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モララーのビデオ棚in801板57 (502レス)
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二つのスプーン 4/5
◆Cf6pwGhzSc
2010/05/07(金) 00:45:07
ID:dzzXtVS90(5/6)
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442: 二つのスプーン 4/5 ◆Cf6pwGhzSc [sage] 2010/05/07(金) 00:45:07 ID:dzzXtVS90 孔、お前が私に痕を付けろ。 あの時付けられた痕とは、全く意味合いの違う傷を。 お前の所有の証を付けろ。 私はお前の物だ。 一体、あれから何度の夜が過ぎただろう。 目が覚めると、カーテンの隙間から明るい日差しが差し込んでいた。 大きく伸びをして、風間は孔を見やる。 孔が目を開き、風間を見て笑った。 「おはよう」 風間が口を開いた瞬間、孔も同時に口を開いて、声が二つ重なった。 少しばかり感動を覚えて、風間は孔を眺めた。 時々、こうやって誰か自分達以外のものが謀ったかのように、孔との行動が重なることがある。 思考を読まれているのかと疑うほど、自分が考えていることを口に出されたりもする。 そう言う時、風間は一冊の本を思い出す。 遠征のために新幹線に乗らなければならなかったことがあった。 スポーツ雑誌でも購入して手持ち無沙汰を解消しようと駅構内の本屋に立ち寄り、文芸誌のコーナーを通りかかった時、普段は目に留まらないハードカバーの本が目に付いた。 作者の名前もかなり個性的なそのミステリは、風間の好奇心をちょっと刺激した。 ほんの2時間程度の旅である。旅の供に、たまにはこう言うのもいいかもしれない。 風間はその黒い表紙の本を手に取ると、レジへと向った。 短編集だった。一話目は、探偵とその助手が、古い友人に助けを請われ、ある屋敷へ赴く話だ。 探偵と助手が、友人の服の裾を掴んでいる子供に挨拶する。 その声が、「二つのスプーンが重なるように」ぴたりと重なる。 読みながら、風間は、男同士でずいぶん仲の良いことだなと単純に思った。 揶揄する気持ちではなく、ただ印象に残ったのだ。 孔と声が重なるように同じことを言うという体験をするようになって、風間の脳裏に浮かぶのは、その短編だった。 二つのスプーンのように重なる二人の声。 そして、少しばかり使い込まれて、瑕が付いていたり、光が鈍くなったりしているそれが、テーブルの上に重ねられて置かれているイメージ。 http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1269551387/442
孔お前が私に痕を付けろ あの時付けられた痕とは全く意味合いの違う傷を お前の所有の証を付けろ 私はお前の物だ 一体あれから何度の夜が過ぎただろう 目が覚めるとカーテンの隙間から明るい日差しが差し込んでいた 大きく伸びをして風間は孔を見やる 孔が目を開き風間を見て笑った おはよう 風間が口を開いた瞬間孔も同時に口を開いて声が二つ重なった 少しばかり感動を覚えて風間は孔を眺めた 時こうやって誰か自分達以外のものが謀ったかのように孔との行動が重なることがある 思考を読まれているのかと疑うほど自分が考えていることを口に出されたりもする そう言う時風間は一冊の本を思い出す 遠征のために新幹線に乗らなければならなかったことがあった スポーツ雑誌でも購入して手持ち無沙汰を解消しようと駅構内の本屋に立ち寄り文芸誌のコーナーを通りかかった時普段は目に留まらないハードカバーの本が目に付いた 作者の名前もかなり個性的なそのミステリは風間の好奇心をちょっと刺激した ほんの時間程度の旅である旅の供にたまにはこう言うのもいいかもしれない 風間はその黒い表紙の本を手に取るとレジへと向った 短編集だった一話目は探偵とその助手が古い友人に助けを請われある屋敷へ赴く話だ 探偵と助手が友人の服の裾を掴んでいる子供に挨拶する その声が二つのスプーンが重なるようにぴたりと重なる 読みながら風間は男同士でずいぶん仲の良いことだなと単純に思った する気持ちではなくただ印象に残ったのだ 孔と声が重なるように同じことを言うという体験をするようになって風間の脳裏に浮かぶのはその短編だった 二つのスプーンのように重なる二人の声 そして少しばかり使い込まれてが付いていたり光が鈍くなったりしているそれがテーブルの上に重ねられて置かれているイメージ
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