【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part4 (998レス)
前次1-
抽出解除 必死チェッカー(簡易版) レス栞 あぼーん

270: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 17:01:08.79 ID:1pxr88Pl0(1/18)調 AAS
ミスティ氏は既存の魔術書などで学ぶより自分自身で試行錯誤してきた期間が長く、そして氷精の魔導書や正負の属性も実のところ一般的な氷魔法使い向けの本ではないため、そんなミスティ氏が教える内容は普通の氷魔法を学ぼうとしている学生たちにとって非常に難解なものであった可能性があります。そしてミスティ氏自身も論理よりは感覚で理解するセンス型の気質が強いため、実際他者に教えるのはあまり得意ではなかったのかもしれません。それでも、高い氷魔法適性を持つ雪女のユキ氏はなんとか理解できたようでした
一部の個体はやたら強いですが、全体で見ればスライム類はそれほど強力な種族というわけでもないため、他の生物に食べられたり戦いに巻き込まれたり冒険者に狩られたりして命を落とすスライムは少なくありません。シュヴィア氏が他種族に憎悪を募らせていたのも、同族がそういった理不尽に遭うのを何度も目にし、自身も体験してきたからかもしれません

何の因果か、本で示された風船スライムさんの境遇はクロシュ氏と似通ったものでありました。しかしクロシュには親友のフメイちゃんを探すという目的があり、通りすがりの妖精に見つかって一人ぼっちにもなりませんでした。その後たくさんの人と出会い、いろいろなことを諦めたり諦めなかったりして、クロシュ氏は今もなお成長を続けています。今後よほどのことが起きない限り、クロシュ氏が大変な変化を遂げてしまうことはたぶんないでしょう
しかしもしあの時フメイちゃんが助からず、妖精にも見つけられず、集落の焼け跡に一人ぼっちになってしまったら――その後クロシュがどうなっていたかは、誰にもわかりません

イリス氏が教えるのが上手かどうかは実際のところコンマ次第なのですが、彼女は基礎の部分から体系的にしっかり魔法を学んでいるため、センス型のミスティ氏よりも他者に教えるのが上手そうではあります(知識を有していることと、それをわかりやすく教える能力は別なので、断言はできません)

>>216のコンマ表に出ていた三人組の学生とは、実のところその通りユキ、トム、トリルの三人でした(備考欄にて魔法学園に通っているとの記載があり、年齢も近かったため彼らは三人組となりました)。自由安価などでその三人を出したい場合は、三人の名前でも三人組表記でも、どちらでも問題ありません

本で示された風船スライムさんが掃除の魔王と同一の存在かどうかは今のところわかりませんが、掃除の魔王の外形は風船スライムの形に似ていたそうです(大きさは全然異なります)。また、これはたぶん関係のないことですが、空中楽園都市エデンを吊り下げて浮遊する巨大な風船のような物体も人によっては風船スライムに似ていると感じられるようです。なおクロシュは風船スライムさんがふよふよ浮いている姿を好ましく思っているそうです
クロシュ氏は自覚していませんが、あの本を読んだことでなぜか風属性適性が上がったようです。もしかしたらあの本には何らかの秘密が隠されているのかもしれません
元スライムの魔王がいるかどうかはわかりませんが、どのような生き物でも魔王化する可能性を秘めているため、元スライムの魔王が存在する可能性はあります。なお魔王化は強い感情が引き金となる場合が多いため、感情を持つ生き物は感情を持たない生き物よりも魔王化する可能性が高いそうです

魔法学園の学費は、実のところ無料です。魔法の道を志す者であれば誰でも入学できるようです。なお学生でなくとも講義は自由に受けられるようになっているため、入学せず講義だけを受ける人もいます。しかし魔法学園の生徒になると学内の様々な施設やサービスを利用できるようになったり、ゼミに入って専門教授の元で特定分野を集中的に学習できるようになったりするため、本格的に魔法を学ぶ場合は入学した方が良いかと思われます
なお入学は簡単ですが進級はけっこう厳しいらしく、毎年何割かの生徒が留年しているそうです

滞在者の身分から永住権を取得して国民となった者も、帝国内で出生した新生児も、大魔女は全員覚えていると言われています。成長して姿形が変化しても大魔女が人を間違えることはないらしく、魔力の特徴で覚える場合が多いと本人が語った記録が残っています
271: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 17:01:35.29 ID:1pxr88Pl0(2/18)調 AAS
―歓楽区

