルテミスと二人で戦っていた頃も、それなりに生活は充実していた。失恋は味わったが、孤独など感じた事はない。
「では君自身の人生はどうなる?あれは、君たちが一生を捧げてまで尽くす価値のある娘か?」
「それは……」
───自由な思想を奪い、全てを白く塗り替える。
サフィールはすいと腕を横に振るった。
(殴られる?)
条件反射で身を引いた美奈子だったが、すぐに違うと判る。
先ほどまで何もなかったはずの空中に、人間の頭ほどの大きさの水晶玉が浮かんでいた。
「見ろ、セーラーヴィーナス。他の四守護神も、そろそろ疑問に思い始めているようだ」
重い物など運んだ事がなさそうな、しなやかな指先が水晶玉を弾く。
弾かれた玉は、寝台の上で上半身を起こしている美奈子の目の前で、ぴたりと止まった。
そこには、懐かしい友の姿が映し出されていた。背の高いポニーテールの少女と、小柄なショートカットの少女。それに、寝込んでいるはずの黒髪の少女もいる。
「マーキュリー、ジュピター、レイちゃん……」
三人が揃っているのを見るのは久しぶりだった。
思わず顔を綻ばせる美奈子だったが、自分の惨めな姿を思い出し、慌てて毛布を被った。
「大丈夫だ。こちらの映像も声も、彼女たちには届いていないよ」
彼女の気持ちを見透かしたように、サフィールが告げる。
「さあ、ご覧……答えを出すのは、それからでも遅くない」
三人の少女の姿がアップになる。会話の内容も、テレビを観ているようにはっきりと聞こえてきた。
息苦しさに目を開けると、ジュピターが心配そうに覗き込んでいた。
「大丈夫かい、レイちゃん」
火野レイは寝巻き姿のまま、冷たい床の上に投げ出されていた。傍らにはマーキュリーの姿もあり、ゴーグルで周囲の状況を探っている。
自分ひとりだけが変身できない現状が、レイにはひどく歯痒かった。
「……ここは?」
身を起こし、呟いた瞬間、淀んだ空気が喉を灼いた。
狭い部屋のようだった。冷たく、光の差し込まない空間に、三人は打ち捨てられていた。
ジュピターのティアラからは、電気を集めるためのアンテナが伸びている。アンテナの先端に集まったわずかな光で、辛うじて周囲を照らし出すことに成功しているのだ。
閉め切った部屋特有の、黴臭い空気。大きく息を吸い込むことなど、とても出来はしない。
(気持ち悪い……)
レイは腹部を押さえ、前かがみになった。身体のあちこちが痛い。食っては寝る生活が板についていたせいか、急激な環境の変化に、身体がついていかない。
胃の辺りがむかむかする。コーアンに威勢良く啖呵を切ったはいいが、元のように戦えるようになるまで、どれほどの時間がかかることか。
699: ムーン陥落52 2006/07/09(日) 17:44:20 ID:y3QTuxQZ(8/22)調 AAS
「どうやら、あたしたちは拉致されたみたいだな。あの変な円盤みたいなやつに」
ジュピターの言葉に、レイは額を押さえた。
やはり、あれは現実だったのだ。超常現象の類には慣れているが、さすがに驚きを隠せない。
(うさぎは?)
まず思ったのは、その事だった。戦いの神の化身であるレイは、守るべき存在が傍にいて初めて、真実の力を発揮する。
泣き虫で苛め甲斐のある、月野うさぎの姿が見えないだけで、こんなにも不安になるとは思わなかった。
コーアンが祖父から離れてくれたのは不幸中の幸いだが、マーキュリーたちは何故、レイが捕らわれの身であることが判ったのだろう。
「ねえ、ジュピター……」
「悪いけどさ、レイちゃん。ゆっくり状況を説明している暇はなさそうなんだ」
レイに背中を向けて、ジュピターは闇の向こうに目を凝らしている。
確かに、セーラーマーズに変身できない以上、レイは二人に守ってもらうしかない。あの円盤に攫われてから、まだそれほど時間は経過していないようだった。
ジュピターの肩越しに、マーキュリーの姿が見える。アンテナから迸る放電光が、彼女のクールな表情を照らし出していた。
「ジュピター!後方4メートルに敵を感知!」
突然、マーキュリーが険しい顔で叫ぶ。レイとジュピターは同時に振り返った。
緑色の生物が、妖しく蠢きながら近づいてくる。磯巾着を大きくしたような形の胴体から、長い蔦を伸ばして彼女たちを襲ってきた。
着の身着のまま来てしまったレイは、悪霊退散の札を持っていない。仲間が襲われそうな状況でも、どうすることも出来なかった。
「レイちゃん、下がって!」
不甲斐ない己を呪いつつ、レイは後退する。
ジュピターの動きが遅れている間に、ヒュルン、と風を切る音がした。掃除機のコードのように蔦が伸び、マーキュリーの身体に巻きついたのだ。
「きゃあ!」
短い悲鳴を上げ、マーキュリーは蔦に捕らわれた。
「シュープリーム……!」
「だめよ、マーキュリーが感電してしまう!」
レイが叫ぶと、雷光を放とうとしたジュピターは、はっと動きを止める。
その間にも蔦は、今度はジュピターを捕らえるべく動いていた。必殺技で倒しても、蔦は次から次へと伸びてくる。
捕らわれたマーキュリーは、必死でもがいていた。蔦はまるで意思を持つ手のように、少女の身体を弄び、足の間に割って入った。
正確には、青いスカートの間に。
「いやぁあっ!」
その途端、落ち着いたマーキュリーの表情がぐしゃりと崩れる。彼女が何を思っているか、二人には痛いほど判った。
いや。もう二度と。二度と、あんな思いは。
甲高い叫びが室内にこだまする。マーキュリーは手足を振り回し、ハンディコンピュータで蔦を叩く。
いつもの彼女とは思えない、尋常でない取り乱し方だった。ここ数ヶ月間抑えていたものが、一気に爆発したように見えた。
ポーカーフェイスを維持しているのは、傷つきやすい心を守るためだ。そんな事ぐらい、わかっている。仲間だから。
(平気なわけない……あんなことされて……)
コーアンと対峙していた時も思っていたことだが、今日のジュピターたちは動きに精彩を欠いている。それを責める気はレイにはない。
傷口を無理に縫いつけてまで戦い続ける事を選んだ彼女たちを、一体誰が責められるだろう。
(許せないわ……ブラック・ムーン!)
レイの怒りはいよいよ燃え上がった。
「いや、いやぁっ……」
「マーキュリー、大丈夫だ。落ち着くんだ!」
恐慌状態に陥った友人を助けようと近づいたジュピターに、少女はシャボンスプレーを放った。自分の心と身体を守るための、悪意のない攻撃だった。
「くっ…!マーキュリーっ!」
霧を浴びたジュピターが、悲痛な声を上げる。
「あたしだ!わからないのか!?」
無理もなかった。マーキュリーのゴーグルは蔦に覆われていた。視界を塞がれた彼女は、捕縛から逃れるために闇雲に攻撃するしかない。
どんなに優秀な頭脳を持っていても、それを生かす目と手足がなければ、戦士として役には立たないのだ。
「いや、いやぁあああああ!」
マーキュリーの身体はたちまち、緑に覆われて見えなくなった。拒否する声も次第に遠ざかっていく。
ジュピターは必死で技を繰り出すが、やはり動きは鈍い。以前のように手足が動かないようだった。
700(1): ムーン陥落53 2006/07/09(日) 17:48:18 ID:y3QTuxQZ(9/22)調 AAS
レイは我に返った。いつの間にか、足首に蔦が巻きついている。
「この…!」
怒りをぶつける対象を待ち焦がれていたレイは、ここぞとばかりに蔦を踏みつけた。
身体に絡みつく蔦を、千切っては投げ、千切っては投げる。
生身の身体であるにも関わらず、闘争心を失っていない彼女を、ジュピターは複雑な目で見つめていた。
変身できないからと言って、闘志までも捨てたわけではない。こんな、人の形さえしていないモノに、負けたりはしない。
襲い来る蔦を踏みつけ、払い落としながら、彼女は叫んだ。
「レイちゃんの身体に触れようなんて、百万年早いのよ!」
───その通りだ。俺以外のモノが、お前に触れることは許さん。
皮肉げな男の声が、聞こえたような気がした。
レイの内股が、カッと熱くなった。紅の光が室内を照らし出し、眩しさに目がくらむ。
何が起こったのか判らず、レイは片手で瞼を覆った。
それは、紛れもなく内股の刻印から放たれた光だった。慌ててもう片方の手でその箇所を押さえても、光は封じられることなく手の甲を突き抜けた。
(な、に……これは!?)
あの時ほどではないが、火傷にも似た痛みが内股を襲っていた。
顔を顰めているうちに、レイの周囲に集まった蔦は、不気味な声を上げて焼き切れた。
『ギャアアアア』
命が光によって焼け落ちる音だ。
連鎖するように、マーキュリーとジュピターに巻きついていた蔦も、見る見るうちに焦げて灰になっていく。
室内が照射されたせいで、出口らしきものが遠くに見えた。だがレイはそれよりも、目の前に現れた別のものに釘付けになっていた。
炎そのもののような男。その姿は恐らく、霊感の強い彼女だけに見えていた。
(ルベウス……?)
床に尻餅をついたレイは、大きく目を瞬く。
最後に会った時と何ら変わらない、燃え上がるような紅の髪と鋭い眼差し。憎い相手の顔を見忘れるはずがない。
ルベウスの下半身は透けている。彼は何も言わず、ゆっくりとレイの内股を指差した。
『………』
唇が動き、何か言ったが、聞き取れなかった。
ただ、レイがこれまで見たこともないような、柔らかな微笑みを浮かべたのがわかった。
(何よ。何でそんな、満ち足りたような目であたしを見るの)
複雑な感情が、レイの胸中を占めた。
いつの時代も、勝手に暴れて満足して死んでいくのは男で、生き残った女だけが後始末を負わされ、地獄を味わう。
ひょっとして、敢えて死を選んだのではないか、この男は。レイの心に、永遠に己の存在を焼き付けるために。
(卑怯者!)
