安価とコンマで異世界転生!その11 (656レス)
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370: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/01(日) 23:12:06.37 ID:uhx8Xr2O0(3/4)調 AAS
ぶりっ子「うっ……」

そこは慄然とさせられる有り様であった
村は既に燃えていたのだ
家屋という家屋は全て既に焼かれた後なのである

怪盗「さ、最悪……」

そして、無数の焼死体もまた散乱していた
ひどい有様であり、
一行もこれほどの事態を確認したことはなかった

狙撃少女「ひどいですね……」
371: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/01(日) 23:15:49.76 ID:uhx8Xr2O0(4/4)調 AAS
男「……みんな、警戒を」

中華「ただの火事じゃなさそうだね」

氷魔「……先ほど……行商人の方とすれ違いました……これほどまでに村が焼けているのであれば……彼もそのことを知っていておかしくないはずです……」

炎魔「ってことは、これ……」

やる気「ついさっき、誰かがこれをやった。そう判断するべきっすね」

村一つを燃やし尽くすほどの存在が、
そう遠くない場所にいる
それがまだここに潜んでいるのか、
そうでないのかすら不透明だった
372: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/02(月) 00:29:44.87 ID:nYcM2Fih0(1/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
373: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/02(月) 19:13:05.19 ID:nYcM2Fih0(2/3)調 AAS
ぶりっ子「そんなのと戦いたくないですよぉ」

炎魔「私も怖いです……」

怪盗「二人は炎系の攻撃効かないんだから前に立ってくれないと困るんですけど!?」

陣形としては、最外周にぶりっ子と炎魔を置き、
他のメンバーが寄り集まっている形だ
374: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/02(月) 19:17:25.69 ID:nYcM2Fih0(3/3)調 AAS
狙撃少女「視認できる範囲には……なにも居なさそうです。村で遮蔽も多いので、気休めにもなりませんが」

油断せず着実に、村を探索していく
人の焼けた臭いだろうか、焦げ臭いほかにも、
生理的に厳しい悪臭が時折風に乗ってくる

男「っ!誰だ!」

近くの茂みががさりと動いた
もしかしたら野生動物かもしれないが、
なんであれ今は無視できない
沈黙がしばし場を包むと、茂みからそれは出てきた

>>下1……茂みの中にいた存在
375: 2024/12/02(月) 19:46:08.18 ID:JPjg/1Z50(1)調 AAS
アルビノに近い白い肌の中性的な少年(かなりボロボロ)
376: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/03(火) 01:29:14.83 ID:zVKNuZL70(1/3)調 AAS
少年「………………」

現れたのは一人の少年だった
その肌は病的なまでに白く、色素が抜け落ち気味だ
ひどくぼろぼろで瞳孔も震えているが、
その眼光の鋭さは本物だった

中華「子供……?」

氷魔「……油断しないでください……まだ彼が安全と分かったわけではありません……」
377: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/03(火) 01:32:13.24 ID:zVKNuZL70(2/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
378: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/03(火) 19:48:47.30 ID:zVKNuZL70(3/3)調 AAS
彼はただじっと一行を見つめている
だが、次第にその眼すらブレはじめる

少年「…………っ」

そして、ついに彼は倒れた
よく分からないが、肉体または精神、
あるいはその両方が極限だったのだろう

やる気「あっ」

ぶりっ子「……えっ、どうしますこの子」
379: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/04(水) 02:31:54.07 ID:9nmOOAQA0(1/4)調 AAS
怪盗「いくらなんでも捨て置くのは……」

狙撃少女「……そうですね、なんとしてでも……彼は保護したいです」

かつて身寄りのない子であった彼女には、
その少年の姿になにか使命を感じずにはいられなかった

男「……仕方ない、一旦連れていくか」

炎魔「なら、私にお任せっ!温かいし、もしこの子が炎を放つような存在だったとしても私には効きません!」
380: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/04(水) 02:35:58.62 ID:9nmOOAQA0(2/4)調 AAS
一行は警戒しながら村を出た
結局、危惧していたような存在に直接遭遇することはなく、また街道へと出たのである

中華「……さて、怖いのはさらに向こうの村や街だね」

氷魔「……そうですね……放火した存在が……そちらに向かっている可能性は少なくありません……」

やる気「ま、もし逆側に向かってたとしても謎の種族の人達とか異次元の技術に鎮圧されそうっすね」

ぶりっ子「旅路を急いだほうがいいかもしれませんねぇ」
381: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/04(水) 02:38:26.88 ID:9nmOOAQA0(3/4)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
382: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/04(水) 19:27:22.69 ID:9nmOOAQA0(4/4)調 AAS
やや急ぎ足で街道を進む
少なくとも、そこから見える森や、
街道の脇に息づく緑が燃やされている様子はない

怪盗「そろそろ次の街ですね」

男「そうだな……燃えてるかい?次の街」

そう問えば、狙撃少女は遠くへと目線を飛ばし始める

狙撃少女「>>下1」
383: 2024/12/04(水) 19:40:18.06 ID:KDbNSXZL0(1)調 AAS
「見た感じ、騒いでる様子がない様ですが」
384: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/05(木) 03:54:14.43 ID:O6TpL6hu0(1/3)調 AAS
狙撃少女「見た感じ、騒いでる様子がない様ですが」

