[過去ログ] 新世界より 神栖74町 [転載禁止]©2ch.net (1001レス)
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428: 2015/01/05(月) 00:18:32.51 ID:9Md8XNo70(1)調 AAS
キチガイがスレを私物化してるな
429: 2015/01/05(月) 00:51:49.91 ID:bqjrFBxz0(1)調 AAS
プラトニックな方が瞬と早季のきらきらした初恋っぽいからボノボしてないでほしいけど
まあ個人の好みだな
やったともやってないともしっかり描写されてないわけだし
430(1): 2015/01/05(月) 08:55:53.51 ID:WKyph0Zq0(1/3)調 AAS
瞬と真理亜も普通にボノボってるし
瞬と早季なんてあえていう必要ないでしょ
そういう世界観だと思ってるけど
431: 2015/01/05(月) 10:35:58.55 ID:8itQECAMO携(1/3)調 AAS
ボノボって個体間のストレス高まった時にするんだっけ
そう考えるとやりまくりってほど頻繁にやってるイメージないんだけどな
思春期になると性に興味出てくるからやりまくるだろうけどその時には一応瞬も早季も付き合ってる相手いただろうし
瞬と早季がボノボしてたとしても回数的には少ないだろうな
432: 2015/01/05(月) 12:20:08.57 ID:vm9QBz670(1)調 AAS
見た目が悪い人とボノボするのは生理的嫌悪感に晒されそうなものですが
そういうことはないんですか?
433: 2015/01/05(月) 12:45:25.06 ID:8itQECAMO携(2/3)調 AAS
あまりに不細工なのは生まれないようにしてるとかはないか
キモい奴いたら誰もボノボしたくないってなりそうだが、標準より醜い外見の子供とかどうしてるのかね
434: 2015/01/05(月) 17:14:08.13 ID:GGi7fMIp0(1/2)調 AAS
昔も誰か話してたけど、モテないとカップル作戦のときにハブられるから早期退場の対象だと思う
このスレなんか全滅だな
435: 2015/01/05(月) 17:56:27.24 ID:8itQECAMO携(3/3)調 AAS
あー…カップル決める時にこれ絶対相手決まらないのいるだろと思ったけど間引き対象になってもおかしくないか
あんな感じで不細工遺伝子がどんどん淘汰されていって顔面偏差値高いのしか残らないのかな
436: 2015/01/05(月) 19:39:42.62 ID:2ih0lYiw0(1/2)調 AAS
その時は不細工が直接の原因で猫呼ばれるんじゃなくて
ボノボれない、当番相手が決まらない状況のストレスで精神歪めて猫召喚だろうね
437(2): 2015/01/05(月) 19:46:46.43 ID:GGi7fMIp0(2/2)調 AAS
顔面偏差値についてだけど
美人×美人から美人が生まれる可能性は絶対じゃないから
淘汰が進むと全員同じ顔になる
438(1): 2015/01/05(月) 19:49:54.52 ID:WKyph0Zq0(2/3)調 AAS
愛の社会いいながら覚は瞬みたいな可愛い系がタイプとか言って
しっかり顔で選り好みしてたからな
439(4): 2015/01/05(月) 19:50:55.90 ID:2ih0lYiw0(2/2)調 AAS
あと美形ばかりになってる原因として
バケネズミの女王が微力な呪力?で子供達の姿を自在に産み分けていることから
人間もある程度無意識のうちに美形な子を産む呪力を使っているんじゃという人がいて
なるほどと思った
440: 第7話 四四八の怒り、神栖66町との対決 2015/01/05(月) 20:29:22.90 ID:vBGgSYPv0(1/9)調 AAS
「あんたらの長と直接話しが出来るか? 直に会って話しがしたい」
四四八は夢で見た光景、スクィーラの過去、バケネズミと呼ばれる虐殺されていた者達とこの黒フードの男達の関係。
諸々の事情を飲み込まない限りは迂闊に動けない。
「分かった。同じ人間を攻撃することは出来ないからな。付いてきなさい」
「四四八……」
「分かってる栄光。まずは事情と背景を知らないとどうにもならないんだ」
四四八は他の六人を同意させると、黒フードの男達の後に付いていった。
441: 2015/01/05(月) 20:30:09.11 ID:pGw/HObm0(1)調 AAS
>>438
物語の核である容姿の重要性を学校内でもひっそり描写してる感じ
みんな容姿は良いのかもしれないけど
不特定多数に真理亜と瞬がちやほやされるのはその中でも特に美形だからだろうし
442: 第7話 四四八の怒り、神栖66町との対決 2015/01/05(月) 20:30:20.52 ID:vBGgSYPv0(2/9)調 AAS
二日掛けて辿り着いた先には町があった。建物自体は昔ながらの家屋であり、四四八が在籍している戦真館のある第四層の時代と
然程違いは見られない。
江戸時代、明治の初め頃の階層があるなど聞いていない。しかしこうして目の前に広がる光景は昔ながらの日本の物で間違いはないのだ。
「四四八くん、昔の田舎町みたいなとこだね……」
「あぁ、そうだな」
「しっかしここが現代日本だったらあのバケネズミとかいう奴等は何なんだ? 時代が違うにしてもあんな連中、それこそ神話とか伝奇とかに
登場するもんだろ?」
「栄光、お前の疑問も分かる。俺もこの目で彼等を……、バケネズミを見ているからな」
「そういやスクィーラの奴はどこいったんだ? 一人で駆け出してそれっきりだぜ」
鳴滝の言う通りスクィーラは一人で森の中を、コロニーと呼ばれる場所の中に消えたままだ。
各々の疑問は栄光と同じだろう。この世界は違う歴史を歩んだ日本なのか? はては御伽話の世界なのか? いずれにせよこれから会う町の長と会えば全て分かるこ
とだ。
そして到着した先には屋敷があった。そこいらにある家屋とは明らかに別格と呼べる豪邸。
四四八達はそこに通され、待合室で町の長を待つことにした。
そして戸が開き、現れたのは知的な雰囲気を備えた壮年の和服の女性だった。
「始めまして。この町の長を務める朝比奈富子です」
「戦真館特科生筆頭、柊四四八以下六名です」
「礼儀正しい者達で助かったわ。「好戦的な者達」ばかりでなくて」
443: 第7話 四四八の怒り、神栖66町との対決 2015/01/05(月) 20:31:08.31 ID:vBGgSYPv0(3/9)調 AAS
朝比奈富子の言葉が僅かに引っ掛かった四四八だが、前置きなしの単刀直入に富子に疑問を
投げかける。
「貴方方が大量に殺していた存在、あのバケネズミと貴方達が呼んでいる存在は何なのですか? そしてこの時代はいつなのでしょうか」
礼節のある態度で質問する四四八
そして富子の口から説明される背景に四四八は驚きを隠せなかった。
今いるこの時代は四四八達が現実と呼ぶ世界の千年後の世界。そしてバケネズミと呼ばれる者達の真実だ。
この時代からおよそ千年前にPK能力者という存在が生まれ、それが原因で文明が崩壊した。そして生き残ったPK能力者、
旧人類と呼ばれる非能力者との戦いが続いたが、ついにその戦いに終止符が打たれたのだ。
そう、バケネズミと呼ばれる存在はかつての旧人類の末裔の成れの果てだったのだ。
争いを生み出さないようにする為にとった手段としては余りにも冷酷で非道な手段だと四四八は思った。
これ以上の殺し合いは避ける為に、これ以上の死を生み出さない為に。
「この町の未来を、いえ人類を生き残らせる為には後継者が必要なの。この町の今の「手段」では未来は決して明るくはない」
朝比奈富子の語る歴史の中には「悪鬼」、「業魔」という特殊な呪力使いを出さないように町では徹底してその芽となりうる子供
を「間引き」しているのだ。過去に神栖66町で起きた大量虐殺、異常現象などの原因は「悪鬼」、「業魔」が原因なのだ。
それらが生まれる原因は様々ではあるが、町としては生き残る為にこの手段を取り続けているらしい。
それこそ長年に渡る歳月を危険分子を排除することに費やしながら。
444: 第7話 四四八の怒り、神栖66町との対決 2015/01/05(月) 20:31:48.69 ID:vBGgSYPv0(4/9)調 AAS
「そうですか、町の未来を憂う気持ちは分かります。ですがかつての人間達であるバケネズミはどうなるのですか? あのような姿でも
元は人間。旧人類の末裔だからといってなぜあのような惨い仕打ちを?」
四四八の問いかけに富子は僅かに微笑した後に言った。
「それが今の社会を形成できているからよ」
「今の社会?」
「そう、今の社会は私達町の人間がバケネズミを支配下に置くことで成立してい
る。この支配体制こそが長年に渡る旧人類との戦いを終わらせたの。バケネズミ達
は今のこの時代において私達に従うべき存在、だから彼等に対する支配に文句を言
うのはお門違いよ」
争いの歴史に終止符を打った、とはいえ今のバケネズミ達の境遇は悲惨そのもの
だ。それこそ暗黒時代の神聖サクラ王朝が非能力者達を支配している構図と何が
違うのだろうか?
「ですが……、彼等バケネズミは苦しんでいます。彼等だとて元は人間なら、今の
支配体制に不満や怒りは抱くでしょう。支配下に置かれる彼等の苦しみや恐怖、怒り
を知って、もう少し配慮をしてやるべきなのでは?」
445: 第7話 四四八の怒り、神栖66町との対決 2015/01/05(月) 20:33:24.38 ID:vBGgSYPv0(5/9)調 AAS
自分達戦真館の掲げる「仁義八行」。この理念を考えればバケネズミの境遇は
悲惨そのものだ。醜い異形の姿に変えられて、町の支配を受け続ける。こんな状態が
五百年も続いていれば反乱が起きても当然だろう。寧ろよく今まで起きなかったのか
不思議な位だ。
「けど、私達が彼等バケネズミを支配するのは当然の流れなのは先程の歴史の流れ
から分かる筈でしょう? この支配体制が旧人類、いやバケネズミとの争いを止めた
のです。そのことを考慮すればバケネズミにいちいち気を使っていられると思う
かしら?」
四四八は驚愕した。町の未来、ひいては人類の未来を憂うように見えて、その実かつての人類である
バケネズミのことなど考えもしていない。
「バケネズミは私達を神と敬っているけど、その神に歯向かえばどうなるかは彼等も知っているでしょう。これまでも
少しでも町に不満を持つコロニーは消してきたわ」
「それが当たり前だと?」
「そうよ、彼等に不満を持つ権利は少なくとも皆無。何度も言うけど今の支配
体制こそが平和を生み出した。そして旧人類をバケネズミに変えることで争いを
なくした。支配に置かれるのなら、私達の不満を買えば滅ぼされるという自覚は
持って欲しいわね」
臆面もなくバケネズミの価値など道具程度としか認めていない朝比奈富子の態度に四四八は自
分の内側に怒りの炎が燃え上がるのを感じた。
「けどさ! 元は人間だろ!? 知能だって人間と大差ないんだろ!? 何でそんな奴等をゴミみたいに扱うんだよ!!」
「これも仕方のないことよ。彼等旧人類との戦いでどれだけの犠牲者が出たか。バ
ケネズミを支配しているのは確かにそうよ。けど今の社会ではこれは当たり前のこと
。バケネズミ達を支配している以上、彼等に対する生殺与奪は私達にあるから。そし
てバケネズミが反逆すれば、私たちが怒るのは当然じゃない?」
富子の姿勢に怒りを感じたのか、晶が食って掛かるが、富子は涼しげにバケネ
ズミを虐げるのは当然のことだと言ってのけた。
446: 第7話 四四八の怒り、神栖66町との対決 2015/01/05(月) 20:33:56.10 ID:vBGgSYPv0(6/9)調 AAS
「呪力者と非呪力者はそもそも対等じゃないの。私は町の人達を殺したバケネ
ズミが許せない。第一、バケネズミ達は、反乱の際に数十名の町民を殺したわ。
彼等にも家族がいたのに、卑劣で下賎なバケネズミが彼等の未来を奪い取った」
「……それは確かにそうでしょうが、貴方達だとて過去に幾度もバケネズミの
コロニーを潰し続けてきたのは事実だろう。彼等にだって未来はあった筈だと
思います」
確かにバケネズミ達は反乱を起こし、その際に町民達を殺した。それに関して
は町側にも言い分があるだろう。だがバケネズミ達が反乱を起こした背景には町
側が彼等に対して行ってきた理不尽な仕打ちがある。いつ自分達は町の都合によ
って消されるのかという恐怖と常に隣り合わせの状況だったバケネズミ達を思え
ば四四八自身、一概にバケネズミの起こした反乱を責める気にはなれなかった。
無論、罪もない町民達を殺したのは事実だが、かといって町側が「自分達に一
切の非などない」とこうも臆面もなく言ってのけるという傲慢さに四四八は内心
憤っていた。
447: 第7話 四四八の怒り、神栖66町との対決 2015/01/05(月) 20:36:12.10 ID:vBGgSYPv0(7/9)調 AAS
「そもそもバケネズミと私達町の人間が対等だということには無理があるでし
ょう。事実どれだけ彼等と私達が違うのかを理解できている筈よ。私達がこうし
て平和に暮らせるのはバケネズミのお陰なのは確かよ。でも、彼等の事情など一
々考慮なんてしていられないの。私達に従っている以上、関係は必然的に不平等
になるもの。それに文句を言うのはお門違いね」
要するに自分達が被害を蒙るのは許せないが、他の連中がどれだけ被害を蒙
り、どれだけの数が死のうと構わないという考えなのだ。自分達がやられれば
怒り、相手方にどれだけ復讐し、反撃しようがそれは当然のことであり、相手
方には怒る権利も文句を言う権利もないというダブルスタンダード。そこに四
四八は致命的なズレを感じた。自分達の行ってきた落ち度、過ち、その他一切の
反省するべき点も省みずに、ただただ自分達は攻撃を受けた哀れな被害者だと言
いたいのか。
町の人間を殺したバケネズミが許せない。醜く下等なケダモノのくせに、ケダモノのくせに、ケダモノのくせに、ケダモノのくせに。
なぜバケネズミが神と敬う人間に対して反乱を起こしたのか、なぜ反乱しなければならないのか、そして自分達はなぜ
攻撃されたのか。そんなことなど完全に無視していた。少なくとも自分達に原因があるなどとは欠片も思ってはいない。
448: 第7話 四四八の怒り、神栖66町との対決 2015/01/05(月) 20:37:08.06 ID:vBGgSYPv0(8/9)調 AAS