触れることも出来ない男を、レイは睨みつける。ルベウスはわずかに苦笑したようだった。
やがて、役目は済んだとでも言うように、その姿は線香花火のようにふっと消える。
光が消え、暗闇が戻ってきても、レイはしばらくその場から動くことが出来なかった。
マーキュリーとジュピターも、呆然として彼女の身体を見つめている。
(あいつ……一体)
床に散らばる、焼け落ちた蔦の残骸が、レイを我に返す。
刻印がある限り、手出しは出来ない。コーアンの言っていたのは、こういう事だったのか。
内股をそっと撫でる。
(何を言おうとしたの……?)
701: ムーン陥落54 2006/07/09(日) 17:50:18 ID:y3QTuxQZ(10/22)調 AAS
「レイちゃん」
冷ややかに話しかけられ、レイは顔を上げた。
すぐ近くに、ゴーグルを嵌めなおしたマーキュリーがいる。
「どういう事なのか、説明してくれる?」
彼女の口調は既に冷静なものに戻っていた。それを喜ぶ間もなく、レイは絶望を知ることになる。
「どうって……何がよ?」
口を尖らせながらレイは答える。
偶然とは言え、助けてもらった相手に対して、詰問のような台詞を投げかけるのは酷いのではないか。
不満を抱きつつ、もう一人のセーラー戦士に視線で助けを求める。
しかし、ジュピターは味方についてくれる様子はなかった。少し離れたところで、マーキュリー同様、不審の目でレイを見ている。
レイはしぶしぶ口を開き、コーアンに教えてもらった通りの事を伝える。
この内股の刻印にはレイを守る力があって、そのためにブラック・ムーンはレイに手出しできないのだと。
そこまで話すと、どうしてもルベウスの気持ちまでも言わなければいけなくなる。嫌でたまらなかったが、隠す事は出来ないので、洗いざらい話した。
話した途端、マーキュリーとジュピターの顔色が変わった。
「……そうか」
「そう……」
二人して、沈んだ表情になる。
「判る気がするな。レイちゃんは美人だから」
「な、何を言ってるのよ!」
ジュピターの発言に、レイは慌てた。
容姿を誉められるのは嫌いではないが、状況と言うものがある。
再会した時、二人に感じていた壁のようなものが、どんどん分厚くなっていくのを感じていた。
彼女たちは、お互いに傷を舐めあっている。そして今の話を聞いて、レイをその仲間に入れることを拒んだのだ。
「あたしは強姦されたのよ。不幸を呼ぶだけなら、好かれたっていい迷惑だわ!」
口に出すのも忌まわしい二文字を、喉の奥から搾り出す。容姿で得をしたことなど一度もない。近づいてくる男は変なのばかりだった。
「そうかしら」
ぽつりとマーキュリーが放った一言が、その場の空気を凍らせる。
レイは思わず少女の知的な顔を見つめた。深い、深い、池の淀みの様な色の瞳を。
「私は、あなたが陵辱されている現場を、実際に見たわけではないわ」
マーキュリーの口がゆっくりと開き、友人として決して言ってはならない言葉を口にする。
「本当は、望んで抱かれたのではないの?」
頭を鈍器で殴られたように、レイはよろけた。
裸足の爪先に力を込めて、相手を見る。目の前のマーキュリーの姿が、何故かぼやけて見える。
言葉が出なかった。信頼していた友人からの強烈なセカンドレイプに、彼女は眩暈さえ覚えていた。
気の弱い少女なら、泣き出していたかも知れない。いや、その場で吐いていてもおかしくなかった。
「マーキュリー……」
こみ上げて来る絶望に、レイの呼吸は苦しくなった。
彼女は毎晩、あの夜の事を夢に見てうなされる。この戦いが終わったら張り詰めた糸が切れ、再び寝込んでしまいかねないほどに。
それなのに、マーキュリーにはこの苦しみが判らないのだ。
「自分が、何を言っているかわかっているの?あたしが、進んでルベウスを受け入れたとでも?」
泣き笑いのような表情になった。
数人の男に陵辱されたマーキュリーにとっては、マーズの受けた調教などは、強姦のうちに入らないとでも思っているのだろうか。
それとも、ルベウスの思いが本気だったからという理由で、強姦自体がなかったことにされるのか。
相手が自分の事を思っていたとしても、恋人だったとしても、乱暴に抱かれるのは苦痛でしかないし、立派な罪だ。
702: ムーン陥落55 2006/07/09(日) 17:52:36 ID:y3QTuxQZ(11/22)調 AAS
「そんなに、あたしが信用できないの…?」
他人にはマーズの心の中は覗けない。どんなに心が苦しんでいても、表面的なことしか相手には伝わらない。
(それにしても、もう少し言葉を選ぶべきではないの!?)
マーキュリーが人間関係に不器用なのは知っていた。だがこれではまるで、出会った頃の彼女に戻ってしまったかのようだ。
言葉をオブラートに包まない、その場の空気や相手の感情が読めない、ただ正論だけを追求する頑なな天才少女──。
ゴーグル越しに冷たくレイを分析しながら、マーキュリーは棘のある言葉を放つ。
「可能性は否定できないわ。現に、その刻印はあなたを守っている……」
「だから、これは!」
マーズの語気が荒くなる。
「あいつに無理矢理焼き付けられたのよ!こっちがお願いしたわけじゃないわ!」
激昂する彼女に対して、マーキュリーはあくまでも冷静だった。
「そうだとしても、その刻印がある限り、あなたはブラック・ムーン側の人間なのでしょう?」
「マーキュリー!!」
見かねたジュピターが口を挟んだ。
「もういいだろう、やめな。他人を羨んだって仕方ないじゃないか」
他人という言葉が、レイの胸にぐさりと突き刺さった。
確かに、ジュピターやマーキュリーは他人だ。だが、友達だと……仲間だと、思っていたのに。
こんなに簡単なことで、崩れるような友情だったのだろうか。
レイの拳は震えた。目の前にいるのが敵ならば、殴るのに躊躇などしないのに。
マーキュリーの声が妙に遠くに聞こえる。
「あなたに自覚がなくとも、無意識のうちに洗脳されているかも知れない。でも、ちょうどいいわ。その刻印を盾にすれば、敵の中枢まで辿り着ける」
怒りで目の前が深紅に染まった。
「ちょうどいい、ですって……!?」
確かに、自分でも一度はそう思った事がある。この刻印は自分を守ってくれるのだから、その意味では都合がいい。
だがそれは、レイ以外の人間が口にしていい台詞では決してない。あまりにも無神経ではないか。
「もう一度言ってみなさいよ!あなた、自分が同じ事を言われたらどんな気持ち!?」
怒鳴りながらも、彼女はまだマーキュリーに救いを求めていた。
本来は心の優しい少女であることは知っている。乱暴されたせいで、一時的に心の淀んだ面が表に出ているだけなのだと。
けれど、マーキュリーは自らの非を認めることはしなかった。解答を導き出せばそれに固執してしまい、他人の意見に耳を貸さないのも彼女の癖だ。
「私は、これで良かったと思っているわ。辛い経験をしたおかげで、今まで見えなかった色々なことが見えるようになってきたもの」
「おかげで……って……」
マーズはぞくりとするのを感じた。
自分に乱暴した男たちの前でも、そんな戯言を言えるのか。いや、この目はどうやら本気だ。
陵辱の経験から、マーキュリーは立ち直ったように見えた。だがその立っている位置が、明らかに以前とは違う。
誤った方角に、進もうとしている。
「マーキュリー!」
少女の胸倉を掴み、レイは怒鳴った。
「言葉の綾だったとしても、そんなこと口にしたらだめ。洗脳されてるのはあなたの方よ!」
これが、いつでも落ち着いて皆を導いてくれたブレーンの末路なのか。情けなさと憤りで、レイは涙ぐんだ。
「心をしっかり持っていれば変身できるって、あなたが証明してくれたんじゃない!それが、どうして今になって!」
703(1): ムーン陥落56 2006/07/09(日) 17:53:30 ID:y3QTuxQZ(12/22)調 AAS
マーキュリーが陵辱にも負けなかったと聞いて、彼女は本当に嬉しかったのだ。
自分が同じ目に遭った今でも、それは変わらない。なのにマーキュリーは、どこまでも、どこまでも冷たい目でレイを見る。
───ウラギリモノ
「愛されてたんでしょう?ルベウスに。それが、私やジュピターとの違い」
今にもレイを攻撃してきそうな言葉であり、態度であった。
「違うわ。あいつのは愛なんかじゃない、ただの支配欲よ!」
本心からレイは叫んだ。『好かれていたのだから有難く思え』とは、まるで強姦魔と同じ発想だ。
「あたしの、気持ちは!どうなるの!?」
自分の胸を強く叩き、念を押すように告げる。
そこにあるのはレイの心だ。霊魂と同じで、目には見えないし匂いも味もないが、確かに存在している。
ルベウスはその心を踏みにじった。セーラーマーズは彼を愛してはない。処女を奪われたから愛してしまった、などと、そんな都合の良い事が起こり得るはずがない。
「レイちゃんにだって……」
マーキュリーの青い眼に、水が溜まっている。
「レイちゃんにだって、私たちの気持ちはわからない……」
暗い部屋に、彼女の静かな声が雫のように落ち、響いた。
「わかったわ」
レイは、マーキュリーの胸倉を掴んでいた手を放した。
小柄な彼女の身体は、大袈裟によろける。その仕草さえも今のマーズには苛立たしかった。
「要するに、『亜美ちゃん』はあたしが妬ましいのね?あたしもマーキュリーと同じように、名もない複数の男に犯されていれば、納得するってわけね?」
ばっさりと斬り込むと、さすがに亜美は口ごもった。
「…そんな事は、言っていないわ」
「言ってるわよ!!」
レイとて、こんな事が言いたいわけではない。始めに突っかかってきたのはマーキュリーではないか。
どちらがより辛いか、など、本当に比べるだけ馬鹿馬鹿しい。妬み合いなど意味がない。
だが、彼女たちはまだ幼かった。長期間抑圧された感情が、やがて胸のうちで憎悪となって渦巻き始めるのに、それほど時間はかからなかった。
「やめるんだ、二人とも!」
ジュピターが割って入る。彼女もまた、名も知れぬ男たちに陵辱された。
レイはルベウス一人だったのだからまだ良いだろうと、全身が告げている。
レイは皮肉に笑った。
「『まこちゃん』は、どうせ亜美ちゃんの味方なんでしょ」
「そんな……」
戸惑ってはいたが、その顔にはっきりと描いてある。『レイちゃんはあたしたちとは違う』と。
言葉よりも雄弁に、その表情はレイを傷つけ、忘れていたはずの孤独感を、まざまざと思い出させてくれた。
「いいわよ、腰抜けには用はないわ。あたし一人でもうさぎを探し出してやる!」