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「さて、我々はどこで聞き込みをする?」スタスタ

エバンス「今日は今までとは違う場所に行ってみないか?」スタスタ

イリス「今までとは違う場所……?」スタスタ

 〜〜♪

エバンス「そうだな……例えば、この歌が聞こえてくる方とか」

イリス「……あ、本当だ。遠くから微かに聞こえてきますね」

ローガン「これは……あっちか」スッ

 スタスタスタ…

 *

―劇場前

 〜♪〜〜♪

 看板『本日の出演:ヨハンナ・ワイズ、クリスティーナ・アムニジア』

エバンス「ここみたいだ」ザッ

イリス「オペラの公演……!」

ローガン「観覧料は……安いな。この国、やはり物価が他国と比べてかなり低い」

イリス「……」ソワソワ

エバンス「……見てくか?」

イリス「えっ……! で、ですが私たちは聞き込みを……」

ローガン「フッ、そう慌てることもあるまい。滅多に入れない国の芸術だ、今見ておかねばいつ見れるかわからぬ」

エバンス「おう、そうだぜ。芸術妖精たちへの土産話も用意しとかないとだろ?」

イリス「……そ、そうですね! それじゃあ見ていきましょう!」

 *
272: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 17:02:09.80 ID:1pxr88Pl0(3/18)調 AAS
―劇場

 〜〜♪

白髪ロングの女性→ヨハンナ「闇夜に輝く星の如く 我らの希望、偉大なる大魔女 その力、無限の魔法 我らを守り、導く光――」

桃髪ロングの女性→クリス「天空に浮かぶこの都市 大魔女のもとに栄え その慈悲深き心に 我らは永遠の忠誠を誓う――」

二人の声「ああ 大魔女! 大魔女! 大魔女! 大魔女!」

 ダイマジョ! ダイマジョ!! ダイマジョ!!! ダイマジョ!!!!

イリス(わあ……これが大魔女帝国のオペラ……!)

エバンス(すげえ……芸術にゃ詳しくないが、なんかすげえってことはわかるぞ……!)

ローガン(これが……大魔女帝国の芸術か……!)

ヨハンナ「我らの守護者、偉大なる大魔女 その力、無限の魔法 我らを――」

  ベチャッ モニョモニョ

ヨハンナ「えっ……?」

クリス「ヨハンナさん? あっ」

 ベチャッ ベチャッ モニョモニョ モニョモニョモニョ

天井から落ちてきたレッサースライムの群れ「〜〜」モニョモニョ

 ザワザワ スライムダ カワイイ キモイダロ

ヨハンナ「あ、あ……ああああああああああああ!!!!!!!」

 音波「――――!!!!!!!!」ビリビリビリ

観客たち「うっ……」バタッ
観客たち「グワッ……」バタッ
観客たち「アバッ……」バタッ

 バタッバタバタッ…

エバンス「ぐおお!? み、耳が……!」キーン

ローガン「耳を塞げ!! 意識を持ってかれる!」キーン

イリス「ううっ……! これは、音魔法……!?」キーン

レッサースライムたち「〜〜!!」モニャニャニャ!!

ヨハンナ「なんでこんなところにスライムが……! 排除しないと……!!」

クリス「よ、ヨハンナさん!! 落ち着いて!!」アタフタ

イリス(や、やばい!)

↓1コンマ
01-30 声魔法炸裂 レッサースライム全滅
31-60 イリスたちがヨハンナを止める
61-90 ヨハンナを止める+何かに気付く
91-00 ???
274: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 17:29:46.62 ID:1pxr88Pl0(4/18)調 AAS
ヨハンナ「スゥ――あああああああああ!!!!!!!!」

 音波「――――!!!!!!!!」ビリビリビリビリ

レッサースライムたち「〜〜!」モニャニャニャ!!

 モニャニャニャ――パァンッ!
  パァンッ! パァンパァンッ!!

