[過去ログ] 自衛隊がファンタジー世界に召喚されました 42章 (1001レス)
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759: 2006/01/22(日) 23:54:29 ID:??? AAS
オーッ 今回みんな反応薄いねぃ

文章力その物は微妙だけどネタは新鮮でよいと思うが・・・
やっぱ女の子がでないのがまずいのか?
ラベノより火葬戦記に近いから?
軍事的な矛盾点は少ないから問題は構成にあるのかもしれないな・・・

まあ今回のネタはプロ向けだから難しすぎたのかもしれない
輸送部隊やその護衛部隊を正面から書いた作品でおもしろいのは
佐藤大輔の『死線の太平洋』位だし

スレ住民はこの辺どう思う?

>>758
正論だなw
まあ止めれない理由があるんだろうけどね
760: 2006/01/23(月) 00:15:38 ID:??? AAS
ていうかよくよく見ればこの世界の自衛隊はすごい連中従えてるな

赤枝騎士団っていうと、ゲイボルクもったクランの番犬がいるとこだし
ラウンドナイツって要するにエクスカリバーのアーサー王と円卓の騎士の事でしょ?
黒狼騎士団って魔剣グラムのジークフリートとかロリエングリンがいるし
フィアナ騎士団って言うと騎士団長が代々ロンギヌスの槍を装備してるところジャン

イギリス系の騎士団コンプリートだな

しかしそれにしてもフィンマックールを登場させてるのは
受験生に対する嫌味としか思えないw
761: 2006/01/23(月) 00:19:47 ID:??? AAS
そりゃネタ負けしてるなあ
762
(1): 2006/01/23(月) 00:22:31 ID:YfLFAU6t(1)調 AAS
>>755
2chスレ:x3
旧シャアでの力作w
こっちでもこの生真面目さがあればw
種のは手抜きだろあれw
763: 2006/01/23(月) 00:35:52 ID:??? AAS
>>762
奴が否定したらそれまでだけどな
文の構成が似てるだけだと逃げられたら終わりだし
764: 2006/01/23(月) 00:39:18 ID:??? AAS
旧シャア屈指の良スレだぞあそこ
765: 2006/01/23(月) 00:42:18 ID:??? AAS
こっちは軍板屈指の糞スレになりつつあるのになw
766: 2006/01/23(月) 00:48:13 ID:??? AAS
なりつつあるってかもう遠い過去になってしまってるよw
767: 2006/01/23(月) 00:51:22 ID:??? AAS
荒らしコテが二人とそれぞれに粘着するヴァカ数人。
末期的スレだなw
768: 2006/01/23(月) 01:01:37 ID:??? AAS
しかし末期の状態がかなりながく続いてる

奇跡的な癌患者は余命1年と宣告されて5年以上生きることもあるのだから

今回の事で大きくコテハンバランスが崩れたのがきっかけで吉と出るか凶とでるかはわからないが
何か変化があるかもしれんな
769: 2006/01/23(月) 01:06:01 ID:??? AAS
真性馬鹿と馬鹿のフリしてる奴がいて真性の方が逃げたからまともになるさw
770: 2006/01/23(月) 01:37:12 ID:??? AAS
まあまあ、落ち着けお前ら。
つまり我々に必要なのはSSなのだ。
つーわけで投下。
771: 行け!銀輪部隊 2006/01/23(月) 01:41:17 ID:??? AAS
「やっぱり足りないんだよねえ・・・。」
「はい・・・。」

ブラインドのかかった、薄暗い会議室。
日本を導く役割にある男たちは頭を抱えていた。

「備蓄の残りは?」
「このペースで使えば、ざっと2か月分でしょうね・・・。」
「まずいなあ、まずいよぉ・・・。」

そう言った男はこの国の首相。
こんな冗談のような状況下に首相になってしまったかわいそうな人物である。

「金属類は?弾薬の増産に支障はないか?」
「戦車三両と引き換えに鉄とシーライトの鉱脈をドワーフ達から譲り受けました。他の金属についてはまだ目処
 がついていませんが・・・」

そう発言したのは特別に出席していた自衛隊の統幕議長。某赤色国家の2度にわたる侵攻を食い止めたり、某半
島の有事に巻き込まれたり、ゴジラに攻め込まれたり、不正規戦闘部隊を指揮したりと、波乱万丈の人生を送る
こちらもかわいそうな人物である。

「何だね?そのしーらいととは。」
「タングステンですよ、つまり。」
772: 行け!銀輪部隊 2006/01/23(月) 01:41:56 ID:??? AAS
この世界で初めて友好的関係を結んだ種族、ドワーフとの交渉は、非常にうまくいった。
広報、撮影を任務とする第301映像写真中隊がその時の様子を撮影していたが、それは後にそれを観た彼が思
わず噴き出してしまうほどであった。なにしろ、戦車を譲ると聞かされたときのドワーフの顔は、見た人間がし
ばらく忘れられない位、喜色満面だったからだ。

「別世界への転移、帝国主義国家からの侵略、自衛隊の海外派遣・・・」
「色々ありすぎて混乱してますが、まず死活問題は・・・」

そう、この問題がこの場の全員の頭痛の種であった。
燃える水。化石燃料。近代国家の命。
そう、石油である。

「探査機の情報はどうなっとる?」
「まだ何とも・・・」
「こうなると、使用制限しかありませんかね。」

眼鏡をかけた男が、溜息とともにそう言った。彼は「機甲師団廃止」のマニフェストを掲げ、世の軍オタ達を驚
愕させた某政党の手の者である。

「今でも公共交通機関を除いて、一般車両の交通を禁止しているが、今度はどこかね?」
「いるじゃないですか、現在最も活発に活動し、燃料を消費している集団が。」
「つまり・・・」
「自衛隊ですよ。」
773: 行け!銀輪部隊 2006/01/23(月) 01:42:30 ID:??? AAS
「・・・小隊長、何ですかいそりゃ。」

”西方大陸”の東端、帝国と日本国の最前線である、ドワーフの国。勢力を伸ばす帝国からの軍事的保護を条件
に日本と友好を結んだこの国には、西部方面隊と富士教導団から選りすぐった精鋭たちが駐屯していた。
真昼の太陽の下で愕然と目の前の物体を凝視するのは、機甲科のマフラーも眩しい、偵察小隊の面々である。

「何に見える?言ってみろ、大田。」

偵察小隊長、前藤三尉は、そう言いながら、呆然とする太眉の男を指差す。

「はあ、少なくともブラックアイには見えません。」

大田一曹は、そう力なく返す。ブラックアイ(87式偵察警戒車)の乗員である彼には、目の前のものが何であ
るか薄々感づいていたが、脳が理解することを拒否していた。

「いいか、お上の都合で、前線の車両運用に制限がかかった。無論、偵察警戒車も、バイクもだ。と、いうわけ
 で、本土から代替の機材が送られてきた。それがこれだ。俺達は今日から、こいつで斥候活動だ。」

そういって、前藤は、新式の機材を指差す。
クローム・モリブデン鋼からなる車体は軽量にして堅牢。その二輪タイヤは逞しく障害を突破する能力を有し、
しかも燃料いらずの省エネ設計。人力によってどこまでも逝ける走破性を有する、陸の覇者。

詰まるところ、自転車であった。
774: 行け!銀輪部隊 2006/01/23(月) 01:43:11 ID:??? AAS
 馬来戦線炎の風に 赤いカンナの花が咲く 汗にまみれてペダルを踏んで
 行くぞ進むぞジョホールへ・・・

「走れぇ、走れぇ、走れっ走れ日の丸銀輪部隊ぃーっと・・・」
「くぉら、篠崎!ちったぁ黙って真面目にやらんかぁ!!」
「はいはい大田一曹・・・」
「歌いたくもなりますよ、全く、何で僕らがこんな・・・」

漫才的会話と自転車こぎを器用に両立させながら林間の道を進むのは、”元”偵察警戒車乗員の大田と、その部下の篠崎一
士、それから山田三曹である。彼らは斥候任務のため、目下敵勢力下へと潜り込んでいた。・・・自転車で。
申し訳程度の装甲板に、OD彩色。遠目から見れば遜色ない銀輪部隊は見敵のため、ひた走る。
舗装されていない、ゴツゴツとした道を、MTBは難なく走破する。コツさえ覚えればしめたもので、中々軽快に
三人の自転車は進んでいった。

「!?」
「どうした山田?」
「あそこ、ほら、あの木と木の間。」

山田の大きくて長い指が指差す方向を、大田は凝視する。その細い目に、いくつかの人影が映る。何人かは騎乗
していた。
敵だ!

