[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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570: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/21(月)17:45 ID:zf0OT7lA0(1/9) AAS
>>569
レスありがとうございます!

ようやく一区切りですね…!
最終決戦って大体ボコボコになって終わるイメージなので、惜しまずに強敵とぶつけましたw
ほんとにこれから先彼らがどうなっていくのかは考えていなくて、またプロットが出来たら書こうかと思っています。

とりあえずあと数話分は書いてケリを着けたいと思ってますので、お付き合いください!
571: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/21(月)17:46 ID:zf0OT7lA0(2/9) AAS
 昼下り、アトリエ中尉は一通りの事後処理を終えて自室で休んでいた。ワーウィック大尉も快方に向かっているというし、そろそろこの艦ともお別れだ。
 あの時、ジムクゥエルを辛くも撃破するも機体の機能を尽く喪失した中尉は、どうにかコックピットを這い出した。
 マラサイはまだオーバーヒートの熱で近づける状態ではなく、救援が来るまでただ独りで呆然と待つしかなかった。
 満身創痍だったとはいえ、ガンダムに乗っていながら機体は大破、その上大尉を負傷させてしまった。もっと強くならなければこの先何も守れないという、自責の念に駆られた。
572: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/21(月)17:47 ID:zf0OT7lA0(3/9) AAS
『入るわよ』
 言うやいなや、メアリーがズケズケと部屋に入ってくる。その後ろからワン中尉も入室した。
「お前らさぁ…せめて俺が返事してから…」
「あ!またご飯食べてない!」
 アトリエ中尉の声を無視してメアリーが怒る。テーブルには今朝2人が来た時に置いていった食事がそのままになっていた。
「…大尉の事とかで悩むのはわかるけど、しっかりしなきゃ」
 ワン中尉が横に腰掛けた。メアリーは相変わらず仁王立ちしている。
573: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/21(月)17:47 ID:zf0OT7lA0(4/9) AAS
「折角だから先に伝えておくが…俺はそろそろエゥーゴに戻る。多分大尉もそうだろうな」
「まあ…そうよね」
 ワン中尉はそのままの姿勢で次の言葉を待っている。
「…あたし、ここに残るわ」
 メアリーが静かに言った。アトリエ中尉も置いていくつもりで話をした。とはいえ自分から言い出すとは正直意外だった。
「俺もその方が良いと思ってな。多分俺達は宇宙に上がることになると思う。ティターンズの地上拠点はもう数えるほどしかない」
「大丈夫よ、ベイトの帰る場所はちゃんとあたしが守るわ」
 メアリーは本当に強くなった様だ。
「そんなら安心だな。今ならワン中尉が攫いに来ても返り討ちにしそうな勢いだし」
「やめてよそういうの!黒歴史ってやつよ」
省6
574: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/21(月)17:47 ID:zf0OT7lA0(5/9) AAS
 2人が退室して、身支度を整えた中尉は格納庫へ顔を出した。全員に休暇が与えられているはずだが、ヴィジョン達整備班は相変わらず作業している。
「よお、おっさん。休まねぇのか?」
「来たなニュータイプ」
「ちげぇよ」
 ヴィジョンは相変わらずの汚れた格好で機械を弄っている。
「お前らが尽くスクラップにしちまったからかなり手は空いてるんだがな、何もするなと言われると何かしたくなるもんなのさ」
「気持ちはわかるぜ」
 サドウスキー大尉のリックディアス以外は予備機しか残っていない。やたら広いせいで余計に寂しくなった格納庫だが、また補給が始まれば忙しない時間が戻るだろう。
「…ちょっと挨拶のつもりで顔を出したんだ」
「戻るのか?エゥーゴに」
省1
575: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/21(月)17:48 ID:zf0OT7lA0(6/9) AAS
「ガンダムがあったらもっとうまくやれると思ってた。機体の問題じゃなかったんだ…俺自身を鍛え直さなきゃならねぇ」
「メカニックの俺から言わせりゃ、お前位の腕があるならガンダムに乗る資格は十分あると思うがな」
「どうだか。敵の強化人間にはコテンパンにやられた」
 強化人間やニュータイプとやり合うにはもっと反応速度が必要だ。単純な操縦技術だけでは戦えない敵が現れつつある。
「エゥーゴに行けば何か変わりそうか?」
 ヴィジョンが作業をやめて、腕組みしながらこちらを見る。
「宇宙に行くべきだと思ってるんだ」
 伏し目がちに中尉がいう。
「なるほど、そりゃあいい。ジオン・ズム・ダイクンは宇宙こそが人の感覚を拡張し得るといってたぜ?眉唾ものだと思っていたが…お前が証明したら俺も信じるさ、若造」
 そう言ってヴィジョンは中尉の頭をがしがしと撫でた。
576: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/21(月)17:48 ID:zf0OT7lA0(7/9) AAS
 しばらくすると、腕にギブスをしたワーウィック大尉が格納庫へとやってきた。
「中尉が呼びに来るより先に来てしまったな」
 思いの外元気な様だ。昏睡していた時にはどうなる事かと心配していたものだ。
「丁度良かった。これからどうするよ」
「そのことだが…。私はエゥーゴに戻りたい」
「やっぱりな!そう言うと思ってたぜ。じゃあ艦長のとこいくか」
 ヴィジョンとまた一言二言交わしてから、大尉も連れてブリッジへと向かった。

 その道中、貨物の区間を通る。
「ここでメアリーを見つけたんだったな」
 感慨深そうに大尉が言う。あれからそんなに時間は経っていない筈だが、随分と前の事の様に感じる。
省10
577: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/21(月)17:48 ID:zf0OT7lA0(8/9) AAS
「ニュータイプの兆候が見られたアトリエ中尉とシェクター少尉はメアリーに青だって言われてたろ?あながち間違いじゃないんじゃないかと思ってな」
「ただの頭痛持ち2人だってば!…てか、大尉は何色だったんだ?」
 メアリーは彼にも特殊なものを感じ取ったと言っていた気がする。しかしニュータイプの勘というようなものは持ち合わせていない様に思う。
「私か?私は緑色だそうだ。ジオンカラーだよ」
「そりゃある意味ニュータイプ論に近しいかもな」
「そうなら良いんだがな。緑色に関しては何の資料も無かったよ」
 大尉が笑った。戦いを終えてからというもの、彼が帯びていた影のようなものが鳴りを潜めた様に感じられた。
578: ◆tyrQWQQxgU 2019/10/21(月)17:49 ID:zf0OT7lA0(9/9) AAS
「…緑は1番暖かい色よ!」
 廊下の先にメアリーがいた。
「緑が暖かいのか。意外な色だな」
 駆け寄るメアリーと手を繋ぎながら大尉が言う。
「青はニュータイプなのかよ?悪ガキ」
 中尉がそう言うやいなや、メアリーに蹴られた。
「あたし結構良い子よ!…青い人は確かにそんな感じだけど、他にも紫とか」
「良い子の割に蹴るじゃねぇか…」
 痛がる中尉を見るメアリーは相変わらず愉快そうだ。
「紫ってのはこないだの強化人間とかか?」
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