[過去ログ] 【キャラ萌え】オルフェウスの窓【なりきり】第50部 (1001レス)
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782(1): 2010/08/15(日) 22:03:03 ID:??? AAS
咳払いをして「テオドール。どうかしているぞ。」とマクシミリアンはたしなめた。
「君がそんなに愚かだとは思わなかった。熱病ででもなければもう黙っておけ。
いったい君は我々に邪魔をされるとは思わないのか?」
テオドールは怪訝そうに「君達が邪魔を?」
「アルフレートを見てみろ。
あの独善的な男が君の将来を案じて、その恋の芽を摘み取るとは思わないのか。」
テオドールがその大きな眼でアルフレートを見やるとアルフレートは気まずそうに金色の髪を振ってまたあさっての方向を向いた。
「それ見ろ。あれは何か企んでいた顔だ。」
「マクシミリアン。」
アルフレートは向き直ると欧州に名高いタクシス侯子を咎めた。
「君こそどうなんだ。」
「そうだ、テオドール。僕ならもっと陰湿かつ直接的な手も打てる。
王のお耳に殊勝ぶって一言ささやけば、全て終わりだ。
僕が君を追い落とそうとするとは思わないのか?」
テオドールは静かに笑って言った。
「君達はそんな事はしない。」
何かひどく感動的な、了解の感覚が彼ら三人を包み、それぞれ違う形でだが政治と経済、野心というものに漬かりかけている二人は彼らが持ち得なかった何かを若い純な眼に認め、どこか痛痒い思いにかられた。
「・・・、まあ、いい。思えば僕はそんな馬鹿をする機会は無かった。好きなようにしたまえ。
だが本当に困った時、僕には隠し事をするな。」
マクシミリアンはテオドールに言い、テオドールは返事をしなかったが、これは一種の誓約であると両者は感じた。
「よかったな、テオドール。確かに君には後援者が必要だ。
君の恋や結婚は一大事業になるだろう。王のご寵愛というものがある。」
あぶれた形になったアルフレートは肘掛椅子の背に仰向き加減にもたれ、瞼を閉じたままぼやいて見せた。
「それに引き換え、僕は気楽なものだ。君達のようなご寵愛をいただけない身の上を感謝するべきだろうか?」
「思ってもいない自虐はやめて、これを受け取りたまえ。」
とマクシミリアンはアルフレートに次の杯を渡しながら言った。
同時にその美貌にもいつもながら内心驚嘆するのを止められなかった。
791: 2010/08/18(水) 21:58:50 ID:??? AAS
>>780-783
ひょっとして13万字さん?
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