中華「大丈夫そうだね、よかった」

氷魔「……火の用心だけは……しっかりとしましょう……」

やる気「先は急ぐし、あそこは寄らずにいくっすか?」

ぶりっ子「隣の村が燃えたことを伝えたい気持ちもありますがぁ……」
385: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/05(木) 03:57:33.84 ID:O6TpL6hu0(2/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
386: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/05(木) 18:36:09.20 ID:O6TpL6hu0(3/3)調 AAS
一行は先を急ぐことにした
明日には目的地に着けるはずである

怪盗「しかし、帝国といえばがちがちな感じを想像していましたが……あんまりディストピア感ありませんね」

炎魔「人が住めば人の国ですからね」

狙撃少女「すごい、格言みたいなこと言ってます」
387: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/06(金) 01:49:57.46 ID:/Ud4hCib0(1/3)調 AAS
話しつつ歩いていると、道の様子が変わった
今まで歩いていた街道は土を均したものであったが、
それが石畳へと変わったのだ

男「首都に近づいてきたのかな」

中華「多分ね」

氷魔「……私たちが目指している街と首都は別ですが……そう遠くもありませんから」……」
388: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/06(金) 01:53:06.28 ID:/Ud4hCib0(2/3)調 AAS
そして、この日もまた日が暮れてきた

やる気「距離的には……どんなもんなんすか?目的地まで」

ぶりっ子「ええっとぉ……明日の朝出発して、昼前には着く感じですねぇ」

怪盗「うーん……無理に進むのは憚られる絶妙な距離ですね」

炎魔「この子も背負っているんですから、あんまり無茶したくないです!」

彼女は中性的な彼を指し、そう主張した
389: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/06(金) 01:54:11.86 ID:/Ud4hCib0(3/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
390: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/06(金) 19:09:19.12 ID:mYQPvXxKO携(1)調 AAS
狙撃少女「そうですね……」

二人が随分少年に入れ込んでいるのを見て、
男はやや危機感を覚えた
いざとなったとき、本当に頼れるのは恐らくぶりっ子であろうと彼は考えた

男「……さて、街が見えてきたな」

その日宿泊する予定のある街がその姿を鮮明にしていく

>>下1……どんな街か

1.辺鄙な村
2.普通の街
3.城下町
4.城塞都市
5.商業都市
6.自由安価
391: 2024/12/06(金) 19:27:34.54 ID:6Lt1fqjbo(1)調 AAS
4
392: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/07(土) 02:03:32.32 ID:fECoksee0(1/5)調 AAS
巨大な煉瓦造りの壁が夕霧に見える
そこにそびえるは帝国の城塞都市だった

中華「よし、入ろうか」

氷魔「……待ってください……あれを……」

街の入口には兵士が立ち、検問をしている
旅人だからといって入れないことはないはずだが、
彼らは見られたら面倒なものは沢山持っているし、
説明しがたい少年も連れているのだ
393: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/07(土) 02:07:37.25 ID:fECoksee0(2/5)調 AAS
ぶりっ子「どうしますぅ?」

男「……まぁ、ものは意外とどうにかなりそうかな」

怪盗「じゃあ、ヒトですね」

炎魔「あー……結構リスクあるよね、この子見せるの……」

怪盗「はっはっは、私を誰だと思っているんです?その子を私に寄越しなさいな」

怪盗は炎魔から少年の身柄を渡してもらい、
そのまま背負った
394: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/07(土) 02:08:57.22 ID:fECoksee0(3/5)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
395: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/07(土) 19:42:30.43 ID:fECoksee0(4/5)調 AAS
それから一行は衛兵の前に歩み出た

衛兵「止まれ!」

狙撃少女「はい……」

ちらりと彼女が後ろを振り返れば、
そこにはもう怪盗の姿はなかった
いつの間に消え失せたのか、と少し恐怖している

男「検問ですか?」

衛兵「そうだ」
396: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/07(土) 21:44:37.80 ID:fECoksee0(5/5)調 AAS
中華「分かりました」

衛兵「荷物を改めさせてもらおうか」

そう言って彼は荷物を探り始めた
だが、運ぶ必要のあるモノは単なる花であるし、
それ以外の珍妙なアーティファクト群も一見して異常なものではない場合がほとんどだ

氷魔「……ここでは……いつも検問をしているのですか……?」

衛兵「>>下1」
397: 2024/12/07(土) 22:10:01.39 ID:XNetmNbDO携(1)調 AAS
良くわからないがこの二人の子供を保護しろと命令がきてるのだ
(教会にいた気弱少女と保護した少年の似顔絵を見せる)
398: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/08(日) 01:50:44.94 ID:EqUVdTS40(1/3)調 AAS
衛兵「良くわからないがこの二人の子供を保護しろと命令がきてるのだ」

彼は懐から似顔絵を二枚取り出した
片方には幸薄そうな少女の顔が、もう片方には深刻そうな少年の顔が描かれていた

やる気(!これは……)

間違いなく、片方は教会にいる気弱少女の顔であり、
もう片方は怪盗と共にどこかへ隠れた少年の顔だった

ぶりっ子「へぇ、迷子なんですかぁ?」

衛兵「そうなのだろうか……荷物を改めてさせてもらったのも、袋の中にこの子らがいないか確認するよう言われているからなのだ」
399: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/08(日) 02:46:16.17 ID:EqUVdTS40(2/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
400: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/08(日) 19:43:06.85 ID:EqUVdTS40(3/3)調 AAS
狙撃少女「迷子だったら、そんなことしなくてもいいはずですが」

