[過去ログ] セーラームーン総合スレッド2 (818レス)
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500: 2006/06/06(火) 14:59:53 ID:Url3nJRf(1)調 AAS
きたきたきたきたきたーーーーー
501(1): 2006/06/06(火) 21:44:19 ID:gtjxpFbQ(1)調 AAS
GJ!心理描写が抜群にうまいですね
「このキャラでしか書けないエロ」を完全に把握してらっしゃる
名前の部分だけ別のキャラに置き換えても通用するようなSSとは一味違うな
502: 2006/06/07(水) 11:10:52 ID:YYYVoB9y(1)調 AAS
>名前の部分だけ別のキャラに置き換えても通用する
そういうのはよく見かけるなw
毎回異なるシチュ&エロのバリエーションが楽しみです
ストーリーも続きが気になるし、何よりせらむんのテーマである「愛」が根底にあるのがイイ!
503: 2006/06/09(金) 14:42:40 ID:KgA4kaSN(1)調 AAS
アニメの映像が目に浮かんでくるのがいいな
タキの上にまたがって腰を振るエスメロード(;´Д`)ハァハァ
504: 2006/06/10(土) 04:52:29 ID:tleyQbtm(1)調 AAS
小山さんの声で自然に浮かんできたのが凄い
505: 2006/06/10(土) 10:20:27 ID:kNXlJNOJ(1)調 AAS
小山サンって則巻アラレの人?
506: 2006/06/10(土) 14:19:27 ID:MKwDRkGM(1)調 AAS
初代コロ助ともモモともランチともいう。
507: 2006/06/10(土) 14:47:58 ID:pzFSlLO5(1)調 AAS
キシリア様を忘れてはならぬぞ。
508: 2006/06/10(土) 19:19:34 ID:IsC/dHS6(1)調 AAS
当時、アラレとエスメロードが同じ人と気づいた子どもはいたんだろうか。
509: 2006/06/11(日) 10:04:32 ID:nm40PLEf(1)調 AAS
エロメロード?
510: 2006/06/11(日) 10:30:06 ID:8LhSBJw+(1)調 AAS
メロメロード
511: 2006/06/11(日) 10:52:36 ID:J0WleXD7(1)調 AAS
朝から読み始めて、マーキュリー編〜ムーンAまで全て読んできたけど、
本当に面白いストーリーで目が離せなかった。
エロよりもっと凄い世界観というか・・・。
シリアスな展開に度肝を抜かれたよ。
ここまでのものが創造できるということに拍手を送りたい。
正直、エロパロ板でこんなにも感動するとは思ってなかったorz
皆々様スマソ
512: 2006/06/11(日) 11:45:22 ID:ApfEJAs4(1)調 AAS
やべっセラムンのなりきり板でも抜ける
513(1): ムーン陥落23 2006/06/11(日) 16:21:19 ID:f/2lrVuM(1/12)調 AAS
ブラック・ムーン一族の根城は、暗く淀んだ気で溢れている。
その城には、およそ窓や入り口といったものが存在しない。決して日が差し込むことはない薄暗い空間を、部屋と同じく薄暗い表情を浮かべた闇の者たちが、音もなく行き来する。
瑠璃のような輝きを持つ床や柱は、地球上には存在しないはずの物質で作られていた。邪黒水晶の巨大な塊が、城全体をダークパワーで包んでいるのだ。
その城の最深部に、プリンス・デマンドは存在した。光沢を放つ銀髪に、病弱な印象さえ与える白い肌の青年である。
しかしその目に浮かぶ光は、決して軟弱なものではない。底知れぬ野心を抱く者だけが持つ残酷さを秘めていた。
「機は熟した……」
グラスを片手に玉座に腰をおろし、デマンドは何やら思案するような表情を見せる。
その視線の先には美しい女性がいた。色素の薄い長い髪、細い肢体には純白のドレスをまとい、何かに祈りを捧げるように目を閉じている。
彼がどんなに思い焦がれ、指を伸ばしても、その女性に触れることは出来ない。それは過去の記憶を頼りに再現した、立体映像に過ぎなかった。
「……もうすぐ、全てが手に入る」
妄想を具現化したビジョンを、デマンドはグラスごしに眺める。
全能の月の女神を己のものとするために、彼はあらゆる手段を使った。ルベウスやあやかしの四姉妹など、所詮は捨て駒に過ぎない。
信じられるのは、己の血を分けた只一人の弟・サフィール。それに、邪眼の力を与えてくれたワイズマンだけだった。
「首を洗って待っているがいい、セーラームーン。……いや、ネオ・クイーン・セレニティ」
グラスの中に満たされた白濁の液体が、不吉な音を立てて揺れた。
「兄さん!」
ややあって、抑えた青年の声が、広間に響き渡る。
デマンドは億劫そうに顔を上げ、近づいてくる人影を認めた。
「どうした、サフィール。大声など出して」
ピッ、と遠隔操作機のスイッチを押すと、月の女神の映像は瞬く間に消えた。
女の事を想って陶然としている自分の顔を、弟に見られたくはなかった。闇の一族と言えど、その程度の羞恥心は持っている。
サフィールと呼ばれた青年は、靴音も高らかに近寄ってきた。兄よりも甘い顔立ちの、どこか儚げな雰囲気を漂わせた青年だった。
藍色の髪を乱し、サフィールは肩で息をしながら告げる。
「それが……ペッツ、カラベラスの二人が、手土産を持って帰還したようなのです」
「なに」
デマンドはグラスをテーブルに置き、玉座から腰を浮かしかけたが、すぐにやめた。
あやかしの四姉妹を束ねているルベウスは死んだ。以降は失敗続きの彼女たちの『手土産』など、期待するだけ無駄だと思ったからだ。
「どうせつまらん物だろう。媚を売っても無駄、それより四守護神の捕獲を優先しろと伝えておけ」
「つまらぬ物ではございませんわ」
艶やかな女の声が、デマンドの言葉を否定した。
サフィールの背後に、人間を横抱きにしたペッツ、そして乳飲み子を抱えたカラベラスが佇んでいた。
四姉妹に会うのは久し振りだった。戦果をあげるまでは帰って来るなと、予めきつく言い渡してあったからだ。
ペッツは相変わらず凛々しく美しかったが、カラベラスは、何やら身体が全体的に丸みを帯びたような気がする。
ヴィーナス捕獲の際にしくじり、人間の男に孕まされたことは、他の姉妹から伝え聞いている。腕の中の乳飲み子は、間違いなくカラベラスの子だ。
だがペッツの抱えている人間は、一体何者だろうか。
デマンドは身を乗り出した。よく見れば、少女のようである。
すぐに判らなかったのは、頭が丸坊主にされていたせいだ。裸の身体にぼろ布を一枚巻いて、ペッツに担がれている。
辛うじて露出している手足には、暴行を受けたのか無数の打ち傷があった。恐らく、隠されている部分にはもっと傷があるのだろう。
生きているのか、死んでいるのかさえもわからない。少女からは、何の反応も感じられなかった。
「これは、セーラーヴィーナスでございます。これを餌に、他の四守護神を呼び寄せられます」
自信に溢れた口調で、ペッツが告げた。
あまりにも予想と外れた返答に、サフィールたちは目を丸くして少女を見つめた。
デマンドなどは、あからさまに疑いの目を向ける。
ヴィーナスと言えば、四守護神を束ねる美貌と愛欲の女神。海のような蒼い瞳と光のような金髪、山の如く盛り上がった二つの乳房を持つ。
その衣擦れの音は男たちを惑わし、その涙は宝石となって多くの女たちを癒したという。
ボロに包まれた少女と、未来におけるヴィーナスの堂々たる姿が、どうにも一致しなかった。
514: ムーン陥落24 2006/06/11(日) 16:22:21 ID:f/2lrVuM(2/12)調 AAS
「まことでございます。意外にしぶとく、我ら二人がかりでも骨を折りましたが……」
「殺したのか」
サフィールが、咎めるような視線をペッツに投げかける。
以前から彼を憎からず想っていた四姉妹の長女は、慌てて首を左右に振る。
「い、いいえ!我らの力を思い知らせるため、多少痛めつけたまでです」
「哀れな……」
髪と同じ色の瞳を悲痛な思いに曇らせ、サフィールはゆっくりと少女に歩み寄った。
「人質にするのならば、もっと丁重に扱うべきだ。元はさぞかし美しい少女だっただろうに」
ぼろ布ごしに、少女の背中に触れる。ペッツの目が嫉妬に焦げた事に、彼は気づいていない様子だった。
デマンドはさりげなく話題を変える。
「コーアンはどうした?まさか、やられたのではあるまいな」
「マーズの監視をしております。あちらも妙な動きがあり次第、始末するつもりです」
答えたのはカラベラスだ。腕の中の赤子に、慈愛の眼差しを注いでいる。体型だけでなく、雰囲気も柔らかくなったように感じられた。
───話は、一日前に遡る。
夜の工事現場でペッツと相対したセーラーVは、じりじりと間合いをつめながら、攻撃のタイミングを伺っていた。
あやかしの四姉妹の長女にして、ジュピターでも歯が立たなかった、肉体派の美女。
それなりに戦闘経験を積んだセーラーVにとっても、一筋縄ではいかない相手である。
勝機があるとすれば、相手が完全にセーラヴィーナスを甘く見ているという点だ。
他の四守護神と合流してから、戦闘においてはマーズやジュピターに見せ場を譲り、彼女が目立つ事はあまりなかった。
だからこそ、ヴィーナスの戦闘能力は低いものと思われている。付け入る隙があるとしたら、その部分をおいて他にない。
セーラーVとして戦っていた頃には、色々と辛い思い出もあったのだが、この際つまらない感傷は捨てる。
(使えるものなら、なんでも使わせてもらうわよ!!)
相手の位置を確認し、セーラーVは地を蹴った。
「セーラーVキック!!」
青いミニスカートが翻り、女の胴体を狙う。ジュピターよりも威力は弱いが、その分動きが軽い。
鋭い蹴りは、ペッツの肩を掠めた。相手がよろけたのを確信し、セーラーVは材木の上に着地を果たす。
「よく見れば……その格好も、なかなか似合うじゃないか」
初めのうちは彼女の奇天烈な衣装に圧倒されていたペッツも、次第に平静を取り戻し、そんな軽口を叩くまでになった。
「ありがとう。でも、レオタードじゃないからパンティ丸見えなのよね。おへそも出てるから寒いしー」
応えるセーラーVは軽い口調だったが、目は決して笑っていない。
「こんなところで立ち話もあれでしょう?そろそろ、教えてくれないかしら」
マーズを元に戻す方法を知っていると、カラベラスは言った。声だけのメッセージが、下校中の美奈子に届いたのだ。
『セーラーヴィーナスだな?』
目の前に邪黒水晶の塊が、まるで蓑虫のようにぶらさがっていた。その中から、忘れるはずもないカラベラスの声がしていた。
『まて、構えるな。今はお前と争う気はない』
話を終えると、水晶は瞬く間に消えた。美奈子はその足で十番中学に向かい、まことに会った。最初に会うのが亜美だったら、また話は違っていただろうが。
(亜美ちゃんはあたしを避けてる……)
その事を、責めるつもりはない。彼女の気持ちは痛いほど判るのだ。
まこととうさぎが亜美の傍にいてくれれば、心配はない。下手に美奈子が会って、彼女を刺激しない方がいい。
今考えるべきなのはマーズのことだ。
純潔を奪われても、心を強く持っていれば、再び戦士に変身できる。それは亜美が身を以て証明してくれた。
ただ、マーズの場合はルベウスに刻印を焼き付けられていた。ブラック・ムーンの証である印だ。
『いくらルベウス様のご遺志とは言え、我らにとってもあの刻印の存在は邪魔なもの。憎むべきセーラー戦士を、一族に迎え入れることなど出来ぬ』
カラベラスの言い分は尤もであった。
『あの刻印を消すには、お前の協力がなければ無理なのだ』
515: ムーン陥落25 2006/06/11(日) 16:23:59 ID:f/2lrVuM(3/12)調 AAS
回想に浸っていたセーラーVは、はっと顔を上げた。
ペッツの右手に、杖が現れていた。杖の先端から、雷光が迸っている。
「むろん、教えるさ。お前が動かなくなってからね」
あやかしの四姉妹の長女は、あくまでもセーラーVの行動を阻む気でいるようだ。
バチバチと光が爆ぜる音がした。あれをくらったら、いくら頑丈なセーラーVでもひとたまりもない。
「話が違うわよ、ペッツ。カラベラスに会わせなさい!」
叫ぶと同時に、雷光が襲ってきた。セーラーVの身体を絡めとろうとするかのように。
素早く跳躍し、また別の場所に着地する。ペッツは懲りずに彼女に照準を合わせた。
「逃げてばかりか。お前にはこの雷光を弾く事は出来まい!」
「おあいにくっ!アイテムを使えるのは、セーラームーンだけじゃないのよ!」
胸から取り出した、三日月型のコンパクトを広げる。これを使うのも、本当に久しぶりだ。
腕を大きく薙ぎ払い、敵に向かって投げつける。
「クレッセント・ブーメラン!」
「なにっ!?」
三日月が鋭い刃となってペッツを襲った。杖が弾かれ、地面にゴトリと落ちる。
傷ついた手を押さえ、ペッツは後ずさりした。
「くっ……!おのれ!」
そのまま、背後の小屋に逃げ込んだ。
「待ちなさい、ペッツ!」
彼女の後を追って、セーラーVも小屋に飛び込む。中は灯りがついており、工事用具が所狭しと並んでいた。
部屋は一つだけではない。セーラーVは奥に眼をやった。開け放たれた扉の向こうに、ペッツの背中が見える。
「やめて、お姉さま!」
悲痛な声が上がったのは、それからすぐのことだった。
……おぎゃぁあぁあ
「赤ちゃん…?」
泣き声を耳にして、セーラーVは部屋に駆け込んだ。奥の部屋には、憔悴しているカラベラスと、赤ん坊を抱いたペッツの姿があった。
「コーアンは?」
布にくるんだ赤ん坊をあやしながら、ペッツは妹に問いかける。
「さきほど……マーズのもとへ……」
答えるカラベラスは、髪をおろしていた。全身に疲労が色濃く現れている。
椅子をいくつも並べ、その上に横たわった姿勢から、慌てて起き上がったばかりのように見受けられた。
衣服は乱れ、乳房や下半身があらわになっている。傍らには、水を張ったバケツとタオルが置いてあった。
(なに……これ?)