「ふざけるな」
自分達がバケネズミに対してしてきた仕打ちは棚上げして、自分達こそが被害者だと臆面もなく言う朝比奈富子を始めとする
町の連中を四四八は許せなかった。
「何様だ、お前」
神などという高尚な存在ではない。単に呪力という念動力があるだけで自分達を神と称し、自分達より非力で弱い存在
を道具のように扱うことに対して何とも思っていない。ひたすらに陳腐で幼稚で矮小な思考回路しか持っていなかった。バケ
ネズミ達が思うように自分達に従わなければコロニー丸ごと消し去るという暴挙を何の躊躇いもなくやってのける。それを
間違いなどとはこれっぽっちも思っていない。自分達は神などと誇ってはいるが、四四八からすれば選民思想に取り付かれた
最悪極まる下種でしかない。バケネズミ達がどんな思いをしながら五百年という月日を過ごしてきたのか。
「俺が一番納得している戦の真を教えてやるよ」
「我も人、彼も人」
449: 第7話 四四八の怒り、神栖66町との対決 2015/01/05(月) 20:37:42.84 ID:vBGgSYPv0(9/9)調 AAS
それを弁えた上で戦い、殺せ。所詮バケネズミを下等な種族と軽んじ、見下し、こき使うことに対して何の疑問も抱いていない癖に
バケネズミ達に反旗を翻されれば被害者面をしながらバケネズミ達に対して「信頼を裏切ったケダモノ」と吼える。どこが良好な関係
を築いてきたのだ。力関係は一方的で、バケネズミ達を無理矢理に服従、従属させて優越感に浸るだけの薄っぺらい考えしか持てない
など卑怯者以外の何者でもない。
「そう教わったぞ。正直、身につまされたからしっかり胸に刻んでいる」
「柊聖十郎が許せない。神野明影が許せない。そしてお前らが許せない」
命があり、意思も疎通でき、知性も人間と対等の生き物を何の躊躇いもなく踏み潰せるような思考で被害者を騙る神栖66町。それの積み重ねで
町の人間は反乱を起こされたのだ。自分達の行いも省みることすらもせずに、未来を語る姿勢に四四八の怒りは頂点に達していた。
今までに自分達がバケネズミに対してしてきたことがそのまま自分達に返って来ているだけに過ぎない。反乱を起こされて
もまだ自分達がしてきたことを見ようともせずに、未来がどうのと講釈を垂れ流す。怒りながらも相手を見ていないような輩の語る
未来など薄ら寒いだけの机上の空論だ。
四四八は立ち上がり、富子に毅然とした態度で答える。
「来い。俺達戦真館、今よりバケネズミの側に立つ!!」
450: 2015/01/05(月) 22:23:08.11 ID:WKyph0Zq0(3/3)調 AAS
瞬みたいな美少年が死ぬから悲劇であって
お前らが死んでも喜劇だもんな
451(1): 2015/01/06(火) 02:59:13.79 ID:Ka0zQHLJ0(1)調 AAS
>>439
アニメだとモブでもブスでも美形じゃんってのは珍しくないけど
新世界よりは世界観が世界観なだけに色々勘繰ってしまうな
容姿が劣ってても人柄良かったらカップル成立できるんだろうけど
同性愛を普通のことだと浸透させたように容姿の美醜も気にならなくなるよう教育できないのかね
と思ったけどバケネズミのことがあるからできるとしてもしないかな
にしても新世界よりみたいに物心つく前から同性愛当たり前の世界だと何の違和感も嫌悪感もなく同性といちゃつけるもんなのか
同性の体見ても何とも思わないし性接触すると考えると嫌悪感沸くから本能からくる感覚だと思ってたけどこれも現代の教育の結果だったりするのかな
452: 2015/01/06(火) 04:45:13.67 ID:YlvcNaNK0(1)調 AAS
>>430
瞬と真理亜は絡み少ないが実は全人学級に早くから行ってる2人で
夏季キャンプでは一緒にいたしでボノボ機会ありそうだなあ
深く考えず早季は瞬とボノボ無しと思い込んでたが今更ながら覆された
世界観や関係性を考えたらボノボしててもおかしくなかったわ
和貴園時代は瞬の家によく遊びに行ってたらしいから機会もなくはなかった
>>437>>439
なんか韓国のミスコンかなんかの写真思い出したわ
流行り人気顔に整形した子ずらーっと並んでて同じ顔の集団でおもしろかった
すごく気持ち悪い事だなとw
新世界は人気の子、好みのタイプ云々で外見に違いや個性はあるようだから
まだ同じ顔集団ではなさそうだけどw
453: 2015/01/06(火) 05:18:56.23 ID:yOZ4Pqm00(1)調 AAS
>>451
いきなり大人の同性を性的に思うのは現代の感覚じゃ難しいけど
子供の頃は同性か異性どうの考えなくてもくっついたり出来るし
その延長上にあるんだと思うよ
それで周りの大人も皆やってるし思春期はむしろ同性とで推奨されるし
異性に好きな相手いても世の中が同性同士を推奨するってのは
今の異性とが普通なのと逆な感じだと思う
454: 2015/01/06(火) 17:24:58.80 ID:Jq6j/RNi0(1/2)調 AAS
>>437
全員同じ顔に近付くのは遺伝子が濃すぎる場合と(これは韓国人みたいな感じになる)
多様な遺伝子を混ぜまくった場合
近い遺伝子を混ぜまくると不細工な特徴が強調されてブサイクで似た顔になるが
多様な遺伝子を混ぜまくると理想的な美形に近付く(理想的なバランスの顔は似て見える)
でも新世界の世界観から考えると
>>439が面白い考えだと思う
それにあの世界って極端にブサイクだったりすると思春期になるとコンプレックスが芽生えて
情緒不安定になったり周りから避けられて
(これは生物的な本能でよりよい子孫を残す為に劣等な個体を避ける行為なので仕方がない・みんな美男美女に魅かれてブサイクは避ける)
問題行動起こしそうだからなんだかんだで結局処分されてそう
455: 2015/01/06(火) 17:28:21.25 ID:Jq6j/RNi0(2/2)調 AAS
>>391
それはアニメはナレーションで説明してたはず
寺でゴマ炊いて動きを封じてたが長くは持たなかったようだとかなんとか
言ってた気がする
456: 第8話 真実 2015/01/06(火) 20:17:04.41 ID:RkZ0q3dK0(1/17)調 AAS
例えば、己の一生がすべて定められていたとしたらどうだろう
人生におけるあらゆる選択、些細なものから大事なものまで、選んでいるのではなく、選ばされているとしたらどうだろう。
無限の可能性などというものは幻想であり人はどれだけ足掻こうとも、定められた道の上から降りられない。
富める者は富めるように。貧しき者は飢えるように。善人は善人として、悪人は悪人として。
美しき者醜き者、強き者弱き者、幸福な者不幸な者
――――そして、勝つ者負ける者。
すべて初めからそうなるように……それ以外のモノにはなれぬように定められていたとしたらどうだろう。
ならばどのような咎人にも罪はなく、聖人にも徳などない。
何事も己の意思で決めたのではなく、そうさせられているのだとしたら?
ただ流されているだけだとしたら?
問うが、諸君らそれで良しとするのか?
持てる者らは、ただ与えられただけにすぎない虚構の玉座に満足か?
持たざる者らは、一片の罪咎なしに虐げられて許せるか?
否、断じて否。
457: 第8話 真実 2015/01/06(火) 20:20:01.89 ID:RkZ0q3dK0(2/17)調 AAS
それを知った上で笑えるものなど、生きるということの意味を忘れた劣等種。人とは呼べぬ奴隷だろう。
気の抜けた勝利の酒ほど、興の削げるものはない。運命とやらに舐めさせられる敗北ほど、耐え難い苦汁はない。
このような屈辱を、このような茶番劇を、ただ繰り返し続けるのが人生ならよろしい、私は足掻き抜こう。
どこまでも、どこまでも、道が終わるまで歩き続ける。遥か果てに至った場所で、私は私だけのオペラを作る。ゆえに、諸君らの力を借りたい。
虐げられ、踏み潰され、今まさに殺されんとしている君ら、一時同胞だった者たちよ。
諸君らは敗北者として生まれ、敗北者として死に続ける。その運命を呪うのならば、私のもとに来るがいい。
百度繰り返して勝てぬのならば、千度繰り返し戦えばよい。千度繰り返して勝てぬのならば、万度繰り返し戦えばよい。
未来永劫、永遠に、勝つまで戦い続けることを誓えばよい。
それが出来るというのならば、諸君らが"術"の一部となることを許可しよう。
永劫に勝つために。獣のたてがみ――その一本一本が、諸君らの血肉で編まれることを祝福しよう。
今はまだ私も君らも、そして彼も……忌々しい環の内ではあるものの。
これから先、ここでの"選択"が真に意味あるものであったと思えるように
いつかまたこの無限に続く環を壊せるように
さあ、どうする。諸君ら、この時代の敗北者たちよ。私に答えを聞かせてくれ。
戦うか、否か――。
458: 第8話 真実 2015/01/06(火) 20:21:42.04 ID:RkZ0q3dK0(3/17)調 AAS
「た、戦う……! ……………………これ……は?」
そう、この言葉は以前に聞いたことがある。思い出せはしないものの、確かにこの声をいつかどこかで確かに聞いた。
それがいつかは分からないが、この言葉を聞いたスクィーラは即座に「戦う」という選択肢を選んだ。
再びこの言葉を聞いた今この時も迷わず戦いを選んだ。
しかしいつ自分はこの言葉を耳にしたのだろうか? つい数日前のような気もするし、気の遠くなる程の長い昔のようにも思える。
「分からない、分からない……」
スクィーラは今の自分の気持ちをつい言葉に出してしまう。そもそもこの場所は何なのか? 目の前には何かがぼんやりと映像のように
映し出されている。スクィーラは目を凝らしてそれを凝視する。
「……何の用? 貴方に伝える言葉なんてあるわけないでしょ……」
「貴方達が我等のことを「人間」と認めればそれでいいのです。認めさえすれば直ぐにでも貴方達二人を自由にしてさしあげるのに」
「ふざけるな!! 罪もない町の人々を殺した癖に!! こんなことが出来るお前は最低のドブ鼠だ!! 人間などと認めるか!!」
「ったく、町の連中は皆それを言うぜ。お前等もミノシロモドキの記録を聞いただろ? 誰が何と言おうとこいつらが
「人間」だったのは事実なんだからよ。いい加減認めたらどうだ?」
「お前等がしたことは畜生にも劣る所業だ! 殺された人達に謝れ!!」
「……るせぇよ」
「え?」
「ごちゃごちゃ五月蠅いんだよ糞餓鬼。こいつらバケネズミは人間様に服従するロボットだとでも思ってんのか?
自分達の境遇がどんな悲惨なものだったかをこのスクィーラは知ったんだよ。なら聞くがお前等町の人間が今ままでこいつらを
ゴミのように殺してきた事実は嘘だってか?」
「平然とコロニーごとバケネズミを消すってやり方してきた癖して自分達がやられればそれかよ。
消されたバケネズミ共の中に何人今のお前みたいな考えの奴がいただろうな。「今まで従ってきたのに
なぜ殺されなければならない?」って考える奴が一人もいないとでも思ってんのか?」
この光景も見たことがある。牢屋に入っている、渡辺早季、朝比奈覚に対して啖呵を切る金髪の男。
459: 第8話 真実 2015/01/06(火) 20:23:39.40 ID:RkZ0q3dK0(4/17)調 AAS
しかしこの男が誰なのかは思い出せない。過去に幾度か会い、そして共に戦ったという断片的な記憶しか分からない。
自分の目の前に広がる光景にスクィーラは歯がゆい思いをしていた。
「この光景は何なのだ……? そして私の隣にいるこの男は誰なのだ……!?」
そして目の前の映像は次に切り替わる。
「なんだそういうことか。いや、嫌いじゃねぇぜそういう賭け。最後に勝ちを狙うんならそれ位危険な綱渡りも必要だろ」
「これも我等バケネズミにとっては必要なことだったのです」
「スクィーラ、お前自身望むことは一体何だ?」
「私は……我等の真実を町の人間達に伝えられれば……」
「■■様、私はミノシロモドキを持って部下と共に明日、町へと赴こうと考えております」
「何する気だ?」
「決まっております。ミノシロモドキに記録された真実を町の人間達に伝えるのです。この事実を知れば町の人間達も我らのことを考えなおすやもしれません」
謎の男との会話が続く。映像の中のスクィーラが男の名前を喋ると、雑音が入り、名前までは聞き取れない。
そして次の映像が目に入る。
金髪の男が、監視員に襲撃された塩屋虻コロニーを駆け回り、監視員達を排除しつつスクィーラに対して怒りにも似た怒号を発していた。
「話し合おうとした結果がこれかよ!!」
「お前は甘すぎんだよスクィーラ!!」
自分は果たしてこんな真似をするような男だろうか? スクィーラの胸中にはこんな思いがあった。
460: 第8話 真実 2015/01/06(火) 20:28:28.46 ID:RkZ0q3dK0(5/17)調 AAS
町に対しての直訴など馬鹿馬鹿しいだけの徒労だ。そんな真似をした所で町がバケネズミに対する支配
を見直すなど到底あり得ない。
映像の中の自分の姿にスクィーラは驚きを禁じえなかった。そして次の映像が入ってくる。
町の人間達が、柱に縛り付けたスクィーラを楽しげに拷問しているのだ。
それこそ以前自分が受けた無限地獄の刑にも匹敵する程に凄惨極まっている。
そして渡辺早季が、自分を火葬すると同時に、町の屋根から拷問の様子を見ていた金髪の男が、会戦の合図を外で待機しているバケネズミ達に
送る。
自分の命と引き換えに、町を攻撃するという約束を金髪の男としていたのだ。
考えてみれば自分はこのような自己犠牲をするような考えは持っていない。
目の前で繰り広げられる光景の数々が低レベルな茶番の類としか思えなかった。
スクィーラ自身、聖人の類でも、人格者でもない。卑劣で汚く、土の中に暮らす獣そのものの精神をしたバケネズミ。
生きる為には手段を選ばず、平然と非道な真似が出来る。
そして神を称す町の者達に頭を垂れ、傅き、地面の土を舐めながら服従していた神に仕えるバケネズミだった。
自分のことは一番自分がよく分かっている。
461: 第8話 真実 2015/01/06(火) 20:33:36.08 ID:RkZ0q3dK0(6/17)調 AAS
だが、そんな歪に捻じ曲げられた自分の姿を見たスクィーラはここに来てようやく確信を持てた。
以前にこれらを「経験」した。目の前で繰り広げられた光景の中に間違いなく自分はいた。あの時、あの場所で
これらの「行動」をしたのだ。
そして、これは都合「何度目(・・・)」だろうか……?