うさぎに会えば、この辛さからは逃れられる。その一心で、レイは動いていた。大柄な戦士の手を払いのけ、出口らしき場所に向かって歩き出した。
その時、まだ燃え残っていた磯巾着のような『本体』が、再び蔦を飛ばした。
蔦は器用にレイを避け、マーキュリーとジュピターだけを絡め取る。
「ぐううっ!レ、レイちゃん……」
マーキュリーは何も言わなかったが、ジュピターは手を伸ばして救いを求めた。
だが、レイは冷たくそれを一瞥しただけで、足を止めることはしなかった。
「あたしは変身できない、か弱い女だから」
吐き捨てるように言うと、レイは出口へ向かった。
704(1): ムーン陥落57 2006/07/09(日) 17:55:46 ID:y3QTuxQZ(13/22)調 AAS
「仲間割れを始めたようだな」
水晶玉が映し出す残酷な現実。美奈子は涙を滲ませた目で、それを見つめていた。
自分があの場にいれば。あの時ああしていれば。リーダーなのに。何も出来ない。
声にならない悔恨が、悲しみとなって少女の全貌を曇らせる。放っておけば、溶けて消えてしまいそうな儚さを漂わせていた。
それを哀れむように見つめながら、サフィールが言葉を繋げる。
「予想はしていたことだ。水と炎は本来、相容れぬもの……」
それに翻弄される風が、見ていて滑稽だと彼は語った。
あやかしの四姉妹やエスメロードと言った、女性陣の醜い争いを目の当たりにしている彼は、女に多大な期待を抱いてはいない。
だからこそ、下心無しに優しくも出来るのだと言う。
確かにそれは一理あるかも知れない、と美奈子は思った。この青年にとっては、無関心こそが最大の優しさなのだ。
彼が愛しているのは、自分の中の正義。己の信念を貫くこと。ある意味、究極の自己愛だ。
そのためならば、血を分けた兄にすら歯向かう。
「惑星は、離れて存在するのが在るべき姿。それを、銀水晶の力で無理に束ねられていたのだ」
確信に満ちた口調で、サフィールは告げる。
水晶玉の中では、うさぎという枷を失った三人の少女が、行き場のない感情をぶつけ合っていた。
「自然の摂理に逆らう、まやかしの光、まやかしの力……そんなものは、要らぬ」
「ねえ、バザール」
「サフィールだ」
「どっちだっていいじゃない。こんなものを見せてあたしの気が変わるとでも思った?」
告げる彼女の額には、女性のシンボルである金星のマークが輝いている。
「あたしは、あなたとお茶を飲みに来たわけじゃないの。マーズの刻印を消す方法を知りたくてここにいるのよ」
今の光景を見ていて、いよいよあの刻印は邪魔なものだとわかった。あれを消しさえすれば、レイがルベウスをはっきり『拒んだ』証になる。
(そうすれば、三人はまた元に戻れる)
「まだ希望を捨てていないか……」
サフィールは感服したように美奈子を見た。
「だが、無駄だ。マーズが元に戻る可能性は限りなく低い」
「どうしてよ!」
「なぜなら、あの刻印を消すためには───」
「サフィール様!」
悲鳴に近い声に、青年は振り返った。部屋の入り口に、あやかしの四姉妹の長女、ペッツが立っていた。
憤怒に染まった表情に、美奈子はあの夜の暴行を思い出し、怯えた。たまたま目の前にいたサフィールの袖を、強く握ってしまう。
そんな美奈子に、ペッツはますます怒りを掻き立てられたようだった。
「豚に情けをかけてやる必要はありません!我が妹がどんな目に遭わされたか、お判りですの!?」
耳に痛い言葉だった。
陵辱されたのはヴィーナスも同じだったが、カラベラスの受けた屈辱とは比べ物にならない。
「だが、それは彼女のせいではない」
ヴィーナスに変わって、サフィールは静かに告げた。
「そもそも、君たちが先にヴィーナスを襲ったのではないのか。戦士ならば、伏兵に返り討ちに遭うことぐらいは覚悟の上だろう」
「それは……」
ペッツは悔しげに唇を噛んだ。美奈子は気付き、サフィールの袖から手を放した。
(ああ、そっか、好きなんだ……)
こういう事には悲しいほど敏感な美奈子であった。とかくこの世には片思いが多すぎる。
うさぎと衛のように、最初から思いが通じ合っている同士など、滅多に存在しない。
「……確かに、約束を違えるのは我々の誇りに反する」
ペッツは重々しく口を開いた。
「正直、単身乗り込んできて、素直にその身を捧げたお前には驚いた。どこかの馬鹿なプリンセスとは違って、我々の考えを理解しようとする頭はあるようだ」
サフィールが見ているせいもあるだろうが、ペッツの口調は普段よりも謙虚なものになっていた。
うさぎを馬鹿にされるのは不愉快だったが、ここで機嫌を損ねるわけにはいかない。
祈るような気持ちで見つめる美奈子に、あやかしの四姉妹の長女は溜め息をついた。
「いいだろう、教えてやる。マーズの刻印を消す方法は……」
美奈子は思わず身を乗り出した。
「方法は!?」
「───人間の男と交わることだ」
705: ムーン陥落58 2006/07/09(日) 17:58:37 ID:y3QTuxQZ(14/22)調 AAS
月野うさぎは、美奈子の驚きをそのまま受け継いでいた。
片手で遠隔操作機を操るデマンドと、彼の分身に犯されるうさぎの視線の先には、美奈子とサフィールたちの姿が幻のように浮かんでいる。
それは巧みな立体映像だったが、声や仕草まではっきりと伝えてくる。別室での光景がそのまま中継されているのだ。
(……レイちゃん)
セーラーマーズであることに誇りを抱いていた彼女。
ルベウスに陵辱され、刻印のせいで戦士としての能力を封じられた彼女。そのレイがさらに苦しまなければ、解放への道は開かれないと言うのか。
続いて、マーキュリーやジュピターと仲違いし、閉じ込められていた部屋を飛び出したレイの姿が映し出される。
寝巻きに包まれたその背中は、思わず手を伸ばしたくなるほどに弱々しかった。
(レイちゃん、レイちゃん!来ちゃだめ!)
ルベウスに守られているレイに手出しをする輩はいないだろう。彼女はいずれここに連れてこられる。
今のうさぎのこの姿を、彼女に見られたくない。そしてこの事実を、耳に入れたくない。
来て欲しいのに、来て欲しくない。教えたいのに、教えたくはない。
気が狂いそうだった。いっそ意識を手放してしまいたいのに、デマンドはそれすらも許してくれない。
「どうした?」
もう片方の手で器用にうさぎの秘部を弄りながら、デマンドが囁く。
「マーズを元に戻す方法がわかって、嬉しかろう。男の前で裸になって寝転がれば、全て解決だ。楽なものではないか」
「あ、あんらはひほ、一緒にしらいれ!」
男女の営みは、愛を確かめ合い、子供を作るための大切な行為だ。それを踏みにじるような発言は許せない。
まるで取引のように身体を重ねるなど、高潔なレイに出来るはずがないのだ。
「レイひゃんを……ばかにひないれっ!レイひゃんは、ふよくて、ひっかりしてて……」
「ほう。まだそんな口が利けるか」
映像を中断すると、彼は遠隔操作機を放り投げた。
仰向けになっていたうさぎの身体をくるりと反転させ、尻を高々と持ち上げる。
「ひっ!や、やああああっ」
今度は胸が背もたれに押し付けられ、背もたれの跡がくっきりと残った尻が、デマンドの顔に押し付けられた。
両腕で玉座を抱きながら、うさぎはイヤイヤと首を振った。左右のデマンドがその手を引き剥がし、手で男根を扱くことを強制する。
「ヴィーナスは、確かこんな体勢をさせられていたな?」
確認するように、背後に回りこんだデマンドが言った。慣らしもしていないうさぎの尻穴に、いきなり指を突き入れる。
「ひぁああっ!」
「──ほら、手がお留守だ。扱け」
左右のデマンドが、手の中に男根を滑り込ませてくる。ドクドクと脈打つ物体を、強引に握らせた。
自転車のハンドルでも握るように、うさぎはそれらをギュッと掴んだ。
「そうだ。手を休めるなよ。ゆっくりと前後に擦るんだ」
「うっ、ううう……」
あまりにも情けない姿だった。尻を突き出し全てを曝け出して、左右の手で男根を必死に擦っている。
時折、にわか雨のように精液が降りかけられた。左右のデマンドが交互に達するたびに、ビシャリと音を立てて背中が汚されていく。
不自然な体勢で頭に血が上る。大きく広げられた足の間からは、デマンドの股間しか見えない。
指で秘部を弄る男の動きが、段々と激しくなった。
「ひ、ひゃああああうう!も、もうやだあああ!」
泣き声を上げるうさぎを待っていたかのように、デマンドが己の屹立を取り出した。
掌でうさぎの尻を叩く。それはまさに挿入の合図だった。
「そろそろ入れるぞ。そこの男にも、しっかり見せてやれ」
入れる、という不吉な言葉に、うさぎの全身は粟立った。
衛以外の人間には許したことのない場所に、デマンドはしっかりと男根を当てていた。
「う……しろ、から……?」
硬く熱いものが、中心に押し当てられたのが判る。
硬く閉じていた花弁に、子供を作るための場所に、愛してもいない男が割って入る。尻が掴まれ、逃れることは出来ない。
「そ、それだけはやああああっ!」
自由にならない身体を揺すって、うさぎは泣き喚いた。
「誰か、誰かあああああっ!亜美ちゃん、まこちゃん、美奈子ちゃんっ!!」
どれだけ暴れても、叫んでも、声は虚空に吸い込まれていくだけだった。
その声が途切れると、今度は否が応でも耳に入ってしまう。タキシード仮面とエスメロードの喘ぎ声が。
706: ムーン陥落59 2006/07/09(日) 18:00:21 ID:y3QTuxQZ(15/22)調 AAS
「あっ、あっ、いいんっ、いいのぉ」
「くっ………はぁ、はあ、あっ……」
──エスメロード。
腰を叩きつけながら、彼は確かに、その女の名を口にしていた。愛の言葉や囁きよりも、ただ名前を口にする、というその行為が。
何より、彼の裏切りを意味してはいないか。無意識に放たれたその一言が、もう戻らない彼の思いを代弁してはいないか。
「や、あああああ!」
彼らの嬌声をかき消すために、うさぎは声も限りに叫んだ。
もう何も見たくない、聞きたくない。こんな現実など消えてしまえばいい。
「そうだ、そうやって喚くがいい。安全なところで守られていたプリンセスよ、少しはマーキュリーやヴィーナスの気持ちが判ったか?」
ずっ、とデマンドは腰を進めた。
固く締まっていた少女の蕾が強引にめくり開かれ、他者の侵入を許す。
「ひいいいーーーーっ!!」
大きく目を見開き、うさぎは背筋を反らす。
男根を握る両手に、ぐっと力がこもった。そうしていなければ、己を保ってはいられなかった。
熱い火掻き棒のような物体が、自分の中心に埋まっている。
(は、はいってる……入ってるよぉ!)