異様な光景に、セーラーVは混乱していた。
なぜここに赤ん坊がいるのだ。人質にするために攫ってきた、という考えに思い至らなかったのは、理由がある。
ペッツに抱かれた赤子を見ているカラベラスの瞳が、不安と慈愛に満ちたものであったからだ。
「そうか」
ペッツは目を細める。そして、セーラーVに向かって、赤子を見せ付けるようにした。
「どうだ、かわいいものだろう?」
まだ目が開いておらず、皺くちゃの顔で泣いている赤子は、決してかわいいとは言い難い。
どう反応を返してよいか、わからないでいる少女の前で、赤子はけたたましい泣き声をあげた。
慣れていないのか、その手つきは危なっかしいものだった。ペッツが手を離せば、簡単に床に落ちてしまう。
カラベラスが髪を振り乱し、悲鳴を上げる。
「やめて、お姉さまっ!その子は大事な私の───」
「おだまり!」
妹を叱り付けると、ペッツは赤子を盾にするようにセーラーVに近づいてきた。
「どうする、愛の戦士よ。生まれたばかりの赤ん坊が殺せるか!?」
「く…!」
セーラーVは後ずさりした。
「だ、誰の赤ちゃんなの?まさか……」
ある考えに青ざめたセーラーVを、四姉妹の長女は嘲笑った。
「わかるかい?カラベラスは、お前たちが必死で守ろうとしている人間の醜男に孕まされたんだよ!」
516: ムーン陥落26 2006/06/11(日) 16:25:39 ID:f/2lrVuM(4/12)調 AAS
セーラーVは思わず、片手で口元を覆った。
思い当たるとしたら、カラベラスを見失ったあの時しかない。
「あ、あの時…?」
愛野美奈子がアイドルのオーディションを受けたのは、今年の一月のことだ。
その時使っていたスタジオが、カラベラスと妖魔に襲撃を受け、セーラーヴィーナスは居合わせた客に助けられた。
何とか撃退したものの、カラベラスの姿は途中で見失ってしまった。あの時、無事にアジトに戻ったわけではなく、客たちに制裁を受けていたのか。
しかし、人間と暗黒の月の一族の間に、子供が生まれるものだろうか。それに、計算も合わない。
カラベラスに視線を移す。汗ばんで剥き出しになった乳房を隠す事もせず、青ざめた顔で赤子を見つめている。
その表情に嘘はなかった。間違いない、この子はカラベラスの子供なのだ。
(なんてこと……!)
声にならない慟哭が、美しい少女の面を染めた。
ブラック・ムーンの一族が、人との間に子供を残す事が可能ならば、ルベウスに陵辱されたマーズにも妊娠の危険性がある、ということだ。
緊急避妊薬は飲ませたが、果たしてそれが有効なのだろうか。現にカラベラスは、十月十日足らずで出産している。
「どうして、産んだの……人を憎んでいるのではなかったの?」
愚かな質問だとは思ったが、セーラーVは尋ねずにはいられなかった。
子供が無事に生まれているという事は、少なくともあやかしの四姉妹は、カラベラスの出産に同意したという事だ。
それが、信じられなかった。もしもマーズがルベウスの子を孕んでいたとしたら、四守護神は産む事を容認できるだろうか?
「もちろん、憎んでいるとも。だが、私はこの子を守りたかった」
犯された時のことを思い出しているのか、カラベラスの表情には苦渋があった。
敵であるセーラーVさえも、その光景を想像して痛々しくなるほどだった。
「お前の同情など受けない」
少女の顔を睨みつけながら、カラベラスは告げた。
「お前は私達を、鬼か何かだとでも思っているのか?父親が誰であろうと、その子は私の子供だ」
カラベラスが男たちに犯されたのは、セーラーヴィーナスの責任でもある。しかし、その事について咎める事はなかった。
お前のせいだ、と言われれば、どれほどましだったことか。
「ペッツ……カラベラス……」
想像とはあまりにも違った彼女たちの実態に、セーラーVは激しく打ちのめされていた。
カラベラスを倒してしまったら、この赤ん坊は母なし子になる。守ってくれる母親を喪う事になる。
「どうしても戦わないとダメなの?あたしたちは……分かり合えないの?」
敵の陣地の真ん中で、何を血迷った事を口走っているのか。
しかし、彼女はカラベラスの中に『愛』を見てしまった。その愛は、恐らく正しい愛なのだ。
「くどい!!」
カラベラスが激昂した。憎悪に萌える瞳が、彼女の味わった屈辱の全てを物語っている。
「私やベルチェお姉さまを辱めた人間どもを許せるものか!」
その主張は尤もであった。カラベラスは正しい。
傷つき苦しみながら、それでも新しい命に罪はないと出産に踏み切り、何より、姉の手から赤子を守ろうとしている───。
(こんな女を…いいえ、女性を殺せないわよ!!)
カラベラスを犯した男たちも、恐らくセーラーヴィーナスの仇を討ったつもりでいるのだろう。
誰も悪くはない。それぞれ大事にしているものが違うだけで、何故殺し合わなければいけないのか。
力の抜けたセーラーVの身体に、カラベラスの鞭がしゅるりと巻きついた。
隙を突いた一瞬の出来事で、防御する暇もなかった。全身を締め付けられ、少女は痛みに思わず声を上げた。
すると、赤ん坊がまた騒ぎ出す。
「おう、よしよし……カラベラス、産後に急激な運動は不味いんじゃないかい?」
赤子をあやしながら告げる姉に、カラベラスはそっけなく答える。
「ご心配なく。それより、その子を危険な目に遭わせるようでしたら、いくらお姉さまでも承知いたしませんことよ」
517: ムーン陥落27 2006/06/11(日) 16:26:58 ID:f/2lrVuM(5/12)調 AAS
攻撃の意志を失ったセーラーVは、がっくりと膝をついた。
「どうした、お前の言う愛とはその程度か」
ペッツが目の前に立った。嬲るような目でセーラーVを見つめ、舌なめずりをする。
少女からは、先ほどまであった激しい怒りや、戦うための意思が失われていた。
マーズを助けるのだ、という固い決意も、カラベラスの姿を見せられて揺らいでしまったのだ。
(あたしのしていることは……正義じゃないの……?)
男たちがカラベラスにしたことで、セーラーヴィーナスが責任を取る必要はない。
それでも、自分が同じ立場だったらと思うと、いたたまれない気持ちになるのだった。
(アルテミス……あたし、どうしたらいいの?)
亜美のマンションに入り浸っている白猫の姿を思い浮かべる。
あの日、ボロボロになってスタジオから帰ってきた時も、「ドジ踏んだな」と笑っていただけだった。答えは自分で探すんだ、と言わんばかりに。
「お姉さま、そいつとの決着は私が…!」
「お前は赤子の世話をしておいで」
ペッツは、身を乗り出す妹の腕の中に、赤子を押し付ける。カラベラスは鞭から手を離し、慌てて赤子を抱き寄せた。
「さあ、こっちに来るんだよ」
赤いリボンを鷲掴みにされ、最初に入った部屋に引き戻される。扉が閉められ、カラベラスの姿は見えなくなった。
薄汚れた資材置き場の床に、セーラーVの身体は蹴り転がされた。
身体には依然として鞭が巻きついている。両手を封じられた哀れな少女を、ペッツはあらゆる角度から見下ろした。
「お前を連れて帰れば、我らのこれまでの失態は無に帰す。デマンドさまもさぞお喜びになるだろう」
楽しげな笑い声が、セーラーVを苛む。
「デマンド……それが、あなたたちのボスの名前なの」
冷たい床の感触を頬に感じながら、少女は呟いた。
カラベラスに攻撃は出来ないが、ペッツ一人なら何とかなる。そんな心情を見透かされたのか、四姉妹の長女は目を眇めた。
「私が一人になるのを待っていたのかい?残念ながら、お前に倒されるほどやわではないつもりだよ」
さっきは油断したけどね、とペッツは続ける。
「四守護神一の攻撃力を誇るジュピターでさえも、私の敵ではなかった。わかったら無駄な抵抗はやめるんだね」
その言葉に、セーラーVは弾かれたように顔を上げた。敵では「なかった」と言う、恐ろしい意味の過去形。
十番中学の校門の前で別れたきりの、まことの姿を思い出した。
「あなた……ジュピターを……!?」
否定を願う少女の心を、ペッツはあっさりと裏切った。
「カラベラスにされたのと同じ事を、返してやっただけさ。今頃は人間の男たちに、穴という穴をほじくり返されているだろう」
同時刻、ジュピターはまさに陵辱の真っ最中だった。助けを求める声は、うさぎに届いてはいない。
セーラーVの視界がぐらりと揺れた。
再び床に顔を落とす。脳裏に、まことの笑顔や挙動が浮かんでは消える。
(あたしのせいだ)
少女は唇を噛む。
(あの時、一緒に帰っていれば…!)
自分が距離を置くことが、彼女たちの心の平穏のためだと思っていた。
亜美と一緒にいると、まことやうさぎが気を遣うだろう。だからレイのことは自分が何とかしなければと、単独で行動に出た。
それこそが、敵の罠だったのだ。リーダーであるヴィーナスを精神的に孤立させ、四守護神の戦力を削ぐ事が。
(みんな……ごめんね!!)
かつん、と靴音がした。ペッツが自分の目の前に屈みこみ、顔を覗き込んでいた。
黒いルージュが引かれた口元が、にいっと横に広がる。魔女の微笑みだ。
「よくも今まで、私達をさんざん苦しめてくれたね?」
背後の扉は閉まっている。カラベラスに、これから起こる出来事を見せないためだろう。確かに、産後の女性には刺激が強すぎる光景かも知れない。
セーラーVは薄く微笑み、ゆっくりと瞼を閉じた。ここに来る時から、覚悟はしていた。
ヴィーナスは、セーラームーンの影。影が消えるところに光は必ず現れる。
(喩えあたしが力を失う事があっても、銀水晶の輝きが再び力を与えてくれるはず)
連れて帰る、とペッツは言った。少なくとも殺される事はない。
ならば自分は耐えて見せる。そして今度こそ、マーキュリーたちと同じ位置に立ってみせる。
「いい度胸だ。さすがはセーラーヴィーナス」
ペッツは彼女の髪に結びつけた赤いリボンを毟り取った。
リボンは傍にあったポールの上に音もなく落ち、セーラーVの懺悔をじっと見守っていた。
518: ムーン陥落28 2006/06/11(日) 16:28:07 ID:f/2lrVuM(6/12)調 AAS
「なるほど」
ペッツから話を聞き終えたデマンドは、得心が行ったと言うように頷いた。
紅のルベウスがマーズの力を封じていたとは意外だった。その後すぐに倒されてしまったため、デマンドには報告が届かなかったのだ。
そして、ペッツはジュピターを撃破、ヴィーナスを捕獲。ブレーンであるマーキュリーは精神的に打撃を受け、未だ動く様子がない。
実質、セーラームーンは守ってくれる盾をなくし、身動きが取れない状態であるといっていい。
「役立たずと思っていたルベウスも、それなりの働きをしたということか。お前たちに対する評価も、改めねばいかんな」
腹心の一人、エスメロードは『ラビット』を捕らえに向かっている。全ての駒が揃うのに、さほど時間はかからない。
「恐れ入ります」
ペッツは深々と頭を下げた。その拍子に、肩に担いでいるヴィーナスがずり落ちそうになる。
一方、カラベラスは不安そうな眼差しでデマンドを見上げていた。赤子を庇うように抱きしめ、恐る恐る伺いを立てる。
「では、その……この子の存在を、お許しいただけますか。ルベウス様は産めと申されましたが、今となっては……」
「ああ、構わん」
面倒くさそうにデマンドは応じる。毒にも薬にもならない赤子のことなど、どうでも良かった。それより、一刻も早くセーラームーンをこの地へ呼び寄せたい。
カラベラスの顔がぱっと輝いた。
「ありがたき幸せ!この子が成長した暁には、必ずやデマンドさまのお力になりましょう!」
その場で飛び上がりかねない様子の妹を、ペッツは呆れた目で見つめると、再び玉座に向き直った。
「それで、この豚はどうします?昨晩から餌を与えていないのですが」
四守護神を束ねる美貌の少女も、ブラック・ムーン一族に言わせれば豚も同然だった。
「鼻の穴に大便でも詰めて転がしておけ。死なない程度にな」
「畏まりました」
「兄さん!それではあんまりだ!」
それまで黙って聞いていたサフィールが、初めて口を挟んだ。デマンドは苛立たしげにそちらを見る。
「サフィール、お前は甘すぎる。既に我らの同胞は二人葬られているのだぞ」
子供の頃は従順だった弟は、何故か最近になって、デマンドに反抗的な態度を見せるようになった。
あの男が現れてからだ。闇の中より現れ、デマンドに知恵を授けてくれた男───ワイズマン。
復讐に燃える彼に助力し、地球侵略のためのきっかけを与えてくれた。
サフィールにしてみれば、得体の知れない男に兄を取られてしまったような気持ちなのだろう。
弟への愛情をなくしたわけではない。たった一人の肉親だからこそ、苛立ちも増すのだ。
サフィールは蒼い瞳を焦燥に輝かせ、兄を真っ直ぐ見据えて叫んだ。
「わかっている。彼らは真っ向から勝負を挑み、戦いの末に散った」
ルベウスもベルチェも違った意味で好戦的な性格だった。それゆえ、敵に足元を掬われ、身を滅ぼす事になった。
「だが無抵抗の相手に危害を加えるのは、ブラック・ムーン一族の誇りに反する!以前兄さんが言っていたことじゃないか!」
凛とした声が広間に響く。
ペッツはわずかに頬を染め、その光景を見つめていた。麗しい兄弟が言い合いをするさまは、女の心を乱す何かがある。
カラベラスの方は、それどころではなかった。騒ぎ出す赤子を、必死で宥めている。
「ほら、泣かないの。大丈夫だからね……?」
揺すぶっても、軽く叩いても、赤子は泣くのをやめなかった。それを見て、サフィールはわずかに眦を下げる。
「……すまなかった。子供が産まれたのだな、おめでとう」
「あ、ありがとうございます!」
本来なら、追放処分を受けてもおかしくはなかった。思いやりに満ちた言葉をかけられたカラベラスは、ひたすら恐縮する。
「新しい部屋を用意させよう。赤ん坊には個室の方がいい」
「お前、勝手なことを…!」
デマンドが言いかけるのを無視して、サフィールはペッツに目を向けた。
「セーラーヴィーナスは、君の拷問を甘んじて受けたようだな。敵ながら立派な事だ」
「は、はい……」
まるで責められているような言葉に、ペッツは青ざめた。サフィールは表情を柔らかくする。
「暴力は、する側にとっても疲れるものだ。ヴィーナスはこちらで預かるから、もう下がりなさい」
519: ムーン陥落29 2006/06/11(日) 16:29:52 ID:f/2lrVuM(7/12)調 AAS
ピチャピチャ……ピチャピチャ…
水音がすぐ下で聞こえる。タキシード仮面はうっすらと目を開けた。
エメラルドの輝きを持つ髪が、臍の下あたりで動いている。
真っ白な空間に、彼はいた。何か話そうと思っても、舌が痺れてうまく声が出ない。
(セーラームーン……うさこは……ちびうさは!?)
