[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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426: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)21:22 ID:qi6b4+Mv0(1/14) AAS
皆さんレスありがとうございます!!!

お待たせしましたが、ガルダ級にようやく命名出来ました。
初めから名前をあげても良かったんですが、何かしらストーリーを絡めたかったのでこのタイミングで。
メアリーの出自やそれまでの経緯も踏まえての由来にできたかと思います。
427
(1): ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)21:28 ID:qi6b4+Mv0(2/14) AAS
なるべく情景の描写を挟むようにしてますが、わかりにくい時はぜひぜひご指摘ください!

原作のキャラクターも少し挟み込んでいきたいと思ってます。
今のところハヤトと、ベトナム基地到着時にしれっとモニター越しのウォンさんも出してます…w

もうじき10万文字を超えそうですが、まだまだ続きます!
とりあえずこの章はニューギニア基地攻略が最終決戦のつもりで書き進めているので、決着までお付き合いいただければ。

反響があれば何かしらの形でまとめなおしたいですね!今はとにかく書き進めます!!
428: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)21:29 ID:qi6b4+Mv0(3/14) AAS
 ベトナム基地を巡る戦いからしばしの時間が経った。私は一通りの整備を終えてドックに待機する朱雀を見上げていた。

 ガルダ級朱雀はその修復、改修を終えて正式に我々の母艦となった。
 前回の戦いの反省から、格納庫周辺の火力を増強してある。対空砲火は勿論、後方の敵を想定した主砲級の大型メガ粒子砲を4基搭載。
 ペイロードは多少犠牲になったが、元々広すぎたくらいだ。ペイロードから直接の整備が可能になった点も他の艦にはないメリットと言える。
 前面にも大型メガ粒子砲を増設し、側面の副砲なども備え総合的な火力が増強された。敵地に入り込んでも十分戦える火力といえるだろう。
 旧ジオンのドロス・ドロワを想起する、さながら移動要塞である。

 問題は人員で、スギ艦長に代わる人材が見つからない為当分はバッカス少佐が艦長代行に就任することとなった。
 大規模な作戦前に右も左もわからない人間を連れてくるより賢明だと判断したようだ。
429: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)21:31 ID:qi6b4+Mv0(4/14) AAS
「あれからよく立ち直れたもんだ」
 後ろからアトリエ中尉が声をかけてくる。彼も腰に手を当てながら私の横で戦艦を見上げた。
「手酷くやられたからな。私もここまで早く復旧出来るとは思っていなかったが」
「整備班の連中、ぶっ倒れる寸前までやってたぜ。設備や人員のあるでかい基地とはいえ、流石にこの規模の改修は大変だったろうよ」
 そんな話をしながら艦内へと入る。格納されたモビルスーツが立ち並び、まばらに散った整備士達がゆるやかに作業をしていた。
 我々モビルスーツ隊の機体も本格的な改修を行ったので、パイロットである私達も改めて確認に来たのだった。

 私のマラサイはティターンズが量産体制に入ったこともあり、カラバでもようやく純正部品での修理が容易になった。
 腕部も元に戻り、私の戦闘スタイルに合わせて両肩をシールドに換装した。中距離の近接戦が多い私には、敵の射撃なども防御出来る面が多い方が助かる。

「私もそろそろ新しい機体が欲しいな」
 冗談混じりに中尉を小突いた。
省5
430: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)21:32 ID:qi6b4+Mv0(5/14) AAS
「お2人も来られたんですね。サドウスキー大尉と2人で先に来てました」
 我々に気付いたシェクター少尉が駆け寄る。
「お、少尉!オモチャ取りあげられちゃったんだって?」
 アトリエ中尉が意地悪く笑う。
「アーガマで使うんですって。Gディフェンサーにとっては栄転ですよ!僕が乗るより旗艦のパイロットに使ってもらった方が良いってもんです。僕は僕でまた新しいやつ乗りますよ」
 少尉は若干不貞腐れている様子でそう言った。