「止まれ!あそこに隠れろ!」

大田は小さく怒鳴ると、近くの草むらに自転車を倒し、それを防備に使うように伏せた。
他の二人もそれに習い、同じ草むらに伏せる。
775: 行け!銀輪部隊 2006/01/23(月) 01:43:41 ID:??? AAS
「篠崎は本部に報告!山田!敵の規模は?」
「20人程度・・・あちらさんも斥候ですかね?」

オートバイには無線機キャリアがついているが、自転車にそんなもんはついてないので、篠崎は無線機を背負っ
ていた。大田と山田は、背中の89式小銃をかまえ、伏射体勢をとった。
緊張があたりを支配する。

「連絡終わりました。」
「敵さんとの距離は、ざっと120ってとこです・・・やりますか、一曹?」
「馬鹿野郎、こっちはチャリだ、ずらかるぞ・・・」

そおっと退散しようとした次の瞬間、迷彩のオートバイ・ヘルメットを被った大田の耳元を、クロスボウの太矢
が掠めた。

「やべ、見つかった!逃げろ!!」

大田が叫んだ。
あわてて自転車に乗り、三人は全力で逃亡を試みた。敵の騎兵がこちらに向かってくるのが、チラッと見えた。

「ちぃ、騎兵だ!」
776: 行け!銀輪部隊 2006/01/23(月) 01:44:13 ID:??? AAS
この世界の馬は、少し小柄だ。その速さは競走馬ほどではないが、今の三人にとっては脅威であった。
騎兵も弓を持っているのか、時折ピュンと風を切る音が聞こえる。

「一曹、このままじゃジリ貧だ!騎兵だけでも迎撃しよう!」
「ちっ、わかった。1、2の3で迎撃体勢だ!」
「了解!」

騎兵はざっと5騎。何とかなるだろう、大田はそう思った。

「1、2の、3!!」

それを合図に、3台の自転車が、一斉に滑る。
急制動で土煙をあげながら減速し、ドリフトの要領で車体を反対に向け、それを盾として伏射体勢をとる。
「自転車なんてトロイ乗り物で、馬に追っかけられたらどうするんすか!」という意見を汲んで訓練した、
苦肉の策である。優れた隊員は優れた機械に勝るのである。

「てぇ!」

PAPAPA!PAPAPAM!

89式小銃三門がいっせいに火を噴き、5,56mm弾の奔流が馬と、馬上で弓を構える兵士の肉体を穿つ。
土煙と轟音を上げ、馬が倒れ、玩具の様に兵士が投げ出された。
しかし、
777: 行け!銀輪部隊 2006/01/23(月) 01:45:39 ID:??? AAS
「ぎゃっ!」
「山田!!」

敵の最後っ屁か、山田の腿には、太矢が深々と突き刺さっていた。
その悲鳴と同時に、最後の馬が倒れた。

「大丈夫か、山田!」
「本部、こちら忍野3!隊員一人重傷、救援を求む!」

激痛に顔を引きつらせながら、うめき声を上げる山田。
篠崎はおろおろしながらも、止血を開始していた。
しかし、状況はさらに逼迫する。

「しまった!連中、増援を呼びやがった!」

騎兵の屍の向こうに、また人影が現れる。100人、200人、視認出来る人数は増えていく。
騎兵と一緒にいた歩兵が、敵本隊を呼んでしまっていたのである。
778: 行け!銀輪部隊 2006/01/23(月) 01:46:45 ID:??? AAS
「止血できたか!」
「はい!」
「じゃあ山田は転がしとけ!撃て!撃ちまくれ!」

PAPAPAM!PAPAPAM!

たった二門の阻止砲火が始まった。先頭の敵兵がばたばた倒れるが、敵は屍を踏み越えて向かってくる。
30発撃ちつくし、弾倉を取り替える間にも、どんどん距離は縮まっていく。

「畜生!」

PAPAPA!PAPAPAM!PAPAPAPAM!

ついに顔かたちがわかる距離にまで肉薄された。自転車の車体に矢が爆ぜる。
ああ、愛しのブラックアイよ・・・大田が諦めかけ、篠崎が泣き出したその時。
779: 行け!銀輪部隊 2006/01/23(月) 01:47:35 ID:??? AAS
BAOM!!

轟音とともに地面が炸裂し、先頭の兵が吹っ飛び、ついでに大田たちも吹っ飛ばされた。

「な、なんだぁ!?」

木の葉のように吹っ飛ばされた自転車を尻目に、そこら中泥だらけ煤だらけの太田たちは上方を見上げた。
夕焼け空に、二色迷彩が映える。発砲に気をとられて気付いてなかったが、辺りにはローター音が響き、
回転翼からの突風が辺りを凪いでいた。

「救援だ!」
「守護天使だ!!」

守護天使・・・AH-1Sはロケット弾の一斉射の後、ガトリング砲による掃射を開始した。
70mm対地ロケットと、20mm砲弾の前に敵はなす術なく斃され、あれよあれよという間に太田たち
の前に動くものはいなくなった。後に残るのは、揺らめく爆炎と、陽炎のみである。
地上をすっかり清清しくして満足、という感じで、AH-1Sは帰投していった。
780: 行け!銀輪部隊 2006/01/23(月) 01:48:21 ID:??? AAS
「大田一曹、通信です。”出番作ってくれてありがとな・・・”」
「畜生め、やっぱりテクノロジーの勝利だよな・・・」

ヘルメットを被りなおし、大田は山田を担ぐ。山田はうんともすんとも言わなかったが、どうやら気絶して
いるだけのようだ。

「帰るぞ。お前は無線機を持て。」

吹っ飛ばされた自転車だが、どこも壊れておらず、至って快調だった。その事にほっとしつつ、その事を呪
いながら、大田と篠崎は自転車を引いて、本部へと帰っていく。

夕焼け雲を見ながら、なんだか泣きたくなった大田であった。


781: 行け!銀輪部隊 2006/01/23(月) 01:50:21 ID:??? AAS
とまあ、流れを無視して投稿してみた。
不快だったらスマソ。
批判とか感想、あったらキボンヌ。
782: 2006/01/23(月) 02:03:49 ID:4AUne410(1)調 AAS
投下乙!
おもしろかったYO
またタノンマス。
783: 2006/01/23(月) 02:23:27 ID:??? AAS
斬新だし、おもしろいです。
乙。
つづき希望
784: 2006/01/23(月) 06:38:35 ID:??? AAS
自転車改造した連射ボウガンの人かな
785: 2006/01/23(月) 06:43:25 ID:??? AAS
先生! F世界人相手に花火を魅せるのは軍事機密に触れますか?
786: 2006/01/23(月) 13:42:27 ID:??? AAS
魔法だと言い張れ
787: 2006/01/23(月) 14:32:28 ID:??? AAS
機密の塊の戦車売ったんかい
まあ戦車と言っても61式かなあ
いやいやもしかしたら海岸に埋まってるチ(ry
788: 2006/01/23(月) 14:55:03 ID:??? AAS
この日本ではゴジラ襲来は正史なのか?
789: 2006/01/23(月) 15:25:06 ID:??? AAS
自衛隊演義
790: 2006/01/23(月) 15:30:57 ID:??? AAS
斉藤三弥統幕議長って結構修羅場潜ってるんですね…
791: 2006/01/23(月) 18:16:10 ID:??? AAS
漫画だしね
792: 2006/01/23(月) 19:35:03 ID:??? AAS
ホリエモンタイーホ 分家消滅の日は近い
793: 2006/01/23(月) 19:53:09 ID:??? AAS
したらばは大丈夫だろ
多分
794: 2006/01/23(月) 19:54:26 ID:??? AAS
ホリエモン逮捕→分家消滅。
…なんつー短絡思考だ、おまいは小学生か。
795: 2006/01/23(月) 19:55:44 ID:??? AAS
↑資本主義の冷酷さを知らん奴w
796: 2006/01/23(月) 20:02:10 ID:??? AAS
ライブドアが死ぬからといってしたらヴぁも死ぬ訳じゃない
それだけの事だ
797: 2006/01/23(月) 20:10:21 ID:??? AAS
したらばが消えてもまた別なところに作ればいい。
分家が作られた最大の意義と功績は

