[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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197: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/06(火)12:23 ID:eFTbytpg0(1/8) AAS
やっとpixivの更新もこっちに追いつきました!

https://www.pixiv.net/novel/series/1155468

改めて見てみると、かなり話進んできましたね!
この調子で最後まで行ければと思いますが、まだまだ先は長そう…w
198: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/06(火)18:11 ID:eFTbytpg0(2/8) AAS
 あの時すぐにでも追いかけていれば、こうも苦労はせずに済んだものを。アトリエ中尉は軽く舌打ちしながら、近辺の情報をくまなく探った。
 広大な海を捜索するのは並大抵のことではなく、レーダーがあるとはいえ海底にでも沈んでいればまず見つからないと思った。
 おまけに日も沈み始めていて、暗くなってしまえばお手上げだろう。ガルダ級の進路を遡ってきたものの、そこはただただ海だった。
 行く宛の無くなってきた中尉は焦り始める。
「ま、そもそも俺のミスか」
 中尉は独り呟いた。
199: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/06(火)18:11 ID:eFTbytpg0(3/8) AAS
 弱いやつを、不思議と嫌いになれなかった。それは自分が本質的に弱い部分を抱えている人間だと自覚があったのかもしれない。
 何かと我を通してきた人生だったが、多くの人はそれに付いてきてくれた。しまいには運も付いてきて、一年戦争を終える頃にはエースといって差し支えない立派な戦果も上げた。
 味方を捨て駒の様に扱う無謀な作戦には従わず、それでいて最前線で確実に生還してきたのだ。
 幸いMSの操縦は自分に向いていたし、考えるよりも先に敵の動きがよくわかった。
 それと同時に、放っておけば死ぬだろうという味方の動きにも気づく。そういう連中を守りながら戦うことで、技術もより洗練されていったのかもしれない。
200: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/06(火)18:12 ID:eFTbytpg0(4/8) AAS
 カラバに合流して程なく感じた頭痛は不思議な感情を伴っていた。戦場でよく起こしていた頭痛は苦しいものばかりで、そんな時はよく人が死んだ。悪い予感というやつだ。しかしあの時のそれはまた違う感覚だった。
 助けを求めている様な、それでいて遊びに誘う様な…無邪気な気分とでもいえば良いのか。そんな感情が頭痛と共に自分の中へ入り込んできた。
 結局あれは何だったのかハッキリとはしていないが、きっとメアリーのもつ波長のようなものを感じていたのだろう。

 あの後飛び出していった大尉には悪い予感を感じた。
 メアリーを部屋に押し込んですぐに追いかけたおかげで事なきを得る事ができたのだが、彼女に後押しされた感さえある。
 そして今回もまた不安な予感を感じていた。メアリーもそうだったが、たまに強く印象が残る人がいる。シェクター少尉もそうだった。
 自分が出撃に遅れたことで負い目もあったが、それにしても危なっかしい様子だと感じ続けてきた。そしてこの捜索だ。やはり間違っていないのだろう。
201: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/06(火)18:13 ID:eFTbytpg0(5/8) AAS
 捜索の目処が立たないまま遂に日が落ちてしまった。このまま帰るわけにはいかない。何としても連れて帰らねば。そんな気負いと共に、また頭痛が襲ってきていた。
 なんの気なしに暗い地平線を見つめていると影が見えた。あれは島か?何故か中尉はその影に強く惹かれた。
 座標を確認すると確かに島がある。
「ここまできたら直感を信じてみるか。NTの勘ってやつかもしれねえしな」
 中尉は自嘲気味につぶやくと、ひとまずその島を目指すことにした。
202: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/06(火)18:13 ID:eFTbytpg0(6/8) AAS
 小さな島だ。鬱蒼と木々が生い茂り、浜辺に囲まれている。不時着は出来そうだし、本当にここにいるかもしれない。
 そんな事を考えていた矢先、光が見えた。島を挟んだ反対側。
 島を越えるように警戒しつつ飛行すると、離れていくMAが視界に入る。
 暗くて型はわからない。サイズからしてTMAの様だ。敵だった場合、今交戦してもこちらに有益な事はない。そのまま見送った。

『聞こえますか!応答願います!』
 しばらくして通信が届く。少尉の声だった。
「おう!生きてたかよ!迎えに来てやったぜぼっちゃん!」
 ほっと胸を撫でおろした。無事で何よりだ。
『もう暫く野宿かと思っちゃいました』
「艦は先に行っちまったけどな。俺が燃料たんまり積んで一人で来た。さっさと追いつかねぇとまた置いていかれるぞ」
省2
203: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/06(火)18:14 ID:eFTbytpg0(7/8) AAS
「全く無茶しやがる」
「申し訳ありませんでした…
 そろそろ助けが来るんじゃないかって思ってたんですが、予感が外れたかなあと弱気になりかけたところで中尉が来てくれました」
 吹っ切れた様子の少尉は、どことなく嬉しそうだった。
「その…なんだ。お前に色々悩ませちまったな。今回も…」
「いやいや、そんな事ありませんよ!僕のやるべき事をやろうとしただけです」
「でも、嬉しいです。お気遣いいただいて」
 小恥ずかしくなった中尉はそのまま黙った。
204: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/06(火)18:15 ID:eFTbytpg0(8/8) AAS
 このまま特に問題なく戻れそうだなと思いながら飛行を続けていたが、頭痛が収まらない。むしろ酷くなってきた。
「中尉、どうされました」
「いや、ちょっと頭が痛いだけだ。気にすんな」
「僕も何だか不快な感じがします。何でしょうかこれ…」
 背中がざわついていた。あまりにもハッキリと背中で寒気を感じていたその時だった。突然ミノフスキー粒子の濃度が濃くなり始めた。
「おい、そっちでも確認出来たか?」
「はい!これは…」
 ミノフスキー粒子の散布下でも機能する短距離のレーダーに切り替えると、中尉は言葉を失った。
 ものすごい量の熱源反応。中隊規模か?ガルダ級の進路に沿ってこちらへ向かってきていた。
「…やばいんじゃないですかね…!」
省2
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