[過去ログ] スクールランブルIF16【脳内補完】 (756レス)
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77: 04/10/31 09:37 ID:tT/SfGGI(1)調 AAS
>>75
もうちょっとホラー風味が欲しかったな。
まあ、萌える。幽子SSGJ。
78: パンプキン☆クラーク 04/10/31 20:33 ID:Sjw9qHcs(1/17)調 AAS
「ヒゲ、あんた何で皆が集まって仮装してるかわかってる?」
「あ?知らねーよ。大事なことなのか?」
眼前で黒い布をマントのように羽織りこちらを見下すように眺める女性を播磨は見上げた。
そうなのである。この播磨という男、今日どんなパーティが催されるのか全く知らないのだ
が、塚本家で行うということだけ耳に挟みこの場で浮ついていたのであった。
「はぁ〜あ、やっぱりね。日本出たことないアンタにわかるワケないと思ったわ。」
その言葉通り、さして期待していなかったと言わんばかりに播磨の目の前の女性は仰々しく
両手を広げ肩を上下させる。そのあからさまに馬鹿にしたポーズを前にして、流石の播磨も
堅く拳を握りその塊を震わせる。
(うるせーな…漁船でなら日本出てんだよチクショウ。)
播磨にしてみればこの女性と関わるのは極力避けたいと常日頃から考えているのだがどうい
うわけか絡まれてしまう。最近では、この女は俺にケンカを買ってほしいのか?と少しだけ
本気で思ってしまうほどだ。
「仕方ないから海外在住経験の豊富なこのア・タ・シが無知な猿に教えてあげるわ。今日は
ハロウィーン・パーティでね。所謂仮装パーティなの。そもそもこの起源は…
そう聞き及んだところまでで播磨の意識は奥の部屋の方へと移った。それは勿論その奥の部
屋に彼の想い人、塚本天満その人がいたからである。今まさにカボチャのマスク(?)を被り、
マスクの後頭部あたりから触角のように結った髪をピョコンと出しているのが目に入った。
(天満ちゃん…お面を被ってもその愛らしさは滲み出てるぜ…)
と、一人悦に入って楽しんでいたのだが、突然その視界を眼前の女性の美しい金色の髪と綺
麗に整った顔に遮られた。
…って、ちょっと!聞いてんの?アンタの為に説明してやってんだからね!」
79: パンプキン☆クラーク 04/10/31 20:46 ID:Sjw9qHcs(2/17)調 AAS
「お、オウ。聞ーてるって。」
「ホントかしら?まぁいいわ。要は『Trick or Treat?』って言ってお菓子を渡し合うの。」
「とりっくおあとりーと?何だそりゃ。」
「お菓子くれなきゃイタズラするぞ!って意味よ。それで受け取ったお菓子を食べ合うのが
今日のパーティなの。嫌なら帰っていいわ。呼んだ覚えもないし。」
「やりゃーいいん…やらせてください。」
彼女の表情の変化を播磨は見逃さなかった。と同時に謙った言い方に変更する。手慣れたも
のである。今や眼前の女性、沢近愛理に対する播磨の態度はパブロフの犬のそれと同等なの
であった。
(それにしてもお菓子か…)
何で女ってやつはお菓子だけでパーティが開けるのだろうと播磨は思った。だがいくら考え
てもそれは理解できないことだしする必要もない。それより今は天満ちゃんと同じ空間にい
ることを楽しまなければと瞬時に頭を切り替える。
(それにガムくらいなら俺も持ってるし…女のこと言えた義理じゃねーしな。)
そして天満のいる方へ一歩を踏み出そうとしたその時、またも沢近から声が投げかけられた。
「それじゃこれアンタの衣装ね。晶が持ってきてくれたのよ。感謝なさい。」
「…衣装?まさか俺も着替えるのか?」
「当然でしょ!どこの世界にサングラスと学生服でハロウィンやる馬鹿がいるのよ!」
かくしてパーティは始まったのであった。
80: パンプキン☆クラーク 04/10/31 20:47 ID:Sjw9qHcs(3/17)調 AAS
大きなテーブルを囲んで集まった皆が思い思いに談笑している。
魔女、パンプキン、ドラキュラ等ほとんどが西洋のお化けの格好をしているが中には明らかに
場違いな姿もあった。河童やぬり壁、果てはドジビロンマスクまで。姿までもが皆思い思いの
ままであった。
そして播磨はというと、
「…なぁ播磨、でいいんだよな?お前何だそりゃ?」
隣に座ってる魔女、もとい魔女の格好をした周防美琴が播磨に尋ねる。
尤も美琴がこう尋ねるのも無理はなかった。播磨の為に元々晶が用意した衣装はドラキュラの
もののはずであり、当然播磨の衣装はドラキュラのそれである。しかし首から上は違っていた。
どうしてもドラキュラのイメージとしてサングラスは不可というのが皆(特に沢近)の見解だっ
たが、播磨には天満に素顔を見られてはならない海よりも深い理由があった。
それ故に苦肉に策として天満と同じパンプキンヘッドを被っているのである。しかし天満のよ
うに背が低く衣装も揃ってるパンプキンならともかく、播磨は体格が良く、更に衣装は黒色の
侯爵服だ。なのでそのアンバランスさが逆に不気味さを醸し出す、奇妙なお化けがここに新生
していたのだった。
「まぁいいわ。これはこれで過去の通例に挑戦的な姿ともキメラとも言えなくもない…」
と、逆隣に座っている晶が許可を示す。何故か晶の体はおろか、顔までも目の部分を除いてほ
とんどが包帯でグルグル巻きだ。
「まぁ仮装は良いとして、お菓子買って来たんだろーね?」
美琴はもう一つの不安な点を遠慮することなく播磨に投げかける。
「ああ、さっき急いで果物屋で買って来たぜ。」
と、テーブルの下から包みを出しテーブルに置く。
美琴は果物屋という言葉に若干の違和感を覚えたものの播磨が包みを開けるのを待った。
81: パンプキン☆クラーク 04/10/31 20:50 ID:Sjw9qHcs(4/17)調 AAS
そうして包みを開けて出てきたもの。それは、
バ ナ ナ
であった。
瞬間、美琴は幼稚園時代に「バナナはおやつに入るんですか?」とギャグで言って遠足前日に
クラスを沸かせた自分を場違いにも思い出していた。
「あらら」
晶はそれだけ言うと席を立ってしまう。
勿論播磨はギャグでバナナを選んだのではない。前に妹さんを借りていたお詫びに天満にバナ
ナを手渡したところ喜んでそれを食べていた姿をしつこく覚えていたのである。
(これで天満ちゃんに喜んでもらおう!)
そう意気込みテーブルを挟んで斜め向かいに座っている天満の方を見ると、触角の飛び出たパ
ンプキンと河童の姿をした烏丸が仲睦まじく(少なくとも播磨にはそう見えた)談笑してるのが
播磨の目に映った。
orz
そ…
そうだった…天満ちゃんは烏丸のことを…
わかっていたとは言え眼前の光景がショックでしかない播磨は、まだ固まったまま放心してい
る美琴を尻目に席を立ち、逃げるように台所へ逃げるようにして引っ込んだ。
そして台所に行く播磨を見ていた一人の女性も同様に席を立つのだった。
82: パンプキン☆クラーク 04/10/31 20:56 ID:Sjw9qHcs(5/17)調 AAS
塚本家の台所に立って播磨は思いふける。
先程の光景と、天満の嬉しそうな顔を。
(わかっている。彼女の心は俺には向いてねぇ。)
「あ、あの…」
(だが…そう簡単に諦められるワケねーだろう。)
「播磨さ…ん?ですよね、あの…」
(もっかい時間を置いてから話しかけてみるっきゃねーな。)
「あの、と…トリック・オア・トリート。」
ふとその言葉を初めて耳で認識し、播磨は自分に話し掛けてる者がいると気付き、慌てて後ろ
を振り向いた。カボチャ頭のまま勢いよく振り向いた為、少し視界がズレたがその女性が自分
の異様な仮装にビクッと体全体が震えたのは見てとれた。
その女性は異性にして播磨の友人ランク第一位の塚本八雲だった。
少しだけ憂いを帯びた顔立ちで播磨の前に立っていた。
83: パンプキン☆クラーク 04/10/31 20:59 ID:Sjw9qHcs(6/17)調 AAS
「は…りまさんですよね?どうかしたんですか?」
「い、妹さんだったか。…いや、何でもねーんだ。」
「でも…さっきは」
「そうだ!妹さんさっき何か言ってたよな?確かお菓子をあげなきゃいけないんだっけ。」
言葉を遮るようにして播磨は話を反らす。この子は勘が鋭いところがあるとの播磨の直感故
だった。
「え?は、はぁ…でも別にそんな…」
「いいっていいって遠慮しなくて。妹さんコレ受け取ってくれよ。」
そう言って播磨は房ごとバナナを八雲に手渡した。八雲は戸惑いながらも受け取ったバナナを
眺める。どういう反応を示せばいいのか思案している様子である。
84: パンプキン☆クラーク 04/10/31 21:04 ID:Sjw9qHcs(7/17)調 AAS
八雲が思考を巡らせてる間に、播磨は八雲の向こう皆のいる居間の方へと目を見やる。相変わ
らず天満と烏丸は二人で話しこんでいるようだ。周りの皆が気を遣い二人っきりで話せるよう
に配慮しているらしかった。
(この分じゃ今日は諦めるしかねーな…)
天満の幸せそうな顔を心眼で思い浮かべながら播磨はそう思った。
「あの…いいんですか?これ丸ごと貰っちゃって。」
おそるおそる八雲が尋ねる。どうやら八雲が最良の答えと弾き出したのがコレのようだ。
「構わねーさ。思えば漫画手伝ってもらった時の御礼とか全然してなかったしな。」
「でも丸ごと貰ったら播磨さん他の人にお菓子あげられなくなるんじゃ…」
「大丈夫。っつーか俺用事思い出したんで帰ーるわ。だから全部貰ってくれ。」
(ここにいると辛いだけだしな…)と自分の言葉に付け加えるように考える。
「えっ?でも、」
「お姉さんと一緒にでも食べてくれや。じゃあな妹さん。」
と言うや否や、播磨は台所を抜け玄関へと向かおうとした。が、
「待ってください播磨さん。あの…これあたしのお菓子、です。」
そう播磨の背中に声がかけられる。振り返り見ると八雲は顔を俯け、それとは対照的に両手を
播磨の真っ直ぐ突き出している。そしてその手先には白い包みが握られていた。
乳白色の紙包みに赤いリボンが上手く映えているのが印象的な包みだった。皆で食べるための
お菓子…というよりも誰かにプレゼントする為に装飾してあるようにも感じられる。それを裏
付けるかのようにその包みの封は今だ切られていない様子である。
「へ?俺に?でもそれこそ妹さんが他の人にあげる分がなくなるんじゃ…」
85: パンプキン☆クラーク 04/10/31 21:06 ID:Sjw9qHcs(8/17)調 AAS
「い、いいんです。他の人の分は別に取り分けてありますから。だからその…」
受け取ってくださいという言葉をどうしても続けられずに俯いてしまう。その後の無言の時間
が八雲には何十分にも何時間にも感じられただろう。やがて、いや逡巡した後、播磨はいつも
八雲に漫画を見てもらう時のような自然な笑顔になった。
「そうか。それじゃあ遠慮なく貰っておくかな。もしかして手作りか?」
「ハイ、そうですけど…駄目、ですか?」
「いや駄目なわけないだろ!お菓子ありがたく頂くぜ。それじゃ。」
一時だけお互い照れ笑いで向かい合うと、そう言って再び八雲に背を向け逃げるようにして玄
関へと向かう。それはこれ以上天満と烏丸が仲睦まじく話しているところを見たくないのもあ
ったが八雲との遣り取りが何故かとても照れ臭く感じたからだった。
八雲はそそくさと玄関へ向かう播磨を少しだけ見送り、
「良かった…。でも播磨さん、あの格好のまま帰るのかな?」
と、今の気持ちを素直に言葉にした。
86: パンプキン☆クラーク 04/10/31 21:09 ID:Sjw9qHcs(9/17)調 AAS
「ハ、ハリマ!考えてみたんだがやっぱりバナナはお菓子じゃないぞ!!」
「そりゃそうだ」
やっと復活した美琴は本来の播磨の席の方に向かって第一声を放ったが、その言葉は何故か播
磨の席に着いていた晶に即答されてしまった。美琴の方を見ず茶を啜りながら答える晶の姿は
どこか余裕が感じられる。つまりいつも通りということだ。
「あ、あれ!?播磨どこいった?」
「何か用事があって帰るみたいだよ。」
ふーん、と些か納得できない美琴は状況を把握するように周りを見る。塚本はどうやら烏丸君
と上手くやってるようだ…と、ふと晶の隣に蠢く白い包帯で顔すらも見えない物体に注視する。
その目線で察した晶は無言の問いに答える。
「ああこれ?花井君。八雲のお菓子お菓子ってうるさいからちょっと静かにしてもらったの。」
「キ…キツいな、花井の奴には特に。」
「後輩の頑張りを邪魔させたくないからね。…あ、あと友達の邪魔もか。」
「ん〜?…あ、あれ?そーいや沢近は?トイレか?」
「さあ…カボチャにイタズラしにでも行ったんじゃないかしら?」
晶の顔には微笑が、美琴の顔には怪訝な表情がそれぞれ湛えていた。
87: パンプキン☆クラーク 04/10/31 21:11 ID:Sjw9qHcs(10/17)調 AAS
塚本家の玄関の戸を開け歩き始めた播磨を迎えたのは冬の到来を知らせる冷たい木枯らしだった。
少し立ち止まり空を見上げてみる。すると彼の心を見透かしたかのように灰色の緞帳のような雲
が空に幕を下ろしているようにも感じた。
(天満ちゃんは烏丸のヤロウが…駄目だ!悪い方向にばっか考えちまう!今日は帰って寝よう!)
