【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part4 (998レス)
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抽出解除 必死チェッカー(簡易版) レス栞 あぼーん

817: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 17:36:00.78 ID:ACgbJP1G0(1/17)調 AAS
光属性は攻守のバランスが良く、光速移動という最速移動方法も有する優秀な属性です。暗闇も照らせるので、一家に一人は光属性持ちがいると良いかもしれません
炎属性は攻撃性能に優れ、単純な破壊力で言えばとても強い優秀な属性です。暗闇もてらせますが、光源としての使用は光属性よりも燃費が悪いです。熱が放出されるので温かいのが利点となることもあるかもしれません。なおフメイ氏がやっているような爆発を利用した高速移動は、燃費がとても悪く制御も難しいので推奨されていません
雷属性は攻撃および速さに優れ、雷速移動という光速に準ずる移動方法を備える優秀な属性です。雷速移動は光速移動と異なり、煙や霧を貫いて移動することもできますが、光速移動よりもかなり燃費が悪いため、使いすぎるとすぐにお腹が減ってしまうと思われます。雷属性は強力ですが相応に燃費が悪い属性と言えるかもしれません

スライムは大体なんでも食べられる生き物なので、相手の強さや大きさ次第では簡単に食べてしまえる可能性があります。厄介なのは属性を有した相手ですが、最近のクロシュ氏は炎、光、雷といった多くのスライム類が苦手とする属性を身に着けつつあり、食べられないものも減ってきています。尋常な生き物からすれば後天的に属性を身に着けるのは卑怯に思えそうですが、ほとんどのスライム類は一生のうちにそのポテンシャルを輝かせることなく死んでしまうため、スライムをずるいと思う人はあまり多くないようです
818: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 17:38:39.64 ID:ACgbJP1G0(2/17)調 AAS
―浮島の古城 地下 踏破率[10/10] 持久力[2/10]

 パタパタ スタスタ スタスタ
 ズシン…ズシン…

ジェミニ「ここじゃ」ピタ

 大きな扉「」ゴゴゴゴゴ…

妖精「うっ……扉越しからでも伝わってくるプレッシャー……!」

ベルトーネ「開けなくてもわかる……封印かなり限界っぽそう……」

オオキイクロシュ「……」

ジェミニ「では開くぞ」

 大きな扉「」ギィィィィ――

 *

―地下空洞

 雷雲「」ゴロゴロゴロ…

 雷「」カッ!!