衛兵「うむ……まぁ、命令は命令だ。通ってくれ」

どこか指示に納得のいっていなさそうな彼を尻目に、
一行は城塞都市へと入っていった

怪盗「どうでした?」

炎魔「……えっ、もう中にいたんですか?」
401: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/09(月) 02:57:25.55 ID:TvB2ZZrk0(1/4)調 AAS
怪盗「ナメてもらっちゃ困ります、私はこれでも最高の怪盗なんですよ」

男「まぁ、そうだな……捕まえるのもやたら苦労したし」

狙撃少女「へぇ、そうなんですね……」

やる気「ありゃ酷かったっすね、通気口に入り込んで______」

怪盗「わーっ!わーっ!その話はナシ!」

炎魔「えー!?めちゃくちゃ聞きたいですんですが!」
402: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/09(月) 03:08:59.93 ID:TvB2ZZrk0(2/4)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
403: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/09(月) 19:43:48.75 ID:TvB2ZZrk0(3/4)調 AAS
それから一行は宿を取ることにした
広い街なので宿探しに困ることはなく、
少年を隠して部屋を取ることができた

中華「帝国はどこ行っても広い部屋があっていいね」

氷魔「……そうですね……さて……」

一行は少年を備え付けのベッドに寝かせる

ぶりっ子「しっかし、ずっと寝てますねぇ……」

中華「心配だなぁ、あんまり栄養が足りてないように見える」
404: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/09(月) 22:02:06.33 ID:TvB2ZZrk0(4/4)調 AAS
中華は備え付けの簡易厨房でお粥を作り始めた
それからも一行は少年を見守り続けた

男「………………」

少年「……っ」

男「動いた……」

少年は全身を強張らせ、震えながら目を開いた

氷魔「……おはようございます……」

少年「>>下1」
405: 2024/12/09(月) 22:06:33.65 ID:mip8oIPn0(1)調 AAS
突然ベッドから跳ね起き、『血』の様な色の短剣を精製する
警戒しながら「あんた達は帝国兵や科学者たちか?」と問う
406: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/10(火) 00:25:06.48 ID:OzJ2PYUm0(1/6)調 AAS
筋肉の痙攣したアンデッドが横たわった状態から飛び上がるような動きで少年はベッドから起きる

少年「あんた達は帝国兵や科学者たちか?」

やる気「……違うっすけど。その武器は下ろして欲しいっすね」

少年は腰を落とし、両腕をクロスして構えるとその手に短剣を精製する
その色は赤黒く濁っていて、
まるで血の色のようだった
407: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/10(火) 00:33:37.15 ID:OzJ2PYUm0(2/6)調 AAS
炎魔「こらーっ!そんな物騒なことしちゃだめです!」

少年「!?」

炎魔はベッドの上で周囲を睨みつける少年の前に立ちはだかる

炎魔「どこから出したんですか、こんな武器!」

少年「ふ、触れるなッ!斬るぞ!」

炎魔「いいですよ、私には痛くも痒くもありませんから」

少年「な……なんだこの女……」
408: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/10(火) 02:12:27.86 ID:OzJ2PYUm0(3/6)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
409: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/10(火) 19:48:14.71 ID:OzJ2PYUm0(4/6)調 AAS
炎魔「私たちはあなたが危惧するような者ではありません」

少年「………………」

炎魔「その、なにも信じられない顔……放っておけません。かつての私のようで」

少年「……ふん」

少年は殺気を収めた
そして炎魔と向かい合っている

炎魔「あなたの身の上についてとやかく聞くつもりはありません……私が聞きたいのは、あなたがどうしたいかです。本心でお答えくださいな」

少年「>>下1」
410: 2024/12/10(火) 19:53:14.77 ID:GuKFdw2/0(1)調 AAS
…帝国から、逃げたい…
411: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/10(火) 23:46:14.33 ID:OzJ2PYUm0(5/6)調 AAS
少年「…帝国から、逃げたい…」

ぶりっ子「だったら、私たちが保証してあげてもいいですよぉ」

狙撃少女「寄り道はしますが……」

少年「……帝国から出られるなら、それでいい」

男「ん……じゃあそういうことで。ちなみにご存知かも知れないが、君は今指名手配されているから気をつけてくれ」
412: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/10(火) 23:48:57.23 ID:OzJ2PYUm0(6/6)調 AAS
と、ひとまず場が落ち着いた所で中華が戻ってきた

中華「お粥できたよ〜」

氷魔「……だそうです……あなたの分ですよ……」

少年「い、いいのか?」

中華「当たり前じゃないか、君は大分色白だけど、それを差し引いても顔色がよろしくない。栄養を取るんだよ」

少年「ありがとう……」

そう、ぎこちなく彼は口にした
感謝を述べるような機会がほとんどなかったのだろう
413: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/11(水) 00:26:33.03 ID:/1eUAjnT0(1/2)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
414: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/11(水) 19:04:02.03 ID:/1eUAjnT0(2/2)調 AAS
彼はがつがつとお粥を食べ始めた

やる気「米があってよかったっすね」

中華「うん、どうも帝国じゃ穀物は安いみたいだね」

ぶりっ子「領土は広いですけどぉ……ぶっちゃけほぼ田舎ですよねぇ。だからお安くいただけるんでしょうけど」

怪盗「帝国やるんだったらそれでいいでしょうねー……」
415: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/12(木) 01:46:54.89 ID:E3GZvXnu0(1/3)調 AAS
そんなことを話していると、夕食が運ばれてきた
それらを取り分け、
少年の分を用意してから夕食に入った

少年「……なぜ、よくしてくれるんだ?」

狙撃少女「私たちがそういう集まりだから、ですね」

男「ふふっ……ま、そうだな」

狙撃少女「その意味ありげな視線をやめてください……」
416: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/12(木) 19:19:11.11 ID:E3GZvXnu0(2/3)調 AAS
すみません寝落ちしました