「ちょっと!待ちなさいよヒゲ!」
走って帰ろうとした播磨に向かって声が投げかけられる。しかし播磨には振り向かずとも誰だか
わかっていた。彼が一番係わり合いたくない女性だ、しかもこんな時に…。構わず無視して走り
去ろうとしたその時、右腕を両手でガシッと掴まれ無視して帰る計画は瞬く間に頓挫した。
「アンタ呼んでもいないのに来て、言ってもいないのに帰るつもり?」
ギュッと両手で播磨の腕を強く握りながら沢近は言葉をまくしたてる。
「大体アンタお菓子だって誰にもあげずに持ち帰るつもりなの!?」
「うるせー、もうお菓子は妹さんに全部あげたんだよ!渡したんだからいいだろが。」
面倒臭そうに播磨が言う。すると突然腕にかかる沢近の手の力が消える。拍子抜けした播磨は沢
近を見やるが相手も何故か憮然顔である。
「へ、へぇ…あのコに。何?プレゼントのつもりかしら?全部あげちゃうなんて馬鹿みたいね」
気のせいか播磨は目の前の女性の強気に翳りのようなものを感じた。
もうその気になれば無視して帰れるが言われっぱなしも癪な播磨はここぞとばかりに反論する。
「ったくオメーは男と女を見たらそっちにしか考えられねーのか。いいか妹さんには色々世話に
なってんだよ。そのお礼とお詫びを兼ねてお菓子全部あげたってワケだ。」
どうだと言わんばかりに播磨は鼻息を荒くする。しかしその言葉は沢近を窮させるどころか逆の
効果を示し始めた。
88: パンプキン☆クラーク 04/10/31 21:16 ID:Sjw9qHcs(11/17)調 AAS
「お礼?お詫び?…な、なんだそっか。それを早く言いなさいよバカヒゲ!」
「言う前にテメェが勝手に勘違いしてただけだろが!」
軽口を叩き合う二人。だが、彼女の表情には翳りといったものは最早見当たらなくなっていた。
それどころか普段の愛想笑いとは違う心よりの笑顔さえ時折顔を見せる。表情の変化には播磨
も気付いていたが何故なのか全く理解できず、やはりこの女はオカシイという短絡的な結論に
落ち着いた。
「Trick or Treat!!」
「…は?」
「聞こえなかったの?それとも理解できないのかしら? Trick or Treat?って言ったのよ。」
「…で?」
「アンタもう忘れたの?言われた人はお菓子をあげなきゃいけないの!早く頂戴。」
89: パンプキン☆クラーク 04/10/31 21:20 ID:Sjw9qHcs(12/17)調 AAS
「馬鹿かお嬢、もうねーって言ったろーが。」
「…そう、この私のイタズラの方がいいってわけね…」
途端に先程の笑顔は姿を消し、播磨の最も恐れる悪魔の微笑が姿を表した。今の彼女の格好、
吸血鬼の衣装の効果も相まってか本当に血を吸うくらいのことはしかねない雰囲気を醸し出
す。
それでなくとも彼女の恐ろしさを充分すぎるほど知っていた播磨は慌ててポケットやズボン
を探す。一瞬、八雲から貰ったお菓子を渡そうかとも考えたがそんな失礼なことはできない
とその考えを一蹴する。勿論失礼とは八雲に対してだが。
(ヤバイ…何かないか何か…!!こりゃあ…)
ポケットに突っ込んだ指先に当たる感触が何か、頭を巡らせる。TVで出演者が箱の中に手
を入れ中身を当てるクイズのように。しかしTVのそれとは違い播磨には瞬時にそれが何な
のかわかった。
90: パンプキン☆クラーク 04/10/31 21:29 ID:Sjw9qHcs(13/17)調 AAS
「ほらよ。」
そうして播磨は沢近の眼前にそれを素早く差し出した。
「…これは何かしら?」
「見てわかんねーのか。チューインガムだよ。」
そうなのである。晶が用意した衣装は上半身だけで下半身は学生服のままだったのだった。
それで入れっぱなしの板ガムを助け舟とばかりに沢近に差し出したのだ。
「開封してないならともかく…残り2枚しか残ってないわ。」
「残り2枚も入ってるじゃねぇか」
しばしの沈黙、そして何も言わずに軽く俯いている沢近を何故か怒っていると判断した播磨
はどこから攻撃されてもダメージを軽減できるように、全身に力を入れた…その時
91: 04/10/31 21:29 ID:6prgrbt6(1)調 AAS
支援
92: パンプキン☆クラーク 04/10/31 21:38 ID:Sjw9qHcs(14/17)調 AAS
「プッ!アハハハハ!」
目の前で大口を開けて笑う沢近を見て、播磨はいよいよ自分の死期が近いと判断した。この
狂喜の後に何が飛んでくるかわからない…と恐怖しながら。
しかし沢近はひとしきり大笑いした後、播磨の手に持たれていたガムをそっと掴み、
「仕方ないわね、これで我慢してあげるわ。次はもっとまともなモン持ってきなさいよ。」
と少しだけ凄み塚本家の玄関へと走って行った。
播磨は攻撃されなかったことと罵声が飛んでこなかったことが不思議で暫くそこに棒立ちに
なっていたが、考えた末に今日は機嫌が良かったのだろうと無理矢理ともいえる理由に帰結
させることにする。
道路に止めてあるバイクに跨りキーを差し込むと同時にもう一つ、疑問が浮かぶ。
「アイツ次はって言ったよな…。もしかして俺カツアゲされ続けんのか?」
~~~~
93: パンプキン☆クラーク 04/10/31 21:40 ID:Sjw9qHcs(15/17)調 AAS
「どこ行ってたんだよ沢近。手洗いか?」
黒いマントをたなびかせて居間に戻ってきた沢近に美琴が声をかける。
「え…えっと、まぁそのへんよそのへん。」
返答に少しだけ窮しながらも笑顔で自分の席に座るその姿に、美琴は普段以上の態度の柔ら
かさを感じた。そしてその理由を聞こうと「なぁ…」というのとほぼ同時に塚本家の外から
ドルルルルッとバイクのエンジンがかかる音を聞き、すぐにもその音は遠ざかっていく。
話の腰を折られた為、美琴は別の話題を振らざるを得なくなった。
「あの音は播磨だよな。アイツ本当に帰ったんだな。」
「播磨君…どうかあの姿で帰って警察呼ばれませんように。南無。」
その言葉を聞いて美琴は、あっと声を上げる。今の播磨は、服は西洋紳士風、顔はパンプキ
ンである。そんな怪しい人物がバイクに乗っていたら晶の言ったことが事実になる可能性は
大だ。しかし自分の格好に気付かぬまま帰ってしまった播磨を思い浮かべると、心配よりも
どことなく笑ってしまう美琴であった。
そんな友人達を尻目に沢近は座りながらテーブルの下で先程のガムを眺める。
封は切られ残りは二枚、包装は長らくポケットに入れていたのかクシャクシャだ。
(次は…来年のパーティこそは…もう少し上等なものを)
そんな二人でありたい。と、そう願ってやまない美しいヴァンパイアがそこにはいた。
fin & Happy Halloween!
94: 04/10/31 21:55 ID:Sjw9qHcs(16/17)調 AAS
即興で作ったんで文頭が1スペース空いてないとか文章おかしいとか多々ありますが、触発
させるような絵を描いてくれたお絵描き掲示板のハロウィン絵描いてくれた皆さんに捧げる
…ことができてたらいいな。
(物語の終わりから一時間後)
「イトコー、今帰ったぜ。」
「おかえりケンジく…!!」
「ん?どうしたイトコ。」
「ケンジ君新手の嫌がらせかい?…そうかハロウィーンの時期だったな」
「へ?」
「あいにく君にやるお菓子はない。しかしイ、イタズラされる気もない。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。話が見えねぇ。」
「うるさい問答無用だ。」
カチリッ
顔を少し赤らめたソファの女性は手元の自動小銃の安全装置を外した━━━━━━━━。
95: 04/10/31 22:02 ID:Sjw9qHcs(17/17)調 AAS
それと支援して下さった方も有難うございました。ひっかかりまくり…。
96: 04/11/01 01:44 ID:0z/NrByE(1)調 AAS
GJ!
でも、絃子。自動小銃は残酷すぎると思います(w
97: Kiss of life 04/11/01 04:29 ID:Sog93hpo(1/22)調 AAS
Question. あなたのキスの思い出を教えてください。
Case.1 ツインでツンデレなE・SさんのAnswer
「ツンデレってのはどういうことよ?」
気にしないでください
「フーン…それにしても なんでそんなことを教えなきゃいけないのよ?
……ま、別にそれぐらいことなんて別に話してもいいけど。
私ほどになるとその程度の話なら色々あるしね
そうね……う〜んと……」
実はないんですか?
「そんなわけないでしょ! ったく……
あ! そういえば、えらくムカつく思い出があったわ」
では、それをお願いします。
「ちょっと学校で残ってたときのこと。クタクタになって教室に戻ると、私の席に座ってるハゲがいたのよ
そのハゲバカのせいで、私は変える準備が出来ないわけよ」
ははあ
98: Kiss of life 04/11/01 04:30 ID:Sog93hpo(2/22)調 AAS
「でも、ホラ私って優しいじゃない?
寝かせといてやたのよ、そのヒゲハゲバカを、この私の机に」
なるほど、その代わり彼の寝顔を見て楽しんでいたわけですね?
「……………なんで、そうなるのよッ!
ったく、ともかく、ソイツぐっすり寝てるから…」
もしかして『起きないと、キスするわよ?』とか言ったんですか?
「………まあ、そんなことを言った気がしないでもないわね」
それまた……で、実際にしたんですか?
「ノーコメントね、それは私だけの秘密ってトコかしら」
分かりました、ありがとうございます
99: Kiss of life 04/11/01 04:34 ID:Sog93hpo(3/22)調 AAS
Question. あなたのキスの思い出を教えてください。
Case.2 超姉で二挺拳銃なI・OさんのAnswer
「なんだね、超姉というのは?」
気にしないでください。
「まあ、いいだろう。そうだな……いろいろあるが、なにがいいかな」
出来るだけ、表に出せる話題でお願いします
「なんだソレは、まあいい。
そういえば、こんな話しがあったな」
なんでしょう
「ほんの数日前だがね、ある従兄弟が私のところに来てね
教えてくれと言うんだよ」
なにをですか?
「口の中でサクランボを結ぶやつ、私の特技なんだがね」
ははあ
100: Kiss of life 04/11/01 04:35 ID:Sog93hpo(4/22)調 AAS
「なんでも、将来彼女が出来たときのために、テクニックとして手に入れたかったそうだ。
まあ、これが出来るとキスが上手いと言われているからだろうがね」
それで?