レッサースライムたちの残骸「」ジュクジュク…

イリス(あっ……)

ヨハンナ「――はあっ、はあっ……!」

クリス「ヨハンナさん!!」

ヨハンナ「……あ」

気絶した観客たち「」グッタリ

レッサースライムたちの残骸「」ジュクジュク…

ヨハンナ「あっ……ああっ……!」

劇場スタッフ「救護を呼べ!! 急げ!!」バタバタ

 バタバタ ザワザワ…

 ◆
275: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 17:30:39.59 ID:1pxr88Pl0(5/18)調 AAS
―居住区
 病院

医療ホムンクルス「ふむふむ……あなた方は特に大事ないですね。念の為お薬出しておきますか?」

イリス「あ、いえ……。一応簡単な回復魔法とかも使えるので、大丈夫です」

エバンス「俺も大丈夫だ。体は頑丈な方だからな」

ローガン「私も不要だ」

医療ホムンクルス「わかりました。もし何か不調があればすぐに来院してくださいね」

 *

―病院前 広場

 噴水「」シャワシャワ

エバンス「はあ……。散々な目に遭ったな……」

イリス「はい……。でも――」

ローガン「……なぜ、あの場にレッサースライムが現れたのか」

イリス「……はい。私も、それが気になります」

エバンス「周囲の話をしっかり聞けたわけじゃないが、今までにこんなことは一度もなかったらしいな。一体原因は何なのか……」

イリス「……」

イリス(クロシュちゃんに、あのレッサースライムたちから事情を――あっ)

 イリスの記憶『レッサースライムたちの残骸「」ジュクジュク…』

イリス(……)

イリス(…………私……何も、できなかった……)

エバンス「……あのさ。今日のことは……クロシュちゃんには……」

ローガン「………うむ。伝える必要はないだろう。妖精くんには、話しても良いかもしれんが……」

イリス「…………ですね……」

 ◆
276: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 17:59:38.15 ID:1pxr88Pl0(6/18)調 AA×

277: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 18:00:31.07 ID:1pxr88Pl0(7/18)調 AAS
―朝
 宿泊室

 チュンチュン

ローガン「――ということがあったのだ」

妖精「レッサースライムが……?」

ミスティ「私も昨日……暴走する警備オートマタに襲われたわ」

エバンス「ミスティちゃんの方じゃそんなことがあったのか」

ミスティ「ええ……。まあ、私たちがどうこうすべき問題でもないと思うけれど……」

エバンス「……立て続けに不審な事件が起きているみたいだな」

妖精「……何か、良からぬ企みがある? それぞれの事件に関連性はなさそうだけれど……」

ローガン「騒ぎを起こすこと自体が犯人の目論見である可能性もある」

ミスティ「そうだとしたら……なんでこんな騒ぎを起こすの?」

ローガン「それは……わからぬ。ただの愉快犯か……あるいは――」

妖精「……この国の治安悪化を目論む、他国の工作員とか」

ミスティ「テロじゃない!」

エバンス「テロだな」

ローガン「うむ……。だが大魔女帝国の安全性や豊かな生活水準を羨む国は少なくない」

ミスティ「……」

妖精「……はあ、気が重くなるね。あそうだ、さっきのレッサースライムの話なんだけど……クロシュには……」

ローガン「うむ……伝える気はない。あの子には不要な情報だろう」

妖精「……ありがとう」

 ◇
278: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 18:01:36.65 ID:1pxr88Pl0(8/18)調 AAS
―宿舎 食堂

割烹着ロディナ「……」

イリス「あれ、ロディナさん? おはようございます!」

クロシュ「おはよう、ございます」ペコ

割烹着ロディナ「あなた方は……イリス様とクロシュ様ですね。おはようございます」ペコリ

イリス「割烹着、お似合いですね!」

割烹着ロディナ「そうでしょうか……」

イリス「今日の朝ご飯はロディナさんが?」

割烹着ロディナ「はい。本日の調理当番は私です。お気に召されてましたら良いのですが……」

イリス「すごく美味しかったですよ! ね、クロシュちゃん」

クロシュ「うん……! ありがと、ございます……!」ペコ

割烹着ロディナ「それならば良かったです。食事が必要であればいつでもお申し付けくださいませ」

ノーラ「……」ジッ

イリス「……ん?」

ノーラ「……」フイッ

イリス(あの隅の席にいるのは、留学生のノーラさんだよね)

クロシュ「?」

イリス(さっき……クロシュちゃんをじっと見てた? いや、たまたまかな……? クロシュちゃん、かわいくて礼儀正しいからつい目で追っちゃうよね)

クロシュ「あの……ごはん、いい……?」

割烹着ロディナ「もちろんです。でもタダごはんは一日三回までですよ」

クロシュ「んゅ……。わ、わかってる……」

大魔女帝国滞在4日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
283: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 20:01:12.33 ID:1pxr88Pl0(9/18)調 AAS
クロシュ「ごちそうさまでした……。美味しかった、です」