中華「そうだ、さっきも言ってたけど僕たちはちょっと寄り道する必要があるんだ」

少年「安全ならいいけど……」

氷魔「……それが分からないんですよね……依頼人が依頼人なので……」

やる気「ま、多分そんな時間は取らないっすよ」

少年「そう……」
417: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/12(木) 21:20:43.71 ID:E3GZvXnu0(3/3)調 AAS
まだ抑圧的な雰囲気の少年と共に一行は夕食を終えた

ぶりっ子「明日からは今日までみたいにのんびりしてもいられませんねぇ」

怪盗「私は久しぶりに怪盗らしいことできて大満足です」

狙撃少女「あれ、すごかったですね……どうやったんでしょう?」

まだ眠るまでは時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.自由安価
418: 2024/12/12(木) 22:01:03.21 ID:d2JEZg8Z0(1)調 AAS
8番
419: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/13(金) 02:08:50.60 ID:dWzrcQEf0(1/2)調 AAS
男「やぁ少年」

少年「あ、どうも……」

彼は気さくに声をかけたが、
やはりまだどこか警戒されている
彼になにがあったのかは分からないが、
それだけの事情があるのだろうと考えた

男「みんな、いいやつだからな。信頼してやってくれ」

少年「そう、っすね……」
420: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/13(金) 02:32:11.26 ID:dWzrcQEf0(2/2)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
421: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/13(金) 18:37:09.01 ID:Pf63WEDTO携(1/2)調 AAS
男「しかし、君……結構強そうだな」

少年「最低限戦えなければ、どこかで野垂れ死んでた」

男「……なんか、緊張してない?もうちょっと肩の力を抜いたらどうかな」

少年「……あんたのことは、信頼するように言われていない」

男「ははっ、そういえばそうか」

少年「はっきり言って、そうでなくともあんたが一番怪しい」
422: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/13(金) 19:16:25.18 ID:Pf63WEDTO携(2/2)調 AAS
少年はじろりと男に目を向けた

男「ま、最初一番警戒してたのは俺かもしれないな」

少年「……それと、あんまり強そうに見えない。ここにはいっぱい人がいるけど、下から数えたほうが早そう」

男「それは……そうかも」

少年「俺とどっちが強いと思う?」

男「分からん。一本勝負なら俺が勝つけど」

少年「へぇ?」

男「戦いたそうにしないで……アレ負荷すごいんだから」
423: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/14(土) 04:12:56.22 ID:ggvltnOJ0(1/2)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
424: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/14(土) 18:47:41.66 ID:ggvltnOJ0(2/2)調 AAS
少年「ふーん」

男「まぁ、あれだな……子供に信用されてないってのは結構メンタルにくるし」

少年「…………」

男「なにか俺に質問があれば答えよう、それでちょっとは信用してくれ」

そう聞くと、少年は少し考える体勢に入り、
また男の方を見て口を開いた

少年「>>下1」
425: 2024/12/14(土) 18:51:01.89 ID:MnCqx+3DO携(1)調 AAS
貴方にとって「強さ」とは何?
426: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/15(日) 03:21:33.96 ID:BnAl1Hnt0(1/4)調 AAS
少年「貴方にとって「強さ」とは何?」

男「そりゃ重い命題だな、少年」

少年「答えてくれるんでしょ?」

男「まぁな……」

彼にとっての強さとはなんなのか
それは自身と向き合う問いである
特に氷魔ややる気のような『武力』としての強さをいつでも発揮できる訳ではない男にとって、
簡単に答えられる質問ではなかった
427: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/15(日) 03:24:41.03 ID:BnAl1Hnt0(2/4)調 AAS
少年「分からない?」

男「……いや、強いて言うなら……『信じること』かな」

少年「俺を疑ってたのに?」

男「みんながお前を疑わないことを信じてたから、俺が疑うしかなかったの」

少年「ふぅん」

男「みんなが上手くやれるって信じてきたから、今俺はここにいる。それに……」

少年「?」

男「俺の……いや、俺たちの『切り札』も信じる心によるものだからな」
428: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/15(日) 03:30:25.24 ID:BnAl1Hnt0(3/4)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
429: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/15(日) 19:52:22.00 ID:BnAl1Hnt0(4/4)調 AAS
少年「まるでヒーローだ」

年相応の子がヒーローに言及するとき、
決まってそれは憧れであることを滲ませる

男「いたいけな少年を疑うヒーローはいないさ」

だが、彼の表情にはそういったものがなかった
むしろ、なにかしらの皮肉として口にしていると、
それを見た誰もが思うだろう
430: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/16(月) 02:24:14.59 ID:3ITYtLtH0(1/3)調 AAS
少年「ふっ……なんだか、信用できる気がしてきた」

男「そうか、それはよかった」

少年は、男たちと出会ってから初めて面白そうに笑った

少年「少なくとも、帝国のやつらとは違うな」

男「それはどうかな……まぁ、君が考えてるような悪い大人にはならないよう努力してるけど」
431: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/16(月) 02:29:48.20 ID:3ITYtLtH0(2/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
432: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/16(月) 19:27:23.87 ID:3ITYtLtH0(3/3)調 AAS
そんなことを話しているうちに、就寝時刻になった
明日に備え、一行は眠る