「カワイイ従兄弟の頼みだ、教えてあげたさ。
……もちろん、たっぷりと朝までかけて、ネ」
……ちなみに、どうやってですか?
「知りたいかね? いちおう、質問に沿った話をしたつもりだが」
……結構です。最後にもう一つ、教えたのはソレだけですか?
「ここは彼のためにノーコメントにしておこう、それが大人というものだ」
分かりました、ありがとうございます
101: Kiss of life 04/11/01 04:36 ID:Sog93hpo(5/22)調 AAS
Question. あなたのキスの思い出を教えてください。
Case.3 シスターで黒なS・AさんのAnswer
「なんですか、黒って」
気にしないでください
「しかし、神に仕える聖職者である私にその手の話題を振りますか
なかなかチャレンジャーな方ですね」
そういえば、そうでした。
失礼しました
「……まあ、例えばの話ですが」
はい
「朝起きると、ベッドから出ると朝食の匂いがしてきます
寝ぼけながらふらふらとキッチンに行くと、先輩が朝食を作ってくれてたんです」
……先輩?
「あくまで例えばの話ですので、深い意味はありません。
それでは、続けてもいいですか?」
どうぞ
102: Kiss of life 04/11/01 04:37 ID:Sog93hpo(6/22)調 AAS
「私の体を気遣ってくれたんでしょうね。
その優しさが嬉しくて、気づかれないようにスススと近づいて、呼ぶんです
『先輩』って」
体を気遣う?……いえ、なんでもありません
それで?
「ビックリして振り向いた瞬間に、こう頬に……チュっと
またビックリしながら、真っ赤になる先輩がもう可愛くて可愛くて……
ははあ
「……なんて話とかならいいんですかね」
はい、結構です。
……ちなみに、その先輩は男性ですよね?
なんで、朝に『先輩』がそんな所にいるんですか?
「あまり野暮なことを聞かないのが、人に好かれる条件ですよ?」
失礼しました、ちなみにこれは『例えば』の話ですよね?
「フフフ、ノーコメントにしておきましょう♪」
分かりました、ありがとうございます
103: Kiss of life 04/11/01 04:38 ID:Sog93hpo(7/22)調 AAS
Question. あなたのキスの思い出を教えてください。
Case.4 ポニーテールでDなM・SさんのAnswer
「なんだ、Dってのは」
気にしないでください。
「ったく、しっかし私にそんな色っぽい話はねえぞ?」
それもそうですね
「……それはそれでムカつくな、とはいえ事実ちゃー事実だしな…
あ! そういや、こんなのがあったっけ」
なんですか?
「ん〜たしか幼稚園か低学年のころだったかな、キスについて噂が広がったんだよ
確か……そうそう、キスすると子供が出来るってヤツ」
ああ、よくありますね、そういう噂は
「んで、確かめようって話になって、私がキスしようとしたんだけど」
さすがミコちん
104: Kiss of life 04/11/01 04:39 ID:Sog93hpo(8/22)調 AAS
「ミコちん言うな。でも相手がいなかったんだよ
もしかしたら本当に子供が出来るかもしれないってビビちまって
まあ、今考えればガキだな〜って思うんだけどな」
子供のころの話ですからね
「でも、私としてはどうしても確かめたかったんだよ
そんで、近所に住んでるヤツを捕まえて、してみたんだよ
……その、キスを…って、今言うとちょっと恥ずかしいな、わはは」
ほうほう、そして?
「ん〜なんか、そいつスッゲェビックリしてさ
『なにするの!? ミコちゃん』ってさ、そりゃ真っ赤な顔に変な顔でさ」
まあ、いきなりならそうですね
「アハハハハ、まあな。でさ、当時の私としては、その顔が面白かったわけで」
ことあるごとにキスをしてた、と?
「ん〜まあなw
ま、ガキの頃のだから、カワイイモンだろ?」
そうですね、子供同士ですから
ちなみに今でもその彼と出来ますか?
……もしくはしてますか?
「バ、バッカ野郎! んなコト答えられるか! ノーコメント、ノーコメントだ!」
分かりました、ありがとうございます
105: Kiss of life 04/11/01 04:41 ID:Sog93hpo(9/22)調 AAS
Question. あなたのキスの思い出を教えてください。
Case.5 妹でオニギリなY・TさんのAnswer
「……オニギリ?」
気にしないでください
「はあ……
あの、それでそういう話なんですけど、私出来ないんです、すいません」
どうしてですか?
「……その、そういう経験がないんです」
そうでしたか、それはスイマセンでした
「……あ」
どうかしましたか?
「その、厳密にはキスじゃないんですけど……」
構いません、お願いいたします
「……私、ある人の……その、趣味の手伝いをしてるんですけど
その作業の最中に、お茶を煎れたんです……
紅茶なんですけど」
なるほど
106: Kiss of life 04/11/01 04:44 ID:Sog93hpo(10/22)調 AAS
「それで…その人も作業しながら紅茶を飲んでたんですが……」
それで?
「……」
もしもし?
「……えと……気づいたんです。そのコップが実は私が飲んでたカップで……」
ははあ、それはいわゆる間接的なマウス・トゥ・マウス
間接キスだったワケですか
(コクコク)
けっこうなお話しでした、十分ですよ
……あといくつか伺いたいんですが
「……なんですか?」
それに気づいたのは、彼が飲む前ですか? 飲んだ後ですか?
「………え? それは……」
飲む前なら、なぜ止めなかったんですか?
飲んだ後なら、その後にちゃんと彼の本当のカップと交換しましたか?
「……えと………その、ノーコメント…です」
分かりました、ありがとうございます
107: Kiss of life 04/11/01 04:44 ID:Sog93hpo(11/22)調 AAS
Question.あなたのキスの思い出を教えてください。
Case.6 謎でガンウォーリアーなA・TさんのAnswer
「謎?」
気にしないでください
「別にいいけどね」
それでは、あなたのキスの思い出を教えt
「ノーコメント」
ええと、あなたのキスの思い出d
「ノーコメント」
あの、あなたのk
「ノーコメント」
……分かりました、ありがとうございます
108(2): Kiss of life 04/11/01 04:47 ID:Sog93hpo(12/22)調 AAS
Question.あなたのキスの思い出を教えてください。
Case.7 確か主人公でおそらくヒロインなT・TさんのAnswer
「なんか、納得いかない紹介なんだけど、ブーブー」
気にしないでください
「そうだね、本当はちゃんとヒロインだから気にしないも〜ん。
う〜ん、それにしてもキスの思い出か……そうだなー」
すいませんでした
「私に場合は……って、ええ!? なんで急に謝るの!?」
え、だって……
「だって何よ!? 言ってみなさいよ!」
言っていいんですか?
アナタの場合はキスの思い出なんて――
「……ウウ……
やっぱり言わないで…悲しくなるから……」
主人公でヒロイン、ですよね?
「……ノーコメント……グス」
分かりました、がんばってください
109: Kiss of lifeの中の犬 04/11/01 04:48 ID:Sog93hpo(13/22)調 AAS
リハビリ、リハビリ
110(1): 名無し 04/11/01 06:35 ID:YQQOG/H2(1/2)調 AAS
Sog93hpoさん 面白かったです。
できればそれぞれのエピソードを書いてくださいませんか?
読みたいです。(エロパロのほうでも)
111: Kiss of life 04/11/01 06:42 ID:Sog93hpo(14/22)調 AAS
夕焼けに染まった教室の中、窓ガラスで仕切られたグラウンドからの掛け声は遠くて、
まるで離れた場所で起きているの喧騒のように錯覚させられる。まるでこの教室だけが
切り離されているような感覚にとらわれてしまう。
校舎内に残っている生徒は、もう少ない。
そして、すでに2−Dの教室内にいる生徒は二人だけである。そのうち一人は、慎ましくも他人の机で
心地良さそうな寝息を立てている。すっかり眠り込んでしまっているようだ。
「……ずいぶん気持ちよく寝てくれるじゃない、このハゲ」
机に突っ伏して眠っている男に向かって、横に座っている少女がつぶやいた。
「ていうか、アンタが起きてくれないと私が帰れないんだけど?」
やや冷めた表情と、責めるような口調。しかし、声自体は大きくもないので彼が起きる気配などない。
ゆっくりと、夕焼け空が赤みを増していった。
「ホント、起きないわねコイツ、もしかしてケンカ売ってるのかしら」
つんつん、と指で体をつついても反応はない。その無反応な彼を見て、彼女は一人勝手にストレスを
募らせてゆく。少々、大人気ない。彼女はストレス発散として、起きる気配がないことをいいことに、
彼に様々な悪戯と、いっても本当にかわいいものだが、そんなことを繰り返す。
とはいえ、それも一通り終わってしまえば飽きてくる。そして、退屈とともに再び彼に対する
腹立たしさがやってきた。さらに、その気持ちを知らずに眠っている男を見てその苛立ちは増加した。
112: Kiss of life 04/11/01 06:43 ID:Sog93hpo(15/22)調 AAS
「ほんと、いい加減に起きなさいよ?」
スっと彼に近づく、まさに呼吸が触れあう至近距離
「……いい加減起きないと」
――キスするわよ?
赤色から、夜の黒い世界へと移り行く教室の中で、一人の男子生徒が眠っている。
ドアを静かに開けて、教室を出る女子生徒が一人
彼女は、チラリと後ろの男子生徒を見る
とりあえず、幸せそうなバカヅラがムカつく
「……そんなこと、するわけないじゃない…バカ」
その言葉は、教室内を彷徨ったが誰の耳にも入らずに
忘れ物のように教室内に残っり、しばらくしてから静かに消えた。
113(1): Kiss of life 04/11/01 06:44 ID:Sog93hpo(16/22)調 AAS
「絃子サン、折り入ってお願いがありマス!」
「却下」
即答。
つーか速すぎである。
「ぐおぅ! まだなにも言ってねえのにそれはねぇだろが!?」
「アッハッハッハ、いや〜スマン、スマン。
なんとなく君のまじめな顔を見たら馬鹿にしたいという抑えがたい衝動にかられてな」
ガマン、ガマンよ拳児!
と自分を鼓舞&静止させて播磨拳児は目標へのアタックを続ける。
そう、全ては輝ける未来にためである。
「俺にサクランボ結びを教えてくれ!」
「……ほう、あの人気投票でのアレかね?」
「応さッ!!」
曰く、あれが出来るということはキスが上手いということ
それは彼女を作ることに際してもすてーたすになる!
彼女と付き合っていくうえでもすてーたすになる!
それはつまり、自分と天満ちゃんとの幸せに繋がる!
114(1): Kiss of life 04/11/01 06:45 ID:Sog93hpo(17/22)調 AAS
「……君が言いたいトコロはこんな感じかね?」
「そのとぉぉりッ!」
しばし思案の絃子
みの○んたのセリフを待つ気分の播磨
「……まぁいいだろう」
「うおっしゃぁぁ!」
播磨、交渉成功
彼は自分に課した、恐ろしく困難なミッションを成功してのけたのだッ!
自分で自分を褒めてあげたいぐらいである。
「ウシ、じゃあどうするかさっそく教えてくれ!」
「まあ待て、私にも準備というものがある、とりあえず今夜ワタシの部屋に来たまえ」
「分かったッ!」
意気揚々と自室へと向かう播磨
その後姿を、アラスカのキツネ並に狩人な視線を送り
いたいけな子羊を罠にはめた狼のような笑みを浮かべる絃子
……どうなる、播磨!?
115(1): Kiss of life 04/11/01 06:44 ID:Sog93hpo(18/22)調 AAS
まあ、どんな事情であっても時は進むし場面も変わる。
現時刻はPM9:00、「入ったら蜂の巣」という文字がイヤにリアルなドアの前
時間キッカリなのは、播磨が絃子に命令された時間だからである。
ちなみに、時間指定だけでなく
体をよく洗ってくること!
歯も磨いてくること!
動きやすい服に着替えること!
着替えも忘れずに…ね?