・軍板にこだわらなくても外部でやれる
・板の制約無しでやれる

まあ普通にしたらばがどっかに買い取られて存続だろうけどな。
798: 2006/01/23(月) 21:54:06 ID:??? AAS
ライブドアが駄目になったら多分楽天あたりがしたらばを引き継ぐよ。
799: 2006/01/24(火) 00:19:19 ID:??? AAS
したらばそれは無いと言っとくよ。
800: 2006/01/24(火) 13:07:21 ID:??? AAS
仮に駄目になったら他行けば良いだけ。
801: 2006/01/24(火) 15:50:09 ID:??? AAS
「したらば」を使って一文を書け
802: 2006/01/24(火) 16:15:29 ID:??? AAS
美味したらば蟹
803: 2006/01/24(火) 17:33:28 ID:??? AAS
怪我をしたらばの親子
804: とある下っ端魔術師の日記 2006/01/24(火) 21:47:59 ID:??? AAS
ネタ投下

自衛隊はほとんど出てこない、ひまつぶしに書いたネタです
軍事要素もほとんど無いです

○月○日 晴れ
「みんな!聞いてくれ!」
 班長の鬱陶しい叫び声のお陰で魔石の合成に失敗する
 どうせ今日もたいしたことのない発見なのだろう
 
「異世界から日本が来てからこちらの世界と向こうの世界が
 かすかにだけど繋がったままになってるんだよ!」

『・・・それ私が発見してあんたに報告書を上げたんでしょうが
 しかも一ヶ月と2日と11時間前に』
 そう突っ込みたかったが班長の実家は良い所の貴族様なので止めて置く
 そんな事より魔石をどうしよう・・・納期は三日後までなのに
 今月の仕事もデスマーチが確定する。もうヤダ・・・・

○月×日 雨
「みんな!聞いてくれ!」
 班長の鬱陶しい叫び声のお陰でまた魔石の合成に失敗する
 今度は一体何を見つけて喜んでいるのだろう

「異世界から霊魂の召喚に成功したんだよ!
 ほら!『猫』て魔獣の霊魂だ!」

 班長。それ愛玩動物です
 そう突っ込みたかったが面倒なので止めておく
 そんな事より魔石をどうしよう・・・納期は明日なのに
 ・・・しょうがない。班長の私物の魔石をちょろまかして提出しよう
805: とある下っ端魔術師の日記 2006/01/24(火) 21:48:48 ID:??? AAS
×月○日
「みんな!聞いてくれ!」

 班長の鬱陶しい叫び声のお陰でまたしても魔石の合成に失敗する
 ・・・まあ良いや。出来の悪い魔石だったし

「異世界から将校だった男の魂を召喚したんだ!
 なんでも60年ほど前に『日本』で活躍した参謀将校だ!
 生きていた頃は『作戦の神様』って呼ばれてたらしい」
 
 そりゃすごい人を呼び出したもんだ
 どうやって呼び出したのか気になったが忙しいので止めておく
 最近気づいたが、どうやら魔石作りは私には向いていないようだ
 リヤンの精霊探索の仕事と変えてもらえるよう交渉してみよう

×月×日
「みんな!聞いてくれ!」

 班長の鬱陶しい叫び声のお陰で再び魔石の合成に失敗する
 ああ。久しぶりにAランクの魔石が完成できそうだったのに・・・

「今度は艦隊司令官だった男の魂を召喚したぞ!
 60年ほど前に敵艦隊への殴りこみ作戦を指揮し
 180度回頭というすばらしい艦隊指揮のおかげで
 艦隊主力をほぼ無事に日本へ連れ帰る事に成功したらしい」

 へえ。そりゃすごい提督だ
 それで敵艦隊にはどれだけ被害を与える事に成功したのか聞きたかったが止めて置く
 あと一週間でリヤンと仕事の交換だ
 最後の仕事ぐらいは納期に間に合いますように
806: とある下っ端魔術師の日記 2006/01/24(火) 21:50:12 ID:??? AAS
△月●日
「みんな!聞いてくれ!」
 班長の鬱陶しい叫び声のお陰で異世界の精霊との交渉が途切れる
 ああ、もう少しで異世界の戦霊が我軍の助言者になってくれるはずだったのに

「いままで呼び出した魂をホムンクルスに定着させる事に成功したんだ
 これで我軍の将校不足も解決だ!もう自衛隊なんて怖くないぞ!」

「あーそりゃよかったですねぇ」と言おうと思ったがムカついたので止めて置く
 それよりも初仕事で失敗は痛いなぁ
 さっきの戦霊が優秀そうな霊だったから余計に悔やまれる
 名前だってベリサリウスとか強そうな感じだったのに
 
△月×日
「みんな!聞いてくれ!」
 班長の鬱陶しい叫び声のお陰でまた異世界の精霊との交渉が途切れる
 毎回毎回邪魔しやがって・・・いい加減班長に対する殺意が沸き始める

「私の父の力で将校の魂達をホムンクルスに移植後
 軍に編入させれることになったぞ
 ふふふ。これで連中が活躍すれば私の株も上がる」

 て、いうかほんとに良いのか。おい。誰か一人でも止めなかったのかよ 
 突っ込もうと思ったが月齢を調べるのが忙しかったので止めて置く
 さーて次の新月は何日後だったかな
 くっくっく。夜は明るい夜だけじゃないぞ

 追伸。リヤンも班長に人には言えない感情を抱いている事が判明
 ちょうど良いから協力を要請してみよう
807: とある下っ端魔術師の日記 2006/01/24(火) 21:52:37 ID:??? AAS
△月△日
「みんな!聞いてくれ!」
 班長の鬱陶しい叫び声が鳴り響くが異世界の精霊との契約に成功する
 ようやくこの大声にも馴れてきたが、その大声も今日でお仕舞に成ると思うととても寂しくなる

「あの異世界の将校たちの霊が我軍に多大な損害を与えてしまった
 せっかく連中に第二の体と軍隊を与えてやったのにこれじゃ無意味だ!」

「いや・・まあそりゃ日本と戦争してるのに
 日本の軍人の霊を召喚すれば我軍を罠に嵌めようとするでしょうよ」
 
 馬鹿騒ぎを聞くのも気分が良かったので班長の独り言に付き合ってみる
 そういえば、班長の独り言に付き合うのは何ヶ月ぶりだろう

「くそ・・そういうことか・・あの汚い連中め
 道理で『作戦の神様』がギリシュファイア(火炎瓶)と火薬の樽だけしか装備させないで
 陸上自衛隊の『センシャ』に突撃させたのか!
 奴らに指揮させた艦隊も突入直前に引き返してきたのも我軍の囮艦隊をおびき寄せる罠だったんだな!
 もう日本人の霊なんて信用しないぞ!」
 