オオキイクロシュ「わ……!」

妖精「地下なのに雲の中みたいだ……!」

ジェミニ「みたい、ではなく実際に雷雲が発生しているようじゃ。しかしここまで漏出しているとは……」

ベルトーネ「だから城の中でも雷球がビュンビュン飛んでるんだねえ……」

ジェミニ「中心部に結界の入口があるはずじゃ。向かおうぞ」

 *

 封印結界「」ビビ…バチバチ…

妖精「あれが……封印の結界!」

ジェミニ「これは……思っていた以上に――」

「遅かったではないか……ジェミニ、ベルトーネ……」

ジェミニ「!」

ベルトーネ「あんたは――」

妖精「え、誰」

茶長髪眼鏡の青年の亡霊?「私はラティア王ロムリン――待ちわびていたぞ、君たちの帰還を――」

オオキイクロシュ「わあ……。透けてる……」

ジェミニ「ロムリン王……延命魔法で永らえていたのですか」

ロムリン「いかにも。私は君たちと違ってここを離れるわけにはいかなかったのだ。いかなる事態が起きようとも、私にはこの封印を維持し続ける責務がある」

ベルトーネ「いや、ロムリンって人間だよね……? 人間の自我は一万年って時間に耐えられないと思うんだけど〜……」

ロムリン「私の延命魔法を見くびらないで頂きたいものだね」

ベルトーネ「こわ……バケモノじゃん……」

ジェミニ「ロムリン王……不測の事態には儂が対応すると申し上げたはずです。王がこのような……無間地獄の如き年月に身をやつすことなど……」

ロムリン「セーフティはいくつあっても困るものではないだろう? それに私がいなければ、既にこの結界は破れていたのだよ」

ジェミニ「……面目次第もありませぬ。ベルトーネ共々、些か惰眠を貪りすぎておりました」

ベルトーネ「えっ、私は悪くなくない〜? だって結界の維持管理なんて契約外だし、むしろ未だに残ってやってるのはサビ残っていうか〜……」

ロムリン「謝罪の言葉は後でいくらでも聞こう。今はこの壊れかけている封印を直してくれたまえ」

 封印結界「」バチバチ…

ジェミニ「……」

妖精「えっと……これ、直せるの?」
819: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 17:39:15.08 ID:ACgbJP1G0(3/17)調 AAS
ジェミニ「……限りなく不可能に近い、と言わざるを得ませぬ」

ロムリン「なに……!?」

ジェミニ「封印の要石が溶解……いえ、蒸発しております。もう既にこの結界は消滅する寸前のようです。ロムリン王の延命魔法によって消滅までの時間を稼げてはおりますが……文字通り、時間の問題かと」

ベルトーネ「あーあ、ジェミニ爺さんが寝坊したせいで大変なことになっちゃった〜」

ロムリン「新しく結界を作り直すことはできないのかね?」

ジェミニ「材料が足りませぬ。要石が残っていればやりようはありましたが……」

ロムリン「では他の方法は?」

ジェミニ「残された時間から考えた場合、もはや封印から脱した直後で弱っている雷霆の魔王を迎え撃ち、討伐するしかありませぬ」

ロムリン「勝算はどれほどかね?」

ジェミニ「……ここにいる我々を全戦力と仮定した場合……1割に満たないかと」

ロムリン「……」

ベルトーネ「流石に勝率1割未満の負け戦なんて御免だし、サビ残もここまでかな〜……」

妖精「……」

ロムリン「であれば……君たちはこの島から脱出するが良い。過去の遺物と共に心中することはない」

ジェミニ「王よ……! しかしそれでは――」

ロムリン「民は……もう残っていないのだろう……? ならば無理に戦う必要などない……。雷霆の魔王を世界に解き放ってしまうのは口惜しいが、あの暴虐を1万年も足止めできたのであればそれも快挙と言えよう」

ジェミニ「……」

妖精「ちょ、ちょっと待って! それは困る……! 雷霆の魔王をどうにかしないと世界樹の光が……」

ロムリン「……世界樹の光? そもそも、君たちは誰なのかね?」

オオキイクロシュ「えと……」

 *

ロムリン「なるほど……突然魔王が活性化したのはそのような原因があったと……」

妖精「そう。ここで諦められちゃうとすごく困る。星の力を持った状態で雷霆の魔王が完全復活を果たしたら、どうしようもないことになるかもしれない」

ロムリン「この島の問題だけではないということか……」

妖精「……それにこの島にもまだ、何人かの人形と、国が滅んだ後に住み着いた空妖精たちが暮らしてるんだ。民とは言えないかもしれないけど……」

ロムリン「なに、そうなのか」

ベルトーネ「あ〜言わなきゃ良かったのに〜……。優しい優しい王様がそんなこと知ったら――」

ロムリン「前言を撤回する。まだこのラティアに住まう者がいるのなら、戦うしかあるまい……!」

ジェミニ「この老木も命を賭してお供致しますぞ……!」

ロムリン「この戦力での勝率が1割なら、その時までに少しでも多く戦力を拡充し勝率を引き上げよ……! 使えるものはなんでも使って構わん、勝て!」

ジェミニ「はっ!」

妖精「私たちにも他に仲間がいるし、1万年の間に魔法も発展した。勝率はもっとあるはずだよ、きっと」

オオキイクロシュ「ん……!」

ロムリン「君たちにも期待している。共に戦おう」

 ☆古城の地下でラティア王ロムリンと出会いました

 ◆

↓1コンマ 封印消滅まであと
01-30 6日
31-60 7日
61-90 8日
91-00 8日+??
821: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 18:12:47.94 ID:ACgbJP1G0(4/17)調 AAS
―廃都 工房