〜翌日・陽週土曜日〜

中華「さぁ、行こうか」

氷魔「……出るときはまたお願いしますよ……怪盗さん……」

怪盗「お任せっ!」

一行は宿からチェックアウトし、
そのまま都市の出入口に向かった

【ギルドの資金】72130295
433: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/17(火) 02:52:03.18 ID:BihpAKI30(1/6)調 AAS
やる気「しっかし、行けば分かるってどういうことなんすかねぇ?」

少年「なんのこと?」

ぶりっ子「私たち、お届けものを預かってるんですよぉ」

少年「へぇ」

炎魔「でも、どの街に届ければいいかまでしか分かってないんです」

少年「なんだそりゃ……」

アバウトな依頼内容に、少年も呆れ顔だ
434: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/17(火) 02:54:39.28 ID:BihpAKI30(2/6)調 AAS
狙撃少女「こう、置いておけばいいようなものだったらまだ分かるんですけど、お花なんですよね」

少年「……隠語?」

男「教育に悪いもんばかり見てないとそんなこと言わないぞ……本当に花だ」

中華「隠語?」

氷魔「……こっちは……隠語とはなにかが分かってなさそうですが……」

やる気「なんか、調味料の名前言い換えたりすることないっすか?それみたいなもんっすよ」

中華「あぁ!なるほどね!」
435: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/17(火) 03:58:17.69 ID:BihpAKI30(3/6)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
436: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/17(火) 18:31:35.77 ID:BihpAKI30(4/6)調 AAS
それからは、
入ってきたときと同じように門を抜けて街を出た

少年「うぅっぷ……」

ぶりっ子「どうしたんですかぁ?」

少年「よ、酔った……」

怪盗「随分三半規管が弱いんですね」

炎魔「怪盗さんが妙な挙動したんじゃないかと思うんですけど……」
437: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/17(火) 18:34:36.06 ID:BihpAKI30(5/6)調 AAS
狙撃少女「ああ、そういえば……帰り道でどうせ会うことになるので、聞いておくべきことがあります」

少年「ん?なんのことだ?」

狙撃少女「私たちはある廃教会からここまで歩いてきたのですが……そこには、やけにボロボロの服を着た少女がいまして」

男「幸薄そうで敬虔な感じのな」

狙撃少女「実は、あなたと同様に彼女も捜索されているようなのですが……お知り合いですか?」

少年「>>下1」
438: 2024/12/17(火) 19:29:57.14 ID:cr80+N+7o(1)調 AAS
彼女を見たのか!?
439: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/17(火) 20:35:12.18 ID:BihpAKI30(6/6)調 AAS
少年「彼女を見たのか!?」

少年は分かりやすく取り乱した
どうやら知り合いであるようだ

中華「そりゃもう見たし話したし、どこにいるかも分かってるよ」

少年「そうか……」

氷魔「……大切な方なのですか……?」

少年「な、なんか含みがあるな……」

やる気「少なくとも縁はありそうっすね」
440: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/18(水) 02:33:55.94 ID:4PDXyVZj0(1/3)調 AAS
少年「まぁ、仲間だな……あいつは」

ぶりっ子「へぇ〜……」

少年「なんだよその眼は」

自分を探られることに人一倍反応する彼は、
一部の邪推が好きな女性陣から好奇の視線を向けられながら街道を行くのだった

怪盗「なんか、警戒心の強い小動物みたいでいいですね」
441: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/18(水) 02:36:07.20 ID:4PDXyVZj0(2/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
442: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/18(水) 18:57:32.09 ID:4PDXyVZj0(3/3)調 AAS
狙撃少女が街道の向こうから来る人を察知して少年を隠し、また出すということを繰り返しながら、ついに一行は目的の街に到着した

狙撃少女「ううん、普通の街ですね」

炎魔「帝国の中心部に近いだけあって結構大きいですけど、それだけかなぁ?」

とどこの誰に届ければよいのか考えていると、
突如一行の持っていた水色の薔薇が輝きだした

男「な、なんだ!?」

>>下1……なにが起こった?
443: 2024/12/18(水) 19:28:51.93 ID:j/T9j+WR0(1)調 AAS
街の中の一角が、水色の薔薇と同じ光を発してた。 その一角からは建物らしきものは見えない様だが?
444: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/19(木) 02:59:23.21 ID:JlVCNSGX0(1/3)調 AAS
中華「あれ?なにも起きない……」

しばらく一行は身構えたが、
薔薇は輝くばかりでなにも起こさなかった

氷魔「……なんだったのでしょうか……」

やる気「あっ、あれ!」

ぶりっ子「えっ……?」

彼の指す先からは、
その薔薇のような光が見えた
空に向けて、青い光が放射されている
445: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/19(木) 03:10:37.26 ID:JlVCNSGX0(2/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
446: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/19(木) 18:25:58.49 ID:JlVCNSGX0(3/3)調 AAS
炎魔「これは負けていられませんね!」

怪盗「あんたまで光ったら目立ちすぎるっ!」

発光しようとする炎魔を怪盗が軽く叩いて止めた

炎魔「ぶたれた……」

狙撃少女「はいはい、行きますよ」

一行はその青い光の元へと向かうのだった
447: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/20(金) 02:13:13.12 ID:9PkZGMLd0(1/4)調 AAS
男「んー……妙だな」

中華「え?」

男「あっち、建物なくね?」

一行はどんどん町外れの建物のない場所へと向かっていた
光がそこから立ち上っているのだが、
そこに建物はなさそうなのだ

氷魔「……受取人がいるのでしょうか……」
448: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/20(金) 02:22:14.69 ID:9PkZGMLd0(2/4)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
449: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/20(金) 19:37:21.53 ID:9PkZGMLd0(3/4)調 AAS
街の人々に光は見えていないようで、
発光する薔薇にも向こうにある光の柱にも、
まるで反応していない