横たわっている自分の状況は、少しも変わってはいなかった。
あの時、ちびうさの身体から光が迸ったのが最後の記憶。すぐそばにあの二人の気配はなかった。
あるのはただ、自分の股間に顔を埋めている美女のみ───。
獲物の身体が動いたことを、エスメロードは敏感に察したらしい。白い面に刻まれた美しい顔立ちが、女豹のように彼を見つめる。
気を失っている間に、彼の下半身は嬲られ尽くされていた。女の手の中でぐったりと萎れ、起き上がる気配はない。
「お目覚めのようね。ラビットとセーラームーンを、どこに隠したの?」
それは、こちらの方が教えて欲しいくらいだった。
答えられないでいるタキシード仮面の臍に、女はぐっと指を入れる。
「うぁ…!」
背中を反らす男の反応を楽しげに見やり、エスメロードは囁いた。
「正直に話さないと、切り取るわよ」
どこを、とは言わない。確かに、この女ならやりかねないだろう。
しかし知っていたとしても、教える気はなかった。
(うさこ……)
恋人の目の前で辱められたという思いが、彼の気持ちを重くしていた。
他の女の愛撫で果ててしまった。どんなに言い訳しても、彼女を傷つけた事には代わりない。
感傷に浸っている間にも、女の指先が彼を苛んだ。萎れている玉に手が伸び、握りつぶすかのようにこねくりまわす。
「う。おおお…!」
痛みに絶叫するタキシード仮面には構わず、エスメロードは玉に爪を立てた。
よく磨き上げられた女の爪は、男の急所にとっては凶器でしかない。黒い陰毛が爪に巻き込まれ、キリキリと痛みを訴える。
女は、唾液にまみれた両手で玉を両側から挟み、舌先でチロリと刺激を加えた。快楽に腰が浮き上がりそうになるのを見計らって、前歯で竿に噛み付く。
「くぉおおお、ふ、ぁあああっ!」
苦痛と快楽を交互に与えられ、青年はひたすら無様な喘ぎ声を発する。目の前に、月野うさぎの悲しげな顔がちらつく。
彼女の目は明らかにタキシード仮面を責めていた。どうして、なんで、まもちゃん。そんな風に、無言で問いかけてくる。
(すまない……うさこ、すまない!)
四肢を伸ばしきったタキシード仮面は、きつく瞼を閉じた。
力になると決めたのに、いつも肝心なところで足手まといになる。
今頃どこにいるのか、誰に何をされているのか。最後に思い出すのが泣き顔というのはあんまりだった。
(結局俺は……何の力にも、なれないのか…)
「失礼な男」
不機嫌そうなエスメロードと、目が合った。
「どうやら本当に何も知らないみたいだけど……これほど尽くしているのに、まだ他の女のことを考えているわけ?」
「ぐ、うう…うさこ……」
尽くしているという言葉が、彼の心に更に罪悪感を与えていた。
「お前はもう、私の奴隷になったのよ。逆らう事は許さないわ」
エスメロードの口が、千切れんばかりの強さで竿を締め付ける。
精液を吸い尽くされ、もう一滴も出ないと思われる男根を、女はひたすら吸引するのだった。
(や……めろ、もう、出な……)
ちゅぽんと音を立てて、竿から唇が引き抜かれる。
気を失っている間に、タキシード仮面のズボンは脱がされ、下半身があらわになっていた。ひんやりとした冷気がその部分に当たる。
「強がる男は立派だけど、度が過ぎると可愛げがないわね」
股間から顔を離したエスメロードが、青年の顔を覗き込む。
開かれたシャツの胸に、女の豊満な乳房が重なっている。むっちりとした太股が足に絡みつき、甘い匂いが鼻孔をついた。
520: ムーン陥落30 2006/06/11(日) 16:31:17 ID:f/2lrVuM(8/12)調 AAS
カツン…
硬質な靴音に、エスメロードはびくりと肩を震わせる。
タキシード仮面もつられてそちらを見た。
空間を包んでいた霧のようなものがすっと晴れ、一人の青年が姿を現した。
敵であることは、額の印を見ればすぐわかった。その他は、細く白い男という印象しかない。
感情の感じられない、無機質な目がタキシード仮面を一瞥する。
「デマンド様」
一方、エスメロードはぱっと頬を高潮させた。まるで娼婦から少女に戻ったように。
タキシード仮面から即座に離れ、新たに現れた青年に駆け寄る……と言うより、寄り添うと言った方が的確だった。
(この女でもこんな顔をするのか)
あまりの変わりように、タキシード仮面はますます、この女は恐ろしいと感じた。
同時に、そんな彼女が崇拝するこの青年も、見かけと違ってただの優男ではないのだろう。
「ラビットはどうした?」
デマンドと呼ばれた青年の問いに、エスメロードは平伏して答えた。
「申し訳ございません、セーラームーンたちの邪魔が入りまして、取り逃がしました。ですが、代わりにこの男を……」
この男と言いながら、エスメロードは振り返った。
改めて己の姿を見れば、シャツの前をはだけられ、下半身を剥き出しにした、この上なく情けない姿である。
タキシード仮面は屈辱に震えた。それを、デマンドは表情を変えずに見ていた。
(この男……)
値踏みするように見つめてくる青年に、タキシード仮面は引っかかるものを感じた。
エスメロードにしてもそうだ。敵は、セーラー戦士に対しては憎悪という感情を向けるが、タキシード仮面を見つめる目はまるで、只の道具を見るようだった。
わかっている。自分はセーラー戦士の付属品でしかない。それでも、人格を無視するような扱いを受けるのは耐えがたかった。
「犯したのか」
怜悧な声がエスメロードに降りかかる。
問われた側は、汚い雑巾でも見るように、倒れている青年に視線を投げかけた。
「……苦痛を与えるため、致し方なく、ですわ。私がお慕いしているのは、ただひと…」
デマンドはそんな事はどうでも良いといいたげに、言葉を遮る。
「エスメロード。お前の事は忠実な部下だと思っている」
「え、ええ!もちろんですわ!」
頬を赤くし、意気込んで告げる女を見て、タキシード仮面はこの二人の関係を正しく理解した。
だがその瞬間、デマンドはとんでもない事を言い出したのである。
「では、お前にしか出来ないやり方で未来を変えてみろ。お前がその男の子供を産むのだ」
タキシード仮面は目を剥いた。
驚いたのは彼だけではなかった。エスメロードもさすがに言葉を失っている。
「デマンド様……」
蒼白に近い顔色で、女は立ちすくんだ。
デマンドは相変わらず表情を変えない。残酷なことを口にしたという自覚はないのだろう。
エスメロードは拳を震わせた。それは、彼女の中で激しい葛藤があることを示している。
慕っている相手の命令とは言え、好きでもない男と子供など作れるはずがない。まともな女なら当然の反応だ。
エスメロードが『まとも』の部類に入るか否かは別として───。
(この男…一体、何が目的なんだ)
タキシード仮面は、プリンス・デマンドの怨念にも似た想いを知らない。自分の未来の妻に横恋慕していることなど想像がつかない。
目の前で交わされるやりとりを見ていれば、単に、部下の女を苦しめて喜ぶサディストにしか見えなかった。
セーラームーンを傷つけたいのなら、他に方法はいくらでもある。まさか、セーラームーン自身が目的だなどとは、思ってもいなかった。
「わかりました」
ややあって、エスメロードの沈痛な声が響いた。
タキシード仮面の下半身に、ずくりと痛みが走った。衝撃と、また犯されるという反射的な恐怖が、彼の身体を支配したのだった。
「デマンド様のご命令とあらば……このエスメロード、いかなる任務も果たしてご覧にいれます」
「そうか」
引き受けて当然だとでも言いたげなデマンドの態度が、両者のそれまでの関係を物語っていた。
「持つべきものは、やはり肉親よりも部下だな。……弟は、近頃反抗的でかなわん」
後半の台詞は、ほとんど独り言に近いものがあった。人を従わせることに慣れた者特有の傲慢さが、デマンドの全身から溢れ出ていた。
521: ムーン陥落31 2006/06/11(日) 16:33:04 ID:f/2lrVuM(9/12)調 AAS
決意を固めたエスメロードは、縋るように主に目を向ける。
「その代わり、お願いがございます」
「なんだ」
「最後に一度だけ……あなた様の、子種を飲ませては頂けませんか?」
それは、あまりにも直截的で卑猥な言葉だった。
思わず声を漏らしそうになったタキシード仮面とは対照的に、デマンドは表情ひとつ変えずに頷いた。
「いいだろう。お前は今まで、十分過ぎるほど私に尽くしてくれた」
「ありがたき、幸せに存じます………」
頭を垂れるエスメロードの髪に、デマンドはそっと掌を置く。主に触れられた喜びに、女は長い睫を震わせた。
それを見守るタキシード仮面の心中は、穏やかではなかった。
自分をモノのように扱うエスメロードが、他の男に対してはただの可愛い女であることに違和感があった。
いや、違和感だけではない。先ほどから、靄がかかったような釈然としない感情が、胸の奥に立ち込めている。
(俺は、何を…?これでは、まるで)
嫉妬のようではないか───。
心に浮かんだ単語を、タキシード仮面は慌てて否定した。
馬鹿な、そんなことはない。残虐な女だと思っていたのに、意外な一面を見せられて、それで動揺しているだけだ。
(そうに決まっている………)
捕らわれの青年はしばしの間傍観者となり、眼前に繰り広げられる濡れ場を見守ることを強いられた。
エスメロードはデマンドの正面にひざまずくと、憂いに満ちた表情で想い人を見上げる。
焦がれるように足の間に手を伸ばす女を見下ろし、デマンドはゆっくりと口を開いた。
「エスメロード」
「はい……」
とろんとした瞳でデマンドを見つめる女の姿は、餌を目の前にぶら下げられた犬そのものだった。
悪女の影はすっかり消え失せ、そこに存在するのは、健気な一匹の雌犬でしかない。
デマンドの両手が、そっと彼女の頬を挟み込んだ。
「虫のいい願いとは思うが、その男の子供を産んだら私の元に戻り、引き続き力になって欲しい」
「デマンド様!」
感極まったような笑みを零し、彼女はデマンドの腰にしがみついた。
デマンドはエスメロードの緑の髪を優しく撫で、慈愛の眼差しを向けている。
だがその愛情はあくまでも、主従の域を出ないものだった。傍目にもそれははっきりとわかる。
それでもいい、というエスメロードの声なき声が、タキシード仮面にも聞こえるようだった。
「あぁ、これがデマンド様の……」
足の間から男根を引きずり出し、エスメロードは目を細めた。
愛しげに指を這わせながら、チュッチュッと接吻を繰り返す。その度に先端は大きく膨らんでいった。
タキシード仮面にした時の荒々しい仕草は、そこにはない。宝物のように丁重に男性器を扱い、愛撫を続けている。
デマンドの横顔は変わらず冷たい。しかし、時折眉間に皺が寄っているから、それなりに感じてはいるのだろう。
(あんな反応では女が気の毒だ)
タキシード仮面は心の中で呟く。男が何の反応も返してくれないのでは、女は嫌気が差してしまう。
しかし彼の評価とは裏腹に、エスメロードは健気に唇を動かし続けていた。
「んぐっ……」
喉の奥まで咥え込んだらしく、上品な顎がぐっと反り返る。
玉袋を大事なもののようにぎゅっと握り、指先でこねながら、竿をしごいていく。
「でまんどさまぁ……んっ、うううんっ、ちゅぱぁっ……おいひぃ……んん、レロレロ……ん、ちゅっ」
口の端からのぞいた赤い舌が、何とも言えず扇情的だった。
白い空間に、エスメロードの卑猥な声だけが聞こえていた。デマンドの口からは、奉仕を続ける女への感謝も労りの言葉も出てこない。
真面目なタキシード仮面には、それが信じがたかった。
(なぜ、あんなことが許されるんだ)
彼の憤りは、エスメロードではなく、デマンドの方へと向かっていた。
部下に無理な要求を飲ませ、さらには奉仕もさせている。あんな男がなぜ、エスメロードにとって尊敬の対象となるのか。
女を盾にし、駒にするような男がもてはやされ、従順で温厚な男が女に虐げられる現状に、彼は打ちのめされていた。
(あれなら、俺の方が……)
522: ムーン陥落32 2006/06/11(日) 16:33:59 ID:f/2lrVuM(10/12)調 AAS
「うまいか」
抑揚のない声でデマンドが問う。
口の中にパンパンに男根を詰め込みながら、女は馬鹿のように頷いた。
「ん、むおおぃ、おいひいいいぃ、れすうううっ!ひょっぱくれ、おいひいいいぃーーー!」
本気でそう思っているのなら、頭がいかれているのに違いない。
エスメロードの美貌は口に含んだもののせいで醜く崩れ、お多福のようになっていた。
それでも、瞳に浮かぶのは快楽でしかない。愛しい男のものを存分に味わい、苦いものすらも甘く感じられるようになっているのだ。
デマンドが腰を突き入れる。外側から見れば何気ない仕草だが、内側から見ればこの上なく残酷な動きだ。
美女の口内に、男根が奥深くまで侵入する。温まった舌に刺激された先端が、限界を迎えたらしい。
「モゴおっっ!!」
嬌声とともに、エスメロードの頬が大きく膨れ上がる。膨張した男根が、彼女の口内を圧迫している。
彼女は両手を唇の脇に当て、精液がこぼれないようにした。
「いくぞ。全部飲んでくれ」
「こ、こだね、んーーーーーーーーっ、んぐううううーーー!」
苦悶するエスメロードの頭を股間に押し付ける男は、鬼畜としか言いようがなかった。
噴出する白濁が女の口壁を叩く。
「んっ……ごく……ごく……」
女は恍惚の声を上げて、それを全て飲み干した。
白い喉が上下し、一滴も残すまいとするように顎を動かす。両手を玉に添え、竿の中に残っている汁を搾り出すように何度も動かした。
摩擦によって押し上げられた精液が、女の口の中に次々と注ぎ込まれていく。
「ジュルルル……ん、ズルルルルル……ん、チュウウウウ!」
すさまじいディープスロートの音が、空間に響き渡った。
エスメロードの両頬はボコッと陥没し、それだけ強い力で吸っている事を示す。
泡だった精液を喉の奥へ奥へと送り込みながら、女はまだ竿を扱くことをやめない。
「ん、でまんどしゃまの、子種……ん、濃い……」
射精はいずれ終わりが来る。
溜まったものを全て口の中に収めると、エスメロードは名残惜しそうに唇を離した。