砕けたレンガのゴーレム「」ピコン…ピコン…

クロシュ「えと……治せる……?」

工房人形「少々お待ちくださいね。これでしたら……はい、無事に治せそうです」

クロシュ「わあ……!」

工房人形「人工精核がほとんど無傷なのが幸いでした。ここまで丁寧に運んでいただき、ありがとうございます」ペコリ

クロシュ「ん……!」

工房人形「それでは修復作業に取り掛かりますので、少々お待ち下さいね――」

 ◇

 ガションガションガション―
 ジュウウウウウ――
 ポン!

レンガのゴーレム「……! ここは――」キョロキョロ

工房人形「修復完了です。体の調子はどうですか?」

レンガのゴーレム「……以前よりも駆動が軽くなっていマス」ズシンズシン

クロシュ「わああ……!」

工房人形「良かったです。記憶は残っていますか?」

レンガのゴーレム→ポーラー「ワタシは……ポーラー・ドロリッチ。宝物庫の番を務めておりマシタ。最期には、死兵として雷霆の魔王の足止めを行い、討ち死にした覚えがありマス……。ワタシは……ナゼ生きているのデスカ?」

工房人形「こちらのスライムさんが、砕けて機能停止していたあなたを、この工房まで運んでくれたのです」

クロシュ「んへへ……」

ポーラー「かたじけナイ。感謝致しマス、異国のスライムサマ」ギギギ ペコ

妖精「良かったねえ」

ベルトーネ「お〜、これは頑丈そうなゴーレムだねぇ〜」

ジェミニ「うむ……! この調子で戦力を拡充していきたいところじゃ!」

 ☆レンガゴーレムのポーラーが戦力に加わりました

 *
822: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 18:39:24.83 ID:ACgbJP1G0(5/17)調 AA×

823: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 18:41:09.63 ID:ACgbJP1G0(6/17)調 AAS
―寂れた家 リビング

妖精「というわけで昨日も説明したけど、8日後くらいに封印が解けて雷霆の魔王が復活するから、それまでに対策と戦力拡充を図るよ!」

エバンス「……昨日も聞いたけど、本当に大丈夫なのか? 国一つを滅ぼすような魔王なんかに挑んで……」

妖精「……大丈夫か大丈夫じゃないかで言えば、間違いなく大丈夫じゃない。でも封印から脱した直後は弱体化しているはずだから、勝機はそこにしかないんだ」

イリス「世界樹の光を得た魔王……しかも史上最強と言われる……。確かに、時間をかけて完全復活されたら本当にどうしようもないことになりかねないんだ……」

妖精「そういうこと。弱っている内に叩いて倒す」

ローガン「フッ……世界の命運を賭けた戦いというわけか。面白くなってきたな」

エバンス「旦那……最近ノリが良すぎないか?」

ミスティ「まあ元々世界の命運を賭けた旅をしているのだから、やることはかわらないわね。立ちはだかる敵を倒す――シンプルで良いじゃない」

イリス「ミスティ、やっぱり脳き……」

クロシュ「……」ポケー

妖精「ん……? クロシュ、眠いの?」

クロシュ「……んーん……」

妖精「眠かったら無理しないで寝るんだよ? 昨日の戦いで疲れてるだろうし」

クロシュ「んへへ……だいじょうぶ……。顔、洗ってくる……!」

 *

―寂れた家 洗面所

クロシュ「……」パシャパシャ

人形「クロシュさま。おはようございます」ペコリ

クロシュ「ほえ……おはよ、人形さん……」

人形「お御髪がかわいらしく跳ねてらっしゃいます。よろしければお梳かしいたしましょうか?」

クロシュ「わあ……うん……!」

人形「それでは、失礼いたします……」スッ

 櫛「」サッサッ
 クロシュの髪「」サラサラ

クロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

人形「……小耳に挟んだのですが……雷霆の魔王が復活するというのは、本当なのでしょうか……」

クロシュ「ほえ……。えと……うん……」

人形「……そうであれば……わたしも、向かわなければなりません」

クロシュ「……?」

人形「わたしがいなくなっても、この家と備品はご自由にお使い頂いて構いません。あ、でも……皆さまが使われている寝室は……できれば、そのままの形を保っていただけると……」