 彼は新しい機体を受領する事になっていた。Gディフェンサーはテスト運用を終えてエゥーゴへと配備、宇宙のアーガマへと送り届けられる。
 我々の隊はサポート機だけでは戦力的にも心許ない為、違う機体があてがわれるとのことだった。
 シェクター少尉の後ろで作業中のサドウスキー大尉が目に入る。アトリエ中尉が傍へ行き、2人でなにやら話し始めた。私と少尉はサドウスキー大尉の改修中の機体を眺めた。

 彼は借り物のガンキャノン・ディテクターを返却し、再び元のリックディアスへと乗り換えた。
省2
431: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)21:32 ID:qi6b4+Mv0(6/14) AAS
「揃ったか!さーて、シェクター少尉の新しい機体のお披露目だぜー?」
 我々パイロット達の前にヴィジョンがやってきた。
「もう怪我は大丈夫かよ?」
 アトリエ中尉が気遣うが、ヴィジョンは全く気に留めない。
「大したことはねえ!大げさな連中が寝かしつけてくるからありがたく食っちゃ寝してただけだ」
 そうは言いつつも体力的には万全ともいえない様で、表情はいつもより険しい。
「全くタフなおっさんだぜ。そんで少尉の機体ってのは?」
 サドウスキー大尉が腕を組みながら目を輝かせている。
「お前こそタフなおっさんだろうが。皆こっちにきてみろ」
 ヴィジョンに連れられてペイロードを進む。何やら青緑の機体が見えた。
432: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)21:33 ID:qi6b4+Mv0(7/14) AAS
「こいつだ!この職場は面白い試作機ばっかりくるからやめられねぇよ!…機体名はメタス改。遂にうちにも可変機が来たわけだな。いじり甲斐がありそうだ」
 納入されたメタス改はあちこちにテープで留められたカバーなどが散見され、まさに新品といった様相だ。大きな背負いものが目を引く。
「これが僕の機体なんですね!凄い…!」
 シェクター少尉がはしゃいでいる。サドウスキー大尉も感心しながら機体を眺めていた。
「可変機ってことはこれ変形するんだな。いまいちイメージ沸かねぇ」
 アトリエ中尉が首を捻っている。確かに航空機の様な形状の部位は見当たらない。

「ちゃんと変形するぜ?お前らアナハイムのZ計画って知ってるか」
 頷く中尉をよそにピンときていない私を見て、ヴィジョンが得意げに続ける。
「Z計画の機体はリックディアスが1番有名だろうな。元々ガンマの名を冠した機体だが、同じ様にギリシャ文字をあてがった機体が後にも続く。そうやって今も開発中の機体群の総称だ」
「これもその内の1つってことですか」
省6
433: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)21:34 ID:qi6b4+Mv0(8/14) AAS
「なんつーか…」
 アトリエ中尉が艦内を見渡しながら口元を綻ばせていた。
「どうかしたか」
「いや。色々あったけど、次の作戦がこれまでの総決算になるんだなと思うと…何かワクワクしてきてよ」
「ふふ。わからんでもないな」
 私も中尉と共に艦内を見回した。2人でここに来ていくらか時間が経った。本当に色んな事があったが、全てはニューギニア基地攻略でケリがつく。
 失ったものと得たもの。どちらが多い少ないなどそういう事ではないが、そうやって自分の中で新陳代謝を繰り返しながら行き着く先に何があるのか。
 私も中尉の言うように、何かが変わっていく実感と予感を強く感じているのは事実だった。

