[過去ログ] ◆◆◆◆ 極道の詩集 ◆◆◆◆★2 (610レス)
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155: 2010/09/11(土) 17:38:22 0 AAS
これはある精神病院の患者、第二十三号がだれにでもしゃべる話である。
彼はもう三十を越しているであろう。が、一見したところはいかにも若々しい狂人である。
彼の半生の経験は、いや、そんなことはどうでもよい。彼はただじっと両膝(りょうひざ)をかかえ、時々窓の外へ目をやりながら、
(鉄格子(てつごうし)をはめた窓の外には枯れ葉さえ見えない樫(かし)の木が一本、雪曇りの空に枝を張っていた。)
院長のS博士や僕を相手に長々とこの話をしゃべりつづけた。もっとも身ぶりはしなかったわけではない。
彼はたとえば「驚いた」と言う時には急に顔をのけぞらせたりした。僕はこういう彼の話をかなり正確に写したつもりである。
もしまただれか僕の筆記に飽き足りない人があるとすれば、東京市外××村のS精神病院を尋ねてみるがよい。
年よりも若い第二十三号はまず丁寧(ていねい)に頭を下げ、蒲団(ふとん)のない椅子(いす)を指さすであろう。
それから憂鬱(ゆううつ)な微笑を浮かべ、静かにこの話を繰り返すであろう。
最後に、僕はこの話を終わった時の彼の顔色を覚えている。
彼は最後に身を起こすが早いか、たちまち拳骨(げんこつ)をふりまわしながら、

だれにでもこう怒鳴(どな)りつけるであろう。

出て行け!この悪党めが!
貴様も莫迦(ばか)な、嫉妬(しっと)深い、
猥褻(わいせつ)な、図々(ずうずう)しい、うぬ惚(ぼ)れきった、
残酷(ざんこく)な、虫の善い動物なんだろう。
出て行け!この悪党めが!

このスレッドは極道の極道による極道のための詩集である・・・。

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