やる気「そろそろ着くっすね」

ひたすら町外れへと歩き、
ついに一行は光の根元へと到着したのだった

>>下1……そこにあったのは
1.家
2.墓
3.なにもない空き地
4.自由安価
450: 2024/12/20(金) 19:47:04.23 ID:5oKGanM50(1)調 AAS
4.空間の歪み
451: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/20(金) 20:41:00.00 ID:9PkZGMLd0(4/4)調 AAS
ぶりっ子「っ……!?」

そこには、空間の歪みがあった
歪曲された空間が靄のようになり、
その先をぼかしている

怪盗「こ、この先に行かなきゃならないの?」

狙撃少女「でしょうね……困りました」

男「すまん、寄り道……長くなりそうだ」

少年「寄り道で済みそうか?」

男「済ましたいな」
452: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/21(土) 02:51:52.43 ID:ksR4H3GH0(1/3)調 AAS
中華「まぁまぁ、もしかしたら、向こうは誰かの家かもしれないよ?」

氷魔「……十分ありえます……外れとはいえ街中……こんなものがあったら騒ぎになっていそうですから……」

やる気「誰かの家ではないにしろ、みんなに知られた場所かもしれないっすね」

ぶりっ子「もし、青い薔薇に反応して歪みが発生したのだとしたら……?」

炎魔「だとしたら……なにがあってもおかしくないですね……」
453: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/21(土) 03:58:31.35 ID:ksR4H3GH0(2/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
454: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/21(土) 18:49:14.27 ID:ksR4H3GH0(3/3)調 AAS
狙撃少女「どの道行くしかないです。行きましょう」

男「そうだな」

男は先陣を切って、その時空の歪みへと歩んでいく
それに触れた瞬間、その肉体も歪みと同期し、
どこかへと転送された

中華「僕たちも行こうか」

>>下1……どこに繋がっていた?
455: 2024/12/21(土) 19:26:00.51 ID:ii5ih+UI0(1)調 AAS
何処か分からない、多少暗い大聖堂の中の大通路
456: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/22(日) 02:33:26.83 ID:ApD2baZc0(1/4)調 AAS
そこの空気は張り詰めていた
柔らかな光がどこからか差し込む通路である

氷魔「……採光が甘いですね……光は差しているのに暗いです……」

やる気「壁の白磁っぽい感じとか、そういう不合理な建築様式でまで権威を出そうとする感じ……聖堂か城っすね」

ぶりっ子「っ……」
457: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/22(日) 02:40:36.28 ID:ApD2baZc0(2/4)調 AAS
突如、どこからか鐘の音がした
荘厳でよく響く、とても巨大なそれが鳴らされている

怪盗「聖堂っぽいですね」

狙撃少女「誰かが鐘を鳴らしているのかもしれません、行ってみましょう」

炎魔「そうですね、この薔薇を待っている人かもしれません」

男「ああ、喚ばれているようだ、この鐘の音は……」
458: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/22(日) 02:43:42.39 ID:ApD2baZc0(3/4)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
459: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/22(日) 19:20:55.50 ID:ApD2baZc0(4/4)調 AAS
巨大な通路を音に導かれ進めば、外に出た
そこはかの魔王が治めているような、
どこまでも花が咲き乱れる地だった

中華「うーん、圧倒されるね」

氷魔「……鐘は……あそこですね……」

きょろきょろと周りを見回した氷魔が、鐘を発見した
そのたもとには>>下1が居た
460: 2024/12/22(日) 19:28:34.36 ID:ne5jEP3DO携(1)調 AAS
双子らしい男女の子供
461: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/23(月) 01:43:55.46 ID:foHr1QT50(1/3)調 AAS
双子「「ようこそ、僕たちの領域に」」

そこにいたのは、双子の男女だった
姿は幼く、今連れている少年とさほど変わらない年頃だ

やる気「二人揃ってご挨拶とは、恐縮っすね」

ぶりっ子「持ってきましたよ、青薔薇!」

彼女が預かったそれを出すと、
二人は片手ずつ差し伸べてそれを取った
462: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/23(月) 03:20:21.48 ID:foHr1QT50(2/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
463: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/23(月) 19:48:00.38 ID:foHr1QT50(3/3)調 AAS
双子「「ありがとう」」

怪盗「いえいえ、仕事ですから!」

双子は薔薇を持ったまま、
一行にうやうやしく頭を下げた

双子「「ぜひ、お礼をさせて欲しいんです。ここに泊まっていかれてはいかがですか?」」

狙撃少女「魅力的なお誘いですが……」
464: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/24(火) 01:51:08.65 ID:AqUzRJLE0(1/4)調 AAS
男「俺たちは、この子を連れて帰らなければならないんだ」

少年「………………」

目の前にいる、
異質すぎる双子に少年は口を噤んだままだった
一行はそうした高位の存在を見慣れているが、
彼にとっては初めての邂逅となる

中華「先を急いでいるんだよね」
465: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/24(火) 03:25:29.35 ID:AqUzRJLE0(2/4)調 AAS
双子「「……おや……」」