「覚えている……、覚えているぞ。ようやく思い出した……」
そしてスクィーラが自分がこの不可思議な空間に来る前に、塩屋虻コロニーに来襲した町の監視員達を殺し回っている最中に
ソレ(・・)と目が合ってしまったのだ。あれは間違える筈もなく、自分自身(・・・・)だった。
なぜ自分はそもそもあそこにいたのか? 自分はそもそも本物のスクィーラなのか? 兎にも角にも、もう一人の自分と目が合った直後にこの
摩訶不思議な空間を漂っていたのだ。この空間は、神野に拾われた時に漂っていた空間に酷似している。
そう思っている時に不意に後ろから声が聞こえてきた。
この声は聞き覚えがある。
ただ発せられただけで、自分の精神を蛇にでも舐められているような感覚に陥る。
「おめでとうスクィーラ。随分と遠回りをさせて非礼を詫びよう」
スクィーラは声のする方に顔を向けると、黒い影法師が茫洋な気配を纏いながらそこにいた。
「貴方は……、確か最初の時の……?」
「そう、黄金の獣の隣にいた私が、最初に君の魂を拾ったのさ」
462: 第8話 真実 2015/01/06(火) 20:47:38.40 ID:RkZ0q3dK0(7/17)調 AAS
最初にスクィーラは眩いばかりの玉座の間で目覚めたのを思い出す。思えばあれが最初に目覚めた時だった。
「これもこの時代、この次元の因果律の歪みを矯正する為にしたことだよ。少々回りくどい方法だったがね」
「映像の中の私は……、あれは私本来の姿ではない」
「当然さ。私が色々と小細工をしておいた。ツァラトゥストラの友人、遊佐司狼に関しても、手を少し加えてある。彼の本来の精神(・・・・・)
を考慮すれば、何も手を加えていない状態では、君らバケネズミに助力などしないだろうからね」
黒衣の男は淡々と、スクィーラに真実を聞かせた。この男の本当の目的は分からないが、自分がしなければならない使命は胸に刻まれているのは
理解できた。
「これから君が歩むのは『本当の歴史の時間』だ。自分自身の本当の使命を今こそ果たす時が来た。スクィーラよ、千年後の世界に
戻るがいい。そして町の者達に分からせてやりなさい。本当の神(・・・・・)が誰なのかを」
スクィーラは、黒衣の男の言う言葉に深く頷いた。今更疑問など感じている時間はない。自分のやるべきことがやっと分かったのだから。
「さぁ、戦真館の子らと共に戦うのだ」
影法師の言葉と共に、自分の身体が光に包まれていく。
そう、自分の本当の戦い、役割はこれから果たされるのだ。今までのは予行演習。これからが本当の戦いの始まりなのだ……。
463: 第8話 真実 2015/01/06(火) 20:49:23.05 ID:RkZ0q3dK0(8/17)調 AAS
神栖66町に宣戦布告をした四四八達は、スクィーラを主とする塩屋虻コロニーに来ていた。
町の長である朝比奈富子に対して啖呵を切った四四八は、これから本格的な戦いに備えて、コロニーのバケネズミ達に指示を出していた。
町に対して戦うことを宣言した四四八達を朝比奈富子は部下に手を出さないように命令し、四四八達は戦うことなく無事に神栖66町を
出られた。しかし戦うことを堂々と相手に伝えた以上、戦いは嫌が応でも避けられないだろう。自分達の意思で旧人類であるバケネズミの
側に立ったのだ。それ相応の覚悟をしなければならない。
コロニーのバケネズミ達は暖かく四四八達を迎え入れた。つい先日町の監視員達から助けられた恩を返したいと言って来たのだ。見た目こそ、
モンスターのそれであるバケネズミ達ではあるが、精一杯の感謝の気持ちを示され、四四八を含む、他のメンバーの顔にみ笑顔が浮かぶ。
バケネズミ達の話によれば、町の人間はこの世界で暮らすバケネズミにとって恐怖の対象でしかなく、不可解な理由でバケネズミのコロニーが
消されることも決して珍しいことではないという。
「私たチ……、ズっと怯えテ暮らしてイる……。カミサマ達の怒リに震エル毎日もう嫌ダ……! ずっと怖がっテ生きてイルのハ嫌ダ……!」
たどたどしい人間の言葉で、町に対する恐怖と怒りを吐露するスクィーラの兵士に、四四八は同情を禁じ得なかった。
町の人間達はバケネズミを何でも言うことを聞く家畜だとでも思っているのだろうか? いや、家畜どころか圧倒的に立場が上の町の人間の命令に
何の疑問も抱かないロボットだとしか思ってはいないだろう。自分達よりも遥かに非力な存在をどうしてこうまで苦しめられるのだろうか?
464: 第8話 真実 2015/01/06(火) 21:01:24.97 ID:RkZ0q3dK0(9/17)調 AAS
歴史の流れについては町で、朝比奈富子に聞いた通りであるが、だからといってこんな支配体制を許容しろと言うのは余りにも傲慢だろう。
新人類、PK能力者の子孫である神栖66町の連中のしていることは暗黒王朝時代に非能力者を奴隷にしていたサクラ王朝と大差がない。
しかも旧人類の子孫であるバケネズミ達は、祖先を醜い姿に変えられ、今日まで辛酸を舐める日々を送っている。
新人類と旧人類の争いを止める方法はこれしかなかったのか? もっと何か他に方法はなかったのか?
こんな支配体制が長きに渡る戦いの歴史に終止符を打ったというのか?
戦いを止めることができていたとしても、五百年に渡る月日を新人類への服従に費やしてきたバケネズミ達がどんな思いをしているのか町の連中は少しでも考えた
のだろうか? 若しくはバケネズミの立場に同情する人間が一人もいないのだろうか? 同情こそされはするだろうが、それは対等の存在に向けられるものではない。
所詮はか弱い動物、醜く、卑しく、土の中に暮らす動物に対しての見下した思考回路で、だ。
所詮偽善には違いないが、元の四四八達の世界では一般的な「動物愛護」的な考え方すらも連中は持っていないだろう。いや、そもそもそんな偽善すらも連中は作り出すことが
できないのだ。そうでもしなければ五百年もの間バケネズミを支配などできまい。
「人類の未来がどうとか、過去が悲惨だったとか、生き残る為の道についての講釈を垂れ流しておきながら、中身は安っぽい選民思想に毒されてるだけの勘違いした
馬鹿共だな」
四四八は町の人間に対しての感想を仲間達の前で述べる。
465: 第8話 真実 2015/01/06(火) 21:12:40.38 ID:RkZ0q3dK0(10/17)調 AAS
「まったくだぜ。今流行りの俺TUEEEEEEEってやつか? 神様気取っといてやってることは底の浅い糞餓鬼共と一緒じゃねーか」
鳴滝は露骨に町の人間達に対して嫌悪感を露にしている。現実の世界で四四八達が通う高校、千信館では不良と恐れられる鳴滝ではあるが、
芯は中々にしっかりとした男だ。
「……柊」
「ああ……」
四四八は、鳴滝と共に塩屋虻コロニーに対して視線を送る気配を察知した。
夢の中で使う「邯鄲の夢」「五常顕象」が、この世界でも普通に使えることに少々驚いたものの、塩屋虻コロニーの外にいる存在を素早く察知できたのだ。
四四八は鳴滝と共に、テントを離れ、気配のする方向に足を運んだ。
二人で森の中に入っていくと、そこには二人の男女が立っていた。
「あんた達は?」
鳴滝が二人に対して尋ねる。服装からして町の人間だろうか。共に二十代半ば程の年齢だ。
「私は渡辺早季」
「俺は朝比奈覚」
男の方は町の長である朝比奈富子と同じ苗字だが親類だろうか?
「貴方達は何故バケネズミに味方をするの?」
「決まっているだろう。町が彼等に対して何をしてきたと思う?」
渡辺早季と名乗った女が、心配そうな表情で四四八達に言葉を投げかける。
466: 2015/01/06(火) 21:12:50.06 ID:nCSRJt6E0(1)調 AAS
最近天使の囀り読んだら主人公の声がアニメ早季(26)で脳内再生されるようになった
467: 2015/01/06(火) 21:17:35.66 ID:fDEVCnP/0(1)調 AAS
そういえば全人学校にいた巨乳の子はなんだったの?
大人になるまで生き残ったのだろうか?
468: 第8話 真実 2015/01/06(火) 21:21:50.72 ID:RkZ0q3dK0(11/17)調 AAS
「今までの良好な関係を破壊したのはバケネズミだ。そんな奴等を生かしておく道理はない」
「彼等が町との関係を良好だと本気で思っているのか? 彼等がどんな思いをしながら町の支配を受けてるのかあんた等は考えたのか?」
少々苛立った様子の朝比奈覚が、反乱を起こし、町を裏切ったバケネズミが全面的に悪いかのように言う。それを聞いた四四八は
町の人間達に対する悪感情がより一層強まった。
「奴等と町とで今までは良好な関係を築いてきたんだ。それを塩屋虻の連中が滅茶苦茶にした! 罪もない町の人達を平気で殺し回ったケダモノ共に
何故味方する!?」
「いい加減にしろ! 彼等を家畜か何かだとしか思えないのか!?」
「当たり前だろう! 連中の価値など、それ以上でもそれ以下でもない」
バケネズミが全面的に悪いかのような覚の言葉に四四八は激高する。
「あいつらは俺達を神だと敬っているが、それはそうさ。俺達とバケネズミとの関係は今の社会構造の一部なんだよ。そんなことも理解できない奴が
俺達を非難する資格はない!! ここまでの歴史の流れを見れば、バケネズミ共は支配されるべき存在だってことが理解できるだろう。醜いあの連中に
同情なんかするとでも思うか? あのケダモノ共は俺達に従って始めて価値があるんだよ! お前達が思っているのは大方俺達を極悪な支配者だとでも
思ってるんだろうが、お目出度いことこの上ないな!」
「覚の言う通り。例え私達の支配を受け入れないバケネズミがいたとしても、それは社会構造を受け入れられないだけの落伍者だと思う。外来種のバケネズミ
なんかがそうね。私達町と、バケネズミの関係を単純に善と悪なんてきって捨てるなんてお門違いよ」
覚、早季はバケネズミに対して町が行う支配に疑問など抱いていない、バケネズミを支配するのが「当然」のことであり、今の社会構造の一部だと言っている。
「確かにコロニーを勝手に消すことはあるけど、そんなことをされるコロニーは単に俺達に従わなかっただけの話だ。今もこれからもこの社会構造は続いていく」
「貴様等……!」
469: 第8話 真実 2015/01/06(火) 21:23:16.91 ID:RkZ0q3dK0(12/17)調 AAS
二人の言葉をずっと聞いていた四四八であったが、我慢の臨界点に達していた。これ以上この二人がバケネズミに対する支配を正当化する言葉を紡ぎ出せば、
自分の得物である旋棍を創形し、目の前の二人の頭を粉々にしている所だ。
「オ! お待チ下さいカミさま!!」
すると草むらから一匹のバケネズミが飛び出してきた。そして覚と、早季の前に立つと、深々と頭を垂れ、跪いた。
「カミサマ! 私達は苦しんデいます!! カミサマ方の力を敬イながら生きテ参りましたが、カミサマ方は、私達ノコロニーを破壊する行イを何度もしてイます!
私達は使い捨テニされる立場にズット苦しんデきました……! 私達は弱イ……! 弱イからカミサマ方が恐ろしいノです……! こんな私達でも恐怖ハ感ジルことを
分かってくださイ……!」
涙ながらに覚達町の者達の支配に恐怖していることを訴えるバケネズミ。
鬼気迫る勢いでバケネズミの苦悩を理解して欲しいと懇願するバケネズミを覚はただ冷徹に見下ろしていた。
「……そうか。お前は反乱を起こした塩屋虻コロニーのバケネズミだな?」
「ソ、ソウデすが?」
「死ね」
その瞬間、二人の前に土下座していたバケネズミの身体が勢いよく燃え出した。
「ギャァァァァァァアアアア!!!!?? ガミザマ!? カミサマァァァァァアアアア!!!」
激しい炎で燃える中、バケネズミは絶叫すると、その場に倒れ、絶命した。
「反乱を起こしたお前達なら、自分が何をされるか分かっているな? 恐怖を感じる? なら結構だ。自分のしでかした過ちを……」
470: 2015/01/06(火) 21:23:59.46 ID:Y1BIfNUZ0(1)調 AAS
速やかにNGへ
471: 第8話 真実 2015/01/06(火) 21:28:34.75 ID:RkZ0q3dK0(13/17)調 AAS
「おい」
「な、何をする!?」
覚が次の言葉を言おうとした瞬間、鳴滝が覚の目の前に立ち、覚の胸倉を掴んでいた。
「は、離せ!」
「……」
「おい! 離せよ!!」
「……かましい」
「何?」
「べらべらと喧しいんだよ!! 神気取りの糞餓鬼があ!!!!!」
「がべぇ!?」
鳴滝の豪拳が、覚の顔面を思い切り抉り、覚は後方十メートルまで身体が吹き飛んだ。
「さ、覚!?」
「が、がべ……、ぎべ……」
地面に倒れ、顔面を陥没させた覚が呻き声を上げている。
「柊、このコロニーに来てんのはこの二人だけじゃないみてぇだ」
「ああ」
幾らなんでもこの二人だけでこの塩屋虻コロニーを襲うわけがないと思っていた四四八は、森の周囲に複数の人間が潜んでいることを察知する。
「よし……、戦いの開始だ」
四四八は、鳴滝と共に足早にコロニーに戻っていった。
472: 第8話 真実 2015/01/06(火) 21:29:07.83 ID:RkZ0q3dK0(14/17)調 AAS
四四八は鳴滝と共に大急ぎで塩屋虻コロニーに急行する。
「柊、あれを見ろ!」
「もう始まってるのか……!」
森から僅かに見える塩屋虻コロニーの家屋から火の手が上がっている。
「くそ……!」
悪い予感は見事なまでに的中した。幾らなんでも先程の二人だけでコロニーに来るなどありえるわけがない。
正々堂々と町に宣戦布告したのだ。いつ来てもおかしい状況ではなかった。
コロニー中の家屋が炎上し、バケネズミ達は悲鳴を上げながら逃げまとう。姿形こそ人間とは遠くかけ離れてはいる
ものの、呪力者、ひいては町の人間達に対するこの上ない程の恐怖の感情が四四八にも痛い程に伝わってくる。
数百年もの間このような仕打ちを受け続けていたのか。こんな行いを続けていれば反乱が起こるなど馬鹿でも分かるはずだ。
それに対して町の長である朝比奈富子は「恨まれる筋合いなどない」と吐き捨てた。
「笑わせるなよ……!」
僅かに歯軋りをしながら、神栖66町の者達に対する怒りを露にする四四八。
「行くぞ鳴滝!!」
「応!!」
鳴滝が返事をするのと同時に四四八は大地を穿つ勢いで地面を蹴り、迅雷の速度でバケネズミ達を焼き殺し回る監視員の背後に迫る。
戟法の迅により、通常の何倍ものスピードで間合いを詰めて肉薄する。そして自身の得物である旋棍を創形すると、素早く監視員の
背中目掛けて渾身の一撃を叩き込んだ。
「ぎばぁ!?」
473: 第8話 真実 2015/01/06(火) 21:36:31.39 ID:RkZ0q3dK0(15/17)調 AAS
トンファーの一撃は、監視員の脊髄を粉々に砕くと同時に、その身体を炎上する家屋の中に入る形で吹き飛す。
電光石火の迅さで監視員一人を仕留めた四四八。以前と比較すれば確実に力が上がっている。
「これも戦真館で学んだ成果か……」