クロシュ「……」

人形「……申し訳ありません、手が止まっておりました。再開いたします……」

 櫛「」サッサッ
 クロシュの髪「」サラサラ

クロシュ「……」モニョ…

浮島国滞在4日目です。12日目に封印が消滅します
↓1〜3 自由安価 何をする?
827: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 20:16:23.49 ID:ACgbJP1G0(7/17)調 AAS
―寂れた家 庭

風船クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ

空妖精A「わあ〜クロシュちゃんすご〜い!」パタパタ

空妖精B「これがスライムの……擬態能力……」パタパタ

妖精「風船スライムになるのはすっかり慣れたんだねえ」パタパタ

風船クロシュ「〜〜」モニョニョ フヨフヨ

妖精「そういえば、風になる練習はもういいの? 前はけっこう良いとこまでいってた気がするけど」

風船クロシュ「!」モニョ!

妖精「うん。見ててあげるから、やってみなよ」

風船クロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 デロデロ…モニョモニョ…
 ヒュオッ

風クロシュ「」ヒュルヒュル

妖精「わっ……! クロシュ、もしかして――」パタパタ

空妖精A「わわあ!? クロシュちゃん、風になれるの!?」パタパタ

空妖精B「すごい……気体にも擬態できるんだ……」パタパタ

風クロシュ「」ヒュルル

妖精「すごい……風でありながら霧散せずに一定の形を保ってる……! 風の精霊みたいだ……!」

風クロシュ「」ヒュルッ

 ヒュオオオオオッ

空妖精A「きゃ〜!」キャッキャ

空妖精B「んっ……きもちい、風……」パタパタ

 ☆クロさんとの交流や大魔女帝国での経験により、会心成功しました
 ☆クロシュが風になれるようになりました

 ◆
828: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 20:16:51.11 ID:ACgbJP1G0(8/17)調 AAS
―古城 回廊

ミスティ「昨日クロシュと妖精が探索したお城……」スタスタ

イリス「明かりを点けるね」スッ

 ポン!
 光の玉「」ピカピカ

エバンス「おお、明るいな」

イリス「照明には光魔法が一番ですからね」

ローガン「複数属性使えるというのは本当に強いな」

ベルトーネ「ほんと昨日のクロシュちゃんといいズルすぎない〜?」ヒョコ

イリス「うわあ!?」

ローガン「何奴!?」シャキン!

ジェミニ「儂らはこの城に縁のある者じゃ。お主らはクロシュ殿らの仲間じゃろう?」

エバンス「……てことは、あんたらが悪魔のベルトーネとエルフの賢者ジェミニか?」

ジェミニ「いかにも。お主らのことは妖精殿から聞いておる」

 *

ベルトーネ「なるほど〜。地下の戦場跡で戦力を増やそうと……」

ジェミニ「うむ……であれば是非とも頼もう。儂はこの怠惰悪魔から1万年分の歴史を引き出さねばならぬゆえ手伝えぬが、必要があれば上階の方に来て頂きたい」

ローガン「感謝する。それでは向かわせてもらおう」

ベルトーネ「私の記憶なんて、1万年くらいずっと部屋でゴロゴロしてたくらいしかないんだけどね〜」

 *

―古城 地下回廊

 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 人形の残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 人形の残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ

イリス「うっ……」

ミスティ「これは……ちょっと、きついわね……」

エバンス「……どうやって見分けりゃ良いんだ? 生きてるかどうかを」

イリス「生きていれば魔力の波長が微かに出ているとのことなので、意識を集中すれば……」

エバンス「う、苦手なやつだ……」

ミスティ「世界の命運がかかっているんだもの、頑張りましょう」

ローガン「……シッ! 何者かがこちらに近付いてくる」

イリス「!?」
ミスティ「!?」
エバンス「……」スッ

 スタスタ…

↓1コンマ 出てきた人
01-40 青髪ロングの少女エルフ
41-80 黒髪ロングの天使
81-84 レイン
85-88 ザイル
89-92 ブラッド
93-96 レイ
97-00 セイン
830: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 21:02:50.08 ID:ACgbJP1G0(9/17)調 AAS
黒髪ロングの天使「ちょっと良いですか? そこの方々」スタスタ
 黒い翼「」バサッ
 白い翼「」バサッ

イリス「……!!?」

ローガン「あれは――」

エバンス「お、おいあれって――」

ミスティ「白黒の……ハーピィ? 変わった色ね」

黒髪ロングの天使「いやハーピィじゃなくて天使ですけど」

 *

ミスティ「へえ、天使って実在したのね」

黒髪ロングの天使→ヒナ「下界の方々が思っているのとは少し違うと思いますけどね。まあちょっと法則の異なる生き物だと思っていただければ」

イリス「てて、天使って……やっぱりロイエ教なんですか!?」

エバンス「いや、その質問は失礼な上に意味がわからないと思うぞ……」

ヒナ「ロイエ教……確か私たち天使を格付けした宗教でしたっけ? 私は下っ端だったんでその辺のことはよくわからないですね。まあ現在の天界が下界の宗教の在り方に口を出すことは多分ないのでご心配なく」

ローガン「聞いてはいけないことを聞いてしまっている気分だ……」

ヒナ「あ、確かに今のは言っちゃいけないことだったかも」

イリス「う、うーん……天界のこととかものすごく聞いてみたいけど……」

ヒナ「ごめんなさい、ちょっとこれ以上は言えないかもです。堕天使の身ではありますけど、コンプライアンス違反になっちゃうので」

エバンス「堕天使」

ヒナ「あ、やば……堕天使っていうのも聞かなかったことにしてくれます……?」

ローガン「う、うむ……天界が意外と世知辛い場所だというのはわかった」

 *

ヒナ「まあそういうわけでして、この辺りから濃厚な混沌の香りがしたんですよ。でも来てみたら既に戦場跡……一体どういうことだ、と憤りながら散歩してたってわけです」

エバンス「わけがわからないが……」

イリス「ええと……つまり、ヒナさんは混沌が好きってことですか……?」

ヒナ「正確に言えば、血湧き肉躍る戦ですね。混沌あるところ戦あり、というわけでもし血で血を洗う争いが勃発しているなら殴り込んでやろうかと思いまして。まあアテは外れたんですけど」

ミスティ「ええ……狂っているわ……」

ヒナ「やだな、正気ですよ。武芸は天使の嗜みなので、ちょっとした腕試しです」

エバンス「腕試し感覚で殺し合いに殴り込むのか……」

ローガン「う、うむ……まあ価値観の違いだろう。しかしヒナ殿、あなたの認識には少々誤りがあるようだ」

ヒナ「え、誤り?」

ローガン「うむ。この戦場跡は1万年前のものだそうだが……これから約8日後、この地に封印されている雷霆の魔王が復活するそうだ」

ヒナ「えっ雷霆の魔王!? ……って何ですか?」

ローガン「……この星において、史上最強と名高い恐るべき存在だ。もし戦いがお好きなのであれば、その雷霆の魔王と世界の命運を賭けた戦に参加してみるのも一興ではないだろうか?」

ヒナ「史上最強の存在と世界の命運を賭けた戦……! とてもわくわくしてきます、そういうの! 是非参加させていただきますよ!」

ローガン「うむ。であれば、この城の上階にエルフの魔法使いと悪魔が作戦会議をしている。彼らにその旨を伝えてくるのが良いだろう」

ヒナ「了解です!」

 光の残像「」パヒュンッ

イリス「当たり前のように光速移動してった……」

ミスティ「最近光速移動安売りしすぎじゃないかしら……」

 ☆堕天使のヒナが戦力に加わりました

 *
831: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 21:48:53.75 ID:ACgbJP1G0(10/17)調 AAS
―古城 地下回廊