 えーと・・・どっちかって言うとそんな連中を我軍の中枢に招き入れた
 脳味噌が存在するか怪しい馬鹿が目の前にいることのほうが信じられないです
 そういってやろうと思ったが、何もかも馬鹿馬鹿しくなったので止めて置く
 
 さて、今晩は忙しくなるからリヤンと一緒に今のうちに休んでおこう
 路地裏での狩猟が終わったら二人して日本亡命するつもりだ

追伸。契約に成功した将校の霊も我々に協力してくれるらしい
なんでもドイツとか言う国の軍人で昔無能な上司を始末しようとして返り討ちにあったらしい
808: とある下っ端魔術師の日記 2006/01/24(火) 21:53:33 ID:??? AAS
終わり。
暇つぶし&何でも良いからスレをSSとネタで埋めよう計画終了
809: 2006/01/24(火) 21:57:33 ID:??? AAS
乙。
英霊の呼び出しですか。ファンタジーですな。
ネタにしてみようかなぁ・・・。
810: とある下っ端魔術師の日記 2006/01/24(火) 22:23:00 ID:??? AAS
>>809氏
どもw
・・・英霊?
ベリサリウスを除いてまともな奴はいないと思うんですがw

因みにベリサリウスについて

歴史に残る世界最強最高の無敵の霊将
ハンニバルもアレクサンダーもカエサルもナポレオンすらも彼には勝てないでしょう

以下コピペ

リデル・ハートが「歴史上比類に絶する」とか大絶賛
ペルシア相手のダラス戦役だと、ペルシア4万に対してベリサリウス約2万。
アフリカ戦ではヴァンダル10万に対して、1万5千。
エルサレム戦役ではペルシア20万に対して、約1万。
イタリア戦役だと、ゴート15万に対して、1万。
一つの会戦じゃなくて一つの戦役での兵力だけど、これだけ差があって全部で勝利するってけっこうすごい。
リデル・ハートの記述を信じるなら、相手に心理戦を仕掛けて
不利な条件で攻撃させるとか、戦わずして退却に追い込むとか、なんか「ペテン師!」と呼びたくなるような戦いが多い。

外部リンク:ja.wikipedia.org

因みにその生涯に置いて、政治的な敗北と講和を除けば
一度たりとも負けた事はないという化物
811
(1): 2006/01/24(火) 22:51:09 ID:??? AAS
乙。
おもわずニヤリとしました。
ただノモンハンは日本軍の死傷者17,405人に対し、
ソ連軍の死傷者は25,565人だし、
マレーじゃせいこうしてるし、
辻ってそれほど酷評すべきものなのでしょうか?

いや、よくしらないですケド。
812: 2006/01/24(火) 23:06:29 ID:??? AAS
ドイツの将校はロンメル?
だけどロンメルはご隠居してたんだよな・・・
813: 2006/01/25(水) 00:20:10 ID:??? AAS
>>811
にくちゃんねるあたりで、「辻政信という苦難を乗り越えていくスレ」を探してみるとよろし。
814: 2006/01/25(水) 22:02:09 ID:??? AAS
辻ーん・・・
815
(1): 2006/01/26(木) 01:25:33 ID:??? AAS
辻って、どこらあたりで働けば、陸軍で役立ったんだろうな……。
816
(1): 2006/01/26(木) 02:01:25 ID:??? AAS
>>815
マレーおとしたあとで名誉の戦死

ああ〜〜!
自衛隊漂流戦記よみたい〜〜〜〜!!!
あれって未完だっけ?
817: 2006/01/26(木) 02:47:39 ID:??? AAS
消される前にページを保存しておいた漏れは勝ち組。
…見れないんですかぁ、お気の毒ですネェ。
818: 2006/01/26(木) 07:13:29 ID:??? AAS
>>816
漏れも続きがみたい・・・・
あそこで打ち切りはむずがゆい
819: 2006/01/26(木) 19:53:55 ID:??? AAS
>真性馬鹿と馬鹿のフリしてる奴がいて

遅レスだが馬鹿の振りしている奴ってだれだよ。
このスレは馬鹿しかいないだろ。
820: 2006/01/26(木) 20:02:28 ID:??? AAS
スルースルー
821: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/26(木) 21:42:34 ID:??? AAS
トリップつけてみた。
「行け!銀輪部隊」の続きを投下しまつ。
822: 行け!銀輪部隊 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/26(木) 21:44:08 ID:??? AAS
「こちら忍野3。敵部隊発見す。ストーンゴーレム8、魔術師16、上空に警戒中のワイバーン3。連隊規模と
 認む。通信地点から東進中。オクレ。」
『了解。地点A2にて待ち伏せをかける。帰還されたし。オクレ。』
「了解。通信終わり。」

第一外征混成団第一偵察団、第三偵察小隊。
偵察車両とは名ばかりのチャリンコで斥候任務を今日もこなすのは、大田一曹とその部下たちである。
通信を終わらせた篠崎一士がその旨を大田に伝える。大田は満足そうに、その細い目をさらに細めてにやりと
笑う。

「さあ、撤収だ。敵さんに見つからないうちに帰るぞ。後は戦車とバッタの仕事だ。」

林の隠れ場から、防盾がわりの自転車とともにそっと身を起こし、彼らは撤収する。
しばらくすれば、待ち伏せ部隊によって、双眼鏡越しに彼らが見ていた軍勢はたちどころに全滅するだろう。
大田はわずかに虚無感を覚えたが、すぐにそれを振り払い、自転車にまたがった。
ふと見上げた空は、憎いほど青かった。

第二話  「教会を偵察せよ!」
823: 行け!銀輪部隊 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/26(木) 21:44:50 ID:??? AAS
吹けば血風疾風の雲だ 一挙千里の突破戦
握るハンドル必死の眼 敵の陣地に連れてゆく
走れ 走れ 走れ走れ日の丸銀輪部隊・・・

第一外征混成団のド国(ドワーフたちは所謂炭鉱場の様な集落をもって国としているため、国名が存在しない
のだ)駐屯地では、この古めかしい軍歌がただ今流行していた。

「よう、今帰ったぞ。」
「お、ご苦労さん。」

駐屯地入り口の警務に軽く挨拶し、大田達は駐屯地のゲートをくぐる。
金網に囲まれた駐屯地は、まるでベトナムものの戦争映画から飛び出してきたかのような光景だ。
簡易へリポートには最近大田達の命を救ったAH-1Sが停まり、その向こう側の整備テントでは90式戦車がエ
ンジンを取り外された状態で鎮座していた。さすが、各方面のいいとこを選び出してかき集めた部隊だ。
しかし、少しそこから目をはずせば、地獄が待っている。

チャリ、チャリ、チャリ、チャリンコの群れ。

どっからこんなにかき集めてきたんだコラ、と叫びたくなるほどの自転車が、駐屯地内を占領しているのだ。
ちなみに大田達が本来騎乗すべき偵察警戒車やオートバイは、この駐屯地の外に点在する前線基地のトーチカ
として、矢避けとなっているらしい。
824: 行け!銀輪部隊 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/26(木) 21:46:36 ID:??? AAS
「大田じゃねえか。偵察の帰りか?ご苦労さん。」

厳しい現実に再直面して欝になっていた大田は、その呼び声で現実に引き戻された。
大田を呼んだのは、長身痩躯、背が低くガッチリ体型の大田とは正反対の男だった。

「ん、西尾か。この前は世話になったな。」

彼の名は西尾。階級は、大田と同じ一曹。航空科のヘリパイであった。
大田とは同期であり、ここに派遣されてからはちょくちょく一緒に呑む間柄であった。
乗機は、戦闘ヘリ、AH-1S。
以前、大田を助けた、陸の守護天使のガンナーである。

