[過去ログ] 【新年】シン総合女難!?スレ 第25話【移転】 (835レス)
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474: 2008/01/22(火) 09:28:01 ID:owGdDY8a(1/7)調 AAS
ここまでの皆様方にGJを。
投下予告です。
476: へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M 2008/01/22(火) 09:36:55 ID:owGdDY8a(2/7)調 AAS
今回までのあらすじ。
スカリエッティが傍迷惑な装置を開発したよ!
あらすじ終わり。

「ちょ、だから言ってるじゃないですか! あれはスカリエッティが――ッ!!」
「問答無用だらアアァァ――――!!」
「ぎゃああアアアアァァ――――――」

 BGMは未だヴィータ副隊長に追われているシンの絶叫でお送りしています。

 もはや廃墟寸前となった機動六課隊舎内の食堂。
 シンとヴィータを除いた面子は再び装置付近に集合していた。
 とはいえ、
「あかん……血が足らへん……」
「相変わらず……一発の威力が……異常だね……なのは……」
「フェイトちゃんも……相変わらず……速……あと、強くなったね……ティアナ……」
「………………凡人の…………意地です………………」
 そのうち四人は貧血を起こしていたり、魔力体力を使い切っていたりでグロッキー状態で行動不能。
 実質的に動けるのは、エリオとキャロとスバルとスカリエッティだけだ。
「もう止めた方がいいと思うんですけど」
「「「「ダメ」」」」
「エリオ君は心配性だね」
「えー、まだ見たいよー。これ面白いのにー」
「折角作ったのだから活用すべきだろう?」
 常識的なエリオの提案は、無常にも七対一で撤廃された。地味にグロッキー四人も口だけ出している。
 ああごめんなさいシンさん僕はあまりにも無力ですとうな垂れるエリオ。
 だが相手が悪すぎるのであって別にエリオは悪くない。
「しかし一々論争が起こっていては面倒なのでね。ランダムで人選する機能をさっき追加しておいた。
――これなら文句は無いだろう?」
「いつの間に……」
「何。騒ぎが一段楽するまで暇だったのでね」
 得意げに言うスカリエッティ。
 ちなみに紙一重で避け続けているシンやグロッキー四人には実質的な外傷は無い。
 比べて、スカリエッティは一回グラーフアイゼンでお空の星にされているので普通に重傷である。
「じゃあ早速試してみよ〜っと。ルーレットスタート!」
 スバルがぽーんとボタンを叩く。それにしてもこの天然メカ娘、先程から実にノリノリである。
 でろでろでろと非常に安っぽいメロディと共に表示内容がめまぐるしく回転する。
 まず表示されたのは『シン・アスカ』。そして次に表示されたのは――

『フェイト・T・ハラオウン』
477: へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M 2008/01/22(火) 09:37:17 ID:owGdDY8a(3/7)調 AAS
case3.『シン・アスカとフェイトT・ハラオウンの場合』

「あの……この体勢、何とかなりませんか」
「ふふ。動いたら危ないよ?」
 シンの頭はフェイトの膝の上、そしてフェイトの右手にはみみかき。
 俗に言う『ひざまくらみみかき』状態である。
 しばし真っ赤な顔で身をよじっていたシンだったが、観念したのか大人しくなる。
 それを見計らってフェイトがみみかきを再開した。
「頭動かさないでね?」
「動かしてませんよ――いてて」
「あ、ゴメン。痛かった?」
「……別になんともないです」
 恥ずかしさが勝るのか、シンの口調はぶっきらぼうだ。ただ顔は真っ赤に染まっていく。
 その様子を満足げに見て、フェイトは微笑む。
「不精なシンが悪いんだよ? こんなにたまるまで放っておくなんて」
「しょうがないでしょ……なんか忘れちゃうんですよ」
「敬語」
 それまでの会話の流れを断ち切るかのごとく、唐突にフェイトが言う。
「敬語使わなくていいって言ってるよね――――その、もう恋人、なんだし」
 しどろもどろになりながらも、フェイトの口調は不満そうだ。
「何か昔のクセが抜けなくて……それに、フェイトさん年上だし。雰囲気が大人っぽいし……」
 自分の言葉で恥ずかしさが増したのか。シンは更に顔を赤くして、身をよじる。
「誉めてくれるのは嬉しいけど……でもやっぱり不満、かな。はい反対側」
 さりげなく逃れようとするシンの頭をくるりと回して抱えなおしながらフェイトが呟く。
「フェイト、さん」
 ぽつりとシンが呟いた。
 シンの頭はフェイトの膝の上にあるが、顔は向こうを向いているので二人の視線がぶつかる事は無い。
「……俺、フェイトさんに釣り合ってますか?」
「関係ないよ。私はずっとシンと居る。同じものを見て、同じ感情を共有して――同じものを背負っていく」
 逡巡すらない即答。あくまで優しく、けど真っ直ぐに、迷う必要すら必要ないとフェイトはシンに告げる。
 それを聞いたシンは微かに笑って、全身の力を抜いてゆっくりとまぶたを閉じる。