そして、双子もまた静かに少年を見つめていた
体を少し前傾させて、じっくりと見ている

少年「な、なんだよ」

双子「「彼についても知っていることがあります。せめてお茶だけでも……」」

氷魔「……いいですか……?」

少年「……勝手にしてくれ」
466: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/24(火) 03:26:48.18 ID:AqUzRJLE0(3/4)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
467: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/24(火) 19:51:01.46 ID:AqUzRJLE0(4/4)調 AAS
双子の男の子が指を弾くとそこにお茶会用の椅子やテーブルが現れ、
双子の女の子が指を弾くとティーセットとそこに注がれた紅茶が現れた
一行はそこに座り、お茶会へと参加する

やる気「うん、茶がうまいっすね。花畑の中だと、花の匂いも香ってきてより美味しいっす」

双子「「ありがとう」」

少年「それより、俺について知ってることってなんだ?」

双子「「>>下1」」
468: 2024/12/24(火) 20:26:13.06 ID:WEQizt/ao(1)調 AAS
彼が背負った大罪について
469: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/25(水) 01:57:43.51 ID:rnxVLk+q0(1/5)調 AAS
双子「「彼が背負った大罪について」」

ぶりっ子「た、大罪ぃ!?犯罪者だったんですかぁ!?」

怪盗「彼が追われている事情にも、関係してるってこと?」

双子「「そうかもしれない」」

少年「………………ふん」

狙撃少女「心当たりがあるのですか?」

少年は伏し目がちに小さく唸った
470: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/25(水) 04:04:06.34 ID:rnxVLk+q0(2/5)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
471: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/25(水) 19:40:24.26 ID:rnxVLk+q0(3/5)調 AAS
男「こんな子供が大罪?誰かやったのか?」

少年「……どうだろうな」

彼は目を伏せ、それ以上は言わなかった

双子「「大罪というのは、彼の出生にある」」

中華「嫌な話の予感がするね」

双子「「帝国では、ある神が国教として崇められている」」
472: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/25(水) 19:43:03.41 ID:rnxVLk+q0(4/5)調 AAS
氷魔「……そうなんですね……」

双子「「みなさんはご存知だろうけど、神はいる。『ある』のではなく、『居る』」」

やる気「そっすね、何度か見たっすよ」

双子「「かの神の信仰は、いくつかの要素に支えられていたが……その一つが処女性」」

ぶりっ子「……まさか?」

双子「「だが、かの神は突如身籠り……子を産んだ。それが、その少年」」
473: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/25(水) 19:47:33.39 ID:rnxVLk+q0(5/5)調 AAS
炎魔「それが罪って……この子はなにもしてないじゃないですか!」

双子「「現世では、ね。かの神の胎に潜り込んだ……帝国のお偉いさんが言うには、悪しき魂に大罪が宿っているそうで」」

怪盗「処女性が信仰を支えているのなら、彼のことが大っぴらにされていないのも分かりますね」

狙撃少女「勝手なものですね、人間って」

男「……ただ気になったことなんですけど」

双子「「なに?」」

男「その、帝国で信じられてる神って、どんな神様なんです?」

双子「「>>下1」」
474: 2024/12/25(水) 20:33:35.63 ID:rB5tlOQDO携(1)調 AAS
誰の敵にも味方にもならない『中立』の神と言えば言えば良いのかな。
一部の帝国の人間に変に利用されて、帝国に併合すれば敵も味方も無くなると侵略の大義名分にされちゃっているけどね。
475: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/26(木) 04:01:43.54 ID:V6azshQ40(1/3)調 AAS
双子「「誰の敵にも味方にもならない『中立』の神と言えば言えば良いのかな。」」

中華「なるほど……侵されないという処女性があるんだね」

氷魔「……それを信じているのに……彼を追い回すのですね……」

双子「「一部の帝国の人間に変に利用されて、帝国に併合すれば敵も味方も無くなると侵略の大義名分にされちゃっているけどね。 」」

男「なるほど、そうだったんですね……」

少年の生まれが過酷なものであると、
一行の誰もが深く理解した

やる気「これまで少年が生きてこられたのは、奇跡みたいなもんっすね」
476: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/26(木) 04:48:43.26 ID:V6azshQ40(2/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
477: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/26(木) 18:58:14.76 ID:V6azshQ40(3/3)調 AAS
それから一行はしばらくお茶をして、
ティータイムは終わりを告げた

双子「「では行くといい」」

ぶりっ子「はい、ありがとうございましたぁ」

怪盗「帰り道は急がないとね!」

一行は大聖堂の通路へと戻り、
そこにある空間の歪みから戻った
478: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/27(金) 04:15:09.09 ID:FORorMuf0(1/3)調 AAS
一行は街から出ると、街道をその脚で駆け始めた

狙撃少女「まったく、産まれただけで罪なんてひどい話です」

少年「……そうか」

男「今日はいい天気だろ、こんなに眩しい太陽が、お前を罪人として照らしていると思うか?」

少年「………………」

男「あれはサーチライトじゃないし、ここは檻じゃない……自分の人生を生きろ」
479: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/27(金) 04:17:38.79 ID:FORorMuf0(2/3)調 AAS
少年「ふっ……流石にクサくないか?」

男「俺もそう思う!」

ずっとどこか苦し気だった少年も、
ようやく軽口を叩くほどになった

少年「というか……速くない?」

男に担がれて、少年は移動していた

中華「走ればこんなもんでしょ」

少年「馬とそう変わらないぞ……?」
480: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/27(金) 04:50:15.61 ID:FORorMuf0(3/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
481: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/27(金) 18:26:39.06 ID:VrodR83lO携(1)調 AAS
氷魔「……当面の目的地は……あの奇妙な街ですね……」