割烹着ロディナ「良かったです」

イリス「あれ、もう食べちゃったの? 早食いはあんまり体に……いや、スライムだから人間とは違うのかな……?」

クロシュ「……?」

イリス「ま、まあいいや。そうだロディナさん、ここ最近変な事件が多いですけど……ロディナさんは犯人に心当たりとかあったりしますか?」

割烹着ロディナ「犯人ですか……? すみません、私は滞在者への対応および接待の担当なので……事件関係でしたら治安維持担当のホムンクルスか上級オートマタにお聞きくださいませ。ただ、彼らも捜査中の情報については答えられない可能性が非常に高いかと思います」

イリス「あ、そりゃそうですよね。すみません……って、ホムンクルス……!? あの、失礼ですが……ロディナさんのご種族は――」

割烹着ロディナ「私の種族はホムンクルスということになっております。ただ、私の作成過程には大魔女様の独自技術が使われているため、他の国で見られるホムンクルスとは少々異なる部分があるかもしれません」

イリス「ほ、本当にホムンクルス!? 人間かと思ってた……!」

割烹着ロディナ「一般的なホムンクルスは人間とは異なった外見をしている場合が多いので、私たちを人間だと勘違いする滞在者の方は少なくないようです。特に勘違いされても問題はないので、私たちの方から敢えて種族を明かすこともあまりないのですが」

クロシュ「ほむんくるす……」

イリス「ホムンクルスっていうのはね、主に生命とか物質に関わる属性の魔法で造られる人工生命体のことなんだよ。イスファハーンでクロシュちゃんが助けたあの銀色のスライムさんも、広義の意味ではホムンクルスって言えるかも」

クロシュ「わあ……」

割烹着ロディナ「この大魔女帝国で公的な職務に就いている者のほとんどは、大魔女によって造られたホムンクルスやオートマタです。これにより、大魔女帝国では常に安定した国家運営と高い生活水準が保たれています」

イリス「すごい……! それじゃあもしかして、国民の全員が働かなくなっても国は回るってことですか……!?」

割烹着ロディナ「はい。大魔女帝国では勤労の義務がないため、配給される食事と住居で働かずに暮らしている方々もおられます」

イリス「なんと……。でも確かに、働かなくても家とご飯があるなら働かないのはおかしくないかも……」

クロシュ「……えと……ごはんの食材も、ホムンクルスさんたちが、作ってるの……?」

割烹着ロディナ「食料は大魔女様が魔法で生産しております。既存の動植物の命を奪わず食材だけを生産する、とてもクリーンで優しい方法です」

イリス「えええっ!? し、食材だけを生産する魔法……!? そんなものがあるの……!?」

割烹着ロディナ「はい。組成がわかれば、命を通さずに食材を生成することは可能です」

イリス「……言われてみれば、確かに不可能じゃないか。でも物質の創造ってけっこう大きな魔力が必要ですよね? ここの国民全員分の食料を毎日三食分、恒常的に生成し続けるなんて、本当に可能なんですか!?」

割烹着ロディナ「はい。実際に生成できているので、可能なのだと思われます」

イリス「うっ、それは確かに……。大魔女様って一体どれだけとんでもない魔力を持ってるんだろう……」

割烹着ロディナ「また、この国の魔導機械に使われる魔力や水道の水も大魔女様によって安定供給されております」

イリス「……め、めまいがしてきた……もし私が同じだけの魔力を供給しようとしたら、たぶん1秒ももたずに干からびて死んじゃう……」

割烹着ロディナ「ご安心ください。イリス様にそのような供給を強いることはございません」

イリス「強いられたら本当に死ぬよ!!」

クロシュ「わあ……」

イリス「ちなみに私たちも戦いの場で水とか氷とか鋼とか土とかホイホイ作ってるけど、あれは完全な物質創造じゃなくて期間限定の仮物質なんだよ。仮物質は時間が経てば消滅しちゃうの。本物の物質をホイホイ作ってたら魔力がいくらあっても足りないからね」

クロシュ「そうなんだ……」

イリス「でも私が海上とか砂漠で作ってる水は本物物質だよ。海上なら水魔法で海水から塩とかの不純物を取り除けば良いだけだから簡単だったけど、砂漠では空気中にも水分が全然ないから魔力で本物を創造するしかなくて大変だったなあ」