「フェイト」

 なに? と嬉しそうに聞き返すフェイトに還ってきた言葉は一言だけ。
 とてもぶきらぼうで素っ気無い、けど真摯な一言。

「大好き」
478: へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M 2008/01/22(火) 09:37:55 ID:owGdDY8a(4/7)調 AAS
「――――――――――――きゅうぅぅ」

 顔から湯気を噴出しつつ、ばったーんとぶっ倒れるフェイト。
「ああっ! 普段便乗ばっかりしてるせいでガチな恋愛展開に耐性が無いフェイトさんが限界を超えちゃった――!」
 叫ぶエリオ。
 間違っちゃいないが、地味に酷い事を言っている。
 あと周囲でうんうんと頷いている残りの連中も漏れなく酷い。
「おお。今回はモニタが無事だな」
 別のことでうんうんと頷くスカリエッティ
「……何か今回はシンさんが受けっぽかったですね?」
「あ、これじゃない? さっきまでと名前の表示位置が逆になってるよ?」
 凄まじくマイペースなスバルとキャロは冷静に装置を分析していた。
 確かに二人の言うとおりで、今回はシンと相手の名前の表示位置が入れ替わっていた。
「ふむ……先に設定したほうの優先順位が高くなるのか。実に興味深い現象だ」
 スカリエッティも予期せぬ効果だったようで、目を輝かせる。
 しかしこのマッドサイエンティスト。装置に気をかける前に自分の出血を止めるべきである。
「なにぃ!? それマジか!!」
 ずざーと猛烈な勢いでヴィータがスカリエッティに詰め寄った。
 スカリエッティが肯定すると、ヴィータは装置に向き直る。
「よし!!」
「まあヴィータちゃん。何がよし、なのか説明してもらえる?」
 ガチリとヴィータに突きつけられるレイジングハート・バスターモード。
 振り返ると、出番が無さ過ぎて我慢の限界が来ている冥王の姿がある。
「どうしちゃったのかな? ヴィータちゃん、さっきは嫌がってたよねぇ?」
「あ、あれは……いきなり過ぎ……じゃ、じゃなくてだなぁ! 
やられっぱなしが気にくわねーだけだよ! こっちがやり返してるのも見ねーと不公平だろ!!」
「ふーん、そう……でもね――私はどっちも見てないんだからぁ――!!」
 警告なしでぶっ放されるディバインバスター。
 桜色の砲撃は辛うじて回避したヴィータを掠め、食堂の壁をブチ抜きつつ青い空に吸い込まれていった。
「なのは……本気か? その疲弊した状態で私とやろうってのか!?」
「本気だよ。この程度、ちょうどいいハンデ程度……おいで鉄槌の騎士。遊んであげる……!」
「上等ォ!」
 炸裂するカートリッジ。弾ける様に溢れ出す赤い魔力と、チャージされる桜色の魔力。
 そして両者睨み合いが続く。
「ルーレットスタート〜!」
 その最中で、欠片の躊躇い無くボタンを押す天然メカ娘の間抜けな声が響き渡った。
「「「「「スバルゥ――――!!!!!」」」」」
 エリオとキャロと未だ気絶中のフェイト、そしてスカリエッティを除く残りの面子が絶叫する。
 叫んだ面子の脳内でスバルのあだ名が『KY』に設定された瞬間だった。
479: へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M 2008/01/22(火) 09:38:21 ID:owGdDY8a(5/7)調 AAS
case4.『シン・アスカとスバル・ナカジマの場合』