……なぜだろう、絃子サンの部屋へと続くドアが
地獄の門も顔負けのプレッシャーを放っている気がしてきた
いやな汗もダラダラと体中から流れ出し
のどは勝手にゴクリと鳴る
なんというか、この向こう側へ行ったら、もう戻れない感じ
(ここは開けるべきなのか!? しかし、入らなければ教えてもらえない
しかし、入ったらいけないというか、超絶ヤヴァイ気がビシビシするんですケド…)
播磨拳児、こんなところで護身完成である。
「ええい、郷に入らずんば郷に従えだッ! 逝くぜこの野郎!」
ア○ロ、逝きま〜すとドアをバタンと開ける播磨
それでは、今からは播磨の一人称形式で進みませう
116(1): Kiss of life 04/11/01 06:45 ID:Sog93hpo(19/22)調 AAS
なんというか、クラリときた
感覚的じゃねえ、リアルに、だ
「やあ拳児クン、ちょっと遅いかったな。まあ、焦らされるのも嫌いじゃない」
絃子サン! なんで部屋が薄暗いんですか!?
「さあ、早くこっちにおいで」
……なんだか、お香の匂いがするんですけど!
その、いろいろとクルかほりがするんですけど!?
これっていわゆる王族とかが夜伽につかっちゃたりするアレ!?
「やれやれ、相変わらず恥ずかしがりやだな……」
……先生! 彼女の下着が黒です! ガーターベルトです!
というか服をキテません!
「さあ、心配しなくても夜は長い。初めても心配はいらないよ?」
なんのお話でつか?
つーかなぜ体を密着させるつーか胸が胸が胸がムネガガガガガガガガ
「フフフフフフ、おやおや。若いというのはイイね、いい反応だ」
ちょっと手が手が、そこはダメダメダメダメm
フォォォォオォォぉぉ!!!
117(1): Kiss of life 04/11/01 06:49 ID:Sog93hpo(20/22)調 AAS
「それじゃあ、たっぷり……教えてあげよう」
「ちょ……待て、待てつーかなんか全然違う…」
フフフフフフフ……それでは…
イヤァァァァァァ!………ブツ
播磨の意識、残念ながらここブラックアウト
なので、残念ながら絃子の部屋の出来事は我々には分からない
分からないと言ったら分からない。
きっとアレだ、すさまじい特訓だったのだ、多分。
そう、ここはあえて内容を秘とすることで、彼のすさまじい特訓を表現したい
つーか書けませんってトコで、どうか一つ
118(1): Kiss of life 04/11/01 06:50 ID:Sog93hpo(21/22)調 AAS
チュンチュン
窓の外の朝日がまぶしい、というか今の播磨には眩しすぎて直視できない
そう、自分はこの一夜で無理やり大人にされ、汚れてしまったのだ
小鳥のさえずりも、この勢いだとドナドナに聞こえてきそうである
「……どうだったかね、拳児くん? キスのコツは分かったかね?」
なにやらご満悦でお肌ツルツルの絃子さん、播磨の胸の上、腕の中で甘えながらそんなことを言っている。
それを聞いているのかいないのか、播磨拳児は一言ポツリ
「太陽が……黄色い」
などと呟いたそうな。
おしまい
119(1): 犬@リハビリ 04/11/01 06:52 ID:Sog93hpo(22/22)調 AAS
え〜と、こんな短い&アホなんでいいのなら
どうでしょうか>>110さん
他のは……まあ、要望があればそのうちに書く…鴨?
120: 名無し 04/11/01 07:18 ID:YQQOG/H2(2/2)調 AAS
Sog93hpoさん GJ
110です。続き書いてくださって すごくうれしいです。
>あえて内容を秘とする 中身がものすごく知りたいです(爆)
要望 もちろん出しますので書いてください
121: 04/11/01 07:19 ID:dwxsVE1c(1/3)調 AAS
GJ!
やっぱり上手いですね。
絃子さん話良かったです。
122: 04/11/01 08:31 ID:IBHq2Xuw(1)調 AAS
内容的にはGJでいいんだが、これって15禁にならないか?
見ただけで立っちまったぞ。
123: クズリ 04/11/01 09:19 ID:2tXPlHJ6(1/3)調 AAS
>>76
言われて初めて気付きました……_| ̄|○
自分でも、この速さはおかしいと思ってたんですが、そういうことだったんですか。いえ、HP作るのとか
初心者なので、見よう見まねでカウンターとか設置してたもので……
御指摘ありがとうございます。さっそく修正しておきました。
やー。これでカウンタの周りの速さにびっくりせずにすむ。良かった。
124(1): 04/11/01 11:06 ID:NPPmkIWg(1/4)調 AA×
>>108
![](/aas/entrance2_1099026765_124_EFEFEF_000000_240.gif)
125(1): 04/11/01 11:18 ID:NPPmkIWg(2/4)調 AAS
まー、殺すのは行き過ぎとしても
なんでこう露骨に差をつけたような書き方しかできないのか
非常に不快ですね。
シリアスを突き詰めようとする意欲もなく
かといってコメディを試してみようとする発想もなく
一番ラクな方向に逃げちゃう。最悪もいいとこです。
もうこんな悪意に満ちた愚劣なこと書かないでください。
繰り返しになるけど本当に不快。
126(1): 04/11/01 11:20 ID:NPPmkIWg(3/4)調 AAS
↑のは>>108のSog93hpo氏に対しての意見ね。
127(2): 04/11/01 12:00 ID:yIUVeSms(1)調 AAS
>124-126
なんだ、複数人かと思ったら全部一緒かよ。
しかも虐殺AA描いたあと、いきなり日和ってるし。
別にそこまで書くほどのものでもないだろ、お前の感想こそ
悪意に満ちた愚劣なものじゃないのか?(w
普通に「天満ももうちょっと良い目みさせてあげてください」とか
描けばいいのに、わざわざ作者の人を追い込もうとするんだな。
何つーの? 手前の願望剥き出しにしててみっともないっつーか。
128: 04/11/01 12:10 ID:tgCUr9DU(1)調 AAS
面白いSSだった思います。
Sog93hpo氏、どうかお気になさらずに
129: 通りすがった麻生サラ好き 04/11/01 12:32 ID:ut.wiyks(1)調 AAS
>>46
なんだかだいぶ返事が遅れちゃいましたが、感想ありがとうございます。
やっぱ絡み不足でしたか……キスさせようかどうかは悩みました。
続きをいつか書けばするかも……ですねw
>>47
感想ありがとうございます。
やはり、ここまできて続きを書くのだとしたら、今度は麻生君に動いてもらわねば
なりませんね……書くかどうかは未定ですが……。
で、サラの口調見直すとチョトおかしいかもですね……もっと作品を熟読してまいります……。
それでは。
130: 04/11/01 12:36 ID:dwxsVE1c(2/3)調 AAS
>>127
彼は本スレでもAA連投荒らしやキモイ哲学のコピペ連投とかしてる
いつもの基地害天満厨だから誰も相手にしないと思われ。
しかし真性基地害ってのは凄いなw
131(5): 04/11/01 13:18 ID:NPPmkIWg(4/4)調 AAS
>>127
(゚Д゚)ハァ?
俺は天満が好きなんだから、当然のことでしょ。
貴方が沢近好きなのか八雲好きなのか(或いは両方?)知らないけど、
彼女たちが貶されたと感じたら、怒るでしょ?
それとどこがどう違うと?
大体あんな通俗的な差別性が露呈した駄作に悪用された彼女の身にも
なってみたらどうなんだよ、作者は。
その程度のことも分からないような低脳ならSSなんか書くな。
132: 誘導されたのでここに来ました 04/11/01 13:32 ID:wgztAj5U(1)調 AAS
>>131
そこまで熱くなるなって。だったら自分で書きなさいって。自分の思うように書けばいいじゃん。
>>71
感想ありがとうございます。
うぅ、すいません。読み返してみたら自分でも「なんじゃこりゃ(゚Д゚)」状態になりました。
Sog93hpo氏、面白かったです。
133: 04/11/01 13:59 ID:CpKjSe5s(1/2)調 AAS
ア○ロをアフロとしか変換できずしばらく悩んだ俺はだいぶ病んでいるという事は確かだ・・・ _| ̄|○
134: 04/11/01 14:05 ID:Yz6xbtcQ(1)調 AAS
>>131
所詮二次元のキャラなんだしそこまで入れ込まんでも……。
>>119
GJ!
残りのキャラのSSも書いてくれると嬉しいです。
特にサラの話が気になります。
135: 04/11/01 14:21 ID:XH4Pbpik(1)調 AAS
>>131
いまどき珍しい、頭の悪いPTAみたいな人ですね。
136: 04/11/01 14:27 ID:qhTy/rmg(1)調 AAS
スルーしろよ…
137: 04/11/01 14:30 ID:euNvPUlY(1)調 AAS
>:Sog93hpo
GJ! さくらんぼって来たから、隣子が来ると思ってた……orz
でもイトコさん話上手い!
>>131
おいおい。落ち着け。せめて小さいAAの方を使え。
そうしないと、容量消費しすぎたり。また天満SS書く人が敬遠しちゃうぞ。
138: 誘導(ry 04/11/01 15:13 ID:IKd64ef.(1/8)調 AAS
皆さんは高校時代、エロの二言を追及した事はなかっただろうか?
この物語はエロを極限まで追求しようとした漢達の激闘を示したものである。
2004年某月某日。
その日の日直だった西本願司は職員室で担任との会話を済ませ、教室に戻ろうとした時だった。
西本の耳にとても耳寄りな情報が入った。これは2Cの男子に早く知らせなければ・・・西本は冷静に冷静に
自分を落ち着かせながら2Cへと帰っていった。
そのころ2Cでは昼食を懸けた腕相撲選手権が行われ、男子達は激しくヒートアップしていた。
とその時だった。ドアをガラガラと開けて西本が呟いた。
「情報を入手した。」これだけの発言では普通のクラスなら、「何の情報だよ!」とツッコミが入るだろうがこのクラスは
そうではなかった。腕相撲選手権は直ちにお開きとなり、机を移動させ、まるでこれから統合幕僚会議でも開くかのような
緊張感が漂っていた。
139: 誘導(ry 04/11/01 15:14 ID:IKd64ef.(2/8)調 AAS
この会議は通称西本会議(別名長卓会議)と呼ばれ、2C男子の欲望と夢を一気に担う会議だった。
この会議は5人のトップメンバーと会員だけが参加する事ができ、会員でない普通の2C生徒はこの会議に参加できなかった。
ちなみに会員になるには試験があり、この試験を突破できないと会員にはなれない。そのため会議の参加者は
トップメンバーと4人の会員しかいなかった。が会議に参加していない会員も多く、実態は今だ謎に包まれている。
また5人のトップメンバーはコードネームで呼ばれており、西本は「仏の西本」、今鳥恭介は「ハミングバード」
冬木武一は「しらさぎ」、奈良健太郎は「下っ端」と呼ばれている。しかし残る一人については西本しか情報を持っておらず
会員名簿もトップシークレットであるため、トップメンバーですら残る一人を知らない。噂では播磨や花井、梅津等が残る一人では
ないかと噂されているものの、噂の域は出ないようだ。
そして何よりも彼らはエロに関するものなら幅広く扱い、小さなものはメモリースティックから、大きな物だと写真集まで。
またジャンルも幅広くロリータやスカトロ、熟女を除くモノはたいがいそろっていた。
無論情報も取り扱っており、この学校の中には一大エロネットワークがで築かれていたのだった。
140: 誘導(ry 04/11/01 15:14 ID:IKd64ef.(3/8)調 AAS
「今度笹倉先生が個展を開くんだな。そこで公開される絵の題材とモデルが決まったんだな。題材はヌード。そして
刑部先生がその絵のモデルなんだな。」西本から発せられたその言葉によってざわめいていた教室は静寂に包まれた。
「マジ?」「うそ?」「キター!!」等の言葉がボソボソとやりくりされた後、歓声が響いた。
男子達のボルテージは急上昇し、誰しもが自分の脳内で妄想を繰り広げていた。
全裸の刑部先生が自分を呼んでいる・・・そしてその豊満な乳房に自分の顔を埋める。
「早く来て・・・。」その後はいわずもがな悶々と想像を膨らましていった。
ある物は教室から出て行く時内股になり、ある物は鼻の血管を突き破って血が大量に噴出した。
そして男子達は口を揃えて言った。「西本の情報は俺達を潤すぜ!!」
半ば暴動状態に陥っている男子達に向けて西本は静かに口を開きこう言った。
「静かにしてくんろ。ハミングバード、彼女の胸囲はどれくらいあるのかね?」
「ずばりDと推測されます。」
自信たっぷりに言い渡すハミングバードに周りの会員は唸った。
「ここに彼女のパーソナルデータがあります。奈良君、これを皆に配布して。」
しらさぎの情報収集能力はまさに完璧だった。生年月日、血液型、住所etc・・・
ただわかっていないのは趣味と3サイズ、あと播磨との関係程度しかなかった。
141: 誘導(ry 04/11/01 15:15 ID:IKd64ef.(4/8)調 AAS
「これより作戦行動を開始する。作戦暗号名は『ら号』刑部先生の暗号名は『マルタイ』。
この情報は今この場にいない者も含め全会員に通達。及び会員は通常業務に徹して欲しい。前回の『マルビ作戦』の
二の舞にはしたくない。会議は3日後の放課後、この教室で。以上、解散。」
西本のこの一言で会議は終了した。そして会員の一人がこうつぶやいた。
「これから忙しくなるな。」
その日の午後の授業はいきなり刑部先生の授業。男子達は黙々とノートを取り続けた。
その脳裏には官能的な唇、ふっくらとふくらんでいる胸、しなやかな肢体。男子は脳が半ばとろけていた。
その脳がとろけかけていた会員の1名はどうしようもなくある質問をしたくなった。しかし、自分がその質問を
するのはエロ会員である事をむざむざ女子に教えることになる。硬派で通してきた俺はそれだけは避けたい!