イリス「それじゃあ気を取り直して……生きているゴーレムさんを探そう!」

エバンス「おう! 気合入れるぞ!」

ミスティ「集中するわ……」

ローガン「私の場合は金属の鳴動を感知――」

 ズッズズッ

ローガン「するまでもなく、聞こえるこの音は……」

イリス「て、照らしてみます」スッ

 光の玉「」ピカッ

這いずる大盾「」ズッズッ

イリス「で、で……出たぁぁぁぁ!!?!?」ガクガク

這いずる大盾「」ビクッ!

ミスティ「……あっちの盾の方もびっくりしてない……?」

エバンス「お、おお……そう見えるな……」

ローガン「うむ……近付いてみよう。生きたゴーレムかもしれぬ」スタスタ

縮こまる大盾「」ビクビク

ミスティ「亀みたいに縮こまっているわ……」

ローガン「意思を持って動く存在なのは間違いなさそうだ。なんとか対話できないだろうか」

イリス「わ、私……話しかけてみます! 私が驚かせちゃったかもしれませんし……」

エバンス「まあこの中じゃイリスちゃんが適任かもな。頼んだぜ」

 *
832: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 21:49:29.47 ID:ACgbJP1G0(11/17)調 AAS
縮こまる大盾「」ビクビク

イリス「え、えっと……さっきは大きな声を出してごめんね。私たちも、動いている盾を見たらびっくりしちゃって……」

縮こまる大盾「」

イリス「あなたは……ゴーレムさん?」

縮こまる大盾「…………い、いいえ……。わたしは……ゴーレムじゃ、ない、です……」

イリス「えっ! ゴーレムじゃないの!? じゃあ……自然に生きる大盾……!?」

縮こまる大盾「そ、それも……違くて……。わたし、は……」

 モゾモゾ…

緑髪ロング三つ編みの女の子「ゆ……幽霊、です……」スッ

イリス「…………!! ……!!!!」グググググ

イリス(だ、だめだ……悲鳴を上げちゃ……。ここでびっくりしたら……また、この子が縮こまっちゃう……耐えろ、イリス……!!!!)ググググ

イリス「ゆ、ゆゆ……幽霊、なんだ……!! そう、なんだ……!!」

緑髪ロング三つ編みの女の子「うん……。お姉さん、は……?」

イリス「わ、わた……私は……に、人間だよ……! 人間の……イリス・プラネットだよ……!!!」

緑髪ロング三つ編みの女の子→セイラ「あ……えっと、わたしは……セイラ、です」

イリス「せ、セイラちゃんってゆーんだ!! かわいい名前だねえ!!!!」

セイラ「……イリスさんは……どこから、来たんですか……?」

イリス「私は地上から来たんだよ!!!!」

セイラ「ちじょう……?」

ミスティ「見てられないわ……。こんにちは」スッ

セイラ「わ……!?」ビクッ

イリス「みみ、ミスティ!!」ジワワ

ミスティ「イリスの友達のミスティよ。あなたは……セイラちゃんで良いのよね?」

セイラ「あ、はい……」

 *
833: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 21:51:18.79 ID:ACgbJP1G0(12/17)調 AAS
ミスティ「なるほど……気がついたらこの城にいて、盾に守られていたと……」