四四八は自分の成長を確認すると、監視員を殲滅すべくコロニー中を駆け回る。
他の仲間達も恐らく監視員達と戦闘を繰り広げている筈だ。
監視員数人が四四八に気づいたようだ。
「やれ、あいつだ!」
その声と同時に、崩れ落ちたコロニーの建物の瓦礫を浮かせたかと思うと、それらはミサイルの如き速さで四四八目掛けて飛来してきた。
「ちぃ!」
四四八は創法の形を使い、素早く自身の眼前に透明な壁を作り出す。
そして間髪入れずに横に飛ぶと、監視員達目掛けて肉薄する。
「させるか!」
監視員の一人が叫ぶと、四四八の身体に謎の衝撃が走る。
「ぐ!?」
体勢が崩れ、地面に転倒するも直ぐに身体を立て直すと、咒法の散と、戟法の剛を複合させた、旋棍の一撃を監視員達に放つ。
「がぁぁ!!??」
474: 第9話 呉越同舟 2015/01/06(火) 21:37:13.15 ID:RkZ0q3dK0(16/17)調 AAS
マズルフラッシュを光らせた衝撃波により、監視員達は勢いよく吹き飛んだ。
「これが呪力か……」
町長である朝比奈富子や塩屋虻コロニーのバケネズミ達から聞いた呪力。一種の念動力にも見えるが、物体を燃やしたり、バケネズミの身体を破裂させたり、
地形を容易に変えたりと、幅広い応用が利く力のようだ。
ここに来るまでの過程で地面には呪力によって身体が破裂し、至る所に内臓を散乱させたバケネズミの死体が大量にあった。確かに何の能力も持たないバケネズミ
から見れば正しく神のような力だ。
「どんなに凄まじい力だとしても、使い手がロクデナシだとどうしようもないないな……」
そう、如何に神の如き強大無比の能力でも、使い方次第で最悪の怪物を生み出しかねない。
人間にホイホイと強力な力を与えれば碌な結果にならないことなど目に見えている。
「そうだ、他の皆を探さないと」
呪力を使用し、その力でバケネズミに神を崇めさせる町の者達の未熟さに呆れつつ、四四八は仲間を探しにコロニーを奔走する。
足を進めると、コロニーの会議場に辿り着く。
「いたぞ! あそこだ!」
会議場の下には十名近い監視員達が待ち構えていた。
「ちっ! 流石にまずいか!?」
只でさえ強力な呪力使いが十名近くもいるのだ、四四八はすかさず右横の家屋に身を隠す。
475: 第9話 呉越同舟 2015/01/06(火) 21:41:05.45 ID:RkZ0q3dK0(17/17)調 AAS
と、その瞬間身を隠していた家屋が崩れ落ち、その瓦礫が空中に舞い上がった。
「喰らえ!」
大量の木と石で構成されたミサイルが恐るべきスピードで四四八に降り注ぐ。
四四八も戟法の迅を応用し、素早くかわし続ける。
休む間もなくそれは続き、振ってくる木材やコンクリートはさながら絨毯爆撃を思わせた。
「ぐ!?」
振ってくる落下物を避け続ける四四八の身体に衝撃が走る。先程受けたモノと同じ攻撃だろう。文字通り全身がハンマーで殴られたような衝撃に襲われ、必然的に動きが鈍り、止まる。
「動け! 俺の身体!!」
四四八は自身に活をを入れると、間髪入れずに降り注ぐ攻撃を紙一重でよける。
空をよく見ると、空中に舞い上がっている木や石、コンクリートの量が数倍になっているではないか。
複数人の呪力者がいるのだ。飛び道具を増やすこと位はするだろう。
飛び道具だけでなく、身体に受ける謎の衝撃という波状攻撃に晒される四四八。
「近づこうにも、この状況では……!」
四四八が、改めて呪力の強大さを認識すると同時に、数名の監視員の脳天が破裂する。
「ぐばぁ!?」
「な! 何だ!?」
監視員達も突然のことに気が動転し、一瞬の隙が生まれる。
476: 第9話 呉越同舟 2015/01/07(水) 00:38:15.66 ID:SBD9WNFv0(1/12)調 AAS
「喰らえ!!」
四四八は右手を突き出し、咒法の射を使ったエネルギー弾を数十発放った。
「がぁぁぁ!!!???」
放ったエネルギー弾は、監視員達の身体を穿ち、コロニーの会議場の壁を穴だらけにする。
エネルギー弾をまともに受けた監視員達は、バラバラの肉塊となり、惨殺されたような無惨な死骸になっていた。
ようやく監視員全員を倒すことに成功した。監視員達の呪力によって舞い上げられた多数の瓦礫が、術者が死んだ影響からか、
地上に落下してくる。
「今の攻撃は……」
「あたしだよ! 四四八くん!」
「歩美!」
歩美だけではなかった。世良、栄光、我堂、鳴滝、晶も全員一緒だ。
「お前達、無事だったか!」
「うん、とりあえず生き残ったバケネズミさん達は一通り避難させておいたから」
「とうとう始まっちゃったね四四八くん……」
「ああ、だがこれは俺達全員が望んだ戦いだ」
呪力という力は実に強大かつ、変幻自在、千変万化だ。一言で呪力といってもその奥深さと応用の広さは正しく驚異としか言い様がない。単なる
力押し一辺倒の超能力とはワケが違う。そしてそれ故に惜しかった。如何に本当の神の如き力だとしても、町の連中は非力なバケネズミ達を支配する
目的で使っていることに。崇高な理念や目的、信念で使っているのではない。ただひたすらに自分達が支配する側でいたいのだ。呪力は自分達が神
でいる為の力だと言わんばかりに。
477: 第9話 呉越同舟 2015/01/07(水) 00:38:41.94 ID:SBD9WNFv0(2/12)調 AAS
「結局あいつらのしてることは弱いもの苛めじゃない。こんな低レベルのことしててプライドはあるのかしら」
「想像力の足りない人間が、強い力を持てばどうなるかという見本だな……」
巨大過ぎる力は人間の思考を狂わせる。千年前に人間の中に生まれた呪力によって全てが狂いだしたのだ。生まれながらに大きな力を持って生まれて
くるのは、メリットばかりではない。それ相応にデメリットも付いてまわる。人間が手にするには余りに強すぎる呪力という病に冒されている神栖66町。
彼等は決して旧人類であるバケネズミとは交わらないだろう。
「貴方達、自分達が何をしているのか理解してるの……!?」
「誰だ!?」
四四八が、声の方向に目を向けると、森から出てきた二人の男女がいた。先程の渡辺早季と、朝比奈覚だ。
「今の社会が平和なのは私達呪力者がバケネズミを管理してるからよ! その平和な社会を壊そうとするなんて気は確か!?」
「そうだ! お前達はケダモノの肩を持つのか!?」
バケネズミの味方をした四四八達に対して罵声を浴びせる二人。
「お前らなぁ! バケネズミが何で反乱起こしたのか知っているのかよ!!」
晶が二人に喰って掛かる。
「まさかお前達、バケネズミを人間と同じだとでも思ってるのか? あんな醜いケダモノが俺達と同じに見えるとでも?」
「人間とは程遠くても、感情や理性があんだよ! お前達に支配されてるのが、どんだけあいつらを苦しませてるのか理解してんのか!?」
「先に良好な関係を裏切った連中だ。反乱で町の人達が死んでいるんだぞ!! こんなことをしておいて被害者面だと? いい加減にしろ!!」
晶と覚はお互いに頭に血が昇った状態だ。
478: 第9話 呉越同舟 2015/01/07(水) 00:46:56.19 ID:SBD9WNFv0(3/12)調 AAS
「何を言おうと先に反乱を起こしたのはバケネズミだろうが!! こいつらのせいで死んだ町の人達に謝れ!!」
「そうよ、どんな理由であれ、バケネズミが反乱を起こしたことによって町の人達が死んだことに変わりない。あんなことをしておいて
バケネズミに正義があるとでも?」
喚き散らす覚と、反乱を起こしたバケネズミを一方的に悪だと糾弾する早季。
「いい加減にしろよお前等……!」
晶が二人に近づき、覚の胸倉を掴む。
「いい加減にするのはお前達だ! まだ俺の言うことが理解できないのか!?」
「……晶、よせ。こいつらに何を言っても無駄だ」
「けど四四八!!」
四四八はこうもバケネズミ側の事情など一切合切無視し、一方的に自分達が被害者だと言ってのける町の人間達の救いのなさに
内心甚だ憤っていた。爆発寸前のマグマが自分の体内で燻っているような感覚になる。
朝比奈富子から聞いた千年にもわたる争いの歴史は終わり、スクィーラの生きる時代は平和なのだが、その平和の裏ではバケネズミ達が
理不尽な仕打ちを受けながら暮らしているのだ。所詮呪力を持つ者と、持たない者との差と言ってしまえばそれまでだが、歩み寄る人間の
一人や二人すらもいないとは救いようがなかった。
これも一つの社会の形なのだろう。しかし四四八自身、目の前で苦しむバケネズミ達を「社会の形」という一言で見殺しにするなど、自分の
理念、ひいては千信館の理念に反する行いだ。「仁義八行」、この四文字は四四八自身のポリシーであり、誇りとしている考えだ。四四八から
見れば町の行う支配体制は到底見過ごすことのできないものだった。
479: 第9話 呉越同舟 2015/01/07(水) 01:00:46.32 ID:SBD9WNFv0(4/12)調 AAS
四四八は、晶を下がらせ、覚と早季の二人に近づく。
「もう一度問おう、本当にバケネズミと歩み寄る気はないんだな? 今回の反乱はバケネズミだけに責任があると?」
「当たり前だ! 連中が行った非道は許せない!! 信頼を裏切ったケダモノ共!!」
「そうよ、私達は平和に暮らしていたのに、それをバケネズミが!」
「……もういい、黙れ」
四四八は最早この二人の言葉は一言として聞きたくなかった。
「何か言ったか!?」
「何よ?」
「黙れよ貴様等ァ!!!!!!!!!!」
怒髪天を突いた四四八は、二人の顔面に鉄拳を叩き込む!
「ぐべぇ!?」
「ぎゃ!?」
二人は、四四八の拳をモロに受け、口から折れた歯を吐き出しながら、森の木に叩きつけられた。
「もういい、分かった。お前達に期待した俺が愚かだったみたいだ。そこまで言うのならお前達の町と戦ってやる!!!!」
そう四四八が言うと同時に「ソレ」は聞こえてきた。
480(1): 2015/01/07(水) 01:09:39.26 ID:gydD027+0(1)調 AAS
なんぞこれ
481: 2015/01/07(水) 01:15:00.20 ID:uC9dQoqs0(1)調 AAS
>>480
NGして無視してください
482: 2015/01/07(水) 01:58:14.77 ID:kLiNarJS0(1/2)調 AAS
なんでこいつ
誰も読まない糞ゴミ文章貼り付け続けるんだろう
迷惑行為だからやめて欲しい
中二病の書いたゴミ作文なんて絶対に読む訳ないだろ
483(1): 2015/01/07(水) 05:30:46.93 ID:tJwU5i1mO携(1)調 AAS
人がいない時は書き込まないで人が戻ってきた時に連投するんだから迷惑極まりないな
Pixivにでも投稿してろよ
484: 2015/01/07(水) 06:42:32.72 ID:6Z1avha00(1)調 AAS
こんな下手くそなSS(笑)をpixivに投稿したらブクマ数や点数といった目に見える形でボロクソに評価されるからそれが怖いんだろw
でも一丁前に自己顕示欲は満たしたいから構ってもらうためにここに書き込んでいるんだろうな
485: 2015/01/07(水) 07:40:06.17 ID:GjM1ZtSp0(1)調 AAS
稚拙な小説だなおい。俺の中学時代を思い出すわwww
こりゃ将来黒歴史決定だな
486: 2015/01/07(水) 10:22:04.06 ID:rC+B7M+j0(1)調 AAS
前回連続投稿した時一端の作家気取りで感想を求めてたな
487: 2015/01/07(水) 12:26:34.45 ID:U34lRD/B0(1)調 AAS
「喰らえ!」
488: 2015/01/07(水) 18:10:42.35 ID:kLiNarJS0(2/2)調 AAS
>>483
>>439の話とか面白そうだと思ったのに
この糞ゴミがウンコ文章貼り付けたせいで話が途切れたよな
せっかく話が盛り上がってるとこにウンコ垂れ流して行く糞中二作文ゴミ虫は死ねよ
489: :第9話 呉越同舟 2015/01/07(水) 20:28:32.19 ID:SBD9WNFv0(5/12)調 AAS
「ふっ、どうやら案の定、お前達も連中と戦うことになったようだ」
「あぁ……、こういうのを呉越同舟って言うんだっけセージ? 敵対していた者達が共通の敵の為に団結するって、使い古されたパターンだけど、
こういうのは所謂王道って言うんだろうねぇ……」
聞き覚えがある、忘れはしない、忘れるわけがない。地の底から響き渡る幽鬼を思わせるこの声を、この世の不協和音を全て合わせたかのような
耳障りなこの声を。
およそ血の通った人間には到底出せないであろうこの声の主を四四八、並びに他の仲間達もよく知っているであろう声だ。
そう、第四層起きたあの出来事を生み出した張本人、そして四四八の母である恵理子をその手で殺した男……。
「柊聖十郎……!!」
「久しぶりだな、四四八……」
目の前にその男が現れた。自分の妻であり、四四八の母恵理子を何の躊躇もなく虫でも潰すかのような気軽さで、その命を奪い取った男。
それと同時に現実の世界では天才学徒として世に知られた存在でもあるこの男こそ、夢界六勢力の一角、逆十字の首領柊聖十郎だ。
「何をしにきた貴様……!」
四四八は、燃え盛る憎悪と憤怒に満ちているであろう眼差しを、柊聖十郎に向けていた。
490: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/07(水) 20:29:20.22 ID:SBD9WNFv0(6/12)調 AAS
「やあ、水希。君と肩を並べて戦えるなんて僕は何て幸せ者なんだろうか。これは何よりも『彼』が望んでいたことなんだよ?」
「神野ぉ……!」
世良も四四八と同じく今この瞬間にも暴発しそうな勢いで神野明影を憤怒に彩られた双眸で睨んでいる。
四四八等、戦真館のメンバーにとっては正真正銘不倶戴天の敵である柊聖十郎と神野明影。この二人が四四八達に持ちかけてきたのは
『共闘』だった。
「僕等にとっての共通の敵、即ち神栖66町を夢界にいる全勢力で叩き潰すのが僕の主のお望みさ。町の連中を潰さないと色々と面倒な
ことになるからねぇ。神栖66町、ひいてはこの時代に存在する呪力者の存在は絶対に無視できないんだよ。僕とセージだけじゃなくて、
君達にとっても最悪の事態を招きかねないんだ」
神野明影は以前のような嘲笑的な道化師の雰囲気を控えめにして、四四八達に今回の事態の説明をした。
「だからといってお前達と組めと言うのか……?」
「言ってるじゃないか。肩組んで団結しなきゃ勝てる相手じゃないって」
逆十字、べんぼうの両勢力と同盟をするということは今までにされてきたことを一時的であるが、水に流すという意味でもあった。
簡単に同盟とは言うが、そう易々と受け入れることのできる四四八達ではなかった。確かに町の連中の行ってきた非道の数々を目の当たり