クロシュ「わ……。えと……イリスさん、ありがと……」

イリス「いいのいいの! 魔力は寝てれば回復するからね」

割烹着ロディナ「イリス様も水を創造できるのですか。素晴らしい腕前と魔力をお持ちなのですね」

イリス「あはは……大魔女様に比べれば全然ですけどね」

 ◆
284: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 20:50:46.26 ID:1pxr88Pl0(10/18)調 AAS
―魔法学園
 講義室

 ワイワイ ガヤガヤ

クロシュ「……」チョコン

妖精「パンフレットに書いてあった通り、滞在者の身分でも普通に受講できたね」

ミスティ「……魔力操作基礎……私もちゃんとしたやり方は学んだことがなかったし、丁度良いわ……」

イリス「私もこれを機に基礎を復習しようかな」

 扉「」ガラッ
クローディア「みんな席に着いてる? 今日の講師は私よ」ツカツカ

 ザワザワ…

イリス「え、ええっ……!?」

ミスティ「あ、あれって……大魔女……!?」

クロシュ「わあ……」

妖精「な、なんで大魔女が……!?」

クローディア「本日この講義を担当する予定だったキソマホ教授はアイス教授が作ったかき氷を食べすぎてお腹を壊したから、私が代わりに講師を務めます。私の姿を見られて嬉しさの余りに騒いでしまう気持ちはわかるけれど、講義は静かに、真剣に受けなさい」

生徒たち「はい!」

クローディア「良い返事ね。フフ……今日は外来生も多いみたいだし、張り切っちゃおうかしら」ニコ

↓1コンマ(大魔女+10)
01-30 全員魔法経験+1
31-60 全員魔法経験+2
61-90 全員魔法経験+3
91-00 全員魔法レベル+1
286: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 21:32:28.55 ID:1pxr88Pl0(11/18)調 AAS
クローディア「――ということ。理解できた?」コンコン

ミスティ(なるほど……全然知らなかったわ……。勉強になるわね……)

イリス(私、基礎をわかった気になってたけどまだまだ理解が足りてなかったかも……!)カキカキ

妖精(まあ基礎だね。この辺は妖精も人間も変わんないみたい)

クロシュ「んゅ……」グルグル

クローディア「あら、難しい?」ヌッ

クロシュ「わ……!」

クローディア「そうねえ……スライムの感覚なら――」

クロシュ「……?」

クローディア「〜〜」モニョモニョ

クロシュ「!」

妖精(ええっ!? 大魔女ってスライム語も喋れるの……!? ていうかスライム語って人間の声帯で出せる音なの!?)

クローディア『声帯を調整すれば誰でも話せるわ』モニョモニョ

クロシュ『わあ……!』モニョニョ…!

妖精(当たり前のように声帯を調整するな!)

クローディア『ふむふむ……妖精さんは流石に私程度の講義で学べることはないみたいね』モニョモニョ

妖精(そりゃまあ、基礎くらいならね。ていうかなんで私にまでスライム語で話すの……)

クローディア『スライム語って知らない人にはほとんど聞こえない音だからいろいろ便利なのよね』モニョモニョ

 ◇

クローディア「では本日の講義はここまで。次回からは通常通りキソマホ教授の授業に戻りますが、内容は継続しますので予習と復習を欠かさないように。またね♪」ニコッ ツカツカ

 扉「」ガラッ

イリス「……けっこう学び直せた。一度基礎を見直してみようかな……!」

ミスティ「私は普通に勉強になったわね……。ちゃんと基礎を学んでみたいわね……」

妖精「クロシュはどうだった?」

クロシュ「あ、うん。えと……ちょっと、わかったかも……」

イリス「大魔女様とスライム語で話してたよね。どんなお話をしてたの?」

クロシュ「えっとね……スライム向けの、基礎を……教えて、くれた……」

ミスティ「スライム向けの基礎……どんなのなのかしら……」

クロシュ「えと……魔力を、デロデロにして……」モニョモニョ

イリス「……なんで大魔女様はスライム向けの魔法の使い方まで知ってるんだろう」

妖精「ところでよくスライム語で話してるのがわかったね。あれ、人間には聞き取りにくい音じゃない?」

イリス「まあ、普段からクロシュちゃんのスライム語をしょっちゅう聞いてるからかな?」

ミスティ「私も最近はスライム語の響きを少し聞き取れるようになってきたわ」

クロシュ「んへへ……。〜〜」モニョモニョ

イリス「でも何を言ってるかまではわかんないよ!?」

 ☆クロシュ、イリス、ミスティが魔法経験を2獲得しました

 ◆
287: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 21:51:43.92 ID:1pxr88Pl0(12/18)調 AAS
―魔法学園