「ん、チュバァ……ッ」
唇から半透明の糸が垂れ、男根とまだ繋がっていた。
愛する男の子種を全て飲み込み、女は火照った身体のまま座り込んだ。
エメラルドの巻き毛が床に乱れ散っている。タキシード仮面は瞬きもせずに、その光景に魅入られていた。
女は男次第、と言う格言が真実であったことを、改めて思い知らされていた。相手がデマンドだと言うだけで、同じ女でもここまで従順に見えるものだろうか。
こんなのは間違っている、と思う反面、このように尽くされたい、と思う気持ちも捨てきれない。
「何か言う事はあるか?」
射精を終えた男は、慣れた手つきで男根を元の位置に仕舞った。どこまでも冷静な男だった。
その動きを、エスメロードは目で追っている。当分会えない恋人を見る目に似ていた。
「……っ、はぁ、はぁ。とても、美味しかったですわ」
濡れた指を口に含み、女は答える。荒い息を整えるのに、しばしの時間がかかるようだった。
「ありがとうございます。これで心置きなく、次の任務に移れましてよ」
恍惚と呟きながらも、その双眸にはどこか切なげな光が宿っていた。
命令に従うと決めても、迷いはまだ残っている。だがそれも、デマンドにとってはどうでもいい事なのだろう。
この男が極端に残酷な性格をしているというわけではない。彼の大事にしているものと、女のそれが一致しないだけのことだ。
デマンドは、横たわるタキシード仮面に鋭い目をぶつける。骨まで凍りつくかのような、冷たい眼差しだった。
「種が無くなるまで搾りつくしてやれ」
死刑宣告にも似た発言に、空気が震える。
523: ムーン陥落33 2006/06/11(日) 16:35:00 ID:f/2lrVuM(11/12)調 AAS
カツン……
再び靴音を響かせ、デマンドの姿は霧に消えた。
エスメロードは、しばらく青年の後ろ姿を見守っていた。その背中からは、叶わぬ恋に身を焦がす、女の哀愁が感じられる。
その行き場のない想いは、やがてタキシード仮面の肉体を、嵐となって襲うだろう。背中だけ見ていても、それがわかった。
逃げようとしても、身体は動かない。いや、もはや逃げる気も失われていた。
「ふふっ……ふふ。ふ」
見れば、エスメロードは震えていた。扇子で口元を隠し、笑いを堪えているようでもある。
デマンドの気配が完全に消えると、彼女は大きな口を開けて高笑いした。
「……っおーーーーっっほっほっほ!!」
気が触れたのではないかと思われるほどの、甲高い叫び声だった。
だが、彼女が心から可笑しくて笑っているのではないことぐらいは見て取れた。
よほど鈍感な人間でなければ、エスメロードの心が悲鳴を上げていることが、泣きたいのを堪える心情であることが、理解できるだろう。
ひとしきり笑い終えた女は、目尻に涙を浮かべて青年を振り返った。
「お聞きになった、タキシード仮面!?あの方はねぇ、私のことなど想っていないの」
何と答えたら良いか判らず、彼は沈黙を守った。
自分を陵辱した相手に同意を求められても、素直に頷けはしないのだが……。
「私が便利な駒だから、それだけなのよ。お前のようなクズに抱かれて、子供を作れですって!笑っちゃうわよねぇ!」
クズと言われた事に、不思議と腹は立たなかった。
その代わり、同情もしない。ただ利用されているだけの男の背中を、どこまでも追いかけ続ける馬鹿な女だ。
答えないタキシード仮面に苛立ったのか、女が胸倉を掴みあげた。
涙を浮かべた瞳と、目が合う。
「何か言いなさいよ!私が馬鹿だと思っているんでしょう!」
(……その、通りだ)
彼は思う。
なのに、何故心が乱されるのだろう。
デマンドに口腔陵辱を受けている彼女を見て、タキシード仮面の内側にははっきりと憤りが生まれていた。
想う人に想われない辛さを、彼は味わったことがない。この女を前に、何かかける言葉などあるはずもない。
しかしあの時の彼は一瞬であったが、うさぎとちびうさの事が頭から消えていた。
(俺は、どうしたんだ……?)
タキシード仮面の心境の変化を、女は知らない。
好きな男の気を引くために、また新たな陵辱を始めようとしている。
「見てらっしゃい───お前など、無茶苦茶にしてやるわ!」
残酷なだけだと思っていた女の意外な脆さ、弱さ。
それらが全て、青年の心に怒涛となって襲い掛かってきた瞬間だった。
524(1): 2006/06/11(日) 16:36:18 ID:f/2lrVuM(12/12)調 AAS
今日はここまでです。
次こそ四守護神の出番。
525: 2006/06/11(日) 17:28:08 ID:csTsY+Lp(1)調 AAS
素晴らしい神展開。ホント美味です、ご馳走様でした。
526(1): まこチン 2006/06/11(日) 18:22:30 ID:pqJIdgiy(1)調 AAS
素晴しい。敵さんの女性陣が哀しすぎます。
丸坊主にされた美奈子よりエスメロードに感情移入しちゃいますです。
なんか、彼女には幸せになって欲しい・・・・・・・・・・・・
その分だけセーラー戦士は悲惨な目に合わせてやってくださいね。
気押されちゃって自分は何やっていいんだかさっぱりわかんなくなりそう
527: 2006/06/11(日) 18:52:42 ID:vFvh+gCi(1/2)調 AAS
>>524
マーズ編の辺りから、意図的に敵側に感情移入するような書き方をされてますね。
そのことが却って読者の共感を呼んでいる。
つーかタキ様の浮気フラグキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
あの男はいつかやると思ってたよw
528(3): 2006/06/11(日) 20:07:43 ID:x1FZjJLO(1)調 AAS
アニメや原作では未遂に終ったデマンドのムーン陵辱だが…
果たしてどうするんだろう…
529(1): 2006/06/11(日) 20:44:56 ID:vFvh+gCi(2/2)調 AAS
>>528
そんなの、決まってるじゃないか。
530: 2006/06/11(日) 21:48:36 ID:kfNdOz5H(1)調 AAS
>>529
同意
531: 2006/06/11(日) 23:28:16 ID:tOknEdmF(1)調 AAS
ちきしょう
美奈子派の自分だが敵さんのお姉ちゃん達に泣かされた…
続きとムーン陵辱をwktkして待ってます。
532: 2006/06/12(月) 02:48:24 ID:z0u0a339(1)調 AAS
ネ 申
素晴らしすぎる。
ただのエロパロには置いとけないよ
533: 2006/06/12(月) 19:27:19 ID:/sQx2o2J(1/2)調 AAS
原作、思わず読み返してしまったよ。
ちゃんと原作とリンクして書いているんだな。
各場面で↑の今までのことが目に浮かんだ。
ブラックレディは登場するんだろうか・・・?
534(2): 2006/06/12(月) 20:53:38 ID:vU8/ezqP(1)調 AAS
さすがにブラックレディまで書いたらごちゃごちゃ&長くなりそう
>>528
ムーン陵辱、ちゃんと書いてくれると個人的に期待してる。
535: 2006/06/12(月) 21:02:33 ID:/sQx2o2J(2/2)調 AAS
>>534
確かにそうだな; 失敬。
>>528
変なこと言ってスマソ; スルー志向で。
536: 2006/06/12(月) 21:13:50 ID:B97OxWTd(1)調 AAS
原作に添っているのに全く先が読めない展開
>>534
タイトルからしてそりゃもうお前間違いないだろ>ムーン陥落
537: 2006/06/12(月) 22:46:59 ID:QnVnaya/(1)調 AAS
原作ではキス出来たがアニメでは2回に渡り失敗。
そんなデマンドはネ申の力で救われるのか!?
538: 2006/06/12(月) 22:49:57 ID:kVsBSWJL(1)調 AAS
お願いですから、カラベラス母子だけは
なんとか幸せにしてあげて下さい…かわいそうすぎる
539: [age] 2006/06/13(火) 00:18:18 ID:9+OKbiS7(1)調 AAS
期待age
540(1): 2006/06/13(火) 14:26:40 ID:vvvPi4VI(1)調 AAS
はるか、みちる輪姦もの期ボンヌ
541: 2006/06/13(火) 19:11:18 ID:/coF5uXP(1)調 AAS
今更だけど、マーズの話がかなりエロい気がw
個人的にツボだww
燃え盛る炎の明かりに照らされながら(ry
>>540
セラムンRだからこそ良いと思うんだが。
Sまでいくと微妙な感じがする;
542: 2006/06/13(火) 19:38:37 ID:1dje9Gec(1)調 AAS
続きが気になって毎晩のぞきに来る俺がいる。
ほんとに予想がつかん展開だ…でも原作には忠実なんだよな。
543(1): 2006/06/13(火) 21:07:34 ID:x6dhTro3(1)調 AAS
忠実ではないから予測がつかないのでは。
544: 2006/06/13(火) 22:12:47 ID:kv66IU39(1)調 AAS
>>543
そういう意味の忠実ではなく
>>501みたいな意味
545: 2006/06/13(火) 22:16:26 ID:7VP/vA56(1)調 AAS
実は今までブラック・ムーン嫌いだったんだが、入信しようかと思うw
546: 2006/06/13(火) 22:20:47 ID:RIAc4Nwh(1)調 AAS
そういやセーラームーンって公式ノベライズはされてないよな?(絵本みたいなのはあるけど)
少女漫画の小説版ってあまり売れないんだろうか。
547: 2006/06/13(火) 23:27:42 ID:i04j/3Dh(1)調 AAS
ここでマーズにルベウスの子を産んでほしいと思うのは
イクナイことなのだろうか
548: 2006/06/14(水) 00:32:17 ID:D96gpFQ7(1)調 AAS
神はまだか…
お願いします続きをお願いします
549: 2006/06/14(水) 21:40:16 ID:CNnsDO7I(1)調 AAS
まだ3日しか経ってねえしモチツケw
しかしホントに毎回続きが気になる締め方っつーか、週間連載を見ているようだ。
『毎週クライマックス!』みたいな煽りをつけたくなるな
550: 2006/06/14(水) 23:06:49 ID:7eR8oeCw(1)調 AAS
>>513
グラスの中に満たされた白濁の液体って精液?
551: 2006/06/15(木) 04:06:36 ID:ltSYl0sh(1)調 AAS
ふとこのスレみて、思わず元祖セーラームーンアニメみてしまったw
セーラームーンって冷静にみると(というのも変な言い方だけど)面白いし意外に教育的だね。むちゃナツカシス
続編にはついていけなくて無印しかみてないけど、子供の頃の記憶よりも面白く感じた。多分このスレのせい。
今になって思わずはまるくらい面白かったです、続きに期待
552(1): 2006/06/15(木) 11:12:25 ID:leVFOeP0(1)調 AAS
「うつむいてばかりいるとお日さまの明るいことも忘れちゃうんだって。」
「失望は愚か者の結論よ!」
「3.14159265358979・・・・・・・・・」
「恋人がいたっていいじゃないか。アタックあるのみ!」
「時代劇は愛と色気と立ち回りよっ!」
553: 2006/06/15(木) 19:46:55 ID:OVVErqIL(1)調 AAS
>>552いつのセリフだっけ?
554(1): 2006/06/15(木) 20:06:37 ID:DzJC6vUO(1)調 AAS
今更セラムンかよ
だがそれがいい
555: 2006/06/15(木) 20:26:57 ID:idhit+9C(1)調 AAS
>>554
気が合うかも試練
556: 2006/06/16(金) 01:08:31 ID:s183ydmE(1)調 AAS
はるかage
557: 2006/06/16(金) 10:32:20 ID:D27R4F5t(1)調 AAS
プルートは単なる回収係なのだろうか。
期待してはいけないと思いつつワクワクしている自分がいる。
558: 2006/06/16(金) 22:17:08 ID:197Sllwx(1)調 AAS
やるとしたら「プルート○○」でやるだろ。
うさぎとワンセットってのはあんまりだ
559(1): 2006/06/17(土) 00:03:47 ID:hgTlJ8tp(1)調 AAS
四姉妹は、上からペッツ、カラベラス、ベルチェ、コーアンだから
カラベラスが「ベルチェお姉様」なんて呼ぶのはおかしいな。
560: 2006/06/17(土) 00:11:07 ID:Kp7m1ssY(1/3)調 AAS
ネコとタチだから……とか(ぉ
561(1): 2006/06/17(土) 02:20:43 ID:9tBjIgBj(1)調 AAS
綺麗なままつれてこいとかいっていざ手に入れてやってみたら
すでに非処女
562: 2006/06/17(土) 09:25:07 ID:ZQZb1REz(1)調 AAS
はるか〜
だれか書いて〜
563(2): 2006/06/17(土) 09:46:34 ID:zm48zfSD(1)調 AAS
>>561
その点はすでにエスメロードに指摘されてるがw
まぁデマンドが処女厨なら、最初から人妻に惚れたりせんよな。
564: 2006/06/17(土) 10:35:12 ID:G0yASgFa(1)調 AAS
>>563
デマンド×育子ママもありか?w
565: 2006/06/17(土) 12:23:10 ID:kOgqWC8h(1/4)調 AAS
原作読んだことないんだが、
アニメではペッツとサフィールっていいかんじだったよな。
原作ではそうゆう描写はあったのか?