恋人以外のものを受け入れてしまった恐怖と羞恥に、少女はガクガクと震えた。
「ふっ……ははは!」
うさぎの悲鳴よりもむしろ、デマンドの笑い声の方が大きかった。
女を犯しながら笑う。それは、異常者としか思えない素振りであった。
彼の歪んだ思いを、心底理解できる者などいない。それを承知で、彼はどこまでも傲慢に笑う。
「さあ、こちらを向け、セーラームーン。俺を根元まで受け入れた姿を、あの男に見せてやれ!」
深く繋がったまま、デマンドはうさぎの身体を無理矢理起こした。うさぎの両手から男根が離れ、また新鮮な精液を振り掛ける。
「そら」
わざと荒々しく、デマンドは玉座に腰掛けた。膝の上のうさぎに、ドスン、と衝撃が伝わる。
「いやぁああああっ!」
男根が膣にめり込んだ。デマンドは、足を大きく広げさせた少女の格好を、タキシード仮面に見せつける。
白い下腹部に指を這わせ、愛しげに呟く。
「ここに、俺が入ってる。わかるか」
「いやっ、いやあああっ」
激しく首を振るうさぎの髪が、デマンドの顔をしきりに叩いた。
それすらも心地よいと言うように、彼は背後からがっちりと少女を抱きすくめる。そのまま、上下に動かした。
ギシッ、ギシッ。
古い玉座が軋みを上げる。その度に、うさぎの身体は玩具のように突き上げられ、揺れた。
「ま、まもちゃぁああん!や、やああああっ!」
どんなに手を伸ばしても、恋人には届かない。タキシード仮面は、エスメロードだけを見ていた。
「反応がないのはつまらんな。エスメロード、その男の意識をこちらに向けろ」
主に話しかけられたエスメロードは、快感に溺れながらもしっかりと返事をする。
「え、ええっ、はい、承知いたしました!」
タキシード仮面の身体を離して向き合うと、唇を重ねる。
「んっ……」
うさぎの心に、ピシリと亀裂が走った。悲鳴も一瞬止まってしまうほど、その口付けは濃厚で激しいものだった。
海鼠のような舌がタキシード仮面の口内を犯し、卑猥な音を立てる。
唇が離れると、彼はぼんやりした目でエスメロードを見つめた。エメラルドの女は、艶やかに微笑んで彼の首を玉座へと向ける。
「……うさこ……?」
ほんの一時だけ、彼は正気を取り戻したのだった。しかし、その視線の先には、デマンドに初々しい肉体を貫かれた月野うさぎの姿が。
707: ムーン陥落60 2006/07/09(日) 18:01:51 ID:y3QTuxQZ(16/22)調 AAS
「い、いやああああああーーーーー!!」
絶叫するうさぎの腰を支え、デマンドは楽しげに抽送を繰り返した。
「よく目に焼き付けておくんだな。お前の未来の妻が寝取られるさまを!」
「うさ……んむっ!」
叫ぼうとしたタキシード仮面の口は、再びエスメロードに塞がれる。二人して、床に倒れこんだ。
(まもちゃん……見ないでええ!)
床に押し倒されたタキシード仮面の目は、信じられぬものでも見るようにうさぎ達を見ていた。
視線が痛くて、死にそうだった。身体を貫く痛みより、その視線が何より痛い。
(違うっ!これは無理矢理だもんっ!あたし、あたしは、悪くないっ!)
レイと同じような思いを、うさぎは味わっていた。
その事実のみに重きを置いて、女の感情そのものは無視するようなことを、衛がするはずがない。
(でも、あたしは……まもちゃんを……)
エスメロードに犯されているタキシード仮面に同情するどころか、汚いと思ってしまった。そんなうさぎが、何を弁解できるというのか。
腰の動きが一段と激しくなる。突き上げられる度に、胸に走った亀裂が徐々に広がっていくのを感じる。
もう彼と恋人同士に戻ることは出来ない。両者の間に、どうしようもない溝が出来たことに気付いてしまった。
こんな事になるのなら、もっと衛に対して優しくするべきだった。甘えることばかり考えて、彼の気持ちを軽くすることが出来なかった。
つまらないことで意地を張って、心配をかけてばかりだった。
声の届かない恋人に、うさぎは心の中で告げる。
(ごめんね、素直じゃなくって)
いつもいつも夢の中で思っていることを、どうして口に出来ないのか。
───信じているの。
その一言を、衛は何より欲していたのに。
汚らわしいものでも見るような視線を、彼に注いでしまった。報いとしては、足りないくらいだった。
「さて……悲劇のヒロインに浸るのは、そこまでにしてもらおうか」
身体に刺さる楔の感触が、うさぎを現実に引き戻した。
「確かジュピターは、乳房を弄ばれたのだったな?」
思い出したようにデマンドが呟く。
すると、それまで事の成り行きを見守っていた背後のデマンドが、ゆっくりと組んだ腕を解く。
その手には、邪黒水晶のイヤリングが握られていた。正面を向いていたうさぎには、それが判らない。
耳朶に重みがかかることで、初めて気付いたのだった。
「う、痛い……」
両耳に、イヤリングがぶら下がる。耳朶が下がり、引き伸ばされた。
「うさぎの耳だ」
デマンドが耳元で笑う。
背後のデマンドから追加のイヤリングを受け取ると、うさぎの乳首にもそれを括りつけた。
「な、なにをす……うぐっ!」
パチンと螺子を締められ、乳首に重みがかかった。
視線を下におろすと、巨大な邪黒水晶の塊が、乳房を大きく引き伸ばしているのがわかった。
「や、やめて!お、おっぱいのびちゃ……」
すると、信じがたいことをデマンドは告げた。
「ジュピターも同じ目に遭ったのだ。お前は他人の気持ちを心から理解して共感することのできる、優しい娘だろう?」
幼い子に言い聞かせるような口調で彼は言い、ぐっと腰を押し付けた。
708: ムーン陥落61 2006/07/09(日) 18:04:06 ID:y3QTuxQZ(17/22)調 AAS
「あ、が…」
男根が膣にめり込み、おぞましい感触を覚える。
イヤリングの重みのせいでだらしなく伸びた乳房を、デマンドは背後から覗き込んだ。
「ずいぶん伸びるもんだな。巨乳になるかも知れんぞ」
「やあっ!取ってええええっ!」
取る代わりに、デマンドはうさぎの乳房を鷲掴みにした。餅でも捏ねるように、荒々しく揉みしだく。
「い、痛いよおおお!ま、まもちゃ……」
「忘れろと言っただろう!」
デマンドが腰を突き上げた。
膣の中をかき回される痛みと、乳首の痛みとが一緒になって、少女を混乱させた。
デマンドも混乱している。忘れてしまえと言いながら、わざと彼の存在を思い出させてうさぎを苦しめる。
彼にも、自分の心の真意が判らないのだろう。愛したいのか、束縛したいだけなのか。確かに、うさぎとよく似ていた。
(それでも、いや……嫌われても、あたしはまだまもちゃんが……)
思いは身体に出ていたらしい。デマンドが怒りをこめて、乳房をぎゅっと掴んだ。
「まだ逆らうか。いいだろう、子供が出来れば考えも変わる。カラベラスのようにな!」
ヴィーナスを苦しめた女の名が、うさぎの中で弾けた。
「お前を、ブラック・ムーン一族の王者の后として迎え入れる。これは、その儀式だ」
デマンドはつながったまま、玉座から腰を浮かした。他の三人のデマンドが、素早くうさぎを取り囲む。
「ぎ、しき……」
痛みで朦朧としたうさぎが呟く。
「そうだ。このまま部屋を一周し、交わりと同時に、お前の額に刻印を焼き付ける。それから──」
立ち上がったデマンドは、背後を振り返った。
「あの壷の中の精液をお前の子宮に注ぎ込み、儀式は完了だ」
目の前が真っ暗になるとは、まさにこういう事を言うのだろう。
(そんな……こと、って……)
部屋中に視線を動かす。
タキシード仮面は、既にエスメロードのあやつり人形に戻っていた。彼らの喘ぎ声をバックコーラスに、デマンドはうさぎを抱えて部屋を歩き出した。
デマンドが歩くたびに、うさぎの膣にガクガクと振動が伝わった。繋がった部分から、愛液がとめどなく滴り落ちる。
左右のデマンドは、うさぎの傍にぴったりと寄り添った。背後のデマンドも同様に、うさぎを監視している。
異様な光景としか言いようがなかった。部屋の中心では若い男女がまぐわい、部屋の四隅には邪黒水晶の塊。それを辿るように、少女を抱えた青年が歩いている。
やがて、部屋を一周し終えたデマンドは、部屋の中心にかがみ込んだ。