少年「なんだそれは」

やる気「帝国の領内にあって、実質的な自治権を持つ……色んな並行世界の人々が住んでる街っす」

少年「帝国とは敵対してるってことか」

ぶりっ子「そうですねぇ、まぁ腐っても領内ですし、向こう側にもスパイとかいそうですしぃ……長居はできなさそうですけどねぇ」

怪盗「彼らにとっても火種ですしね」
482: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/28(土) 02:40:04.30 ID:zSkX/0YF0(1/4)調 AAS
しばらく走ると、その街が見えてきた

狙撃少女「よし、行きましょう!」

一行は迷わずその奇妙な街へと入った
相変わらず違和感だらけの奇怪な建物群が並んでいる

炎魔「なんだか、このアンマッチ感が癖になりますね」

少年「そ、そうか……?なぁ、帝国の外ってこんな感じなのか?」

男「まさか。ここは特別だよ」
483: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/28(土) 04:12:00.09 ID:zSkX/0YF0(2/4)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
484: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/28(土) 19:39:20.63 ID:zSkX/0YF0(3/4)調 AAS
一行は前にも訪ねた宿へと向かった

中華「どうもー」

女将「いらっしゃい、用事は終わりました?」

氷魔「……はい……」

女将「それは良かった……あれ?知らない子がいますね」

やる気「帝国に追われてる子なんすよ。うちらで助けようと思って」
485: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/28(土) 20:54:34.63 ID:zSkX/0YF0(4/4)調 AAS
女将にも事情を話し、前回と同じ部屋に通された

ぶりっ子「ここは夕食もユニークなんですよねぇ。すっごく甘いお粥みたいなのも出るんですよぉ」

少年「甘味は……ううん、あまり得意ではないかもしれない。ミルクやチョコが食べられないわけではないが」

怪盗「あ、それなら避けたほうがいいかも……あれ、ビビるほど甘いんで」

まだ夕食までは時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.自由安価
486: 2024/12/28(土) 20:58:36.94 ID:uN2ogfeDO携(1)調 AAS
2
487: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/29(日) 04:30:35.58 ID:wnSh67pD0(1/3)調 AAS
氷魔「……しかし……暑いです……走りすぎました……」

ローブをぱたぱたとさせて、
彼女は自身の暖まりきった体を冷まそうとしている

男「えいっ」

氷魔「……ありがとうございます……」

首元に冷たいものを当てる悪戯は王道だが、
男が彼女の首元に氷を当てても、
驚くどころか冷静に感謝を述べられてしまっている
488: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/29(日) 04:35:35.39 ID:wnSh67pD0(2/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
489: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/29(日) 19:45:03.52 ID:wnSh67pD0(3/3)調 AAS
男「しかし、本当に暑がりだね」

氷魔「……こればかりは体質ですね……なってみたいものです……冷え性とやらに……」

と、一部の女性から恨まれそうなことを溢している

男「氷魔らしいな……」

氷魔「……ええ……よく思ってます……」

男「……そうだ、氷魔。なんか悩みとかないか?」

氷魔「>>下1」
490: 2024/12/29(日) 21:52:00.68 ID:yDbtcPGYo(1)調 AAS
最近力不足を感じる
491: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/30(月) 03:19:23.64 ID:a6u931V70(1/3)調 AAS
氷魔「最近力不足を感じる」

男「……えっ?あの氷魔が?」

彼女が溢した言葉があまりにも意外で、
男はデリカシーに欠ける反応してしまった

氷魔「……私がもっと強ければ……と思うことが増えました……」

男「十分強いだろう!?あんな威力の魔法、真似できやしない」
492: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/30(月) 03:23:13.20 ID:a6u931V70(2/3)調 AAS
氷魔「……しかし……魔力の消費が激しいです……そう連発はできない……継続的に……破壊力を出せないのです……」

男「あぁ……やる気とか、中華と比べてる?あいつらは魔王だし……やっぱり、単発の圧倒的な威力が氷魔の持ち味だよ」

そう彼は語りかける
しかし、氷魔はどこか冷たい目で男へ視線を向けた

氷魔「……一撃の威力というなら……男さんの方が出るじゃないですか……」

男「神様降ろすんだったら、そうかもしれないけど……みんな魔力吸われちまう。氷魔のそれよりも、格段に使いづらいぜ?」
493: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/30(月) 04:07:29.62 ID:a6u931V70(3/3)調 AAS
本日はここまでです
ありがとうございました
494: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/30(月) 19:10:04.68 ID:Wqaaxcg4O携(1)調 AAS
氷魔「……ふん……慰めなんて要りませんよ……」

氷魔はぷいっとそっぽを向いて、軽く鼻を鳴らす

男「……なんか、どつぼに嵌まってるときのぶりっ子みたいになっちまった」

氷魔「……今度は他の女の話ですか……」

男「へっ!?」

氷魔「……なんて……冗談です……面倒臭い女の子の真似ですよ……元気は出ました……」

男「そ、そうか?……いやぁ、なんか心臓に悪かったぞ、今の」
495: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/31(火) 03:22:30.34 ID:V8IhAH0P0(1/3)調 AAS
肝を冷やしているうちに、夕食の時間となった
女将が部屋に料理を運んでくる
相変わらず珍妙極まりない料理の数々だ

中華「やっぱりすごいなぁ……!」

中華は相も変わらず目を輝かせている

やる気「料理人には、なにか分かるもんがあるんすかね」
496: ◆UEqqBEVZVY [saga] 2024/12/31(火) 04:21:06.77 ID:V8IhAH0P0(2/3)調 AAS
本日はここまでです
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