566: 2006/06/17(土) 14:25:06 ID:CTd86k3Q(1)調 AAS
原作では四姉妹はさっさとやられるからな…
最後まで生き残ったカラベラスとルベウスがいい感じで、
エスメロードはルベウスに押されぎみだったw
比較してみると楽しいぞ。
567(1): 2006/06/17(土) 14:26:56 ID:kOgqWC8h(2/4)調 AAS
アニメのエスメロードを全く覚えてないんだが。
568: 2006/06/17(土) 15:01:05 ID:pKpO4qZI(1/3)調 AAS
>>567
全く活躍しなかったからな…
569(1): 2006/06/17(土) 15:27:37 ID:kOgqWC8h(3/4)調 AAS
このスレで懐かしくなってセーラームーンRの格ゲーやったんだが、
マーズ一人でルベウス戦とか、
ムーン一人でデマンド戦とかでいらない妄想がW
アニメのルベウスっていつ死んだんだっけ?
570: 2006/06/17(土) 16:03:44 ID:pKpO4qZI(2/3)調 AAS
>>569
つyou tube
571(1): 2006/06/17(土) 16:23:05 ID:Ygq9SE83(1)調 AAS
ようつべのセラムンどんどん消えていってるよね
仕方ないけど残念
572: 2006/06/17(土) 18:04:44 ID:nVAFCRCc(1)調 AAS
>>563
人妻と知ったのは後からなのでは。
なにより未来のクイーンの外見は20歳前後らしいし。
573: 2006/06/17(土) 18:41:55 ID:pKpO4qZI(3/3)調 AAS
月の王国のやり方に反発して城を攻撃したんだから、
相手の事を何も知らないはずがない。
ただ、姿を見たのは攻撃した時初めてだったらしいが。
574: 2006/06/17(土) 21:17:24 ID:kOgqWC8h(4/4)調 AAS
>>571
ようつべって何だっけ?
575: 2006/06/17(土) 22:03:54 ID:eSkx9Brt(1)調 AAS
お前は1個上のレスも読めんのかw
576: 2006/06/17(土) 23:04:22 ID:Kp7m1ssY(2/3)調 AAS
「人々に永遠の命を与えた女王」と書くと、クイーン・セレニティのことか
女王プロメシュームのことかわからんなw
577: 2006/06/17(土) 23:32:06 ID:9IF1jk5e(1)調 AAS
汽車は〜 闇をぬ〜けて♪
578(1): 2006/06/17(土) 23:38:24 ID:TooDr7TC(1)調 AAS
外部リンク[htm]:emeraldas.net
プロメシュームってこの人?
579: 2006/06/17(土) 23:47:31 ID:Kp7m1ssY(3/3)調 AAS
>>578
その人の成れの果てという方が正しいかな。。。
580(1): 2006/06/18(日) 00:52:13 ID:S5CIzqFv(1)調 AAS
ルナとプロメシュームって漠然とキャラがかぶるような
581: 2006/06/18(日) 07:47:48 ID:NrLpHRLD(1)調 AAS
>1000年女王として1000年間(1900〜1999)地球を影から治める。
1000年なのに、100年間なんだな。w
582: 2006/06/18(日) 08:28:20 ID:BkYsdD9T(1)調 AAS
17年ゼミだって蝉の期間はちょっとしかないぞ。
583: 2006/06/18(日) 10:07:51 ID:sQmgDmqQ(1)調 AAS
じゃ残り900年はネコか
584: 2006/06/18(日) 19:14:34 ID:dyJ645t4(1)調 AAS
話題についていけんw
お前ら何歳だよw
585: 2006/06/18(日) 19:21:04 ID:+CVqA5Vu(1)調 AAS
>>580
……そう言えば千年女王の方だと中の人がルナと同じなのか。
成れの果て(画像リンク
)の方だと来宮良子さんだそうで。
586: 2006/06/18(日) 22:27:18 ID:xV8GwcHa(1)調 AAS
有紀蛍の中の人は桜田先生/せつなさんだね
587: ムーン陥落34 2006/06/19(月) 00:35:12 ID:SIQ2CPG5(1/12)調 AAS
鍋の底から、ポコポコと泡が浮かんでくるのを、木野まことはぼんやりと見つめていた。
「お湯を沸かす」と言うのは、考えてみたら変な表現だ。正しくは「水を沸かす」ではないだろうか。
天才少女に尋ねてみたところ、「日本語としてはおかしいが文法的には正しい」そうだ。
『お湯と言うのが結果で、沸かすと言うのがその過程ね。この場合、結果が先に来ているから違和感があるんだと思うわ』
『でも、『ケーキを焼く』って言葉はおかしいとは思わないでしょう。文法的には、完成したケーキをさらに焼く、って意味にもとれるけれど』
『そこが言葉の面白いところよ。つまり……』
勉強の話になると、亜美は多弁になる。以前はそんなところが少し鬱陶しく感じていたが、今は穏やかに受け入れられるようになった。
亜美やまことの幸運は、自分の趣味が、たまたま社会的に認められている事だった、という点だ。
家事や勉強が出来る少女を嫌いな人間はそういない。その反面、自分が好きでしていることなのに、誰かに媚びているように思われるのが難点だ。
まことは好きな人にだけ料理を食べさせてやりたいし、亜美も、天才だからと言って何でもできるように思われるのは心外だろう。
(誰もあたしたちのことなんてわからない)
身に余り過ぎる能力が他人との軋轢を生む、そんなところが共通していたのか。容姿や性格的には正反対なのに、何故か亜美とは最初から気が合っていた。
同じ国に生まれ、同じ学校に通い、同じセーラー戦士として、同じプリンセスに仕えた。
───そして、辿る運命までもが同じだったとは。
白い湯気が頬を湿らす。まことは雑念を振り払うように頭を振り、火を止めた。
沸騰した湯の中に塩を一つまみ入れ、乾いた麺を放射線状にバラバラと投げ込んでいく。箸でかき混ぜるとすぐに疲れたようにしんなりとし、湯の中に沈んでいった。
料理はいい。手を動かしている間は、何も考えずに済むから。
「まこちゃん、何か手伝う事ある?」
居間から亜美が顔を出した。まことはポニーテールを揺らしながら振り返り、無理に笑顔を作った。
「ああ、いいよ。亜美ちゃんは座ってて」
退院してから亜美のマンションに移り住み、もう1週間になる。
亜美の母親は滅多に家に帰らないし、帰っても娘の部屋に無断で入ることはないので、友達を連れ込んでいても気付かれない。
こういう時は、一人暮らしで良かった、としみじみ思う。娘が夜分に襲われても、長い間家を空けても、心配する親がいない。
今のまことにとって一番辛い事は、あの夜のことについて詮索されることだった。まことが病院に運び込まれた事は、いずれ人の口から漏れる。
少年たちにも顔を見られた。また会ったらと思うと怖くて恐ろしくて、外を歩けない。
だから、同じ傷を抱える亜美の元に逃げ込んだ。それが果たして正しい事であったのかはわからないが、こうする他はなかったのだ。
亜美は何も言わずまことを泊めてくれ、学校に行けとも言わなかった。
失踪した美奈子とうさぎは、未だ見つからない。アルテミスとルナも帰る場所をなくし、まことともども亜美のマンションに居座る事になった。
(レイちゃんは……)
守ってやれなかった、黒髪の少女を思い出す。彼女はまだ、意識が戻らないのだろうか。ひょっとしてずっとこのままなのだろうか。
いかにも粗野なあのルベウスに、身体を好きなようにされたのだ。身体のみならず、心が壊れてしまってもおかしくない。
退院した頃には、まことも随分痩せていた。つんと張っていた乳房は腫れがひかず下向きになり、肛門が緩んだせいか腸の調子も悪くなった。
少年たちだけではなく、医者や看護師にも生まれたままの姿を見られ、尻の穴に薬を塗られた。中学生の少女には、あまりにも過酷な仕打ちだった。
下腹に手を当てる。もうそこには何も入っていないのに、痛みの記憶が深く残っていて、思い出すたびに傷口が疼く。
「はい、いっちょあがり」
十五分ほどでスパゲッティは茹で上がった。
ほかほかと湯気を立てる麺の上に、ミートソースをたっぷりかける。粉チーズと一緒に、亜美の目の前に置いた。
「ありがとう。おいしそう……」
亜美は大きな目を細めて、皿の上に盛られた夕食を見つめていた。その膝元にルナとアルテミスがうずくまっている。
二匹とも目に見えて憔悴していた。お互いの主が揃って行方不明なのだから、無理もない話だ。
「……アルテミスたちも、食べなよ。お腹すいてるだろう」
まことは小皿の上に分けたスパゲッティを見せる。
寄り添うようにしている二匹の猫は、ちらりと皿の上に目を向けたまま、身動ぎもしなかった。
口に運んでもらえるのを待っているわけではなく、本当に食べたくないのだとわかった。
588: ムーン陥落35 2006/06/19(月) 00:42:50 ID:SIQ2CPG5(2/12)調 AAS
「ルナ……」
亜美が気遣うように声をかけたが、ルナは沈黙を守った。
アルテミスも何も言わない。二匹で黙っていると、白と黒の置き物がただ並んでいるだけに見える。
まことたちは仕方なく、二人だけでスパゲッティを食べ始めた。フォークと皿がぶつかり合う音が、マンションの室内に響く。
美味しいはずなのに、全く味がしない。アパートでの一人の食事よりも楽しいはずなのに、心は沈んでいる。飲み込んだ麺が、ずっしりと胃にもたれる感じがした。
亜美は片手に握ったフォークにスパゲッティを巻きつけながら、左手でせわしなくハンディコンピュータをいじっていた。
地場衛に渡しておいた端末と通信が出来なくなっているらしい。うさぎと一緒にいる時、何かあったことだけは間違いなかった。
身体に傷を負っていても、手と頭が動く限り目の前の問題を解決しようとする亜美に比べて、自分は何と情けないことだろう。
自慢の腕力も今は全く役に立たない。全身の筋肉が、恐怖の記憶で強張ってしまったかのように動かない。
家事に逃避して、亜美の身の回りの世話をすることで気を紛らわせてはいるが、いつまでもこのまま甘えてはいられない事は判っている。
うさぎたちの行方が判り次第、早晩セーラージュピターとして戦わなければならないのだ。
(だけど、無理だよ……)
以前のように、先陣切って敵の集団に突っ込んでいくような勇気は、今のジュピターにはない。
高層マンションの窓から見下ろす人間の集団すら怖く、足が竦む。身体が動かないのだ。
これまでどんな敵と戦った時でも、ここまでの絶望は味わった事がなかった。性的暴力と通常の暴力とは、明らかに種類が違うのだと、彼女ははっきりと思い知らされた。
身体の内側から起こる変化。行為自体は悪とは見なされない特異性。善と悪の境界線の曖昧さ。女だけに与えられるリスク、妊娠の恐怖。
あの少年たちには顔を見られた。半分気を失いかけていたが、写真も撮られた記憶がある。
普通の少女としての夢や将来のビジョンが、まことにはある。
綺麗な花とレースに囲まれた部屋で、刺繍や編み物をして過ごしたい。大好きな観葉植物に水をやりながら、恋人のためにケーキを焼いて、彼の帰りを待つ。
幼い頃から夢見ていたそんな生活には、もう手が届かないような気がした。
身体を割り開かれ嬲り者にされて、もう消えてしまいたいと思ったのに、何故かこうして生きている。しかしここにいる自分は、以前の木野まことではないのだ。
『亜美ちゃんは、何も変わってないよ!』
あの時のうさぎの台詞が、今はひどく傲慢に聞こえる。
人は、変わらないはずなどないのだ。変わらないことを強制しているのは、プリンセス・セレニティの存在ではないのか。
あの言葉は、何があっても自分の傍を離れるなと、そう解釈する事も出来る。身体がボロボロになっても、守護神としての使命を忘れるなと。
自覚して口にしているのでなくとも、まことたちにとって唯一神である彼女の言葉は、あまりに重い。
ピーーーーーッ……
機械的な音が、まことの思考を断ち切った。
「通信が途切れた地点がわかったわ」
検索を終えた亜美が、難しい表情で呟いた。
「芝公園近くの工事現場前よ。やっぱり、衛さんはうさぎちゃんと一緒にいたみたいね。そこで何らかの事件に巻き込まれた……」
「美奈は?」
アルテミスが跳ね起きる。尻尾をぴんと立てて、亜美の傍に駆け寄った。
「ごめんなさい、それはまだ……」
言葉を濁す亜美を、アルテミスは苛立たしげに見つめた。
「しっかりしてくれよ!頼れるのは亜美しかいないんだ!」
ルナとアルテミスにとって、うさぎや美奈子の存在がどれほど大きいものであったかはよく知っている。特にアルテミスは、美奈子の事となると普段の冷静さを失ってしまうほどだった。
しかし、学校に復帰して塾や予備校に通い、休みの日は時間を見つけてセーラーマーキュリーとしての任務をこなしている亜美を、これ以上追い詰めて何になるのか。
「そんな言い方はないだろう。亜美ちゃんだって頑張ってるんだ!」
まことは思わず拳でテーブルを叩いた。
589: ムーン陥落36 2006/06/19(月) 00:44:50 ID:SIQ2CPG5(3/12)調 AAS
所詮男には、女の苦しみはわからないという事だろうか。
アルテミスは、亜美が「大丈夫よ」と言えば、本当に大丈夫だと思っている。あとは文句の一つも言わず、黙々と作業をこなしてくれると思っている。
そして問題が起きて初めて、「なぜ辛いと言わなかった」と言うのだ。
「亜美ちゃんがどんなに辛い思いをしてるか知りもしないで……!あんたたちは、ただ寝転がって文句を垂れてるだけじゃないか!」
いつもいつも、彼らはまことたちに『頑張れ』と言う。自分たちは安全なところから。
現世において、まことたちは普通の中学生だ。地球を守り、うさぎを守り、かけがえのない友人や私生活を守り、これ以上何を『頑張れ』と?
