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アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ11 (479レス)
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204
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例え絶望に打ちのめされても 5/8
◆AZWNjKqIBQ
2008/01/07(月) 08:03:18
ID:1rPnDcmc(5/8)
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204: 例え絶望に打ちのめされても 5/8 ◆AZWNjKqIBQ [sage] 2008/01/07(月) 08:03:18 ID:1rPnDcmc 「さて、随分と時間を労したな。ではそろそろ此処を出るぞ」 そう言いながら認めたあったメッセージをカウンターの上に置くと、男は踵を返して出口へと向って行く。 「ち、ち、ちょっと待ちなさいってば! 待ってって言ってるでしょっ!」 そして、その後を荷物を掻き集めながらどたばたと少女が駆け抜けると――、 ――やっとのことで、本を読むに相応しい静寂がそこに戻ってきたのであった。 ◆ ◆ ◆ 超螺旋図書城と名づけられた趣味の悪い図書館より二人が発ってよりしばらく後、柊かがみは天に浮かぶ円を見上げていた。 「(……こんなに大きかったんだ)」 天の頂上に位置する太陽からの光を遮り、広い空の中に巨大な真円のシルエットを浮かべているのは観覧車だ。 その高さはゆうに100メートルを越え、そこから見渡せる景色の内のどの建物よりも大きな建築物であった。 「(あの時は空を見上げる余裕なんて全然なかったけど……)」 この巨大な観覧車の足元へと彼女が来るのはこれで3度目となる。 1度目も2度目も、そして3度目もここに来る理由は変わらない。3回とも妹である柊つかさに会うためだ。 柊かがみはその視線を観覧車の頂上より真下へと下ろ――さない。直前で踵を返し、それまでは後ろにあった噴水へと向き直る。 とてもではないが、これ以上妹の憐れな成れの果てを直視することはできなかった。 「(……ごめんねつかさ)」 心の中で自分の不甲斐なさを今は亡き妹に詫びながら、柊かがみはゆらりゆらりと揺れる水面を見る。 それを見て思い出すのは妹と一緒に波間を漂っていた時の事だ。果たして、『あの時の妹』は一体どこへと消えたのか。 「(ずっと離れないって決めたのに……。ずっと、ずっとに……って、なのに)」 膨らむ罪悪感が重く心に圧し掛かる。たった半日と少しで人生ががらりと変わってしまった。そして、新しく決めた道程は果てし無く遠い。 それに対し果敢に挑むには足は重く、かといって足を止めるほどの絶望も今は無い。 溜息をつき自分の心を騙しながらでも、少しずつ進むしかないのだ。自分と妹の、そして亡くなった友人のためにも……。 「……頑張るから。 見守っていて……、なんてのはもう言えないけど。でも、……待ってて。絶対ゴールまでは辿り着いてみせるから」 真円の噴水の中に、同じく真円の観覧車が映りこむ。波紋に揺れて形を歪ませる観覧車のシルエットが描くのは螺旋模様。 水鏡の中に浮かぶそれを目に映しながら、柊かがみはもうこの世にはいない二人に誓いを立てた。 螺旋は回る。――グルリグルリと。彼女の道行きを現すかのように。彼女の心の内を現すかのように。 http://hayabusa6.5ch.net/test/read.cgi/anichara/1199094345/204
さて随分と時間を労したなではそろそろ此処を出るぞ そう言いながら認めたあったメッセージをカウンターの上に置くと男はを返して出口へと向って行く ちちちょっと待ちなさいってば! 待ってって言ってるでしょっ! そしてその後を荷物を掻き集めながらどたばたと少女が駆け抜けると やっとのことで本を読むに相応しい静寂がそこに戻ってきたのであった 超螺旋図書城と名づけられた趣味の悪い図書館より二人が発ってよりしばらく後柊かがみは天に浮かぶ円を見上げていた こんなに大きかったんだ 天の頂上に位置する太陽からの光を遮り広い空の中に巨大な真円のシルエットを浮かべているのは観覧車だ その高さはゆうに100メートルを越えそこから見渡せる景色の内のどの建物よりも大きな建築物であった あの時は空を見上げる余裕なんて全然なかったけど この巨大な観覧車の足元へと彼女が来るのはこれで3度目となる 1度目も2度目もそして3度目もここに来る理由は変わらない3回とも妹である柊つかさに会うためだ 柊かがみはその視線を観覧車の頂上より真下へと下ろさない直前でを返しそれまでは後ろにあった噴水へと向き直る とてもではないがこれ以上妹の憐れな成れの果てを直視することはできなかった ごめんねつかさ 心の中で自分の不甲斐なさを今は亡き妹に詫びながら柊かがみはゆらりゆらりと揺れる水面を見る それを見て思い出すのは妹と一緒に波間を漂っていた時の事だ果たしてあの時の妹は一体どこへと消えたのか ずっと離れないって決めたのにずっとずっとにってなのに 膨らむ罪悪感が重く心に圧し掛かるたった半日と少しで人生ががらりと変わってしまったそして新しく決めた道程は果てし無く遠い それに対し果敢に挑むには足は重くかといって足を止めるほどの絶望も今は無い 溜息をつき自分の心をしながらでも少しずつ進むしかないのだ自分と妹のそして亡くなった友人のためにも 頑張るから 見守っていてなんてのはもう言えないけどでも待ってて絶対ゴールまでは辿り着いてみせるから 真円の噴水の中に同じく真円の観覧車が映りこむ波紋に揺れて形を歪ませる観覧車のシルエットが描くのは螺旋模様 水鏡の中に浮かぶそれを目に映しながら柊かがみはもうこの世にはいない二人に誓いを立てた 螺旋は回るグルリグルリと彼女の道行きを現すかのように彼女の心の内を現すかのように
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