そう考えた彼は2列向こうの友達にその質問をさせる事にした。ルーズリーフに質問を書き、友人へと紙を投げた。
しかし、所詮紙。うまい具合にとんで行くはずもなく、隣の女子の頭に落ちた。
会員は必死で「何も見るな、隣に渡せ。」と女子にジェスチャーを送ったが、見るなと言われると見たくなるその心情、
中を見てしまった。紙には「いままでモデルしてたかどうか聞け。」と書かれていた。女子はこの一言を瞬時に理解し、
読み終わった紙を隣の男子に渡した。会員とその友人の思考回路を寸断するには十分すぎるショックだった。
なぜなら次の日からこの2人が女子の間で晒し者になるのは明白だったからである。
142: 誘導(ry 04/11/01 15:16 ID:IKd64ef.(5/8)調 AAS
その日の夕方、密命を受けたしらさぎは集音機を持って美術室の廊下にいた。西本からの命令は
「女同士でなにかやらかすとも限らない。盗聴の上、もしそういったシチュエーションになったら報告せよ。」
との事だった。しらさぎは「んな事あるわけないじゃん。」と思いつつも手持ちのノートパソコンで音声の収集をしていた。
とその時だった。気になる音声が彼の耳に飛び込んできた。
「ちょっと!何、人の胸揉んでるのよ、葉子!」
「ん〜、なにかイメージと違うんだよね・・・こうして、こう」
「もう、馬鹿・・・」
この会話を聞いてしらさぎは意識が飛んでしまった。飛ぶ前にしっかり音声をRECモードにして。
薄れゆく意識の中、しらさぎはこう考えていた。こんな会話を生で聞けるなんて・・・自分は幸せ者だ・・・。
翌日、食堂でしらさぎと一緒に昼食を食しながら2名の男子が女子の間で晒し者になっている事、そして昨日の美術室での
出来事を聞いていた西本の背後にカレーライスを持ってきた男が座った。カレーを持ってきた男の姿を確認すると西本は
カレーを持ってきた男にこう問いかけた。
「マルタイの棒ラーメンはどこにありますか?」
その問いに男はこう答えた。
「あなたがいつも座っているベンチがあるでしょう。そこに行けばきっとありますよ。」
「分かりました、教えてくれてありがとう。あなたがいつも使っている公衆電話の下にあなたへの感謝の印がありますよ。」
西本はベンチに行き、ベンチの下を覗き込んだ。そこには1枚の紙がはりつけてあった。その紙にはこう書かれていた
「ら号 1000開 1700閉 2週 矢美館ニテ」
普通の人間が見たら単なる落書きだと判断するだろうが、西本は違った。その文面を全て理解した。
143: 誘導(ry 04/11/01 15:16 ID:IKd64ef.(6/8)調 AAS
そしてその日の夜にその情報は会員達の間を駆け巡った。美術室での出来事、開催日の日程の事。
その日の夜は「ヨッシャー!!」という叫び声が街中にこだました。
最初の会議から3日たち、集結した全会員にこう言った。「突撃予定日は今週土曜日、各員時間を空けること。
場所は矢神美術館にて。入場開始時刻は1000時、閉館は1700時。入場料は1500円。高いかも知れんがその目で刑部先生の裸を
確認できるなら安い物だと判断する。以上!」
うおおお!教室を怒号が制した。しかし誰かが言った。
「所詮絵だぜ。」
「馬鹿だな、俺達には心眼があるだろ!」
そして土曜日、作戦の決行日。男達は開場5時間前から並んでいた。一刻も早く見たい。もはや男達はリビドーの固まりだった。
この5時間は生涯で最も長い5時間だろう。早く、早く開いてくれ・・・男達の中ではそれはまるで永遠とも思える時間だった。
「あと10分だ・・・」西本の一言で男達の目の色が変わった。「総員、戦闘準備にかかれ!突入準備!」「オゥ!!」
美術館の前に男達の雄叫びが響く。ドクン、ドクン、ドクン。心臓が飛び出しそうな勢いだ。
「それじゃ開場で〜す。」受付嬢の一言と同時に西本が叫んだ。
144: 誘導(ry 04/11/01 15:16 ID:IKd64ef.(7/8)調 AAS
「総員突入!!GO!!GO!!GO!!」男達は走った。全力疾走した。あの角を曲がれば、先生の裸が拝める。
「絃子さ〜ん」「待っててね〜」男達は口々に叫びながら走った。だが角を曲がった瞬間、立ち尽くす西本の姿があった。
「どうしたんだよ、にしも・・・」そういいかけて会員の一人は倒れた。到着した会員は皆同じようなリアクションをした。
ある者は泣きながらひざまずき、またある者は失神して医務室に運び込まれた。そこにあった物は
まるでピカソのようなキュビズム調で描かれた彼女だった。
失意のズンドコに落とされた彼らが美術館を出るのにそう時間は掛らなかった。会員Aに至っては他の人間の手助けがないと
歩けないレベルまで落ちていた。1500円もかけて、朝の5時から馬鹿みたいに並んで・・・彼らの頬を涙が伝っていった。
だが、西本の次の一言で男達は瞬時に回復した。
「裏流出のビデオを大量に入手したんだが・・・口直しに見ないか?」
「それは前回のマルビ作戦の時に押収された・・・?」
「ビデオの奪還に成功したんだな。見るか?」
「も ち ろ ん !」
145(1): 誘導(ry 04/11/01 15:19 ID:IKd64ef.(8/8)調 AAS
もう、なんか馬鹿丸出しみたいな勢いで書いてしまったこの話。
スレタイに補完ってなってたんで第5巻b14のお話を勝手に補完してしまいました。
ご笑覧いただけたら幸いです。すいません。
146: 04/11/01 15:56 ID:CJt7cejw(1)調 AAS
ひそひそ 「沢近はヤリマン」
ひそひそ 「天満はヤリマン」
147: 04/11/01 16:24 ID:CzKEHzRg(1)調 AAS
>>145
とりあえず>>1の避難所に行って「SSの書き方について話し合うスレ」を読もう。
きっとためになるはずです。
あと、・・・は…にした方が読み易いですよ。
148: 04/11/01 16:52 ID:zeKzlZo.(1)調 AAS
>113-118
やべ、鼻血出そうになった・・・・
149(1): Hot Coffee 1/3 04/11/01 19:28 ID:G9ARTp02(1/4)調 AAS
部屋に差し込む陽光と肌を刺す早朝の空気に目が覚めた。
「…うう…寝ちまってたのか」
机に突っ伏していたせいか体のアチコチが痛い、だが壁を突き破り一仕事成し遂げた今の俺にはその痛みすらも心地良い。
今回の原稿はコレまで書いてきた中で一番の自信作だと胸を張って言える。
一昨日までのスランプが嘘のように筆が進んだ。
…そう、スランプだ。
天満ちゃんに妹さんとの関係を誤解され、あまつさえ応援までされてしまったあの日から…
俺は漫画に情熱をぶつける事さえできなくなってしまっていた。
絵は描けた、天満ちゃんの顔なら例え目をつぶっていたって完璧に描くことができる自信がある。
だが、ストーリーが思い浮かばなくなってしまった…
コレまでは二条が俺と天満ちゃんの仲を妨げる唯一の障害であり、それを取り除くにはシンプルにぶちのめせば良かったんだが…
今の俺と天満ちゃんの間の最大の障害が…よりによって世話になっている妹さんだなんてな…
漫画とはいえ女を殴るわけにはいかないし、なにより妹さんには大いに世話になっている。
悪役をさせるなんて不義理をするわけにはいかねえ。
まあ…なんだ天満ちゃんの妹さんだから、ってこともあるしな。
そんなわけで、談講社の編集さんに出された読みきりの締め切り直前になってもまだ妹さんに相談することもできずに居たんだが…
土曜の放課後、妹さんの友達さんが変な気を使って俺と妹さんが一緒に帰ることになって、
一緒に歩いてるうちに言いづらかったはずの漫画のストーリーが浮かばないなんて泣き言をもらしちまってた。
「優しい娘だよな、妹さんは…」
俺みたいな不良の言うことでも真面目に聞いてくれるし、理解(わか)ってくれる。
メガネが入れ込んでるのも分からないでもないぜ、さすがは天満ちゃんの妹さんってとこか。
150(1): Hot Coffee 2/3 04/11/01 19:37 ID:G9ARTp02(2/4)調 AAS
俺の泣き言を聞いてくれた妹さんは、それだけじゃなくて解決策まで考え出してくれた。
妹さんの考えたストーリーを俺が描くっていう完璧な策だ。
妹さんのストーリーは不思議な印象のあるストーリーで、今まで俺が描いて来た漫画とはぜんぜん毛色が違ったんだが…
あらすじを聞いているうちに引き込まれて、気が付けば天満ちゃんの家を通り過ぎて俺と絃子のマンションの前まで来ちまってた。
申し訳ないとは思いつつも、今度はテスト中なわけでもないしまたアシスタントとして泊り込みで手伝ってもらうことになって…
ああ、ちなみに前回と同じ轍は踏んでねえぜ。
妹さんの着替えだとかを取りに行ったついでに「土日を利用して俺の家に泊まる」と天満ちゃんにもしっかりと断ってある。
天満ちゃんは顔を真っ赤にして妹さんに「頑張れ、八雲!」だとか言ってたが…
俺が漫画を描いてる事は他言無用と約束してある。
妹さんは約束を破るような娘じゃないから、漫画のことを言っているはずはないんだが…何を頑張るんだったんだろうな。
って、そうだ、妹さんだ。
妹さんはどこに行っちまったんだ?
まさか、俺が寝てる間に帰っちまったのか?
土日で終わらず学校があるってのに遅くまで付き合ってもらっちまって…会ったら礼を言わねえといけねえなあ。
………そうだ、まだ学校に行くには早い時間だし…シャワーくらいは浴びていかねえと天満ちゃんに嫌われちまうぜ。
ぼんやりとしていた意識をハッキリさせようと頭を振ると、肩にかかっていた何かが落ちた。
「俺の上着…妹さんが掛けてくれたのか」
ク〜〜〜ッ、料理は上手い上に気が利くし、まったくもって実に良く出来た娘さんだぜ。
上着をベットの上に放り投げ、部屋のドアを開けると、リビングから物音が聞こえてきた。
イトコのヤツ、帰ってきてるのか?
