[過去ログ] 【進撃の巨人】リヴァイ兵士長受けスレ★96 (1001レス)
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(4): 2014/03/25(火) 17:47:31.46 ID:??? AAS
族ベルリSS(1/2)

春休みに入って数日、リヴァイは学校へ向かっていた。ゴロツキ団の定例会がいつもの部室で行われる。
いつもの通り道、途中にベルトルトの家がある。けれどもいつもと様子が違い家の門と扉が開いていた。
ひょいと覗くと玄関先に沢山の段ボール箱が積まれている。
箱の隙間から忙しなく動く金髪のガタイのいい男が見えた。そういえばベルトルトは友達と家をシェアしてると言っていた。あれが友達なんだろうか?
「ん?誰だ?」
じっと見ているリヴァイに気づいた金髪の男が声をかけてきた。段ボールの間を器用にすり抜けそばまで来ると不審そうにリヴァイを見下ろす。
「…ベルトルトは?」
「ベルトルト?ああ!もしかしてお前ゴロツキ団にいる小学生か」
「…」
不機嫌な顔に変わるリヴァイに対してにこにこと目の前の男は笑顔になった。
「お前の話はいつもベルトルトから聞いてる。仲良くしてくれてありがとうな」
「ああ…」
「あいつが一人で友達を作るなんてな、お前と会った日はいつもその話ばっかりだ」
「…で、ベルトルトは?」
なんだか居心地が悪い
「ベルトルト?あいつは先に引越先に行ったぞ」
「ひっこし?」
「ん?あいつから聞いてないのか?」
…聞いてない。
「だって…」
桜が満開になったら一緒に見に行こうって…弁当持って一緒にって…一緒に…
「はは、あいつらしいな。言いにくいことはいつも飲み込んでばっかりだ」
「急いでるからこれで」
この場に居たくなかった。
引越すことを教えてもらえなかった、居なくなるのに嘘の約束をされた。
ベルトルトが俺に嘘を…
背後で金髪野郎が何か言った気がしたが、振り向くことはできなかった。

「総長!聞いてますか?」はっとして周りを見渡すと心配そうな団員の顔が見える。
「済まないもう1度頼む」切り替えなくては。

定例会が終わり、がらんとした部室に西陽が射し込む。一人で掃除して帰るからと団員を追い出した。
雑巾を固く絞りテーブルを拭く。小さな染みのようについた汚れが落ちなかった、きゅきゅと力を込めて擦る。
雑巾の下に見える小さな染みはじわりと滲んで広がっていくように見えた。
桜なんて早く散ってしまえ。

「よし」雑巾をバケツに引っ掛けると腰を伸ばす、いつもより念入りに磨きあげた室内。時計を見上げると七時を過ぎた頃だ。
その時ガチャとドアが開く「あの…すいません…」よく知っている申し訳なさそうな声。はっとして姿が見える前に体の向きを変えた。
「あっいた…あの今一人?だよね…というかあのライナーから君が来たって聞いて、ライナーって一緒に暮らしてる友達なんだけど…」
振り向かなくても焦った表情が瞼に浮かぶ。
「引越、を…君に言えてなくて…で、でも、隠してたとかじゃないんだ、言う程のことじゃないかなって思ってて、だから…あの…」
ちくりちくりと言葉が胸に刺さっていく。
「ねえ、こっち向いて」
「嫌だ」
反射的に答えた言葉にほっとしたようにベルトルトが続ける
「良かった、もう口を聞いてもらえないかと思った」
「聞かない。お前の話はもう聞きたくない、出ていけ」
「え…な、なんで?引越のことは悪かったと思ってる。本当にごめん」
1度口を開くと止まらなかった。
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(3): 2014/03/25(火) 17:54:53.20 ID:??? AAS
族ベルリSS(2/2流血あり注意)

「言う程のことじゃなかったんだろう?」
「それは、でも君が傷ついてるから」
「は?勝手に人を傷つけるな…痛っ!」
勢いで振り向くと、思った以上に近くまで来ていたベルトルトの胸に顔がぶつかった。
「あっあっ大丈夫?」
「触るんじゃねぇ」
「でも…あ……」
「なんだ」
「ごめん!本当にごめん!」
大きな声と一緒に抱き締められる。
「てめえ離せ」
「離さない」
「は、な、せっ!」
地を思いきり蹴り飛び上がると、ベルトルトの鼻に頭突きした。
「っ…ぅっ…離さ、ない!」
「謝ったってどっか行くんだろうが!」
「えっ?」
すうと息を吸い込む。
「…一緒、一緒に…桜を見に行くつもりなんかなかったんだろ…」
体から力が抜け、かわりに顔をあげた。真っ赤な顔で見下ろすベルトルトの鼻から血が落ち頬にぱたりと当たった。
「一緒に桜…?あ!だから怒ってるの?」
頬が熱くなる。
「僕が嘘ついたって思ってるの?それで怒ってるの?」
「…」目線を胸に戻す。
「僕が引越すのは公園の側のマンションだよ、近いから言わなくてもいいかなって思ったんだ」
言い終わりにズッと鼻を吸い込む音がした
「だから、桜は一緒に見に行くよ?約束したもんね」顔をあげる。見下ろすベルトルトの目が優しく笑っていた。

「鼻…悪かったな」
緩んだ腕の中から手を伸ばし指先で鼻に触れた、折れてはいないようでほっとする。
「痛いか?血は止まったみたいだが」
「平気」
嘘つけと思いながら、腕を首に回す。
「どうしたの?」
ベルトルトが顔を近づけてくる。そのままちゅと口づけた。
一瞬頭を引きかけたが止まり抵抗する様子はない。ちゅちゅと繰り返してやると、ベルトルトの舌が唇を舐めてきた。それに合わせて小さく口を開いた時たらりと液体が唇を伝い鉄の味が口の中に広がった。
目を開くとベルトルトもびっくりしたように目を見開いている。そっと唇を離し顔を見合わせた。
「…興奮させるからまた出ちゃった」
鼻血を垂らしながら口を尖らせるベルトルトに「悪かったな」と言いながら鼻に指を伸ばす。
「続きは桜を見に行った時にやろう」しれっとそう言って微笑んだベルトルトの鼻をゆっくりとつまんだ。

おしまい
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