[過去ログ] 男が女に犯されるやつ (1001レス)
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850: 03/03/27 01:05 ID:voVvnvAk(1/3)調 AAS
晴れ渡った空の下を歩く。足取りが軽い。
学校へ行くのが楽しみだなんて、生まれて初めて。理由は単純だ。彼に会え
るから。
スキップしたい気持ちを必死に抑えながら歩いていて、私は声を上げそうに
なった。
道の先に碇君がいる。
声を掛けようと走り出して、私の足は途中で止まう。碇君の隣を女の子が歩
いていた。
確か、惣流さん。ハーフかと思ったらクォーターらしい。一言で言えば、綺
麗な人だ。私なんて比べものにならないくらい。
見ていると、碇君の頭を惣流さんがこづいたので、私はびっくりしてしまっ
た。けれど、叩かれた碇君は頭に手を当てて文句を言ったものの、本気で嫌がっ
ている風ではない。さらによく見ると、碇君は惣流さんの鞄も持ってあげてい
る。
二人関係が、私にはよく分からなかった。ただ、友達以上のような気がする。
二人の様子が、とても自然に見えたから。
私は――気は進まなかったが――碇君と親しいらしいジャージと眼鏡の男の
子に、碇君と惣流さんのことを聞いてみることにした。
851: 03/03/27 01:06 ID:voVvnvAk(2/3)調 AAS
「碇と惣流?」
「え、ええ」
「なんでまた山岸さんが、あの二人のこと気にするわけ?」
「そ、それは……興味本位なんですけど、あまり接点が無そうなのに親しいみ
たいなので……」
眼鏡の方の男の子に突っ込まれて、私は苦しい言い訳をした。少し勘が鋭そ
うだ。ジャージの方の男の子は、なにも考えてなさそうだけど。
「そりゃ一言で言ぅたら、夫婦やろなぁ」
「ふ、夫婦ぅ?」
ジャージの子の言葉に私は、すっとんきょうな声を上げてしまった。
「そそ、妻は碇の方だろうけどさ」
眼鏡の子が追従する。そりゃあ、碇君が甲斐甲斐しく惣流さんの世話を焼い
ている姿はよく見るけれど。でも。
続いて出てきた発言は、混乱する私に追い打ちを掛けた。
「もう、一つ屋根の下やしなあ」
「ど、同棲してるんですか?」
ショックだった。立っていられるのが不思議なくらい。
「でも、どうして……?」
呆然して立ちつくす私に、眼鏡の子が頭を掻きながら説明してくれた。
「それはさ――」
853: 03/03/27 02:57 ID:voVvnvAk(3/3)調 AAS
それによると、碇君と惣流さんはネルフの巨大ロボットエヴァンゲリオン
の専属操縦者なのだという。
上司の家に三人で同居しているそうだ。
私は身近に感じていた碇君が、急に遠い存在になってしまったように感じら
れた。ロボットのパイロットだなんて……。
休み時間、碇君が本を返しに席にきてくれた。感想を聞くと、やっぱり私と
似たような感じ方をしたみたいだ。こんなに似ているのに。
また本を貸すことを約束する。
碇君だけでなく、惣流さんの姿を追うことも多くなる。どうしても気になっ
てしまう。
我が強く、物怖じしない人のようだ。先生にだって、言いたいことははっき
り言う。私とは真逆のタイプ。好きになれそうにはない。
碇君とは放課後に、私の家や図書室で本の話をするようになった。碇君の家
に誘われたこともあったが、惣流さんもいると思うと気後れしてしまって、私
は遠回しに断った。
その時間は至福と呼べるものだった。後に見ても、眩しく輝いて見えるだろ
うと思う。私の人生で数少ない誇れる時として。
いつしか私と碇君とは、本を通して友達と言えるくらいの関係にはなってい
た。
けれど私の胸の中にはずっと、もやもやとしたものがわだかまっていた。そ
れらは、碇君と惣流さん――それに無口な綾波さんもだけど――がネルフの職
務で学校を休んだり早退したときや、二人が碇君の作ったお弁当を食べている
とき、それに――なんと言っても一番はこれなのだが――私と別れた後の碇君
が、家で惣流さんとどう過ごしているのかと想像したときに、ざわついて私を
苦しめた。
私は友達という曖昧な関係に耐えられなくなっていた。だから、遅かれ早か
れ聞いてしまっていたと思う。
「惣流さんのこと、どう思ってるんですか?」
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