──守るべきものが増えるたびに、人は弱くなる。いっそ全部捨ててしまえば……
ペッツの言葉が思い起こされる。
(あやかしの四姉妹が強いのは、つまらないしがらみを捨てているからじゃないのか)
戦いに勝利するためなら、彼らブラック・ムーンは容赦なく仲間を切り捨てるだろう。
自分たちに足りないのはその覚悟ではないのか。たった一人を気遣ったために、次々と仲間が倒されていく。
(たった、一人のために……)
「まこちゃん」
静かな亜美の声が、まことを捕らえた。
「今は余計な事は考えない方がいいわ。私たちは敵の暴力の前に一度は屈したけれど、心までは明け渡したわけじゃない」
亜美の涼しげな眼差しは、まことの心を少しだけ軽くした。
彼女は本当に、強い。だが、それだけだろうか。まことの考えが読めたという事は、亜美の中にも多かれ少なかれ、その考えがあったという事だ。
「それと……これから、火川神社に行こうと思うの。レイちゃんが心配だもの」
「え!?」
驚くまことに、亜美は画面上の赤い三角を示す。
「これが、レイちゃんの変身スティック。移動しているでしょう?」
変身スティックの位置は、イコール、現在のセーラー戦士の位置を示している。
言われてみれば、三角形は火川神社の地点で右往左往していた。
「ほんとだ。でも、何で…?」
画面を覗き込んで、まことは不審な顔をした。レイが目覚めたのなら、真っ先にまことたちに連絡が来るはずだ。
それとも、まことと同じように、立ち直れずに床についているのだろうか。……いや、それはない。
三角の動きが活発すぎる。戦えない状態だとしても、連絡が出来るくらいには元気なはずだ。
「変身スティックを持っているのが、本人だとは限らないわ」
亜美の漏らした一言に、まことははっとした。
「どういうことだい?ひょっとして……敵が?」
-----
「変身スティックを返しなさい」
いつものように粥を運んできた相手に、火野レイは単刀直入に切り出した。
あまりにも率直なものの言い方に、コーアンは目を丸くした。
祖父の身体を借りているから、性格には祖父の目が丸くなったのだが。その気味が悪い光景にも、いい加減慣れてしまった。
「ルベウスは好き勝手言ってくれたけど、戦わないあたしなんてあたしじゃないのよ。あんたたちだって、いつまでもこんな茶番を続ける気はないんでしょう?」
何より、敵が目の前にいるのに手が出せない状況というのに、レイは我慢できなかった。
亜美の事も美奈子の事も、うさぎの事も心配だった。まことがついているから、大丈夫だとは思うが……。
自分が気を失っている間に、彼女たちが悲惨な目に遭っていることを、レイは知らない。ただ、研ぎ澄まされた霊感がはっきりと、破滅の足音が迫っていることを伝えてくるのだ。
「わからない小娘……」
祖父は馬鹿にするように呟いた。
「スティックがあっても、刻印を消さない限り、あなたはまだ変身できないと言ったでしょう」
「だから、その刻印を消す方法を教えろって言ってるのよ!」
レイは苛立って叫んだ。
590: ムーン陥落37 2006/06/19(月) 00:45:49 ID:SIQ2CPG5(4/12)調 AAS
本来怒りをぶつけるべき相手は、既にこの世を去ってしまった。今のレイには、この女しか感情を迸らせる相手がいない。
すぐにでもここを出て、誰かと話して、思っていることを行動に起こさなければ、気が狂いそうだった。
引き篭もることを選択したまこととは逆に、レイは身体を動かすことで、辛い記憶から逃れようとする意識が働いていた。
横になって天井を見つめていると、あの時の恐怖が甦ってきて、怖い。早く神社から出たい。変身して、好きなように炎を出したい。破壊衝動の現れである。
「勘違いしてもらっては困るわ。あなたにとって有利な情報を教えたのは、ルベウス様の本心を伝えて、出来るだけ長く苦しんでもらうためなんだから」
祖父の目は、手がつけられることのない粥をじっと見つめている。
最後まで自分らしく生き、消滅した相手のことを思っているのか。レイの霊感を以てしても、その心の奥までは覗けない。
「そんなに簡単に、セーラー戦士に戻れるとは思わないでね。仮にもう一度変身できても、仲間はあなたを受け入れてくれるかしら?」
「ど……どういうことよ……」
霊力ゆえに、他人に拒絶された経験を持つレイは、思わずたじろいだ。
うさぎたちに会って、ようやく素の自分を出せる仲間を見つけたと思った。もう、二度と一人ぼっちには戻りたくない。
祖父の口から、くすくすと笑いが漏れる。
「マーキュリーもジュピターも陵辱の恐怖に立ち直れず、ヴィーナスはこちらが捕獲。おまけにあなたが大好きなセーラームーンは、現在行方不明」
目の前が真っ暗になりそうなことを、祖父は平然と言った。顔色を失っているレイの耳元に、甘く囁きかける。
「あなたたちの結束力は、確かに強い。でもそれが弱点になることもあるの。ほら、スパゲッティだって、くっついていると美味しくないでしょう?」
「この……!」
怒りで目の前が赤く染まった。レイは布団を跳ね除け、祖父に掴みかかった。
自分たちの友情を否定され、彼女は熱くなっていた。まことの優しさに応えられなかったこと、その後まことが同じ目に遭ったことが、怒りに油を注いだ。
庭の方角で小さな声がしたのは、その時だった。
「ごめん下さい」
懐かしい声に、レイの動きがぴたりと止まった。
(亜美ちゃん……!元気になったの?)
心ない連中によって傷つけられた亜美が、自分を訪ねて来られるほどに回復したのだと思うと、レイは大きく励まされた。
この後、再び絶望のどん底に突き落とされることになろうとは、思いも寄らずに。
コーアンは素早く声色を変えると、障子の向こうに声を飛ばした。
「どなただね?申し訳ないが、今は復旧作業中で、参拝は出来ないんじゃよ」
「どいて!!」
いても立ってもいられず、レイは飛び起きた。
祖父の身体を押しのけ、障子を思い切り開け放つ。流れ込んでくる日光と風の向こうには、懐かしい姿があった。
和風の庭には不似合いな、すらりとした美少女が二人、ギリシャ彫刻のように立っている。
青いセーラースーツに身を包んだ小柄なショートカットの戦士。
緑のセーラースーツに身を包んだ大柄なポニーテールの戦士。
「セーラーマーキュリー」
「……セーラージュピター」
どこか暗い影を宿した表情で二人は言い、いつもの決めポーズもしなかった。
それでも、レイは嬉しかった。ヴィーナスも交えて、もう一度四人で戦えると、この時はそう信じて疑わなかった。
四人の心がとうに離れてしまったことなど、気付きもしなかった。
(亜美ちゃん、まこちゃん!)
喜びがレイの面を占める。
「マーキュリー、ジュピター!あたしはここよ!」
祖父の横から手を振り、身を乗り出して、大声で呼びかける。艶やかな黒髪が庭からの風に煽られ、二人に向かって存在を主張するようにはためいていた。
マーキュリーは彼女を一瞥しただけで、祖父に向き直る。
その手には愛用のハンディコンピュータ、その瞼は特殊なゴーグルで覆われていた。指がせわしなく動き、一つの結論を素早く弾き出す。
「あなたが、レイちゃんのスティックを奪って監禁していたのね。コーアン」
591: ムーン陥落38 2006/06/19(月) 00:49:35 ID:SIQ2CPG5(5/12)調 AAS
「ふん……意外と早く嗅ぎつけたわね」
ずるりと、祖父の身体が崩れ落ちる。身体から『彼女』が抜け出したのだ。
黒い霧のようになったコーアンの身体が、庭に立つマーキュリーたちに迫っていく。
「大人しく引き篭もっていれば良かったのに。またマワされたいの?」
びくん、とマーキュリーの肩が撥ねた。青いブーツを履いた足が、ガクガクと震えだす。立ち直ったつもりでも、そんなにすぐに忘れられるものではない。
次第に青ざめていく彼女を庇うように、ジュピターが前に立った。
「やめろ!これ以上彼女を追い詰めるなっ!」
コーアンの目が、今度は長身の少女に向く。じわじわと、真綿で首を絞めるように、言葉で彼女たちを責める。
「あらジュピター、お尻の具合はもういいのぉ?用を足す時大変でしょ?」
「くっ………」
ぎりぎりと奥歯を鳴らす音が、レイの耳にも届くようだった。
颯爽と登場した割には、マーキュリーたちはなかなか攻撃に移ろうとしなかった。ジュピターなどは率先して敵に一撃を加えていて良さそうなものだが、全く動かない。
(二人とも、どうしちゃったのよ!?)
変身できない己を歯痒く思いつつ、レイは心の中で叫んだ。戦いたいのに戦えないレイとは違って、彼女たちは戦いたくないのに、この場にいるのだ。
その気持ちが、レイには判らない。同じ傷を抱えていても、本人でない以上、その痛みは本人にしか判らない。
「辛いのは判るわ。どこの馬の骨とも知れない、汚らしい男に、精液をたっぷり中出しされちゃったんですもの」
ジュピターたちを取り巻くように、コーアンが残酷な言葉を投げかける。
「やめなさいよ!」
祖父の身体に布団をかけながら、レイは噛み付いた。しかし、コーアンの舌は止まらない。
「その点マーズは幸せね。ルベウス様に愛されて抱かれたのだから」
空気が凍りつくような一言だった。
(な、何を言い出すの!!)
マーキュリーたちも、驚いたようにレイの顔を見ている。
その面に不審の色が走ったのを、はっきりと見てしまった。違う、と言いたいのに、咄嗟に声にならない。
本人が死んだ以上、証拠など何もないのだ。むきになって否定すれば否定するほど、却って怪しまれる。
確かに、ルベウスがマーズに執着していたことは、コーアンの口から聞かされた。だが、それが何だと言うのだ。ジュピターとマーキュリーの視線が痛い。
(やめてよ……!違うの、信じて!)
口元を覆った。吐き気がこみ上げて来る。
あんな男は大嫌いだ。情けを受けた覚えはない。誰からも責められる覚えはない。
不信感が芽生えるのはわかる。数ヶ月ぶりに会った友人が思いのほか元気そうで、しかも敵の介抱を受けている。
(これには事情があるのよ。けれど、話せば長くなる……!)
コーアンはまさにそれを狙っていたに違いなかった。
セーラーマーズが『こちら側』に寝返ったのではないかと、思い込ませるために。そうではないと証明できる手段が、今のレイにはない。
「レイちゃん……?」
訝しげに問いかけるマーキュリーの声を、コーアンが荒々しく遮った。
「飛んで火に入る夏の虫とは、まさにこのこと。お前たちの方から集まってくれるとは!」
コーアンが叫ぶと同時に、神社の上空がカッと光った。
落雷にも似た衝撃が境内を真っ白に包み、眩しすぎる閃光が目を灼く。
その光が消えてなくなると、空に巨大な円状の物体が二つ、目玉焼きのように浮かんでいるのが見えた。
(なに……あれは!?)