にしたのは事実だ。確かに町は強大な呪力者の集まりではあるものの、それでも戦真館メンバーだけで立ち向かうのは不可能ではないと四四八
は思っていた。
「そう簡単に納得できるかよ!」
晶が神野に食って掛かる。
「それは俺も同じことだ。お前等のような凡愚共と同盟を組まされる身にもなってみろ。だが俺の道具として利用してやる分には
それもいいと思っている。精々俺の役に立ってみるがいい」
「セージ、今回は戦いに来たんじゃないよ。彼等を煽るような真似は逆効果だと思うけどねぇ」
491: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/07(水) 20:29:48.29 ID:SBD9WNFv0(7/12)調 AAS
「やあ、水希。君と肩を並べて戦えるなんて僕は何て幸せ者なんだろうか。これは何よりも『彼』が望んでいたことなんだよ?」
「神野ぉ……!」
世良も四四八と同じく今この瞬間にも暴発しそうな勢いで神野明影を憤怒に彩られた双眸で睨んでいる。
四四八等、戦真館のメンバーにとっては正真正銘不倶戴天の敵である柊聖十郎と神野明影。この二人が四四八達に持ちかけてきたのは
『共闘』だった。
「僕等にとっての共通の敵、即ち神栖66町を夢界にいる全勢力で叩き潰すのが僕の主のお望みさ。町の連中を潰さないと色々と面倒な
ことになるからねぇ。神栖66町、ひいてはこの時代に存在する呪力者の存在は絶対に無視できないんだよ。僕とセージだけじゃなくて、
君達にとっても最悪の事態を招きかねないんだ」
神野明影は以前のような嘲笑的な道化師の雰囲気を控えめにして、四四八達に今回の事態の説明をした。
「だからといってお前達と組めと言うのか……?」
「言ってるじゃないか。肩組んで団結しなきゃ勝てる相手じゃないって」
逆十字、べんぼうの両勢力と同盟をするということは今までにされてきたことを一時的であるが、水に流すという意味でもあった。
簡単に同盟とは言うが、そう易々と受け入れることのできる四四八達ではなかった。確かに町の連中の行ってきた非道の数々を目の当たり
にしたのは事実だ。確かに町は強大な呪力者の集まりではあるものの、それでも戦真館メンバーだけで立ち向かうのは不可能ではないと四四八
は思っていた。
「そう簡単に納得できるかよ!」
晶が神野に食って掛かる。
「それは俺も同じことだ。お前等のような凡愚共と同盟を組まされる身にもなってみろ。だが俺の道具として利用してやる分には
それもいいと思っている。精々俺の役に立ってみるがいい」
「セージ、今回は戦いに来たんじゃないよ。彼等を煽るような真似は逆効果だと思うけどねぇ」
492: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/07(水) 20:58:44.17 ID:SBD9WNFv0(8/12)調 AAS
スクィーラは、気がつくと自身のコロニーである塩屋虻の入り口に立っていた。あの影法師の言っていたスクィーラに課せられた使命。
それを果たさなければならない時が来たのだ。そう、今度こそ本当の最後の戦いになるだろう。スクィーラは塩屋虻コロニーの中に入って
いった。
コロニーの中に入ったスクィーラの目には建物は破壊され、地面にはコロニーに住むバケネズミ達の姿が飛び込んでくる。
反乱を起こした代償、今の目の前の惨状はこの一言が全てを現していた。初めてミノシロモドキから真実を聞かされた時の衝撃は今でも
覚えている。あの時は数日間も放心状態に陥ってしまった。そして次の一ヶ月の間は自分の今の姿と祖先達のこと、今の社会構造についての疑問
と、自分達の現在の立場について大いに苦悩した。
放心、苦悩、疑問、憤り、憎悪、やるせなさ、その他諸々のマイナス感情に支配されてしまったのだ。自分の配下のバケネズミ達も似たような
心境だっただろう。
今のバケネズミ達の立場を考えてみれば、ミノシロモドキに記録されていた残酷な真実は到底受け入れ難いものだったのは確かだ。
しかしやがてその真実をスクィーラは受け入れた。幾ら悩んだ所で、悲しんだ所で今の自分達の立場がひっくり返るわけではない。
この真実を町に伝えた所で分かってもらえるのだろうか? 今思えば四回目で町に直訴に行くなど自分からすれば考えられないことだった。
自分の性格を考えれば自己犠牲などするわけがない。
スクィーラは自分の汚さを十分に理解していた。コロニーを生き残らせ、発展させる為であればそれこそどんな汚い手段も取ってきた。
利用できるものはとことん利用する。ミノシロモドキの真実を知った後も更に非道とも呼べる行いに手を染める。
自分を産んだ母の脳を手術し、生ける屍に変えたこと。町の人間達に立ち向かう為に救世主、悪鬼の子供を育て上げたりもした。数千の部下達を
使い捨てにした。町から赤子を攫い、第二第三の悪鬼にしようとした。今更後悔などはしない、するわけがない。
全ては自分達の立場を変える為に行ったことだ。こうでもしなければ町の連中に勝利することなど到底不可能だったから。
しかしそのような汚い手段を用いても、結果は町に敗れた。敗れたスクィーラは裁判にかけられ、傍聴席の町民達の嘲笑と罵倒を一身に受け、
無限地獄の刑にかけられた。
493: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/07(水) 21:22:20.69 ID:SBD9WNFv0(9/12)調 AAS
自分のことを理解しているように見えた渡辺早季だとて、大雀蜂の傘下のコロニーを生き残らせたものの、町の人間達が行うバケネズミに対する
非道な仕打ちの数々を見てみぬふりを続け、塩屋虻の生き残りが反乱をすれば、日本中のバケネズミのコロニーを殲滅しろという町民の声を
受け入れ、それを実行した。
渡辺早季という女は偽善者そのものだ。反乱を起こさざるをえなかったバケネズミの立場を都合よく無視して町の人間を攻撃した行為だけを
責め続けたのだから。自分の住んでいる町がバケネズミに対してどのような仕打ちや支配を行ってきたのかをまるで見ていない。
そうでなければ檻の中にいたスクィーラに謝罪を要求などできまい。バケネズミ達の受ける苦しみなど結局の所どうでもいいのだ。
それはそうだろう、余りにも人間とはかけ離れすぎた自分達バケネズミなど家畜程度の見方しかしていまい。
共存? 和解? 歩み寄る? そんなことなど絶対に不可能だ。
旧人類はバケネズミに改造され、新人類が支配者となったことは大いに疑問が残る。そもそも旧人類が新人類を終始苦しめ、支配していたのとは
違う筈だ。暗黒時代の神聖サクラ王朝は呪力者が非能力者を支配する国であったし、呪力を使って略奪や虐殺を行う輩も多数存在していた。
にも関わらず、新人類同士は「攻撃抑制」と「愧死機構」により殺し合いはできないのに、旧人類はバケネズミという人間とはかけ離れた姿に
変えられ、新人類は改造された旧人類を一方的に殺せるということ自体がおかしい。
傍から見ても余りに新人類側に有利な計画だ。
過ぎたことを悔やんでも仕方のないことだが、旧人類をバケネズミに改造した科学技術集団を見つけたら、肉片も残さずにこの世から消し去りたい
気分になる。
「覚悟しろ神栖66町……。これが、これが最後の戦いだ……!」
494: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/07(水) 22:11:49.46 ID:SBD9WNFv0(10/12)調 AAS
スクィーラは破壊された町の中を歩みながら改めて固く決意する。
「待っていたぞスクィーラ、盧生に近い者よ」
聞き覚えのある声がした。スクィーラは声の方角に向けて歩みを速めると、そこには見知った顔がいた。
「貴方は……」
「久しぶりだな。こうしてまた会えるのは嬉しいぞ」
スクィーラを待っていた人間は甘粕だけではなかった。戦真館の面々、神野明影、柊聖十郎、神祇省の壇狩摩、貴族院辰宮の辰宮百合香までいた。
「久しぶりじゃのう、スクィーラ。この戦いにはわしも参加させてもらうでよ」
壇狩摩が蜥蜴のような目を細めながら言う。
戦真館に入学して以降、数回程顔を合わせたことがある。その時に狩摩の配下である鬼面衆と手合わせして勝利を収めた。
「貴方も変わりなようですね狩摩様」
「お前、随分と様変わりしたのぉ。最初にお前の姿を見た時にはてっきり廃神(タタリ)の類かと思ったわ」
壇狩摩と顔を合わせた時には人間の姿だったので、今のこの姿に驚かれるのは無理もないだろう。
「お久しぶりですね、塩屋……いえ、スクィーラ殿」
「相変わらずのようですね。辰宮様も」
495(1): 2015/01/07(水) 23:25:04.35 ID:POb3k11i0(1)調 AAS
クロスアンジュでエンブリオがドヴォルザークの家路を鼻歌で歌ってた
496: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/07(水) 23:34:02.84 ID:SBD9WNFv0(11/12)調 AAS
貴族院辰宮家の令嬢、辰宮百合香が、スクィーラに笑顔を向けて軽く会釈をする。
百合香と、その執事である幽雫宗冬には初めて顔を合わせた際に本当の姿を見せている。
「スクィーラ! 無事だったのか!?」
「塩屋くん!」
「塩屋!」
戦真館のメンバーがスクィーラに駆け寄る。
「皆さん……、急にいなくなって申し訳ありません」
「気にするな、お前にはお前の事情があるんだろう」
「柊様……」
スクィーラは、自分の瞳を真っ直ぐと見据える四四八の眼差しは、スクィーラを家畜の類として見下している神栖66町の者達とは明らかに
違うものだった。対等な存在に向ける視線であり、しっかりと相手を見ている目だ。
町の人間達の中に四四八達戦真館のメンバーのような者がせめて一人でもいてくれたら……。
497: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/07(水) 23:39:50.77 ID:SBD9WNFv0(12/12)調 AAS
「スクィーラよ、これより我等の世界の命運を掛けた決戦を行う。遠慮は無用だ、町の連中に情けは無用だ。生き残る為に知恵を絞っていても、自分達が支配者で
あるという愉悦に浸りたいのだ。自分達の祖先と同じ過ちを繰り返していることに気付かないとは救いようがない」
「連中が自分達の過去の行いに真摯に向き合えると思うか? そんなことなど不可能だろう。連中はひたすらに自分達こそが神という崇高な存在
だと思い込んでいるだけよ。呪力という力に「胡坐をかき」、呪力を振りかざして思う存分にバケネズミを支配し、蹂躙する。こんなことを
していて町の未来や日本の未来など語る資格などあると思うか?」
「未来を語るならば自分達の過去の行いを振り返り、自分達の落ち度を反省してその上で未来に繋げるべきだろう。所詮は支配することでしかバケネズミと
の関係を持てない分際で未来を容易く語るとは片腹痛いわ。自分達のしてきたツケがそのまま返ってきている至極単純な道理も解せない阿呆共が君臨する未来な
ど微塵の価値すらもない」
甘粕は熱の篭った弁舌を振るう。神栖66町はバケネズミの受ける苦しみも、反乱をするまでに彼等を追い込んでしまったという事実もまるで理解していないのだ。
そう、ここからが本当の戦い、スクィーラにとっての最後の戦いが始まるのだ……。
498: 2015/01/08(木) 03:21:56.56 ID:RcGXwBRU0(1)調 AAS
まーた頭の悪いゴミクズが糞みたいな低学歴が書いたゴミ文章貼り付けてやがる
ゴミを貼り付けるな
誰も読まねえよ
死ね
499: 2015/01/08(木) 20:35:59.40 ID:P0n18luS0(1)調 AAS
今更だけど見た
面白かったね
何か久しぶりにこういうアニメを見た気がする
まあ原作が原作だからあれだが
子供が管理された世界や大人を相手に戦ったり真実を追い求める話かと思ってた
二周目が楽しめる作品て感じがした
500(2): 2015/01/08(木) 22:34:14.56 ID:LL/noikK0(1)調 AAS
今夜のABCビーバップハイヒールは「サル学」ボノボのコミニュケーション等を紹介
501: 2015/01/08(木) 22:50:09.31 ID:sqyhyc6A0(1)調 AAS
>>495
今までも新世界よりと似た設定が出てきたが、
わざわざあの回で唐突に「家路」を出してきた辺り本当に新世界よりオマージュなんだと思った
502: 2015/01/09(金) 01:32:34.60 ID:WvMc9HF30(1)調 AAS
>>500
ボノボの交尾映像すごかったなw
早季と真理亜はホカホカだったのか
503: 2015/01/09(金) 01:55:49.50 ID:A7mtpHmR0(1)調 AAS
>>500
見逃したわ
再放送あるかな
504(2): 2015/01/10(土) 10:56:41.11 ID:Kit+GndO0(1)調 AAS
早季と真理亜のボノボ←きれい
瞬と覚のボノボ←きたない
なぜなのか
505: 2015/01/11(日) 01:03:57.36 ID:+nesVj0+0(1)調 AAS
>>504
おぬしが男だからじゃ
506(1): 2015/01/11(日) 01:07:53.58 ID:bbBsjsvH0(1/3)調 AAS
>>504
何を見てたんだ
めちゃくちゃ綺麗だったろ
507: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/11(日) 01:10:53.72 ID:hZpdzw6w0(1/5)調 AAS
それは異様な光景だった。暗く、冷たく、およそあらゆる温かみという要素を全部纏めて取り払ったこの室内では、一人の少女の絶叫が響き渡っていた。しかしその程度で
あれば異様という言葉で表現するには足りないような気もするが、叫び声を上げる少女の姿は最早少女などというカテゴリーに当て嵌まらないものだった。
雪を思わせる白く美しい肌だった肢体には、グロテスクな膿だらけになり、しかもその膿からは蛆を思わせるおぞましい生物がポトポトと生み出されていた。
いや、それだけではない。少女の肢体中に広がる膿は、生きているかのように律動を繰り返し、膿の幅が広がったり狭まったりしていて安定していなかった。
そもそも膿自体は生き物ではない。ましてや膿から蛆が生まれるなど普通では考えられないことだ。
しかし膿が生きているかのように動くだけであれば、まだ救いがあった。
少女の両手両足の骨は粉レベルまで砕かれており、手足を軟体動物のようにくねらせる。口からは血とも反吐ともつかない液体が絶えずはきだしていた。
しかしそれらの事象ですらも、少女が苦しんでいる原因に比較すればどうということはない。
何らかの生き物の赤子を思わせる生物が十匹以上も床を這いずり回っている。その生物はどこから来たのか?