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「さて、せっかく学園に来たわけだしここで聞き込みでもしてく?」

イリス「そうだね。でも一般の生徒に聞いても飛行手段はどうにもならなそうだし……」

ミスティ「……一般的じゃない調査方法にすれば良いということ?」

イリス「いや、一般的じゃない調査方法って……」

クロシュ「!」ピコン

妖精「……一応聞こうか。クロシュ、何を思いついたの?」

クロシュ「えと……わたしが、透明になって……立入禁止の向こうに、行く……」

妖精「却下。それでこの前酷い目にあったばかりでしょ。ここは大魔女もいる魔法学園なんだよ、どこで見つかるかわからないでしょ」

クロシュ「んゅ……。わかった……」

妖精「わかればよろしい」

ミスティ「……発想自体は悪くない気がするわ。つまり、立入禁止の場所に入らなければ良いということでしょ?」

妖精「まあ……。でも、それだったら透明化する必要ないんじゃない?」

ミスティ「いいえ。透明化して聞き耳を立てるのよ。新参の滞在者に聞かれても答えにくい内容でも、生徒同士の雑談なら話せることだってあるかもしれないわ」

イリス「まあ、そうかも……? でもそれでピンポイントに飛行手段を手に入れるのってものすごく運が必要じゃない……?」

ミスティ「……それはまあ、そうかもしれないわ。でもやるだけやってみましょう!」

クロシュ「う、うん!」

妖精「上手くいくかなあ」

↓1コンマ
01-10 ???
11-30 昏倒した生徒を発見
31-60 犯行現場に遭遇
61-90 犯人確保
91-00 ???
289: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 22:30:24.95 ID:1pxr88Pl0(13/18)調 AAS
光学迷彩マントクロシュ「」バササッ

イリス「わ!」

ミスティ「とりあえず、全員でこれにくるまれば見えなくなるわね……」

妖精「窮屈だ……」

 ◇

光学迷彩「」モゾモゾ ヨタヨタ

イリス「……ん? ねえ、あれ……!」

 昏倒した生徒「」グッタリ

ミスティ「昏倒した生徒!」

イリス「助けなきゃ!」

光学迷彩マントクロシュ「」バサッ

 *
290: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 22:30:51.71 ID:1pxr88Pl0(14/18)調 AAS
―保健室

昏倒していた生徒「……」

保険医ホムンクルス「命に別状はありません。発見および移送していただきありがとうございました」

イリス「いえ、それは良いんですけど……。彼が昏倒していた原因は一体……?」

保険医ホムンクルス「それが……全くの原因不明なのです。今大魔女様に診て頂ければ――」

 扉「」ガラッ

クロ「大魔女様を連れてきたよ!」トテトテ

クローディア「来たわ。例の生徒は――その子ね」ツカツカ

イリス「大魔女様!」

クロシュ「わあ……!」

クロ「クロシュちゃん! 見つけてくれたんだってね。ありがと」

クロシュ「うん……」

クローディア「それでは原因を特定します」

ミスティ「……わかるの? 原因が」

クローディア「ええ。魔法によるものであれ、薬物によるものであれ、このような結果には必ず痕跡が残る。それを見つけ出すのは簡単なことです」スッ

妖精「痕跡……少なくとも魔力の痕跡はないみたいだけど……」

イリス「うん。だとしたら薬物……?」

昏倒している生徒「……」

クローディア「いえ、これは……限りなく巧妙に隠されていますが、生命に干渉する魔法が施された痕跡があります」

妖精「えっ嘘!?」

イリス「そんな!?」

ミスティ「……全然わからなかったわ」

クローディア「あなたたちにわからなくても無理はないわ。これは世界最高クラス……私の次の次の次くらいに魔法を極めた者の手腕です。もしこの術者が本気の殺意を見せたら、彼は赤子の手を捻るよりも容易く命を奪われていたでしょうね」