初めて目にする物体だった。上空から放たれる圧倒的なパワーに、地面が小刻みに揺れている。
その物体から、光のエレベーターが真っ直ぐに降ってくる。庭に立つジュピターとマーキュリーの身体を、ふわりと浮き上がらせた。
「うわ……」
「きゃあっ」
そのまま二人の身体は、掃除機で吸い込まれるように、どんどん空へ吸い寄せられていく。
「マーキュリー、ジュピター!!」
身体の痛みも忘れて駆け寄ろうとするレイを、さらに光が包み込む。
「お前も来るのよ!」
裸足が地面から離れ、もがく手が宙を掴んだ。ブラック・ムーン一族は、異星からの侵略者。その事実を、レイは改めて認識した。
(あたしたちは、とんでもない敵と戦っていたんだわ)
戦慄に身体が震える。鳩尾辺りに、また何かがもたれるような感覚があった。浮遊したせいで、気分が悪くなる。
マーキュリーとジュピター。ルベウス。コーアン。様々な顔が頭の中でぐるぐる回った。
自分を照らし出す巨大な円盤の姿を目に映しながら、レイは意識を手放した。
592: ムーン陥落39 2006/06/19(月) 00:50:28 ID:SIQ2CPG5(6/12)調 AAS
ここは、どこだろう。随分と肌寒い。
裸の肩をぶるりと震わせて、月野うさぎは意識を取り戻した。
見慣れた街の風景は、そこにはなかった。上を向いても下を向いても、ただ白い空間だけが続いている。
(まもちゃん……)
最初に思ったのはその人のことだった。
同時に、胸の奥にずきりと刺すような痛みが走る。
うさぎが覚醒するのを待っていたかのように、記憶が急速に巻き戻しを始める。
「いやっ!」
うさぎは頭を抱えた。
思い出したくないのに、まざまざと再生された出来事。タキシード仮面の上に覆い被さる、エメラルド色の巻き毛。
うさぎだけのものだったあの肉体を横から掠め取り、こちらを向いてにやりと笑ったあの女──エスメロード。
衛を思い出すことは、あの女の顔を思い出すことにも繋がる。これから先、ずっとこんな思いをしなければならないのか。
(イヤだよ、そんなの……)
つめたい感触が、裸体にまとわりつく。
うさぎは緩慢に起き上がった。見回すと、遠くにぼんやりと四角い塊があるのが見えた。
二・三度瞬きをし、その物体が何であるのかを確かめようとする。
チョコレートを縦にしたようなもの、と思ったのは、単に空腹だったからだ。よく見れば、それは扉の形をしていた。
「お目覚めですか。セーラームーン」
低い女性の声に、うさぎは飛び起きた。
エメラルド色の忌まわしい記憶が、脳裏を染めたのだ。
「だ、だれっ!?」
裸の胸を覆い隠し、問いかける。
霧のようなものに包まれた扉の影から、さらりとした黒髪が踊る。
現れたのは、白と黒のセーラー服を纏った女性だった。褐色の肌に、切れ長の瞳。容貌は文句なしに美しかった。
ゆっくりと歩み寄ってくる女性を、うさぎは惚けたように見つめていた。
「レイちゃん……?」
いや、違う。レイはこんなに色黒ではない。
それに顔立ちもずいぶん大人っぽい──どんなに少なく見積もっても、二十歳は過ぎているように見える。
自分に向かってかけられる穏やかな微笑みに、うさぎは同性ながらどぎまぎした。
こんな大人の女性がセーラー服を着ていると、妙に背徳的な雰囲気を醸し出す。同じコスチュームなのに、着ている人が変わると、こんなにも違って見えるものだろうか。
「私はセーラープルート。時空の扉の番人をしております」
そう名乗った女性は、巨大な鍵のような得物を持っている。敵ではないことが判り、うさぎはやや警戒を解いた。
「セーラー戦士……なの?」
プルート。聞いた事のない名前だ。
「どうして、こんなところに一人でいるの?あたしを知っているのはなんで?」
「今はまだ言えません。ですが、これだけは信じてください。私はあなた方の味方です」
穏やかな声が、傷ついていたうさぎの心にじわりと染み込んでいった。
まるで母のような女性だ。初めて会ったのに、言葉に重みと思いやりを感じる。
緊張の糸が解けたように、うさぎの目からは大粒の涙が流れ出した。
「どうしました」
セーラープルートは屈みこみ、うさぎの肩をそっと抱く。
レイによく似た真っ直ぐな黒髪は、ほんの少し緑がかっている。まさに、緑の黒髪だった。
「うっ……うぇえええええ……ひっく…」
ふわりとしたいい匂い。大人の女性の匂い。堪えようとしても、涙は後から後から溢れてきて、裸の胸を濡らした。
瞼を拭おうとしたうさぎは、手の中の違和感に気付く。
掌に食い込むのではないかと思うほどの強さで、美奈子のリボンを握っていた。変身を解かれ、銀水晶を奪われた時も、これだけは手放してはいけない気がしたのだ。
皺くちゃになった、赤いリボン。このリボンのような目に美奈子が遭っているのだと思うと、また涙が溢れる。
593(1): ムーン陥落40 2006/06/19(月) 00:51:49 ID:SIQ2CPG5(7/12)調 AAS
「みなこちゃ……まもちゃ……うっぐ……あ、あたしのせいで、みんな……」
「ええ、存じております。全て見ておりましたから」
プルートは淡々と語る。
「お辛かったでしょう。ですが、もうすぐここにも追っ手が来る」
厳しい一言に、うさぎの涙が一瞬止まった。
「どうして……もう、銀水晶は取られちゃったのに?」
まだ、うさぎを狙ってくるというのか。プルートの真剣な瞳が、それが嘘でない事を告げる。
ブラック・ムーン一族。敵。幻の銀水晶。地場衛。亜美やレイやまことや美奈子。ちびうさ。大切なものは根こそぎ奪われたというのに。
「これ以上……」
はらはらと涙が落ちた。
「これ以上あたしから、何を奪うって言うのよ!!」
自棄になって、うさぎは床に顔を伏した。号泣が顔を濡らす。
何も知らない中学生だったあの頃に、戻りたい。衛とも普通の学生同士として出会っていたら。もう一度、やり直したい。
「しっかりなさい。敵の目的は、あなた自身ですよ。セーラームーン」
プルートの手が、うさぎの両肩を強く掴む。凛とした意思を秘めた瞳が、涙の向こうに見えた。
「プリンセスのあなたが、仲間を信じられなくてどうします。彼女らなら心配ありません……それより、連中から身を守ることを第一に考えなさい」
「守るって……」
裸にされたうさぎは、どうしたら良いかわからない。
アイテムもなく、服もなく、これからどこに逃げれば良いかもわからない。
ひんやりとした風が、うさぎの頬を撫でる。
新しい客人の禍々しいまでの気配に、プルートは極めて冷静に呟いた。
「追っ手ですね」
巨大な鍵形のロッドを一閃させると、彼女は立ち上がった。戦い慣れていることを感じさせる、頼もしい仕草だった。
うさぎは霧の向こうに目をやった。プルートの目線の先には、二人の青年の姿があった。
左右対称の、鏡に映したような容姿の青年たちだ。双子なのかも知れない。
額にあるのは、逆三日月の印。
「我が名はキラル」
「同じく、アキラル」
不気味な声が静寂を破る。
容姿のみならず、動きまでもが同じ青年は、二人並んでプルートの前に立った。
「立ち去りなさい。掟により、お前たちにはこの扉を通ることは許しません」
凛とした声が、空間を揺らした。だが、青年たちはその場から動くことをしない。
「掟?そんなものは知らぬ」
「我らはエスメロード様のご命令に従うのみ」
聞きたくない単語に、うさぎは耳を塞いだ。
(エスメロードの配下……)
あの女は、何故それほどまでにセーラームーンを憎むのか。
ちびうさのこともそうだ。彼女を執拗につけ狙う理由がわからない。
キラルとアキラルは、それぞれ敵意に瞳を輝かせながら、プルートの背後にいるうさぎを狙っている。
「その少女を……」
「渡してもらおうか」
声と両脚が、きっちり揃っている。機械的な動きに、うさぎは怯えた。
銀水晶を持たない彼女は、ただの無力な少女だ。敵からの攻撃に、身を守る術がない。
「早く行きなさい!」
プルートが叫ぶと同時に、うさぎを突き飛ばした。ぶつかった勢いで、扉が重々しい音を立てて開く。
この先に何があるのか知らない。ただ、自分を守ってくれようとする人の気持ちを裏切るわけにはいかなかった。
「ありがとう。あの……」
「早く!」
落ち着いて礼を言う暇もなかった。
臆する心を奮い立たせながら、うさぎは扉の向こう側に躍り出る。
目の前には、重苦しい灰色の雲が立ち込めていた。
594(1): ムーン陥落41 2006/06/19(月) 00:52:50 ID:SIQ2CPG5(8/12)調 AAS
眩しい銀色の輝きを、男はいち早く察知することが出来た。
整った顔立ちが不気味に歪む。ようやく、待ち望んでいたものを手に入れることが出来そうだ。
「タイム・ワープを使ったか……」
デマンドの微笑みが、玉座の背後に向けられる。振り返ったその先には、壷が置いてあった。
異臭が外に漏れぬよう、硬く蓋をしてある。それを開ける事が出来るのも、『中身』を追加することが出来るのも、デマンド本人だけだった。
ネオ・クイーン・セレニティの存在を目に焼き付けたあの日から、若きプリンスの自慰の対象はただ一つとなった。
エスメロードの事は部下として可愛く思うし、同時に哀れな女だとも思うが、同情だけで抱くのは彼女に失礼だろう。
デマンドが欲しいのはあの女と銀水晶、そして地球の歴史をやり直し、本来あるべき姿に戻すこと、それだけだった。
未来の女王を跪かせ、瑞々しい裸体を自分の思うようにすることを想像するだけで、彼の心は熱く燃えた。
両手で身体の中心を扱き、溜まっていた白いものを搾り出し、グラスに溜めた。それも満杯になると、今度は壷に注いだ。
幾度となく繰り返してきたその行為も、もうすぐ終わりを迎える。これからは、セーラームーンが壷の代わりを果たす。
期待に、男の欲望がむくむくと起き上がるのを感じた。
「……いかんな、抜いてもらったばかりだと言うのに」
弟が見たら、さぞ呆れることだろう。
彼はゆっくりと玉座から身を起こした。
迎えにいってやらなければならない、月の女神を。
時空の扉を抜け、助ける者も身に纏うものもなく、打ち捨てられたように倒れている少女を。
しかし、そんな彼を邪魔する声があった。
「デマンド様!」
コーアンの甲高い声が、室内に響き渡る。
「四守護神の残りを捕らえましたわ!褒美を下さいな!」
獅子の鬣のように豊かな髪と豊満なボディが、デマンドの目の前に躍り出た。
末っ子だけあって、空気が読めない女である。デマンドは舌打ちして、駆け寄ってくるコーアンに目を向けた。
「少し声を落とせ。はしゃいで報告するようなことか」
「も、申しわけありません!でもぉ……今までずっと、マーズの監視で退屈だったんです」
萎縮しながらも、コーアンは言いたい事を言う。
「今更、遅い。既にセーラームーンはこちらへ向かっている」
彼女さえ手に入れば、四守護神には何の用もない。
この壷の中身を彼女の身体に移し、自分の子供を産ませ、歴史を変えるのだ。
「では、四守護神はどうするんですか?裸にして、手足を切り落とします?」
物騒なことを平然と告げるコーアンに、デマンドもやはり平然と答える。
「例の部屋に、まとめて閉じ込めておけ。……そうだな、セーラームーンの目の前で、再び犯させるのもいいだろう」
彼女が強いのは、仲間と夫と、愛する娘に囲まれていたからだ。
心の拠り所を失くせば、セーラームーンは必ず陥落する。そのために、こんなに回りくどい方法を取ったのだ。
四守護神のチームーワークを破壊し、エスメロードを使ってタキシード仮面の心を完全に切り離し、ラビットを攫う。
犯すのは、デマンド以外見ないようにしてから、だ。
「褒美は、全てが片付いた後だ。それまでは存分に働いてもらう」
早くコーアンに去ってもらいたいデマンドは、そっけなく下がれと命じた。
「わかりました」
不満そうな顔をしつつも、コーアンは姿を消す。もっと誉めてもらいたかったらしい。
実際、あやかしの四姉妹はルベウス以上によく働いてくれた。地球を征服した後は、正式に幹部として迎えねばなるまい。
デマンドは逸る心を抑え、城の外に向かって歩き出した。
ラビットが時空の鍵を使ったことで、空間に歪みが生じている。エスメロードに命じてセーラームーンの足跡を辿らせたのは、あれからすぐのことだった。
エスメロード自身は、タキシード仮面の調教に忙しいため、配下の男二人に行かせた。それが、どうやら功を奏したらしい。
地面に突き刺さった邪黒水晶にもたれかかるように、月野うさぎが倒れていた。
生まれたままの姿で。
キラルとアキラルから逃れたという事は、何者かの助力があったのだろう。しかし、結果的にデマンドのもとへ早く辿り着くこととなった。
焦がれ、求め、欲してきた存在が今、無防備に目の前にある。デマンドの心は歓喜に震えた。
「まもちゃ……」
熱に浮かされるように、少女が呟いた。瞼から一筋の雫が垂れ、頬を伝っていく。
デマンドは薄く微笑んだ。彼女の未来の夫は、今頃他の女と子作りに忙しい。自分がそのように命じた。
驚くほど軽い彼女の身体を抱き上げて、再び踵を返す。少女の未来は全て、デマンドの腕の中に委ねられた。
595: ムーン陥落42 2006/06/19(月) 00:53:56 ID:SIQ2CPG5(9/12)調 AAS
「う……ぐ、うっ」
城に連れ込まれた瞬間、凄まじい瘴気に気分が悪くなった。
地球の人間がいるべき空間ではないのだと、うさぎにもわかった。目に付く調度品の類は一切なく、ひたすら薄暗く無機質な室内だった。
(ここは、どこなの?)