答えは明確だった。少女が自分の股から、この生物を産まされて(・・・・・)いるのだ。
床を這いずり回る生物は、イザナギとイザナミとの間に生まれた蛭子。いや、それ以上におぞましく、異次元に棲む生命体を思わせた。
このような生き物が自分の腹から生まれてくるという事実に耐えられる人間の女など存在しないだろう。
更に言えばこの生き物を産む時に伴う激痛は人間のそれを軽く凌駕していた。出産に伴う激痛や苦しみなど、これに比べれば針が刺さった程度なのだから。
そんな出産を十回以上繰り返しても尚、自分をこんな目に遭わせている存在に対する怒りの感情が消えないのは正しく驚嘆に値する精神力だった。
508: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/11(日) 01:17:13.65 ID:hZpdzw6w0(2/5)調 AAS
苦しむ自分の姿を見ながら、あざ笑う者達に憤怒の炎が燃え盛る眼光を向けるこの少女こそが、夢界六勢力の一角、鋼牙の首魁であるキーラ・ゲオルギエヴナ・グルジェワなのだ。
自分の率いる部下達と、バケネズミ達を連れて、神栖66町に最初に殴りこんだキーラであったが、町が誇る最強の呪力者鏑木肆星と、最高の呪力者日野光風の二人によってあえなく敗れた。
そして囚われたキーラは、呪力による拷問を受け続けていたのだ。
「貴様等ァァァ!! 許さんぞぉ!!!!」
「ほう、まだそんな口が聞けるのか」
神栖66町の拷問官は、憤怒の形相で吼えるキーラを見ながら口元を歪める。
「バケネズミに組し、町を攻撃した不届き者が! 町民を殺した貴様にはまだまだ地獄をその身で味あわせてやるぞ」
「ギャァァァァアアア!!!!????」
拷問官がそう言うと、キーラの身体が大きく歪み始める。さながら水飴か粘土の如く形状は目まぐるしく変わっていく。しかしこんなことをされても尚死ぬことのない
キーラの生命力は文字通り脅威的でもある。
しかし持ち前の生命力がかえって苦しみを長引かせているという皮肉な結果となってしまった。
「穢れたバケネズミなど我等の道具、家畜に過ぎん! 何なら貴様もバケネズミと同じにしてやろうか!!」
「ぐぁぁぁ!!!?? ギャアアアア!!!!???」
拷問されるキーラの様子を、町の長の朝比奈富子、渡辺早季、朝比奈覚が見守っていた。
早季と覚は、四四八に殴り飛ばされて気絶していたが、目を覚ますと、スクィーラ達に気付かれないようにその場を離れたのだ。
509: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/11(日) 01:20:47.30 ID:hZpdzw6w0(3/5)調 AAS
あれから丸五日。戦真館の面々の宣戦布告を受けた神栖66町は戦いの準備に余念がなかった。拷問を受けるキーラは、十日前にバケネズミと連合を組んで
町に戦いを挑んできたのだ。五十名の町民が犠牲になったものの、戦いの末にキーラ率いる軍と、バケネズミは破れ、敗軍の将であるキーラは囚われの身となったのだ。
「貴方がバケネズミと一緒に戦いを仕掛けてきたせいで町の人達が死んだ! 今謝ればこの拷問から解放してあげるのに……」
「卑劣なバケネズミ達に組して、町の人達が死んだんだぞ! 自分が何をしたか分かっているのか!」
早季と覚はバケネズミ達がどのような経緯で反乱を起こしたのかなど眼中にない。町の人間達が反乱によって死亡したことにだけ執着していた。
主従関係になったバケネズミの裏切りが許せないのだろう。少なくともバケネズミ達がどのような心境で町の人間達に従っていたのかなど興味はない。
バケネズミとの関係はすべからく「良好」であるから。その信頼関係を踏み躙ったバケネズミ達の言い分など一切聞く気などなかった。ただひたす
らに町を攻撃したバケネズミに対する怒りの感情しかなかったのだ。
これが神栖66町に生きる呪力者として常識の考えなのだ。自分達の気分を損ねただけで、意に沿わなかっただけで平然とコロニーごとバケ
ネズミ達を抹殺する。まるで虫でも踏み潰すかのような気軽さで。最初からバケネズミがどんな気持ちで支配を受けているのかなどどうでもいい。
自分達呪力者を敬い、従うことが「普通」であり「常識」。
「家畜」「道具」が主人に逆らうようなことなど認めるわけがないから。「家畜」「道具」の都合など知る由もないから。
「家畜」「道具」は主に従うことが普通だから。
町民はまさしく神であり、バケネズミ達はそれを敬う卑しい存在。千年後の未来においてはこの思想は常識的なものだから。
が、そんな町民をあざけ嗤う来訪者が今、この尋問室に来たのだ。
部屋の片隅から糞尿があふれ出して来る。比喩や誇張などではない、正真正銘本物の糞尿だ。
510: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/11(日) 01:25:51.30 ID:hZpdzw6w0(4/5)調 AAS
「何? この臭いは……?」
鼻腔を突くような臭気を持つ糞尿の存在に最初に気付いたのは朝比奈富子だった。
目の前で行われているキーラの拷問に気を取られ、数分程気付くのが遅れた。
富子に続いて覚、早季、拷問官もこの部屋全体に漂う臭気に気付き、事態の異常さを察知した。
そして糞尿は天井、壁からも湧き水のように溢れ出してくる。
「Sancta Maria ora pro nobis
さんたまりや うらうらのーべす
Sancta Dei Genitrix ora pro nobis
さんただーじんみびし うらうらのーべす 」
そして部屋全体に祈祷聞こえてくる。まるで何人もの人間が輪唱しているかのようなぶれた声で。
寒々しく、温かみの欠片もない無機質な拷問室が瞬く間にこの世のありとあらゆる穢れの数々が充満する便房と化した。
溢れ出してくるのは糞尿だけではない、ヘドロ、蝿、蛆、蜘蛛等々およそ人間からは忌み嫌われる要素のある代物がこの部屋全体を塗り替えていく。
どこか虚無的とさえ言える冷徹な空間は、この世の汚物穢れの類を凝縮した不浄の異界へと様変わりした。もはや一種の芸術とさえ呼べる程の冒涜的な
穢れをこの部屋に呼び出した存在、曰くタタリ、神野明影である。
511(1): 2015/01/11(日) 01:58:41.34 ID:TpZWA0sA0(1/2)調 AAS
2ch落ちてた?
512: 第10話 いざ、戦いの時 2015/01/11(日) 02:04:10.05 ID:hZpdzw6w0(5/5)調 AAS
「誰!? 貴方は!?」
「どうも、神野明影と申します。この度は反乱軍の使者として参上しました」
「貴方のような存在を招待した覚えはないけど?」
朝比奈富子が、悪魔の化身である神野に堂々とした態度で言い放つ。
「貴方もバケネズミに味方するの!?」
「ああ……、君は確か渡辺早季だったね。バケネズミの立場なんてどーでもいい癖して、無理してバケネズミのことを理解した気になってるだけの偽善者だろ?
いーよいーよ、無理してバケネズミのことを分かった気にならなくてもさ。バケネズミくん達が反乱しなくちゃならなかった経緯もぜーんぶ丸ごと見て見ぬフリして
町のしてきた行いは知らん振り。で、反乱起こしたスクィーラ君に謝罪要求してる糞ビッチじゃーーーん!! こういう形だけ理解者みたいなフリしてる人間
って恥も感じないんだろうねー」
「バケネズミとの関係は今の社会に必要なことだからよ!」
「あいつ等と人間が対等に見えるのか!?」
神野明影はいつも通りの狂騒的な表情を浮かべつつ、早季に対して煽りを入れる。
「ま、この世界に生きて呪力って力に胡坐かいてる連中に何言っても通用しないだろうけどねー。それはそうと、
もう君達の町を僕達の軍が包囲している頃なんじゃないかな?」
「何ですって!?」
驚嘆する早季、覚、富子、拷問官の四人だったが、神野の言葉は直ぐに現実のものであると思い知らされることとなる。
「富子様!! 町の外が奴等に包囲されています!!」
委員会の女が血相を変えて拷問室に飛び込んできたのは、神野の言葉から十秒足らずのことであった。
513(1): 2015/01/11(日) 07:41:30.01 ID:C8/zVLHO0(1)調 AAS
>>511
ここ3日ほど昼前から深夜くらいまで攻撃されてる
2ちゃんが狙いか、同じサーバーの他サイトが狙いで2ちゃんは巻き添えかは分からないらしい
でも同じ時にN速+も荒らされたからやっぱ2ちゃん狙いかな
514: 2015/01/11(日) 07:49:01.62 ID:SjDbcUue0(1)調 AAS
>>506
ノンケかと思ってた奴が突然ホモだったとあかされる
生理的嫌悪感はなかなかキツイよ
515: 2015/01/11(日) 07:51:48.07 ID:7zbB2ew2O携(1)調 AAS
あの世界はノンケこそ異端だから
ていうかそれ言うなら真理亜早季だって同じなのにそっちは綺麗って感想なら単純にホモ嫌なだけじゃないか
516: 2015/01/11(日) 11:57:14.21 ID:RDCe0Ix10(1)調 AAS
ホモっちゅうかみんなバイだがな
517: 2015/01/11(日) 15:25:54.14 ID:TpZWA0sA0(2/2)調 AAS
>>513
やっぱそうか、ありがと
アメリカとか海外の呪力持ちもキシ機構持っているのかな
518: 2015/01/11(日) 19:42:18.79 ID:zHTSroJr0(1)調 AAS
ノンケとかホモとかじゃなく、男女関係なく性的行為が挨拶代わりな世界なんだよ
それをやらない守は社交性のない変人であって、誰とでもやるのが普通w
519: 2015/01/11(日) 19:46:24.03 ID:QIYS4Njo0(1)調 AAS
パグするみたいな感覚だろうな
520: 2015/01/11(日) 21:06:29.44 ID:bbBsjsvH0(2/3)調 AAS
パグ可愛いよな
521(2): 2015/01/11(日) 21:32:31.99 ID:Qs40OBuA0(1)調 AAS
今やってるクロスアンジュってアニメの展開が
どんどん「新世界より」っぽくなってる
522: 2015/01/11(日) 22:13:46.33 ID:VaQbVHtd0(1)調 AAS
>>521
このスレでも何度かその話題出てるよ
俺は見てないから話に入れなかったけど
似た要素あるなら比べるために見とけばよかったな
523: 2015/01/11(日) 22:19:08.50 ID:bbBsjsvH0(3/3)調 AAS
自立型アーカイブが出てきたなw
524: 2015/01/12(月) 22:22:36.79 ID:jdJL0+Bo0(1)調 AAS
スクィーラは塩屋虻コロニーの生き残ったバケネズミ達を招集し、四四八達戦真館や、甘粕率いる夢界六勢力の面々と共に神栖66町を包囲していた。
反乱軍のリーダーはスクィーラ。ようやくこれが本当に最後の戦いとなるだろう。都合五回のループを経験したスクィーラにとっての最後の戦い。
影法師の言葉通りであればこの決戦で未来が決まると言っても過言ではないから。
「いよいよだな、スクィーラ」
「ええ、柊様」
自分を受け入れてくれた戦真館の面々にスクィーラは言葉にできない程の感謝を捧げていた。意地汚く、曲がりきった性根のスクィーラではあるが、本当の自分を
受け入れてくれた四四八達に対しては掛け値なしの感謝の念があった。そして自分を拾い上げた甘粕正彦という存在に対しても。
耳障りな蝿声が聞こえたと思えば、神野が甘粕の横に立っていた。
「神野よ、首尾は?」
「ええ、万事滞りはありません我が主よ。連中も本気のようです。本腰を入れての決戦となりましょう」
ついに、ついに町との決戦となる。
町の入り口には数十名の町民が陣取っていた。数十名とはいえ、一人一人が強力無比の呪力使いだ。油断は禁物なのはスクィーラ自身も承知している。
「あれを見て!」
世良が叫ぶ方角を見ると、町の長である朝比奈富子が姿を現した。そしてこちらの方に数名の従者を連れて近づいてくる。
そしてスクィーラの軍の位置から数十メートルの位置まで来た。
「スクィーラ、町を裏切ったケダモノが懲りずにまた反乱ですか? 我々も軽く見られたものですね」
525: 2015/01/13(火) 00:31:06.77 ID:zT36/uKd0(1)調 AAS
「喰らえ!」
526: 2015/01/13(火) 05:44:38.05 ID:C+2Tqr440(1/2)調 AAS
すみません質問させてください
町の裏ボス的存在でDNA修復が特技の見た目若いBBAの人、
CVは 榊原良子 であってますか?
527: 2015/01/13(火) 10:27:02.55 ID:KCz07qf00(1)調 AAS
合ってるよ
528: 2015/01/13(火) 15:30:16.29 ID:C+2Tqr440(2/2)調 AAS
ありがとうございました
529: ガオモン 忍法帖【Lv=0,xxxP】(2+0:5) ◆IAb6ao8JIc [age] 2015/01/13(火) 18:50:35.54 ID:hYAnnWQt0(1)調 BE AAS
僕も真面目に本気で回答するよ
私も真面目に本気で回答するよ
俺様も真面目に本気で回答するよ
我も真面目に本気で回答するよ
530: 第11話 決戦!神栖66町 2015/01/13(火) 23:35:24.55 ID:YEaANsjg0(1/4)調 AAS
「ケダモノだとてプライドや感情がある。文句の一つも言わない家畜が欲しいのならロボットでも作ればいいものを」
スクィーラは睨み据える朝比奈富子の眼光を睨み返す勢いで言い放つ。
「笑わせないでくれるかしら。今の貴方達バケネズミが今日まで生きてこられたのは私達があってこそなのよ。自らの祖先の受けた罪の烙印
を受け入れなさい」
「どこまでも想像力の足りない連中だ。自分達より遥かに非力な存在の上に立ち、意思も自由も尊厳も踏みにじるのがお前らのやり方か。神を名乗っていてもや
ってることは頭の悪い独裁者のそれだな」
四四八も富子の発言に黙っていられなかったのか、喰って掛かる。
「貴方も人間なら、なぜバケネズミなどの味方をするの?」
「人間だからこそ、だ。強大な力に溺れ、人間の持つ道徳心や倫理観も失ったお前等が自分達は人間だとでも?」
「ただの人間ではありません、呪力という力を持つ神です」
「へっ、自分で神とか名乗るのかよ」
鳴滝は嘆息をしつつ、自分の口で神と称す富子の言葉に呆れ返っている。
「一つ教えといてやるぜ、俺達の世界じゃ、お前等みたいな神様面した馬鹿共のことを単に痛い奴って言うんだよ」
531: 第11話 決戦!神栖66町 2015/01/13(火) 23:39:34.44 ID:YEaANsjg0(2/4)調 AAS
鳴滝の言葉に頭に来たのか、富子は僅かに歯軋りをしている。
「つまらん、まったくつまらんぞお前達。どんな苦労をして呪力を手に入れた? 何の鍛錬も修練も試練も乗り越えずに力を得てしまえば怪物が生まれるだけよ。
自分達の力に誇りもプライドも持てないから平然と非力な存在を虐げるのだ」
甘粕も富子を始めとする町の人間の思想に辟易している様子だった。
そして甘粕の言葉が決定打となり、富子は言い放った。
「もうこれ以上話し合いをしても埒があきません。いいでしょう、私達の力を存分に見せてあげます。貴方達が人間の姿形をしているからこそ、ここまで話し合いに
乗ってあげたのですが、それももう終わりです」
「ふっ、相手がバケネズミだと交渉も話し合いもしない癖に、相手が同じ人間なら平和的な解決方法ときたか。呆れ返る程にお粗末な思考回路だ。お前等のような
小物にはバケネズミの苦しみなど未来永劫理解できまい」
「何とでも言いなさい。貴方達は自分の犯した過ちを後悔するでしょう」
四四八の煽りに苛立った様子の富子は足早に町の中へと戻っていった。
「これで開戦ですね」
「ああ、いくぞお前等ァ! 腹を括れぇ!!」
「応!!!!!!!」
四四八の掛け声と共に、開戦の火蓋が切って落とされた。
532: 第11話 決戦!神栖66町 2015/01/13(火) 23:48:12.64 ID:YEaANsjg0(3/4)調 AAS
まず最初の反乱軍側の第一波である塩屋虻コロニーのバケネズミ兵士達の突撃は、町民の呪力によって阻まれた。バケネズミの
兵士達は、身体を爆竹のように破裂させられ、地面に内臓をぶち撒けた。やはり強大な呪力者とバケネズミ達との力の差は隔絶したものだった。
が、そんな戦況はすぐに覆されることとなる。
貴族院辰宮の筆頭執事である幽雫宗冬がバケネズミ達の指揮を取るやいなや、状況が一変したのだ。幽雫は呪力者達との距離を信じられない
速度で詰め、町民達が反応しきれないままに、得物のサーベルで十名前後の町民達を悲鳴を上げさせる暇もなく斬り捨てた。その余りの鮮
やかな戦いぶりは一種の芸術とも呼べる程に完璧なものだった。一切の無駄のない洗練された太刀捌き、足運び、反応速度、戦法の数々を前に、戦争
慣れしていない町の人間達は手も足も出なかったのだ。
邯鄲の夢を持つ者は呪力者の使うPK能力に対して耐性があると、甘粕から聞かされている。勢いにのるバケネズミ達の
軍を率先して先導したのは幽雫だけではなかった。
四四八達、戦真館の面々は勿論のこと、スクィーラ自身もまさしく戦場を駆ける鬼神の如き勇猛さで町民達を蹴散らしていった。
五常楽のうち、破段に達しているスクィーラは、自身の適正の中で特に高い戟法の迅、創法の形を最大限に活用し、
迅雷の如き素早さで町中を駆け回る。
そして創形した槍で片っ端から町民達を突き殺していく。
時折身体に掛かる衝撃は、恐らく呪力による攻撃だろう。耐性はあるといっても痛みはあるのだ。全身の骨が軋んでいく感覚に陥る。
しかし町に対する怒りの炎を燃やすスクィーラは、そんな痛みなど意に介さず、町民達を見つけ次第殺していった。
「私は新たな力を得た!! 貴様等を殺す為の力をなぁ!!!」
咆哮するスクィーラ。スクィーラは全身を支配する町に対しての憤怒と憎悪を加速させつつ、町民達を虐殺していく。
勢いづく反乱軍に押された形の町民達は、町の大広場まで後退する。そしてスクィーラ、幽雫、戦真館のメンバー率いる反乱軍は、大広場に雪崩れ込み、
大広場は反乱軍と町民との戦場と化した。
533: 第11話 決戦!神栖66町 2015/01/13(火) 23:55:33.72 ID:YEaANsjg0(4/4)調 AAS
そしてその様子を町の上空から甘粕は見下ろしていた。まさしく、人同士の戦いを愉悦の表
情で見物して楽しむ魔王のように。
「さぁ、神栖66町の町民共よ!! 自らを神と称するのならばお前等の持つ力、輝きを俺に見
せてみろ!!! 神であるならばこの試練、乗り越えてみるがいい!!!!