クロ「そんな凄腕が……。なんでこんなことを……」

クローディア「……登録されている国民にも、現在滞在している滞在者にも、生命に干渉する魔法が使える者はいないはず……。だからこれは多分……挑発でしょうね」

ミスティ「挑発……?」

クローディア「ええ。挑発に乗せられるのは癪だけれど、これ以上無法者を野放しにするわけにもいかない……かといってただの警備じゃこいつの尻尾は捕まえられないわ。クロ、良い?」

クロ「うん! わたし、大魔女さまの次の次くらいにできるもん! だから大丈夫!」

クローディア「悪いわね。でもあなたも、決して一人で相手をしてはだめ。こいつはかなり危険な相手よ……もし見つけたらすぐに私に知らせなさい。指輪は機能しているわね?」

クロ「わ、わかったよ。大魔女さまがそう言うなら……無理、しない」

クローディア「ええ。あなたはこの街にとって最も大切な存在なの。わかってるわね?」

クロ「……うん!」

 ☆学園内の警備が強化されました

 ◆
291: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 22:40:20.05 ID:1pxr88Pl0(15/18)調 AAS
―夜
 宿泊室

スライムクロシュ「……」zzz

イリス「な、なんか大変なことになっちゃったね……」

ミスティ「ええ……。大魔女の次の次の次くらいに優れた魔法使い……そんなとんでもない奴がいるなんて、にわかには信じがたいけれど……」

妖精「……でも、私の目を欺くほどの術師となると確かに相当な腕前だよ。私、これでも魔力反応とか痕跡を見つけるのは得意な方だと思ってたんだけどなあ。とにかく私たちも気を付けないとまずいかも」

イリス「うん。なるべく一人にならないようにしよう。世界最高レベルのテロリストなんて出くわしたら大変だし……」

ミスティ「……またシノホシの奴らだったりするのかしら」

妖精「それは……どうだろう。シノホシは人間を目の敵にしてるけど、この国は人間の国ってわけでもないし……。もしシノホシだったら、今まで掲げてたシノホシの理念ってやつを自分からぶち壊すことにもなっちゃうから違うんじゃないかなあ」

ミスティ「なるほど、確かに……。でもそれなら、本当に一体誰なのかしら……」

イリス「生命に干渉する魔法に精通したテロリスト……うーん、なんか引っかかるけど……なんだったかな……」

妖精「まあ考えても仕方ないし、今日はもう寝よう」

 ◆
292: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 22:54:40.05 ID:1pxr88Pl0(16/18)調 AA×

293: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 22:55:31.65 ID:1pxr88Pl0(17/18)調 AAS
―朝
 宿舎 食堂

 チュンチュン

ローガン「テロリストか……」

妖精「うん。かなりの手練れみたいだから、ローガンとエバンスも気を付けて」

エバンス「おう……。しかしまあ、俺たちの行き先にゃいつもこういうヤバイ奴が出てくるな……」

妖精「世界樹の光とは直接関係のないこの国なら大丈夫だと思ってたんだけどね……」

ローガン「市場での暴走オートマタ騒ぎや劇場でレッサースライムが落ちてきた事件に、大庭園で蔓延っているミントウネなども、その者が関与しているのだろうか」

妖精「可能性はあると思う。どれも今まで全く起きたことがなくて、ここ最近でいきなり発生し始めた事件なんだもん」

エバンス「何が目的なんだろうな」

ローガン「……検討も付かんな。それほどの実力のある者なら、やはり他国の工作員か? しかしそれならやり方が手ぬるい気も……」

エバンス「確かに……殺せる実力があるなら、殺した方がより大きな混乱を起こせるはず。大魔女からの報復を恐れている……なんてのは流石に通用しないよな、工作員なら」

妖精「まあとにかく気を付けてよ。ローガンとエバンスはこういう手合にも慣れてるでしょ? 頼りにしてるから」

エバンス「世界最高クラスの工作員の相手は流石に慣れてねえけどな!」

大魔女帝国滞在5日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
298: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/10/12(土) 22:59:55.53 ID:1pxr88Pl0(18/18)調 AAS
というわけで本日はここまでとなります。次回はクロさんのお手伝い編、バイオレット姉妹のお話編、学生三人組に聞き込み編となります

劇場で事件に巻き込まれたり、食堂でホムンクルスのロディナさんとお話したり、大魔女さまの講義を受けてみたり、昏倒事件を発見してしまったりといった様子でした。大魔女帝国で一体何が起きているのか。暗躍する悪意の真の狙いとは。クロシュは、闇に潜む敵を暴けるか――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
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