「いいってことよ。最近は観測ヘリも飛ばせねえから、専ら普通科の要請で飛んでるんだ。」
「燃料不足でどこも大変だな・・・」
「全くだ。おめえも体は大事にしろよ。チャリで死ぬなんてかっこつかねえぜ。」
「そうだな・・・」

大変なのはどの兵科も同じだった。
普通科もついに装甲車の使用が禁止され、事実上銀輪部隊と化していたし、戦車も歩兵に随伴して行動するこ
とは出来ず、単なる固定砲台のような運用のされ方をしていた。
車両をおおっぴらに運用できるのは、本土と駐屯地の補給線をつなぐ輸送科の連中と、その護衛部隊だけだっ
た。
825: 行け!銀輪部隊 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/26(木) 21:47:30 ID:??? AAS
VOOOOOO・・・・

と、感慨にふける二人の横を、ちょうど輸送科のトラック群が通っていく。

「お、輸送科の連中だ。」
「はぁ・・・いいなぁ連中。好き勝手クルマ乗り回せて。」
「あの・・・一曹。」
「なんだ、篠崎。」
「そろそろ本部に報告出したほうがいいんじゃないすか?」
「む・・・そうだな。また呑みに行こう、西尾。」
「おう。それまで死ぬなよ。」

西尾に別れを告げ、大田達は本部の天幕へと向かっていった。
自転車を駐輪場に停めてからであるが。
826: 行け!銀輪部隊 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/26(木) 21:48:13 ID:??? AAS
「第三偵察小隊、大田班。ただ今帰還しました。」
「ご苦労。ま、座れや。」
「ありがとうございます・・・っと。」

混成団駐屯地、偵察団本部は、通信機がいくつかあり、その分の椅子があるだけ、という面白みのない場所で
ある。その椅子のひとつに座って、小隊長の前藤三尉が大田達を待っていた。
手にはなにやら週刊誌のようなものを持っている。
大田は前藤の座っている向かいの椅子へどっかりと座り、ほかの隊員は大田の後ろに立った。

「斥候任務は無事完了しました。今日中には連隊規模が壊滅でしょう。」
「よくやった。・・・ところで、お前らの活躍が記事になってるぞ、読むか?」
「本当でありますか?ぜひお願いします!」

前藤は少しだけ笑いというか引きつりというか、微妙な表情を浮かべながら、手に持っていた雑誌を大田に渡
す。大田は目を輝かせながら、興味津々の部下たちにも見えるように紙面を大きく広げた。
そこには自転車に乗る自衛隊員の写真とともに、こんな見出しで文が書かれていた。
827: 行け!銀輪部隊 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/26(木) 21:48:53 ID:??? AAS
『凄惨!!海外派兵自衛隊の実態!!〜侵略軍、日の丸銀輪部隊の再来〜』

文面は言わずもがな。山下奉文中将の写真とともに、旧軍銀輪部隊の写真も載っていた。
・・・空気が凍りついた。
大田は口をあんぐりあけたまま真っ青になり、篠崎は涙目になってブルブル震えだした。ほかの隊員も、口々に
侮蔑や呪いの言葉を吐いた。

「しょ、小隊長どの・・・これは・・・」
「笑えるだろ?流石は週刊○曜日だ。」
「なんか・・・泣けてきますね・・・うぅ・・・」

常日頃から営内でも「泣き虫」といわれている篠崎は、感極まって涙を流し始めた。

「この職業の辛いところだ。どんな指弾を浴びたって、動かなきゃ誰か死んじまう。」

前藤は後ろ手を組み、椅子から立って後ろを向き、厳かに言った。

「・・・お前らには、すまんと思っている。しかし、」
「俺たちがやらなきゃ、誰がやる、でしょう?わかってますよ。」
「小隊長の口癖ですからねぇ。」

驚いて前藤が振り向くと、大田達はニヤニヤ笑っている。この訓辞を聞くのも何度目か、という顔だ。
彼は何度も同じ話を繰り返す癖があったのだ。
前藤はばつの悪そうな顔をして、頼もしい部下たちに微笑んだのであった。(約一名、まだしゃくりあげて
いるが)。
828: 行け!銀輪部隊 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/26(木) 21:49:37 ID:??? AAS
「さ、帰ってきたばかりでなんだが、篠崎も泣き止んだので新たな任務を発表する。」
「あの・・・まだ装具も脱いでないんですが・・・」
「案ずるな。決行はまだ先だ。」

そういいながら、前藤は大田達の前に一枚の地図を広げる。
手書きで非常に雑ではあったが、この大陸の位置関係を記したもののようだ。

「このドワーフの国は、西方大陸の北東に位置していると思われる。この国の南、つまり大陸南東には、人間
 の王国があることは知っているな?」
「はぁ・・・」

”この世界”に飛ばされてから、日本がコンタクトをとった国は2つ。
北方の鉱山帯のふもとに居を構えるドワーフの国と、東南の平原に住む、人間たちの王国である。
その国の名を、オステン王国という。帝国とは、その宗教において対立しており、王の下に地方の領主たちが
軍を指揮し、帝国との交戦も何回か行っていた。

「国交の使節団を派遣したら、天皇陛下を出せ、とか言って突っぱねた国でしょう?」
「よく知ってるな。あちらさんもプライドが高いからな。示威行動もいくらかとったが、一向にダメだった。
 しかし先ほど、斥候がある情報をキャッチした。」

そう言って、前藤は、地図上のドワーフ国とオステンのちょうど境目辺りにある黒点を指差した。

「ここに、敵の傭兵隊が迷い込んだらしい。まずいことに、ここには王国の国教である宗教の大きな教会があ
 る。王国軍も、この動きを察知してはいない。」
「教会が帝国軍によって占領されている可能性がある、と・・・?」

大田は地図から目を放し、前藤を一瞥する。
前藤は何も言わない。ただ、薄く笑っただけであった。
829: 行け!銀輪部隊 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/26(木) 21:50:33 ID:??? AAS
「そんなもん、空挺の連中に任せておけばいいのでは?」
「ヘリは燃料を激しく食う。万一ヘリボン、または空挺作戦を実行したとして、敵部隊がただ野垂れ死にして
 いただけだったらどうする?燃料の無駄だし、教会の不法占拠ととられ、敵国が増えるかもしれん。それに
 、空挺団はここからかなり離れた前線基地にいる。地上作戦の実行にも時間がかかる。」

第一空挺団からも外征団が派遣されていた。彼らは空挺作戦など本来の任務はやらせてもらえなかったが、そ
の代わり敵戦線後方におけるかく乱や一撃離脱のゲリラ戦などで遊撃隊の役割を果たし、「第一狂ってる団」
から「第一テロリスト団」「第一ヴェトコン団」などの新しいニックネームを拝領していた。

「そう・・・ですか。で、我々にどうしろと?」
「敵の有無を確認しろ。敵にも、教会にも気付かれぬように。お前と、成沢曹長の班が投入される。もし教会
 が占拠されていた場合、お前たちの手で奪還しろ。敵との戦闘に備え、新式の武装を支給する。目的地まで
 は、自転車なら一日で到達できる距離だ。今日はよく休め。以上。」 