セイラ「はい……」

 セイラを守る大盾「」フヨフヨ

イリス「……この盾の方は、セイラちゃんを守るっていう使命を帯びたゴーレムなのかも。ゴーレムのことについて何も知らないから、推測の域を出ないけど……」

セイラ「ゴーレム……」

ミスティ「何にしても、こんな暗いところにいる必要はないわ。私たちと一緒に外へ出ましょう」

セイラ「えっ……そ、外に……? でも……」

ミスティ「……? 出られないの?」

セイラ「そうじゃ……ない、ですけど……。外は……危ないから、出るなって……」

ミスティ「……? そう言われたの……?」

セイラ「はい……! えっと……あれ……? 誰に……言われたんだっけ……」

イリス「……セイラちゃん。今このお城には、とっても危険なびりびりだまがビュンビュン飛んでるんだよ。外よりも、このお城の中の方が危ないよ」

セイラ「あっ……雷の、玉なら……この盾が、守ってくれるから……こわく、ないです……」

イリス「ええ」

ミスティ「嘘でしょ」

セイラ「え、えと……」

イリス「ま、まあとりあえず外に出ようよ! 私たちが一緒だし、その大盾が一緒なら大丈夫だよ!」

セイラ「……お外に出ても……守って、くれる……?」

 セイラを守る大盾「」フヨフヨ

セイラ「……うん。わかった……じゃあ、お外……出る……」

ミスティ(今、会話したのかしら? 盾と)

イリス(そうなのかも……? まあほら……私も小さい頃は、ぬいぐるみと会話したし……)

ミスティ(そういうアレなのかしら……)

 ☆自称幽霊のセイラを保護しました

 ◆
834: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 22:44:32.36 ID:ACgbJP1G0(13/17)調 AA×

835: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 22:46:07.11 ID:ACgbJP1G0(14/17)調 AAS
―工房

セイラ「……?」

セイラを守る大盾「」フヨフヨ

工房人形「この大盾は、当時この国で量産されていた自律移動式盾型ゴーレム……当時は大盾とかオオキイシールドと呼ばれていたものですね」

イリス「盾型ゴーレム……それなら、この大盾のゴーレムさんとお話できればこの子のことも知れるんじゃないですか?」

工房人形「……大盾には会話機能が付いておらず、思考や記憶力も警護や防衛を行うために最適化されているため、意思疎通を図るのは困難です。また、防衛上の都合により強固なプロテクトがかけられているため、権利者以外が外部からアクセスすることも不可能です」

ミスティ「つまり……ゴーレムということ以外は何もわからないということ?」

工房人形「それと、セイラ様を守るよう命じられていることくらいでしょうか」

 *

セイラ「……わたしたちのこと、話してるみたい……」

セイラを守る大盾「」フヨフヨ

セイラ「うん……お外、眩しい……」

浮島国滞在5日目です。12日目に封印が消滅します
↓1〜3 自由安価 何をする?
839: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 23:29:37.21 ID:ACgbJP1G0(15/17)調 AAS
―古城 回廊

ポーラー「こちらデス」ズシンズシン

妖精「……私たちみたいな流れ者を宝物庫に連れてって良いの?」

ポーラー「問題ありまセン。ラティア王ロムリンサマの許可は得ておりマス。魔王討伐の為……そしテ、クロシュサマへのお礼デス」

クロシュ「……」

ポーラー「着きましタ」

 扉「」ギィィィィ――

 宝箱「」キラキラ
 金銀財宝「」キラキラ
 金貨の山「」キラキラ
 きれいな宝石「」キラキラ
 美しい装飾盾「」キラキラ
 台座に刺さった大剣「」ゴゴゴゴ…

クロシュ「わ、わわ……!?」

妖精「こ、これは……!!」

ポーラー「どうゾ、お受けとりくださいマセ。我々にはもう必要のないものゆえ、遠慮せず持っていけ――と、ロムリンサマから言付かっておりマス」

妖精「い、いやいやいや! だからってこんなの、受け取れないよ! 大体持ち逃げしちゃったらどうするの!」

ポーラー「持ち逃げするようなお方ではありまセン」

妖精「た、高く買ってくれるのは嬉しいけどさあ……。うーん……じゃあ、雷霆の魔王を無事に討伐できたらもらうよ。何も成していないのに報酬だけもらうなんてのは気分悪いもん」