まるで女性が放尿でもするような姿勢になると、うさぎの耳に口を寄せて囁く。
「長年溜め込んだ思いだ。受け取れ」
彼の執着すべてが、その言葉に込められている。
「い、いや……中はいやああっ!」
この男の子供など、考えるだけでも汚らわしい。
しかし、事実は既に始まっており、少女は逃れる術を持たなかった。
激しく抵抗するうさぎの腰を掴むと、デマンドは冷静な仮面をかなぐり捨てた。
「無駄だ。確実に孕むまで、何度でも出してやる」
「や、やめてっ!銀水晶なら、あげるから、あ、あげるからあああっ!」
自分の立場も忘れて、うさぎは泣き叫んだ。地球を守るべきプリンセスなど、もはやどこにもいない。
デマンドは口を歪めた。
「俺が欲しいのはお前だ。銀水晶などおまけに過ぎん」
まるで嬉しくない告白に、うさぎは打ち震えた。
「だ、だったら……せめて、まもちゃんと、みんなだけでも帰してあげて……」
今の彼女を支えているのは、仲間の存在だけだった。しかしデマンドは残酷にも、少女の訴えを踏みにじる。
「出来ない相談だ。お前以外の月の一族は殲滅する」
709(1): ムーン陥落62 2006/07/09(日) 18:05:51 ID:y3QTuxQZ(18/22)調 AAS
「そんなっ……そんなあっ!」
うさぎの目から涙が溢れた。イヤリングで引き伸ばされた耳朶と真っ赤な目は、本物のうさぎのようだった。
デマンドはうさぎの腰をしっかりと捕まえると、一番奥まで強く突き上げた。
「やだ、やだやだやだーーーーーー!」
駄々を捏ねるようなうさぎの仕草を愛しく感じたのか、デマンドが目を細める。
ゆっくりと伸ばす手のひらには、ブラック・ムーンの証である逆三日月があった。
「喜べ。マーズと同じになれるぞ」
「いやああっ!」
手を翳しているだけでも、猛烈な熱気が伝わってきた。
デマンドの手はうさぎの額を狙っていた。そこに浮かぶ三日月の印を消し、代わりにこれを焼き付けようというのだ。
「そ、そんなひどいこと……しないでっ!おねがい、な、なんでもするからっ!それだけは……」
「マーズはそんな風には媚びないと思うがな」
ぽつりと告げられた一言に、うさぎは息を呑んだ。
(レイちゃ……)
気を抜いたうさぎの額に、デマンドの掌が押し付けられる。
「う、アアああああーーーーーーーーー!!」
部屋中に轟く絶叫に、さすがにエスメロードも振り返った。
うさぎにはそちらを見る余裕などない。熱くて、痛くて、体が壊れてしまいそうだった。
額からは、白い湯気のようなものが上がっている。アイロンを押し付けられているような痛みに、うさぎはひたすら、喉から壊れた音を発する。
「まぁ……」
エスメロードの呟きが耳に入った。
「ついにこの小娘が女王になるのね。うらやましい、こと……」
その声に滲む怒りに気付く間もなく、デマンドが次の行動に移る。男根の先端から、溜め切れなくなった精液が噴出したのだ。
「孕め」
ビュルルルッ!
残酷な宣告とともに、うさぎの膣の奥深くで、射精が行われた。柔らかい未発達な子宮の内側にまで、精液が飛び火する。
「あひいいいーーーっ!あ、赤ちゃんできちゃうーーーーっ!」
そんな叫びも、余計にデマンドを悦ばせるだけだった。
ドクドクッ!ドクッ!
音を立てて精液が奥へ送り込まれる。
かつてネオ・クイーン・セレニティに追いやられた暗黒の一族全ての怨念が、今、何も知らない過去の少女に襲い掛かったのだった。
それは果たして正しいことなのか。避妊具という名の防壁もないままに射精されたのは、少女にとって初めての経験だった。
友人を傷つけられ、恋人の心を離され、女としてのプライドまでも引き裂かれ、うさぎの心は崩壊寸前に追い詰められていた。
中出しされた精液が、子宮に向かうのがわかる。うさぎの意思とは裏腹に、妊娠のための準備を、体が勝手に始めている。
「あ、がぁ……うぁああ……」
口から涎を零しながら、うさぎはがっくりとうつ伏せになった。
今の彼女に、罪はないのだろう。だが未来の彼女は、まやかしの光で人々を惑わした。償うのが今である必要があるのか。
「気絶するほどよかったか?だがまだ早い」
(ま、まだ……?)
デマンドの射精は終わらなかった。
うさぎの下腹部は妊娠したようにぽっこりと膨らみ、いやらしい水音を漂わせていた。
「あ、赤ちゃん……やらぁ、やだ……まもちゃ…びなちゃ…あびちゃ…まご、でいじゃ…」
呂律がまわらないうさぎの膣を、再び衝撃が襲った。
萎えたはずの男根が、またむくむくと起き上がって射精の準備を始めている。
「こんなものでは終わらん。孕むまで続けると言ったはずだ」
うさぎの眼差しはぼんやりとして、光を宿していない。
痛みの感覚も麻痺していた。額にはくっきりとブラック・ムーン一族の証が焼きつき、彼女が堕ちた事を示していた。
床に落ちた尻が、強引に持ち上げられる。依然としてイヤリングが下がったままの乳房が、びいんと伸びた。
「あ、かあああ…ら、らめぇ……お、おっぱい…」
少女は、正常な思考を失いつつあった。
自分を取り囲む四人のデマンドも、身体の中で膨れている男根の感触も、全てを受け入れてしまえば楽になれると思い始めた。
710(1): ムーン陥落63 2006/07/09(日) 18:07:53 ID:y3QTuxQZ(19/22)調 AAS
「しっかりしなさい、うさぎっ!!」
凛とした少女の声が耳を打ったのは、その時だった。
朦朧としていたうさぎの意識は、一気に覚醒する。
扉が開け放たれ、寝巻き姿の黒髪の少女が、そこには立っていた。
その両脇を固めるように、ペッツとコーアンがいる。うさぎは、レイの背後に紅蓮の炎を見た。変身能力を封印されても、レイはどこまでもレイらしかった。
(れい、ちゃん……)
彼女の目は、うさぎをしっかりと捕らえていた。目を逸らすことも、軽蔑の視線で見ることもしなかった。
大切な友人の炎が、少女の涙を乾かす。変身など出来なくても、それは紛れもなくレイ自身の力だった。
「どういうつもりだ、お前たち。儀式の最中だぞ」
不機嫌を隠そうともせずに、デマンドが半身を起こす。
うさぎにも事態が飲み込めなかった。どうして、ペッツたちがここにいるのか。
「セーラーマーズの刻印を消すのが先です」
いっそ穏やかとさえ言える口調で、ペッツが告げる。
「そうですとも、事を急ぐとはデマンド様らしくありませんわ。ちゃんと本当のことを教えて、セーラームーンをより苦しめて差し上げなくては」
カツン、と靴底を鳴らしながら、姉妹は笑う。
うさぎは呆然としていたが、レイもそれは同様だった。困惑した顔で姉妹を見つめている。
コーアンはレイにちらりと目を向けると、いつものように嘲りの言葉を吐いた。
「かわいそうに、何も知らずに……お前にはこれから、刻印を消すための儀式を行ってもらうわ」
「な…!」
部屋の様相を改めて見回し、レイが非難の声を上げる。
「これのどこが儀式なのよ!あんたたち、出鱈目もいい加減にしなさいっ!」
「なるほど、気の強い女だ」
デマンドが冷たく言い放ち、うさぎから離れた。
結合部分が擦れ、開いた秘部から愛液が溢れ出した。まるでお漏らしのような状態に、うさぎは悲鳴を上げるゆとりもない。
「うう。くっ……」
枯れすぎて涙も出ない。汚された身体を抱きしめ、床の上で震えるうさぎに、レイが駆け寄った。
ペッツもコーアンも、それを止めなかった。セーラー戦士たちになおも降りかかる残酷な運命を感じ取り、自分たちが手を下すまでもないと思ったのだ。
「うさぎ!」
「触れるな」
デマンドが壁となって、レイの前に立ちはだかる。
レイの炎のような目と、デマンドの氷の視線がぶつかった。両者は一歩も譲らない。
「何よ、文句あるの!死んでもうさぎは守るわよ!」
叫びながらも、レイの両脚は震えていた。それを見るデマンドの顔には『理解不能』と書いてある。
「レイひゃん……に、逃げて……」
「その様子では、刻印を消す方法を知ったようだな。実行するつもりか?」
デマンドの問いに、レイはしっかりと頷いた。
「ええ」
うさぎは驚きに目を瞠る。
(そんな…レイちゃん!!)