そう一気に言うと、前藤は大田にピシッと敬礼をした。

「了解。最善を尽くします。」

大田はそれに、惚れ惚れするような返礼をする。
彼の部下たちもそれに続く。それを別れの挨拶として、大田達は本部を後にした。

「あの・・・」
「なんだ、篠崎?」
「日に日にやばい仕事にかり出されてるような気が・・・」
「気のせいだ。」
830: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/26(木) 21:51:48 ID:??? AAS
投下終了。
続きは後日。はぁ、スレ埋まるかなぁ・・・
831: 2006/01/26(木) 22:18:49 ID:??? AAS
自衛隊がファミリーマートに召喚されました
832: 2006/01/26(木) 22:20:02 ID:??? AAS
近所のスーパーにはよく迷彩服姿の自衛官がビールとか買いに来るよ
833
(1): 2006/01/26(木) 22:22:12 ID:??? AAS
昨今の朝日とかを見ると、盲目的に戦前=悪!とか言う論調じゃなくて、
いろんな側面があるけど中韓はこう言っている・・・というスタンス、でもないか。
まあとにかく、戦争が悲惨なのではなくて負け戦が悲惨、あるいは資源の供給が
止まることが悲惨なんだから、F世界に日本が召喚されて、石油ない食料ないどうしよう、となった時には
批判的な目を向けつつも、資源獲得戦争そのものは否定しないと思われ。
・・・・・・見方が甘いかな。9条のためなら日本が滅びても構わないと言い放つ奴もいるくらいだからな
・・・・・・。
834
(2): 2006/01/26(木) 22:25:42 ID:??? AAS
自衛隊がコンビニごとファンタジー世界に召喚されたら半年は戦えるか?
835
(1): 2006/01/26(木) 22:33:23 ID:??? AAS
>>834
流通経路を立たれたコンビニなんて、補給路を断たれた自衛隊と一緒ですよ
836: 2006/01/26(木) 23:03:51 ID:??? AAS
一人でコンビニ1店舗でも半年はむりぽ
837: 2006/01/26(木) 23:05:22 ID:??? AAS
>>835
つ「ペルソナ1のマキの世界のイン&ヤン」

と、マニアックに言ってみる。
838: 2006/01/26(木) 23:06:57 ID:??? AAS
>>834
コンビニではなく、「すたーらーく」の支店クラスならば、あるいは‥
839: 2006/01/26(木) 23:08:06 ID:??? AAS
ダイソー一店舗ならどうだろう
電池、スコップ、工具、食品、衣類よりどりで
840: 2006/01/26(木) 23:09:40 ID:??? AAS
ついでに、マクガイバーもつけてくれ。これで完全になる。
841: 2006/01/26(木) 23:13:09 ID:??? AAS
ヘリPは幹部じゃないのか
842: 2006/01/26(木) 23:15:14 ID:??? AAS
キャプテン・スーパーマーケットという映画があったな
843: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/26(木) 23:16:14 ID:??? AAS
>841
まぢかよ・・・
勉強不足だな、漏れ・・・航空科の資料って、案外少ないんだよな・・・
844: 2006/01/27(金) 00:08:19 ID:??? AAS
ドンキがあればよくね?
845: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/27(金) 00:29:37 ID:??? AAS
毎日ステーキ食うのか?
846: 2006/01/27(金) 00:44:10 ID:??? AAS
ハンズと中にいた自衛隊員の客が召還されましたとか。
847
(1): 2006/01/27(金) 00:59:58 ID:??? AAS
>>833
いやあ、F世界召還後なら、マスコミはこぞって、手のひら返したかのように資源獲得のために煽るでしょ。
今現在の日本は輸入に頼っているから生活していける。
日本だけになったら……慢性的な食料不足となり、遅かれ早かれ平等に飢えて死んでいく。マスコミも例外なくね。
普段、政府や自衛隊を叩いて、国民を煽っていい気になってる癖して、自分たちだけ贅沢な暮らしをしている奴らが、貧乏に耐えられると思う?
848: 2006/01/27(金) 01:02:02 ID:??? AAS
>>847
どうだろう。
絶望的に空気読めない馬鹿は何処にでもいるからな。
朝日とかは相変わらずに違いない。
849: 2006/01/27(金) 01:21:28 ID:??? AAS
もし日本が別世界に移転したら加工貿易と重大な関係のある主力産業が壊滅し、それに伴う失業者増加と経済崩壊と技術退化が
資源問題の次に問題になると思うのですが。
これについての見解は出たんですか
850: 2006/01/27(金) 01:35:27 ID:??? AAS
戦争、戦争、戦争だ。惑星を網羅するほどの広大な市場なくして現代の経済を
維持、発展させるのは不可能。市場を切り開き、自由な企業活動を保証するものは
軍事力以外に有り得ない!
・・・・・・とまでは行かないけど、日本は資源を他国から市場によって決定される
価格で購入しており、もしこの価格を軍事力その他を使って割安にできたら大分楽になる。
ここはやはり私が以前このスレで主張した、19世紀的手法と20世紀的手法を組み合わせた
勢力圏、経済圏の構築を・・・・・・。
851: 2006/01/27(金) 01:52:42 ID:??? AAS
今二番か三番目くらい日本経済を担ってる半導体産業なんか国内需要応にまで衰退しちゃうのだろうな・・・
852: 2006/01/27(金) 14:55:53 ID:??? AAS
うい、
処女作、投下します。
853: 異界兵 2006/01/27(金) 15:00:02 ID:??? AAS
アルキメア王国、王宮。
大公間はおもくるしい雰囲気につつまれていた。
北方の強国、「ハルカト帝国」が各地に侵略の動きを活発化させ、
ついにアルキメア王国のあるグラート地方にもその魔手をのばしてきたのだ。
既にアルキメアの目と鼻のさきである商業都市国家「ラピス」は陥落し、
ラピス同様中継貿易の要所として栄えてきたアルキメア王国にとっても
他人事ではすまなくなってきてた。
南方より『竜』の来襲のしらせはそんな折りも折りであった。
「またしても『竜の巫女』殿の予言があたりましたな。
 竜の来襲などここ百年なかったというのに。」
騎士団長のゲントそういって苦々しげに視線を転じた。
「…………」
視線の先には一人の少女がひかえていた。
854: 異界兵 2006/01/27(金) 15:00:30 ID:??? AAS
『竜の巫女』とよばれたその少女は、フードを真深に被っているため表情は読みとれない。
年のころは16〜17歳位だろうか、細い体を不釣り合いな漆黒のローブでつつみ、
そこからのぞく銀髪と、肌が痛々しいまでに白い、はかなげな少女だった。
「それにしてもよく当りますなあ。まるで……」
「ひかえなさい、ゲント。」不意に玉座にあたる場所から少女の声が聞こえた。
は、女王陛下。といってゲントは平伏する。
居並ぶ群臣の前に君臨しているのはまだ若干17歳の少女だった。
気品あふれる立ちふるまい美しい碧眼とブロンド。
王族は血の伝統を守って混血を嫌うため、
今では珍しい金髪も受け継がれているのだった。
女王ティトはローブの少女をまっすぐな瞳でみすえるといった。
「貴女も知ってのとおり、このままでは我が国は滅びてしまいます。
 何か……よい予兆は感じられますか?」
はい、と漆黒の少女はかすかに口をひらいた。
「この国に……北と南より闇がせまっています……。」
「その話は前にもきいたわ!」ゲントが声をあらげた。
ゲントは王国の中でも精鋭の近衛騎士団を束ねる事実上の国防大臣である。
大柄で逞しく鍛え上げられた肉体には過去の戦でついた幾筋もの傷痕がはしっている。
その怒声は大の男でもすくみあがるような迫力を持っていたが、
少女はひるまなかった。
「ですが……あたたかい光を感じます……
 持ちましょう……救い手の……おとずれを……」
855: 異界兵 2006/01/27(金) 15:01:40 ID:??? AAS
鬱蒼と茂る森の上を一機のアパッチ攻撃ヘリがローラーの音を響かせながら飛んでいた。
強襲揚陸艦「かづらき」から飛びたった偵察部隊の内の一機である。
PKFの派遣部隊として僚艦と供に一路目的地を目指していた彼らは、
洋上で突然、陸上偵察を命ぜられた。
ろくな説明もうけぬまま、与えられた任務は「集落をさがすこと」
戦闘ヘリが選ばれたのは『何があっても良いように』らしい。
現に翼下には偵察用ポッドと供にアクティブ レーダー シーカーの
ヘルファイア対戦車ミサイルが装備されている。
「えー、えー、雛鳥から親鳥へ。きこえますか?
 こちらかわいい雛鳥のすいどりぃむ。
 Mk.1アイボール 高性能パッシブ ナノ波レーダーに感!」
パイロットである佐倉二等陸尉が半ばやけくそぎみに報告する。
「素直に視認したといえ!どうした!」
「ヘぇヘぇ、森に火の手が。どうやら集落のようです。今映像をおくり……!?」
燃える集落とおぼしき物からたちのぼる黒煙をみつめていた佐倉二等陸尉は目を疑った。
「なんだ……あれは?!」
いつもは冷静な女房役のガナー、白峰二等陸尉も
信じられないといった感じで目を見開いている。
たちのぼる黒煙の合間をぬうように飛びまわる黒い影。
それは漆黒の鱗におおわれ、翼をもった、30mはあろうかとおもえるトカゲだった。
「どうした!状況を報告せよ!」
その声にハッと我にかえった佐倉が、やっとのことで言葉をしぼりだした。
「こちらスィドリーム……。竜だ…ドラゴンだ!!」
856: 異界兵 2006/01/27(金) 15:03:08 ID:??? AAS
「ドラゴンだと?バカなことをいうな!」
陸自司令官の呉内一等陸佐は、おもわず通信機にむかってどなりつけた。
しかし無線機からの声は真剣そのものである。
パイロットの佐倉は普段は剽軽者だが腕は確かだし、
堅物の白峰がこんな悪ふざけをするともおもえなかった。
なにより彼は自分の優秀な部下達に絶大な信頼をおいていた。
(竜だと?そんなバカな。しかし、これまでの状況から考えれば……)
「ヘリからの画像、リンクします!」
隊員の声で我にかえった呉内は、スクリーンにうつし出された映像をみて息を飲んだ。
CICにどよめきがおこる。
「し、司令殿、ドラゴンです!!」
だれかが悲鳴に近い声をあげた。
画面にうつしだされた『ソレ』は巨大な翼をあやつり悠々と旋回していた。
光沢のある漆黒の鱗におおわれ、時折り地上に灼熱の炎をはきかるその姿は正しく。
神話や英雄譚に謳われる、優美にして最強の幻獣 ――竜であった。
「バカな……。」
艦隊総司令官黒木海将補はうめいた。
誰もが思いうかべつつも、そんなはずはないと打ち消してきた疑念が、
最悪の形で証明されてしまったのだ。
突如現れた海図にない島、見知らぬ星座、使用不能になったGPS……そして今の竜。
最早間違いない。
彼とその艦隊は、異世界のどこかにとばされてしまったとしか考えられなかった。
と、その時。
旋回していた竜はにわかに向きをかえると、ゆっくりとヘリめがけて飛びかかって来た。
857
(3): 2006/01/27(金) 15:07:13 ID:??? AAS
ええ、おわりです。
批判とか感想、あったら希望。
858
(1): 2006/01/27(金) 15:19:00 ID:??? AAS