白い髪の青年は、うさぎの身体を乱暴に玉座に突き飛ばした。服を着せてくれるわけでも、温かい言葉をかけるわけでもない。
全ての温もりを拒絶するかのような冷たい瞳が、うさぎの裸体を嘗め回すように見つめてくる。
「あなたは誰っ?」
助けてくれた相手が敵であることを、うさぎは敏感に感じていた。
額の印を見るまでもなく、いい加減、自分に危害を加える者とそうでない者の区別はつくようになった。
酸素が薄い室内では、ひどく息が苦しい。邪黒水晶の塊が、あちこちに見える。
あれが、動力の源───人間の部屋に喩えるなら、コンセントのような役割を果たしているのだろう。
「ここはどこ?まもちゃんに、ちびうさに、みんなに会わせてっ!」
悲痛な声にも、青年は眉一つ動かさなかった。
病的な白い肌と、それとは相反するように激しい力を秘めた瞳が、うさぎの目前に迫る。
「あんな薄情な男は忘れろ。それより、俺の名をよく覚えておけ……プリンス・デマンドだ」
触れる指先が、おぞましい感触をともなってうさぎを責めた。
裸の胸や手足に、ゴツゴツした手が触れる。恋人でもなんでもない、見知らぬ人の手だ。
「いやっ!」
身を捩っても、男の力には敵わない。この青年が座っていたとおぼしき玉座は、まだ体温が残って生温かかった。
「お前にずっと会いたかった。その目で見つめて欲しかった」
青年はうさぎの身体を押さえつけながら、片手で脇のテーブルに触れた。
テーブルの上にはグラスが乗っており、白ワインにしては色が濃すぎる液体が満たされていた。
デマンドは、酸素を求めるうさぎの唇に、グラスの縁をそっと近づける。
「ぐ、ぶ……いやぁ」
白くぬるぬるとした液体には、見覚えがあった。
精液だ。
気付いた瞬間、うさぎは猛烈に暴れだした。デマンドはその顎をしっかりと押さえつける。
「飲むんだ。四守護神がどうなってもいいのか?」
うさぎは目を見開いた。
(み、美奈子ちゃんたちが……)
ブラック・ムーンに捕らわれているのはヴィーナスだけではない。マーキュリーたちも一緒なのだと、うさぎは初めて知った。
この男が黒幕か。ルベウスやあやかしの四姉妹らを操り、地球制服を目論もうとしている、全ての元凶。
「あ、あなたが……みんなをっ!」
憎悪の言葉は、最後まで紡がれる事はなかった。
「そうだ。お前の大事な部下は全て俺の手の内にある」
言いながら、デマンドはグラスをゆっくりと傾ける。中に溜まっていた液体が、少女の口の中に滑り込んできた。
「うぐっ……う、ぷうう」
舌先に苦味を感じる。飲み込むことが出来ずに耐えている少女を見守りながら、デマンドは更にグラスを傾けた。
口の中が苦い液体で満たされ、喉の奥まで届いた。
「ぶ、えほえほ、ぐうう、ん、くっ」
噎せ返った瞬間、喉に精液が滑り込み、ごくんと音を立てた。
衛とのセックスは、ごくノーマルなものだった。精液を飲むのは、当然初めてだ。そもそも、これは本来口に入れるべきものではない。
(ま、まもちゃん以外の人の……飲んじゃった……)
舌に絡みつく生臭い匂いが、うさぎを絶望的な気持ちにさせた。
口の端から、ねっとりと白い液体が流れ出す。鼻から下が、デマンドの精液で白く濡れた。
前歯にグラスの淵が当たり、カチカチと震える。怯えのあまり歯の根も合わない。
「お、、お願い…もう、やめ……」
咳き込みながら訴えても、デマンドは注ぐのをやめなかった。
596: ムーン陥落43 2006/06/19(月) 00:55:35 ID:SIQ2CPG5(10/12)調 AAS
「まだだ。俺の気持ちはこんなものではない」
グラスの中身が空になると、デマンドはうさぎの頭を掴み、無理矢理背後に向けた。
「見ろ。お前を想って溜めたものだ」
そこには古びた壷が置いてあり、中はたっぷりと白い液体で満たされていた。
果たして何年かけて溜めたものか、ツンとした異臭が漂っている。
「あれを全て子宮に収めてもらうぞ。お前は俺のものになるのだ。逆らうことは許さん」
正気の人間がすることではなかった。
「く……くるってる……」
首を振りながら、うさぎは蒼白になった。
「あなたは狂ってるわ!」
「そうかも知れんな。お前の存在が、人を狂わせる」
うさぎの罵りを、デマンドはあっさり肯定した。
「だが、それは四守護神たちにしても同じ事。あいつらはもう元には戻らん」
物のような言い方だった。この青年は、うさぎが友人と過ごした時間を知らない。だから、簡単にそんな風に言ってしまえる。
「そんな事はないわ!みんなはあたしなんかよりずっと強いもの!」
叫ぶと、口の中で白い液体が粘ついた糸を引いた。
(このくらい、耐えて見せるわ!だって、みんなはもっと…!)
「そうあって欲しいと言う、お前の願望にすぎん」
デマンドはにべもない。
壷の中の精液を掬うと、掌を使って、うさぎの顔全体にまんべんなく塗り広げる。
「ひ、ひぃぃいいい!」
ビシャッとした冷たい感触が顔面を覆う。デマンドはうさぎの鼻の穴に指を差し入れ、唇を強引にこじ開け、歯の隙間にまで精液を塗りこんでいった。
穢れを知らない少女の顔面が、真っ白に汚されていく。
「う、ぶううぅ……や、やめてぇ…」
舌を広げられ、白濁を塗りつけられる。口壁に容赦なく擦り付けられる。
それが終わると、今度は顎から首にかけて、首から胸にかけて指が這って来る。
「ま、まもちゃん……助けて……」
弱々しい声を聞く者は、悪人以外誰もいない。
下腹部から秘部へ。必死で閉じていた両足も、強引に割り開かれた。
「人の心など脆いものだ。四守護神とは言え、変身を解けばあくまでも普通の女。尤も、普通でない女にとっては、どうかわからんが」
デマンドが指を鳴らすと、出入り口の暗幕が、シャッと音を立てて開く。
現れたのは、四つんばいになったエスメロードの姿だった。その背後に、求めていたタキシード仮面の姿がある。
「ま、まもひゃ……!」
驚きに、うさぎの心臓は大きく撥ね、涙も乾いた。
会えた。会いたかった。
まともに顔も見られないと思っていたのに、こうして再会すれば変わらず愛しく思う。
(好き、やっぱり大好き……!)
腕を伸ばそうとしたうさぎの動きは、途中で強張る。
二人に感じた違和感の正体に、気づいてしまったからだ。
タキシード仮面とエスメロードは、『つながっていた』。
597: ムーン陥落44 2006/06/19(月) 00:56:32 ID:SIQ2CPG5(11/12)調 AAS
愛しい恋人は、虚ろな表情で、ひたすらエスメロードに腰を叩きつけている。
四つんばいになった美女は、タキシード仮面に腰を抱えられ、激しく悩ましげに腰をくねらせ、耳障りな嬌声を上げている。
「あ、ああぁん、そ、そうよ、いいわっ!その調子よ!」
眉間に皺を寄せ、額から汗を撒き散らしながら、エスメロードが喚く。
結合部分から、ビチュブチュと卑猥な水音がしている。その姿のままで、二人はこちらに向かって歩いてくる。
(そん、な……)
頭をハンマーで殴られたような衝撃だった。
裏切りは、一度だけのはずだった。無理矢理犯されたはずのタキシード仮面が、今度は自らエスメロードを突いている。
その光景が、目の前で展開されているのだ。
「やだ、まもちゃん……やだあああああ!!」
呼びかけても、タキシード仮面は全く反応しなかった。エスメロードとの行為に熱中し、うさぎの叫びなど耳に入っていない。
背後からエスメロードの乳房を鷲掴みにし、男の欲望を捻じ込んでいる。
(どうして!?どうしてなの、まもちゃん!)
泣き叫んでも、彼はこちらに目もくれなかった。
後ろから激しく突き上げられるたびに、エスメロードの長髪が、芳しい匂いを放って上下する。うさぎには見せたことのない、荒々しい動きだった。
「あん、あぁん、もっとぉ!」
彼はずっと、こんな風にしたかったのだろうか。この乱暴なセックスに耐えられる大人の女性が見つかったから、うさぎはもう用済みなのだろうか。
(あたしが……嫌いに、なったの?)
先ほどまでとは別の種類の涙が、頬を濡らした。
「言っておくがな、洗脳したわけではないぞ」
デマンドの勝ち誇ったような声が、うさぎに追い討ちをかける。
「こっちも驚いてるんだが、そいつは自分からエスメロードを求め出したのだ。どうやら、お前よりもそいつが気に入ったらしい」
その言葉が真実だと思えるほど、タキシード仮面の動きは真に迫っていた。
エスメロードの外見年齢的にも、息がぴったりだった。うさぎよりもよほど恋人同士に見える。
───そうあって欲しいと言う、お前の願望にすぎん。
デマンドの言葉が反響する。
地場衛や四守護神に自分の理想を押し付けた結果が、これなのか。
「何を泣く?人の価値は変わらないと言い切ったのは、お前だろう」
優しささえ感じさせる仕草で、デマンドはうさぎの肩を抱いた。
「本当にこの男を愛しているのなら、許せるはずだ。だが、違う。お前が本当に愛しているのは、自分自身だ」
ぐさりと胸に突き刺さる一言だった。
(そうかも、知れない……)
優しくされたから好きになった。頼りになり、守ってくれるから友達になった。
友人や恋人を愛する気持ちは、極めて利己的な感情でしかなかった。
「お前は俺と同じだ。王位を継ぐ者ともてはやされ、多数の部下に囲まれても、満足しない。さらに多くの愛情を求める、我が儘な子供だ」
(あたしと同じ……この人が?)
身体から力が抜けていく。
自然と開かれた脚の間に、デマンドの指が割り込んだ。
「お前を理解できるのは俺だけだ。───未来を、やり直そう。今ならまだ間に合う」
甘い誘惑の言葉が、うさぎの全身を支配した。
目の前の現実を受け入れられない彼女にとっては、全てが幻のようだった。
デマンドはゆっくりと少女を抱き寄せる。
「さあ、ショーの始まりだ。かつての恋人に見守られながら、俺の子を孕むがいい」
ブラック・ムーン一族の頂点に立つ男、プリンス・デマンド。
長き戦いの末、セーラームーンはついに、彼の手の内に捕らわれたのだった。
598: 2006/06/19(月) 00:59:21 ID:SIQ2CPG5(12/12)調 AAS
あと2話で終了(予定)
>>559
素で間違えましたorz
ご指摘ありがとうございます
599: 2006/06/19(月) 09:44:15 ID:wqIg2Etj(1)調 AAS
いつもながらのGJ!
新作アップを見て、思わずお清めにいってコーヒーなど準備してから読み始めてしまいました。
後2話で終わるのですか。楽しみなような、悲しいような複雑な気分です。
600: 2006/06/19(月) 11:37:36 ID:dyrcNTLe(1)調 AAS
2chdjで重い中乙です!
もうずっとアニメや漫画からは遠ざかっていたけど、またはまりそうw
601: 2006/06/19(月) 14:29:21 ID:EiyZrLcS(1)調 AAS
おおおー!乙です!
毎日続きを楽しみにしてました!
602: 2006/06/19(月) 16:33:07 ID:M0Pf86IK(1)調 AAS
デマンドの変質者ぶりが実に素晴しい!
しっかり熟成した精液が実に不味そうでw
うさぎちゃん、好き嫌いせずに召し上がれ。 @/(( )))@
リ( *´p`)リ
ところでデマンドの一人称は「私」じゃないでしょうか?
603: 2006/06/19(月) 18:22:35 ID:H1PZ2cfm(1)調 AAS
エスメロードに対しては「私」なのにうさぎには「俺」とか言っちゃうデマンド萌え
604(1): 2006/06/19(月) 18:43:57 ID:R3QPlAka(1/2)調 AAS
公と私を使い分けるタイプか
自分がプリンスなもんだから「プリンセス」とケコーンしなきゃいけないんだよな
もっと他の星に姫はいなかったんだろうか?
605: 2006/06/19(月) 19:34:02 ID:H0as7ZPY(1)調 AAS
壷に精液ためてそれを塗りたくる行為が
デマンドの執着心を表しててGJです。
あと2話楽しみにしてます
606: 2006/06/19(月) 19:38:04 ID:SFLjAfXk(1)調 AAS
プルートがキラルとアキラルに犯される妄想しちまったW
607(1): 2006/06/19(月) 22:23:40 ID:QZKzud/F(1)調 AAS
>>604
ギャラ様
608: 2006/06/19(月) 22:46:26 ID:ohh3mOJk(1)調 AAS
大量にためた精液の臭いなんて想像するだけで…_| ̄|○
でももっとぶっかけてる所が見たいと思う俺ガイルw
609: 2006/06/19(月) 22:56:17 ID:R3QPlAka(2/2)調 AAS
>>607
嫌なカップルだなwww
610: 2006/06/19(月) 23:39:35 ID:OfknoAZr(1)調 AAS
素晴らしい!
>>593
611: 2006/06/20(火) 11:47:52 ID:fTx2uD9g(1)調 AAS
ギャラ様はカオスと出来てるから、デマンドはまたしても横恋慕だな。
612: 2006/06/20(火) 12:15:31 ID:HgyXG9zz(1)調 AAS
デマンドがどっかの普通の姫君と結ばれてウフフアハハなんて、想像がつかないわけだが。
613: 2006/06/20(火) 13:28:29 ID:2QErP2tb(1)調 AAS
ギャラ様の心=ちびちびねらいとか
614: 2006/06/20(火) 19:16:54 ID:eO7K383r(1)調 AAS
これから本格的にレイ―プ始めるようだが場所はデマンドの玉座ってことになる
のかな。原作ではベットとか置いてあったが。
それぞれ戦士がレイプされる場所にもこだわってて凄いですな。
615: 2006/06/20(火) 23:59:22 ID:F4Wen2cd(1)調 AAS
あんまり痛そうなのはヤだな…
616(1): 2006/06/21(水) 00:36:32 ID:pfKHPO/c(1)調 AAS
自分が女だとして、今までのでされるなら1番マシなのは?
どれも嫌だがマーキュリーとジュピターは特に嫌だよな。
617(1): 2006/06/21(水) 03:20:59 ID:WfLw79az(1/2)調 AAS
>>616
と言うか私は実際女なんですけど…敢えてマシなのを挙げてみるとすればマーズかな‥
618(1): 2006/06/21(水) 05:37:40 ID:epYm2gQS(1)調 AAS
私も女だけど>>617同様あえてマシなのはマーズかな
相手一人だし、一応愛されていたし
ヴィーナスは2話目では犯されてないけど、捕まった後
暴行受けているし、丸坊主にもされている
弟にも何かされそう
マーキュリーとジュピターは本当辛い
619(2): 2006/06/21(水) 10:04:40 ID:u0Kvf6w9(1)調 AAS
エロ無しのパロを期待する私は異端児ですか?
620: 2006/06/21(水) 10:21:20 ID:u7SSxU81(1)調 AAS
ここはエロパロ板だ
よそへいけ
621: 2006/06/21(水) 10:48:33 ID:eOr7DJV+(1)調 AAS
>>619
単純に板違いですね。それでもというならこのスレぐらいかな。
エロくない作品はこのスレに6
2chスレ:eroparo
622: 2006/06/21(水) 16:34:47 ID:o1jx8E8r(1)調 AAS
>>618
同じく女だけどマーズが一番マシかも
嫌なことには変わりないが
623(1): 2006/06/21(水) 16:47:16 ID:nIqCqYkh(1)調 AAS
個人的には、女を犯すというある意味男に都合の良い
歪んだ妄想炸裂のエロパロに、女性がいたことが驚きw
624: 2006/06/21(水) 17:49:43 ID:WfLw79az(2/2)調 AAS
>>623
初めはそんな内容だったなんて知らなかったですから…
625: 2006/06/21(水) 17:59:52 ID:UQ6tXiNm(1/3)調 AAS
エロパロ板で知らなかったとは言わせん。
626(1): 頂上決戦 2006/06/21(水) 19:13:49 ID:lo+0IOu5(1)調 AA×
>>619
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