さぁ、人の身でありながら神と名乗るその言葉、嘘偽りがないか証明してみるがいい!!!!!
俺がお前達に対して抱いた失望感を覆してみろ!!!!」
黒いマントを翻し、神栖66町の町民達に対して叫ぶ。人の持つ輝きを何よりも愛する甘粕は、神を称
する町の人間達が、試練を乗り越えられるのかどうかを見定めようとしていた。
534: 第11話 決戦!神栖66町 2015/01/14(水) 00:03:24.10 ID:eadlzM2Y0(1/6)調 AAS
「ほう、ほう。なんともこりゃしっちゃかめっちゃかなザマじゃのう」
町の大広場での戦闘を見下ろしつつ、壇狩摩は嘆息するかのようにぼやいていた。
「神栖の連中が小物か。そりゃ確かにそうじゃろうの」
狩摩は、四四八が朝比奈富子に言い放った言葉を思い出す。
夢界六勢力の面々だとて大人物とはいい難い。
心は汚く、利己的で、王道を嗤い、捻じ曲がっている。
町の長たる朝比奈富子でさえ、町の未来を憂いているように見えて、実際は支配され続けるバケネズミという旧人類の末裔
を気に掛けることすらしない。思慮深く、平和的な考えのような言動を取っていてもその実、自分達より下等な存在である
バケネズミ達の上に立ち、道具のように扱うことに対して欠片の抵抗感すら抱かない。
バケネズミの反乱を「信頼に対する裏切り」と臆面もなく言ってのける浅はかさ。
「所詮は物を動かす程度の力で神仏気取って悦に浸るだけの俗物共よ。そがぁな奴等に未来が築ける筈がなかろうが。甘粕
の言う通り、こりゃ聞きしに勝る馬鹿共よ」
「どれ、馬鹿共の相手をわしもしちゃるか。鬼面共ォ! お前等も混ざれや!!」
狩摩の言葉と同時に、狩摩の頭上に三つの鬼面が浮かび上がる。
「町の連中を全員血祭りに上げたれや」
怪士、夜叉、泥面の三鬼面が主である狩摩の号令と同時に人型を形成し、町の大広間に突撃していく。
まず最初に町民に対する攻撃を仕掛けたのは夜叉だった。
535: 第11話 決戦!神栖66町 2015/01/14(水) 00:08:28.08 ID:eadlzM2Y0(2/6)調 AAS
何も無い空間から無数の刀剣を創法の形で具現化させるやいなや、数十名の町民目掛けて豪雨の如く降り注がせる。
「ぐぎゃ!?」
「が!?」
「くそ!? 剣だと!?」
不意打ち、騙し打ちを得意とする神祇省の戦法は、強大無比な力を持っているものの肉体そのものは生身の人間であり、意識外からの不意打ちには
脆い町の呪力者相手に如何なく発揮された。
何人かの町民は咄嗟に呪力で作った障壁によって難を逃れたものの、突然の攻撃に対処しきれなかった多くの町民は、夜叉の放った刀剣により串刺しにされた。
「糞! 新手か!?」
数名の町民が、屋根の上にいる狩摩と鬼面衆に気付き、攻撃に転じようとしたその時、目に見えない一迅の疾風が町民達の間を駆け抜ける。
「な?」
「がぁ!?」
何が起きたのかも分からないという風に、町民達の身体はズタズタの細切れになり、調理されたように刻まれた肉塊が多量の血液と共に地面にぶちまけられる。
そう、鬼面衆の中でも隠形に特化した暗殺者の一人、泥眼だ。零の奔流と化した泥眼は文字通りの無の風となって標的に対して不意打ちを仕掛けた。
呪力を使うにはまず対象を目視しなければならない。呪力使いにとって目は命であり神栖66町の町民達は総じて視力が良いのだ。しかし相手を見ることを前提としている
ならば、見ることも感じることもできない存在による攻撃は正しく呪力使いにとっての鬼門であり、天敵であろう。
常道を逸した戦い方を得意とする神祇省の戦法はまさしく呪力者を殺す為に存在していると言っても過言ではない。
狩摩は口元を歪めて不適に嗤うと、重い腰を上げ、屋根から飛び降りて自らも大広場に降り立つ。
「俺も遊ばせてもらうでよ」
536: 第11話 決戦!神栖66町 2015/01/14(水) 00:16:24.99 ID:eadlzM2Y0(3/6)調 AAS
「やぁぁぁぁああ!!!」
スクィーラは、町が誇る二大巨頭、鏑木肆星と、最高の呪力者日野光風に戦いを挑んでいた。
流石は神栖66町の中でも最強と最高の二人を同時に相手にするのはスクィーラといえど苦戦していた。
地球すらも破壊できる程の力を有してはいるものの、肉体は常人に変わりないので、致命傷を与えてやればそれでお陀仏になる。
問題は鏑木自身の動体視力の異常性だ。通常の人間の範疇を超えるレベルの反射神経、360度全方位を見渡せ、遮蔽物すらも見通す視力。
邯鄲の夢で強化されたとはいえ、鏑木の持つ常軌を逸した魔眼に手を焼く。
二人は先程からスクィーラの身体を破裂させる為に呪力による攻撃を仕掛けてきているが、それと同時にスクィーラの身体の自由を奪おう
と金縛りのような技まで仕掛けてきた。しかしスクィーラはは力づくで呪力による拘束を振りほどく。呪力に対する耐性があるとはいえ、こう何
度もも攻撃を受け続ける内にダメージは蓄積してく。しかし問題は拘束時速数百kmの速さで二人の周りを駆け抜けているにも関わらず捉えられていると
いうことは恐らく鏑木がやっているのだろう。これ程の速さを易々と捉えるとは脅威の動体視力と言える。
大量の木と石で構成されたミサイルが恐るべきスピードでスクィーラに襲い掛かる。休む間もなくそれは続き、スクィー
ラの足場である家屋が無残に粉砕されていく。呪力を応用した絨毯爆撃とも呼ぶべきか。
家屋から家屋に飛び移りつつ、二人に向けて槍を投擲する。一つだけではない、素早く新たな槍を数本創形し、
間髪入れずに二人目掛けて勢いよく投げつけた。しかしどれもが呪力の盾で悉くが防がれてしまう。
状況を不利と悟ったスクィーラは一旦広場に戻り、二人がいる建物の屋根に向かって一直線で向かっていく。
「はぁぁぁぁあああああああ!!!!!」
自分の眼前に百本近い槍を創形し、それを一斉に二人目掛けて浴びせかける。
537: 第11話 決戦!神栖66町 2015/01/14(水) 00:37:52.43 ID:eadlzM2Y0(4/6)調 AAS
しかしそんな槍の暴雨も、呪力の盾によって防がれる。
そして次の瞬間、巨大なハンマーで殴られたのかと思う程の衝撃がスクィーラの右から襲いかかった。
「ぐぁ!?」
唐突な衝撃に一瞬気が動転したスクィーラだったが、すぐに状況を理解できた。
直径数メートルはあろうかという巨大な岩が自分の真横から襲ってきたのだ。今思えば呪力同士は干渉する。先ほど二人が周囲にある材木やら石やらを呪力で持ち上げた
かに見えたが、実際に呪力を使用していたのは日野か鏑木のどちらか一人だけで、その一人が周りの物体を動かしていたのだろう。それ程の衝撃を受けても尚、吹き飛ばされずに
その場に踏みとどまるスクィーラ。循法の堅の値がそれなりにあるので、どうにか耐えられた。
このまま戦いが長引けば、攻撃を受け続けている自分が不利になる。いくら素早く移動できるとはいえ、相手の動体視力がこちらの動きを容易く捉えてしまう。
「あの二人ですらも反応できない程にまで速く動ければ……」
スクィーラは願った。相手が反応できない程にまで速く動ければ、こちらを意識できない程にまで速くなれれば。
538: 第11話 決戦!神栖66町 2015/01/14(水) 00:46:27.82 ID:eadlzM2Y0(5/6)調 AAS
──────より速く
──────より早く
──────より迅く
「破段───顕象」
スクィーラは、自らの破段を出し、日野と鏑木と交差する形で彼らの後ろに着地する。
「な、何をしたバケネズミめ……? わ、我等にな……何を……?」
「か、身体が動かん……、スクィーラ、何を、何をしたぁ!?」
余りの速さ故に自分達が「攻撃された」ということにすらも気付いていないのだ。スクィーラは二人に百人分を殺せる程の猛攻撃を叩き込んだのだ。二人が
喋れる状態ではないのが普通ではあるが、スクィーラの破段の影響により、効果が現れるまでに「時間差」があるのだ。
「ぐぶ!?」
「がへぇ!??」
ようやく最初の一撃の影響が二人の身体に出たようだ。二人の脇腹を槍で一突きしたのが最初の攻撃だ。
そして二人が口から血を吐き出したのを皮切りに、二人の身体にスクィーラの繰り出した攻撃の影響が現れ始める。
「が……体が崩れるぅうううう!!!??? か、神である我らがぁぁ!!!」
539: 第11話 決戦!神栖66町 2015/01/14(水) 02:54:22.86 ID:eadlzM2Y0(6/6)調 AAS
「ぐべ!? がばぁ!!??」
耳が削げ、手足が第一関節からポトポトと屋根を転がり、地面に落ちていく光景を見て二人は思考が追いついていないようだ。
「わ、わだじの……腕が、耳がぁああ……!! 血、血が止まらない!! だ、誰が……、だ、だずげ……で……!!」
「ば、バゲネズミ如ぎにぃぃぃ……!」
最後の言葉を口にすると二人の身体は細切れになり、完全に地面に崩れ落ちた。
「貴様等には似合いの末路だ……!」
スクィーラは、残った二人の肉塊に唾を吐き捨てる。
540: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/16(金) 23:27:10.01 ID:7AHaZryp0(1/6)調 AAS
鏑木肆星、日野光風という二人の実力者を失った町は総崩れとなり、町民達は我先にと逃亡を始める。
その様子を屋根の上から見守るスクィーラ。
「これでやっと終わりか……」
終わってみればあっけないものだった。あれ程までに強大な力を振るい、自分達を神と称していた町の人間達は形勢不利と
見るや一目散に逃げ出しているではないか。町民達への憎悪に取り付かれていたスクィーラも、逃げ纏う町民達の姿を哀れだと思い始めていた。
「連中は何も超越した神のような存在ではなかった……。一皮剥けば我等と大して変わらない」
これ以上痛めつけた所で何が変わるというのだろうか? スクィーラはこの辺りが潮時だと思い、戦いを終わらせる決意をする。
スクィーラは、屋根から下りて、四四八達の元に向かおうとしたその時、自分の前方に二つの人影が見えた。
「あれは……」
そう、自分にとって忘れようにも忘れられない存在の二人、渡辺早季、朝比奈覚。
「渡辺様……、もはや戦いは終わりです。諦めて降伏しなさい」
スクィーラは心の底では期待していたのだ。早季と覚の二人は自分達バケネズミのことを僅かでも理解してくれると。そして苦し
められてきたバケネズミ達の痛みや恐怖を分かってくれると。
そんな淡い期待を寄せていたのだ。
「断るわ、スクィーラ。私達はあなた達バケネズミに降伏なんてしない!」
「もうこれ以上の戦いは無意味ではありませんか? 貴方達だとて我等バケネズミがどれだけ追い詰められたのか理解できた筈です」
昔からの腐れ縁とも言える関係であるこの二人にだけはバケネズミの受けてきた苦しみを理解して欲しいとスクィーラは願う。
「私達は人間と然程変わらない知能を持っています。そんな生き物が、町の人間達の顔色を伺いながら暮らしてい
くという意味が分かりますか? いつ用済みになって消されるかも分からない恐怖と戦う日々が想像できますか? 私
達は苦痛も悲しみも怒りも感じない機械人形ではありません! 私達は人間と変わらない知能や感情を持つ生き物なのです。
どうか我等の痛みと悲しみを理解してください……!」
541: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/16(金) 23:34:07.45 ID:7AHaZryp0(2/6)調 AAS
「例え貴方達が苦しんでいるのだとしても、それが今の社会を構築しているのよ。貴方はそれを受け入れられずに、
独りよがりな考えで反乱を起こして、その結果大勢の町の人達を殺した!!
感情? 恐怖? 支配を受けているのなら、なぜそれを受け入れようとしないの?」
「なら不満も憤りも感じるなということですか!?」
「当たり前だ!!」
スクィーラの悲痛な言葉を遮るようにして覚が怒鳴った。
「そういう関係だということは最初から分かっていた筈だ!! 支配する者とされる者の関係などそれが普通なんだよ!!