どこかでみたようなありきたりな内容なので
この先、独自性がでてくることに期待
859: 2006/01/27(金) 15:25:49 ID:??? AAS
>>857
いい感じのところでとめないで。
続きキボン
860
(1): 2006/01/27(金) 15:57:20 ID:??? AAS
うは、盛り上がってきた。
>857
乙。漏れも続きキボン。
861
(1): 2006/01/27(金) 16:04:18 ID:??? AAS
次から行方不明のPKF部隊がドラゴンに遭遇は禁じ手にしよう
戦国自衛隊パクリは飽きた
862
(1): 2006/01/27(金) 16:29:54 ID:??? AAS
戦闘ヘリを運用できる強襲揚陸艦なんて自衛隊に存在しないぞ
ガイドライン2条に違反だろ
863: 2006/01/27(金) 17:08:34 ID:??? AAS
ベタでもいいからぐだぐだにならずに完結する長編が読みたい
864: 2006/01/27(金) 18:28:34 ID:??? AAS
>>858->>860
どうもです。つたない書き手ですが、タケ巨匠をめざしてがんばりたいとおもいます。
>>861
そのベタなパターンをふうじられると初心者はかなりつらい。
職人育成のためにもしばりは無しで。
第一ファンタ汁世界にまぎれこんだ以上、何時かは竜に遭遇してもらわないとこまります。

>>862
アパッチも運用してるわけですし、
そこのところは生あたたかくおねがいします…。
865: 2006/01/27(金) 22:18:30 ID:??? AAS
メソウサ氏を目指すならまるち方面隊物書き駐屯地に投稿すれば
866: 2006/01/28(土) 00:07:14 ID:??? AAS
小官の方が手っ取り早いと思うがなw
867: 2006/01/28(土) 00:26:26 ID:??? AAS
みんなが想像する異世界民族って何?
やっぱ人間の他に獣人とかもいるの?
自分的には、1つの民族は1つの国でまとまっていた方が
話の進行がしやすいような・・・。
あとふと思ったが、異世界に石油があっても
何ら不思議では無いような・・・。
868: 2006/01/28(土) 06:15:18 ID:??? AAS
その異世界の大地が、微惑星から始まって数十億年かけて
生命を育んできたのなら、石油もあるだろうな。
869: 2006/01/28(土) 08:59:01 ID:??? AAS
魔法が分解しちゃってないって設定もありだな
870: 2006/01/28(土) 10:45:54 ID:??? AAS
石油はある。だが使い方が分からない。
じゃないの?
871: 2006/01/28(土) 14:11:06 ID:??? AAS
石油はない。

ただし自衛隊を召喚したのと同じ要領で
サウジアラビアの地下から召喚できる、とか。
872: 2006/01/28(土) 14:23:33 ID:??? AAS
魔法物質を作った後の廃棄物が、石炭や石油にそっくりというのもありだな
873: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/28(土) 15:03:45 ID:??? AAS
よーし、続き投下しちゃうぞー。
つーわけでGO。
874: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/28(土) 15:04:41 ID:??? AAS
「で、新式の機材ってこれですか・・・」

第三偵察小隊大田班の一人、柏一士が、消炎制退器に奇妙な物体を取り付けた89式小銃を取り上げてつぶや
いた。「新武装」・・・84mm無反動砲の不足に伴い、より安価で、軽量な支援火器を求めた結果、製作さ
れた、その物体。
つまるところライフルグレネードだった。

「これって制式化してましたっけ?」
「しるか。カールグスタフ背負ってチャリをこぎたくはないだろう?柏と伊上はこの擲弾銃で支援任務だ。
 篠崎はMINIMIをもて。小平は無線機。」
「はい、班長・・・MINIMIまでもつんすか?」
「最悪王国軍に追っかけられるかも知れんからな・・・備えあれば憂いなし。」

装備が整い、大田班は、総員自転車にまたがる。
銀輪偵察部隊は、運用初期の戦訓から3人一班から6人一班の構成へと強化されていた。
火力も増強され、MINIMI、擲弾銃などの支援火器を装備した様は、さながら軽歩兵のそれである。

「よし、これより任務開始する。出発!」

大田が号令をかけ、それを合図に全員の半長靴がペダルを漕ぎ出す。OD塗装のボディが加速し、ホイールは誇
らしげに回転する。
銀輪部隊、堂々の出撃であった(傍から見ると相当にしょぼいが)。
875: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/28(土) 15:05:34 ID:??? AAS
道なき道を、自転車は進む。
辺りは静かな林。木はまばらで、地面も平坦であり、自転車での通行も容易であった。
男たちは疲れを見せない。ただ淡々とペダルをこぎ、目的地の教会を目指す。
駐屯地を出た時は低い位置にあった太陽は、ぐんぐんと蒼天を登っていく。

