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モララーのビデオ棚in801板57 (502レス)
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Absolute Zero 1/5
2010/04/21(水) 18:21:39
ID:GsWqJ+iz0(2/6)
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319: Absolute Zero 1/5 [sage] 2010/04/21(水) 18:21:39 ID:GsWqJ+iz0 玉座から差し出される白い手に、音もなく触れる。 初めは指先で。続いて包み込む掌で、次には接吻する唇で。 委ねられた手の重みと、肌理の整った皮膚の滑らかさが伝わる。 しかし、何度触れてみても、体温だけは感じられない。 神の座を求め、科学技術による強化を重ねても、生身の人間だ。 血の通った肉体は、相応の温かさを持っているはずだった。 だが、男には何故か、それを感じ取れたためしがない。 薄い皮膚に触れるたび、感じるのはその奥底の冷たさ。 人の形をした身体に、人のものとは思えぬほど静謐な何かが。 しんと冷え切った何かがあるように、男はいつも感じていた。 男がその不可思議な温度を知った契機は、ひとえに総帥の命による。 否、より正確に言えば、彼は組織内で正式に認められた総帥ではなく 実権だけを影から手にした、表向きは一幹部にすぎなかった。 彼が実父たる当時の総帥を消し、組織の全権を一手に掌握した時。 その事実を知らされたのは男を含め、数人の幹部だけであった。 本来そう呼ばれるべき人物を失った今、総帥の座は空席であったが 何故か男は、その子息を――簒奪者にすぎぬはずの人間を 新たな総帥、ひいては自らの主と、ごく自然に認識していた。 仕えるべき相手は彼ひとりと、最初から定められていたかのように。 彼に忠誠を誓い、およそ現実的とは思えぬその志に従うことも 少なくとも男にとっては、至極当然の流れであった。 だが、そうした鋼の如き意志、あるいは忠誠心をもってしても 即座には受け入れることのできなかった指示が一つだけある。 男が未だ忘れることの叶わぬ、全ての契機となった命。 http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1269551387/319
玉座から差し出される白い手に音もなく触れる 初めは指先で続いて包み込む掌で次には接吻する唇で 委ねられた手の重みと肌理の整った皮膚の滑らかさが伝わる しかし何度触れてみても体温だけは感じられない 神の座を求め科学技術による強化を重ねても生身の人間だ 血の通った肉体は相応の温かさを持っているはずだった だが男には何故かそれを感じ取れたためしがない 薄い皮膚に触れるたび感じるのはその奥底の冷たさ 人の形をした身体に人のものとは思えぬほど静な何かが しんと冷え切った何かがあるように男はいつも感じていた 男がその不可思議な温度を知った契機はひとえに総帥の命による 否より正確に言えば彼は組織内で正式に認められた総帥ではなく 実権だけを影から手にした表向きは一幹部にすぎなかった 彼が実父たる当時の総帥を消し組織の全権を一手に掌握した時 その事実を知らされたのは男を含め数人の幹部だけであった 本来そう呼ばれるべき人物を失った今総帥の座は空席であったが 何故か男はその子息を奪者にすぎぬはずの人間を 新たな総帥ひいては自らの主とごく自然に認識していた 仕えるべき相手は彼ひとりと最初から定められていたかのように 彼に忠誠を誓いおよそ現実的とは思えぬその志に従うことも 少なくとも男にとっては至極当然の流れであった だがそうした鋼の如き意志あるいは忠誠心をもってしても 即座には受け入れることのできなかった指示が一つだけある 男が未だ忘れることの叶わぬ全ての契機となった命
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