刻印を消すために、好きでもない人間と身体を重ねる。そんな事がレイに出来るとは思えなかった。
「同情はしないで、うさぎ。あたしはセーラー戦士よ。もう一度変身するためなら、なんでもするわ」
「そんな…!」
もともと直情的なレイだったが、この行動はあまりにも判断力を欠いている。
戻りたい、などと、敵の前で正直に口にしてはいけない。無事に刻印が消えても、変身する前にあやかしの四姉妹に殺されては、元も子もないではないか。
いっそ彼女たちの仲間になった振りでもすれば、命の危険だけは免れるはずなのに。
711: ムーン陥落64 2006/07/09(日) 18:11:55 ID:y3QTuxQZ(20/22)調 AAS
レイはひたすらデマンドの顔を睨みつけた。
「あんたが親玉ね。今すぐあたしたちを解放して、銀水晶も返しなさい!」
「犯された男に守られておきながら、図々しいことだ」
デマンドの皮肉にも、彼女は怯まなかった。
「何とでも言って。ルベウスがあたしを利用したように、あたしがあの男の力を利用して何が悪いの!」
祈祷で鍛えられた張りのある声が、陰湿な空気を吹き飛ばすかのようだった。開き直ったような彼女の口調に、うさぎは目の覚める思いがしていた。
いつも意地悪を言うので、喧嘩ばかりしていた少女。しかし、彼女の言う事にはいつでも芯が通っていて、気持ちがいい。
うさぎはそんなレイが大好きだったのだ。
(レイちゃん、レイちゃん……)
すがり付いて泣き出したい衝動に駆られながら、うさぎは肩を震わせた。
だが────。
「もう遅い」
レイの肢体をじっと眺めていたデマンドが、やがて低く告げた。
ワイズマンに授かった『邪眼』の力が、彼女を外側から透視していたのだ。戦いの神、セーラーマーズの体内で起こっている劇的な変化を。
「お前はセーラー戦士どころか、普通の女にも戻れん」
決め付ける態度に、レイは片眉を上げた。
「どういう……」
まさに、その瞬間のことだった。
「う、ぐううっ!」
突然、レイは口元を覆って奇妙な声を上げた。
健康そのものに見えた顔色が、見る見るうちに悪くなり、彼女はその場に膝を折った。
デマンド以外の誰もが、予想もしていなかった事態だった。くず折れたレイは、床に激しく嘔吐した。
黒く磨かれた床に、酸っぱい胃液の匂いが漂い始める。
呆然として動けずにいるペッツたちの背後から、一人の女性が風のように飛び出してきた。
「セーラーマーズ!!」
カラ
ベラスだ。
彼女は姉たちを押しのけ、素早くレイの傍らに屈みこんだ。
慣れた仕草で、背中を摩ってやる。
「触らないでっ!」
吐き気と戦いながら、レイはカラベラスの手を振り払う。
美しい黒髪の少女の口から、吐瀉物が次々と溢れ零れ落ちる。吐くものがなくなったのか、やがてそれは胃液だけになった。
うさぎは、何の芝居が始まったのかと、この場にいながらもそんな馬鹿なことを考えていた。
(これ、なに…?)
レイが吐いて。
カラベラスが介抱しようとしている、これをどう受け止めれば良いのか。
「敵の手なんか借りない!あたしは、あたしは……っ!」
レイの叫びは悲痛だった。
皮肉なことに、友人であるうさぎよりも、カラベラスの方が彼女の気持ちを理解しているようだった。『わかる』とでも言うように、何度も何度も頷く。
(なんで……?)
うさぎには、わからない。
712(1): ムーン陥落65 2006/07/09(日) 18:16:08 ID:y3QTuxQZ(21/22)調 AAS
「いいから、こっちへ!今は敵も味方もないわ!」
拒絶されたことを怒りもせずに、カラベラスはレイの身体を軽々と抱き上げた。出産して間もないとは言え、やはり人間の女性とは体力が違いすぎる。
従うべき主の前で体調に頭を下げ、彼女は言った。
「デマンド様、御前を失礼致します!すぐに立ち去りますから!」
続いて彼女は、凛とした顔を姉たちに向けると、きびきびと指示を出した。
「お姉さま、私の部屋にお湯を運んで!コーアン、ぼうっとしていないでここを片付けなさい!」
長女のペッツも、ようやく事態を理解したらしかった。衝撃を無理矢理飲み込み、妹に押されるままに頷く。
「わかった……」
凭れ掛かっていた扉から背中を離し、いずこかへと消える。
コーアンには、未だにわかっていない。
「え、え、お姉さま方?どういうことですの、何故そんな豚を」
「早く拭くものを持ってきなさい!」
カラベラスにどやされ、コーアンは竦み上がる。
セーラー戦士のために三人となってしまった四姉妹は、その憎いセーラー戦士を助けるために、機敏に動いていた。
床に落ちたものを、コーアンが綺麗に拭き清め、カラベラスがレイの身体を布にくるむと、彼女たちの姿は扉の向こうに消えた。
(なんなの……?)
目に光の戻らない状態で、ぼんやりしているうさぎの耳に、入ってくる声があった。
「まぁあ……」
タキシード仮面の上に跨りながら、エスメロードが感心したように呟く。
「ルベウスったら、腰抜けだと思っていたけど。やる時はやるじゃないの」
(なに……?)
その言葉は、うさぎの中で虚しくコロコロと転がるだけで、正解を弾き出してはくれない。
全てが蚊帳の外だった。うさぎの知らないところで、四守護神は道を違え、うさぎの手の届かないところへ向かっている。
デマンドは、やや呆れたようにペッツたちの消えた方角を振り返る。
「あいつらも、女なのに、気づかなかったのか。そういうものなのかも知れんが……」
(なに?何を言っているの?)
近くにいる彼らの存在が、今は酷く遠い。
レイが、吐いた。
ただそれだけの事なのに、何故そこまで大騒ぎする必要があるのか?
あやかしの四姉妹が、何故レイを助けるのか?
(どうして?なんで?)
いや、本当はとうに気付いている。うさぎの心がそれを認めたがらないのだ。
友人も恋人も、自分だけのモノ。それが否定された時、少女のまやかしの光は行き場をなくす。
「カラベラスに続いて、おめでたいことだな」
感情のこもらないデマンドの声を、うさぎは信じられない思いで聞いていた………。
713: 2006/07/09(日) 18:17:06 ID:y3QTuxQZ(22/22)調 AAS
>>712
×体調に
○丁重に
あと1話で終わります。
714(1): 2006/07/09(日) 19:23:41 ID:wdiXGqUE(1)調 AAS
GJです 結末が楽しみです
715: 2006/07/09(日) 19:59:30 ID:BzPR/J+i(1)調 AAS
いよーーーーーーーぉぉぉぉおおおっ!
まってまむぁぁああああっしたぁぁぁぁっ!!!
716: 2006/07/09(日) 20:13:00 ID:jYdNnn1I(1)調 AAS
一万と二千年前から待ってました!激しくGJ!
カラベラスとルベウスおいしいな
717: 2006/07/09(日) 20:37:35 ID:9BJMVPvg(1)調 AAS
レイ妊娠キタ━━(゚∀゚)━━!!
718(1): 2006/07/09(日) 20:55:33 ID:V9jtf8fb(1)調 AAS
GJ!待ってました!
719: 2006/07/09(日) 22:21:19 ID:+ZHWdIh0(1)調 AAS
今まで四守護神がされてきたことが、まとめてうさぎの身に降りかかるところがいい
四人分+衛の苦しみを味わっているわけだな
720(1): 2006/07/10(月) 00:35:48 ID:BCRt219M(1)調 AAS
うさぎは一人ぶんですよ。
みんなそう。
721: 2006/07/10(月) 00:44:08 ID:fZjmN4v6(1)調 AAS
これだけキャラが多いのにどいつもこいつも魅力的だ
722: 2006/07/10(月) 00:49:42 ID:zPb2L2aH(1)調 AAS
>レイの炎のような目と、デマンドの氷の視線がぶつかった。
>両者は一歩も譲らない。
レイvsデマンド、カコイイ
723: 2006/07/10(月) 00:50:22 ID:eSOGa8Pa(1)調 AAS
ふと思ったのだが、このままデマンドが本願成就してしまうと、
続編はブラックムーン一族がデスバスターズやデッドムーンやギャラ様を迎え撃つ展開になるのかな?
ワイズマンあたりにピュアな心の結晶があるとは思えんが。
ほたるちゃんにコロッと転ぶデマンドなんてのもいいかもしんない。
あるいはカオリナイトと張り合うエスメロードとか、フィッシュアイに追っかけられるサフィールとか、
地球防衛に立ち上がる土萌教授とか。
724(1): 2006/07/10(月) 00:51:21 ID:/sQ96Vjg(1)調 AAS
>フィッシュアイに追っかけられるサフィール
ワロスw
725: 2006/07/10(月) 01:03:05 ID:adA/i1ag(1)調 AAS
>>704
>「ねえ、バザール」
>「サフィールだ」
吹いたじゃねえかwwww
726(1): 2006/07/10(月) 10:54:41 ID:XGchmT16(1)調 AAS
生き残った者が次の侵略者と戦う過酷なサバイバルマッチ。
それが美少女戦士セーラームーンの世界観なのか。
727: 2006/07/10(月) 14:05:02 ID:vmrpPJXS(1)調 AAS
一気に読んでしまった・・・本当にすごいわこれ。
728: 2006/07/10(月) 16:55:14 ID:r2ZuqNCG(1)調 AAS
続きっ!続きっ!
729: 2006/07/10(月) 18:16:03 ID:CxnirqpI(1)調 AAS
今回のは今までで一番長かったな。
それなのに最後までガーッと読めてしまう
730(1): 2006/07/10(月) 20:12:05 ID:whAtEcZE(1)調 AAS
>(ごめんね、素直じゃなくって)
>───信じているの
これは、OP歌詞からのものだよね?
細工が凄すぎる。 素敵な文章に触れられて光栄だよ。
731(1): 2006/07/10(月) 20:41:59 ID:heXrcJJn(1)調 AAS
>>726
つーか
侵略者側が勝ったら、そこまでですよ。
732: 2006/07/10(月) 20:46:28 ID:4dgZQkEs(1)調 AAS
レイちゃんがとにかく素晴らしかった
733: 2006/07/10(月) 21:19:58 ID:Cr0iXBel(1)調 AAS
>>730
気づかんかった!!!!