まったく、土曜の夜に一度帰ってきてすぐ出かけたっきり、丸一日以上連絡もよこさねえで…
どっかに泊まるなら泊まるって言っておけってんだ。
151(1): Hot Coffee 3/3 [sage 規制にひっかかりすぎ orz] 04/11/01 19:47 ID:G9ARTp02(3/4)調 AAS
一言言ってやろうとリビングに顔を突っ込むと…髪を後頭部で結えた妹さんがキッチンに立っていた。
俺の気配に気がついたのか、妹さんはこちらを振り向くと
「おはようございます、播磨さん。ちょうどコーヒーがはいったところですよ。えっと…飲みます、よね?」
などとエプロン姿で言ってくれた。
「お、おお、ありがたく頂くぜ」
帰ってなかったのか…妹さん。
なぜだろう、妹さんがまだ居てくれたことにどこか安堵している俺が居る…
妹さんと一緒にいると凄く安心できる俺が居る…
俺は…
まだシャッキリとしていないせいか変なことを考えてしまう頭で妹さんからコーヒーを受け取り、一つのソファに並んで座る。
ブラックのままで一口飲むと、昨日の夜入れてもらった時より俺好みのコーヒーだった。
カップから顔を上げ、横目で妹さんをみると、妹さんはもうエプロンもはずして髪を解いた姿で…マグカップを両手で持ち、冷ましながら飲んでいる。
そういえば、読みきりのラストでも女の子がこんな風にコーヒーを飲んでたっけか。
ああ、そうそう、この俺がそこまで引き込まれた話ってのはだな。
他人の心が読める女の子の話だ。
152(2): 04/11/01 19:56 ID:G9ARTp02(4/4)調 AAS
分校あぷろだのひでぱぱさんの絵をみて、居ても立っても居られずに勢いのみで書き上げてみました。
スクランものを書くのは初めてでして、書きやすいかも、と思って播磨の一人称にこだわって見たんですが…いまいち播磨らしくない…
しかも、書いている途中に試し描きさんのお子様ランブルネタが混入してしまいました。
お子様ランブル本編、すごく期待してます。
ひでぱぱさん、試し描きさん、こんなもの勝手に書いちゃいましたが、応援してます、これからも頑張ってください。
行が少し余ったのでついでに何処か(具体的には前スレのラスト辺り)から受信した電波を…
その頃の笹倉家
「絃子さん、幾ら絃子さんでも身体に毒ですよ〜?」
「うるさい…飲まなきゃやっていられないんだよ…」
「あ〜あ…今日は月曜日で学校があるって分かってますか?
私、そろそろ出ないといけないんですけど…」
「葉子まで…私を…グスッ…どうせ…私は…」
「わかりましたっ、今日は私も休みますから〜
まったく、播磨君とは一度じっくりと話し合わないと…」
へっぽこな絃子さんは書いてて楽しいですねえ(笑
153: 04/11/01 20:10 ID:eK17ILEg(1)調 AAS
>>149-152
お疲れさまです。折角リアルタイムで読んでたんで忌憚のない感想を。
>>150の
>妹さんの着替えだとかを取りに行ったついでに「土日を利用して俺の家に泊まる」と
>天満ちゃんにもしっかりと断ってある。
>天満ちゃんは顔を真っ赤にして妹さんに「頑張れ、八雲!」だとか言ってたが…
>俺が漫画を描いてる事は他言無用と約束してある。
>妹さんは約束を破るような娘じゃないから、漫画のことを言っているはずはないんだが…
>何を頑張るんだったんだろうな。
この辺のくだりがちと不自然かな?
前回(本編)では「刑部先生」宅に泊まって勉強してた、ってことで何とか
辛うじて信じてもらえたけど。公式に付き合っていることになっている八雲と
一緒に泊まるって言われたら天満でなくとも同種の反応を示す。
播磨がそれを不思議がるってのは、結局前回からの学習能力が無いと言ってるに
等しい。もちろんこれは作者が八雲を播磨と(再び)2人きりにさせたいことから
くる展開ですが。
>>151
>なぜだろう、妹さんがまだ居てくれたことにどこか安堵している俺が居る…
>妹さんと一緒にいると凄く安心できる俺が居る…
>俺は…
おにぎり派(お子様派?)としての作者の「挿評」(=メッセージ性)がよく出てますねw
二次創作の原動力をよ〜く感じる部分だと思います。本編じゃその辺なんか分からないし。
一番疑問だったのが最後
>ああ、そうそう、この俺がそこまで引き込まれた話ってのはだな。
>他人の心が読める女の子の話だ。
試し描き氏の漫画からのネタだから真面目に突っこむのは野暮というものでしょうが
自分の枷ともいうべき秘密は流石にバラさないですよね。モデルとか婉曲な形でも。
なにはともあれお疲れさんでした。
154: 04/11/01 20:34 ID:dwxsVE1c(3/3)調 AAS
>>152
GJ!
綺麗に纏まってて良いんじゃないでしょうか。
播磨の一人称も上手いと思います。
へっぽこな絃子さんは読んでるのも凄く楽しいですw
155(1): Birthday... Ganji Nishimoto 04/11/01 21:21 ID:2tXPlHJ6(2/3)調 AAS
その日、西本願司は憂鬱だった。
発端は、一通のメール。それは兄からのものだった。
『彼女が出来た。ビデオコレクションはもういいから』
衝撃は大きかった。
あの兄に。月一で送っていた願司コレクションを何よりも楽しみにしていた兄に。自分と同じで
女の子と一生、縁のなさそうだった兄に。
彼女が出来たというのだ。
翻って、自分は。
エロソムリエと呼ばれ、クラスの男子のほとんどの人望を集めている。一方で、女子との接点な
どほとんどないと言っていい。
そのことに疑問を抱いたことなどない。自分の幸せは、ビデオの中にあると信じていた。
だが一番、自分に近しい存在であった兄に恋人が出来たという事実が、彼を落ち込ませた。何だ
かんだ言っても、生身の少女に興味がないわけではないのだ。例えば、明日の誕生日を一緒に祝っ
てくれる彼女が欲しい、と思いもする。
ワスも、自分を見直すべきかもしれないっすね……
翌朝。顔をうつむかせながら歩く彼に話しかけてきたのは、吉田山を始めとする西本会議のメン
バーだった。
「よう、西本」
「……おお、皆ダスか」
「何だよ、落ち込んでるのか?ま、これを見れば元気出るだろうけどな」
言いながら吉田山が取り出したのは、一本のビデオだった。
「……何だすか?これ」
「フフッ、聞いて驚くなよ?あの阿豆樹もなかの新作ビデオだぜっ!!しかもまだ発売されてない
ものだっ!!」
「ネットオークションにかかってたんだよ。ちょっと高かったけれど、他でもない西本の誕生日だ
からな。いつものお礼ってことで、ま、受け取ってくれよ」
「お前ら……最高だすっ!!」
願司は、思う。
やっぱりワスは、恋愛よりも男の友情を優先させるダスっ、と。
その夜。兄からのメールに、願司は思わず笑ってしまった。
『フラレタ。コレクション頼む』
156: クズリ 04/11/01 21:49 ID:2tXPlHJ6(3/3)調 AAS
ということで、西本願司君、誕生日おめでとうございますm(_ _)m
……烏丸君も、究極超人あ〜るを彷彿とさせて好きなんですが……愛情が足りないように
見えましたか。精進します。
御指摘、どうもありがとうございましたm(_ _)m
157: 04/11/01 23:56 ID:CpKjSe5s(2/2)調 AAS
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
乙!一日で振られる西本兄ワロタ
158: 04/11/02 01:46 ID:S3YwFCbc(1)調 AAS
>>155
GJ!
中高生らしくて非常にほのぼのしてしまいました。
159: 04/11/02 03:15 ID:uj3N04l6(1)調 AAS
分校でも人気だしな。
160: 04/11/02 11:07 ID:ugyC4cpo(1)調 AAS
昼下がりの教室
屋上から戻った播磨は天満達の雑談を聞いていた。
「今時童貞が許されるのは小学生までよね〜」
「きゃはははは〜」
「愛理ちゃん駄目だよ播磨君に聞こえてるよ」
161: 04/11/02 11:26 ID:8pOve47I(1)調 AAS
>>131ウザいよ。
162: 04/11/02 11:59 ID:pAQxj4qA(1/3)調 AAS
>160
IDがまるで「うぎぃ」とエロ漫画の叫び声のよう。
163: 04/11/02 13:28 ID:pAQxj4qA(2/3)調 AAS
>95
ドラキュラの衣装でかぼちゃ頭とは、さながらジャックランタンみたい
ですね(w
グッジョブです。
164: THE CONVERSATION 04/11/02 14:27 ID:vuVsZKBg(1/8)調 AAS
笹倉邸
キンコ〜〜ン……ガチャ…
「え〜〜えっとさ… フロのカマがこわれて…」
ダダダダダダッ!!
イトコさーん!!?
玄関で葉子が叫んでいるが、とりあえず無視して階段を駆け上がる。方向は確かこっちであっているはず。
ガチャ……カラカラカラカラ
さて…と、機材はすべてトランクに入っていたはずだが……よし全てそろっているな。
アンテナをマンションの方角に向けて……電源を入れて…おっと、ヘッドホンをつけないとな。
周波数はと……確かメモに……あった。ゆっくりゆっくりチャンネルをあわせる。
……ザッザザーー……ガガッ…ピー…
クソッ、ノイズが酷いな
……ジ…ジジー……ああ、すまねぇ……さん…
ムッ、来たか?
……ジ…ここも頼むわ……
165: THE CONVERSATION 04/11/02 14:28 ID:vuVsZKBg(2/8)調 AAS
頼む?何を?
「い、絃子さん?」
「葉子、だまってて」
……あ…はい、ここですか……
な?……何をしているのだ……
……オウ、そこだ……流石に上手ぇな……ジ…ザ…ザザー……
く、またノイズが。天候が悪いからか?
そ…それにしても、な…何が「上手い」というのだ。
……ザザーーー…ガッ…ザー…ジジ…ジ………ザーー…
駄目か? まぁいい、しばらく時間を空けてみるか。
「あの〜、絃子さん? お風呂…沸きましたけど……」
「……」
「イトコさ〜ん」
「…いただこう」
166: THE CONVERSATION 04/11/02 14:32 ID:vuVsZKBg(3/8)調 AAS
―――――カポーン……―――――
ふう……さて、状況は…と。
む、雨か…厄介だな。
……ザザ…ジ……ゃ美味え!!こんな美味えパスタ食ったのは初めてだ…ガガ…ピー……
ぬお! 声がでかいぞ拳児君。……しまった、後半を聞き逃したか。
どうやら食事中だったようだな。……塚本君の手作りか……さぞや美味いことだろうな……
……ふん……どうせ私には作れないよ……。
ザーーーーーッ
雨が酷くなってきたな。ただでさえ電波状況が悪いと言うのに。
「絃子さーん! ビールでいいですかー? それともワインにします?」
「……ビール!」
……ピー……ジ…ジ……るとしたら……
167: THE CONVERSATION 04/11/02 14:36 ID:vuVsZKBg(4/8)調 AAS
む? 急に会話のトーンが下がったな。
……私……経験ないから……ジ……どうしたらいいのか…
!!!? な!? ま ま まさか!!?
……ジジ…男の人と女の人がつき…ジ…って…ザザーーッ……
!?!?!?!?!?
な…? なななななななななあーーーー!!??
―――――――思考停止中――――――――
「絃子さーん! 準備できましたよー!」
ドタドタドタドタドタッ!!
プシュッ……ゴキュ…ゴキュ…ゴキュ…プハーッ
「あ…あの、イトコさん?」
ダダダダダダダダッ!
―――――しばらくお待ちください―――――
168: THE CONVERSATION 04/11/02 14:41 ID:vuVsZKBg(5/8)調 AAS
ハッ!? 私はなにを?
と と とにかく落ち着け私。よく考えろ。
あの播磨拳児君だぞ??? 相手は塚本君は塚本君でも妹の塚本君だ。
うん。いくら拳児君でもそこまでロクデナシではない……はずだ。……うん、よし。
……ゴホン、では続きを……ん?
……ザザーーーーーーッ………
あれ? おかしいな……? 何も聴こえなくなったぞ。
故障か? まさか! 気付かれた? バカな!?