ポーラー「かしこまりまシタ。それでは……朽ちるしかなかったワタシに、無念を晴らす機会を与えてくださったクロシュサマへのお礼は、全てが終わった時にマタ……」

クロシュ「うん……」

「お待ちを! せめて私だけでも持っていきませぬか、お二方!」

クロシュ「!?」

妖精「い、今の声……どこから!?」

台座に刺さった大剣「ポーラーよ、二人を説得してくれ。私は戦えるのだ。しかしこんなところに刺さったままでは、何も守れぬ……。ポーラーよ、頼む。私は戦えるのだ……」

ポーラー「先パイ……」

妖精「剣が、喋ってる……!? それに、先輩って――」

台座に刺さった大剣「私は、かつてゴーレムの一体でした。しかし以前の戦いで深手を負い、無理を言って大剣として打ち直して頂いたのです。しかし肝心の雷霆の魔王との戦では、宝物庫に刺さった私などを抜き放つ暇もなく……私がここで口惜しく軋んでいる間に、全ては終わってしまった……」

妖精「そ、そうなんだ……」

台座に刺さった大剣「今、再び雷霆の魔王の復活が迫っていることは、既に聞き及んでおります。今度こそ私は、この国を守る為に戦いたい。戦わせて頂きたいのです。旅の二人よ、どうか私を抜き放ってくださいませぬか――」

妖精「そうは言っても……私は妖精だし、クロシュにとっても大きすぎるしなあ……」

クロシュ「……大きくなれば、持てるかも……」

妖精「そういえば大きくなれるんだった」

↓1〜 先取2票 どうしよう?
1.クロシュが持つ
2.持ち帰り、エバンスに持ってもらう
3.持ち帰り、ローガンに持ってもらう
4.ポーラーに持ってもらう
0.自由安価(票数は内容ごと)
842: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 23:55:30.64 ID:ACgbJP1G0(16/17)調 AAS
クロシュ「!」ピコン!

ポーラー「?」

クロシュ「ポーラーさんが……持てば、いいと思う……!」

ポーラー「!」

台座に刺さった大剣「!?」

ポーラー「かしこまりまシタ」ズシンズシン

台座に刺さった大剣「確かに、ポーラーの力であれば私の力を最大限に発揮できる……というか武器の相性で言えば確かにポーラーが最適かもしれませぬが……。なんというかそれは、ちょっと違うというか……」

妖精「んん? 最適なら良いんじゃないの?」

台座に刺さった大剣「いや、そうなのですが……同業の後輩に使われるというのはロマンがなさすぎるというか……」

ポーラー「大丈夫デス。ワタシが先パイを全力で振り回しマス」ズシンズシン

 ガシッ!
 グググ…シャッ!!

掲げられた大剣→ゴライアス「おお……いえ、問題ありませぬ! 頼むぞポーラー、私を使って雷霆の魔王に一泡吹かせてくれ!!」キラキラ

ポーラー「かしこまりまシタ。ゴライアス先パイ」

クロシュ「わあ……!」

妖精「うんうん、ゴーレムの大剣ならゴーレムが持つのが一番だね」

 ☆ポーラーが大剣ゴライアス先輩を装備しました

 ◆
843: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/12/01(日) 23:56:10.57 ID:ACgbJP1G0(17/17)調 AAS
というわけで本日はここまでとなります。次回はエバンスくんが狂い堕天使の遊び相手に選ばれてしまう編、雷霆の魔王封印について聞き込み編からとなります

ラティア王ロムリン氏と出会い、雷霆の魔王の復活が迫っている真実を聞かされたクロシュ一行でした。猶予は8日……その日までにクロシュたちは戦力を整え、魔王対策を万全に備えられるのか。今後の活躍が期待されます
ポーラー氏復活や、堕天使のヒナ氏の加入、謎の少女セイラちゃんの保護、ゴライアス先輩の発見など、少しづつ歩みを進めているようです。城の中や外、地下など、いろいろな場所を探索したり、出会った人々と交流を深めたりすれば、さらなる発見や良いことがあるかもしれません。クロシュ氏の今後の活躍にご期待ください

それでは本日もありがとうございました。次回の土日もよろしくお願いいたします
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