レイの炎に焼かれて逝ってきます
734: 2006/07/10(月) 21:58:35 ID:iuki7jT0(1)調 AAS
20レスもあるのに少しも読むのが苦にならない、むしろもっと読みたいと思ってしまう…
魔法ですか?
735(1): 2006/07/11(火) 00:42:58 ID:qMcSiP9e(1)調 AAS
SSの範疇を超えて中篇ぐらいの分量なのに、
読み終えて思うのは「たったこれだけ?!」だもんな。
>>731
そんな身も蓋も無い事をw
ここはひとつ新番組「美青年革命家プリンスデマンド」開始と言う事でお願い。
独裁者ネオクイーンセレニティの世界征服の野望はデマンドの活躍により未然に防がれた。
邪悪なセーラー戦士たちは家畜化され、地上には束の間の平和が訪れていた。
しかし、既に異次元侵略者デスバスターズは密かに巣くっていた。
更には新たにセーラー戦士を名乗る敵も現れ、我だがプリンスに攻撃を仕掛けてきた。
三つ巴の戦いは、やがて一人の少女の争奪戦のう様相を呈し始める。
少女への偏愛には絶対の自信を持つプリンスの力は、しかし、
極度のファザコンとロリコンとレズッ気をあわせ持つ少女の前には蟷螂の斧に過ぎなかった。
そして遂に覚醒した少女は静かに鎌を振り下ろした・・・・・・・・・・・・
続編は「美少女救世主セーラーサターン」
736: 2006/07/11(火) 01:47:06 ID:Vk9tjO7L(1/4)調 AAS
>>700
737: 2006/07/11(火) 01:54:37 ID:Vk9tjO7L(2/4)調 AAS
>>697
738: 2006/07/11(火) 01:59:59 ID:Vk9tjO7L(3/4)調 AAS
>>703
739: 2006/07/11(火) 02:07:46 ID:Vk9tjO7L(4/4)調 AAS
>>709 >>710
>>714
>>718
>>720 >>724
740(1): 2006/07/11(火) 07:45:19 ID:jutQVaBd(1/2)調 AAS
>>735
宿題は終わったのか?
741: 2006/07/11(火) 10:44:57 ID:3paSjXAR(1)調 AAS
>>740
8月31日にまとめてやるよ、おじさん。
742(1): 2006/07/11(火) 13:47:30 ID:5Otte37j(1)調 AAS
こんなすごい話の最終話投下待ちの状態で次回作の注文を出したり、急かしたりするすることはないでしょう。最後なんだからじっくり楽しみましょうよ。
作者様乙です。待たされれば待たされるだけの値打ちがあるということがわかりました。素晴らしいエンディングを楽しみにしつつまったり待ってます。
743(5): 2006/07/11(火) 13:49:24 ID:6ZvJW08S(1)調 AAS
>>395
>膣で射精されたわけではないから、妊娠の心配はなし。
孕ませ好きとしてここだけどうしても気になった
カウパーだけで妊娠することもあるよ
744(2): 2006/07/11(火) 17:24:46 ID:jutQVaBd(2/2)調 AAS
え、尻穴でも妊娠するのか?
745: 2006/07/11(火) 18:00:45 ID:b551j4RQ(1)調 AAS
>>743-744
ワロタ
746: 2006/07/11(火) 18:08:50 ID:OlWdKi+W(1)調 AAS
>>742
>素晴らしいエンディング
どっち方面に素晴しいんだよ!
747: 2006/07/11(火) 18:09:59 ID:PlTaaGu+(1)調 AAS
>>743
まこちゃんはまだ処女だぞ。
748: 2006/07/11(火) 20:11:08 ID:eY1kYhWt(1)調 AAS
このスレに出会えて良かった。
エロパロだけど、もうそんな次元の物語じゃないと思う。
神様、ありがとう。
749: 2006/07/11(火) 21:14:29 ID:098Roltq(1)調 AAS
>>743
そもそも膣には入れてない
>>744
ちょwwww
750: 2006/07/11(火) 21:30:25 ID:/NNV1qIo(1)調 AAS
>>743
yondenaidaro omae
751(1): 2006/07/13(木) 23:47:54 ID:xx/g6uMA(1)調 AAS
次の話ではカラベラスとマーズの絡みに期待
バザールとペッツとヴィーナスにも期待
752: 2006/07/13(木) 23:53:48 ID:4TIcz384(1)調 AAS
>>751
>バザール
ちょwwwお前wwwww
753: 2006/07/14(金) 01:25:07 ID:WXw2q6QM(1)調 AAS
バザールでござーるー♪
754: 2006/07/15(土) 11:39:30 ID:dlE+/oW/(1)調 AAS
サフィールはバナナが好物
755(2): 2006/07/15(土) 14:36:05 ID:pVkQq6gt(1)調 AAS
ネメシスにそんなものあるのか?
756: 2006/07/15(土) 14:37:45 ID:giBldeav(1)調 AAS
バザール絶命!
バナナマンの罠
757: 2006/07/15(土) 16:45:12 ID:+bl6MB4F(1)調 AAS
>>755
男ならバナナの1本や2本
758: 2006/07/16(日) 00:03:26 ID:eq0pHouK(1)調 AAS
>>755
エロパロ板でバナナの話題が出たってのにお前って奴は…
759: 2006/07/16(日) 09:55:02 ID:lDLrm/K6(1)調 AAS
>>743
( ´,_ゝ`)
760: 2006/07/16(日) 14:12:08 ID:1+mTWWFa(1)調 AAS
( ´,_ゝ` )
761: 2006/07/16(日) 15:57:05 ID:VBgw+E2Z(1)調 AAS
連休明けに投下かな?(・∀・)
762(3): 2006/07/16(日) 18:51:56 ID:Emw0DHwx(1)調 AAS
画像リンク
これがデマンドに犯されたうさぎの成れの果てだな
763: 2006/07/17(月) 02:25:46 ID:qD1c6JlS(1)調 AAS
>>762
これって…アツゲッショ?
764: 2006/07/17(月) 15:31:17 ID:Fy36J8Hb(1)調 AAS
デマンドって設定資料によると18歳なんだな…
18で人妻に横恋慕して中2の少女を拉致監禁。
リアルで考えてみるとかなり危ないな。
765(1): 2006/07/17(月) 15:54:44 ID:md9vELDb(1)調 AAS
でも王子としての自覚と責任があるからな
罪に問われた途端「ぼくたん18だからわかんなーい」と言ったりはせんだろ
766(1): 2006/07/17(月) 21:02:36 ID:0QXsRkTh(1)調 AAS
拉致した後、ドレス着せてんだから紳士的といえば紳士的
767: 2006/07/17(月) 22:10:34 ID:UZqUkOmT(1)調 AAS
>>766
強姦した後食事をおごれば罪にはならないと言う考え方かw
768(4): 2006/07/17(月) 22:14:01 ID:3TxIKE+G(1)調 AAS
ここの神様の実力はただただ素晴らしい。
しかしこの流れでいくと、S編のキャラ、例えばサターンとかネプチューンを出すのは難しそうだ。
俺が身の程知らずにも下手な小説モドキを書くにしても、ハードルが高い。
デマンドにしろルベウスにしろ、R編には相手役を振るのに格好の男役がいた。
でもサターン達が出るS編だと、そういうのが居ないからね。
769: 2006/07/17(月) 22:19:08 ID:icEFoHqT(1)調 AAS
>>765
力づくで犯せば女は言いなりと思っているんだろう。
自分は正しいと思い込んでいるから罪に問われるとも思っていないだろうし。
770: 2006/07/17(月) 23:43:42 ID:yCKsmXyt(1)調 AAS
>>768
「実は俺も書いてるんだけど〜」みたいな誘いうけは気持ちが悪いのでやめろ
投下してからから言ってくれ
771: 2006/07/17(月) 23:54:56 ID:uP7SVBWs(1)調 AAS
>>768
>俺が身の程知らずにも下手な小説モドキを書くにしても、ハードルが高い。
なんでこういう余計な事を書いて気を引こうとするのかもしくは「そんなことないぞ!」と言ってもらいたがるのか
自分にはわかりません
SSできたら投下。誰も止めない、さぁどうぞ
772(4): 2006/07/18(火) 00:05:49 ID:4jnlS1Yh(1)調 AAS
>>227
>>526
>>768
レスついでに自分の売り込みかよおめでてーな
感想と自己顕示は、きっちり分けるのがマナーじゃないのか?
「俺も書いてるけど下手だからwww」
だったらレスすんなボケ
773: 2006/07/18(火) 02:13:15 ID:s6b6s6qg(1)調 AAS
>>772
大昔のレスを今更掘り返すあなたはドン亀
774: 2006/07/18(火) 02:24:18 ID:v+0RErf9(1)調 AAS
SM板で書いてる(書いてた?)人も混じってるけどね。
あっちはこっちのと入れ替わりみたいにパッタリ止まっちゃってるが。
つうか、>>772はよく探し出した。至近レスも読まない連中が多い中、ある意味尊敬する。
775: 2006/07/18(火) 12:20:11 ID:IeaB1cKN(1)調 AAS
捜し出すっつうか、前から言おうと思って我慢してたことが、ここにきて爆発したように見受けられた
776: 2006/07/18(火) 20:19:55 ID:2Mikpall(1)調 AAS
俺も前から気になってた
わざわざ自分が字書きだとアピールすんなよw
投下があるならまだしも、このスレで何も書いてない奴が。
>>772
2行目に特に同意
777: 2006/07/18(火) 21:08:35 ID:PnyDMGPl(1)調 AAS
脳内字書きなんだろwww
778: 2006/07/18(火) 22:16:24 ID:FxemCXuN(1)調 AAS
>>772
三つとも頭の悪そうな、つーか幼いレスだな。これで21過ぎてるのか。
>>768は3行目さえなければ…
779(1): 2006/07/19(水) 18:47:41 ID:HkPDuMnz(1)調 AAS
人の揚げ足とってどうすんだよ、みっともない。
そういうこと言ってると書き手が確実に減るぞ。
後押しすりゃ踏ん切りついて投下してくれるかも知れないのに。
所詮はエロパロ板に巣くっているもの同士、マターリしようよ。
オレは投下を待ってるよ!