「絃子さーん! 絃子さんのマンションの方角、停電らしいですよー。大丈夫ですかー」
………………てい? ……ハ…ハハッ……っは〜…
な…なるほど停電か。……コンセントに仕掛けておいたのが仇になったか……。
ふむ、今度からは時計かラジカセにも仕掛けておくとしよう……って、なにをやっているんだ…私は……。
「絃子さん?」
「葉子!」
「は、はい?」
「飲むぞ、付き合いたまえ」
「はあ……?」
「返事は!」
「はいぃ!」
169: THE CONVERSATION 04/11/02 14:42 ID:vuVsZKBg(6/8)調 AAS
……まったく……よく考えれば何で私が取り乱さなくてはならないんだ……
預かっていた出来の悪いペットが女を連れて帰ってきただけの話ではないか。
そうだ、私がいちいち干渉することではない。
そうだとも、ワタシは…………。
…………
「イトコさーん、その辺にしたほうが……」
「なんだい葉子、もう終わりかい? この程度で根を上げるなんて」
「いえ……ほら、明日も仕事がありますし…そろそろ…」
「明日がなんだい。今日は今日しかないんだよ……。明日のことを今日考えるなんて……
……だいたい明日って言われてもどんな顔して……」
「絃子さん…? 酔ってます?」
「……」
「イトコさん?」
「……スゥー……スゥー……」
……フサァ……
「おやすみなさい。絃子さん」
(終わり)
170(2): THE CONVERSATION 04/11/02 14:48 ID:vuVsZKBg(7/8)調 AAS
初SSで初投稿です、皆さんはじめまして。
このスレに触発されて挑戦してみたのですが、やっぱりムズイです……。
もっと始まりと結末をうまく書けるようになりたい……今回はかなり中途半端になってしまったので。
さらによく見ると、擬音や三点リーダばかり…書き終えてから色々反省点が見えてきました。
一応避難所の講座を一通り読んだのですが、全てを生かすにはまだ力不足なので、今後の糧にするべく、
いろいろご感想をいただければ幸いです。
内容に関しては……まあ、あの日の幕裏でこんなことがあったら良いなぁ という脳内妄想を書き連ねてみました。
題名は、内容からそれらしい洋画タイトルを検索して適当に…あまりこういうセンスは良くないので…
改めて常連さんたちはすごいなぁと思い知りました。
171(1): 04/11/02 14:52 ID:z9435dWc(1)調 AAS
なんか一連の投下は誤爆じゃないかとも思われ。
しかもエロパロには対照的なSSが投下されてるし。
172: THE CONVERSATIONの人 04/11/02 15:07 ID:vuVsZKBg(8/8)調 AAS
>171
すみません。誤爆ではないです。エロパロってチェックしてなかったので…
ここではこのぐらいの描写はNGでしたか?
173: 04/11/02 15:24 ID:VUOYT5y2(1)調 AAS
いや、この程度ならこっちでいいと思うが・・・・・
逆にコレをエロパロに投稿されたら肩透かしって感じだな。
最近へっぽこ絃子さんが楽しくて仕方ないので、面白かったよ。
なんかオレの中で絃子=ヘッポコがデフォになりつつあるな。
ヤヴァイ傾向かもしれん。
174: 04/11/02 15:59 ID:OtJpsyyM(1)調 AAS
>>170
GJ!
かなり面白かったよ。
停電であの後のやりとりを聞けなかったのが残念だw。
さらに取り乱してただろうに。
こういう絃子さんは良いですね。次回作期待してます。
175: 04/11/02 16:02 ID:pAQxj4qA(3/3)調 AAS
あの漫画編でポテチを落とすわ茫然と播磨の言うことに従うわと
新たな一面を見せまくったからなぁ。
176: 04/11/02 17:17 ID:DdkDlgSU(1)調 AAS
>>170
GJ!
絃子さん萌えるな。
勢いもあって良かったと思います。
177: National Culture Day 04/11/03 06:19 ID:j67BUYyY(1/13)調 AAS
11月 3日
文化の日(National Culture Day)
1946(昭和21)年、平和と文化を重視した日本国憲法が公布されたことを記念して、
1948(昭和23)年公布・制定の祝日法で「自由と平和を愛し、文化をすすめる」国民の祝日に定められた。
戦前は、明治天皇の誕生日であることから、「明治節」という祝日だった
178: National Culture Day 04/11/03 06:21 ID:j67BUYyY(2/13)調 AAS
暇つぶしに持ってきた『毎日が記念日』という文庫本を読むと
なるほど、そういえば今日は文化の日だったな、と思い出す。
毎月の休日が楽しみの学生の頃とくらべ、休みの日が文字通り『休むだけ』の日の社会人と
なってからは、休日が何の日かまでは気にしなくなっていたらしい。そんな自分に、少々驚く。
……というか、そういえば来週末は文化祭ではないか? いやはやボケるにはまだ若いはずなんだが――
季節はすでに秋から冬へと衣替えに忙しらしく、ほんの少し前までは青々とした木々が夏の深緑から
秋の紅葉へと自身の色を変えていた。あと少し経てば。今度は寒くないのかと心配に思うほど自信の衣を
ひらりひらりと落としていくだろう。
あるいは、少し肌寒い11月にせめて少しでもと、我々に陽の光を当ててくれるために、自身が作る影を
減らしてくれているのかもしれない。
刑部絃子がいる場所は、都会よりも秋から冬の進み具合が速い、少々郊外にあるバス亭である。
何ゆえ彼女がこんな場所にいるかというと、休日を利用して高校時代の友人の家を尋ねたためであった。
自分と同い年のはずの彼女は、初々しかった新妻を経て、やはり初々しい母親へとなっていた。
娘を見に来て欲しいといわれたときは、半分冗談かと思ったほどだが、一緒に送られた幸せそうな笑みと
おそらく、彼女の幸せが具現化された小さな命が、彼女の腕の中で気持ち良さそうに眠っている写真を見れば
信じざる得ない。それに、旧友からのお誘いで、祝い事があるならば断る理由もない。
179: National Culture Day 04/11/03 06:23 ID:j67BUYyY(3/13)調 AAS
とりあえず、手土産に赤ちゃん用品を持って出かけたのが午前10時、電車とバスを乗り継いで、
家へとたどり着いたのがちょうど太陽が南に昇りきったころだった。
友人との久しぶりの邂逅は、概ね良好だった。ただ、自分の旦那への愚痴と、子育ての大変さを熱く
語られるても、やれやれといった感じである。話してるほうはどうか知らないが、聞いているほうは
壮大な『のろけ話』でしかないわけで、聞いているうちにお腹がいっぱいになってしまう。とはいえ、
不快という感覚は毛ほどもなかったわけではあるのだが。
さて、友人との談話も終わり、夕日が傾くまえに家に着きたいと思っていた絃子は、まだ帰したくない
と言って、せがむ友人をなんとか振りほどき、家から徒歩で20分ほどのバス亭で、時刻表を見ながら
のんびりと文庫本を読んでいたわけである。
ちなみに、彼女が文庫本を読み出してから、駅前行きのバスはすでに3本ほど発車しており、今しがた
4本目のバスの運転手に、自分は乗らないと伝えたばかりである。
まあ、理由としてはありきたりだが、刑部絃子とあろうものがお金が足りなくなってしまったのだ。
確かにどの駅で降りるかとと、どのバスに乗りどこで降りるかは聞いていたが、その料金を聞かなかったのが
彼女の痛恨の一撃だった。まさか、バスの料金だけで四桁いくとはさすがの絃子様も予想だにしていなかった。
それにしても、最大の失敗はご丁寧に電車の切符は往復で買ってしまっていたことだ。駅からなら、
まだどうとでもなったものを。往復切符で特急券を買わなければ、帰りのバス代は払えた計算である。
まあ、今更悔やんでも換金所は遠く離れた場所にあり、そこに行くには切符を換金したお金がいるという
パラドクス。自分自身の力ではどうしょうもないので、絃子はあまり頼りたくはないが、同じ職場で同僚の、
自称カワイイ後輩にメールにて向かいに来てくれるよう頼んだのである。待ち合わせ場所は、分かりやすいように
ここのバス亭にした。
180: National Culture Day 04/11/03 06:24 ID:j67BUYyY(4/13)調 AAS
メールを送ってから43分、返信がきてから40分、彼女の家からなら高速を使わなくてもあと30分ほど
でここにたどり着くだろう。
文庫本のページをぱらぱらと捲り、今日が文化の日ということを思い出したのは、そんな時間を持て余した
時だった。
文化の日…ねぇ
となれば、思い出すのは高校時代の文化祭。そして一番ハシャイでだ二年生のとき、個人ではライブを演ったが
クラスでは演劇をした。白雪姫とシンデレラと眠れる森の美女を足して3をかけたような演劇をした記憶がある。
そして、その演劇に自分も主演として、なぜかクラスどころか学年すら違う後輩も主演として出演していた。
言わなくても十分に想像は難くなく、自分はお姫様を助ける王子役で、彼女は助けられ、幸せにされるお姫様。
たしか二人の主演という事で、かなりの観客が集まり、結果としてその年のグランプリになった。そして、男性姿の
自分の写真も飛ぶように売れ、あまつさえ○○年度のミスターコンテストで特別賞を受賞などしてしまった。
あまり思い出したくもなく、また話されたくもない話題であった。やはり、自分の学生時代の思い出などは
コンクリートに固めてどこぞの湾に捨てたほうがいい気がする。まあ、それでも色々と思い出してくる自分の
少々出来のいい頭がうれしいやら悲しいやら。
そして、ある情景が一つ思い浮かんできた……あれは、たしか衣装の仮縫いができた時である。お姫様の
ドレスは、『お姫様!』というイメージそのままを服にしたようなデザインだった。そしてさらに、それを着た
後輩は、彼女自身の風貌、雰囲気のせいもあって、まさに完全無欠のお姫様へと変身した。
一方、自分はえらく男前になっていた。周りからは「カッコいいー」だの「抱いてー」だの、およそ同姓に
言われてもたいして貫禄を受けない黄色い声の雨あられ。まあ、自分でも驚くほど似合っていたので、悪い気は
しなかったが、だからといって嬉しいと感じるのは少し違うだろう、いろいろと、主に女の子として。
181: National Culture Day 04/11/03 06:25 ID:j67BUYyY(5/13)調 AAS
まあ、それでれ別段イヤというわけでもなく練習は頑張ったし、若さというか、まさに青い春というか、
それなりにノリノリになっていったのだから、概ね問題は起きなかった。
ただ、そこらへんについて鮮明に思い出として残っていることが二つほどある。
一つは、何度も後輩が『本当にお姫様役を自分でやっていいのか』と聞いてきたことである。こいつは、
自分から他のクラスに遊びに来ておいて、よくぞまあそんなことを、と思ったが。おそらくは、彼女にも
常識とか、それに類似したものが多少はあったのだろう、ということで納得した。
納得はしたのに、イヤに覚えているのが本気で彼女が自分に何度も尋ねて来たからである。それも珍しく
真摯な表情で。
もう一つ、何の気まぐれか、ふと更衣室にポツンと置いてあった、お姫様役の衣装を手に取った。恐ろしく
ふわふわとしたその衣装を、少し自分の体とあわせてみた。そして、鏡の前に立つ。
……驚くほどサイズがあってない。たしか、この衣装はそんなに小さいわけではなく、一般的な女子高生
の身長に合うはずである。しかし、自分の手足や肩幅は、ものの見事に衣装からはみ出している。つまり
自分は『女の子』の着る服が着れないし、来てもおそらく似合わない。分かっていても、ため息が出てしまった。
そして目測ではあるが、多分これを着たらサイズが大きくて余ってしまう部分がありそうである。
腰から下と、両腕の間にあるのふくらみは、自分の持ち物では、おそらく悲しい空洞ができてしまうだろう。
新たなる追い討ちに、なんとなくため息が出るものの、将来に期待することで自分をなぐさめた。
思い出とは、つくづく思い出したくないものばかりを思い出してしまうものである。そして、その例に漏れず
勝手に不機嫌になった絃子は、後輩へと八つ当たりのメールを送った。
182: National Culture Day 04/11/03 06:26 ID:j67BUYyY(6/13)調 AAS
Title まだ?
本文:速く来い、こっちは高校時代の文化祭の思い出を思い出して、機嫌が悪い。
よって可及的速やかにやって来ること
Title re:まだ?
本文:予想だと、おそらくもう少しのはずです。
それと、文化祭の思い出って、私がお姫様で、絃子さんが王子様役をしたやつですか?
アハハハ、すいません、私がお姫様役をやっちゃって。ホントは絃子さんがお姫様をやりたかったのに。
……彼女からの返信は、色々と予想外であった。まず『予想では』?『はずです』?
そして、さらに言うならば、その後の内容はどういう意味だ? 自分がお姫様役をやりたかった?