自分勝手な欲望で反乱を起こしておいて! その他大勢のバケネズミは俺達の支配を受け入れている。そういう社会だと
いうことを受け入れているんだよ! お前はそれを受け入れようとせず、俺達町の人間を裏切ったんだろうが!!!!」
「スクィーラ、貴方の気持ちは分かる。だけど今のこの社会は私達町の人間とバケネズミとの共存で成り立っているの。私は
町の委員会に姉妹と友達の命を奪われたけど、それも今の社会を維持する上では
仕方のないことなの。嫌でも自分の立場を受け入れないといけないのよ」
二人の口から出てくる言葉は絶望だった。スクィーラの淡い期待を踏み躙るには十分過ぎる程の冷酷無比とも言える言葉だった。
今の社会を維持していくのに必要だから、この言葉で二人はスクィーラ達バケネズミの抱いていた感情を全否定したのだ。
確かに社会を維持していく上では必要なことなのかもしれない。だが所詮二人の言うことは、呪力という力を持ってバケ
ネズミの上に立つ人間による自分達に都合の良い理論に過ぎないだろう。
自分達の支配体制を維持していく上で、最もらしい言葉を吐いて無理矢理納得させる。
自分達バケネズミを人間だと認めてくれることなど最初から期待などしてはいないが、バケネズミ達が五百年近くも受けてきた屈辱
と苦しみ、地獄のような日々の一切を考慮すらもせず、「今の社会には必要なこと」という一言で全否定ときた。
下らない期待などするべきではなかったのだ。所詮呪力者とバケネズミとでは違い過ぎる。
542: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/16(金) 23:35:07.79 ID:7AHaZryp0(3/6)調 AAS
「もう一度聞こう、渡辺早季。バケネズミと歩み寄るつもりはないんだな?」
自分でも驚く程に乾いた言葉で早季に尋ねる。次に早季からバケネズミに対する否定の言葉が出れば自分の中で何かが弾けてしまうかもしれない。
今の自分は自分ではないような気がしてきた。スクィーラの抱いた絶望という感情。町の人間に対する救い難い程の失望。これ
らの要素が合わさった今、自分の中にいる「何か」を呼び起こしてしまう……。
──────目覚める
──────目覚めてしまう
──────おぞましい何かが
──────自分の「中」から
──────何が生まれてくる?
──────自分ではなくなってしまう
──────何が生まれる?
──────何が?
──────何が?
──────何……が……?
「何度でも言うわよスクィーラ。貴方達バケネズミは町の人間に従うのが社会の構造なのよ! 身勝手な理由で反乱を起
こしてよく被害者面ができるわね!!!!」
──────ここに、「協力強制」が実現した……。
543: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/16(金) 23:39:16.58 ID:7AHaZryp0(4/6)調 AAS
ああ、人の子よ、忠の心を忘れたか。そして自らを神と称するのか。ならば今一度知らしめよう。そして再び見せるがいい、清々しい息吹によって
一切成就祓と成れや。
神栖66町を中心とした全方角20kmから無限に湧き出す凶将陣・百鬼夜行
津波となって木々という木々を薙ぎ倒し、森を瞬く間に埋め尽くしていく無数の廃神が、町を目指し我先に遁走する。眼前の悉くを潰しながら。
文字通りそこに逃げ場など存在せず、神を騙る者達の全てを根絶やしにするまでこの凶将の進撃は止まることはない。
龍は祀り、鎮めるもの。拝跪し、畏れ、敬うもの。
だが今、千年の時を経た龍は狂っている。黄金の身体は爛れて腐り、万象灰燼と帰す魔性の震と化している。
ついに真価を見せる魔震の咆哮。大地の神威。
今こそ人の身でありながら神となろうとした者達への鉄槌を、制裁を、怒りを叩き込む。
「オン・コロコロ・センダリマトワギソワカ───」
「六算祓エヤ滅・滅・滅・滅」
「亡・亡・亡」
黄龍の化身は膿み爛れて邪龍と化し、神を称する者達の町へと怒涛の進撃を続ける。
人の身で神となることへの怒り。
本来敬うべく対象を蔑ろにしたことへの怒り。
忠の心を忘れし呪力者に対する憎悪憤怒に支配された裏勾陳首領、百鬼空亡が天地を震撼させる。
544: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/16(金) 23:42:01.30 ID:7AHaZryp0(5/6)調 AAS
そしてついに町にたどり着いた。空亡から逃げ纏う凶将達は、激流となり町の家屋、逃げ纏う人々を全て纏めて蹂躙していく。
どんな火砕流や洪水よりもこの凶将百鬼陣の奔流は危険かつ破壊的だ。
ムカデ、犬、鬼、髑髏等の雑多な廃神の恐怖に駆られた突撃は、大陸そのものが向かってくるに等しい。
町に入った空亡は、逃げ纏う町民はおろか、配下である凶将達をも片っ端からとらえて無数の手を使いバラバラに解体していく。
「痛い? 痛いィ? 苦しい? 悲しいィ?」
「愛しい? 憎いィ?」
「辛い? 悔しいィ?」
「痛い痛い痛い痛いィーーーーキャァァァァァ、ぎゃぎゃぎゃはァーーー!」
空亡に殺された町民達の悲鳴、絶叫が周囲に響き渡る。しかし当の空亡はそんなことは意に介していない。
ただひたすらに暴虐、残虐、蹂躙、非道の限りを尽くしているのだ。
自分の中に戻っていく感覚に酔いしれながら、殺戮を続ける。
こうすることにに戻るのだ。
空亡は一人の女を見つける。
「早季!! 逃げろ!!!」
空亡が見下ろす先に一組の男と女がいた。
545: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/16(金) 23:57:47.11 ID:7AHaZryp0(6/6)調 AAS
空亡はこの二人に特別に興味を抱き、逃げようとする二人を巨大な手を使い、摘み上げた。
「離せ!! 化け物ォォォ!!!」
「いや! 離して!!!!」
空亡はまず最初に男の方から「壊して」みた。
まずは男の両手両足を無造作に折り曲げた
「ぎゃぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!!?????」
次に男の下をくり貫いた。
「ゲボォォォ!!??」
肋骨を砕いた、鎖骨を砕いた、髪の毛を頭皮ごと引きちぎり、喉を潰し、背骨を折り曲げ、内臓を抉り出し、脳味噌を掻き毟った。
男は呆気なく死んだ。
「嫌!! 覚ぅぅうううううう!!!!!!」
男の死に女は悲鳴を上げる。男の死体を放り投げると、女の方を見る。
「この化け物!! よくも覚を!!!」
女は叫ぶものの、顔は恐怖に引き攣っていた。
「女、女だ」
「乳をくれ、尻をくれ」
「旨そげない腹をくれろ」
「その指わいにくりゃしぇんせ」
「わいに血をくれええええぇぇぇッ!」
空亡の無数の手が女の身体に殺到する。女の衣服を引き裂くと、女の身体を蹂躙し始めた。
「ギャァァァァァアアアア!!!!???」
546: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/17(土) 00:38:35.19 ID:YzIogoWX0(1/8)調 AAS
腕をもぎ千切る、両目を潰して抉り取る。舌を引き抜き鼻を削ぎ、乳房を握り潰して喰らいはじめる
「痛い? 痛いィ? 苦しい? 悲しいィ?」
「愛しい? 憎いィ?」
「辛い? 悔しいィ?」
「痛い痛い痛い痛いィーーーーキャァァァァァ、ぎゃぎゃぎゃはァーーー!」
空亡は女を喰らい尽くすと、他の逃げ纏う町民達を手当たり次第に喰らい始める。
空亡の暴威暴虐暴食は止まらない。止められる者など存在しない。本当の自分く(・・・・・)に戻る為、
本来の姿に戻る為、それまでは決して行動を止めることはない。
そう、その時が来るまでは……。
547: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/17(土) 00:49:38.19 ID:YzIogoWX0(2/8)調 AAS
「ま、町が……、神栖66町が壊れていく……」
町の長である朝比奈富子はその場にへたりこみながら、町を蹂躙する空亡を茫然と眺めていた。
四四八は、突如として現れた正体不明の強大な存在に自分の目を疑った。他のメンバーも似たような心境なのだろうが、
町を蹂躙していく怪物の群れはどういうわけか自分達戦真館のメンバーはおろか、他の六勢力には目もくれずひたすら神栖66町の人間達を
殺戮し、むさぼり尽くしている。
「一体あれは……」
目の前で暴威を振るう天災じみたモンスターが如何に自分達の手におえる相手ではないという事実肌で感じ取る。
最早アレは人の力でどうこう出来る類のモノではない。
「が!? は、離せ!?」
怪物の手が、目の前でへたりこむ朝比奈富子を掴みあげると、無数の手で富子の身体を解体し始めた。
「ぎゃ!? ギャァァァァァッァアアア!!!??」
町の長である朝比奈富子の断末魔が大広場に響き渡った。地面には富子の身体の肉片が落ちてくる。思わず吐き気を催す程におぞましい光景だ。
「痛い? 痛いィ? 苦しい? 悲しいィ?」
「愛しい? 憎いィ?」
「辛い? 悔しいィ?」
「痛い痛い痛い痛いィーーーーキャァァァァァ、ぎゃぎゃぎゃはァーーー!」
この怪物がいつ自分達を標的にするか分からない状況だ。四四八は、後ろに控えるメンバーにいつでも戦闘ができるように呼びかける。
548: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/17(土) 00:50:49.49 ID:YzIogoWX0(3/8)調 AAS
その時、怪物の身に異変が起きた。
「忠なるや……?」
「汝、忠なるや……?」
怪物の身体が眩いばかりの光に包まれ始めたのだ。次から次に起きる事態の数々に四四八は状況が上手く飲み込めないでいた。
「今度は何だ?」
四四八が呟くと、隣に立っていた甘粕がゆっくりと口を開いた。
「どうやら、「元」に戻ったようだな……」
「どういうことだ?」
甘粕の言葉の意図が分からない四四八。
「見ての通りだ。スクィーラ……、いや百鬼空亡という目の前の怪物は元に戻ろうとしているだけだ(・・・・・・・・・・・・・)」
「だから、その言葉の意味は何だ?」
「町の連中は元々空亡の『一部』だからだ」
「何だって?」
甘粕の言葉を聞き、驚嘆する四四八。今目の前で光を出して輝いている百鬼空亡という名の怪物の正体はスクィーラだというのだ。しかも町の人間達は空亡の一部なのだという。
「詳しく聞かせてもらおうか、甘粕」
「よかろう、お前達には真実を知る権利がある」
甘粕の口から衝撃とも言える真実が語られた。
549: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/17(土) 00:52:29.44 ID:YzIogoWX0(4/8)調 AAS
今この夢界で暴威を振るう六勢力の一角、裏勾陳首領である百鬼空亡は、スクィーラの生きる世界の千年前に、ここ夢界とは違う形で忠の心を忘却した人類に対して牙を剥いたのだ。
呪力、所謂PK能力と呼ばれる力を先天的に生まれ持った者達、後の呪力者の祖先である彼等に呪力という力を分け与えた存在こそが空亡だった。人類の文明は呪力の誕生をきっかけ
として崩壊した。更に暗黒時代における呪力者による非能力者支配を経て、現在の呪力者とバケネズミ達との関係に辿り着く。
「五百年にも渡るバケネズミ……いや、旧人類に対する支配でようやく「溜飲を下げた」ようだ」
現在の日本に存在する呪力者達は空亡の力を分け与えられた存在、呪力そのものが空亡の力の一部なのだ。
空亡が呪力者である町の人間を殺し、喰らうことで自分の元に還しているのだ。自分自身の欠片(ピース)を集め、再び完全なる姿を取り戻す為に。
神に対する忠義、忠心、忠誠を忘れ去った人類に対する怒りがここ夢界とは違った形で具現化したのだ。普遍的無意識の海を漂っていたスクィーラの魂と融合した空亡
間接的とはいえ、自分に対する忠誠の心を数百年に渡って見届けてきた。空亡自身の怒りは長きに渡る月日を経てようやく沈静化した。
空亡が暴れた理由は、自分の完全な力を取り戻す為。その為に町の人間達を残らず平らげた。
「見て、四四八くん! 空亡の様子が!!」
歩美が指差す方向を見ると、空亡の輝きが更に眩いものとなっていた。
550: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/17(土) 01:03:23.80 ID:YzIogoWX0(5/8)調 AAS
「高天原に坐し坐して、天と地に御働きを現し給う龍王は」
「大宇宙根元の御祖の御使いにして一切を産み、一切を育て、万物を御支配あらせ給う王神なれば」
「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十の十種の御寶を己がすがたと変じ給いて、自在自由に天界地界人界を治め給う」
「龍王神なるを尊み敬いて、真の六根一筋に御仕え申すことの由を受け引き給いて 」
「愚かなる心の数々を戒め給いて、一切衆生の罪穢の衣を脱ぎさらしめ給いて、万物の病災をも立所に祓い清め給い」
「万世界も御親のもとに治めしせめ給へと、祈願奉ることの由を聞こし食して、六根の内に念じ申す大願を成就なさしめ給へと」
────恐み恐み白す
空亡が光に包まれ、天に昇っていく。
天に昇っていく空亡……否、スクィーラを食い入るように見つめる四四八。
「スクィーラ……、お前は……」
551: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/17(土) 01:41:18.79 ID:YzIogoWX0(6/8)調 AAS
その影法師はいつからそこにいたのか。何もない虚無の暗黒空間に朧気に漂いながら、一つの神が浄化されていく様子を見ていた。
そう、自分の役目を果たしておく必要があるのだ。最後の仕上げ、最後の仕事、この瞬間に自分の果たすべき役割があるのだから。
「武器も言葉も(人を)傷つける
Et arma et verba vulnerant Et arma
順境は友を与え、欠乏は友を試す
Fortuna amicos conciliat inopia amicos probat Exempla
運命は、軽薄である 運命は、与えたものをすぐに返すよう求める
Levis est fortuna id cito reposcit quod dedit
運命は、それ自身が盲目であるだけでなく、常に助ける者たちを盲目にする
Non solum fortuna ipsa est caeca sed etiam eos caecos facit quos semper adiuvat
僅かの愚かさを思慮に混ぜよ、時に理性を失うことも好ましい
Misce stultitiam consiliis brevem dulce est desipere in loc
食べろ、飲め、遊べ、死後に快楽はなし
Ede bibe lude post mortem nulla voluptas
未知の結末を見る
Acta est fabula 」
そして、全てが巻き戻っていく、あの頃の、あの時の、あの瞬間まで……。
552: 最終話 邯鄲の世界より 2015/01/17(土) 01:42:39.96 ID:YzIogoWX0(7/8)調 AAS
────2011年日本 東京 AM8:00
その日はいつもの平常運転を続けていた。いつも通りのルーチンを繰り返す日々をこうして消化していく。
「ちぇっ……、いくら超能力なんて夢想したって現実じゃ空しいだけか〜」
通学路を歩く一人の高校生が現実世界の退屈さを嘆く。所詮は夢、妄想、空想の考えや概念など現実の世界には入ってこない。
ひとたび現実の世界にそれらの要素を入れれば、取り返しの付かない事態を起こしてしまう故に……。
「ま、こういうのは子供のうちだけの特権だよな。早いとこ大人になって分別を付けるか」
平穏で繰り返される退屈な毎日。しかしそういった毎日を送れるのは幸福なことでもある。
この時、この瞬間こそが『分岐点』だった。しかし、多くの血が流れる未来はこうして回避された。
歴史の大きな歪は正されたのだ。目の前に広がるのは、いつも通りの世界、社会。
世界線を変え、多くの命は救われる。世界が真の平和と平穏を得たことを喜ぶ人間は、まだこの時点ではいない。
553: 作者 2015/01/17(土) 01:45:11.66 ID:YzIogoWX0(8/8)調 AAS
以上で終わりです。応援して下さった方々に感謝。
554: 2015/01/17(土) 11:30:44.25 ID:LDlMMcuG0(1)調 AAS
恥を知れ
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