780(1): 2006/07/19(水) 22:46:01 ID:ed1lDBtn(1)調 AAS
真面目な指摘を茶化してどうすんだよ、みっともない。
そういうこと言ってると確実に厨房が増えるぞ。
耳に痛いレスも受け入れることで過ちに気付くかも知れないのに。
所詮は2ちゃんに巣くうもの同士、またーり批判し合おうぜ。
俺はまともな反論を待ってるよ。
781: 2006/07/19(水) 22:53:52 ID:AWmXo3E1(1)調 AAS
ワロタ
782: 779 2006/07/19(水) 23:09:08 ID:I0sMIIoW(1)調 AAS
>>780
上手いねあんた。
ただ、マナー云々と言っといて「ボケ」で締めるのは言行不一致かと。
それが2chだと言えばそれまでだが。
オレもエロパロ板でなにいってんだか。
783: 2006/07/19(水) 23:19:12 ID:R+zxRHBM(1)調 AAS
人の揚げ足とり=俺様の気に入らないツッコミ
みっともない=気に入らない
真面目な指摘=俺様の指摘
茶化す=気に入らないツッコミ
耳に痛いレス=俺様のレス
過ちに気付く=俺様の言う通りにする
まともな批判=俺様に賛同したレス
どっちもどっち。
次回は最終回ですね。デマンドが本願成就出来ますように。
784: 2006/07/19(水) 23:25:28 ID:Gf7VPNEI(1)調 AAS
いちばんうざいのは自治厨
785(1): sage 2006/07/19(水) 23:32:42 ID:iw9wvEKG(1/2)調 AAS
もう491KBだが、次の神の投下には容量が少ないんじゃ…
次スレ立てた方がいいと思うが、どう思う?意見ヨロ。
786: 2006/07/19(水) 23:34:55 ID:iw9wvEKG(2/2)調 AAS
すまん、ageちゃった。
787(1): 2006/07/19(水) 23:36:26 ID:Er2xVEr+(1)調 AAS
ちょうど二次元板でも似たよな話題になってるケド、雰囲気は随分違うね。
住人の棲み分けが出来てるのかな?
SM板は神がお隠れあそばしてすっかり過疎っちゃってるし・・・・・・・・
セラムンスレに平和と繁栄を共に求めるのは無理なのかな。
セラオタって昔ッから本当に議論好きと言うか、仕切り好きというか、
派閥争いと言うか、とにかく揉めるのが好きだよなぁ〜(´・ω・`)
788: 2006/07/19(水) 23:55:34 ID:c685yVkm(1)調 AAS
お隠れって…別に芯でねえ氏
おまけに、こっちに嫌味なレスする余裕があるじゃねーかw
789: 2006/07/20(木) 00:20:24 ID:fBFtdHGa(1)調 AAS
>>787
正直別スレの話題はやめてくれないか、荒れる元だし…
まぁ本人がのこのこ現れた時点で終わってるが。
790: 2006/07/20(木) 01:40:08 ID:BWvunkye(1)調 AAS
うみゅ。
半年ROMる事にする。
791: 2006/07/20(木) 15:04:52 ID:eaY2Jpqf(1)調 AAS
>>785
立てた方がよろしいかと。
792: 2006/07/20(木) 15:44:28 ID:xggcShY5(1)調 AAS
おっ立てた
セーラームーン総合スレッド3
2chスレ:eroparo
793: 2006/07/22(土) 08:48:07 ID:qYvgcMFV(1)調 AAS
hosyu
794(1): 2006/07/22(土) 11:43:58 ID:qpBCv5NI(1)調 AAS
後ろから突っ込んだまま抱えて歩くのって可能なんですか
795: 2006/07/22(土) 13:38:00 ID:XP2wfXkM(1)調 AAS
俺はやったことある
796: 2006/07/22(土) 16:46:19 ID:mQRisx6h(1)調 AAS
>>794
二人の体格や体重次第じゃね?
797: 2006/07/22(土) 18:58:15 ID:kl7V5vhn(1/2)調 AAS
頭がフットーのAA貼りたくなったw
あれは前からだけどな
798(2): 2006/07/22(土) 19:10:14 ID:TbFVOoxQ(1)調 AA×
799: 2006/07/22(土) 20:46:37 ID:kl7V5vhn(2/2)調 AAS
>>798
ちょwwwwジュウシマツwwwwwwwwww
800: 2006/07/23(日) 00:19:05 ID:nUkrPzeG(1)調 AAS
神はまだかな
せめて七月中には‥
801: 2006/07/23(日) 01:10:03 ID:wThOzzLR(1/2)調 AAS
責めて十番中には・・
802: 2006/07/23(日) 01:18:43 ID:5uaiN8lu(1)調 AAS
>>798
クマー&ヌケド以外にこんな変種もあったんかいw
803: 2006/07/23(日) 13:25:14 ID:KCWqrrmI(1/2)調 AAS
確かムスカのもあったな
804(1): 2006/07/23(日) 14:17:10 ID:wThOzzLR(2/2)調 AAS
それは羨ましい光景だった。
マンションというかオクションのお風呂の中で
四人の美少女が透け透けのセーラー服を身にまとって一人の男に密着しているのだ。
「蒸暑い……。クーラーが欲しい。」
男はとんでもなく贅沢な事を口走っていたが、
それは羨ましいとしか言い様が無い状況だった。
正面からお団子頭の女の子が抱きつき、発展途上の胸をこすりつけている。
金髪をリボンでまとめた美少女が男のむさくるしそうな股間に頭を埋めている。
清潔な短髪で真面目そうに見えるのに三連ピアスをした不良娘が
問答無用にキスをして口を塞いでいる。
男を後ろからポニーテールな怪力美女が押えつけている。
そして黒髪の見るからにサデスティックな娘が薄笑いを浮べながら、
全員に鞭をふるっているのだ。
男は反応している。
女達を庇うかのように体を動かそうとしている。
だが四人の美少女はそれを許さない。
がっちりと彼をガードしている。
黒髪の少女が浴びせるムチは四人の体を通して振動となって男に伝わっている。
ひくっひくっ。
血だらけになった傷口を更に狙って執拗に振り下ろされるムチの嵐。
そのたびに震える四つの体。
それはあの男にとって一種の快感のようだった。
美少女達が痛みで体を震わせるたびにあの男の局部は奮立って脈打っていた。
好奇心から水野さんの部屋を双眼鏡で覗いた俺にとって
とても許せる行為ではなかった。
今日は丑の日だ。
うなぎを食ってからあそこに押しかけてやる。
805: 2006/07/23(日) 14:21:47 ID:8ECBMmUd(1)調 AAS
あやしいまものの瞳を持つ俺は
恐ろしい五人の美少女に拉致されてしまいました。
主犯格のお団子頭を先頭にして五人は俺を風呂場に連込んだんです。
優しそうな・それでいて厳しそうな少女が俺に水を被せて石鹸をスプレーしたんです。。
気の強そうな子がモエル瞳で俺を見つめた、
裸エプロンが似合いそうなポニーテールの娘が俺を羽交締めにしている。
う、背中に乳の感触が伝わってる。
ボキしました。
腰の下まで鮮やかな金髪を散す青い瞳の美少女が俺のその膨らみをじっと見つめています。
『犯されるっ。』
男ながらにそう実感しました。
「まもちゃんっ」
いきなりお団子頭の美少女が俺の上に覆い被さって来ました。
それから後のことは良く覚えていません。
ただ何と無く気持良かったような気もします。
806(1): 2006/07/23(日) 14:24:25 ID:Tz04atdU(1)調 AAS
>>804
・・・!
上手い。1レスだけでここまでできるものなのか。
さり気なく内部4戦士だけ、というのも良い。
ムーンは何処ww
807: 2006/07/23(日) 15:20:04 ID:WowLl8D0(1)調 AAS
>>806
お前、ちゃんと読んでないだろ
808: 2006/07/23(日) 15:43:58 ID:KCWqrrmI(2/2)調 AAS
見事な自演だ
809: 2006/07/23(日) 21:49:14 ID:TnfDJlwm(1)調 AAS
亀ですまんが>>762はその画像は転載か何かか?
どこにあったか詳しく知りたいから教えてくれ
810: 762 2006/07/24(月) 16:32:24 ID:dwAzPAA+(1)調 AAS
申し訳ないが、公式サイトにリンクしただけなんで、詳しい事は知らない。
811: 2006/07/30(日) 18:53:28 ID:vES2bdFV(1)調 AAS
小説まだぁ?
812(1): 2006/07/31(月) 22:49:57 ID:TMndzMQV(1)調 AAS
hosyu
813: 2006/08/01(火) 17:57:56 ID:lxyaGn5O(1)調 AAS
>>812
今保守する必要があるのか小一時間問い詰めたい
814: 2006/08/03(木) 00:56:46 ID:qDWw4fDT(1)調 AAS
あげ
815: 2006/08/04(金) 18:55:41 ID:LcH5hx6q(1)調 AAS
っていうか容量無いから埋め
816: 2006/08/05(土) 16:31:32 ID:IsL12v6j(1)調 AAS
埋め協力
817: 2006/08/05(土) 17:19:13 ID:Mt/Tw3jw(1)調 AAS
神様が最終回を向こうに落としてくれるまでは念のため誘導標識として残すつもりでぼちぼち埋めればいいんでないの。
次スレ誘導
セーラームーン総合スレッド3
2chスレ:eroparo
818: 2006/08/05(土) 17:34:30 ID:UvAJ7dSN(1)調 AAS
ここの神様の実力はただただ素晴らしい。
しかしこの流れでいくと、俺が身の程知らずにも書いた下手な小説モドキ
「美少女救世主セーラーサターン」 を出すのは難しそうだ。
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