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(1): 1) ハロウィンの仮装&和服美人受け 2013/10/25(金) 07:03:03.30 ID:Msc0OZGK(1/2)調 AAS
■【投下】 ■元ネタ:>>【避1-017】ハロウィンの仮装 および >>28 和服美人受け ■派生:OK 
■エロ:無  ■備考:無 ■原作:無

「へえ、似合うねドラキュラ伯爵。君のもてあまし気味の長い足が、生まれて17年目にしてようやく役に立ったんだな」
 商店街主催のハロウィンパレードの集合場所で、あいつはにこやかに毒舌をかましてきた。
 あいつも駆り出されたのか。お互い親が自営業だと大変だね。
「こんな時まで皮肉かよ。って、おまえ……誰よ?」
「え? 見てわかんない?」
「……助さんか格さん? 水戸黄門の」
「君の頭じゃ和物といえば時代劇なのかい? 発想が貧弱だねえ。ヒントはこれだよ」
 あいつは腰元に手をやると、帯にさしていた長い刀……ではなく、
 緑茶のペットボトルを引き抜いて、俺の目の前に突きつけてきた。
「すまん、わからん。お茶系業界の萌キャラか何かか?」
「はあ〜。馬鹿じゃないの君。ハロウィンで萌キャラのコスプレしてどうすんのさ」
 ここを読めよ、とペットボトルのラベルを指差す。
「伊右衛門?」
「そう。伊右衛門」
「なに? 茶の擬人化?」
「馬鹿か君は。伊右衛門といったら、四谷怪談だろう」
 縞地の着物を足のラインに沿ってさっとなでる。
 格好つけているつもり……なのか?
46: 2) ハロウィンの仮装&和服美人受け 2013/10/25(金) 07:04:43.74 ID:Msc0OZGK(2/2)調 AAS
「刀を構えたほうがキマるんじゃないのか?」
「ああ、だめだよ。これ、真剣だから」
 たかが商店街の一企画に、なんて物騒なものを持ってくるのか。
「……さすが古道具屋の息子……」
「着物もうちの商品さ。よく見るとちゃんと血の染みがついてるんだ。ほら」
 売るなよ、そんなもの。
「それにしても……、ペットボトル差してる浪人なんてやっぱり変だぜ」
「うーん、そうだよなあ。お岩さんがいたらその人とペアになればいいと思ったんだけど」
 二人であたりを見回して、ため息をつく。
「いるわけ無いって。白い着物なんて、夏ならともかく」
「秋じゃさすがに寒いか」
「第一、ハロウィンってよりも、それじゃ肝試しだ」
 パレード参加者集合のアナウンスが流れた。
 あーあ、とあいつは伸びをして、こちらに向き直った。
「じゃあ、仕方ないや。君と歩くか」
「妥協して俺かよ。てか、勝手に決めるな」
「そんなこと言わないでさ。ね、血を吸っていいから〜」
 急に甘えるような声をだして、あいつは俺にしなだれかかってきた。
 白い首筋をことさらに見せ付けながら、俺のマントに包まってくる。
「おい、よせよ! 浪人抱えてる吸血鬼って、どんなシチュエーションだよ」
「文明開化」
「野郎の血などいらん」
「選り好みしちゃだめだよ〜。だってほら、僕童貞だし」
「処女と童貞は決定的に違う」
「どこが?」
 伊右衛門は嗤った。
 俺の腕の中でのけぞるように喉仏をみせつけながら。
 俺は答えられなかった。

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