[過去ログ] 【クラシックの迷宮】 片山杜秀 6 【4月から日曜】 (1002レス)
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5: 2018/02/23(金) 00:29:06 ID:ZyyQ+Sw5(1/5)調 AAS
片山杜秀(かたやま・もりひで)
音楽評論家、思想史研究者。一九六三年仙台生まれ。東京で育つ。
慶応義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。専攻は政治学。
著書に『音盤考現学』『音盤博物誌』『クラシック迷宮図書館(正・続)』『線量計と機関銃』(以上、アルテスパブリッシング)、
『国の死に方』(新潮新書)、『未完のファシズム』(新潮選書)、『近代日本の右翼思想』(講談社選書メチエ)、
『ゴジラと日の丸』(文藝春秋)ほか。朝日新聞、『レコード芸術』などで音楽評を執筆するほか、
NHK-FM『クラシックの迷宮』などでパーソナリティをつとめる。
二〇〇六年、日本近代音楽研究の業績により京都大学人文科学研究所から人文科学研究協会賞を、
二〇〇八年、『音盤考現学』『音盤博物誌』により吉田秀和賞およびサントリー学芸賞を、
二〇一二年、『未完のファシズム』により司馬遼太郎賞を受賞。慶応義塾大学法学部教授。
〔『現代政治と現代音楽』(アルテスパブリッシング)奥付より引用。〕
6: 2018/02/23(金) 00:29:43 ID:ZyyQ+Sw5(2/5)調 AA×
7: 2018/02/23(金) 00:30:04 ID:ZyyQ+Sw5(3/5)調 AAS
◆ラジオ出演の様子
加羽沢美濃「さあ、次に登場するのは、この方です」
〔音楽〕
松井治伸「えー『クラシックの迷宮』、司会の片山杜秀さんです」
〔拍手〕
加羽沢「改めてご紹介しましょう。毎週土曜日午後10時から、FMで放送している
『クラシックの迷宮』の司会者、音楽評論家で政治学者の、片山杜秀さんです。
よろしくお願い致します」
松井「よろしくお願い致します」
片山杜秀「よろしくお願い致します」
松井「えー、この『クラシックの迷宮』、選曲が片山さんが選んでらっしゃいますが、
非常に、まあ言っちゃ何ですが、マニアックな選曲で、独自の視点での片山さんの解説。
これ、番組のコンセプトは、片山さん、何でしょう?」
片山「いやいやもう、僭越ながら吉田秀和さんの名曲を楽しむ番組の、後継番組として
始めさせて頂いたものですから、名曲を楽しむのは勿論なんだけれども、
有名な作曲家とか名曲に限らず、有名じゃないと世間で思われてる作曲家や、
みんなあんまり聴かなくても良いんじゃないかと思ってるような曲なんかも
楽しんで頂きたいっていうことで、なるべくあの、名曲から名曲じゃないものまで、
あと色んな時代のものも含めて、間口を広げて、
クラシック音楽の楽しみを広げられるような番組になればなっていうことで、
やらせて頂いております」
松井「非常に幅広いわけですね。時代もジャンルも」
片山「まあ、そうですね。ただ私がどうしても近現代が好きなので、ちょっとそういうところ、
そういうそっちのほうに偏ってるような傾向は、あるかも知れません」
加羽沢「そして何か謎解きをするような雰囲気もありますけれども、
今回選んで頂いたお勧めの1曲というのは」
8: 2018/02/23(金) 00:30:40 ID:ZyyQ+Sw5(4/5)調 AAS
片山「はい。あの、山田和男作曲の『おほむたから』っていう
オーケストラの音楽なんですけれども、この作品は1944年に作曲されて、
1945年の1月1日、戦争末期のお正月に、NHKからラジオで放送されて、初演された作品で、
同じ月の、今のN響の定期で、日比谷公会堂で、まあ空襲が前後にあるような時代に、
演奏されて、その戦後は完全に埋もれていた曲なんですけれども」
松井「作曲されたのが山田和男さん、あの指揮者としても有名な方でいらっしゃいますよね」
片山「はい、あのマーラーなんかを得意としている指揮者として大変有名で、
1990年代までご活躍でした」
松井「はい。今から70年前に初演されたという作品ですが、作品の特徴は何でしょうか?」
片山「はい。この作品はまあ、1945年の、戦争末期に初演されたということなんですけれども、
日本人の、何て言うんでしょう、戦争中の日本のクラシック音楽の創作の、
ひとつのまあ、極限的な、何かピークに来るような曲でありまして、
あの音楽としては、マーラーの交響曲第5番の第1楽章『葬送行進曲』って、
クラシックファンの方ご存知の方もあると思うんですけれども、この曲の、
下品に言えば“パクリ”、あの、上品に言えば“本歌取り”っていうのがベースにあって、
だからあの、マーラーの、ご存知の方は、ああマーラーとおんなじメロディーとかリズムとか、
ハーモニーの進行がたくさん出てくるって、おわかり頂けると思うんですけれども、
ただそこに、勿論、日本人の作曲家としての山田和男の署名があって、それはあの
仏教の声明(しょうみょう)のメロディーが、マーラーと組み合わされて入ってくるんですね。
これちょっと聴いてるとわかりにくいかも知れませんけれども、あの
♪あーああーああーああー あーあ
こういうようなメロディーが、入っております」
9: 2018/02/23(金) 00:31:00 ID:ZyyQ+Sw5(5/5)調 AAS
〔オーケストラの音合わせが聴こえ始める〕
片山「で、このメロディーと、マーラーが組み合わされることによって、
まあ声明といえば日本人の“祈り”でありますから、戦争末期の、あとマーラーの葬送行進曲で、
みんなが死んでいくっていうことですね〔←うれしそう〕。戦争末期で。
で、自分も山田和男さんも死んじゃうかも知れない、“一億玉砕”と言われた時代ですので、
その時代の中で、山田和男さんが、この…、
私は死んでしまうかも知れない、この戦争末期死んでしまうかも知れないけれども、
でも、生きたい、という、生と死の煩悶を、
マーラーの葬送行進曲と、仏教の声明のメロディーを組み合わせることによって表現した、
戦争末期の日本でなければ生まれない、傑作で、
戦後70年に、この年に、こういう時に聴いて頂くのに、相応しいのではないかという思いで、
選ばさせて頂きました」
松井「その頃の時代の雰囲気が、人々の気持ちと言いましょうか、
そういったものがこの曲の中に反映されていると」
加羽沢「そうですね。日本人しか書けない作品」
片山「と、思います」
松井「そういうことなんですね。
はい。えー片山さんここまで本当にお話、ありがとうございました」
加羽沢「ありがとうございました」
片山「…ありがとうございました」
〔拍手〕
松井「ステージ上あのー、準備も整ったようですね。はい」
加羽沢「では、お聴き頂きましょう。山田和男作曲『おほむたから』。
演奏は東京フィルハーモニー交響楽団、指揮は現田茂夫さんです」
〔2015年9月30日にNHK-FMで生放送された番組『NHK音楽祭オープニングコンサート2015』より、
片山杜秀の登場場面のみを抜粋。〕
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