「よし、ここら辺で休憩にするか。あの木の根元だ。」

大田は部隊にストップをかけると、前方にある大木を指差す。そこが彼らの食堂となった。
偵察部隊は通常、任務遂行中の喫食なんぞしないが、彼らが置かれた状況と、彼らの乗り物が、偵察部隊をよ
り普通科に近づけてしまったのである。装備は雑嚢と、吊りベルトに弾帯と銃剣。機関銃手は弾薬箱も持って
いた。雑嚢を下ろして、三名は食事をし、もう三名が周辺を警戒する。三十分交代の食事休憩だった。

「一曹、ドワーフと仲良くしてるのに、何でオステンとは仲良くやれないんですかね?」

擲弾手の柏はそう言うと、レトルトパックから押し出した白米に直接かぶりついて、その後パックのカレーを
啜った。戦闘糧食U型はレトルト方式で、本日の昼食はその中でも一番人気のビーフカレーである。

「わからん。強いて言うなら、俺たちはここの人間より、ドワーフに近いんだろうな、物の見方が。」
「はぁ、物の見方、ですか。」

大田は福神漬けをボリボリ噛みながら答える。柏は食事の手を止めて、きょとんとした顔で大田を見た。
福神漬けを飲み込んだ大田は、さらにこう継ぎ足す。

「伝統、格式、歴史・・・連中はそういうものを重んじる。そんなもんは、俺たち日本人が60年前に捨てち
 まった物だ。だから、価値観の相違、というやつか。」
876: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/28(土) 15:06:09 ID:??? AAS
あの国についての話を、大田は前藤から聞いていた。前藤は曹士上がりの幹部だが結構インテリなところがあ
り、この世界の情報もちょくちょく仕入れている。そうでなければ、この世界にそんなに関心のない大田が、
オステンの風潮など、知っているわけもなかった。

「はぁ・・・博識ですね、一曹。」
「へ、まあな。ドワーフの連中は貪欲だ。どんなに素晴らしい物を作り上げても慢心しない。新しいもの、今
 の物よりもっと良い物が大好きだ。そこら辺、おれたちと似てるからな。」
「酒場とかに行くと凄いですよね。その服の作り方を教えろとか、銃を見せてくれとか・・・」
「そうだな・・・おい、もうすぐ30分だ、とっととゴミをしまえ。」

新しいものが、古いものを嘲笑する。
大田の脳裏には、そんな言葉が浮かんで、消えた。
今は任務に専念しよう。大田はそう思いながら、レトルトパックを片付けた。

それからさらに5時間ペダルをこぎ続け、大田達はやっとこ目的地に到着した。
教会は小高い丘の上に建っていた。日は傾き、穏やかな風が吹いている。丘は一面の草原で、さやさやと風が
草を凪ぐ音以外物音はしなかった。これで迷彩服を着て、銃を持った剣呑な男たちがゾロゾロ歩いていなかっ
たらさぞかし美しい場所だろう、と大田は思った。

「小平、成沢曹長に連絡を入れろ。ワレ・目的地ニ到達セリ、だ。」
「了解。」

草むらにまぎれて、男たちは進む。自転車は丘のふもとにおいてきた。
明かりの灯る静かな教会。遠めに見れば平和なそこに、大田達はだんだんと近づいていく。
877: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/28(土) 15:06:49 ID:??? AAS
「成沢班より連絡。到着はまだ、だそうです。」
「あのボンクラめ・・・?何か聞こえるぞ、入り口のほうだな・・・」

ソロソロと、大田達は物音を立てないように移動する。
やがて、話し声が確かに耳に入る距離まで近づいた。
野太い男の声と、女性の声だ。大田は注意深く会話を聞き取る。男の声音はいやらしいほど陽気で。
女性の声は、間違いなく恐怖に染まっていた。

「嫌・・・やめて、お願いします・・・」
「冷てぇな、皆本隊からはぐれちまって、疲れてんだよ、そんな可哀想な俺たちを、慰めてくれる優しさはね
 ぇのかい?」

おちょくるような、男の声が大田の耳に聞こえた。

「思いやりのねぇシスターだなぁ。」
「どうせ異教徒だ、神に仇なす連中だ。思う存分やっちまえ。」

下卑た声に、大田は胃の辺りがむかむかしてくる感触を覚えた。
ふと後ろを向くと、部下たちも皆、怒り心頭という感じで顔をゆがめている。

「・・・やるか?」
「義を見てせざるを勇無きなり、です。」

篠崎が、MINIMIの薬室に弾丸を送り込んで、言った。
878: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/28(土) 15:07:39 ID:??? AAS
「装填したな?では・・・」

隊員達が、ごくりとつばを飲む。大田は89式小銃をぎゅっと握り締め、片手を上げた。そして。

「かかれぇ!」

それを合図に、6人は一斉に教会の物陰から飛び出し、銃を構えた。
眼前には、予想したとおりの光景があった。

PAPAPAM!

修道服を纏った女性に一番近い位置にいた男を、大田の単連射が襲う。
粗末な皮鎧が弾け、赤い血を噴き出しながら男は地に伏した。

PAPAPAPAPAPAM!PAPAPAM!

突然の急襲に、叫び声をあげながら逃げる兵たちの背中を、5.56mm弾が抉り、魂の緒を掻っ切る。
腰に帯びた剣を抜くそぶりも見せず、ただ彼らは逃げていた。

「グレネード!」

BAKOM!BAOM!

柏と伊上の小銃がポン、と軽い音を立てて爆ぜると、逃げる兵士の群れの中に、2つの赤い花が咲く。
その花弁は兵士を飲み込み、彼らの手足を宙に舞わせた。
879: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/28(土) 15:08:23 ID:??? AAS
PAPAPAM!
BAKOM!

虐殺は、最後の男が倒れ伏すまで続いた。
銃声が止むと、死屍累々。穏やかな草原の丘は、一転血に染まり、小銃擲弾の爆炎と、血の匂いが辺りを埋め
尽くしていた。

「大丈夫ですか、シスター。」

大田はやっと89式小銃を下ろすと、あまりに突然の出来事に、へたり込んでいる哀れなシスターに声をかけ
た。その美しい眼は恐怖に見開き、あまりの惨状に涙を流してさえいた。

「あ・・・あなたたちは・・・」
「我々は、自衛隊というものです。あなたたちを助けに来ました。」

月並みな台詞だな、と大田は思った。
しかし、助けに来た、という言葉に、彼女は僅かながら、緊張を緩めた。

「お怪我はありませんか?」
「あぁ・・・神父様が中に、助けてください・・・私は大丈夫ですから・・・」

彼女の震える指先が、教会の扉を指差す。

「わかりました・・・伊上、篠崎、中を探せ。」
「了解。」
「小平、本部と、ついでに成沢の能無しに連絡。任務完了だ。」
「わかりました。」
880: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/28(土) 15:09:49 ID:??? AAS
大田はふと、自分の89式小銃を見る。
それは、自衛隊員である彼らに与えられた力だった。
力は純粋だ。善か悪かを決めるのは人間なのだ。
自分の力が善であることを祈りながら、大田はただ、泣きじゃくるシスターの肩に手を置くしか出来なかった。
日が沈みかけていた。


881: 銀輪 ◆2LyZBX0jcM 2006/01/28(土) 15:12:10 ID:??? AAS
第二話、完。
自転車って、以外に絡めにくいテーマですな。
資源の問題も、これから絡めていきたいと思ふ。
882
(1): 2006/01/28(土) 17:24:57 ID:??? AAS
乙。
テンポいいね。
883
(1): 2006/01/28(土) 20:10:53 ID:??? AAS
乙。
好きなので頑張ってください。
884: 2006/01/28(土) 20:55:46 ID:??? AAS
自転車に道なき道は無理だって
885: 2006/01/28(土) 21:23:44 ID:??? AAS
自転車も走らせられないような所は、機械化した部隊でも無理だもんなw
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