48話 失ったものと得たもの
434: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)21:56 ID:qi6b4+Mv0(9/14) AAS
遅くなりましたがpixivも追いつきました!
遡って読む分にはこちらのほうが便利だったりするので是非読んでみてください。

https://www.pixiv.net/novel/series/1155468

どうも既に10万字超えてたみたいですね…w
435: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)23:22 ID:qi6b4+Mv0(10/14) AAS
 惨敗。アイバニーズ少佐とその部下達は、大きく敵地を迂回してニューギニア基地へと向かう母艦の中、ブリーフィングルームの重苦しい空気と共に待機していた。
 ストランドバーグ中尉と僚機を失い、残った面子も機体は中破した。まともに使えそうなのはギャプランくらいで、他の機体は廃棄せざるを得ない程の損傷だった。
 奇襲そのものは成功したものの、敵の予測を大きく裏切る事が出来なかった。
 迎撃を許し、どうにか押し込んでいたところでジオン残党の増援である。脱出出来たのが不幸中の幸いと言っていいだろう。
 一時的に勢いがついた前線はジオンの宣戦布告もあり再び押し返され、結局敗走した。もう少し撤収が遅ければアイバニーズ少佐達の回収も出来なかったと思われる。その位ギリギリの戦いだった。
436: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)23:22 ID:qi6b4+Mv0(11/14) AAS
「次の手はどうされますか」
 スペクター大尉が口を開いた。ビー少尉は眠るように固く瞼を閉じ、腕組みをして俯いている。
「相手に立て直す暇を与えたくはないが、こちらの方がダメージは深刻だ。恐らく敵の方が先に動くだろうな」
「先手を許すのですか」
「後手の先手というやつだ。こないだカラバ・エゥーゴの連中がしたようにな」
 少佐がそういうと、スペクター大尉は唇を噛んで黙った。
「今度はムラサメ研究所にも援軍を出させる。奴らの不手際もあったからな…断れまいよ。オーガスタ研究所からも補給があるそうだ」
 そこまで言って、少佐はその場を後にした。
437: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)23:23 ID:qi6b4+Mv0(12/14) AAS
 執務室へ入ると、大量の呼出履歴に目をやる。フェンダー少将からだった。これだけの敗戦ともなれば無理もあるまい。少佐は仕方なくフェンダー少将へ通信を試みた。
『やっと繋がったか。何をやっていた』
 案の定直ぐに通信が繋がる。不快感を露わにしたフェンダー少将は、明らかに冷静さを欠いているようだった。
「申し訳ありません。現場も現場で事後処理がありますので」
『わかっているとも。言いたいのはそういう事ではない』
「と、言いますと?」
『戯れるな!貴様らは何をやっていたのかと言っているのだよ!奇襲を読まれていたのだろう!他にやりようは無かったのか!』
 フェンダー少将はモニター越しに机を拳で叩いていた。
「最善は尽くしましたが…あの戦力差では如何ともし難く」
『まあ、ジオン残党も介入してきたようだしな…。奴らはこのニューギニア基地を叩きに来るだろう。ここを抜かれれば次は無いぞ、私もお前も』
省4
438: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)23:23 ID:qi6b4+Mv0(13/14) AAS
「ふん。私はあなたの様に座して死ぬつもりはない」
 少佐は1人呟いた。
「…コックピットでも少佐はお立ちになるので?」
 後ろからスペクター大尉の声がした。
「ノックくらいしろ」
「すみません、急ぎだったもので」
 大尉が改めて敬礼する。流石に彼も特務部隊の人間だ。悟られずにこの部屋に入るなど容易いだろう。しかし何故…。
「…それに私は暖かいベッドで死ぬつもりだ。コックピットで死ぬなど御免被る」
「いやはや、失礼致しました」
「用件は?」
省4
439: ◆tyrQWQQxgU 2019/09/26(木)23:24 ID:qi6b4+Mv0(14/14) AAS
 エゥーゴ・カラバも補給が済んだと見える。ジオン残党の牽制もあり、援軍らしい援軍は見込めない戦いになりそうだった。
 乗機のジムクゥエルも今回の作戦で使用できるか怪しいところだ。ロングレンジライフルの直撃を受けた上半身は特に損傷が深刻だった。
改修してきたとはいえ、発展目覚ましいMSの機種変換の流れに置いていかれていた感も否めない。
 少佐自身はどうだろうか。この時代に取り残されまいと、もがいているだけではないのか。

 その答えはこの戦いで明らかになる筈だ。不穏な感覚を振り払い、執務室の照明を落とし扉を閉めた。

49話 暖かいベッド
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