「シン〜」
「んー、何だー?」
「別に〜? 呼んでみただけ〜」
「何だよそれ」
 無茶苦茶な言い分にシンが苦笑する。
 街中の、人気のない場所にポツリとあるベンチに二人は居た。
 シンの手にはコーヒー缶があり、スバルの手には先程まで食べていたアイスの包装紙がある。
 スバルはシンの肩にもたれかかりながら、シンの名前を何回か呼ぶ。
 それから、先程と似たようなやり取りが何回か繰り返される。
 意味のない会話だが、スバルはとても楽しそうで、シンも微かながら笑っている。
「し……んー…………えへへ……へ」
「眠いのか?」
「うん……ちょっと…………」
 スバルのまぶたは既に半開きで、意識が眠りの淵にあると見て取れる。
「シンは……あったかいね…………」
 とうとう目を閉じて、シンにもたれかかったまま、スバルは静かに寝息を立て始める。
「まったく……ほんと無防備だなコイツ」
 シンは苦笑いで溜息をつくと、飲んでいたコーヒーを傍らに置く。
 空いた手でスバルの頭をゆっくりと撫でる。
「デート中に寝る奴があるかー?」
 シンがスバルの頬をつつくも、スバルはくすぐったそうに身をよじるばかりで起きる気配は無い。
 更により深くシンにもたれかかり、シンの腕にしがみつく。
 シンは諦めたのか、空いた方の手でスバルの頭をゆっくりと撫でつつ、預けられているスバルの頭に自分の頭を預ける。
 少しだけそのまま時間が過ぎて、シンのまぶたも閉じていく。
 やさしくスバルの頭を撫でていた手の動きも緩慢になり、シンも意識を手放しかけていた。
 意識を手放す寸前に、
 
「……お前の方が……あったかいよ…………」
480: へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M 2008/01/22(火) 09:38:41 ID:owGdDY8a(6/7)調 AAS
「………………これ」

 呟くスバルの右腕には、リボルバーナックルが装着されている。
 そしてカートリッジロード。
「恥ずかしいいいぃぃィィ――――!!!」
 叩き込まれるリボルバーシュート。
 ど真ん中に綺麗な穴の開いたモニタは、数メートル程吹っ飛んだ後に派手に爆砕した。
「もー! シンのぶぅわかぁぁぁ――――!!」
「何でこっちに来るんだよオオォォォ――――!?」
 ヴィータの攻撃をかわし続けて疲弊しきったシンにスバルが襲い掛かる。
 気力を振り絞ってギリギリで回避するシン。
「なあぁぁのぉぉォはあァァ――――!!」
「ヴィイィタちゃぁぁんんn――――!!」
 仕切りなおしといわんばかりに激突を開始したなのはとヴィータ。
「おっと、やらせはせんで?」
「そうだよそうだよそうだよ♪ や・ら・せ・な・い・よっ♪」
「くっ! 予想よりも復活が早い……!」
 今のうちと装置にこっそり近づいたティアナは復活したはやてとフェイトに妨害され、交戦を開始した。
 どうもさっきの幸せが残っているのか、フェイトのやる気が五割り増しである。

「また乱戦になっちゃいましたねー」
「あ。また天井に穴開いた」
 再び隅に避難したエリオとキャロ。
 スカリエッティはというと、戦場の真っ只中で流れ弾を回避しながら装置の改修を始めていた。

「いつ終るんだろう……これ」
 エリオの呟きに、答えてくれる人はいなかった。
481
(7): へいこうせかいなですてぃにー ◆0t6EqpwX8M 2008/01/22(火) 09:39:23 ID:owGdDY8a(7/7)調 AAS
誤字の失点はネタで取り返すぜ――という訳で第2段をブン投げました。
相変わらず頭悪くて申し訳ない。

ノシ
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