あれだろうか、天然ボケだとは常々思っていたが、ついに天然が取れてボケてしまったのだろうか。
183: National Culture Day 04/11/03 06:37 ID:j67BUYyY(7/13)調 AAS
Titl 何を言ってるのかよく分からんぞ
本文:予想とか、はずとかどういう意味だ。それに、別にわたしはお姫様役をやりたかったワケではない
Title re:何を言ってるのかよく分からんぞ
本文:まあ、気にしないでください。とにかくもうすぐですから。
あれー? 私はずっと絃子さんはお姫様を演りたいと思ってると思ってましたよ
だから、私がしちゃっていいのかなー? と
私がお姫様役? しかもやりたかった?
彼女自身も鼻で笑ってしまうようなことである。やれやれ、とそのことを完膚なまでに否定する文章を
入力する。しばらくして間断なく動く指の動きがピタリと止まった。
そういえば……彼女の主演が決まる前までは、確か自分がお姫様役候補だった。まあ、自分で言ったら自慢
で嫌味にしかならないが、クラスの投票でブッチギリの一位票で当選したところまでは覚えている。
そして、彼女が来てからは、あれよあれよと話しが進み、気が付いたらも自分は、もととはまったく逆の役柄で
ある、剣を振りかざし、眠っているお姫様のもとへとはせ参じる王子さま役。
……なんだかさらに思い出してきた、いや、思い出してきてしまったと言うべきか。お姫様役が
半場決まったときに家で、恥ずかしさと、それに比例するかのように、なんとも言えない高揚感を感じた。
それをごまかす為に、布団でぐるぐる丸くなったり、ギターを弾いたりしていた気がする。
……思い出したくなかった、甘酸っぱい青春の一ページというヤツである。その当時の自分の若さに
恥ずかしさと、わずかだが残っていた「女の子」の部分に軽い憧憬と哀愁をが入り混じった、複雑な心境になる。
返信のメールの大部分を削除し、簡潔な内容を送った。別に、どうしてもやりたかったわけじゃない、と
184(1): National Culture Day 04/11/03 06:38 ID:j67BUYyY(8/13)調 AAS
ふう、とため息を出すと、呼応するかのように木枯らしが吹き抜けた。もはや空は夕陽で視界を朱色に染め
はじめ、一刻ごとに夜の闇が気温と共に体温を連れ去りっていく。歩くから、と薄着してたのが災いして、
少々肌寒い。そろそろ本気で向かえの車が来て欲しくなった
腰のポケットから、振動が伝わる。それが待ちわびている後輩からのメールの到着を教えてくれた。
Titl またまた
本文:女の子は、いつだって自分がお姫様で、白馬に乗った王子様がやってくるのを夢見るんですよ。
それは、絃子さんだって同じハズですよ☆
はいはい分かったから、白馬に乗った王子様よりも暖房の効いてる車を速くもってこい、というメールを打つ。
そして、右手が送信ボタンに手がかかった時だった。聞き覚えのあるエンジン音と、やはり聞き覚えのありすぎる
声が聞こえたのは。
「やっと見つけたぞコンチクショーがっ!」
いきなりやって来た、自分のマンションに寄生している居候の従姉が、偉そうにバイクから自分を見ながら
そう叫んだ。あまりの突然の人物と出来事に、目を点にしてしまう絃子。
……なぜ、コイツがこんな所にいる?
185: National Culture Day 04/11/03 06:39 ID:j67BUYyY(9/13)調 AAS
当然の疑問であるこの質問を居候に投げかけたところ、なんともトンチンカンな返答だった。
なんでも、彼の携帯電話にこんなメールが来たとのことである。
Titl ピンチだって〜
本文:絃子さんが、××市の○○っていうバス停留所で、キミを待っている!
速く来ないとお仕置きだそうだよ、さびしがってるからはやく迎えに行ってあげてね〜♪
勢いあまって、人の携帯を地面に投げつけて、鉄とプラスチックとその他諸々のゴミにしてしまうところだった。
まあ、なんとかそんな最悪の事態は免れたが、携帯電話の持ち主は、わずかだがミシリと言って自分の携帯が
破壊されそうだったのを見逃さなかったりする。
己の中の葛藤を、無理やり封じ込めて、それでも這い出て来そうなのを上から踏みつけることで、ようやく
絃子は冷静な判断を下した。ここで怒っても仕方がないし、なによりいつまでもここにいるわけにはいかない。
とっとと家に帰ってお風呂に入って、温かいご飯を食べて、暖かいお布団で眠ろうじゃないか。
一方、迎えに来て感謝されるはずである播磨は、まあ、言いたいことも色々あったのだが、賢明にも
というか、あまりにも絃子の発するオーラにビビって、小さな声でグチグチ言うだけであった。
186: National Culture Day 04/11/03 06:42 ID:j67BUYyY(10/13)調 AAS
「……ったく、速く乗れよ」
そして、いざ乗らんとした時に絃子はクシャミをひとつ。寒い。そして、この格好でこの気温の中バイクに
乗ったら恐ろしく寒いのではないか? というか、間違いなく冷たい風で凍えてしまう。そこで、解決策として、
運転手が着ている暖かそうなジャケットを説得という名の脅迫と、説明の皮をかぶった理不尽な理論を
駆使して強奪、もとい謙譲してもらうことにした。
しかし、珍しいかな、絃子の作戦は失敗した。しかし、ジャケットは得ることが出来た。
「ホレ、これ着ろよ」
いきなり彼が自分のジャケットを、投げ渡したのだ。いかに彼から衣服を剥ぎ取ろうか算段していた絃子
としては、これはなかなかのカウンターパンチだった。
「……なんだよ、いらねえなら俺が着ていくぞ」
珍しいじゃないか、君にしては、という意味の文章を+300%の嫌味と、気づかれない程度の感謝の気持ちを
込めて、彼の人に投げかけると
「あのな、俺だって寒そうにクシャミされたら、たとえそれが絃子だろうともこれぐらいはする!」
つーか、お前と違っておれは冷血じゃんねえ、というその後の部不相応の発言と『絃子だろうと』の部分に
かなり腹を立てるが、とにもかくにも播磨のジャケットを着ることに成功した。さすがにさっきまで彼が
着ていただけあって、なかなかぬくい。その、大きなサイズのせいか、包み込まれるように感じるジャケット
暖かさのせいだろうか、絃子は上手く反撃が出来ない。仕方がなく、アリガトウとだけ言うと、黙って播磨の
後ろの座席へと座った。
187: National Culture Day 04/11/03 06:44 ID:j67BUYyY(11/13)調 AAS
「あ〜クソ寒ぃ、ったく俺がこんな目に…ほんじゃあ行くぞ」
バイクが轟音を立てて疾り出した。播磨の体に晩秋の冷たい風が叩きつけられているのだろう、
本当に寒そうである。まあ、自分のせいだということは間違いないので、仕方がなく、ほんの少しだけ
体を密着させて、両腕で播磨の体をしっかりと抱いてやった。
一瞬、播磨はピクリと反応をしたが別段なにも言わず、相変わらず無茶な運転で、自分のバイクを操り夜の道路を
走らせていく。絃子は体と気持ちを、変な意味ではなくて、それなりに安心できる運転という意味としてだな、
と自分に言ってから、その背中に預けた。そして、そのうち顔を背中にうずめた。本人曰く、寒いから。
道の途中で、駅からの特急券があること思い出す。しばしの思案、数秒の後、絃子はポケットからクシャクシャに
した長方形の厚紙を夜の闇へと投げ捨てた、風が吹いたと思ったら、すでにそれは見えなくなっていた。
突然メールの着信を告げる振動がやってきた、器用にバイクの後ろで内容を見る。
Titl どうですか〜
本文:颯爽とあらわれた、優しい王子様に助けられるお姫様の気分は?
携帯を仕舞い込み、チラリと自分の体を預けている人物に視線を向ける。
後輩が言うところの、颯爽とあらわれて、優しい王子様である
コレが王子様、ねえ…
188: National Culture Day 04/11/03 06:50 ID:j67BUYyY(12/13)調 AAS
ちょうど信号で停止する。視線に気づいた播磨が、後ろを向いて、何だよ? と言う。
絃子は、別に、と言ってプイっと横を向く。
眼前の信号は青へと変わり、再びバイクが走り出す。
王子様にしてはヒゲにグラサンで、顔も納得できないし、言葉遣いも悪すぎる
乗ってきたのは白馬どころか、自分があげた中古の単車
というか、助けに来たんじゃなくて、ただ単に迎えに来ただけじゃないのか?
優しさは……それなりにあるようなので、なんとか許せるといったところ
総合評価としては……まあ、激甘の採点でギリギリ、本当にギリギリで及第点にしてやろう
そう播磨を評価すると、自分の顔をポスっと播磨の、いつの間にか自分よりも大きくなっている背中に埋める。
さらに絃子はもう少しだけ、体を密着させる。そうそう、夜風が寒いから。
再び考える
コレが王子様ということに、心の底から納得はいかない、納得はいかないが――
珍しく、邪悪な意思のない笑みを浮かべて、そして小さな声で呟いた。
「まあ、たまにはお姫様というのも………悪くないかな」
目をつぶって、出来損ないで欠陥品の『王子様』に体を任せ、身を預ける。
二人が乗ったバイクは、もうすぐ二人で住んでいるマンションへと着こうとしていた。
fin
189(1): 犬@リハビリ中 04/11/03 06:51 ID:j67BUYyY(13/13)調 AAS
クズリさんが誕生日ネタでくるなら、自分は祭日ネタで投下
次はきっと勤労感謝の日に、播磨に奉公(奉仕?)させる絃子さんの話を書いたりする予定です
まあ、上は冗談ですが、いろいろなジャンルの作品を書いて勘を取り戻したいです、ハイ。
リハビリがてら、絃子さんの台詞は最後だけ、と自分ルールでやってみる
しかし、上手くいったんだかいかないんだか分からない。 _| ̄|○
超姉万歳、というところでまた次回作で
正直あるかどうかは分からないんですが
190: 04/11/03 11:16 ID:g9nzsCbw(1)調 AAS
GJ!
(゚д゚)ウマー
なんか可愛いなあ絃子さんが。
楽しく読ませて頂きました。次回作待ってます。
鯖が激重でなかなか書き込めないよ。(つд`)
191: 04/11/03 12:02 ID:h0Bqa8vE(1)調 AAS
>>189
グッジョブ!
雰囲気あるなぁ
葉子さんの播磨へのメールにワロタ
どんなノリなんだこの人はw
絃子さんの描写も良かったよ。こういう超姉もイイ!
192: 04/11/03 15:48 ID:uxVDjyds(1)調 AAS
久々の本格派、堪能させてもらいました。
いや、マジで上手いっス。
193(1): 04/11/03 16:20 ID:ARYIwzt6(1/2)調 AAS
11/24はSSが投稿されるようになって一周年記念ということで、
何か書いておきたいなぁ。
194(1): 04/11/03 16:46 ID:nVzlxwVg(1/2)調 AAS
もう一年か…某キャラ萌えスレをのっとって始まったんだっけか。
あの頃は友人とわきゃわきゃいいながら本スレ・SSスレ・分校見てたな。
195: [age] 04/11/03 17:26 ID:RHs0PJPs(1)調 AAS
ヒゲへ
プロの漫画家になりたければ裸婦デッサンをしなさい
沢近より
196: 04/11/03 17:34 ID:ARYIwzt6(2/2)調 AAS
>194
いや、実を言うとそうではない。最初は半角二次元板のハァハァスレで
書かれたのが最初。書いた俺が言うのだから間違いない(w
197: 04/11/03 17:39 ID:2zRe8dGk(1)調 AAS
どちらにせよ194とその友人はキモイ
198: 04/11/03 18:15 ID:1lvvzbVY(1)調 AA×
![](/aas/entrance2_1099026765_198_EFEFEF_000000_240.gif)
199: 04/11/03 18:20 ID:PskWhEt6(1)調 AAS
>>193
そこで回帰して旗ですよ。
200: 04/11/03 18:32 ID:w4kAOSnA(1)調 AA×
>>194
![](/aas/entrance2_1099026765_200_EFEFEF_000000_240.gif)
201: 04/11/03 20:27 ID:nVzlxwVg(2/2)調 AAS
( ゚∀゚)ウヒョー
202: 04/11/03 23:36 ID:.qdEU0zo(1)調 AAS
>>184のとこ、絃子から見て播磨は従弟ですよね?
203(1): 04/11/04 00:30 ID:WsjzX8Gk(1/9)調 AAS
SSを作ってみました。長いので分割させて投下します
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